JP2003272213A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
にも、収差を抑制する。 【解決手段】 回転する光ディスクのトラックに沿って
光を照射して情報信号の記録又は再生を行うものであっ
て、集光する光が光ディスクのトラックに沿って照射さ
れるように前記光ディスクの径方向に移動制御される対
物レンズ25と、対物レンズ25の色収差を補正する固
定されたトリプレット24と、対物レンズ25の球面収
差を補正する固定されたエキスパンダーと、を有し、ト
リプレット24は、色収差により生じる焦点方向の誤差
成分を補正する。
Description
照射して情報信号の記録又は再生を行う光ピックアップ
装置に関する。
は、動画、音声、コンピューター用データなどの情報信
号(データ)保存のために用いられている。また、この
光ディスクは、良好な量産性と低コスト性のため、広く
普及している。この光ディスクに対しては、記録される
情報信号の高密度化、大容量化の要望が強く、近年にお
いてもこの要望はますます強くなっている。光ディスク
において記録される情報信号の記録密度を上げるには、
この情報信号の読み出しに用いる光束の短波長化と、該
光束を光ディスク上に集光させる対物レンズとして高い
開口数(NA)のレンズを使うことの2つが有効であ
る。このため、CD(Compact Disc)からDVD(Digi
tal Versatile Disc,Digital Video Disc)への発展の
過程では、波長が780nmから650nmに短縮さ
れ、対物レンズのNAが0.45から0.60に高めら
れたので、記録密度は650MBから4.7GB(片
面)へ約7倍の向上が達成されている。また、記録型の
光ディスクシステムは、光磁気方式、相変化方式共に各
種あるが、波長とNAは、ほぼ前記の値に近いものが使
われている。これらのシステムにおいては、現在は、ガ
ラスあるいは樹脂を成形した、単玉型の対物レンズが使
われている。これは、レンズの両面を非球面形状として
収差の補正を行ったレンズであり、成形で作れることか
ら、コストと量産性に優れているため、もっとも普及し
ている。ここで、光ディスクの記録密度を更に高めて、
更に大容量の記憶システムを実現するためには、更に波
長の短い、いわゆる青色レーザーと、よりNAの高い対
物レンズとの組み合わせのシステムが期待されている。
口数が0.7以上の対物レンズを用いた光ピックアップ
においては、軸上色収差と、球面収差の色収差を同時に
補正することが不可欠である。ここで、軸上色収差とは
波長変化による焦点位置の変化であり、球面収差の色収
差とは波長変化による球面収差である。なお、本明細書
中においては、球面収差の色収差について、波長誤差に
よる球面収差と呼ぶ。このように光源の波長が450n
m以下で、開口数が0.7以上の対物レンズの場合に、
軸上色収差と球面収差の色収差の補正が必要になる理由
は次のとおりである。
レンズを構成するガラスなどの光学材料の分散が大きく
なる。このため、大きな軸上収差が発生すると同時に、
球面収差の発生が大きくなる。
と、レンズの周辺での屈折角が大きくなるため、僅かな
波長変化に対しても、大きな屈折角の変化が生じる。こ
のため球面収差の発生が大きくなる。
色収差という点では共通しているが、次のように異なっ
た理由により生じ、それぞれ特徴を有する。
は、レーザダイオードにおける高周波重畳による波長に
広がりと、光ディスクへの記録時のレーザダイオードに
おける急激なパワー変化に伴う急激な波長変化、さらに
はレーザダイオードの個体差による波長誤差に由来して
いる。
化と同時に発生し、変化が急激であるので、対物レンズ
を焦点方向に駆動するフォーカスサーボによっては追随
することはできない。対応すべき波長の範囲ないし変化
幅は、±1〜±2nm程度と狭い。また、レーザダイオ
ードが高周波重畳されている場合には、波長に幅のある
光束が同時にレンズに入射されることになるので、特定
の波長以外の成分に対して、常に焦点誤差が発生するこ
とになる。
がりがある場合や波長が急激に変化した場合は、軸上色
収差によるフォーカス誤差が生じて、特性の劣化を来
す。このデフォーカス(焦点誤差)による収差の劣化
は、かなり大きいので、補正が不可欠である。
ーザダイオードの特性のばらつきによる波長のばらつき
