JP2003274769A - 水中浮遊性繊維構造物を用いた除草方法 - Google Patents

水中浮遊性繊維構造物を用いた除草方法

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JP2003274769A JP2002082419A JP2002082419A JP2003274769A JP 2003274769 A JP2003274769 A JP 2003274769A JP 2002082419 A JP2002082419 A JP 2002082419A JP 2002082419 A JP2002082419 A JP 2002082419A JP 2003274769 A JP2003274769 A JP 2003274769A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手作業による除草や、除草剤による除草を不
要とするところの除草方法を提供する。 【解決手段】 土壌1に水2を貯留すると同時に水中に
繊維構造物3を浮遊させる。繊維構造物3の浮遊の状態
としては、水面上に繊維構造物3が浮かんでいる状態、
又は水中に繊維構造物3が漂っている状態が挙げられ
る。この状態で数日間経過すると、土壌1で雑草類5a
及び5bが成長する。そして、雑草類中の単子葉植物5
aの鞘葉51aから本葉52aが発生した後に、土壌1
に貯留された水2を排水する。そうすると、繊維構造物
3は土壌1面に落下し、成長した雑草類5a及び5bを
圧倒する。しかも、この落下によって、繊維構造物3
は、土壌1を被覆するので、雑草類5a及び5bは、も
はや光合成を行うことが困難となる。従って、最終的に
は、これら雑草類5a及び5bは枯死してしまう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田等の土壌に生
える雑草類の除草方法に関し、水中浮遊性繊維構造物を
用いる除草によって、手作業での除草や化学剤である除
草剤による除草を不要とした除草方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、水田等の土壌に生える雑草類
の除草方法としては、(i)手作業によって一本々々雑
草類を取り除く方法、(ii)中耕除草機によって雑草類
を取り除く方法、(iii )土壌面に敷草などを敷いて、
光を遮ることにより、雑草類の成長を抑制する方法、
(iv)除草剤を土壌に散布して雑草類を抑制又は枯死さ
せる方法、などが知られている。しかし、(i)〜(ii
i )の方法は、多くの人手が要り、生産性の面から有効
な方法ではない。一方、除草剤を用いる方法は、人手が
少なくて効果的ではあるが、環境保全の面から、好まし
くない。すなわち、除草剤には、魚毒性を持つものが多
く、河川に棲む魚に悪影響を与えるということがあっ
た。また、除草剤には、内分泌攪乱化学物質を含むもの
もあり、人間や魚などの動物に対し、生殖機能などに悪
影響を与えるということがあり、その使用には様々な制
限がある。
【0003】このため、本発明者は、特定の不織布を水
田土壌に被覆し、雑草類の光合成を抑制して、雑草類を
枯死させる方法を提案した(特開2000−30008
7)。ここで、特定の不織布とは、雑草類の芽生えが貫
通できない程度の厚みを持つ不織布のことである。この
方法は、ある程度有効なものであったが、以下のような
欠点があった。すなわち、雑草類が双子葉植物(コナ
ギ、ウリカワ等)である場合、双葉は柔らかいため、不
織布を貫通できず、容易に枯死してしまうのであるが、
雑草類が単子葉植物(イヌビエ、ホタルイ、ミズガヤツ
リ、タマガヤツリ)である場合、鞘葉は硬くまた先端が
尖っているために、容易に不織布の構成繊維間隙を通過
するということがあった。そして、不織布の構成繊維間
隙を通過した鞘葉は、不織布を上面で本葉を成長させ、
光合成を行うので、順調に生育してしまうということが
あった。
【0004】このような欠点を回避するためには、不織
布の厚みをより厚くして、不織布の構成繊維間隙を狭く
するこということが考えられる。例えば、不織布の目付
でいうと、200g/m2以上とすることが考えられ
る。しかし、不織布の目付を重くして構成繊維間隙を狭
くすると、水稲などの栽培植物の趣旨の芽が、不織布を
貫通することができないので、芽立ち数が少なくなると
いう新たな欠点を惹起する。また、不織布の目付を重く
するということは、不織布の構成繊維量を多くしなけれ
ばならず、その結果、不織布の価格も高価になるという
新たな欠点を惹起する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
不織布を用いた除草方法を種々研究していたところ、単
子葉植物の本葉は、鞘葉よりも不織布に対する貫通力が
低いことに思い至った。すなわち、単子葉植物である水
稲を例にとれば、水稲の鞘葉の物体を押し上げる力は、
ストレーンゲージで測定したところ、約33g(約0.
