JP2003274938A - 有用組成物、及びその製造方法等 - Google Patents

有用組成物、及びその製造方法等

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JP2003274938A
JP2003274938A JP2002085306A JP2002085306A JP2003274938A JP 2003274938 A JP2003274938 A JP 2003274938A JP 2002085306 A JP2002085306 A JP 2002085306A JP 2002085306 A JP2002085306 A JP 2002085306A JP 2003274938 A JP2003274938 A JP 2003274938A
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lactic acid
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Noriyoshi Moriyama
憲義 森山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳酸菌及び酵母を良好な状態で作用させるこ
とが可能な有用組成物の製造方法等を提供すること。 【解決手段】 卯の花と餅米と米糠とを含有する菌体培
地に対して、乳酸菌(ラクトバチルス・ファーメンタム
(Lactobacillus fermentum))を植菌し、約10℃〜
約20℃において、約10日間〜約50日間培養するこ
とで母菌を得る。この母菌の1質量部に水を約5〜20
質量部添加し、約35℃〜約45℃において、約2日間
〜約5日間培養することで元菌Aを得る。更に、元菌A
の1質量部に水を約2〜8質量部添加し、約35℃〜約
45℃において、約2日間〜約5日間培養することで元
菌Bを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳酸菌及び酵母を
含有する有用組成物、及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳酸菌や酵母などの微生物を
応用して、土壌改良・米糠などに用いる技術が知られて
いる。しかしながら、微生物の特徴を生かして、最良の
状態で作用させるには、未だ十分とは言い難かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した事
情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乳酸菌及
び酵母を良好な状態で作用させることが可能な有用組成
物の製造方法等を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段、発明の作用、及び発明の
効果】本発明者は、鋭意検討の結果、卯の花と餅米とを
含有する菌体培地において、乳酸菌と酵母とを共存培養
させることにより、様々な用途を持つ有用組成物を製造
できることを見出し、基本的には本発明を完成する至っ
た。卯の花とは、豆腐をつくるときの豆汁から豆乳をと
ったあとのしぼりかすであり、おからとも言う。本発明
では、豆類をそのまま用いるのではなく、豆乳のしぼり
かすを用いるので、安価かつ有用に組成物を提供するこ
とができる。
【0005】本発明者の知見によれば、餅米は、通常の
米に比べると、アミロペクチンを多く含有することか
ら、乳酸菌と酵母の発酵率を向上させるようである。卯
の花と餅米との含有率は、卯の花が約70質量%〜約9
5重量%、餅米が約5質量%〜約30質量%であり、両
者を併せて約100質量%とする。なお、この菌体培地
には、米糠を添加することができる。その場合には、卯
の花:餅米:米糠の質量比は、約70質量%〜約95質
量%:約5質量%〜約30質量%:約0質量%〜約30
質量%とし、全体で約100質量%とする。
【0006】乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス
・ファーメンタム(Lactobacillusfermentum)、ラクト
バチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilu
s)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus case
i)、ラクトバチルス・デルブルツキイ(Lactobacillus
delbuckii)、ラクトバチルス・アラビノースス(Lacto
bacillus arabinosus)、ラクトバチルス・カウカシク
ス(Lactobacillus caucasicus)、ラクトバチルス・ラ
クテイス(Lactobacillus lactis)、ラクトバチルス・
ライシュマニ(Lactobacillus Leishmanni)、ラクトバ
