JP2001337269A - 色収差補正用光学素子及び光学ピックアップ装置 - Google Patents

色収差補正用光学素子及び光学ピックアップ装置

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JP2001337269A
JP2001337269A JP2000156818A JP2000156818A JP2001337269A JP 2001337269 A JP2001337269 A JP 2001337269A JP 2000156818 A JP2000156818 A JP 2000156818A JP 2000156818 A JP2000156818 A JP 2000156818A JP 2001337269 A JP2001337269 A JP 2001337269A
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Japan
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chromatic aberration
lens
optical element
objective lens
optical
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JP2000156818A
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Makoto Itonaga
誠 糸長
Fumihiko Ito
文彦 伊藤
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 450nm以下で選択されたある基準波
長において、NAが0.65以上の非球面対物レンズ
4、またはNAが0.75以上の2群2枚構成の対物レ
ンズ4と組み合わせて用いられるダブレット型の色収差
補正用光学素子3であって、平凹レンズ1と平凸レンズ
3との互いの曲面を対向させて色収差補正用光学素子3
を形成する。対物レンズ4の焦点距離をf、色収差補正
用光学素子3の焦点距離をfcとした時に、f/0.0
012 < |fc|とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、450nm以下の
波長域で用いられる色収差補正用光学素子及びこれを備
えた光学ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学記録媒体である光ディスク
は、動画、音声、コンピューター用データなどの情報信
号(データ)保存のために用いられている。また、この
光ディスクは、良好な量産性と低コスト性のため、広く
普及している。この光ディスクに対しては、記録される
情報信号の高密度化、大容量化の要望が強く、近年にお
いてもこの要望はますます強くなっている。
【0003】光ディスクにおいて記録される情報信号の
記録密度を上げるには、この情報信号の読み出しに用い
る光束の短波長化と、該光束を光ディスク上に集光させ
る対物レンズとして高い開口数(NA)のレンズを使う
ことの2つが有効である。
【0004】このため、CD(Compact Disc)からDV
D(Digital Versatile Disc,Digital Video Disc)へ
の発展の過程では、波長が780nmから650nmに
短縮され、対物レンズのNAが0.45から0.60に
高められたので、記録密度は650MBから4.7GB
(片面)へ約7倍の向上が達成されている。
【0005】また、記録型の光ディスクシステムは、光
磁気方式、相変化方式共に各種あるが、波長とNAは、
ほぼ前記の値に近いものが使われている。
【0006】これらのシステムにおいては、現在は、ガ
ラスあるいは樹脂を成形した、単玉型の対物レンズが使
われている。これは、レンズの両面を非球面形状として
収差の補正を行ったレンズであり、成形で作れることか
ら、コストと量産性に優れているため、もっとも普及し
ている。ここで、光ディスクの記録密度を更に高めて、
更に大容量の記憶システムを実現するためには、更に波
長の短い、いわゆる青色レーザーと、よりNAの高い対
物レンズとの組み合わせのシステムが期待されている。
【0007】ところで、現行の光ディスクにおける記録
用の光ピックアップの光学的な課題の一つに、対物レン
ズの色収差にまつわる問題点がある。
【0008】これは、レーザーの出力変化による波長変
化により生じる。光ディスクでは、通常記録する場合
は、レーザー出力を再生パワーから、記録パワーへ増大
させている。これにより、光磁気方式では、キュリー点
を超える温度まで記録層を加熱し、相変化方式では、所
定の相変化により反射率または吸収率が変化するまで記
録層を加熱して記録するが、この出力変化に伴いレーザ
ーの波長が変化する。
【0009】一方、単玉型の対物レンズの焦点距離には
波長依存性がある。これは、レンズの材質(ガラスまた
は樹脂)の屈折率が波長により変化する性質(分散とい
う)があるため生じている。
【0010】このため、前記のレーザー波長変化によ
り、焦点位置が移動する。ここで光ディスクが常に波長
に応じた焦点の位置にあれば、焦点誤差(デフォーカ
ス)は発生しない。
【0011】しかし、再生パワーから記録パワーへの変
化は非常に短時間(nsecオーダー)で生じるため、
本来光ディスクの反り等に対応するためのフォーカスサ
ーボの動作(数msecかかる)が追いつかず、フォー
カスサーボが応答して、光ディスクが波長に応じた焦点
位置へ至るまでの間、デフォーカスが生じて書き込み不
良、再生不良等の不具合が生じる。これが、色収差にま
つわる問題点である。
【0012】次に、450nm以下のレーザーを用いた
場合の、色収差を補正すべき波長の範囲と収差の許容量
を明らかにする。
【0013】まず、前記した記録時の波長変化である
が、400nmの波長で発振するLD(レーザーダイオ
ード)の出力変化を測定したところ、2nm程度以下の
波長変化であった。
【0014】さらに、再生時には、レーザーのノイズを
低減するために、高周波重畳等の手法を用いてLDをマ
ルチモード化することが、一般に行われる。400nm
のLDでの典型的な高周波重畳による波長の拡がりは、
発明者の測定によれば、スペクトルの半値全幅で、0.
