JP4534454B2 - 硫黄系悪臭の消臭に適した消臭剤 - Google Patents

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Description

本発明は、種々の悪臭、特に硫黄元素を含む化合物を主成分とするいわゆる硫黄系悪臭に対して優れた消臭性能を有する消臭剤並びに硫黄系悪臭及びその他の悪臭からなる複合悪臭に対して優れた消臭性能を有する消臭組成物に関するものである。
近年、快適な生活に対する要求は急激に高まっており、その一つに身の回りに発生する悪臭を除去することができる消臭製品が非常に注目されている。特に、硫化水素、メチルメルカプタン等の硫黄元素を含む化合物を主成分とする硫黄系ガスは特に強い不快感を与えるものとして嫌われており、これらの硫黄系ガス悪臭に有効な消臭剤が望まれている。しかし、従来から知られている一般的な消臭剤である、活性炭、芳香属第一級アミンを添着させた活性炭、pH調整をした活性炭、鉄化合物とアスコルビン酸とを組み合わせたもの、アミノ基やスルホン基を持つ高分子化合物などは、いずれも硫黄系悪臭の消臭能力は低いものであった。またこれらの消臭剤は、元々着色していたり、又は悪臭成分を吸着又は化学反応することによって着色や変色を起すため、用途によっては使用できないという問題もあった。
これに対し、硫黄系悪臭に対する消臭機能を有する消臭剤として、ジルコニウムやランタノイド元素の水酸化物又は含水酸化物を有効成分とする脱臭剤が報告されている(例えば特許文献1参照)。また、特定の金属イオンを含有する4価金属リン酸塩からなる消臭剤が提案されている(例えば特許文献2参照)。さらに、特定の微粒子酸化亜鉛が硫化水素に対する高い消臭性能を有するものとして示されている(例えば特許文献3参照)。これらの消臭剤は消臭剤自身の着色又は変色がないという特長を有するものの、硫黄系悪臭ガス、特にメチルメルカプタンに対する消臭性能が十分ではなかった。
また、BET比表面積が300m2/g以下、吸油量が130ml/100g以下で且つ1規定のアンモニア水による銅イオンの溶出量が全銅当たり1.5%以下から成る非晶質ケイ酸銅は抗菌性能に優れることを示している(例えば特許文献4参照)。しかし、このものはメチルメルカプタン消臭性能が十分ではない。
さらに、珪酸ゲル構造の内部に銅、亜鉛等の金属塩を包含した悪臭ガス消臭剤が提案されている(例えば特許文献5参照)。
特開平1−223968号公報(特許請求の範囲) 特開平10―155883号公報(特許請求の範囲) 特開2003−52800号公報(特許請求の範囲) 特開平8−283013で号公報(特許請求の範囲) 特開平4−290546号公報(特許請求の範囲)
本発明は、従来の消臭剤の問題点を解消し、各種悪臭成分、特に硫化水素およびメチルメルカプタンなどの硫黄系ガスの悪臭成分に対する消臭効果が大きい材料を提供することを課題とするものである。
本発明者は鋭意検討した結果、特定の物性を有する非晶質珪酸金属が、硫黄系ガスの悪臭成分に対し優れた消臭性能を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の消臭剤は銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも1種類の金属塩と珪酸塩との無定形複合体であり、細孔容積が0.3〜0.5ml/gである硫黄系ガス消臭剤に関するものである。
本発明の消臭剤は、メチルメルカプタンおよび硫化水素などの硫黄系ガスの悪臭の消臭効果が高いため、排泄臭、生活臭、および生ゴミ臭など生活環境で発生する種々の臭気を除外するために有用である。
