JP2003275816A - 金属帯の巻き出し方法および巻き出し装置 - Google Patents

金属帯の巻き出し方法および巻き出し装置

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Koji Fujita
光司 藤田
Kazuhiro Matsumoto
和弘 松本
Hiroshi Takano
浩史 高野
Masanori Takahashi
昌範 高橋
Kenji Kumai
健司 隈井
Shinji Takaoka
真司 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生するシワのピッチを小さくすることによ
り腰折れの実質的な影響をなくすことのできる、簡単な
構造の金属帯の巻き出し装置等を提供する。 【解決手段】 コイルXとして巻かれた鋼帯Yをアンコ
イラー1からピンチロール2へ向けて巻き出すための巻
き出し装置10である。アンコイラー1とピンチロール
2との間で、巻き出す鋼帯YにコイルXの外側から押し
付けるようプレッシャーロール20を配置し、当該プレ
ッシャーロール20は、コイルXの径によらずつねに周
面上の90°以上の角度範囲に鋼帯Yを巻き付かせる位
置を保ちながら移動するよう、揺動アーム11の先端部
に設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、コイル
状に巻かれた金属帯(帯状の薄い金属板)をアンコイラ
ーから巻き出すにあたり、金属帯の腰折れ現象にて生じ
る表面のシワをできるだけ微小にしまたは目立たないよ
うにするための、金属帯の巻き出し方法および巻き出し
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メッキや酸洗、圧延、焼鈍または切断な
どのうち何らかの処理を薄い金属板に施すためには、多
くの場合、コイルに巻いた長尺の金属帯を巻き出す(巻
き解く)過程が必要になる。コイルからの金属帯の巻き
出しは、コイルをアンコイラーに保持し、外周にある端
部から順に金属帯を剥がして、隣接するピンチロールの
ロール間などに送り出すことにより実施される。
【0003】コイルに巻いていた金属帯をそうして巻き
出すとき、いわゆる「腰折れ」という現象が生じがちで
ある。巻き出しにともなって、金属帯表面に曲げ応力が
局部的・波状的に集中する結果、幅方向に延びたシワ
(皺。歪み模様)が数mm間隔で金属帯表面に多数発生
するのである。
【0004】このような腰折れ現象を防止する従来の装
置として、図4に示すものが知られている(特開平9−
70618号公報)。図示の装置は、アンコイラー31
が保持するコイルXから鋼帯Yをピンチロール32に向
けて巻き出し、その鋼帯Yをレベラー33にかけたうえ
シャー34によって切断するものである。図中の符号3
1aは、昇降機能のあるコイル台車である。腰折れが起
きやすいと判断される場合には、コイルXに冷却水を供
給して鋼帯Yの温度を一定値以下にするか、または巻き
出し(通板)速度を高くして歪み速度を一定値以上にす
ることにより、腰折れ発生を防止する。なお、巻き出す
鋼帯Yには、図のようにコイルXの外側からプレッシャ
ーロール31bを押し付けて、コイルXに巻かれていた
場合とは逆向きの曲げを鋼帯Yに加えることとしてお
り、上記の歪み速度はそのロール31bの外径とも関係
して定まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図4のような装置によ
って鋼帯の腰折れを防止するには、コイルの冷却用設備
等に相当のコストがかかることと、必要時に通板速度を
急上昇させねばならないこと等から、現実には実施の容
易でない面がある。また、歪み速度を高くして腰折れを
防止するためにはプレッシャーロールを細く(つまり小
径に)するのが好ましいが、あまりに細くすると、鋼帯
の張力によってそのロールがたわんでしまうことがあ
る。
【0006】一方、発明者らの調査によれば、腰折れを
完全に防止することができない場合にも、腰折れで生じ
るシワのピッチ(間隔)を小さく(1mm程度以下に)
することができれば、金属帯の強度・外観等において実
質的な不都合は発生しない。また、そのようにシワのピ
ッチを小さくするためには、プレッシャーロールについ