8nm程度であった。
【0015】これに対して、650nmないし780n
mのLDでは、典型的には、この拡がりは1nmないし
1.5nm程度であるが、この波長帯域における色収差
の小ささより、これに関して、対物レンズは通常の非球
面単レンズで全く問題のない収差レベルである。
【0016】しかし450nm以下の波長領域で使う場
合は、大きな色収差のため、無視することが出来ない。
従って、記録用のピックアップのみならず再生専用のピ
ックアップでも、対物レンズに対して色収差の補正が必
要である。
【0017】このような色収差を補正する従来技術とし
て、例えば、特許第2902435号(以下、従来例
1)や、特開2000−19388号公報(以下、従来
例2)記載の貼り合わせ型の補正レンズを色収差補正用
光学素子として対物レンズとともに用いる技術が知られ
ている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1は、波長780nm用に設計されたもので、NA
=0.55程度の対物レンズに関しての色補正用レンズ
である。これに対して、対物レンズのNAがより大きく
かつ波長が短く、450nm以下の波長領域に適用しよ
うとすれば、対物レンズの倍率誤差が厳しくなり、従来
例1の基準で作成された補正レンズでは、補正レンズを
組み合わせただけで球面収差が発生してしまい、許容度
以上の球面収差を発生してしまうという問題点があっ
た。
【0019】これは、補正レンズが持っているレンズパ
ワーにより、対物レンズへの入射光が平行光でなくな
り、これにより発生する倍率誤差により球面収差が発生
してしまうためである。
【0020】この平行光からのずれを考慮した対物レン
ズの設計も可能であが、この場合は、対物レンズと、補
正レンズの光軸に僅かのずれがあると収差が発生するよ
うになり、組立精度上の大きな問題点が生じる。
【0021】さらに、この場合は、対物レンズに平行光
を入射した場合に性能が出ないことになり、対物レンズ
の製造時に、干渉計での測定が難しくなると言う問題点
を生じる。
【0022】また上記従来例2は、従来例1のいくつか
の実施例と同様に、補正レンズが両球面レンズの貼り合
わせで構成されている。さらに、あるものは、補正レン
ズのレンズ面が非球面とされている。
【0023】このような補正レンズの場合は、出来上が
った補正レンズのパワーを設計値通りに保つために、各
面の半径について、高精度な管理が必要であるばかり
か、貼り合わせ工程においても細心の注意をはらって接
着する必要がある。とりわけ、非球面を用いた補正レン
ズは、これらの公差が厳しい。この結果、付加的な素子
である、補正レンズのコストが上がってしまうと言う問
題点があった。
【0024】本発明は上記の問題点に着目してなされた
ものであり、450nm以下の波長域のある選択された
基準波長において、NAが0.65以上の非球面対物レ
ンズまたは、NAが0.75以上の2群2枚構成の対物
レンズとを組み合わせて用いられる、性能と量産性に優
れた色収差補正用光学素子と、それを用いた光ピックア
ップ装置とを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、450nm以下で選択され
たある基準波長において、NAが0.65以上の非球面
対物レンズ、またはNAが0.75以上の2群2枚構成
の対物レンズと組み合わせて用いられるダブレット型の
色収差補正用光学素子であって、互いに曲率が等しい平
凹レンズと平凸レンズとを用いて前記色収差補正用光学
素子を構成するとともに、これら平凹レンズと平凸レン
ズとの曲面同士を対向させて入射面及び出射面を互いに
平行な平面とし、前記対物レンズの焦点距離をf、前記
色収差補正用光学素子の焦点距離をfcとした時に、 f/0.0012 < |fc| であることを要旨とする。
【0026】上記目的を達成するため、請求項2記載の
発明は、請求項1に記載の色収差補正用光学素子におい
て、前記平凹レンズの材質をアッベ数が30以下の光学
