JP2003273396A - pn接合型化合物半導体発光素子、その製造方法、ランプ及び光源 - Google Patents
pn接合型化合物半導体発光素子、その製造方法、ランプ及び光源Info
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Abstract
を含有するIII族窒化物半導体からなる発光層上に設
ける蒸発防止層を、窒化アルミニウム・ガリウムから構
成すると、低抵抗の蒸発防止層を形成するのが困難であ
る。 【解決手段】蒸発防止層をリン化硼素(BP)系半導体
から構成する。さらに蒸発防止層上に形成する第2の障
壁層を、不純物を故意に添加していないアンドープのリ
ン化硼素系半導体から構成する。
Description
するIII族窒化物半導体層を発光層とするpn接合型
化合物半導体発光素子に係り、特に発光層からのインジ
ウムの蒸発を防止するために発光層上に設けられた蒸発
防止層が、第1または第2の伝導形の間接遷移型のリン
化硼素(BP)系半導体から構成されるpn接合型化合
物半導体発光素子に関する。
(GaXIn1-XN:0≦X≦1)等のインジウムを含有
するIII族窒化物半導体(含インジウムIII族窒化
物半導体)は、青色等の短波長光を出射するための発光
層の構成材料として利用されている(特公昭55−38
34号公報参照)。高い強度の発光を得るために、発光
部は、発光層とそれを中間に挟持する障壁層(クラッド
層)との2重異種(Double Hetero:D
H)構造とするのが通常である。従来より、GaXIn1
-XN(0≦X≦1)発光層に対するクラッド(cla
d)層は、n形またはp形の不純物を故意に添加(ドー
ピング)したウルツ鉱(Wurtzite)結晶型の窒
化アルミニウム・ガリウム(AlXGa1-XN:0≦X≦
1)等のIII族窒化物半導体から構成するのが通例と
なっている(特開平6−283825号公報参照)。
にあっては、高温の環境下に於いて、インジウム(I
n)は顕著に蒸発し、同層内のインジウム組成(=1−
X)は減少する。従来技術では、GaXIn1-XN(0≦
X≦1)発光層上に、インジウムの蒸発を抑制するため
の「蒸発防止層」を形成した後、高温の環境下で窒化ガ
リウム(GaN)等のクラッド層を設ける施策が採られ
ている(特開平8−293643号公報参照)。「蒸発
防止層」は従来から、直接遷移(direct tra
nsition)型でウルツ鉱結晶型の窒化アルミニウ
ム・ガリウム(Al XGa1-XN:0≦X≦1)等のII
I族窒化物半導体から構成するのがもっぱらである(特
開平5−69236号公報、特開平8−293643号
公報参照)。
に、障壁層の内部にドーピングした不純物が発光層或い
は「蒸発防止層」へ拡散、侵入するのを抑制するための
「拡散防止層」を設ける技術も開示されている(上記の
特開平6−283825号公報参照)。特に、マグネシ
ウム(Mg)をドーピングしたp形障壁層からn形Ga
XIn1-XN発光層の内部へ、Mgが拡散、侵入するのを
防止するための「拡散防止層」も、直接遷移型の窒化ア
ルミニウム・ガリウム(AlXGa1-XN:0≦X≦1)
等のIII族窒化物半導体から構成するのが通例である
(上記の特開平6−283825号、及び特開20
01−36196号各公報参照)。
る従来技術の問題点は、「蒸発防止層」をウルツ鉱結晶
型の窒化アルミニウム・ガリウム(AlXGa1-XN:0
≦X≦1)から構成する点にある。ウルツ鉱型結晶に
は、特有の価電子帯の非縮帯バンド(band)構造が
あり(生駒 俊明、生駒 英明共著、「化合物半導体の
基礎物性入門」(1991年9月10日、(株)培風館
発行初版)、17頁参照)、特に、p形の伝導形を呈す
る低抵抗の導電層を容易に形成できない難点がある。低
抵抗のp形III族窒化物半導体層を得るには、水素原
子(プロトン)を脱離させるための熱処理を施す必要に
迫られている(特開平5−183189号公報参照)。
インジウム含有III族窒化物半導体からなる発光層上
で、障壁層との中間に配置する「蒸発防止層」を低抵抗
の導電層から簡便に構成できない状況では、例えば、順
方向電圧(所謂、Vf)の低い発光ダイオード(LE
D)を容易に提供できないのは勿論である。また、閾値
電圧(所謂、Vth)の低いレーザダイオード(LD)を
簡便に提供することはできない。
もたらす放射再結合の確率は、間接遷移型の半導体に比
較して遙かに大である(K.Seeger著、「セミコ
ンダクターの物理学(下)」(1991年6月25日、
(株)吉岡書店発行第1刷)、507頁参照)。発光層
を直接遷移型の半導体材料から構成するのが優位である
所以である。ところが、従来技術に於いては、「蒸発防
止層」をも、この放射再結合確率の高い直接遷移型のI
II族窒化物半導体から構成している。このため、イン
ジウム含有III族窒化物半導体からなる発光層からの
発光に加えて、「蒸発防止層」自体からの発光が重複し
て発生してしまう。即ち、単一の波長の発光が得られな
くなり、単色性に優れる発光素子を得るに支障を来して
いる。
層」の上部に設ける障壁層を、不純物を故意に添加した
III族窒化物半導体から構成している。例えば、発光
層上の障壁層は、マグネシウム(Mg)をドーピングし
たIII族窒化物半導体から構成されるものとなってい
る。このため、従来では、障壁層から発光層へのMg等
