JP2003277125A - 建材用大型陶板 - Google Patents
建材用大型陶板Info
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- JP2003277125A JP2003277125A JP2002086801A JP2002086801A JP2003277125A JP 2003277125 A JP2003277125 A JP 2003277125A JP 2002086801 A JP2002086801 A JP 2002086801A JP 2002086801 A JP2002086801 A JP 2002086801A JP 2003277125 A JP2003277125 A JP 2003277125A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 白華を防止した建材用大型陶板を提供する。
【解決手段】 耐火性骨材、ガラス質原料およびセメン
トを主材とした原料配合物を混練、成形後、焼成してな
る建材用大型陶板であって、焼成後の組成全体の化学成
分において、Ｎａ２Ｏ含有量を1質量％以下とした。ま
た、質量基準による化学成分値で、Ｎａ２Ｏ含有量を1
％以下とし、かつＢａＯ：０．５〜７%およびＢ
２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２Ｏ３：1２％以
下）を含有した建材用大型陶板。
トを主材とした原料配合物を混練、成形後、焼成してな
る建材用大型陶板であって、焼成後の組成全体の化学成
分において、Ｎａ２Ｏ含有量を1質量％以下とした。ま
た、質量基準による化学成分値で、Ｎａ２Ｏ含有量を1
％以下とし、かつＢａＯ：０．５〜７%およびＢ
２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２Ｏ３：1２％以
下）を含有した建材用大型陶板。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の内外装材、エ
クステリア、トンネル内装材などに使用される大型陶板
に関する。
クステリア、トンネル内装材などに使用される大型陶板
に関する。
【０００２】
【従来の技術】セラミックス質の建材用大型板状建材
は、セメント系未焼成板と、タイルに代表される陶板と
が知られている。このうちセメント系未焼成板は組織強
度に劣り、耐久性が不十分である。しかも、表面着色が
一般に樹脂塗装であることから変色し易い。
は、セメント系未焼成板と、タイルに代表される陶板と
が知られている。このうちセメント系未焼成板は組織強
度に劣り、耐久性が不十分である。しかも、表面着色が
一般に樹脂塗装であることから変色し易い。
【０００３】これに対し陶板は、焼成処理によって組織
が緻密でかつ高強度であり、耐久性、耐候性とも格段に
優れている。また、表面色は釉薬、窯変等によるもの
で、変色の問題もない。
が緻密でかつ高強度であり、耐久性、耐候性とも格段に
優れている。また、表面色は釉薬、窯変等によるもの
で、変色の問題もない。
【０００４】建材用大型陶板は、例えば特開２００１−
１９５０８公報のとおり、耐火性原料、セメントおよび
ガラス粉を主材とした原料配合物を混練、押し出し成形
後、焼成して製造される。
１９５０８公報のとおり、耐火性原料、セメントおよび
ガラス粉を主材とした原料配合物を混練、押し出し成形
後、焼成して製造される。
【０００５】
【発明が解決しようとしている課題】陶板は焼成工程を
経ての製造のため、大型品は焼成収縮に伴う変形が生じ
易い。その製造において使用されるセメントは、結合剤
の機能と共に、焼成収縮を防止する効果がある。
経ての製造のため、大型品は焼成収縮に伴う変形が生じ
易い。その製造において使用されるセメントは、結合剤
の機能と共に、焼成収縮を防止する効果がある。