材料、且つ、前記平凸レンズの材質をアッベ数が40以
上55未満の光学材料としたことを要旨とする。
【0027】上記目的を達成するため、請求項3記載の
発明は、請求項1または請求項2に記載の色収差補正用
光学素子を備え、光記憶媒体に対して読出しまたは書込
みを行うことを要旨とする光学ピックアップ装置であ
る。
【0028】上記構成により本発明においては、平凹レ
ンズと平凸レンズの球面同士を対向させてダブレット型
の色収差補正用光学素子とすることで、この色収差補正
用光学素子の入射面と出射面とが平行となり、略平行光
が入射した場合に性能を発揮することができる。これら
平凹レンズと平凸レンズの球面同士は、対向させて貼り
合わせることが取扱上好ましいが、必ずしも貼り合わせ
る必要はなく、両者の間に隙間を設けても色補正効果に
は変わりがない。
【0029】さらに450nm以下で選択されたある基
準波長において、対物レンズの焦点距離をf、前記色収
差補正用光学素子の焦点距離をfcとした時に、
【数1】f/0.0012 < |fc| …(1) (1)式で示す条件を満たすように、色収差補正用光学
素子の焦点距離fcの絶対値を大きくしたので、球面収
差の発生を抑制することができる。
【0030】この際、対物レンズは、略平行光が入射し
た場合に性能が発揮できるように設計されている。
【0031】上記条件(1)は、条件の波長領域とNA
が0.65以上の対物のレンズ、または、NAが0.7
5以上の2群2枚構成の対物レンズで生じる倍率誤差に
よる、球面収差の発生を押さえる条件である。この範囲
をはずれて、fcの絶対値が小さくなると、無視できな
い量の球面収差が発生して、記録ないし再生の特性を劣
化させる。この条件は、これに限定されず、
【数2】 f/0.001 < |fc| f/0.0008 < |fc| f/0.0005 < |fc| のように、さらに厳しい条件であればより性能の劣化を
押さえることが出来有利である。
【0032】さらに、この色収差補正用光学素子を構成
する平凹レンズ及び平凸レンズのガラス材料のアッベ数
(d線のアッベ数)をそれぞれ、νd凹、νd凸とする
と、(2)式ないし(4)式で示す条件を満足すると、
両レンズの形状が製造上好都合になる。
【0033】
【数3】νd凹 ≦ 30 …(2) 40 ≦ νd凸 …(3) νd凸 < 55 …(4) 条件(2)は、平凹レンズと平凸レンズの互いの曲面を
対向させて両端を平面とした色収差補正用光学素子が、
この450nm以下の波長領域で対物レンズに生じる大
きな色収差に対応可能な、大きな逆方向の色収差を得る
ための条件であり、色収差補正用光学素子に用いる平凹
レンズの材質をアッベ数30以下とするものである。こ
れより大きなアッベ数の材質を用いた場合は、貼り合わ
せ面の曲率半径が小さくなり、製造に難が出る。もちろ
ん、製造上の技術が向上すれば、この範囲外のガラスの
組合せも可能となる。
【0034】この制限の結果、実質的に選択できるガラ
スの屈折率の範囲は、1.7以上になる。この範疇で、
条件(1)を満たすために、基準波長での屈折率の違い
が少なくアッベ数の大きなガラスを用いて、これに組み
合わされる凸レンズを作る。
【0035】条件(3)は、平凸レンズの材質のアッベ
数が40以上でないと、貼り合わせ面の半径が小さくな
りすぎることを示している。
【0036】条件(4)は、平凸レンズの材質のアッベ
数が55未満でないと、条件(1)を満たすことが出来
ないことを示している。
【0037】
【発明の実施の形態】表1に、対物レンズの焦点距離f
と色収差補正用光学素子の焦点距離fcの関係による波
面収差の変化を、本願の第1の実施形態における対物レ
ンズである、NA=0.7の非球面単レンズと、第2の
実施形態における対物レンズである、NA=0.8の2
群レンズの場合について示す。表1では、fとfcを結
びつけている係数をkと表している。
【0038】f/k<|fc|である。
【0039】ここで、表1は、kで決まる、拡散光をレ