の不純物の侵入を防ぐ「拡散防止層」を設ける必要に迫
られている。即ち、簡便に発光素子をもたらすに支障を
来している。
解決するため為されたものである。すなわち本発明は、 (1)単結晶からなる基板と、基板上に設けられた第1
の伝導形の化合物半導体からなる第1の障壁層と、第1
の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝導形のイ
ンジウム(In)を含有するIII族窒化物半導体から
なる発光層と、発光層からのインジウムの蒸発を防止す
るために発光層上に設けられた蒸発防止層とを備えたp
n接合型化合物半導体発光素子に於いて、蒸発防止層
が、アンドープで第2の伝導形のリン化硼素(BP)系
半導体から構成されていることを特徴とするpn接合型
化合物半導体発光素子。 (2)蒸発防止層が発光層に略格子整合することを特徴
とする上記(1)に記載のpn接合型化合物半導体発光
素子。 (3)第1の障壁層が、不純物を故意に添加していない
アンドープ(undope)のリン化硼素系半導体から
構成されていることを特徴とする上記(1)または
(2)に記載のpn接合型化合物半導体発光素子。 (4)単結晶からなる基板と、基板上に設けられた第1
の伝導形の化合物半導体からなる第1の障壁層と、第1
の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝導形のイ
ンジウム(In)を含有するIII族窒化物半導体から
なる発光層と、発光層からのインジウムの蒸発を防止す
るために発光層上に設けられた蒸発防止層と、蒸発防止
層上に設けられた、第2の伝導形の化合物半導体からな
る第2の障壁層とを備えたpn接合型化合物半導体発光
素子に於いて、蒸発防止層が、アンドープで第1または
第2の伝導形の間接遷移型のリン化硼素(BP)系半導
体から構成されていることを特徴とするpn接合型化合
物半導体発光素子。 (5)蒸発防止層が発光層に略格子整合することを特徴
とする上記(4)に記載のpn接合型化合物半導体発光
素子。 (6)第1の障壁層が、不純物を故意に添加していない
アンドープ(undope)のリン化硼素系半導体から
構成されていることを特徴とする上記(4)または
(5)に記載のpn接合型化合物半導体発光素子。 (7)第2の障壁層が、不純物を故意に添加していない
アンドープ(undope)のリン化硼素系半導体から
構成されていることを特徴とする上記(4)乃至(6)
の何れか1項に記載のpn接合型化合物半導体発光素
子。 (8)上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載のpn
接合型化合物半導体発光素子を用いて構成されたラン
プ。 (9)上記(8)に記載のランプを用いた光源。 (10)単結晶からなる基板上に第1の伝導形の化合物
半導体からなる第1の障壁層を形成し、次いで該第1の
障壁層上に第1または第2の伝導形のインジウム(I
n)を含有するIII族窒化物半導体からなる発光層を
形成し、次いで発光層からのインジウムの蒸発を防止す
るために発光層上に蒸発防止層を形成するpn接合型化
合物半導体発光素子の製造方法に於いて、蒸発防止層
を、アンドープで第2の伝導形のリン化硼素(BP)系
半導体から構成することを特徴とするpn接合型化合物
半導体発光素子の製造方法。 (11)第1の障壁層、発光層、蒸発防止層を、有機金
属熱分解化学的気相堆積法(MOCVD法)によって形
成することを特徴とする上記(10)に記載のpn接合
型化合物半導体発光素子の製造方法。 (12)単結晶からなる基板上に第1の伝導形の化合物
半導体からなる第1の障壁層を形成し、次いで該第1の
障壁層上に第1または第2の伝導形のインジウム(I
n)を含有するIII族窒化物半導体からなる発光層を
形成し、次いで発光層からのインジウムの蒸発を防止す
るために発光層上に蒸発防止層を形成し、さらに蒸発防
止層上に第2の伝導形の化合物半導体からなる第2の障
壁層を形成するpn接合型化合物半導体発光素子の製造
方法に於いて、蒸発防止層を、アンドープで第1または
第2の伝導形の間接遷移型のリン化硼素(BP)系半導
体から構成することを特徴とするpn接合型化合物半導
体発光素子の製造方法。 (13)第1の障壁層、発光層、蒸発防止層、第2の障
壁層を、有機金属熱分解化学的気相堆積法(MOCVD
法)によって形成することを特徴とする上記(12)に
記載のpn接合型化合物半導体発光素子の製造方法。で
ある。
半導体発光素子の構成を、図1の断面模式図に示すLE
D1Bを例にして説明する。エピタキシャル(epit
axial)積層構造体1Aは、種々の結晶を基板10
1として形成する。例えば、n形またはp形の導電性の
珪素(Si)や炭化珪素(SiC)等の第IV族の半導
体単結晶、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム
(GaAs)のIII−V族化合物半導体単結晶、或い
は窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(Al
N)等のIII族窒化物半導体単結晶を基板として利用
できる。また、絶縁性のα−アルミナ(α−Al2O3)
単結晶やペロブスカイト結晶型酸化物単結晶も基板10
1として利用できる。基板101をなす結晶の表面を構