【０００６】一方、ガラス粉は焼結剤として作用し、陶
板の焼結後の強度付与に効果がある。また、セメント成
分のＣ２Ｓ、Ｃ３Ｓ等と反応して、ワラストナイト（Ｃ
ａＯ・ＳｉＯ２）およびアノーサイト（ＣａＯ・Ａｌ２
Ｏ３・２ＳｉＯ２）を生成し、その生成反応に伴う膨張
によって陶板の焼成収縮を防止する。
板の焼結後の強度付与に効果がある。また、セメント成
分のＣ２Ｓ、Ｃ３Ｓ等と反応して、ワラストナイト（Ｃ
ａＯ・ＳｉＯ２）およびアノーサイト（ＣａＯ・Ａｌ２
Ｏ３・２ＳｉＯ２）を生成し、その生成反応に伴う膨張
によって陶板の焼成収縮を防止する。
【０００７】しかし、この種の陶板は使用中において湿
気、雨などの水分を吸収し、白華が生じる問題がある。
白華は陶板表面をまだら状に白色に染め、建材に必要な
美観を損なう。また、白華は陶板の表面組織に固着して
おり、その除去には相当な労力を必要とをする。
気、雨などの水分を吸収し、白華が生じる問題がある。
白華は陶板表面をまだら状に白色に染め、建材に必要な
美観を損なう。また、白華は陶板の表面組織に固着して
おり、その除去には相当な労力を必要とをする。
【０００８】白華対策としては、例えば特公平５―８７
４６６号公報において、珪酸マグネシウム、活性珪酸、
珪酸アルミニウムを添加し、白華の原因となる硫酸ナト
リウムをアルカリ金属酸化物と安定なＮａ２Ｏ・ｎＳｉ
Ｏ２として形成させることが提案されている。
４６６号公報において、珪酸マグネシウム、活性珪酸、
珪酸アルミニウムを添加し、白華の原因となる硫酸ナト
リウムをアルカリ金属酸化物と安定なＮａ２Ｏ・ｎＳｉ
Ｏ２として形成させることが提案されている。
【０００９】しかし、アルカリ金属酸化物およびＮａ２
Ｏ・ｎＳｉＯ２はその組織を長期にわたって保つことが
できず、建材は長期使用されることから、白華防止に十
分な効果が得られない。またＮａ２Ｏ・ｎＳｉＯ２の生
成は過焼結の原因となり易く、焼成変形による寸法精度
の低下と共に切削加工し難くなる問題がある。
Ｏ・ｎＳｉＯ２はその組織を長期にわたって保つことが
できず、建材は長期使用されることから、白華防止に十
分な効果が得られない。またＮａ２Ｏ・ｎＳｉＯ２の生
成は過焼結の原因となり易く、焼成変形による寸法精度
の低下と共に切削加工し難くなる問題がある。
【００１０】本発明は、上記従来の問題を生じることな
く白華を防止した建材用大型陶板を提供することを目的
とする。
く白華を防止した建材用大型陶板を提供することを目的
とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の建材用大型陶板
は、耐火性骨材、ガラス質原料およびセメントを主材と
した原料配合物を混練、成形後、焼成してなる建材用大
型陶板であって、焼成後の組成全体の化学成分におい
て、Ｎａ２Ｏ含有量を１質量％以下としたことを特徴と
する。また、耐火性骨材、ガラス質原料およびセメント
を主材とした原料配合物を混練、成形後、焼成してなる
建材用大型陶板であって、質量基準による化学成分値
で、Ｎａ２Ｏ含有量を１％以下とし、かつＢａＯ：０．
５〜７％およびＢ２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２
Ｏ３：１２％以下）を含有した建材用大型陶板の発明で
ある。
は、耐火性骨材、ガラス質原料およびセメントを主材と
した原料配合物を混練、成形後、焼成してなる建材用大
型陶板であって、焼成後の組成全体の化学成分におい
て、Ｎａ２Ｏ含有量を１質量％以下としたことを特徴と
する。また、耐火性骨材、ガラス質原料およびセメント
を主材とした原料配合物を混練、成形後、焼成してなる
建材用大型陶板であって、質量基準による化学成分値
で、Ｎａ２Ｏ含有量を１％以下とし、かつＢａＯ：０．
５〜７％およびＢ２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２
Ｏ３：１２％以下）を含有した建材用大型陶板の発明で