32N)であるが、本葉の物体を押し上げる力は、約1
2〜16g(約0.12〜0.16N)となっているの
である。つまり、水稲は鞘葉と本葉では、物体を押し上
げる力が約半分となっており、これは水稲以外の単子葉
植物の場合も共通する現象である。本発明は、このよう
な自然法則、すなわち、単子葉殖物の本葉は鞘葉より
も、物体を押し上げる力が小さいという自然法則に基づ
いてなされたものであり、特開2000−300087
に記載された除草方法の欠点を解消したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、土
壌表面上に水を貯留すると共に、水面上又は水中に繊維
構造物を浮遊させた状態を維持しておき、該土壌で雑草
類が成長して、該雑草類中の単子葉植物の鞘葉から本葉
が発生した後に、該土壌に貯留された水を排水し、該繊
維構造物で成長した該雑草類を圧倒すると共に該土壌を
被覆して、該雑草類を枯死せしめることを特徴とする水
中浮遊性繊維構造物を用いた除草方法に関するものであ
る。
【0007】まず、本発明は、土壌表面上に、十分に水
を貯留する。土壌は一般的に水田であるため、河川から
の水をひけば、容易に、土壌表面上に水を貯留すること
ができる。土壌表面上に存在する水の貯留量は任意であ
るが、一般的に、水の深さが約5cm程度になるように
するのが好ましい。なお、水の深さとは、土壌表面から
水面までの距離のことである。
【0008】貯留した水の水面上又は水中に繊維構造物
を浮遊させる。繊維構造物を浮遊させるには、水を貯留
した後に、繊維構造物を水面上に敷設しても良いし、ま
た繊維構造物を敷設した後に、水を貯留しても良い。作
業性の面からは、後者の方法が好ましい。繊維構造物と
しては、不織布、織物、編物、紙などが用いられる。こ
の中でも、特に不織布を用いるのが好ましい。その理由
は、織物や編物は、織目や編目などの比較的大きな間隙
があるため、目を詰めて製編織する必要があり、高価に
なりやすいからである。また、紙は、特殊な処理を施さ
ないと、水によって破損しやすくなるからである。不織
布の中でも、ニードルパンチ不織布又は水流絡合不織布
を採用するのが好ましい。これらの不織布はバインダー
樹脂を含有していないことが多く、環境保全の観点から
好ましいからである。つまり、バインダー樹脂には可塑
剤などの環境に悪影響を与える物質を含んでいることが
あり、バインダー樹脂は使用しない方が環境保全上、好
ましいのである。なお、不織布の目付は、60〜120
g/m2であるのが好ましい。
【0009】また、繊維構造物は、水面上に浮く又は水
中で漂う必要がある。すなわち、水面上又は水中で浮遊
する必要がある。水面上又は水中で繊維構造物を浮遊さ
せるためには、繊維構造物を構成する繊維の比重を1未
満すればよい。または、構成繊維の比重が1以上であっ
ても、構成繊維が撥水性を持っていればよい。例えば、
綿は、比重が1を超えるが、繊維表面にコットンワック
スなどの油脂類が付着しており、撥水性を持っている。
しかも、綿は自然界で放置しておくと、自然に分解する
性質(生分解性)があり、本発明で用いる繊維構造物の
構成繊維とするのに、最も好ましいものである。その他
としては、比重が1未満であるポリオレフィン系繊維な
ども構成繊維として用いることができる。このような構
成繊維からなる不織布等の繊維構造物であれば、土壌に
敷設した後に、水を貯留することによって、容易に水面
上又は水中に浮遊する。
【0010】貯留した水の水面上又は水中に繊維構造物
を浮遊させた状態で、数日間放置しておく。この数日間
というのは、水を貯留した土壌において、雑草類が成長
し、雑草類中の単子葉植物の鞘葉から本葉が発生する間
ということである。具体的には、雑草種子が発芽してか
ら5日〜2週間程度である。
【0011】そして、数日間が経過した後、貯留した水
を排水する。そうすると、水面上又は水中に浮遊してい
た繊維構造物は、その重力で土壌を直接被覆する。この
際、双子葉植物の双葉及び本葉、及び単子葉植物の鞘葉
と本葉は、繊維構造物によって圧倒される。この後は、
これらの雑草類は繊維構造物で被覆されているので、光
合成が困難となり、枯死してしまうのである。
【0012】本発明に係る除草方法を採用しながら、水
稲などの栽培植物を育成する方法は、以下のとおりであ
る。すなわち、栽培植物の種子は、土壌に播種せず、繊
維構造物表面又は繊維構造物中に播種する。この理由
は、土壌に播種すると、貯留した水を排水したときに、
雑草類と共に栽培植物の本葉や鞘葉あるいは双葉も、繊
維構造物で圧倒されてしまい、枯死してしまうからであ