本発明の消臭剤は、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも1種類の金属塩と珪酸塩の無定形複合体であり、細孔容積が0.3ml/g以上であり0.5ml/g以下のものである。硫黄系ガスに対する消臭性能が優れることから金属塩としては好ましくは銅、亜鉛、またはマンガンであり、より好ましくは銅または亜鉛であり、特に好ましくは銅である。本発明の消臭剤の製造に用いる銅や亜鉛などの金属塩としては硫酸、塩酸および硝酸などの塩を用いることができる。また、珪酸塩としては、珪酸アルカリ金属塩が好ましく、更に珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウムが好ましく、特に好ましくは珪酸ナトリウムである。
本発明の消臭剤の細孔容積が0.3ml/gより小さいとメチルメルカプタンおよび硫化水素等の硫黄系悪臭に対する消臭性能が十分ではないことがある。具体的には消臭速度が遅いことがある。また細孔容積が0.5ml/gより大きいと消臭性能が劣ることがある。特にメチルメルカプタンの消臭性能が十分ではないことがある。また、粒子どうしが凝集しやすくなるため、粉体としての取り扱いが難しいくなるため好ましくない。なお、細孔容積はポロシメーターを用いた水銀圧入法による容易に測定できる。
本発明の消臭剤を製造するときの金属塩と珪酸塩とのモル比は0.29以上で0.5未満であり、好ましくは0.3〜0.45であり、更に好ましくは0.3〜0.4である。即ち、本発明の消臭剤は金属塩と珪酸塩とのモル比が0.29以上で0.5未満のものから得られるものである。
硫黄系悪臭ガスを含む数種の悪臭源が混合している複合型悪臭を効率的に除去するために、本発明の消臭剤と公知の消臭剤とを混合させてまたは組み合わせて消臭組成物として使用することも可能である。公知な消臭剤としては活性炭、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、含水酸化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、酸化亜鉛、およびセピオライト等が挙げられる。
○用途
本発明の消臭剤または消臭組成物は、粉末又は顆粒でそのままカートリッジなどの容器に入れた最終消臭製品として使用でき、室内や室外の悪臭発生源の近傍などに静置しておくことでその効果を発揮することが出来る。更に、本発明の消臭剤または消臭組成物は、以下に詳述するように繊維、塗料、シート、または成型品などに配合し、消臭製品を製造するために利用できる。
本発明の消臭剤または消臭組成物を用いた有用な消臭製品の1つは消臭性繊維である。この場合の原料繊維としては、天然繊維及び合成繊維のいずれであっても良く、また、短繊維、長繊維及び芯鞘構造をもった複合繊維等いずれであっても良い。
繊維に、本発明の消臭剤または消臭組成物を使用して消臭性能を付与する方法には特に制限はなく、例えば、本発明の消臭剤または消臭組成物を繊維に後加工で塗布する場合には、消臭剤または消臭組成物を含有した水系あるいは有機溶剤系懸濁液を、塗布やディッピング等の方法で繊維表面に付着させ、溶剤を除去することにより繊維表面にコーティングすることができる。また、繊維表面への付着力を増すためのバインダー入れて混合してもよい。消臭剤を含有する水系の懸濁液のpHは特に制限はないが、消臭剤の性能を十分に発揮させるためにはpHが6〜8付近であることが好ましい。
また、溶融した液状繊維用樹脂又は溶解した繊維用樹脂溶液に、本発明の消臭剤または消臭組成物を練り込み、これを繊維化することによって消臭性能を付与した繊維を得ることができる。この方法で用いることができる繊維用樹脂は公知の化学繊維はいずれも使用することはできる。この好ましい具体例として、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリビニル、ポリビニリデン、ポリウレタン及びポリスチレン等がある。これらの樹脂は、単独ポリマーであっても共重合体であってもよい。共重合体の場合、各共重合成分の重合割合に特に制限はない。