成する結晶面の方位は不問である。
障壁(クラッド)作用を及ぼすための第1の伝導型の化
合物半導体からなる第1の障壁層103を設ける。n形
またはp形の導電性結晶を基板101とする場合にあっ
て、第1の障壁層103の伝導形は、基板101をなす
結晶の伝導形に合致させるのが望ましい。また第1の障
壁層103は、発光層104よりも禁止帯幅を大とする
化合物半導体から構成する。特に発光層104をなすI
II族窒化物半導体よりも、禁止帯幅をおよそ0.1〜
0.3エレクトロンボルト(eV)大とする半導体材料
から好適に構成できる。第1の障壁層103は、例え
ば、n形またはp形の窒化アルミニウム・ガリウム・イ
ンジウム(AlAGaBInCN:0≦A≦1、0≦B≦
1、0≦C≦1、A+B+C=1)等のIII族窒化物
半導体から構成できる。また、硼素(B)とリン(P)
とを構成元素として含む、BαAlβGaγIn1- α -
β - γP 1- δAsδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ
<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)やBαAlβ
GaγIn1- α - β - γP1- δNδ(0<α≦1、0≦β
<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)
等のリン化硼素(BP)系半導体から構成できる。
を制御するための不純物を故意に添加(doping)
せずとも、低抵抗の導電層が得られる。リン化硼素系半
導体として代表的な単量体のリン化硼素(boron−
monophosphide)を例にして説明すれば、
BPには、アンドープ状態でも、ドナー(donor)
成分の硼素(B)空孔(vacancy)を占めるリン
(P)原子、或いはアクセプタ(acceptor)成
分のリン(P)空孔を占有する硼素(B)原子の何れか
を選択的に多量に含ませることができる。例えば、成長
温度を約1000℃を越える高温とすることにより、リ
ン空孔を占有する硼素が関与したアクセプタを優先的に
多量に含むリン化硼素系半導体層を形成できる。即ち、
リン化硼素系半導体層を利用すれば、敢えて煩雑な熱処
理(特開平5−183189号公報参照)を及ぼす必要
もなく、簡易に低抵抗で導電性の第1の障壁層を構成で
きる。しかも、伝導形に依存して異種の不純物をドーピ
ングする煩雑な操作を要せず、約1019cm-3を越える
高いキャリア濃度の障壁層を構成するに好適な導電層を
得ることができる。従って本発明では、第1の障壁層を
不純物を故意に添加していないアンドープのリン化硼素
系半導体から構成することが望ましい。
層103を設けるにあたり、非晶質或いは多結晶からな
る緩衝層102を介して設けることとすると、良質の第
1の障壁層を構成できる(米国特許6,069,021
号参照)。上記の結晶形態からなる緩衝層102は、基
板101の結晶材料と第1の障壁層103との格子ミス
マッチ(mismatch)を緩和して、ミスフィット
(misfit)転位等の少ない結晶性に優れる第1の
障壁層103を帰結する作用を発揮する。また、緩衝層
102を介在させて成長させれば、例えば、従来の約2
eV(特開平2−275682号公報参照)よりも禁止
帯幅を大とするリン化硼素層を形成できる。例えば、有
機金属熱分解化学的気相堆積法(MOCVD法)に依っ
て、非晶質を主体とする硼素(B)とリン(P)とを含
む緩衝層上に、室温での禁止帯幅を約3eVとする単量
体のリン化硼素(BP)層を形成できる。この様なワイ
ドバンドギャップ(wide bandgap)のリン
化硼素層は光学的に透明であり、層厚の調整に依り発光
層104からの発光を素子外部へ反射する作用を発揮す
る発光反射層を兼用する第1の障壁層103を構成でき
る。
を設ける。発光層104は、近紫外光或いは短波長可視
光を出射するに好都合となる禁止帯幅を有するインジウ
ム(In)を含むIII族窒化物半導体(インジウム含
有III族窒化物半導体)から構成できる。例えば、窒
化ガリウム・インジウム(GaXIn1-XN:0≦X≦
1)(特公昭55−3834号公報参照)から構成でき
る。また、多色発光をもたらすための発光層104は、
発光波長を相違する複数のIII族窒化物半導体層を重
層させて構成することができる。例えば、GaXIn1-X
N(0≦X≦1)と窒化リン化ガリウム(GaP
1-YNY:0<Y≦1)(Appl.Phys.Let
t.,60(1992)、2540〜2542頁参照)
とを重層させて、多色発光用途の発光層を構成できる。
多色発光用途の発光層を構成するための構成層の数量
は、所望の色調の発光が一般には3色の混色に依り帰結
されることから、通常は構成層は多くとも3層程度とす
るのが望ましい。各構成層の伝導形は第1または第2の
伝導形に統一する必要がある。第1の伝導形の第1の障
壁層に、第2の伝導形の発光層を接合させれば、pn接
合型単一ヘテロ(Single Hetero:SH)
構造の発光部を構成できる。
1-XN(0≦X≦1)を井戸(well)層とする単一
または多重量子井戸(Quantum Well:Q
W)構造から構成できる。多重量子井戸構造(Mult
i QW:MQW)からなる発光層にあって、第1の障