て、直径よりもその表面における金属帯の巻き付け角度
を広くとることが重要であることが分かった。
【0007】本願請求項の発明は、シワのピッチを小さ
くすることにより腰折れの実質的な影響をなくすこと等
のできる簡単な巻き出し方法および巻き出し装置を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した金属
帯の巻き出し方法は、コイルとして巻かれた金属帯をア
ンコイラーからピンチロール(またはピンチロールと同
様に金属帯をはさむ手段)へ向けて巻き出す方法であっ
て、アンコイラーとピンチロールとの間で、巻き出す金
属帯にコイルの外側からプレッシャーロールを押し付
け、コイル径の変化にかかわらず、つねにそのプレッシ
ャーロールの周面における90°以上(180°未満)
の角度範囲に金属帯を巻き付かせることを特徴とする。
プレッシャーロールの周面に金属帯を巻き付かせるにつ
いての上記の(および下記にいう)角度範囲とは、図2
または図3に示す巻付き角度θをいい、プレッシャーロ
ールの前後で金属帯がなす角度をαとすると、θ=18
0°−αである。
【0009】プレッシャーロールの表面におけるこのよ
うな広い角度範囲に金属帯を巻き付けると、腰折れによ
って金属帯表面に生じるシワの間隔をせまく(悪くとも
1mm程度以下に)することができ、強度や外観を含む
種々の点で金属帯製造上の実質的な不都合が解消され
る。広い角度範囲で巻き付けると、金属帯は、プレッシ
ャーロールの周面上を送られる間に、コイルに巻かれて
いたときとは逆の向きに長く(時間および距離の面で長
く)曲げを受け、そのためにシワの間隔が狭くなるもの
と考えられる。なお発明者らの調査によると、上記の角
度範囲が90°以上あれば好ましい効果が得られるが、
120°程度以上あるのが最も好ましい。
【0010】コイルから金属帯を巻き出すと次第にコイ
ル径が小さくなるので、コイルの表面とプレッシャーロ
ールとの位置関係は変化していく。しかし、そのような
変化にかかわらず、上記のとおりつねにプレッシャーロ
ール周面の90°以上の角度範囲に金属帯を巻き付かせ
るようにするなら、コイルから巻き出される金属帯の全
長において、上記したシワの間隔をせまくすることがで
きる。
【0011】請求項2に記載した金属帯の巻き出し装置
は、コイルとして巻かれた金属帯をアンコイラーからピ
ンチロール(または同様に金属帯をはさむ手段)へ向け
て巻き出すための装置であって、アンコイラーとピンチ
ロールとの間で、巻き出す金属帯にコイルの外側から押
し付けるようプレッシャーロールを配置し、当該プレッ
シャーロールは、コイル径によらずつねに周面上の90
°以上(180°未満)の角度範囲に金属帯を巻き付か
せる位置を保ちながら移動するよう揺動アームの先端部
に設けた、という特徴を有する。
【0012】この巻き出し装置によれば請求項1に記載
した巻き出し方法を円滑に実施することができる。上記
のプレッシャーロールは、コイル径の変化にかかわらず
つねに、当該ロールの周面における90°以上の角度範
囲に金属帯を巻き付かせ得るものだからである。なおこ
の装置では、プレッシャーロールを揺動アームの先端部
に設けているため、コイル径の変化にしたがってプレッ
シャーロールの位置を適切に変化させることが容易であ
る。
【0013】請求項3に記載した金属帯の巻き出し装置
は、とくに、プレッシャーロールを金属帯に押し付ける
出力源として直線動作手段を設け、この直線動作手段の
動作部分と上記揺動アームの先端部との間を、両端に結
合ピンを有するリンクを介して連結したことを特徴とす
る。この装置の一例として図1〜図3に示した装置で
は、直線動作手段として流体圧シリンダ13を使用し、
揺動アーム11の先端部との間をリンク17によって連
結している。直線動作手段としては、流体圧シリンダの
ほかに、モータ等とともにネジ(またはボールネジ)や
ラックアンドピニオンを含む機構などを使用するのもよ
い。
【0014】このような装置では、揺動アームによって
プレッシャーロールの位置を適切に変化させ得るととも
に、金属帯に押し付けるべきプレッシャーロールに、必
要な押し付け力をスムーズに作用させることができる。
それは、第一には、直線動作手段が揺動アームの基部付
近ではなく揺動アームの先端部に出力を伝えるので、金