ある。
【００１２】本発明者らの知見によると、従来材質にお
いては、セメントの石こう成分から溶出する硫酸根とガ
ラス原料からのナトリウム分が反応して生成する硫酸ソ
ーダが陶板表面に析出し、これが白華の原因となる。
いては、セメントの石こう成分から溶出する硫酸根とガ
ラス原料からのナトリウム分が反応して生成する硫酸ソ
ーダが陶板表面に析出し、これが白華の原因となる。
【００１３】これに対し本発明は、陶板のＮａ２Ｏ含有
量を１％以下とし、白華の原因となるこの硫酸ソーダの
生成を抑制したものである。このＮａ２Ｏ含有量低減の
組織は、例えば前記特公平５―８７４６６号公報で提案
された材質において生成するアルカリ金属酸化物および
Ｎａ２Ｏ・ｎＳｉＯ２と違って安定しており、建材とし
て必要な長期にわたる白華防止の効果を発揮する。ま
た、Ｎａ２Ｏ含有量の低減は、この前記材質において見
られる、過焼結の原因となるＮａ２Ｏ・ｎＳｉＯ ２の生
成がなく、寸法精度および切削加工が低下することもな
い。
量を１％以下とし、白華の原因となるこの硫酸ソーダの
生成を抑制したものである。このＮａ２Ｏ含有量低減の
組織は、例えば前記特公平５―８７４６６号公報で提案
された材質において生成するアルカリ金属酸化物および
Ｎａ２Ｏ・ｎＳｉＯ２と違って安定しており、建材とし
て必要な長期にわたる白華防止の効果を発揮する。ま
た、Ｎａ２Ｏ含有量の低減は、この前記材質において見
られる、過焼結の原因となるＮａ２Ｏ・ｎＳｉＯ ２の生
成がなく、寸法精度および切削加工が低下することもな
い。
【００１４】Ｎａ２Ｏは主として耐火性骨材およびガラ
ス質原料に含有している。本発明においては陶板のＮａ
２Ｏの低減を、低ソーダガラスの使用によって行なうと
白華防止はより効果的なものとなる。これは、耐火性骨
材中のＮａ２Ｏは安定しているのに対し、ガラス質原料
中のＮａ２Ｏはガラスが非晶質構造のために溶出しやす
いことから、低ソーダガラスの使用が白華の原因となる
Ｎａ２Ｏ成分の溶出低減に直接的に作用するためであ
る。
ス質原料に含有している。本発明においては陶板のＮａ
２Ｏの低減を、低ソーダガラスの使用によって行なうと
白華防止はより効果的なものとなる。これは、耐火性骨
材中のＮａ２Ｏは安定しているのに対し、ガラス質原料
中のＮａ２Ｏはガラスが非晶質構造のために溶出しやす
いことから、低ソーダガラスの使用が白華の原因となる
Ｎａ２Ｏ成分の溶出低減に直接的に作用するためであ
る。
【００１５】本発明の陶板は前記のＮａ２Ｏ含有量の低
減と共に、さらにＢａＯおよびＢ２Ｏ３を特定量含有さ
せた場合は、白華防止の効果がさらに向上し、しかも強
度面でも優れている。
減と共に、さらにＢａＯおよびＢ２Ｏ３を特定量含有さ
せた場合は、白華防止の効果がさらに向上し、しかも強
度面でも優れている。
【００１６】ＢａＯおよびＢ２Ｏ３の含有によって、陶
板焼成時においてガラス質原料の溶融が促進されること
で、セメントの石こう成分の分解が低温域から生じ、白
華の原因となる硫酸根の分解が進行する。また、硫酸根
はＢａＯと反応して組織上安定な硫酸バリウムとなり、
溶出が防止される。硫酸根はＢａＯと反応して組織上安
定な硫酸バリウムとなり、溶出が防止される。
板焼成時においてガラス質原料の溶融が促進されること
で、セメントの石こう成分の分解が低温域から生じ、白
華の原因となる硫酸根の分解が進行する。また、硫酸根
はＢａＯと反応して組織上安定な硫酸バリウムとなり、
溶出が防止される。硫酸根はＢａＯと反応して組織上安
定な硫酸バリウムとなり、溶出が防止される。
【００１７】本発明において陶板の低ソーダ化は、焼成
においてガラス質原料が溶融し難くなり、ガラス質原料
がもつ焼結剤として作用が低下する傾向がある。これに
対し、ＢａＯおよびＢ２Ｏ３の含有はガラス質原料の溶
融を促進し、低ソーダ化によるガラス質原料の溶融低下
を防止する。これにより、陶板の強度の問題が解消され