壁層103側の一端は井戸層または障壁(barrie
r)層の何れからでも構成できる。MQW構造の他端も
井戸層または障壁層の何れかからでも構成できる。MQ
Wを構成する井戸層は、禁止帯幅を相違するインジウム
含有III族窒化物半導体材料から構成しても構わない
が、各井戸層の伝導形は互いに一致させる。障壁層は、
井戸層と同一の伝導形を有し、且つ発光層構成層よりも
大きな禁止帯幅の半導体層から構成するが好ましいのは
勿論である。
備えてなる発光層104上には、インジウム(In)の
外部への蒸発を防止するための蒸発防止層105を冠す
る。本発明の第1の実施形態では、蒸発防止層をn形ま
たはp形のリン化硼素系半導体層から構成する。例え
ば、BαAlβGaγIn1- α - β - γP1- δAsδ(0
<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦
1、0≦δ<1)やBαAlβGaγIn1- α - β - γP
1- δNδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<
α+β+γ≦1、0≦δ<1)等から構成できる。上記
の如く、リン化硼素系半導体層にあっては、充分に導電
性を有するn形またはp形層をアンドープで簡便に構成
できる。従って、リン化硼素系半導体層からは、従来の
III族窒化物半導体層からなる蒸発防止層の場合に於
ける順方向電圧(所謂、Vf)または閾値電圧(所謂、
Vth)の徒な上昇を防止しつつ、インジウム(In)
の層外への揮散を抑制する蒸発防止層105を構成でき
る。
p形不純物たる周期率表の第II族に属する元素を故意
に添加(=ドーピング)せずとも、また、p形不純物を
添加した後に更に熱処理を及ぼさずとも、低抵抗のp形
層を形成できる。従って、リン化硼素系半導体層から
は、煩雑なドーピング操作や熱処理操作を要せずに、p
形の伝導を呈する蒸発防止層105を容易に構成できる
利点がある。しかも、蒸発防止層105をアンドープの
リン化硼素系半導体層から構成することとすれば、発光
層104の内部への侵入するドーピング不純物(dop
ant)がそもそも無いために、不純物の取り込みに因
る発光層104の結晶性の悪化を防止できる。しいて
は、蒸発防止層から拡散して来る不純物が発光層内で余
計な準位を形成して、発光の波長を変化させる不具合を
回避できる。
型のリン化硼素系半導体から蒸発防止層105を構成す
ると、単色性に優れるpn接合型化合物半導体発光素子
をもたらすことができる。間接遷移型の半導体は、直接
遷移型に比べて、発光をもたらす放射再結合の確率は極
端に低い(寺本 巌著、「半導体デバイス概論」(19
95年3月30日、(株)培風館発行初版)、111〜
112頁参照)。従って、蒸発防止層105を間接遷移
型のリン化硼素系半導体層から構成すれば、蒸発防止層
105からの発光を、発光層104からの正規の発光の
強度に比較して矮小とできる。即ち、例えばn形の蒸発
防止層105とそれに接合するp形障壁層106とによ
りpn接合が形成された場合でも、蒸発防止層105か
らの副次的な余分な発光を抑制でき、単色性に優れるp
n接合型化合物半導体発光素子を提供するに貢献でき
る。
インジウム含有III族窒化物半導体に略格子整合する
リン化硼素系半導体層から構成すると、発光層104と
蒸発防止層105との結晶格子面の間隔の不一致に因る
発光層104の変形を抑制できる。略格子整合すると
は、発光層104の表面を構成している結晶面の間隔、
或いは表面に交差している結晶面の間隔に略一致する格
子面間隔を有することを指す。発光層104の表面をな
す結晶面、または同表面と交差する結晶面の間隔(=
D)に対し、蒸発防止層105をなすリン化硼素系半導
体層の格子面間隔をdとすれば、格子不整合度(=η:
%)は、次の関係式(1)から求められる。 η(%)={|D−d|/D}×100 −−− 関係式(1) 上記の格子不整合度(η)が2%以下であれば、発光層
104への歪の印加を抑制することに依り、発光波長の
安定したpn接合型化合物半導体発光素子を提供でき
る。本明細書では、略格子整合するとは、関係式(1)
で定義される格子不整合度が2%以下であることをい
う。本発明の第2の実施形態の好例として、ウルツ鉱結
晶(Wurtzite)型の(0001)面を有する窒
化ガリウム・インジウム混晶(Ga0.90In0.10N:a
軸格子定数=3.216Å(=D))からなる発光層1
04について、蒸発防止層105を、格子定数を4.5
38Åとする単量体のリン化硼素(BP)の{110}
結晶面(d=3.209Å)から構成する場合(η≒
0.2%)を挙げられる。
接合させて設けることとすれば、発光層104を挟んで
対向する第1の障壁層103と第2の障壁層106とで
発光層104を挟持して、ダブルヘテロ(DH)接合の
発光部を構成できる。DH構造の発光部を構成するにあ
って、蒸発防止層105の伝導形は発光層104の伝導
形と同一或いは反対の何れであっても構わない。即ち、
DH構造の発光部では、第1または第2の何れの伝導形
の蒸発防止層105が利用できる。蒸発防止層105の
伝導形は、発光層104をなすインジウム含有III族
窒化物半導体層の伝導形に一致させるのが好ましい。上
記の様に、リン化硼素系半導体層では、アンドープでも
n形或いはp形の低抵抗の導電層を容易に構成できる。