と、レーザダイオードの温度変化による波長変化とによ
るものである。
るか、変化しても比較的ゆったりとしているという特徴
がある。また、対応すべき波長の範囲は、±5〜±10
nmくらいと前述した軸上色収差の場合に比べて狭い。
色収差に関連して、特開平6−250081号公報に
は、貼り合わせ型の色補正素子が提案されている。これ
は、色補正素子の貼り合わせ面を非球面とすることで、
軸上色収差と波長誤差による球面収差を同時に補正可能
としたものである。
折面と屈折面を組み合わせた色補正素子が提案されてい
る。この色補正素子の提案者が著した文献「回折光学素
子(オプトロニクス社、平成9年)」の「光ディスク用
色収差補正レンズ」の章には、この前記色補正素子の構
成により、軸上色収差と波長誤差による球面収差を同時
に補正可能な構成が示されている。
ップ装置では、光ディスクに照射したレーザー光がトラ
ックに追随するように、光ディスク上にレーザー光を集
光する対物レンズの光ディスクの径方向の位置を制御す
るトラッキング動作が行われる。以下では、トラッキン
グ動作による対物レンズの移動をレンズシフトと呼ぶ。
0.7以上の対物レンズを用いる光ピックアップ装置に
おいては、前述のように色補正素子が必要になるが、ト
ラッキング動作の帯域確保のためにアクチュエーターの
可動部の重量には制限があるので、色補正素子は光ピッ
クアップ装置に固定される。
シフトに応じて、対物レンズと色収差補正素子の光軸が
ずれ、収差が発生する。すなわち、対物レンズにおい
て、コマ収差を主成分とする収差が発生し、光ディスク
の記録再生に著しい悪影響を与える。
がずれた場合の収差増加への対策として、前記特開平6
−82725号公報の構成によれば、球面収差の補正は
行わず軸上色収差のみを補正する構成が可能であるが、
この場合は波長誤差による球面収差を補正することが出
来ないという問題がある。また、前記特開平6−827
25号公報の構成による球面収差と焦点誤差を同時に補
正する構成において対物レンズと色補正素子を共にアク
チュエーターで駆動すると、可動部の重量が増加して必
要な帯域を確保することができないという問題がある。
ものであって、対物レンズと色補正素子の光軸がずれた
場合にも、軸上色収差と波長誤差による球面収差を補正
し、収差を抑制するような光ピックアップ装置を提供す
ることを目的とする。
めに、本発明に係る光ピックアップ装置は、回転する光
ディスクのトラックに沿って光を照射して情報信号の記
録又は再生を行うものであって、集光する光が光ディス
クのトラックに沿って照射されるように前記光ディスク
の径方向に移動制御される対物レンズと、前記対物レン
ズの色収差を補正する固定された色収差補正手段と、前
記対物レンズの球面収差を補正する固定された球面収差
補正手段と、を有し、前記色収差補正手段は、色収差に
より生じる焦点方向の誤差成分を補正する。
記色収差補正手段による補正後に残った球面収差を補正
する。
される光の波長が規準波長から変化すると略球面形状の
波面の光を射出する。
ンズの両側をこの凸レンズより分散の大きい凹レンズで
それぞれ挟んで貼り合わせてなるものである。
ズの屈折率は、規準波長において略一致しているが、厳
密に一致している必要はない。好ましくは、前記色収差
補正手段へ入射する光が規準波長から変化すると、略球
面波状の波面を有する光を射出する。
率が略等しい2つの硝材で構成されていて、アッベ数の
小さな硝材で作成した凹レンズで、アッベ数の大きな硝
材で作成した凸レンズを挟んで、トリプレットである。
側の半径の絶対値が等しく成された両凸レンズである。
F4からなる球面の半径6.5mm及び−6.5mmで
厚さ1.0mmの凸レンズを挟んで、TIH14からな
る厚さ1.0mmの平凹レンズを両側から貼り合わせた
トリプレットである。
屈折率1.81695803、凹レンズの屈折率1.8
168461、凸レンズの球面の半径±6.5mm、凸
レンズ及び凹レンズの厚さ1.0mmを規準として、好
ましくは5%以内の範囲、より好ましくは3%以内の範
囲にある。
凹レンズのアッベ数は40以下、より好ましくは35以
下、さらにより好ましくは30以下である。好ましく
は、前記トリプレットを構成する凸レンズのアッベ数は
35以上、より好ましくは40以上、さらにより好まし
くは45以上である。
のアッベ数の差が大きくなるにしたがい、前記凸レンズ