る。
においてガラス質原料が溶融し難くなり、ガラス質原料
がもつ焼結剤として作用が低下する傾向がある。これに
対し、ＢａＯおよびＢ２Ｏ３の含有はガラス質原料の溶
融を促進し、低ソーダ化によるガラス質原料の溶融低下
を防止する。これにより、陶板の強度の問題が解消され
る。
【００１８】ＢａＯおよびＢ２Ｏ３は、ガラス質原料の
溶融促進を効果的に行なうため、ガラス質原料の含有成
分として供給することが好ましい。そのためには、例え
ばガラス質原料として、Ｎａ２Ｏ含有量１質量％以下
で、かつＢａＯ：２〜２０質量％、Ｂ２Ｏ３：２〜３０
質量％（ＢａＯ＋Ｂ２Ｏ３：３３質量％以下）を含有す
る低ソーダガラスの使用する。
溶融促進を効果的に行なうため、ガラス質原料の含有成
分として供給することが好ましい。そのためには、例え
ばガラス質原料として、Ｎａ２Ｏ含有量１質量％以下
で、かつＢａＯ：２〜２０質量％、Ｂ２Ｏ３：２〜３０
質量％（ＢａＯ＋Ｂ２Ｏ３：３３質量％以下）を含有す
る低ソーダガラスの使用する。
【００１９】
【発明の実施の形態】本発明では陶板のＮａ２Ｏ含有量
を１質量％以下、さらに好ましくは０．７質量％以下と
する。Ｎａ２Ｏ含有量がこれより多いと本発明の白華防
止の効果がえられない。
を１質量％以下、さらに好ましくは０．７質量％以下と
する。Ｎａ２Ｏ含有量がこれより多いと本発明の白華防
止の効果がえられない。
【００２０】本発明で使用するガラス質原料は７００〜
９００℃程度で軟化溶融しガラス化する原料とする。例
えばソーダガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、アルミナ珪酸ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガ
ラス等がある。経済面から、光学ガラス、耐熱ガラス、
窓ガラス、びんガラス、自動車ガラス等の廃ガラスの使
用が好ましい。
９００℃程度で軟化溶融しガラス化する原料とする。例
えばソーダガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、アルミナ珪酸ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガ
ラス等がある。経済面から、光学ガラス、耐熱ガラス、
窓ガラス、びんガラス、自動車ガラス等の廃ガラスの使
用が好ましい。
【００２１】ガラス質原料は、例えば窓ガラスに代表さ
れるようにＳｉＯ２、ＣａＯおよびＮａ２Ｏを主体と
し、前記Ｎａ２Ｏを６〜１５質量％程度含有したソーダ
ガラスが一般的である。本発明では陶板のＮａ２Ｏ含有
量を本発明の範囲内に低減させるため、ガラス質原料と
して低ソーダガラスの使用が好ましい。
れるようにＳｉＯ２、ＣａＯおよびＮａ２Ｏを主体と
し、前記Ｎａ２Ｏを６〜１５質量％程度含有したソーダ
ガラスが一般的である。本発明では陶板のＮａ２Ｏ含有
量を本発明の範囲内に低減させるため、ガラス質原料と
して低ソーダガラスの使用が好ましい。
【００２２】この低ソーダガラスのＮａ２Ｏ含有量は１
質量％以下、さらに好ましくは０．５質量％以下とす
る。Ｎａ２Ｏ含有量がこれより多いと、白華防止の効果
が得られない。
質量％以下、さらに好ましくは０．５質量％以下とす
る。Ｎａ２Ｏ含有量がこれより多いと、白華防止の効果
が得られない。
【００２３】ＢａＯおよびＢ２Ｏ３を含有する陶板にお
いて、ＢａＯ、Ｂ２Ｏ３のそれぞれの割合は、ＢａＯ：
０．５〜７％、Ｂ２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２
Ｏ３：１２％以下）とする。ＢａＯが０．５％未満では
硫酸との反応がし難くなり、ＢａＯ含有の効果が不十分
となる。７％を超えるとガラス質原料が溶融し難くな
り、過焼結を招く。Ｂ２Ｏ３が０．５％未満ではガラス
質原料が溶融し難くなって陶板の強度不足となり、８％
を超えると過焼結を招く。また、ＢａＯとＢ２Ｏ ３の合