チルス・ムシカス(Lactobacillus musicus)、ラクト
バチルス・サーモフィルス(Lactobacillusthermophilu
s)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus p
lantarum)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(St
erptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・ク
レモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッ
カス・フェカーリス(Streptococcus faecalis)、スト
レプトコッカス・ラクテイス(Streptococcus lacti
s)、ストレプトコッカス・ブルガリカス(Streptococc
us bulgaricus)、及びロイコノストック・メゼンテロ
イデス(Leuconostoc mesenteroides)のうちから一又
は二以上を選択して使用することができる。乳酸菌とし
ては、通常の方法により凍結乾燥して調製したもの、或
いは冷蔵保存したものを用いることができる。なお、一
般的に動物性乳酸菌は、熱や酸に弱いと言われているこ
とから、植物性乳酸菌(例えば、ラクトバチルス・ファ
ーメンタム)を用いることが好ましい。
【0007】また、酵母としては、例えば、ピキア・ク
ルイベリ(Pichia kluyveri)、サッカロマイセス・セ
リビジェー(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマ
イセス・パストリアヌス(Saccharomyces Pastrianu
s)、サッカロマイセス・インタメディウス(Saccharom
yces intermedius)、サッカロマイセス・ヴァリドウス
(Saccharomyces validus)、サッカロマイセス・エリ
プソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカ
ロマイセス・マリ リスラー(Saccharomyces malirisle
r)、サッカロマイセス・マンシュリカス(Saccharomyc
es mandshuricus)、サッカロマイセス・フォルデルマ
ニ(Saccharomyces Vordermannii)、サッカロマイセス
・ペーカー(Saccharomyces Peka)、サッカロマイセス
・シアシング(Saccharomyces shasshing)、サッカロ
マイセス・ピリフォルミス(Saccharomyces piriformi
s)、サッカロマイセス・アナメンシス(Saccharomyces
anamensis)、サッカロマイセス・カルティラギノース
ス(Saccharomyces cartilaginosus)、サッカロマイセ
ス・アワモリ(Saccharomyces Awamori)、サッカロマ
イセス・バタタエ(Saccharomyces Batatae)、サッカ
ロマイセス・コレアヌス(Saccharomyces Coreanus)、
サッカロマイセス・ロブストウス(Saccharomyces robu
stus)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Sa
ccharomyces Carlsbergensis)、サッカロマイセス・モ
ナセンシス(Saccharomyces Monacensis)、サッカロマ
イセス・マルキシアヌス(Saccharomyces Marxianu
s)、チゴサッカロミセス・マヨール(Zygo Saccharomy
ces major)、サッカロマイセス・ラクテイス(Sacchar
omyces lactis)、サッカロマイセス・ルクシー(Sacch
aromyces Rouxii)及びハンゼヌーラ・アノマーラ(Han
senula anomala)から一又は二以上を選択して使用する
ことができる。菌体培地に植菌する際の乳酸菌と酵母と
の菌数比は、約1:10〜約10:1の範囲で設定する
ことができる。
【0008】菌体培地に乳酸菌と酵母とを植菌した後に
は、比較的低温(例えば、約10℃〜約20℃)におい
て、数日〜数十日(例えば、約10日〜約50日)の
間、培養させる。このようにして培養された乳酸菌と酵
母との共存物を、本明細書中において、「母菌」とい
う。この母菌(菌体培地を含む)には、1g中に約10
8個程度の菌数が含まれている。母菌は、約4℃に置く
ことにより、長期間に渡って保存することができる。な
お、その場合には、空気(或いは、酸素)を抜いた状態
で、いわゆる真空パック(或いは、脱酸素パック)して
おくことが好ましい。また、母菌には、適当な酵素(例
えばパパイヤ酵素など)を含有させておくこともでき
る。
【0009】後述するように、母菌は、非常に有用な組