の半径が大きくなる。
記対物レンズに入射される光の波面を変化させるもので
ある。
記対物レンズに入射される光の平行度を変化させるビー
ムエキスパンダーである。
い、前記対物レンズの開口数は、0.7以上である。
ピックアップ装置は、軸上色収差と波長誤差による球面
収差を別々な原理によって補正する。
よる焦点位置変化は、通過する光の波面の曲率半径を波
長により変化するように為された色収差補正手段によっ
て補正する。色収差補正手段を通過した光は、近軸焦点
位置へ収束する球面が略球面の収束波となり、球面収差
成分が小さく押さえられた波面形状になるように為され
ている。
光線の像面が波長変化した場合に変動しない補正量より
は、過剰に補正を行うことが望ましい。これは、本願の
色収差補正素子は球面収差の色収差を補正しないため、
近軸光線の像面が一致するようにするのみでは、波面収
差が最小とならないためである。そこで、適切な量過剰
に補正することで、波長が変化した場合の縦収差の、中
心波長の像面からのずれを少なくすることが出来て、波
面収差を低く保つことが出来る。
くなった場合に、収束波の曲率半径が小さくなるように
為されている。これにより、波長が長くなることで、対
物レンズの焦点距離が長くなった分を相殺して、基準波
長とほぼ同じ焦点面に焦点を結ぶように作用する。した
がって、レーザダイオードの波長の急激な変化や、波長
拡がりに対応できる。
は温度変化のようにゆっくりした波長誤差による球面収
差は、対物レンズに入射される光束の平行度を変化させ
る球面収差補正手段を用い、対物レンズに倍率誤差の球
面収差を発生させて、光学系に発生している前記波長誤
差による球面収差と相殺させる。このとき、平行度を変
化させられた光の波面は、略球面波となる。
えた場合、軸上色収差の補正を行うことに必要な球面波
の極性(収束又は拡散)と、球面収差の色収差を補正す
る、球面波の極性は逆極性である。前記したように、レ
ーザダイオードの波長の急激な変化や、波長拡がりの幅
は狭い。そして、この狭い範囲内では、軸上色収差の変
化は巨大であるが、球面収差の色収差の増加は小さい。
は、球面収差の色収差の増加が大きくなり補正が必要に
なる。したがって、光束の平行度を変化させて球面収差
を補正する。この動作は、非常にゆっくりした動作ない
し、初期設定で行われることは言うまでもない。そして
この補正が行われた後の急激な波長変化ないし波長拡が
りに対しては、色収差補正素子が、基準の状態と同様に
対応する。
正手段で補正し、波長誤差による球面収差を球面収差補
正手段で補正する。軸上色収差及び波長誤差による球面
収差の補正は、対物レンズにおいて完結しており、他の
部分に関わることはない。したがって、本発明において
は、対物レンズの光軸と他の光学系の光軸がずれても、
収差は抑制されている。
は、球面波に近い形状とされている。この理由は、レン
ズシフトが生じた場合に、球面波によって収差の増大を
抑えるためである。球面波が入射した場合、レンズシフ
トは、対物レンズに光が斜め入射した場合と等価(像高
特性そのものに相当する)である。ここで、色収差を補
正するための球面波の半径は非常に大きいため、レンズ
シフトによる像高は非常に小さく、収差の増大が抑えら
れる。
変化させた略球面波を発生させる。したがって、前記し
た理由と同一の理由により、レンズシフトによる収差の
発生が抑えられる。
波面が、球面波から著しくずれる場合、さらには波面に
前記した球面収差を補正する波面形状を付与した場合
は、レンズシフトがない場合にはより優れた特性が得ら
れるが、レンズシフトが生じた場合には、コマ収差等の
発生により性能の劣化をきたす。
波長以外では対物レンズに入る光束が平行光でなくなる
ために、倍率誤差による球面収差が発生する。倍率誤差
による球面収差は、対物レンズの単体の波長誤差による
球面収差と同じ極性を持っているので、基準波長以外に
おける球面収差は、対物レンズ単体でその基準波長以外
の光束を集光した場合に比べて大きくなる。
収差補正手段は、次のように設定されている。まず、球
面収差補正手段は、中心波長で収差が最小になるよう
に、光の平行度が設定されている。球面収差補正手段
は、色収差補正手段及び対物レンズの両方の球面収差を
最小にする。前記中心波長とは、レーザダイオードの波
長のばらつきがある場合は、例えばばらついた波長の平