従って、リン化硼素半導体層は、特にp形の蒸発防止層
105を得るに好都合な材料である。蒸発防止層105
を構成するに好適なリン化硼素系半導体層のキャリア濃
度は約1×1017cm-3〜5×1019cm-3の範囲であ
る。キャリア濃度の高いリン化硼素系半導体層から蒸発
防止層105を構成する程、LEDにあっては順方向電
圧(Vf)、LDでは閾値電圧(Vth)を低下させる
に貢献できる。
蒸発防止層105の層厚は概ね、10nm以上で250
nm以下とするのが適する。10nm以下の薄膜では、
発光層104からインジウム(In)の蒸発を充分に防
止するに至らず、発光層104を構成するIII族窒化
物半導体層のインジウム組成比は減少する。従って、禁
止帯幅は広がり、所望より短波長の発光が帰結され、不
都合となる。発光層104が被熱する温度が高温となる
程、蒸発防止層105の層厚を大とすると好都合とな
る。しかし、250nmを超える過度に厚膜とするのも
不都合である。蒸発防止層105を例え、発光層104
と本発明の云う略格子整合の関係にあるリン化硼素系半
導体層から構成しても、熱膨張率の差異に因り、発光層
104に印加される歪が増大してしまうからである。こ
のため、発光波長は通常、所望より長波長となり不都合
である。発光層104から出射される発光の波長は、一
般的なルミネッセンス分光手段により測定できる。
3とは逆の第2の伝導形の化合物半導体から構成する。
特に第2の伝導形のリン化硼素系半導体層から構成する
のが好ましい。リン化硼素系半導体からは、伝導形を制
御するための不純物を故意に添加せずとも、低抵抗の導
電層が得られる。また、不純物を故意に添加していない
アンドープのリン化硼素系半導体から構成した第2の障
壁層は、第2の障壁層から発光層への不純物の拡散を回
避できる。例えば、p形の第1の障壁層103に対し
て、第2の障壁層106はn形のリン化硼素系半導体層
から構成することができる。第2の障壁層105を、第
1の障壁層103と同一の組成で、且つ略同一の層厚の
リン化硼素系半導体層から構成すれば、それらの障壁層
103、106に挟持される発光層104或いは蒸発防
止層105に印加される格子歪或いは熱歪の量を略同等
とすることができ、発光波長の変動を抑制するに効果を
挙げられる。本発明の第3の実施形態の好例として、第
1の障壁層103を青色帯光に対して約50%〜約60
%の反射率を与える層厚に調整された第1の伝導形の単
量体のBP層とし、第2の障壁層106を同じ厚さの第
2の伝導形のBP層から構成する場合を例示できる。第
2の障壁層106のキャリア濃度は大凡、5×1017c
m-3以上で5×1019cm-3であるのが適する。第2の
障壁層106上にオーミック(Ohmic)性電極を設
ける場合、アロイフロント(alloyfront)の
幅を勘案すると、第2の障壁層106の層厚は約100
nm以上とするのが望ましい。膜厚が約3000nmを
超える厚膜では、表面の平坦性が損なわれる場合があ
り、良好なオーミック特性を発揮する電極を安定して形
成するに至らず、不都合となる。
防止層105、及び第2の障壁層106は、何れもハラ
イド(halide)気相成長(VPE)法、ハイドラ
イド(hydride)VPE法、MOCVD法、或い
は分子線エピタキシャル(MBE)法等の気相成長手段
により成長できる。上記の各層103〜106は、必ず
しも同一の気相成長手段で成長させる必要は無いが、成
長手段を統一とすれば、簡便に各層103〜106を具
備するエピタキシャル(epitaxial)積層構造
体を構成できる。例えば、MOCVD法に依れば、発光
層104をなすインジウム含有III族窒化物半導体層
以下の低温で第2の障壁層106を構成することもで
き、蒸発防止層105の作用に加えて発光層104から
のインジウム(In)の蒸発を抑制するに尚一層の効果
を挙げられる。
の結晶基板101上にDH構造の発光部を備えたエピタ
キシャル積層構造体に、電極107、108を設けて構
成できる。例えば、導電性の珪素単結晶の裏面には、n
形またはp形のオーミック性の裏面電極107を設け
る。一方、第2の障壁層106には、オーミック性の表
面電極108を設ける。n形のリン化硼素系半導体層に
あって、オーミック性電極は金・ゲルマニウム(Au・
Ge)、金・インジウム(Au・In)、金・錫(Au
・Sn)等の金合金膜などから構成できる。また、p形
のリン化硼素系半導体層については、金・亜鉛(Au・
Zn)、金・ベリリウム(Au・Be)等の合金膜から
構成できる。低接触抵抗のオーミック性の表面電極10
8を得るために、第2の障壁層106上に、高キャリア
濃度の低抵抗のコンタククト(contact)層を配
置する構成も有り得る。
Dを用いて、ランプを組み上げることができる。本発明
の第4の実施形態では、先ず、図2に例示する如く、例
えばLEDを、台座15上の銀(Ag)或いはアルミニ
ウム(Al)等の金属を鍍金した金属性碗体16の中央
部に、導電性の接合材で固定する。これより、LEDを
構成するために利用した導電性の基板11の裏面に設け
た裏面電極14を台座15に付属する一端子17に電気
的に接続させる。また、LEDの例えば、第2の障壁層
20上に設置した表面電極13と他の一方の端子18と
を金線で結線する。次ぎに、LEDをエポキシ樹脂等の
封止樹脂21で囲繞してランプ10とする。本発明に係