繊維用樹脂に含有させる本発明の消臭剤または消臭組成物の割合は、特に限定はされない。一般に含有量を増やせば消臭性を強力に発揮させ、長期間持続させることができるが、ある程度以上に含有させても消臭効果に大きな差が生じないこと、あるいは繊維の強度が低下することがあるので、好ましくは繊維用樹脂100質量部当たり0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。
本発明の消臭剤または消臭組成物を使用した消臭繊維は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば肌着、ストッキング、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファー、カーシート、エアーフィルター、介護用衣類等、多くの繊維製品に使用できる。
本発明の消臭剤または消臭組成物を用いた2番目の主要な用途は消臭塗料である。消臭塗料を製造するに際し、使用される塗料ビヒクルの主成分となる油脂又は樹脂に特に制限はなく、天然植物油、天然樹脂、半合成樹脂及び合成樹脂のいずれであっても良く、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであっても良い。
使用できる油脂及び樹脂としては、例えばあまに油、しなきり油、大豆油等の乾性油又は半乾性油、ロジン、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸酪酸セルロース、ベンジルセルロース、ノボラック型又はレゾール型のフェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂及びポリ塩化ビニリデン樹脂等がある。
本発明の消臭剤または消臭組成物は液状塗料、粉体塗料のいずれにも使用可能である。又、本発明の消臭剤または消臭組成物を用いた消臭性塗料組成物はいかなる機構により硬化するタイプでもよく、具体的には酸化重合型、湿気重合型、加熱硬化型、触媒硬化型、紫外線硬化型、及びポリオール硬化型等がある。また塗料組成物中に使用される顔料、分散剤その他の添加剤は、微粒子酸化亜鉛やそれと併用する消臭性物質と化学的反応を起す可能性のあるもの以外を除けば、特に制限はない。
本発明の消臭剤または消臭組成物を用いた塗料組成物は、容易に調製でき、具体的には、上記消臭剤または消臭組成物と塗料成分をボールミル、ロールミル、デイスパーやミキサー等の一般的な混合装置を用いて十分に分散、混合すればよい。
消臭性塗料中に含有させる本発明の消臭剤または消臭組成物の割合は、特に限定はされない。一般に含有量を増やせば消臭性を強力に発揮させ、長期間持続させることができるが、ある程度以上に含有させても消臭効果に大きな差が生じないこと、あるいは塗装面の光沢がなくなったり、割れが生じたりするので、好ましくは塗料組成物100質量部当たり0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。
本発明の消臭剤または消臭組成物を配合した消臭性塗料は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、建物、車両、鉄道等の内壁・外壁、ゴミ焼却場施設、生ゴミ容器等で使用できる。
また、本発明の消臭剤または消臭組成物の重要な別の用途の1つは消臭性シートである。原料となるシート材は、その材質、微構造等に制限はない。好ましい材質は樹脂、紙等、あるいはこれらの複合物であり、多孔質材質のものが好ましい。シート材の好ましい具体例として、和紙、合成紙、不織布、樹脂フィルム等があり、特に好ましいシート材は天然パルプ及び/又は合成パルプからなる紙である。