均値である。
しては、色収差補正手段は、光の波面の曲率半径を変化
させ、軸上色収差に起因する波面収差増加を最小に抑え
ることで収差の発生を抑圧する。
球面収差を補正するための球面波と、波面誤差及び倍率
誤差による球面収差を補正するための球面波は、逆向き
である。たとえば、規準波長の長波長側では、軸上色収
差を補正するためには収束光が必要であり、球面収差の
補正をするためには拡散光が必要である。
に抑えるような曲率の波面を発生させるので、前記した
ように波面誤差及び倍率誤差による球面収差が補正され
る方向とは逆に収束度が変化するので、この球面収差は
増加する。ただし、この球面収差は、軸上色収差を補正
しない場合に発生する、デフォーカス(焦点誤差)によ
る収差に比べて遙かに小さく実用上問題にならない。
用いて、対物レンズのばらつきによる球面収差、ディス
クの厚さ誤差による球面収差の補正が出来ることは言う
までもない。
プ装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説
明する。
成を示す図である。
ィスクのトラックに沿って光を照射して情報信号の記録
又は再生を行うものであって、集光する光が光ディスク
のトラックに沿って照射されるように光ディスクの径方
向に移動制御される対物レンズ19と、対物レンズ19
の色収差を補正する固定された色収差補正手段となるト
リプレット18と、対物レンズ19の球面収差を補正す
る固定された球面収差補正手段となるビームエキスパン
ダー17と、を有し、色収差補正手段となるトリプレッ
ト18は、色収差により生じる焦点方向の誤差成分を補
正する。
源となる規準波長403nmのレーザダイオード11
と、グレーティング12と、コリメータレンズ13と、
ビーム成型及び色消しプリズム14と、偏向ビームスプ
リッタ15と、ミラー16と、ビームエキスパンダー1
7と、トリプレット18と、開口数0.7以上の対物レ
ンズ19と、アクチュエーター20とを有している。
によって支持され、このアクチュエーター20ととも
に、図示しない光ディスクのトラックに追随するように
光ディスクの径方向(トラッキング方向)に移動制御さ
れる。
及びトリプレット18は、前記移動部とともに移動する
ことなく、光ピックアップ装置10に固定されている。
ンズ及び凸レンズから構成され、光の平行度を変化させ
る。トリプレット18は、凸レンズの両側をこの凸レン
ズより分散の大きい凹レンズでそれぞれ挟んで貼り合わ
せてなる。トリプレット18は、規準波長の403nm
においてほぼ平行な光を射出する。
グ方向に移動(レンズシフト)することにより、対物レ
ンズ19の光軸とビームエキスパンダー17及びトリプ
レット18の光軸は、ずれることになる。
ンサレンズ21と、フロントモニタフォトダイオード2
2と、検出レンズチューブ23と、フォトダイオード2
4とを有している。
おいては、光の平行度を変化させるビームエキスパンダ
ー17と、色収差を補正するトリプレット18によって
対物レンズにおける収差を除去する。
ームエキスパンダー17に限らないので、以下の説明で
は必要のある場合を除いてトリプレット18と対物レン
ズ19のみを取り出して説明する。また、便宜上、トリ
プレット18及び対物レンズ19を光学系と称すること
がある。
における光路を示す図である。
は、それぞれ図1におけるトリプレット18と対物レン
ズ19に対応している。トリプレット24には、光源の
レーザダイオード11から射出された光Lが入射する。
なる第1の部材21、第2の光学材料からなる第2の部
材22、及び第3の光学材料からなる第3の部材23を
貼り合わせてなる。
1の部材21の第1の面1、第1の部材21と第2の部
材22の貼り合わせ面である第2の面2、第2の部材2
2と第3の部材23の貼り合わせ面である第3の面3、
及び第3の部材の第4の面4を有する。対物レンズ25
は、第5の面及び第6の面を有する。
ある。
からなる第2の部材22による凸レンズの両側を、TI
H14からなる第1及び第3の部材21,23による凹
レンズで挟んでなるものである。凹レンズを構成する第
1及び第3の部材21,23の分散は、凸レンズを構成
する第2の部材22の分散より大きい。すなわち、アッ
ベ数の逆数は分散の目安となるが、第1の及び第3の部
材21,23を構成するTIH14のアッベ数は26.