わるLEDは、リン化硼素系半導体層からなる蒸発防止
層19の作用に依り、発光層のインジウム組成は所定に
維持されている。そのため、例えば図6に示す如く、緑
色帯光発光用のGaXIn1-XN発光層からは予定の波長
である547nmの発光を帰結できる。因みに、上記発
光層上に蒸発防止層を設けない場合、発光層からの発光
の波長は、図7に例示する如く497nmと短波長とな
る。従って、本発明に係わる蒸発防止層19を備えたL
EDからは、所望の波長の発光を呈するランプ10を構
成できる。
を集合させれば、光源を構成できる。例えば、複数のラ
ンプを電気的に並列に接続させて、定電圧駆動型の光源
を構成できる。また、電気的に直列にランプを接続して
定電流駆動型の光源を構成できる。特に、赤色(R)、
緑色(G)、及び青色(B)の互いに異なる発色を呈す
ランプを組み合わせることにより、RGB型の多色光源
を構成できる(特願2001−248455号参照)。
これらの光源は、従来の白熱蛍光型ランプに比較して、
点灯に電力を要しないため、低消費電力型でしかも長寿
命の光源として特に有用に利用できる。例えば、室内照
明用光源として利用できる。また、例えば、屋外表示器
用途や間接照明用途の光源として利用できる。本発明に
係わる光源は、リン化硼素系半導体層からなる蒸発防止
層の作用に依り、発光層のインジウム組成を所定に維持
したLEDまたはランプから構成しているため、所望の
発光波長を呈する光源を優位に構成できる。
成された蒸発防止層は、インジウム含有III族窒化物
半導体層からなる発光層からのインジウムの蒸発を防止
する作用を有する。
窒化物半導体に略格子整合するリン化硼素系半導体から
なる蒸発防止層は、インジウム含有III族窒化物半導
体層からなる発光層からのインジウムの蒸発を防止する
作用と共に、発光層へ印加される歪の量を低減する作用
を発揮する。
のリン化硼素系半導体から構成した第2の障壁層は、発
光層への不純物の拡散を回避できる障壁層として作用す
る。
蒸発防止層を備えたpn接合型LEDを構成する場合を
例にして、本発明の内容を具体的に説明する。
式図を図3に示す。また、図3に示す破線X−X’に沿
ったLED2Bの断面模式図を図4に示す。図3及び図
4に示すLED2Bの構成要素にあって、図1に掲示し
たと同一の構成要素については、同一の符号を付してあ
る。
11)結晶面を表面とする硼素(B)ドープのp形Si
単結晶を基板101として形成した。基板101上に
は、トリエチル硼素((C2H5)3B)/ホスフィン
(PH3)/水素(H2)系常圧MOCVD法により、4
50℃で、as−grown状態で非晶質を主体とする
リン化硼素からなる緩衝層102を堆積した。緩衝層1
02の層厚は25nmとした。
01の温度を1050℃に上昇させた。昇温後、上記の
MOCVD気相成長手段を利用して、緩衝層102の表
面上に、アンドープのp形リン化硼素(BP)層からな
る層厚を約240nmとする第1の障壁層103を積層
した。第1の障壁層103をなす単量体のBP層の室温
での禁止帯幅は、図5に示す屈折率(η)と消衰係数
(κ)との積値(=2・η・κ)の光子エネルギー依存
性から、約3.0eVと求められた。また、通常の電解
C−V(容量−逆電圧)法により測定された第1の障壁
層103のキャリア濃度は約2×1019cm-3であっ
た。一般的な電子線回折手段による配向性の解析から、
第1の障壁層103をなすBP層の表面は{110}結
晶面より構成されるものとなっていた。
珪素単結晶基板101の温度を800℃に降温した。ト
リメチルガリウム((CH3)3Ga)/トリメチルイン
ジウム((CH3)3In)/アンモニア(NH3)/H2
系常圧MOCVD法により、800℃でに於いて、ウル
ツ鉱結晶型のn形窒化ガリウム・インジウム(Ga0.70
In0.30N)からなる発光層104を積層した。発光層
104の成膜時には、ジシラン(Si2H6)−水素(H
2)混合ガスを使用して、発光層104に珪素(Si)
をドーピングした。発光層104への珪素のドーピング
量は、発光層104内の珪素原子濃度が約5×1018c
m-3となる様に設定した。発光層104の層厚は50n
mとした。一般の電子線回折手段では、発光層104の
表面は{0001}結晶面から構成されているのが示さ
れた。
と同一の伝導形(=第2の伝導形)であるn形のアンド
ープ単量体リン化硼素(BP)からなる蒸発防止層10
5を接合させて設けた。蒸発防止層105は、上記の
(C2H5)3B/PH3/H2系常圧MOCVD法によ
り、発光層104の場合と同一の800℃で成膜した。
蒸発防止層105の層厚は約240nmとし、キャリア
濃度は概ね、7×1018cm -3であった。また、蒸発防
止層105は、Ga0.70In0.30Nからなる発光層10
4の表面をなす{0001}結晶面の<1000>方向
に垂直に配列した{110}結晶面から構成されるもの
となった。ベガード(Vegard)則(「III−V
族化合物半導体」(昭和63年10月25日、(株)コ
ロナ社発行初版第1刷)、27頁参照)を基にすれば、
{0001}−Ga0.70In0.30N結晶面の格子面間
隔、即ち、a軸の格子定数は約3.290Åと求められ
た。一方、立方晶閃亜鉛鉱結晶型のBP(格子定数=
4.538Å)の{110}結晶面の格子間隔は約3.