属帯に対して大きな押し付け力を効率的にかけられるか
らである。第二に、直線動作手段の動作部分と揺動アー
ムの先端部との間を上記のとおりリンクを介して連結し
たため、直線動作手段を角度変位可能なように配置しな
くてもよい、つまり、直線動作手段を特定のフレームに
対して固定的に配置すれば足りる(したがって各種の直
線動作手段を最も安定した態様で使用できる)からであ
る。
【0015】請求項4に記載した巻き出し装置はさら
に、上記のプレッシャーロールを、上記揺動アームの先
端部に支持されたバックアップロールと、金属帯に直接
押し付けられるとともに当該バックアップロールの周面
と接触を保ちながら位置を変える小径の(すなわちバッ
クアップロールよりも小径の)ワークロールとから構成
したことを特徴とする。つまり、図1〜図3に示す例の
ように、バックアップロール21の周面に常に接触し、
かつバックアップロール21の軸心を中心に揺動変位し
得るように小径のワークロール22を設け、両者をもっ
てプレッシャーロール20とするのである。
【0016】こうした巻き出し装置なら、プレッシャー
ロールのうち、金属帯に直接押し付けられるロールであ
るワークロールを小径にすることができる。小径にする
ことにより剛性が低下しても、接触し合うバックアップ
ロールの作用でそのたわみが防止されるからである。ワ
ークロールが小径になれば、金属帯の歪み速度等を適切
にコントロールして金属帯の腰折れを防止し、または腰
折れの程度を穏やかなものにすることが可能である。
【0017】バックアップロールの周面と接触を保ちな
がら位置を変える小径のワークロールを使用すれば、金
属帯を、請求項1・2にしたがってその周面上の広い角
度範囲に巻き付かせることが容易である。図2または図
3に例示するように、その細いワークロールが、太いロ
ールでは位置し難い、コイルとピンチロールとの間のせ
まい空間内に入り込むからである。またこうした作用に
より、この巻き出し装置は、レイアウト状の都合等によ
りアンコイラーとピンチロールとが接近して配置されて
いる場合にも、金属帯をコイルから適切かつ円滑に巻き
出し、かつその表面への腰折れの影響を解消(または小
さく)することができる。
【0018】請求項5に記載の巻き出し装置は、とく
に、プレッシャーロールのうち上記ワークロールの直径
を200mm以下としたことを特徴とする。
【0019】ワークロールがこの程度に細いと、前記の
とおり金属帯の腰折れを防止しまたは穏やかにできるほ
か、その周面上の広い角度範囲に金属帯を巻き付かせる
ことが容易であるため、腰折れによる金属帯表面のシワ
についての不都合を効果的に解消することが可能であ
る。ただし、上記ワークロールがあまりに小径だと、バ
ックアップロールの周面から突出する寸法が小さくなり
過ぎて、上記のようにコイルとピンチロールとの間の空
間内にワークロールの入り込む度合いがわずかになるた
め、その直径は50mm以上・200mm以下にするの
が望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】発明の実施についての一形態を図
1〜図3に示す。図1は、アンコイラー1からレベラー
4までの各装置とともに鋼帯Yの巻き出し装置10を示
す全体側面図である。図2・図3は、その巻き出し装置
10を用いて行う鋼帯Yの巻き出し状況を示す側面図で
あって、図2はコイルXの径が大きいとき、図3はコイ
ルXの径が小さいときをそれぞれ示す。
【0021】図1に示す各装置は、熱延鋼板のシャーラ
インにおいて上流側に配置されていて、熱間圧延により
製造された鋼帯YをコイルXから巻き出して平坦にする
工程に関するものである。図示右方のアンコイラー(マ
ンドレル)1は、鋼帯YのコイルXを保持して図示左向
きに回転することにより、鋼帯Yを外側から巻き解い
て、やや上方の隣接位置(図示左方)にあるピンチロー
ル2の一対のロール2a・2b間に送り出す。ピンチロ
ール2を通る鋼帯Yは、さらにガイド3(図2のように
下部ガイド3aと上部ガイド3bとを含む)で案内しな
がらレベラー4のロール間に通し、そこで軽圧下するこ
とにより平坦にする。レベラー4は、バックアップロー
ル4bにて支持されたワークロール4aが下側に複数個
配置される一方、圧下用油圧シリンダ4eと接続された