成物であるが、用途によっては、必ずしも母菌をそのま
ま用いる必要がない場合もある。そこで、母菌を二次的
に培養して元菌を製造し、その元菌を利用することがで
きる。母菌の1質量部に対して、水を約5質量部〜約2
0質量部(好ましくは、約8質量部〜約12質量部)加
えた状態で撹拌し、その混合液を約35℃〜約45℃に
て、約2日間〜約5日間(好ましくは、約3日間〜約4
日間)培養する。こうして得られた元菌Aには、1ミリ
リットル当たり約2x10個の乳酸菌が含有されてい
ることが好ましい。
【0010】更に、元菌Aの1質量部に対して、水を約
2質量部〜約8質量部(好ましくは、約4質量部〜約6
質量部)加えた状態で撹拌し、その混合液を約35℃〜
約45℃にて、約2日間〜約5日間(好ましくは、約3
日間〜約4日間)培養する。こうして得られた元菌Bに
は、1ミリリットル当たり約2x10個の乳酸菌が含
有されていることが好ましい。
【0011】母菌から二回の培養を経過することによっ
て、母菌に含まれていた卯の花、餅米(更には、米糠)
が薄められて、透明度が向上するので、使用範囲を広げ
ることができる。母菌または元菌A,B(以下には、両
者を合わせて「有用組成物」という。)の用途として
は、大きく分けて、(1)動物に対して飼料の一部とし
て与える、(2)土壌改良に利用する、(3)水質改善
に利用する、(4)食品改良に利用する等がある。個々
の用途に関する詳細な応用例は、発明の実施の形態に記
述するが、簡単に述べると次のようである。
【0012】このうち、(1)動物に対して与える場合
には、家畜(例えば、ウシ・ブタなど)に与えることに
より、尿糞臭を著しく軽減することができることに加
え、特に乳牛に与えた場合には、搾乳量を著しく増加す
ることができる。更に、家畜の糞を発酵させることによ
り、良好な堆肥を得ることができる。また、ペット(イ
ヌ・ネコなど)に与えると、尿糞臭を著しく軽減するこ
とができ、更にペットの健康状態を非常に良好に維持す
ることができる。
【0013】また、(2)土壌改良に利用する場合に
は、本発明の有用組成物を生ゴミに加えて発酵させるこ
とにより良好な堆肥を得る用途、家畜糞(特に、有用組
成物を与えて飼育している家畜の糞が好ましい。)に有
機活性堆肥(スギ、ヒノキのおがくずに有用組成物を添
加して培養したもの)を組み合わせたものを栽培用肥料
として用いる用途などがある。特に、生ゴミを発酵させ
る場合には、生ゴミの臭気を押さえて、良好な堆肥を得
ることができる。また、家畜糞と有機活性堆肥に用いる
場合には、完全に無農薬状態で作物を育てることができ
る等の利点がある。また、有用組成物を学校などの砂場
に混入させることにより、雑菌の繁殖を押さえることが
できる。
【0014】また、(3)水質改善に利用する場合に
は、有用組成物を海中または河川中に浸漬する、有用組
成物を水槽中に添加する、また大衆浴場を含む風呂に用
いる等の用途がある。このうち、有用組成物を海中に浸
漬する場合には、例えばノリ・真珠貝(アコヤ貝)の養
殖を行う海域において、有用組成物を用いることによ
り、赤潮・ヘドロの発生を押さえて、貝の成長に対して
良好に作用する。また、河川中に浸漬する場合には、工
場からの排水を浄化して、河川の水質を改良することに
加え、その河川に住む魚類を清浄にすることができる。
【0015】また、水槽中に添加することにより、塩素
などの有害物質を分解し、アオコの発生を押さえて水質
を良好に維持すると共に、魚類の発育を良好にすること
ができる。また、有用組成物を風呂の水に添加する場合
には、水中の雑菌の繁殖を押さえ、長時間に渡って水質
を良好に維持すると共に、風呂から流れ出る排水を清浄
とすることにより、濾過槽・パイプ内のヘドロ・水垢を
著しく減少させることができる。また、(4)食品改良
に利用する場合には、飲料水に混ぜる用途、漬物床に用
いる用途などがある。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲
は、これらの実施形態によって限定されるものではな
く、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施す
ることができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の
範囲にまで及ぶものである。
【0017】<母菌の製造(1)>卯の花(約70質量
%〜約95質量%)と餅米(約5質量%〜約30質量%
であり、卯の花を合わせて、100質量%となるように
した。)とを含む菌体培地に、乳酸菌(ラクトバチルス
・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum))と酵
母とを植え付けた。乳酸菌と酵母との菌数は、合計で約
10〜10個で適宜変更し、その菌数比は、約1:
10〜約10:1の間で、適当に設定した。
【0018】その菌体培地を約10℃〜約20℃の間に