208Åである。これより、前記の関係式(1)から算
出される発光層104と蒸発防止層105との格子不整
合度(=η)は約2.5%となった。
は、蒸発防止層105に接触する側に金・ゲルマニウム
(Au・Ge)合金からなるオーミック電極を配置した
Au・Ge/ニッケル(Ni)/Auの3層重層構造か
らなる表面電極108を設けた。結線用の台座(pa
d)電極を兼ねる表面電極108は、直径を約120μ
mとする円形の電極とした。また、p形Si単結晶基板
101の裏面の略全面には、裏面電極107としてアル
ミニウム・アンチモン(Al・Sb)合金からなるオー
ミック電極を配置してLED2Bを構成した。Al・S
b蒸着膜の膜厚は約2μmとした。表面電極108及び
裏面電極107を形成した後、基板101をなすSi単
結晶を[211]方向に平行及び垂直な方向に裁断し
て、一辺を約350μmとする正方形の、蒸発防止層1
05を透過させて発光を外部へ取り出す方式のnサイド
アップ(side−up)型のLED2Bを作製した。
順方向に20ミリアンペア(mA)の動作電流を通流し
た際には、LED2Bから波長を約450nmとする青
色光が発せられた。この発光波長は、Ga0.70In0.30
Nの室温での禁止帯幅である約2.7eVに対応するも
のとなった(特公昭55−3834号公報参照)。即
ち、本発明に係わるアンドープのBPからなる蒸発防止
層105は、発光層104からのインジウムの蒸発に因
る発光層104の禁止帯幅の縮小を抑制するに効果を奏
するのが示された。また、450nm以外の波長の副次
的な発光は観測されなかった。一般的な積分球を利用し
て測定されるチップ(chip)状態での輝度は6ミリ
カンデラ(mcd)となり、高発光強度のLED2Bが
提供された。また、順方向電圧(但し、順方向電流=2
0mA)は約3Vであり、逆方向電圧(但し、逆方向電
流=10μA)は5V以上となった。この良好な整流特
性を保有するLED2Bが提供される結果となった。
第1実施例とは異なるリン化硼素系半導体層から蒸発防
止層を構成する場合を例にして、本発明の内容を具体的
に説明する。
載のn形Ga0.70In0.30Nからなる発光層上に接合さ
せて設ける蒸発防止層をアンドープでn形の{110}
−BαIn1- αP混晶から構成した。BαIn1- αP混
晶は、(CH3)3Ga/(CH 3)3In/PH3/H2系
常圧MOCVD法により、800℃で成長させた。層厚
は約240nmとした。蒸発防止層をなすBαIn1- α
P混晶の硼素組成比(=α)は、{110}結晶面の格
子面間隔がGa0.70In0.30Nのa軸の格子定数(=
3.290Å)に一致する様に0.91(=91%)に
設定した。すなわち本第2実施例では、発光層と蒸発防
止層との格子不整合度ηは0である。
に格子整合するB0.91In0.09P混晶から構成した以外
は第1実施例と同様にしてLEDを作製した。このLE
Dの裏面電極と表面電極との間に順方向に20mAの動
作電流を通流した際に、第1実施例のLED2Bと同じ
く中心波長を約450nmとする青色光が発せられた。
一般的な積分球を利用して測定されるチップ状態でのL
EDの輝度は第1実施例のLEDを上回る8mcdとな
り、更に高強度の発光がもたらされた。また、良好な整
流特性により、順方向電圧(但し、順方向電流=20m
A)は約3Vであり、逆方向電圧(但し、逆方向電流=
10μA)は8V以上となった。
伝導形のリン化硼素系半導体層からなる第2の障壁層を
蒸発防止層に接合して設けてLEDを構成する場合を例
にして、本発明の内容を具体的に説明する。
面構造のLEDを構成した。
施例と同様にして形成したBαIn1- αP混晶からなる
蒸発防止層105に、アンドープでn形のリン化硼素か
らなる第2の障壁層106を接合させて設けた。第2の
障壁層106は、(C2H5)3B/PH3/H2系常圧M
OCVD法に依り、800℃で形成した。第2の障壁層
106のキャリア濃度は約2×1019cm-3とし、層厚
は約240nmとした。第2の障壁層106をなす単量
体のBP層の室温での禁止帯幅は約3.0eVであっ
た。p形の第1の障壁層103とn形の第2の障壁層1
06とで、発光層104及び蒸発防止層105を挟持す
るpn接合型DH構造の発光部を構成した。
第2の障壁層106の表面の中央部に各々裏面電極10
7および表面電極108を形成した後、基板101の珪
素単結晶を[211]方向に平行及び垂直な方向に裁断
して、一辺を約350μmとする正方形の、蒸発防止層
105及び第2の障壁層106を透過させて、発光を外
部へ取り出す方式のnサイドアップ型のLEDを作製し
た。
順方向に20mAの動作電流を通流した際の発光中心波
長は約450nmとなった。本第3実施例のLEDで
は、発光部をDH接合構造としたため、一般的な積分球
を利用して測定されるチップ状態での輝度は約10mc
dとなり、高発光強度のLEDとなった。良好なpn接
合特性に依り、電流−電圧(I−V)特性から求めた順
方向電圧(=Vf)は約3V(但し、順方向電流=20
mA)で、逆方向電圧は8V(但し、逆方向電流=10
μA)であり、高耐圧のLEDが提供された。
素(BP)系半導体から構成することとしたので、イン
ジウムの蒸発を抑えて、発光層のインジウム組成を所定
に維持できる蒸発防止層を簡便に形成でき、所定のイン
ジウム組成に対応する発光を高強度で放射できるpn接
合型化合物半導体発光素子を提供できる。
層を構成するインジウム含有III族窒化物半導体に略