計量が１２％を超える場合も同様に過焼結の原因とな
る。
いて、ＢａＯ、Ｂ２Ｏ３のそれぞれの割合は、ＢａＯ：
０．５〜７％、Ｂ２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２
Ｏ３：１２％以下）とする。ＢａＯが０．５％未満では
硫酸との反応がし難くなり、ＢａＯ含有の効果が不十分
となる。７％を超えるとガラス質原料が溶融し難くな
り、過焼結を招く。Ｂ２Ｏ３が０．５％未満ではガラス
質原料が溶融し難くなって陶板の強度不足となり、８％
を超えると過焼結を招く。また、ＢａＯとＢ２Ｏ ３の合
計量が１２％を超える場合も同様に過焼結の原因とな
る。
【００２４】このＢａＯおよびＢ２Ｏ３の供給をガラス
成分で行なう場合、それに使用するガラスは、Ｎａ２Ｏ
含有量が１質量％以下、さらに好ましくは０．５質量％
以下の低ソーダガラスとし、さらにＢａＯ：２〜２０質
量％、Ｂ２Ｏ３：２〜３０質量％を含有したものを使用
する。
成分で行なう場合、それに使用するガラスは、Ｎａ２Ｏ
含有量が１質量％以下、さらに好ましくは０．５質量％
以下の低ソーダガラスとし、さらにＢａＯ：２〜２０質
量％、Ｂ２Ｏ３：２〜３０質量％を含有したものを使用
する。
【００２５】ＢａＯおよびＢ２Ｏ３の含有量がこれより
少ないとガラスの溶融促進の効果が不十分となり、さら
なる白華防止の効果が得られない。ＢａＯおよびＢ２Ｏ
３の含有量がこれより多いと過焼結を招き、切削加工性
に劣る。またＢａＯとＢ２Ｏ ３の合計量が３３質量％を
超える場合も過焼結を招く。
少ないとガラスの溶融促進の効果が不十分となり、さら
なる白華防止の効果が得られない。ＢａＯおよびＢ２Ｏ
３の含有量がこれより多いと過焼結を招き、切削加工性
に劣る。またＢａＯとＢ２Ｏ ３の合計量が３３質量％を
超える場合も過焼結を招く。
【００２６】本発明で使用する低ソーダガラスが廃ガラ
スの場合、廃ガラスは着色等を目的として例えばＮｉ、
Ｍｎ、Ｃｏ等の遷移金属成分を含有しているものがある
が、その遷移金属成分の合計量が例えば５質量％以下の
範囲であれば本発明の効果を損なうものではない。
スの場合、廃ガラスは着色等を目的として例えばＮｉ、
Ｍｎ、Ｃｏ等の遷移金属成分を含有しているものがある
が、その遷移金属成分の合計量が例えば５質量％以下の
範囲であれば本発明の効果を損なうものではない。
【００２７】原料配合物に占めるガラス質原料の割合
は、３〜３０質量％が好ましい。３質量％未満では陶板
組織の強度が不十分となり、また焼成収縮防止の効果に
劣る。３０質量％を超えると過焼結の原因となる。
は、３〜３０質量％が好ましい。３質量％未満では陶板
組織の強度が不十分となり、また焼成収縮防止の効果に
劣る。３０質量％を超えると過焼結の原因となる。
【００２８】セメントの具体例はポルトランドセメン
ト、アルミナセメント、フライアッシュセメント等があ
る。本発明では経済性、硬化速度等からポルトランドセ
メントが好ましい。
ト、アルミナセメント、フライアッシュセメント等があ
る。本発明では経済性、硬化速度等からポルトランドセ
メントが好ましい。
【００２９】原料配合物に占めるセメントの割合は、５
〜４０質量％が好ましく、さらに好ましくは１０〜３０
質量％である。これより少ないと陶板の焼成収縮防止が
不十分となり、多いと白華生成の成分が多くなり好まし
くない。
〜４０質量％が好ましく、さらに好ましくは１０〜３０
質量％である。これより少ないと陶板の焼成収縮防止が
不十分となり、多いと白華生成の成分が多くなり好まし
くない。
【００３０】耐火性骨材としては、例えばシャモット、
ろう石、粘土、珪石、珪砂、長石あるいはこれらを主材
としたれんが屑、陶磁瓦屑等のシリカ−アルミナ質耐火
原料とする。微粉部としては、微粉耐火原料であるシリ
カフラワー、仮焼アルミナ、フライアッシュ等を使用し
てもよい。また、シラスバルーン、抗火石、パーライト