る。繊維構造物中に播種する態様としては、水面上に複
数枚の繊維構造物を浮かべておき、この繊維構造物の間
に栽培植物の種子を播種してもよい。例えば、繊維構造
物を二層構造としておき、この層間に栽培植物の種子を
播種するのが好ましい。この場合、栽培植物の種子が露
出していないので、雀や烏などが種子を食べてしまう
(雀害や烏害)のを防止しうる。
【0013】上記した方法を図面に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。図1は、土壌1に水2を貯留
し、水面上に繊維構造物3を浮かべたものである。繊維
構造物は二層構造となっており、上面層3aと下面層3
bで構成されている。栽培植物の種子4a及び4bが、
上面層3aと下面層3bの間に播種されている。なお、
4aは単子葉の栽培植物の種子であり、4bは双子葉の
栽培植物の種子であり、通常はいずれか一方の栽培植物
の種子が播種される。4bの双子葉の栽培植物の種子を
播種した場合は、双葉41bは上面層3aを貫通する能
力が低いので、上面層3aが比較的粗目となっている繊
維構造物3を採用する必要がある。水稲種子を播種した
場合は、水稲は単子葉植物であるから、4aということ
になるが、この鞘葉41aは上面層3aを貫通する能力
が高いので、上面層3aとして、比較的任意にどのよう
な種類のものでも採用することができる。この状態で、
数日間が経過すると、栽培植物の種子4a又は4bから
芽生えが生じ、また土壌1においても、雑草類の種子5
a及び5bから芽生えが生じる。なお、5aは単子葉の
雑草類であり、5bは双子葉の雑草類であり、雑草類の
場合は、図1の如く、両者が共存することが多い。栽培
植物の種子4aからは、鞘葉41a及び本葉42aが発
生し、栽培植物の種子4bからは、双葉41b及び本葉
42bが発生する。一方、雑草類の種子5aにおいて
は、鞘葉51a及び本葉52aが発生し、種子5bから
は、双葉51b及び本葉52bが発生する。
【0014】そして、この状態になったとき、貯留して
いた水2を排水すると、図2に示した状態となる。すな
わち、繊維構造物3は、排水によって重力で土壌1上に
落ちて、土壌1を被覆する。そして、これにより、雑草
類の鞘葉51a、本葉52a、双葉51b及び本葉52
bは、繊維構造物3によって圧倒される。そして、圧倒
された雑草類の鞘葉51a、本葉52a、双葉51b及
び本葉52bは、太陽光を受ける量が僅少であるので、
光合成が困難となり、枯死してしまう。一方、栽培植物
の鞘葉41a、本葉42a、双葉41b及び本葉42b
は、繊維構造物の上側に延びているため、いささかも圧
倒されず、太陽光を十分に受けて順調に生育する。
【0015】この後、数日間、一般的には5日間程度放
置し、雑草類を完全に枯死させると共に、栽培植物の種
子4a又は4bから出た根43a又は43bを土壌1に
根づかせる。そして、再び、河川から水を引いて、土壌
1に水を与える。このとき、繊維構造物3は、栽培植物
の根43a又は43bが土壌中に伸長するので固定され
て、もはや、水面上に浮かんだり、又は水中に漂うこと
はない。つまり、栽培植物の根43a又は43bが土壌
1に根づいているので、繊維構造物3は栽培植物と土壌
1との間に挟まれた状態となっているからである。そし
て、土壌1に与えられた水によって、栽培植物は順調に
生育成長するのである。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、単子葉殖物の本葉は鞘葉よりも、物体を押し上げる
力が小さいという原理に基づいてなされたもので、繊維
構造物を水に浮遊させ、単子葉植物の本葉が芽生えた時
期に水を排水して、繊維構造物によって単子葉植物の芽
生えを圧倒させる点に特徴を有するものとして解釈され
るべきである。
【0017】実施例1 まず、綿を構成繊維とするニードルパンチ不織布(目付
100g/m2)を二枚準備した。構成繊維である綿
は、その表面にコットンワックスなどの油脂が付着して
いるもので、脱脂されていないものである。この二枚の
不織布を積層した繊維構造物の層間に、水稲種子を播種
した。そして、この二枚の不織布よりなる繊維構造物
を、実験用水田に敷設した後、水を入れ、10日間水に
浮遊させておいた。10日後に水を排水し、7日間放置
して、繊維構造物と土壌との密着を図った。この後、更
に土壌に水を入れて、水稲種子の生育成長を図った。こ
の方法による水稲の苗立率及び雑草の発生量は、以下の
表1のとおりであった。なお、水稲種子の播種は5月1
9日に行い、苗立率と雑草の発生量の調査は6月7日に
行った。