格子整合するリン化硼素系半導体から構成することとし
たので、発光層への格子ミスマッチに起因する結晶欠陥
の導入を回避でき、より高い強度の発光をもたらせるp
n接合型化合物半導体発光素子を提供できる。
していないアンドープのリン化硼素系半導体から構成さ
れる第2の伝導形の第2の障壁層を、蒸発防止層上に設
けることとしたので、第1の伝導形の第1の障壁層と第
2の障壁層とで発光層並びに蒸発防止層を中間に挟持す
るDH構造の発光部を提供でき、更に高発光強度のpn
接合型化合物半導体発光素子をもたらすに効果を奏す
る。
発光素子を用いてランプ並びに光源を構成すると、発光
強度に優れたランプ並びに光源を提供できる。
る。
である。
模式図である。
ー依存性を示す図である。
ルを示す図である。
ペクトルを示す図である。
Claims (13)
- 【請求項1】単結晶からなる基板と、基板上に設けられ
た第1の伝導形の化合物半導体からなる第1の障壁層
と、第1の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝
導形のインジウム(In)を含有するIII族窒化物半
導体からなる発光層と、発光層からのインジウムの蒸発
を防止するために発光層上に設けられた蒸発防止層とを
備えたpn接合型化合物半導体発光素子に於いて、蒸発
防止層が、アンドープで第2の伝導形のリン化硼素(B
P)系半導体から構成されていることを特徴とするpn
接合型化合物半導体発光素子。 - 【請求項2】蒸発防止層が発光層に略格子整合すること
を特徴とする請求項1に記載のpn接合型化合物半導体
発光素子。 - 【請求項3】第1の障壁層が、不純物を故意に添加して
いないアンドープ(undope)のリン化硼素系半導
体から構成されていることを特徴とする請求項1または
2に記載のpn接合型化合物半導体発光素子。 - 【請求項4】単結晶からなる基板と、基板上に設けられ
た第1の伝導形の化合物半導体からなる第1の障壁層
と、第1の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝
導形のインジウム(In)を含有するIII族窒化物半
導体からなる発光層と、発光層からのインジウムの蒸発
を防止するために発光層上に設けられた蒸発防止層と、
蒸発防止層上に設けられた、第2の伝導形の化合物半導
体からなる第2の障壁層とを備えたpn接合型化合物半
導体発光素子に於いて、蒸発防止層が、アンドープで第
1または第2の伝導形の間接遷移型のリン化硼素(B
P)系半導体から構成されていることを特徴とするpn
接合型化合物半導体発光素子。 - 【請求項5】蒸発防止層が発光層に略格子整合すること
を特徴とする請求項4に記載のpn接合型化合物半導体
発光素子。 - 【請求項6】第1の障壁層が、不純物を故意に添加して
いないアンドープ(undope)のリン化硼素系半導
体から構成されていることを特徴とする請求項4または
5に記載のpn接合型化合物半導体発光素子。 - 【請求項7】第2の障壁層が、不純物を故意に添加して
いないアンドープ(undope)のリン化硼素系半導
体から構成されていることを特徴とする請求項4乃至6
の何れか1項に記載のpn接合型化合物半導体発光素
子。 - 【請求項8】請求項1乃至7の何れか1項に記載のpn
接合型化合物半導体発光素子を用いて構成されたラン
プ。 - 【請求項9】請求項8に記載のランプを用いた光源。
- 【請求項10】単結晶からなる基板上に第1の伝導形の
化合物半導体からなる第1の障壁層を形成し、次いで該
第1の障壁層上に第1または第2の伝導形のインジウム
(In)を含有するIII族窒化物半導体からなる発光
層を形成し、次いで発光層からのインジウムの蒸発を防
止するために発光層上に蒸発防止層を形成するpn接合
型化合物半導体発光素子の製造方法に於いて、蒸発防止
層を、アンドープで第2の伝導形のリン化硼素(BP)
系半導体から構成することを特徴とするpn接合型化合
物半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項11】第1の障壁層、発光層、蒸発防止層を、
有機金属熱分解化学的気相堆積法(MOCVD法)によ
って形成することを特徴とする請求項10に記載のpn
接合型化合物半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項12】単結晶からなる基板上に第1の伝導形の
化合物半導体からなる第1の障壁層を形成し、次いで該
第1の障壁層上に第1または第2の伝導形のインジウム
(In)を含有するIII族窒化物半導体からなる発光
層を形成し、次いで発光層からのインジウムの蒸発を防
止するために発光層上に蒸発防止層を形成し、さらに蒸
発防止層上に第2の伝導形の化合物半導体からなる第2
の障壁層を形成するpn接合型化合物半導体発光素子の
製造方法に於いて、蒸発防止層を、アンドープで第1ま
たは第2の伝導形の間接遷移型のリン化硼素(BP)系
半導体から構成することを特徴とするpn接合型化合物
半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項13】第1の障壁層、発光層、蒸発防止層、第
2の障壁層を、有機金属熱分解化学的気相堆積法(MO
CVD法)によって形成することを特徴とする請求項1
2に記載のpn接合型化合物半導体発光素子の製造方
法。
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