設定した低温室に入れて、約30日の間(培養日数は、
菌体培地の状態によって、約10日〜約50日の間で適
宜に変更した。)、培養することにより母菌を製造し
た。この母菌は、空気の通過を遮断する真空パックに詰
め込んだ後、約4℃に置くことにより、長期間(例え
ば、数ヶ月〜数年)に渡って保存することができる。後
述する元菌を製造する場合には、長期間に渡って低温保
存した母菌を用いた。なお、この母菌には、1g当たり
約10オーダーの乳酸菌と酵母とが含まれていた。
【0019】<母菌の製造(2)>卯の花(約60質量
%〜約90質量%)と餅米(約5質量%〜約30質量
%)と米糠(約5質量%〜約30質量%であり、卯の花
と餅米とを合わせて、100質量%となるようにし
た。)とを含む菌体培地に、乳酸菌(ラクトバチルス・
ファーメンタム(Lactobacillus fermentum))と酵母
とを植え付けた。乳酸菌と酵母との菌数及び、菌数比
は、上記母菌の製造1と同様である。こうして植菌した
菌体培地を上記母菌の製造1と同様に処理して、母菌を
製造した。また、この母菌には、上記と同様に、1g当
たり約10オーダーの乳酸菌と酵母とが含まれてい
た。
【0020】<元菌Aの製造>上記のようにして製造し
た母菌の約1質量部に対して、井戸水を約5質量部〜約
20質量部(好ましくは、約8質量部〜約12質量部)
加えた状態で撹拌し、その混合液を約35℃〜約45℃
(好ましくは、約38℃〜約42℃、更に好ましくは、
約40℃)にて、約2日間〜約5日間(好ましくは、約
3日間〜約4日間)培養した。こうして得られた元菌A
の1ミリリットル中には、約2x10個の乳酸菌が含
有されていた。
【0021】<元菌Bの製造>上記のようにして製造し
た元菌Aの1質量部に対して、井戸水を約2質量部〜約
8質量部(好ましくは、約4質量部〜約6質量部)加え
た状態で撹拌し、その混合液を約35℃〜約45℃(好
ましくは、約38℃〜約42℃、更に好ましくは、約4
0℃)にて、約2日間〜約5日間(好ましくは、約3日
間〜約4日間)培養した。こうして得られた元菌Bの1
ミリリットル中には、約2x10個の乳酸菌が含有さ
れていた。
【0022】<ヒキコの製造>スギ、ヒノキのおがくず
に、元菌Bを混ぜ合わせて、培養したものをヒキコとし
た。すなわち、スギ5kg及びヒノキ5kgのおがくず
当たり、元菌Bを約3L混ぜ合わせ、約10℃におい
て、約15日間培養したものをヒキコとした。このヒキ
コには、1g当たり約5x10個の乳酸菌が含有され
ていた。
【0023】<有用組成物の効果試験(1)>配合飼料
中に、約0.5重量%〜約5重量%の割合となるように
母菌を添加したものを牛(乳牛及び肉牛)に与えて飼育
した。投与時期としては、導入後1ヶ月〜3ヶ月後か
ら、有用組成物混入配合飼料とし、それを持続した。更
に、肉牛については、出荷予定の4ヶ月前から、元菌B
を適宜混合した乳酸水を与えた。
【0024】その結果、肉牛及び乳牛ともに、餌をよく
食べるようになり、病気に罹り難くなった。こうして、
種付け率が、従来の70%から90%以上へと大きく向
上した。更に、毛並みや発育が良好となり、糞臭が少な
くなった。また、肉牛では、肉質が良好になるという効
果が得られた。乳牛では、搾乳量が約20%程度上昇し
た。
【0025】<有機堆肥の製造>上記の有用組成物の効
果試験(1)で得られた牛糞に、ヒキコを混入して培養
後、乾燥したものを有機堆肥Aとした。すなわち、乾燥
した卯の花に元菌Bを混ぜ合わせて培養したものであ
り、牛糞約1t当たりに、乾燥した卯の花約0.5%〜
約1.0%を混ぜ合わせ、常温において、速日培養した
ものを有機堆肥Aとした。
【0026】<有用組成物の効果試験(2)>鶏糞の1
質量部に対して、母菌を約1質量部添加して、混合した
ものを常法に従って、堆肥としたところ、表1に示すよ
うに、アンモニア、メチルメルカプタンを始めとする臭
気成分の濃度を大幅に減少させることができた。こうし
て、臭気が少なく取り扱いやすい堆肥を生産することが
できた。
【0027】
【表1】
【0028】なお、表1中、悪臭物質の濃度単位は、pp
m(V/V)で示した。記号<は、測定限界値未満であるこ
とを示している。また、「臭気強度2.5」の列に示した
数値は、この臭気強度に相当する悪臭物質濃度、及び臭
気指数の範囲を示している。
【0029】<有用組成物の効果試験(3)>イヌ及び
ネコのペットに対して、元菌Bを体重1kg当たり約1
g〜2gとなるようにして与えた。また、元菌Bを約1
質量%となるように薄めたものを飲み水として与えた。
その結果、ペットの健康状態が良好となると共に、体臭
・糞臭が少なくなった。
【0030】<有用組成物の効果試験(4)>コンポス
ト等の適当な容器を用意し、その容器内に、まず約3k
gの土を入れた。その土の上に、約1.5kgの生ゴミ
を載せ、更に5Lのヒキコをほぼ均一となるようにばら
まいた。約3日間、培養した混合物を取りだしたとこ
ろ、生ゴミの臭気はほぼ消えていた。また、混合物を耐