52であり、第2の部材22を構成するTAF4の4
7.49である。
光の平行度の変化を示す図である。
光を用いた状態における光の平行度を示している。この
場合、ビームエキスパンダー17は、入射される平行光
を、平行光として射出する。ビームエキスパンダー17
から射出された平行光は、光学系のトリプレット24及
び対物レンズ25を介して光ディスク26に入射する。
ームエキスパンダー17により光の平行度を拡散光に変
化させた状態を示す図である。
したときに、オーバーとなる球面収差を補正するために
拡散光を入射し、球面収差をアンダー方向に補正するも
のである。
入射される光の平行光を変化させ、拡散光として射出さ
せる。ビームエキスパンダー17から射出された拡散光
は、トリプレット24及び対物レンズ25を介して光デ
ィスク26に入射する。
の収差の波長依存性を示す図である。
対物レンズを用いて、基準波長となる403nmの最良
像面における各波長の収差を示す。トリプレット18へ
の光の平行度は、平行光であるものとする。これによる
と、規準波長から±2〜3nmの波長範囲では、十分低
い収差に抑えられていることが見られる。
ット18を出た光束が概ね平行光であるから、対物レン
ズへの入射光の状態がレンズシフトで変化しないため
に、収差の増加はない。
く変化して、レーザダイオード11の射出するレーザー
波長が前述の範囲を超えて変化した場合や、レーザダイ
オード11の個体差により、波長が基準波長となる40
3nmから大きく変化した場合を考える。この場合は、
収差が増大する。たとえば、レーザダイオード11の波
長が408nmの場合は、収差は0.057λとなって
しまう。
によって光の平行度を変化させる。波長が408nmの
場合は、光学系の手前の約1450mmの点から出た拡
散光束を光学系に入射させれば、良い結果が得られる。
図3のBは、光学系に拡散光を入射する場合を示す図で
ある。
の収差を示すものである。波長が408nmにおいて、
収差は0.009λであり、その前後±2〜3nmの波
長範囲では、十分低い収差に押さえられていることがわ
かる。
範囲では、波長406nmにおいて収差0.023λ、
波長410nmにおいて収差0.026λであるので収
差は充分に低いといえる。
散光が入射された状態で、対物レンズ19を光軸から
0.3mmだけレンズシフトした場合の収差の増加は
0.01λと、レンズシフトがない場合と比べてその増
加は非常に小さく、全く問題のない性能が得られる。
リプレット18などの色補正素子がない対物レンズ19
単体の場合の収差を符号□を結んだ曲線c及び符号◆を
結んだ曲線dに示す。
像面で使用した場合の収差である。これに対して、曲線
dは、基準波長となる403nmの波長の最良像面にお
ける各波長の収差量である。曲線dを曲線cと比較する
と、403nmの最良像面においては収差が遥かに大き
いことが見られる。
縦収差を示す図である。
差を示し、図中の曲線bは波長409nmの場合の収差
を示す。波長409nmの場合、軸上色収差は補正され
ているが、大きな球面収差が発生している。
の拡散光が入射した場合の縦収差を示す図である。図中
の曲線aは波長403nmの場合の収差を示し、図中の
曲線bは波長409nmの場合の収差を示す。図5と比
較すると、球面収差が大きく改善されたことが示されて
いる。
示す図である。図中の曲線a,b,cは、それぞれ波長
402,403,404nmの場合の収差を示してい
る。波長によって焦点位置が大きく異なっていることが
示されている。
する縦収差を示す図である。図7と比較すると、焦点位
置がよく揃っていて補正の効果が大きいことが分かる。
ここで、この実施の形態の場合、近軸の焦点位置はに関
して、やや補正過剰とされている。これは像高のある光
線の球面収差による変化と相殺させるためである。
ーを含まない場合の波長が、409nmの場合の縦収差
図を示す。光学系の409nmでの焦点距離は、164
1mmである。対物レンズ19の有効径の最外周(図9
の最大光線高さに対応する)に相当する光線の高さ1.