天然パルプを使用すると、微細に枝分かれした繊維間に消臭剤粒子の粉末が挟まれ、特に結合剤を使用しなくても実用的な担持体となるという長所があり、一方、合成パルプは耐薬品性に優れるという長所がある。合成パルプを使用する場合には、繊維間に粉体を挟み込むことにより消臭剤粒子を担持することが困難となることがあるので、抄紙後の乾燥工程において繊維の一部を溶融し、粉末と繊維との間の付着力を増加させたり、繊維の一部に別の熱硬化性樹脂繊維を混在させることもよい。このように天然パルプと合成パルプとを適当な割合で混合して使用すると、種々の特性を調整した紙を得ることができ、一般に合成パルプの割合を多くすると、強度、耐水性、耐薬品性及び耐油性等に優れた紙を得ることができ、一方、天然パルプの割合を多くすると、吸水性、ガス透過性、親水性、成形加工性及び風合い等に優れた紙を得ることができる。
シート材に本発明の消臭剤または消臭組成物を担持させる方法には特に制限はない。本発明の消臭剤または消臭組成物の担持は、シートの製造時又はシートの製造後のいずれでもよく、例えば、紙に担持する場合、抄紙工程のいずれかの工程において消臭剤を導入したり、バインダーと共に消臭剤を分散させた液体を予め製造した紙に塗布、浸漬又は吹き付ける方法がある。
以下、一例として、抄紙工程時に本発明の消臭剤を導入する方法について説明する。抄紙工程自体は公知の方法に従って行えばよく、例えば、まず、所定の割合で消臭剤とパルプとを含むスラリーに、カチオン性及びアニオン性の凝集剤をそれぞれ全スラリー重量の5重量%以下添加して凝集体を生成する。次いで、この凝集体を公知の方法によって抄紙を行うと共に、これを温度100〜190℃で乾燥させることにより、消臭剤を担持した紙を得ることができる。
本発明の消臭剤または消臭組成物のシート材への担持量は、一般に担持量を増やせば消臭性を強力に発揮させ、長期間持続させることができるが、ある程度以上に担持させても消臭効果に大きな差が生じないので、消臭剤または消臭組成物の好ましい担持量は、抄紙工程時に消臭剤または消臭組成物をシートの表面と内部の全体に担持させる場合、シート100質量部あたり0.1〜10質量部であり、コーティング等により後加工でシートの表面のみに消臭剤または消臭組成物を担持させる場合0.05〜10g/m2である。
本発明の消臭剤または消臭組成物を使用した消臭性シートは、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、医療用包装紙、食品用包装紙、電気機器用梱包紙、介護用紙製品、鮮度保持紙、紙製衣料、空気清浄フィルター、壁紙、ティッシュペーパー、トイレットペーパー等がある。
○樹脂成形品
本発明の消臭剤または消臭組成物の用途として樹脂成形品への適用が挙げられる。本発明の消臭剤を樹脂に添加する場合には、樹脂と消臭剤とをそのまま混合し成形機に投入し成型することも、消臭剤を高濃度含有したペレット状樹脂を予め調製し、これを主樹脂と混合後成型することも可能である。また、樹脂には物性を改善するために、必要に応じて顔料、染料、酸化防止剤、耐光安定剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラス繊維、防湿剤及び増量剤等種々の他の添加剤を配合することもできる。本発明の消臭剤を用いた消臭性樹脂成形品を製造するための成型方法としては、射出成型、押出成型、インフレーション成型、真空成型など一般の樹脂成型方法が使用できる。
本発明の消臭剤または消臭組成物を使用した消臭性樹脂成形品は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、空気清浄器、冷蔵庫などの家電製品や、ゴミ箱、水切りなどの一般家庭用品、ポータブルトイレ等の各種介護用品、日常品等がある。
<実施例>
細孔容積はポロシメーターを用いた水銀圧入法による容易に測定した。
ケイ酸ソーダ2号品(北越化学工業(株)製)20gとイオン交換水100mlとをポリ容器に入れて均一な溶液とした。この溶液を撹拌しながら30℃に保ち、硫酸銅5水和物10gをイオン交換水100mlに加えて溶解させた溶液を、前記ケイ酸ソーダ水溶液中に1時間かけて滴下し、更に30℃に保ったまま4時間撹拌を続けて熟成させ青色の生成物を得た。このときスラリーのpHは6.9であった。このスラリーをろ過し、更にケーキからの洗浄液の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで洗浄を行った。洗浄終了ケーキを110℃で乾燥した後、粉砕しメジアン径3.0μm、細孔容積0.35ml/gの試料Aを得た。