熱性のビーカに移した後、120℃に設定した電気炉中
に入れ、ビーカ内の温度が約100℃になった時点から
30分間加熱乾燥させた。乾燥処理後、10分経過した
後にビーカ内の物質を新聞紙上に取りだして、熱を冷ま
した。
【0031】この物質は、乾燥された取扱いの便利な有
機堆肥として用いることができた。また、この有機堆肥
に対して、水を加えたが、臭気は認められなかった。な
お、混合物は、乾燥させる前であっても、約2週間を経
過することにより、有機堆肥として用いることができ
た。混合物には、1g当たり約2x10個の乳酸菌が
含まれていた。また、対照試験として、容器中に約3k
gの土を入れ、その土の上に約1.5kgの生ゴミを載
せ、更に5Lのおがくず(元菌Bを含有しないもの)を
ほぼ均一となるようにばらまいた。しかしながら、この
容器では、生ゴミの臭気は全く消えなかった。
【0032】<有用組成物の効果試験(5)>3月下旬
に実験農園に運び込まれた山土に対して、4月上旬にヒ
キコ約50Lを混ぜ合わせて、約1週間ねかせた。次
に、この土に有機堆肥A約100kgを混ぜ合わせたも
のを栽培用土とした。なお、栽培用土には、場所にも依
るが、1g当たり約4x10個〜約1x10個程度
の乳酸菌が含まれていた。
【0033】<トマトの栽培>栽培用土に対して、5月
上旬から下旬にかけてトマト(品種:桃太郎)を植え付
けた。収穫までに、二度の有機堆肥Aの追肥を施した。
但し、植物成長ホルモンや薬剤等の散布は行わなかっ
た。その結果、質・量共に良好なトマトの収穫ができ
た。なお、対照試験として、ヒキコ及び有機堆肥Aを使
わず、従来の化学肥料を用いた場合には、二度の追肥に
加えて、疾病予防のための薬剤を散布しなければならな
かった。
【0034】<スイカの栽培>栽培用土に対して、5月
上旬にスイカ(つぎきスイカ)を植え付けた。収穫まで
に、月に一度割合で有機堆肥Aを追肥した。但し、植物
成長ホルモンや薬剤等の散布は行わなかった。その結
果、他の農家のスイカよりも成長が早く、かつ虫の付き
が少ないスイカを収穫することができた。なお、対照試
験として、ヒキコ及び有機堆肥Aを使わず、従来の化学
肥料を用いた場合には、追肥に加えて、定期的に薬剤を
散布しなければならなかった。
【0035】なお、ピーマンについても同様の試験を行
ったが、上記トマト及びスイカと同様に、良好な結果を
得ることができた。このように、有機堆肥A及びヒキコ
を用いることにより、他の植物ホルモン・農薬を用いる
ことなく、無農薬で作物を栽培することができた。加え
て、その培養状態は、質・量共に非常に良好であること
に加え、虫が付きにくいことも分かった。有機堆肥A及
びヒキコは、植物が自然に持っている能力を良好な状態
で引き出すようにして作用しているものと考えられた。
【0036】<有用組成物の効果試験(6)>母菌約7
00kgを細かい目を持つ袋に入れ、これを真珠養殖用
のイカダに吊した状態で、真珠貝(アコヤ貝)の養殖を
行った。母菌を吊したときから約2ヶ月を経過したとき
に、真珠貝の肉身中には、1g当たり約4x10個の
乳酸菌が確認された。イカダ付近の海水は、良好な状態
に保たれると共に、真珠貝は順調に成長し、良好な真珠
を得ることができた。
【0037】<有用組成物の効果試験(7)>一般家
庭、及び工場6からの排水が流入する水路1(幅が約2
m)を約20mの長さとなるように鉄網2、3で仕切っ
て、実験用水路4とした(図1を参照)。母菌約5kg
を細かい目を持つ袋5に入れ、実験用水路4の上流の鉄
網2に吊して、水中に浸漬した。また、実験用水路4の
内側に、鯉、フナ、イワナ、及びヤマメを放流した。な
お、図1中の矢印は、川水の流れる方向を示している。
【0038】実験開始から約20日を経過した時点で実
験用水路の内側に藻が発生した。この藻は、清流にしか
観察されない種類であった。また、鯉及びフナは、健康
な状態で生育していた。特に、この魚類を調理して食用
に供したところ、内臓が全く無臭であり、良好に食する
ことができた。
【0039】また、イワナ及びヤマメは、水質が良好な
場所にしか生育できないことが知られている。実験経過
から約半年を経過した時点において、この実験用水路中
に放流されたイワナ及びヤマメは、全匹が良好な状態で
生育していることが観察された。実験開始から約6ヶ月
を経過した時点で、実験用水路の下流側の水1ミリリッ
トル当たりには、約1x10個程度の乳酸菌が認めら
れた。
【0040】表2には、石水渓の水、及びこの石水渓に
沿って実験用水路の上流及び下流における水質を測定し
たデータを示した。このデータによれば、母菌を吊すこ
とによって、実験用水路内の水質が良好に保持されてお
り、特にアンモニア、及び硝酸塩の数値を減少させるこ
とが分かった。
【0041】
【表2】
【0042】<有用組成物の効果試験(8)>大衆浴場
では、例えば、定期的に強力な洗剤を用いた掃除を行
うが、湯水を通すパイプ中に付着する湯垢を含むヘドロ