87mmでの縦収差の量は、焦点距離の約4%である。
縦収差は小さい値を示している。これは、波長誤差があ
る場合でも、焦点方向の変化が支配的で、球面収差の発
生が少ないことを示している。すなわち、トリプレット
は略球面波の光束を出射していて、色収差補正の効果と
しては、概ね軸上色収差のみを補正していると言える。
レンズの色収差を補正するために、次のように構成され
る。まず、設計の基準において、略平行光で出射するよ
うに、基準波長で屈折率の差が小さなガラスを選定す
る。ここで凹レンズは、分散の大きなガラスを用い、凸
レンズは、分散の小さなガラスを用いる。このようにす
ることで、波長が短くなった場合に、凹レンズの屈折率
の方が大きくなり、対物レンズの発生する焦点誤差を相
殺する効果が得られる。
基準波長において、厳密に一致している必要はない。こ
れは対物レンズに入射する光束が平行光からずれると、
球面収差が発生するが、この球面収差は、エクスパンダ
ーにより補正することが出来る。したがって、屈折率が
多少異なっていて、平行光でないの光束を発生する補正
素子がであても良い。このレンズは、両端が平面である
から、製造しやすくなっている。また、実施例において
は、製造のしやすさを考えて、中心のレンズの面の半径
は、両側で同じに設定されている。凹レンズのレンズパ
ワー(焦点距離)を保って、両側の面の半径を多少変化
させ他も、色収差の補正の効果は変化しない。ただし、
波長が変化した場合に、きれいな球面波を発生するため
には、両面の半径の違いは小さい必要がある。
端を球面とすることで、屈折率差がある場合でも、平行
光が出射するようにする事も可能である。この場合も3
枚構成であれば、波長誤差により、球面波を発生する。
示す図である。
ピックアップ装置10において、色収差素子に素子64
を用いるものである。この素子64は、回折面と屈折面
を組み合わせたもので、トリプレット18によるものと
同様な波面を生成する。
学系は、凹レンズ61及び凸レンズ62からなるビーム
エキスパンダー63と、素子64と、絞り65と、対物
レンズ66とを有している。
66は、図1に示したビームエキスパンダー17及び対
物レンズ19に対応している。素子64は、図1に示し
たトリプレット18と同等の機能を有する。絞り65
は、格子64から対物レンズ66に入射する光の高さを
制限する。
は、ビームエキスパンダー63により平行度を変化さ
れ、素子64によって球面状の波面とされ、対物レンズ
66によって光ディスク67に集光して照射される。
に示す素子64は説明のために段数を少なく描いてある
が、実際には、数十以上の段数が必要である。
82725号公報の形態として、軸上色収差を補正する
波面が発生するように、具体的には輪帯構造にすればよ
い。当然、屈折面と回折面を別な面の上に形成した素子
でも同様である。
子は、良く知られている上に前記公報に詳細に論述され
ているので、ここでは詳細な説明を省略する。
クアップ装置の光路を示す図である。
ピックアップ装置10において、ビームエキスパンダー
17の凸レンズとトリプレット18を兼用したものであ
る。
エキスパンダー17の凹レンズと、ビームエキスパンダ
ー17の凸レンズ及びトリプレット18に対応してい
る。
3側に回折面による凸レンズを有する。これによって凹
レンズ71に対応する凸レンズとし、これらによって光
の平行度を変化させる。
ンズの組み合わせ型のレンズであっても良いことは言う
までもない。また、素子の両面に回折素子を形成した素
子として、片面の回折素子の焦点距離を長くして、回折
レンズの輪帯のピッチを広くして加工を容易にすること
も可能である。
参考例を示す図である。
プ装置10におけるトリプレット18をダブレット81
で置き換えたものである。図中で、ダブレット81及び
対物レンズ82は、それぞれ図1のトリプレット18及
び対物レンズ19に相当している。
である。
レット81によって十分な色収差補正が行える。しかし
ながら、波長が基準波長からずれた場合にレンズシフト
があると収差が増大してしまう。