ンズに入れて計算している。収束光の場合もほぼ同程度
の収差になる。
【0040】なお、|fc|がfに比べて、十分長い場
合は、対物レンズと色収差補正用光学素子とを組み合わ
せた光学系の合成焦点距離は、fと大きく違ってこな
い。よって、kの許容範囲を考える場合は、合成焦点距
離を用いて議論しても、fを用いて議論しても同じ結果
が得られる。
【0041】
【表1】
【0042】一般に言われる波面収差の限界値は、基準
波長をλとして、マレシャルの基準値0.07λ以下で
ある。これは光学系全体に対して、レンズの製造誤差、
光学ピックアップ装置へのレンズの組み込み時の光軸誤
差、光学ピックアップ装置を構成する本レンズ系以外の
光学素子の収差、光記録媒体の再生時の光軸誤差、等を
トータルして許される量である。このため、ここで考え
ているレンズ系に許される収差はずっと小さい。
【0043】波面収差の量自体は、当然対物レンズの仕
様、特にNAで変わる。また、設計でも変わる。しかし
ながら、基準波長が450nm以下であって、NAが
0.65以上の場合にあっては、倍率誤差により発生す
る球面収差は大きく、上記の表の例から大きく隔たるこ
とは無い。
【0044】まず、従来例1で示されている基準値k=
0.01、であるが、本願による波長域とNAが0.6
5以上を有する対物レンズの場合は、全く不十分な特性
といえる。
【0045】ここで、よりNAの高い、2群レンズの場
合を含んでの最大限、許される波面収差量を0.05λ
とすると、k<0.0012が許容限界になる。同様
に、許される波面収差量を0.04λとすると、k<
0.001になり、許される波面収差量を0.03λと
すると、k<0.0008になり、許される波面収差量
を0.02λとすると、k<0.0005となる。
【0046】また、単レンズの場合のみであれば、許さ
れる波面収差量を0.05λとすると、k<0.002
5が許容限界になる。同様に、許される波面収差量を
0.04λとすると、k<0.002になり、許される
波面収差量を0.03λとすると、k<0.0015に
なり、許される波面収差量を0.02λとすると、k<
0.0012となる。
【0047】上記のことから、k<0.0012に設定
すれば、後述の第1、第2実施形態で良好な性能が得ら
れる。
【0048】次に図面を参照して、本発明の実施の形態
を詳細に説明する。 〔第1実施形態〕対物レンズが非球面単レンズの場合 図1は、本発明に係る色収差補正用光学素子と非球面単
レンズの対物レンズとを備えた光学系を示したものであ
る。この光学系は、左側となる略平行光のレーザー光源
側から、平凸レンズ1と平凹レンズ2とを球面S2で貼
り合わせたダブレット型の色収差補正用光学素子3と、
非球面単レンズの対物レンズ4とが配置され、光記録媒
体5の情報記録面5aに焦点を結ぶように2群構成にさ
れている。
【0049】色収差補正用光学素子3は、面番号S1の
平面が入射面となり、面番号S2で平凹レンズ1と平凸
レンズ2とが貼り合わされ、面番号S3の平面が出射面
となっている。この光学系の具体的な数値は、表2に示
されている。また対物レンズ4のNAは、0.7であ
る。
【0050】尚、第1実施形態の変形例として、図1に
おける色収差補正用光学素子3を光軸上で前後入れ替え
た配置とした図2の構成でも同様な色収差補正効果があ
る。
【0051】図3に、図1の色収差補正用光学素子3と
対物レンズ4とを備えた光学系の縦収差図を示す。図4
には、色収差補正用光学素子3がない対物レンズ4のみ
場合の縦収差図を示す。
【0052】本実施形態の色収差補正用光学素子3によ
り、色収差が補正されていることがわかる。図3及び図
4に示した各々の場合について波面収差で考えると、基
準波長である400nmの像面と同じ面を像面とした場
合の、403nmでの収差は、色収差補正用光学素子3
がある場合は、0.024λ であり、色収差補正用光
学素子3がない場合の0.398λから大きく改善され
ていて、マレシャルの基準値0.07λ以下に比べて、