【0018】比較例1 湿った土壌に水稲種子を播種し、実施例1で用いたニー
ドルパンチ不織布で土壌を被覆した。この方法による水
稲の苗立率及び雑草の発生量は、以下の表1のとおりで
あった。
【0019】比較例2 湿った土壌に水稲種子を播種し、土壌に市販の防鳥網を
かけた。この方法による水稲の苗立率及び雑草の発生量
は、以下の表1のとおりであった。
【0020】 〔表1〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 比較例1 比較例2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 苗立率(%) 75.3 66.7 72.5 ─────────────────────────────── 雑草の種類 雑草の発生量(g/m2) ─────────────────────────────── 双子葉植物雑草 0.0 0.0 4.5 カヤツリ類(単子葉) 0.0 0.1 2.6 ヒエ類(単子葉) 0.0 7.5 8.0 他の単子葉植物雑草 0.0 0.1 0.2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0021】表1中、苗立率(%)とは、播種した種子
の数に対して、苗として独立する数の割合である。ま
た、雑草の発生量(g/m2)は、1平方メートル当た
りにおける雑草の乾物重量である。
【0022】
【作用】本発明に係る除草方法は、雑草類のうち、単子
葉植物の鞘葉と本葉では、本葉の方が、土壌面に被覆し
た繊維構造物を貫通する能力が低いという原理を使用し
たものである。具体的な技術的手段は、土壌上に貯留し
た水中に繊維構造物を浮遊させ、単子葉植物の本葉が発
生した時点で、土壌上の水を排水し、繊維構造物を土壌
面に落下させ、単子葉植物を圧倒するというものであ
る。この手段によって、単子葉植物は、もはや繊維構造
物を貫通しにくくなり、光合成が不能となって、枯死す
るのである。なお、双子葉植物の双葉は、元来、繊維構
造物を貫通しにくいため、同様に枯死するのである。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る除草方法は、水と繊維構造
物を用いる除草方法であるため、以下のような効果を奏
する。 (1)手作業によって一本々々雑草類を取り除いたり、
中耕除草機による除草の必要がなく、人手による労力を
低減することができるという効果を奏する。 (2)除草剤を用いる必要がないので、環境保全に対し
て有効である。すなわち、除草剤の魚毒性によって、河
川に棲む魚に悪影響を与えることを防止しうるという効
果を奏する。また、除草剤に含まれる内分泌攪乱化学物
質によって、人間や魚などの生殖機能に悪影響を与える
ことを防止しうるという効果を奏する。 (3)本発明に係る除草方法は、単に土壌面を繊維構造
物で被覆する方法と比べて、繊維構造物に対する貫通力
の低い単子葉植物の本葉が発生した後に、土壌面を被覆
するものであるので、薄くしかも目の粗い繊維構造物で
あっても、良好に除草できる。従って、使用する繊維構
造物中の繊維量が少なくてすみ、安価な繊維構造物を用
いて除草でき、除草に要する費用を節約しうるという効
果を奏する。 (4)本発明に係る除草方法は、水と繊維構造物を使用
するだけで可能であるため、土壌の大小や形状を問わ
ず、使用しうる方法である。従って、不定形の水田や棚
田にも利用しうるものである。
【0024】また、本発明に係る除草方法を適用しなが
ら、繊維構造物表面又は繊維構造物中に、水稲などの栽
培植物の種子を播種して、栽培植物を育成すれば、以下
のような効果を奏する。 (5)手作業による除草や、除草剤による除草を必要と
しないので、栽培植物の生産コストを低廉にしうるとい
う効果を奏する。 (6)土壌に栽培植物の種子を播種した場合には、播種
作業の都合や土壌の状態によって、種子が土壌中に深く
埋もれてしまうことがあり、このときには、土壌粒子の
抵抗によって種子の出芽が抑制されることがある。しか
し、繊維構造物表面又は繊維構造物中に種子を播種した
ときには、土壌に播種していないので、土壌中に深く埋
もれるということはなく、種子の出芽を抑制することが
少ない。従って、本発明に係る方法によれば、水稲など
の栽培植物の発芽率を高めうるという効果を奏する。 (7)水中に浮遊する繊維構造物表面又は繊維構造物中
に、栽培植物の種子を播種しておけば、常に、適切な量
の水分が栽培植物に補給させることになる。従って、土
壌に播種した場合に比べると、水分管理を容易に行え、
栽培植物の育成が容易・簡便になり、栽培植物の生産費