硫酸銅水溶液中にケイ酸ソーダ水溶液を滴下したこと以外は実施例1と同様に操作してメジアン径3.0μm、細孔容積0.35ml/gの試料Bを得た。なお、熟成後のスラリーのpHは7.1であった。
ケイ酸ソーダ3号品(北越化学工業(株)製)13gとイオン交換水200mlとをポリ容器に入れて均一な溶液とした。この溶液を撹拌しながら30℃に保ち、硫酸銅5水和物4.8gをイオン交換水50mlに加えて溶解させた溶液を、前記ケイ酸ソーダ水溶液中に1時間かけて滴下し、更に30℃に保ったまま4時間撹拌を続けて熟成させ青色の生成物を得た。このときスラリーのpHは7.3であった。このスラリーをろ過し、更にケーキからの洗浄液の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで洗浄を行った。洗浄終了ケーキを110℃で乾燥した後、粉砕しメジアン径3.0μm、細孔容積0.40ml/gの試料Cを得た。
硫酸銅5水和物の代わりに硫酸亜鉛7水和物11.5gをイオン交換水100mlに加えて溶解させたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、白色の試料Dを得た。なおこの時、反応液のスラリーのpHは7.0であり、粉砕後のメジアン径3.0μm、細孔容積0.35ml/gであった。
硫酸銅5水和物の代わりに硫酸亜鉛7水和物5.5gをイオン交換水100mlに加えて溶解させたこと以外は実施例3と同様の操作を行い、白色の試料Eを得た。なおこの時、反応液のスラリーのpHは7.0であり、粉砕後のメジアン径3.0μm、細孔容積0.35ml/gであった。
<比較例1>
ケイ酸ソーダ3号品(北越化学工業(株)製)20g、水酸化ナトリウム6gおよびイオン交換水300mlを秤取り、2Lのビーカーに入れて溶解させた。この溶液を撹拌しながら30℃に保ち、硫酸銅5水和物26gをイオン交換水200mlに加えて溶解させた溶液を、前記ケイ酸ソーダ水溶液中に2時間かけて滴下し、30℃に保ったまま更に4時間撹拌を続けて熟成させ青色の生成物を得た。このときスラリーのpHは7.5であった。得られたスラリーをろ過し、更にケーキからの洗浄液の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで洗浄を行った。洗浄終了ケーキを110℃で乾燥した後、粉砕しメジアン径3.0μm、細孔容積0.22ml/gの試料aを得た。
<比較例2>
ケイ酸ソーダ2号品(北越化学工業(株)製)20gとイオン交換水100mlとをポリ容器に入れて均一な溶液とした。この溶液を撹拌しながら30℃に保ち、硫酸銅5水和物8gをイオン交換水100mlに加えて溶解させた溶液を、前記ケイ酸ソーダ水溶液中に1時間かけて滴下し、更に30℃に保ったまま4時間撹拌を続けて熟成させた。次に攪拌しながら10%硫酸を用いてpHを7.1に調整して青色の生成物を得た。得られたスラリーをろ過し、更にケーキからの洗浄液の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで洗浄を行った。洗浄終了ケーキを110℃で乾燥した後、粉砕しメジアン径3.0μm、細孔容積0.55ml/gの試料bを得た。
<比較例3>
硫酸銅5水和物の代わりに硫酸亜鉛7水和物30gをイオン交換水200mlに加えて溶解させたこと以外は比較例1と同様の操作を行い、白色の試料cを得た。なおこの時、反応液のスラリーのpHは7.2であり、粉砕後のメジアン径3.0μm、細孔容積0.20ml/gであった。
<比較例4>
硫酸銅5水和物の代わりに硫酸亜鉛7水和物9.2gをイオン交換水100mlに加えて溶解させたこと以外は比較例2と同様の操作を行い、白色の試料dを得た。なおこの時、反応液のスラリーのpHは7.0であり、粉砕後のメジアン径3.0μm、細孔容積0.56ml/gであった。