実用上充分低い収差量である。
【0053】また、397nmでの収差は、色収差補正
用光学素子3がある場合は、0.029λ であり、色
収差補正用光学素子3がない場合の0.414λから大
きく改善されていて、マレシャルの基準値0.07λ以
下に比べて、実用上充分低い収差量である。なお、40
0nmにおいては、色収差補正用光学素子3がない場
合、0.0001λ、ありの場合0.005λと問題な
く低い収差量である。
【0054】
【表2】
【0055】表2に示した面S1と面S2とで挟まれる
平凹レンズ1の材質SFS3は、住田光学製の重フリン
トガラスであり、且つ、アッベ数は26.2である。一
方、面S2とS3とで挟まれる平凸レンズ2の材質LA
SFN1は、住田光学製ランタン重フリントガラスであ
り、アッベ数は40.7である。尚、色収差補正用光学
素子に用いるガラス材は、上記住田光学製に限らず、例
えばSFS3は、相当品がショット社からSF3の呼び
名で供給されている。
【0056】また、本発明に係る色収差補正用光学素子
は、略平行光を入出射するので、色収差補正用素子3と
対物レンズ4との距離、即ち図1中のS3とS4との距
離は、1mmから40mm程度までの任意の距離に設定
することができる。
【0057】なお、非球面である、S4面とS5面と
は、光軸の高さが、Yとなる非球面上の座標点の非球面
頂点の接平面からの距離をX、非球面頂点の曲率(1/
r)をC、円錐係数をK、4次から10次の非球面係数
をA4から、A10として、次に示す式(5)で表され
る。また、式(5)中のK、およびA4からA10の値
を表3に示す。
【0058】
【数4】 X=CY/〔1+√{1−(1+K)C}〕+A4Y+A6Y +A8Y+A10Y10 …(5)
【表3】
【0059】〔第2実施形態〕 対物レンズが2群レン
ズの場合 図5は、本発明に係る色収差補正用光学素子と2群構成
の対物レンズとを備えた光学系を示したものである。こ
の光学系は、左側となる略平行光のレーザー光源側か
ら、平凸レンズ1と平凹レンズ2とを球面S2で貼り合
わせたダブレット型の色収差補正用光学素子3と、凸レ
ンズ4aおよび凸レンズ4bからなる2群構成の対物レ
ンズ4とが配置され、光記録媒体5の情報記録面5aに
焦点を結ぶように配置されている。
【0060】色収差補正用光学素子3は、面番号S1の
平面が入射面となり、面番号S2で平凹レンズ1と平凸
レンズ2とが貼り合わされ、面番号S3の平面が出射面
となっている。この光学系の具体的な数値は、表4に示
されている。また2群構成の対物レンズ4のNAは、
0.8である。
【0061】尚、第2実施形態の変形例として、図5に
おける色収差補正用光学素子3を光軸上で前後入れ替え
た配置とした図6の構成でも同様な色収差補正効果があ
る。
【0062】図5におけるS4、S5、S6の各面は、
非球面であり、非球面は第1実施形態で説明した式
(5)と同じ式で表され、各非球面係数は表5で示され
る。
【0063】図7に、本実施形態の色収差補正用光学素
子3がある場合の縦収差図を示す。図8には、色収差補
正用光学素子3がない場合の縦収差図を示す。本実施形
態の色収差補正用光学素子3により、色収差が補正され
ていることがわかる。図7及び図8に示した各々の場合
について波面収差で考えると、中心波長である400n
mの像面と同じ面を像面とした場合の、403nmでの
収差は、色収差補正用光学素子3がある場合は、0.0
15λ であり、色収差補正用光学素子3がない場合の
0.281λから大きく改善されていて、マレシャルの
基準値0.07λ以下に比べて、実用上充分低い収差量
である。
【0064】また、397nmでの収差は、色収差補正
用光学素子3がある場合は、0.03λであり、色収差
補正用光学素子3がない場合の0.294λから大きく
改善されていて、マレシャルの基準値0.07λ以下に
比べて、実用上充分低い収差量である。なお、400n
mにおいては、色収差補正用光学素子3がない場合、