図である。
スパンダーを含まない光学系において、波長が、409
nmの場合の縦収差図である。ダブレット81の409
nmでの焦点距離は、1464mmである。対物レンズ
82の有効径の最外周(図9の最大光線高さに対応す
る)に相当する光線の高さ1.87mmでの縦収差の量
は、焦点距離の約24%と非常に、大きな値を示してい
る。これは、波長誤差がある場合に非常に大きな球面収
差が発生することを示している。これが原因でレンズシ
フト時の収差が増大する。
1の貼り合わせ面の形状を非球面形状等にすることによ
り設定することができる。そして、球面収差の色収差を
改善できる。
19単体の性能を示す曲線c以上に改善することも可能
である。しかしながら、レンズシフトに弱くなるので、
対物レンズ82と一体でアクチュエーターに搭載する必
要が生じ、周波数特性が確保できない。その取り付け精
度も高精度な10ミクロンのオーダーの高い精度が要求
されるため、製造が困難になる。
論述したが、ここで述べた光学系で補正する球面収差
は、波長誤差による球面収差のみに限定されたものでは
なく、対物レンズ自体の残留球面収差、光ディスクの厚
さ誤差による球面収差を同時に補正できることはいうま
でもない。
素子をアクチュエーターと一体として構成する必要がな
いので、アクチュエーターの重量を低減し、周波数特性
を向上させることができる。
ある。
す図である。
を示す図である。
性を示す図である。
図である。
射した場合の縦収差を示す図である。
る。
示す図である。
る。
る。
る。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 回転する光ディスクのトラックに沿って
光を照射して情報信号の記録又は再生を行う光ピックア
ップ装置において、 集光する光が光ディスクのトラックに沿って照射される
ように前記光ディスクの径方向に移動制御される対物レ
ンズと、 前記対物レンズの色収差を補正する固定された色収差補
正手段と、 前記対物レンズの球面収差を補正する固定された球面収
差補正手段と、 を有し、 前記色収差補正手段は、色収差により生じる焦点方向の
誤差成分を補正することを特徴とする光ピックアップ装
置。 - 【請求項2】 前記球面収差補正手段は、前記色収差補
正手段による補正後に残った球面収差を補正することを
特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。 - 【請求項3】 前記色収差補正手段は、入射される光の
波長が規準波長から変化すると略球面形状の波面の光を
射出することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1
項に記載の光ピックアップ装置。 - 【請求項4】 前記色収差補正手段は、凸レンズの両側
をこの凸レンズより分散の大きい凹レンズでそれぞれ挟
んで貼り合わせてなるものであることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装
置。 - 【請求項5】 前記球面収差補正手段は、前記対物レン
ズに入射される光の波面を変化させるものであることを
特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ピ
ックアップ装置。 - 【請求項6】 前記球面収差補正手段は、前記対物レン
ズに入射される光の平行度を変化させるビームエキスパ
ンダーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
か1項に記載の光ピックアップ装置。 - 【請求項7】 波長450nm以下の光を用い、前記対
物レンズの開口数は、0.7以上であることを特徴とす
る請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ピックアッ
プ装置。
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