○試料の消臭試験
実施例1〜実施例5で作製した試料A〜試料E及び比較例1〜比較例4で作製した試料a〜試料dを各0.01gをそれぞれ別のポリフッ化ビニルフィルムを用いて作製したバック(以下、テドラーバッグと称する)に入れ、ここにメチルメルカプタン(初期濃度500ppm)または硫化水素(初期濃度800ppm)を1Lごとに注入し、30分後のテドラーバッグ中の残存ガス濃度をガス検知管((株)ガステック製)で測定した。この結果を表1に示した。
Figure 0004534454
○消臭繊維に対する消臭試験
純水100質量部に対して実施例1で作製した試料Aを3質量部とアクリル系バインダー(KB−1300、東亞合成(株)製)を3質量部とを添加して攪拌して懸濁液Aを作製した。同様に、実施例2〜実施例5で作製した試料B〜試料E、及び比較例1〜比較例4で作製した試料a〜試料dを用いて懸濁液C〜Eおよび懸濁液a〜dを作製した。また、試料を用いないで同様に操作して懸濁液eを作製した。
これらの懸濁液A〜Eおよび懸濁液a〜eの各50質量部をポリエステル繊維100重量部に対して塗布し、150℃で乾燥後、繊維A〜Eおよび繊維a〜e(消臭剤の含有量はポリエステル繊維100質量部に対して1.5質量部)を得た。
これらの繊維5gをテドラーバッグに入れ、ここにメチルメルカプタン(初期濃度15ppm)または硫化水素(初期濃度20ppm)を1L注入し、30分後のテドラーバッグ中の残存ガス濃度を実施例6と同様にして測定した。その結果を表2(単位 ppm。NDは検出できなかったことを示す)に示した。
Figure 0004534454
○塗布鋼板に対する消臭試験
キシレン溶剤100質量部に対して、アクリル樹脂(SCジョンソンポリマー(株)製 商品名J−500)を70質量部、分散剤(BYK Chemie(株)製 商品名BYK−110)を3質量部、増粘剤(ウィルバーエルス(株)製 商品名ベントンSD2)を2質量部、実施例1で作製した試料Aを200重量部配合した後、3本ロールの混合機で良く練り分散させたペースト状組成物Aを得た。同様にして実施例2〜実施例5で作製した試料B〜試料E、及び比較例1〜比較例4で作製した試料a〜試料dを用いてペースト状組成物B〜Eおよびa〜dを得た。また、試料を添加しないで同様に操作してペースト状組成物eを得た。これらをキシレンで10倍に希釈し、70mm×150mmの亜鉛めっき鋼板の両面に膜厚100μmとなるように塗付した塗布鋼板B〜Eおよびa〜eを作製した。
これら塗布鋼板1枚をテドラーバッグに入れ、ここにメチルメルカプタン(初期濃度15ppm)または硫化水素(初期濃度20ppm)を1L注入し、30分後のテドラーバッグ中の残存ガス濃度を実施例6と同様にして測定した。その結果を表3(単位 ppm。NDは検出できなかったことを示す)に示した。
また、塗装面の凹凸を目視で観察し、その結果も表3に示した。
Figure 0004534454
実施例及び比較例における各種悪臭に対する消臭性能評価から明らかなように、本発明の消臭剤または消臭組成物はメチルメルカプタンおよび硫化水素などの硫黄系悪臭に対する消臭性能に優れる。このことから、本発明の消臭剤または消臭組成物を利用することにより、繊維、塗料、シート、および成形品等に優れた消臭性を付与でき、消臭製品として用いることができる。

Claims (3)

  1. 銅、亜鉛から選ばれる少なくとも1種類の金属塩と珪酸ナトリウムとの混合溶液から、pHが6.9〜7.3の間のスラリーを経て得られる複合体であり、細孔容積が0.35〜0.4ml/gである硫黄系ガス消臭剤。
  2. 請求項1記載の硫黄系ガス消臭剤を含有する消臭組成物。
  3. 請求項1記載の硫黄系ガス消臭剤または消臭組成物を含有する消臭製品。
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