0.005λ、ありの場合0.015λと問題なく低い
収差量である。
【0065】
【表4】
【表5】
【0066】図9は、本発明に係る光学ピックアップ装
置の構成を示す概略光学系構成図である。なお、図9で
は、代表して図5に示した色収差補正用光学素子3と2
群構成の対物レンズ4とを用いた事例を示しているが、
図1、図2、及び図6に示した色収差補正用光学素子3
と対物レンズ4とを用いてもよいことは言うまでもな
い。
【0067】図9において、光学ピックアップ装置は、
平凹レンズ1と平凸レンズ3からなる色収差補正用光学
素子3と、対物レンズ4と、1/4波長板6と、偏光ビ
ームスプリッタ7と、フォーカシングレンズ8と、マル
チレンズ9と、光検出器10とを備えている。尚、符号
5は、光学ピックアップ装置が読み書きする対象の光記
憶媒体であって、その情報記録面は符号5aで示されて
いる。
【0068】光学ピックアップ装置を構成する図外の光
源、たとえば半導体レーザからは、波長が450nm以
下、例えば400nmの直線偏光ビームが出射され、た
とえば図外の回折格子により回折され0次光および土1
次光に分割され、これらは図外のコリメータレンズによ
り平行光に変換される。
【0069】平行光に変換された直線偏光ビームは、偏
光ビームスプリッタ7を透過し、1/4波長板6におい
て直線偏光ビームが円偏光ビームに変換され、平凹レン
ズ1と平凸レンズ2からなる色収差補正用光学素子3を
透過する。このとき、半導体レーザから出射された波長
400nmの直線偏光ビームに波長変動が生じていた場
合、色収差補正用光学素子3において、対物レンズ4の
正の屈折力で生じる色収差とは逆の極性を有する色収差
が生じ、情報記録面5aに照射される収束スポットの色
収差をキャンセルすることとなる。色収差補正用光学素
子3を透過した円偏光ビームは、対物レンズ4を介して
光記録媒体5の情報記録面5aに収束される。
【0070】光記録媒体5の情報記録面5aで反射され
た円偏光ビームは対物レンズ4、色収差補正用光学素子
3を透過し、1/4波長板6において、往きの直線偏光
ビームとは偏光方向が90度回転した直線偏光ビームに
変換される。この往きの直線偏光ビームと偏光方向が9
0度回転した直線偏光ビームは、偏光ビームスプリッタ
7で反射され、フォーカシングレンズ8,マルチレンズ
9を透過して光検出器10に集光される。
【0071】この光検出器10は、複数に分割された受
光素子を有しており、複数に分割された受光素子に照射
される0次光および土1次光の光量に基づく演算処理が
行われ、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラ
ー信号およびRF信号等が検出される。対物レンズ4
は、たとえば対物レンズ4をフォーカシング方向とトラ
ッキング方向とに制御駆動する二軸アクチュエータに具
備されており、上記したフォーカシングエラー信号およ
びトラッキングエラー信号に基づく制御信号により、フ
ォーカシングサーボおよびトラッキングサーボのフィー
ドバックサーボが行われる。
【0072】上記の色収差補正用光学素子3を具備した
光学ピックアップ装置は、波長がほぼ450nmあるい
は450nm以下である短波長の光源を用いて高周波重
畳を行っても色収差を十分補正し、またモードホッピン
グが生じても色収差を十分補正するので、光記録媒体5
のさらなる高記録密度大容量化に対応することができ
る。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る色収差
補正用光学素子によれば、450nm以下の波長域のあ
る選択された基準波長において、NAが0.65以上の
非球面対物レンズまたは、NAが0.75以上の2群2
枚構成の対物レンズの焦点距離をf、前記色収差補正用
光学素子の焦点距離をfcとした時に、f/0.001
2 < |fc|となるように、色収差補正用光学素子
の屈折力パワーを小さくしたので、対物レンズへの入射
光をほぼ平行光に保つことができ、これにより倍率誤差