バックアップロール4dにて支持されるワークロール4
cが上側に複数個、下側のワークロール4a等と位置を
ずらして配置されている。なお、ピンチロール2は、下
側のロール2aに対し上側のロール2bを油圧シリンダ
(圧下手段)2cで押し付けることにより鋼帯Yをはさ
み付けるもので、それにより鋼帯Yの位置を定め、か
つ、その前後において鋼帯Yへの張力付与を可能にす
る。
【0022】アンコイラー1とピンチロール2との間に
は、図1のとおり巻き出し装置10を配置している。こ
の巻き出し装置10は、プレッシャーロール20を、図
2・図3のように鋼帯Yに対してコイルXの外側から押
し付け、コイルXに巻かれていたときとは逆向きの曲げ
を鋼帯Yに加えるためのものである。その押し付けを適
切に行うことによって、いわゆる腰折れ現象により生じ
る鋼帯Yの表面のシワを小ピッチの目立たないものにす
る、というのがこの巻き出し装置10の役割である。
【0023】巻き出し装置10は下記a)〜d)のとおり構
成している。 a) 鋼帯Yに押し付けるプレッシャーロール20を、揺
動アーム11の先端部に設けている。揺動アーム11
は、アンコイラー1の中心をはさんでピンチロール2と
反対側のやや上方位置を揺動中心11aとし、鉛直平面
内で揺動自在にしたアーム(一対の平行部材からなる)
である。そのような揺動アーム11の先端部にプレッシ
ャーロール20を設ければ、巻き出しにともなうコイル
Xの径の変化に合わせてプレッシャーロール20を適切
な位置に移すことが容易である。
【0024】b) プレッシャーロール20は、上記の揺
動アーム11の先端部に取り付けたバックアップロール
21と、そのバックアップロール21に支持されるワー
クロール22とによって構成している。ワークロール2
2は、図2・図3のように鋼帯Yの表面に対し実際に押
し付けて接触させるロールである。バックアップロール
21の支軸21aを中心に回転変位の自在なブラケット
22aを設け、そのブラケット22aにワークロール2
2の両端を支持させることによって、ワークロール22
がつねにバックアップロール21の周面と接触を保ちな
がら変位するようにした。バックアップロール21の直
径は約300mmであるが、ワークロール22は、腰折
れの防止効果を高く発揮できるように、直径約150m
mと細めにしている。
【0025】c) プレッシャーロール20を鋼帯Yに押
し付ける力の発生源として油圧シリンダ13を固定配置
し、その動作部分に上記揺動アーム11の先端部を連結
している。すなわち、直線動作手段である油圧シリンダ
13を固定フレーム12上に鉛直下向きに固定し、その
下端の動作部分を、固定フレーム12と一体のガイド枠
16内で上下移動し得るチョック14として配置し、チ
ョック14内に設けた支点15とバックアップロール2
1の支軸21aとをリンク17により連結している。こ
のような配置および連結の態様には、プレッシャーロー
ル20に対して下向きの力を強く効率的に発揮させるこ
とができ、また、油圧シリンダ13(直線動作手段)の
配置がシンプルになる、という利点がある。なお、鋼帯
Yが厚さ4.5mm・幅1200mmの低炭素鋼である
場合、油圧シリンダ13には5〜10トン程度の押し下
げ力を発揮させる。
【0026】d) 揺動アーム11の長さと角度および揺
動中心11aの位置等によって決定されるプレッシャー
ロール20の位置は、図2・図3のように、それがピン
チロール2に近い箇所で鋼帯Yに押し付けられるように
定めている。つまり、コイルXの最上部やそれよりもピ
ンチロール2から遠い箇所などではなく、アンコイラー
1の軸とピンチロール2との間であってコイルXの傾斜
面付近につねにプレッシャーロール20が位置するよう
にしている。そうすることにより、プレッシャーロール
20のうちワークロール22を図2・図3のようにその
周面上の広い角度範囲で鋼帯Yに接触させ、その巻付き
角度範囲θが120°以上になるようにしたのである。
実施例では、図2のように鋼帯Yの巻き出しの初期であ
ってコイルXの外径が大きい場合には巻付き角度範囲θ
が約120°であり、図3のように巻き出しの後期であ
ってコイルXの外径が小さい場合には巻付き角度範囲θ
が140°前後になる。ワークロール22上のこのよう
な広い角度範囲に鋼帯Yを巻き付けると、腰折れによっ
て鋼帯Yの表面に生じるシワの間隔をせまく(平均で