を充分に洗い落とすことが難しい、濾過槽に水垢が溜
まりやすいため、頻繁に清掃を行う必要がある、浴槽
については、毎日掃除を行っているにも関わらず、特に
タイルの目地に汚れが溜まりやすいことから、浴槽内の
不快臭を完全になくすことが難しい、使用後の湯を捨
てる水路にヘドロが付着して不快臭を発しやすく、アオ
コや蚊が発生しやすい、風呂中に”香りの元”を入れ
て、香りの湯と称することがあるが、その香りの元を一
日に3〜4回も補給しなければ香りを持続させることが
できなかった等の問題点があった。そこで、大衆浴場の
浴槽中に元菌Bを混入した。すなわち、浴場の湯約1t
に対して、約5kgの元菌Bを混入した。また、適量の
ヒキコを網の袋内に詰め、その袋を大衆浴場の浴槽中に
吊した。
【0043】その結果、湯水を通すパイプ中のヘドロ
がきれいに取れ、それ以降ほとんどヘドロが溜まらなく
なった、湯垢が溜まりにくくなったため、濾過槽の掃
除回数が減少した、浴槽の不快臭が全く感じられなく
なり、浴槽の湯垢も少なくなった、水路の臭気が非常
に少なくなり、かつアオコや蚊の発生が抑制された、
”香りの元”を入れると、香りが大変引き立つことに
加え、香りが持続するようになった等の効果を奏するこ
とができた。
【0044】<有用組成物の効果試験(9)>熱帯魚ま
たは金魚等の観賞用魚類を育てる水槽において、浄化装
置の45cm〜60cm当たりに一つの元菌B(正確に
は、元菌Bを多孔質のスポンジ様の物質にしみ込ませた
もの)を載置した。その結果、水槽中の観賞用魚類の健
康状態が良好となり、管理に手間が掛からなくなった。
また、水槽内のアオコの発生が減少し、水質が良好に保
たれるようになった。更に、観賞用魚類及び、藻の発育
が良好となった。
【0045】このように、本実施形態の有用組成物は、
動物・魚類等の生物、土壌改良、水質改善、食品改良等
に応用することが可能であり、そのいずれに用いた場合
にも非常に良好な結果を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実験用水路の模式図である。
【符号の説明】
4…実験用水路 5…母菌を入れた袋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/00 C02F 3/34 Z 3/34 C12N 1/16 A C12N 1/16 C12R 1:645 //(C12N 1/16 C12N 1/20 C12R 1:645) C12R 1:225 (C12N 1/20 B09B 3/00 A C12R 1:225) Fターム(参考) 2B022 AA05 BA14 BA15 BA18 BB10 4B065 AA01X AA30X AA49X AA72X AA76X AA77X AA79X BB26 BB27 BC50 CA43 CA49 CA54 4D004 AA02 AA03 BA04 CA18 CA48 CC07 4D040 DD03 DD07 DD11 DD14 DD31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卯の花と餅米とを含有する菌体培地にお
    いて、乳酸菌と酵母とを共存培養させたことを特徴とす
    る有用組成物。
  2. 【請求項2】 前記菌体培地には、更に米糠が含有され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の有用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の有用組
    成物の製造方法であって、前記菌体培地に乳酸菌及び酵
    母を植菌し、約10℃〜約20℃において、約10日間
    〜約50日間培養することを特徴とする有用組成物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の有用組
    成物に対して、水を添加し、約35℃〜約45℃におい
    て、約2日間〜約5日間培養することを特徴とする有用
    組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の有用組
    成物を動物に経口投与することを特徴とする有用組成物
    の利用方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の有用組
    成物を家畜糞に添加したことを特徴とする有機堆肥。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の有機堆肥を土中に混入
    することを特徴とする土壌改良方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2に記載の有用組
    成物を水中に混入することを特徴とする水質改善方法。
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