に由来する球面収差を抑制し、高性能な色収差補正用光
学素子を提供することができるという効果がある。
【0074】また本発明に係る色収差補正用光学素子に
よれば、色収差補正用光学素子を平凹レンズと平凸レン
ズで構成するとともに互いの曲面を対向させて、色収差
補正用素子としての入射面と出射面とを互いに平行な平
面とし、平凹レンズの材質をアッベ数が30以下の光学
材料、且つ、平凸レンズの材質をアッベ数が40以上5
5未満の光学材料としたことにより、平凹レンズと平凸
レンズとの貼り合わせが容易になり、量産性に優れた色
収差補正用光学素子を提供することができるという効果
がある。
【0075】また本発明に係る光学ピックアップ装置に
よれば、色収差補正用光学素子の屈折力が極めて小さい
ため、光学ピックアップ装置の組立精度が厳しくなくな
り、量産性に優れた光学ピックアップ装置を提供するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色収差補正用光学素子の第1実施
形態を説明する概略光学系構成図である。
【図2】第1実施形態の変形例を示す概略光学系構成図
である。
【図3】第1実施形態の光学系の特性を示す縦収差図で
ある。
【図4】第1実施形態の色収差補正用光学素子を設けな
い場合の対物レンズの縦収差図である。
【図5】本発明に係る色収差補正用光学素子の第2実施
形態を説明する概略光学系構成図である。
【図6】第2実施形態の変形例を示す概略光学系構成図
である。
【図7】第2実施形態の光学系の特性を示す縦収差図で
ある。
【図8】第2実施形態の色収差補正用光学素子を設けな
い場合の対物レンズの縦収差図である。
【図9】本発明に係る光学ピックアップ装置を説明する
概略光学系構成図である。
【符号の説明】
1 平凹レンズ 2 平凸レンズ 3 色収差補正用光学素子 4 対物レンズ 5 光記録媒体 5a 情報記録面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 NA01 PA02 PA03 PA18 PB03 PB04 QA01 QA07 QA13 QA21 QA25 QA26 QA33 QA38 QA41 QA42 QA45 RA05 RA13 5D119 AA11 AA22 BA01 EC03 JA09 JA17 JA43 JB01 JB02 JB04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 450nm以下で選択されたある基準波
    長において、NAが0.65以上の非球面対物レンズ、
    またはNAが0.75以上の2群2枚構成の対物レンズ
    と組み合わせて用いられるダブレット型の色収差補正用
    光学素子であって、 互いに曲率が等しい平凹レンズと平凸レンズとを用いて
    前記色収差補正用光学素子を構成するとともに、これら
    平凹レンズと平凸レンズとの曲面同士を対向させて入射
    面及び出射面を互いに平行な平面とし、 前記対物レンズの焦点距離をf、前記色収差補正用光学
    素子の焦点距離をfcとした時に、 f/0.0012 < |fc| であることを特徴とする色収差補正用光学素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の色収差補正用光学素子
    において、前記平凹レンズの材質をアッベ数が30以下
    の光学材料、且つ、前記平凸レンズの材質をアッベ数が
    40以上55未満の光学材料としたことを特徴とする色
    収差補正用光学素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の色収差
    補正用光学素子を備え、光記憶媒体に対して読出しまた
    は書込みを行うことを特徴とする光学ピックアップ装
    置。
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