0.3mm程度に)することができ、強度・外観など種
々の点で不都合がなくなる。なお、バックアップロール
21と接触を保ちながらブラケット22aとともに自在
に回転変位するワークロール22は、それに巻き付けら
れる前・後の部分の鋼帯Yの張力がバランスすることか
ら、特別なコントロールをしなくともつねにコイルXの
外周に近い位置にあって安定的に鋼帯Yを巻き付ける。
そしてそのことは、鋼帯Yの巻き出しの初期(図2)に
もその後期(図3)にも、コイルXとピンチロール2と
の間のせまいスペース内にワークロール22が適切に進
入し、鋼帯Yに対する上述した広い角度範囲での接触を
容易にする。
【0027】以上に説明した巻き出し装置10によれ
ば、コイルXからピンチロール2以降の各装置への鋼帯
Yの巻き出しをつぎのように行うことができる。 図1のように、巻き出し装置10の油圧シリンダ1
3を縮めてチョック14とともにプレッシャーロール2
0や揺動アーム11を引き上げ、その状態でアンコイラ
ー1にコイルXをセットする。そのうえでコイルXの外
周から鋼帯Yの端部を引き出し、ピンチロール2以降へ
送り出す。
【0028】 ピンチロール2で鋼帯Yをはさみこん
だのち、図2のように巻き出し装置10の油圧シリンダ
13を伸ばし、チョック14や揺動アーム11とともに
プレッシャーロール20を押し下げる。プレッシャーロ
ール20のうちワークロール22は、図のようにその外
周上の広い角度範囲(θ≒120°)に鋼帯Yを巻き付
かせて曲げ、かつ下方へ張力をかけるようになる。これ
により、コイルXより巻き出される鋼帯Yには腰折れが
生じにくく、また生じたとしてもそれによる表面のシワ
が目立たないものになる。
【0029】 鋼帯Yの巻き出しが進むと図3のよう
にコイルXの径が小さくなるが、それに連れて油圧シリ
ンダ13の伸長量を増し、プレッシャーロール20を押
し下げていくことにより、つねにワークロール22の外
周上の広い角度範囲(θ≧120°)に鋼帯Yを巻き付
かせつづける。そうすれば、鋼帯Yの全長について表面
のシワを目立たないものにすることができる。
【0030】なお、ここでは熱延鋼板のシャーラインに
おける鋼帯Yの巻き出しについて紹介したが、発明の方
法および装置はこうした例に限るものではない。すなわ
ち、シャーラインのほか、メッキや酸洗、圧延(スキン
パスを含む)、焼鈍など種々の工程のために金属帯をコ
イルから巻き出すうえで効果的である。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載した金属帯の巻き出し方
法によれば、腰折れによって金属帯表面に生じるシワの
間隔をせまくすることができ、金属帯製造における実質
的な不都合を解消することができる。コイルからの金属
帯の巻き出しに連れてコイル径が変化するにもかかわら
ず、金属帯の全長において上記のようなメリットを得る
ことが可能である。
【0032】請求項2に記載した金属帯の巻き出し装置
によれば、請求項1に記載の巻き出し方法を円滑に実施
できるほか、コイル径の変化にしたがってプレッシャー
ロールの位置を適切に変化させることが容易である。
【0033】請求項3に記載した金属帯の巻き出し装置
なら、揺動アームによってプレッシャーロールの位置を
適切に変化させ得るうえ、プレッシャーロールに対し必
要な押し付け力をスムーズに作用させることができる。
各種の直線動作手段を最も安定した態様で使用できると
いうメリットもある。
【0034】請求項4に記載した装置なら、さらに、プ
レッシャーロールのうち金属帯に直接押し付けられるワ
ークロールを小径にすることができる。そのため、金属
帯の腰折れを防止し、もしくは腰折れの程度を穏やかな
ものにし、または、腰折れが生じる場合にも金属帯の表
面性状への影響を小さくすることが容易である。請求項
5に記載の装置なら、そのような効果がとくに顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の一形態として、アンコイラー1か
らレベラー4までの各装置とともに鋼帯Yの巻き出し装
置10を示す全体側面図である。
【図2】図1の巻き出し装置10を用いて行う鋼帯Yの
巻き出し状況を示す側面図であって、コイルXの径が大
きいときの状況を示す。