等の軽量骨材を併用してもよい。
ろう石、粘土、珪石、珪砂、長石あるいはこれらを主材
としたれんが屑、陶磁瓦屑等のシリカ−アルミナ質耐火
原料とする。微粉部としては、微粉耐火原料であるシリ
カフラワー、仮焼アルミナ、フライアッシュ等を使用し
てもよい。また、シラスバルーン、抗火石、パーライト
等の軽量骨材を併用してもよい。
【００３１】これらの耐火性骨材は微量成分としてＮａ
２Ｏを含有していることから、その使用量は、陶板組織
全体のＮａ２Ｏ含有量が本発明で限定した範囲内に調整
することが必要である。
２Ｏを含有していることから、その使用量は、陶板組織
全体のＮａ２Ｏ含有量が本発明で限定した範囲内に調整
することが必要である。
【００３２】耐火性骨材の割合は、前記のガラス質原料
およびセメントの割合の残部を占め、例えば４０〜８０
質量％とする。
およびセメントの割合の残部を占め、例えば４０〜８０
質量％とする。
【００３３】耐衝撃性の向上のために、さらに無機質繊
維を添加してもよい。無機質繊維の具体例としてはシリ
カ質、アルミナ質、アルミナ−シリカ質、ガラス質等の
セラミック質繊維あるいはロックウール、石綿、セピオ
ライト等の鉱物繊維がある。その添加量は、原料配合物
１００質量％に対する外掛けで４質量％以下が好まし
い。
維を添加してもよい。無機質繊維の具体例としてはシリ
カ質、アルミナ質、アルミナ−シリカ質、ガラス質等の
セラミック質繊維あるいはロックウール、石綿、セピオ
ライト等の鉱物繊維がある。その添加量は、原料配合物
１００質量％に対する外掛けで４質量％以下が好まし
い。
【００３４】本発明の陶板の製造は、以上の原料配合物
１００質量％に対し外掛けで、結合剤０．３〜２質量％
程度および水分１０〜２５質量％程度添加して混錬し、
次いで成形、養生、乾燥後、必要に応じて着色を目的と
する釉薬を塗布後、ローラーハースキルン等で焼成す
る。
１００質量％に対し外掛けで、結合剤０．３〜２質量％
程度および水分１０〜２５質量％程度添加して混錬し、
次いで成形、養生、乾燥後、必要に応じて着色を目的と
する釉薬を塗布後、ローラーハースキルン等で焼成す
る。
【００３５】結合剤の種類としては例えば、ＣＭＣ(カ
ルボキシメチルセルロース)，ＭＣ（メチルセルロー
ス）、ＰＶＡ（ポリビニルアルコール）、デキストリ
ン、でんぷん等の合成または天然の結合剤である。成形
方法は例えば加圧成形、押出成形である。焼成温度は１
０００〜１２００℃が好ましい。
ルボキシメチルセルロース)，ＭＣ（メチルセルロー
ス）、ＰＶＡ（ポリビニルアルコール）、デキストリ
ン、でんぷん等の合成または天然の結合剤である。成形
方法は例えば加圧成形、押出成形である。焼成温度は１
０００〜１２００℃が好ましい。
【００３６】
【実施例】以下、本発明実施例とその比較例を示す。表
１は各例で使用したガラス質原料の化学成分値を示す。
表２、３は各例の陶板の原料配合物組成とその試験結果
である。なお、表１のガラス質原料の符号Ａ〜Ｇは表２
に示すガラス質原料の符号に対応する。
１は各例で使用したガラス質原料の化学成分値を示す。
表２、３は各例の陶板の原料配合物組成とその試験結果
である。なお、表１のガラス質原料の符号Ａ〜Ｇは表２
に示すガラス質原料の符号に対応する。
【００３７】
【表１】
【表２】
【表３】
各例は表に示した原料配合物に結合剤としてＭＣ（メチ
ルセルロース）を外掛け１質量％、および水分を外掛け
２０質量％添加して混錬し、押出成形機によって厚さ２
０ｍｍ、幅３００ｍｍ、長さ２０００ｍｍの寸法に成形
した。次いでローラーハースキルにて１１００℃×３時
間で焼成し、建材用大型陶板を得た。試験方法は以下の
通りである。
ルセルロース）を外掛け１質量％、および水分を外掛け
２０質量％添加して混錬し、押出成形機によって厚さ２
０ｍｍ、幅３００ｍｍ、長さ２０００ｍｍの寸法に成形
した。次いでローラーハースキルにて１１００℃×３時