用を低廉にしうるという効果を奏する。
【0025】また、本発明に係る除草方法において用い
る繊維構造物によっては、以下のような効果をも奏す
る。 (8)繊維構造物を構成する繊維として、繊維製造業で
不要となった繊維、例えば、従来焼却処分をしていた落
綿や布帛屑繊維を使用すれば、資源の有効利用に寄与す
るという効果を奏する。 (9)繊維構造物を構成する繊維として、綿を使用すれ
ば、綿は生分解性であるため、そのまま放置しておいて
も、土壌に悪影響を与えないばかりか、土壌有機物を補
給するという好ましい効果を奏する。 (10)繊維構造物として二層構造のものを使用し、層
間に栽培植物の種子を播種しておくと、種子が露出して
いないため、雀害や烏害を防止しうるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除草方法において、土壌に水を貯
留した状態の一例を示した模式的側面図である。土壌中
からは単子葉植物及び双子葉植物からなる雑草類が発生
しており、水中に浮遊している二層構造の繊維構造物か
らは、単子葉又は双子葉の栽培植物が発芽している状態
を示している。
【図2】図1の状態から、水を排水した後の状態の一例
を示した模式的側面図である。土壌から発生した雑草類
が、繊維構造物によって圧倒されている状態を示してい
る。
【符号の説明】
1 土壌 2 水 3 繊維構造物 4a 単子葉栽培植物の種子 4b 双子葉栽培植物の種子 41a 単子葉栽培植物の鞘葉 42a 単子葉栽培植物の本葉 43a 単子葉栽培植物の根 41b 双子葉栽培植物の双葉 42b 双子葉栽培植物の本葉 43b 双子葉栽培植物の根 5a 雑草類のうち単子葉植物の種子 5b 雑草類のうち双子葉植物の種子 51a 雑草類のうち単子葉植物の鞘葉 52a 雑草類のうち単子葉植物の本葉 51b 雑草類のうち双子葉植物の双葉 52b 雑草類のうち双子葉植物の本葉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01M 21/00 ZBP A01M 21/00 ZBPZ 4L047 D04H 1/02 D04H 1/02 1/46 1/46 A Fターム(参考) 2B022 AA01 AA05 AB20 BA12 BB02 2B024 AA10 DB04 DB07 2B027 NC05 NC21 NC36 NC39 ND03 NE02 QA05 SA15 2B051 AB01 BA09 CB02 CB26 CB35 2B121 AA19 BB28 EA28 FA12 4L047 AA08 AB02 BA03 BA04 CA05 CB10 CC15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌表面上に水を貯留すると共に、水面
    上又は水中に繊維構造物を浮遊させた状態を維持してお
    き、該土壌で雑草類が成長して、該雑草類中の単子葉植
    物の鞘葉から本葉が発生した後に、該土壌に貯留された
    水を排水し、該繊維構造物で成長した該雑草類を圧倒す
    ると共に該土壌を被覆して、該雑草類を枯死せしめるこ
    とを特徴とする水中浮遊性繊維構造物を用いた除草方
    法。
  2. 【請求項2】 繊維構造物表面又は繊維構造物中に、栽
    培植物の種子が播種されている請求項1記載の水中浮遊
    性繊維構造物を用いた除草方法。
  3. 【請求項3】 繊維構造物が二層構造であり、層間に栽
    培植物の種子が播種されている請求項2記載の水中浮遊
    性繊維構造物を用いた除草方法。
  4. 【請求項4】 繊維構造物が不織布である請求項1乃至
    3のいずれか一項に記載記載の水中浮遊性繊維構造物を
    用いた除草方法。
  5. 【請求項5】 不織布がニードルパンチ不織布又は水流
    絡合不織布であって、バインダー樹脂を含まない不織布
    である請求項4記載の水中浮遊性繊維構造物を用いた除
    草方法。
  6. 【請求項6】 不織布の構成繊維が綿繊維である請求項
    5記載の水中浮遊性繊維構造物を用いた除草方法。
  7. 【請求項7】 栽培植物の種子が水稲種子である請求項
    2乃至6のいずれか一項に記載の水中浮遊性繊維構造物
    を用いた除草方法。
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Cited By (4)

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