【図3】図1の巻き出し装置10を用いて行う鋼帯Yの
巻き出し状況を示す側面図であって、コイルXの径が小
さいときの状況を示す。
【図4】鋼帯Yの腰折れを防止する従来の装置を示す模
式的な側面図である。
【符号の説明】
1 アンコイラー 2 ピンチロール 10 巻き出し装置 11 揺動アーム 13 油圧シリンダ(直線動作手段) 17 リンク 20 プレッシャーロール 21 バックアップロール 22 ワークロール X コイル Y 鋼帯(金属帯)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 光司 大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会 社中山製鋼所内 (72)発明者 松本 和弘 大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会 社中山製鋼所内 (72)発明者 高野 浩史 大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会 社中山製鋼所内 (72)発明者 高橋 昌範 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 隈井 健司 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 高岡 真司 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 Fターム(参考) 4E026 CA04 CB02 CB10 CC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルとして巻かれた金属帯をアンコイ
    ラーからピンチロールへ向けて巻き出すための方法であ
    って、 アンコイラーとピンチロールとの間で、巻き出す金属帯
    にコイルの外側からプレッシャーロールを押し付け、コ
    イル径の変化にかかわらずつねにそのプレッシャーロー
    ルの周面における90°以上の角度範囲に金属帯を巻き
    付かせることを特徴とする金属帯の巻き出し方法。
  2. 【請求項2】 コイルとして巻かれた金属帯をアンコイ
    ラーからピンチロールへ向けて巻き出すための装置であ
    って、 アンコイラーとピンチロールとの間で、巻き出す金属帯
    にコイルの外側から押し付けられるようプレッシャーロ
    ールが配置され、当該プレッシャーロールが、コイル径
    によらずつねに周面上の90°以上の角度範囲に金属帯
    を巻き付かせる位置を保ちながら移動するよう、揺動ア
    ームの先端部に設けられていることを特徴とする金属帯
    の巻き出し装置。
  3. 【請求項3】 プレッシャーロールを金属帯に押し付け
    る出力源として直線動作手段が設けられ、この直線動作
    手段の動作部分と上記揺動アームの先端部との間が、両
    端に結合ピンを有するリンクを介して連結されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載した金属帯の巻き出し装
    置。
  4. 【請求項4】 上記のプレッシャーロールが、上記揺動
    アームの先端部に支持されたバックアップロールと、金
    属帯に直接押し付けられるとともにバックアップロール
    の周面と接触を保ちながら位置を変える小径のワークロ
    ールとからなることを特徴とする請求項2または3に記
    載した金属帯の巻き出し装置。
  5. 【請求項5】 プレッシャーロールのうちワークロール
    の直径が200mm以下であることを特徴とする請求項
    4に記載した金属帯の巻き出し装置。
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CN103203392A (zh) * 2012-01-13 2013-07-17 宝山钢铁股份有限公司 一种厚板开卷装置及方法
CN115870195A (zh) * 2022-10-31 2023-03-31 山东北溟科技有限公司 船用轴类零件修复再制造工艺

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