間で焼成し、建材用大型陶板を得た。試験方法は以下の
通りである。
【００３８】白華試験：３００ｍｍ×３００ｍｍの寸法
に切り出した試験片を季節の変化を想定して、水温５℃
と３５℃の水中に各４８時間漬けた後、外観目視の評価
と、ナトリウム分および硫酸根の溶出量を測定した。
に切り出した試験片を季節の変化を想定して、水温５℃
と３５℃の水中に各４８時間漬けた後、外観目視の評価
と、ナトリウム分および硫酸根の溶出量を測定した。
【００３９】外観目視の試験では試験片の下半分のみを
水中に浸漬し、水中に浸漬しない上半分に発生する白華
状況を観察した。
水中に浸漬し、水中に浸漬しない上半分に発生する白華
状況を観察した。
【００４０】溶出量は試験片全体を水中に浸漬し、イオ
ンメーターにて水中へのナトリウム分の溶出量を測定し
た。硫酸根の溶出は塩化バリウムを用いた重量沈殿法に
より測定した。各成分の溶出量が多いほど白華が生じや
すい。
ンメーターにて水中へのナトリウム分の溶出量を測定し
た。硫酸根の溶出は塩化バリウムを用いた重量沈殿法に
より測定した。各成分の溶出量が多いほど白華が生じや
すい。
【００４１】寸法精度試験：焼成前後の寸法より、焼成
収縮に伴う線変化率を測定した。線変化率が大きいほど
焼成収縮が大きい。
収縮に伴う線変化率を測定した。線変化率が大きいほど
焼成収縮が大きい。
【００４２】表の試験結果が示すとおり、本発明実施例
により得られた陶板材はいずれも白華防止効果に優れ、
しかも寸法精度に優れる。このうち、実施例５〜８は本
発明の範囲内でＢａＯおよびＢ２Ｏ３を含む材質であ
り、白華防止効果にさらに優れている。
により得られた陶板材はいずれも白華防止効果に優れ、
しかも寸法精度に優れる。このうち、実施例５〜８は本
発明の範囲内でＢａＯおよびＢ２Ｏ３を含む材質であ
り、白華防止効果にさらに優れている。
【００４３】これに対し、比較例１は従来材質に相当す
るものであり。Ｎａ２Ｏ含有量が本発明で限定した範囲
より多く、白華防止効果が得られない。比較例２はＢａ
ＯおよびＢ２Ｏ３の含有量は本発明の範囲内であるが、
Ｎａ２Ｏ含有量が本発明で限定した範囲より多いため、
白華防止効果が得られない。
るものであり。Ｎａ２Ｏ含有量が本発明で限定した範囲
より多く、白華防止効果が得られない。比較例２はＢａ
ＯおよびＢ２Ｏ３の含有量は本発明の範囲内であるが、
Ｎａ２Ｏ含有量が本発明で限定した範囲より多いため、
白華防止効果が得られない。
【００４４】比較例３は珪酸マグネシウム鉱物である蛇
紋岩の添加によって白華を図ったものである。白華防止
の効果が不十分である。
紋岩の添加によって白華を図ったものである。白華防止
の効果が不十分である。
【００４５】
【効果】白華は建築資材に要求される美観を大きく損な
う。本発明はこの白華の問題を解決したものであり、そ
の効果は実施例の試験結果が示すとおり歴然としてい
る。また、寸法精度においてもそん色がない。その結
果、建築用大型陶板がもつ耐久性、耐候性の効果をいか
んなく発揮することができる。
う。本発明はこの白華の問題を解決したものであり、そ
の効果は実施例の試験結果が示すとおり歴然としてい
る。また、寸法精度においてもそん色がない。その結
果、建築用大型陶板がもつ耐久性、耐候性の効果をいか
んなく発揮することができる。
Claims (6)
- 【請求項１】 耐火性骨材、ガラス質原料およびセメン
トを主材とした原料配合物を混練、成形後、焼成してな
る建材用大型陶板であって、質量基準による化学成分値
で、Ｎａ２Ｏ含有量を１％以下とした建材用大型陶板。 - 【請求項２】 耐火性骨材、ガラス質原料およびセメン
トを主材とした原料配合物を混練、成形後、焼成してな
る建材用大型陶板であって、質量基準による化学成分値
で、Ｎａ２Ｏ含有量を１％以下とし、かつＢａＯ：０．
５〜７％およびＢ２Ｏ３：０．５〜８％（ＢａＯ＋Ｂ２
Ｏ３：１２％以下）を含有した建材用大型陶板。 - 【請求項３】 原料配合物に占めるガラス質原料の割合
が３〜３０％である請求項１または２記載の建材用大型
陶板。 - 【請求項４】 ガラス質原料が質量基準による化学成分
値で、Ｎａ２Ｏ含有量１％以下の低ソーダガラスである
請求項３記載の建材用大型陶板。 - 【請求項５】 ガラス質原料が質量基準による化学成分
値で、Ｎａ２Ｏ含有量１％以下、ＢａＯ：２〜２０％お
よびＢ２Ｏ３：２〜３０％（ＢａＯ＋Ｂ２Ｏ３：３３％
以下）を含有する低ソーダガラスである請求項３または
４記載の建材用大型陶板。 - 【請求項６】 焼成温度が１０００〜１２００℃である
請求項１〜５記載のいずれか１項記載の建材用大型陶
板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002086801A JP3930752B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 建材用大型陶板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002086801A JP3930752B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 建材用大型陶板およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003277125A true JP2003277125A (ja) | 2003-10-02 |
| JP3930752B2 JP3930752B2 (ja) | 2007-06-13 |
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ID=29233273
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002086801A Expired - Fee Related JP3930752B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 建材用大型陶板およびその製造方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3930752B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2021260802A1 (ja) * | 2020-06-23 | 2021-12-30 | 積水ハウス株式会社 | 建材用大型陶板 |
| WO2021260798A1 (ja) * | 2020-06-23 | 2021-12-30 | 積水ハウス株式会社 | セメント系焼成板状建材 |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002086801A patent/JP3930752B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2021260802A1 (ja) * | 2020-06-23 | 2021-12-30 | 積水ハウス株式会社 | 建材用大型陶板 |
| WO2021260798A1 (ja) * | 2020-06-23 | 2021-12-30 | 積水ハウス株式会社 | セメント系焼成板状建材 |
| GB2603105A (en) * | 2020-06-23 | 2022-08-03 | Sekisui House Kk | Large ceramic sheet for building material use |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3930752B2 (ja) | 2007-06-13 |
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