JP2003270591A - 偏波無依存型光学機器 - Google Patents

偏波無依存型光学機器

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JP2003270591A
JP2003270591A JP2002074836A JP2002074836A JP2003270591A JP 2003270591 A JP2003270591 A JP 2003270591A JP 2002074836 A JP2002074836 A JP 2002074836A JP 2002074836 A JP2002074836 A JP 2002074836A JP 2003270591 A JP2003270591 A JP 2003270591A
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JP2002074836A
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Hitoshi Oguri
均 小栗
Takeshi Sakai
猛 坂井
Yuuki Kanehara
勇貴 金原
Hironori Tokita
宏典 時田
Masayuki Hoshi
正幸 星
Seiji Kume
政治 久米
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Oyokoden Lab Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Oyokoden Lab Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長依存性を有する導波路型光学素子を用いた
光学機器における偏波無依存性を達成するとともに、通
信システムの高速化にも対応し得る光学機器を提供す
る。 【解決手段】入射手段10からの入射光31が偏波分離
手段11でS偏波成分とP偏波成分とに分離され、S偏
波成分が第1の偏波回転手段12でP偏波成分に変換さ
れた光束と、P偏波成分が第1の光路長補正手段15を
透過した光束とが第1のプリズム13を経て第1のレン
ズ14でそれぞれ集光されて導波路型光学素子1の2つ
の光導波路2,3にそれぞれ入射される。偏波分離手段
11は、複屈折材料からなり入射光の進行方向における
長さが等しい2つの偏波分離素子11a、11bの間
に、偏波回転素子11cを設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導波路型光学素子
を用いた光学機器に係り、特に導波路型光学素子が偏波
依存性を有する場合に、入射光の偏波状態が変化しても
導波路型光学素子が安定して動作するようにした偏波無
依存型の光学機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速・大容量光ファイバ通信シス
テムの進歩に伴い、外部変調器に代表されるように、導
波路型光学素子を用いた高速光変調器が実用化され、広
く用いられるようになってきている。図4は、このよう
な高速光変調器に用いられる導波路型光学素子の一例を
示したもので、(a)は要部の概略平面図、(b)は
(a)中のB−B線に沿う概略断面図である。この例の
導波路型光学素子50は、電気光学効果を有する材料の
Zカット板からなる基板51と、その上に形成されたバ
ッファ層52を有しており、基板51内には、チタン拡
散法などにより形成された光導波路53を有している。
光導波路53の平面形状は、図4(a)に示すように、
2本の分岐光導波路53a、53bが平行に設けられ、
これらの入射側にY字状の分岐部が設けられ、かつ出射
側にY字状の合波部が設けられた形状に形成されてい
る。この2本の分岐光導波路53a、53bは同一構造
に形成されており、マッハツェンダー型光導波路を構成
している。
【0003】また、バッファ層52上においては、一方
の分岐光導波路53a中を導波する光波に変調信号を印
加するための信号電極54と、信号電極54の両側に配
された接地電極55a、55bとが設けられている。そ
して、この例では基板51としてZカット板が使用され
ているので、信号電極54は、前記一方の分岐光導波路
53a上に位置するように形成されている。接地電極5
5a、55bは、信号電極54に対する対向電極の役割
を果たす。このような構成の導波路型光学素子50を用
いた光変調器にあっては、信号電極54に所定の半波長
電圧を印加し、一方の分岐光導波路53aを導波する光
波の位相を、他方の分岐光導波路53bを導波する光波
の位相に対してπシフトさせることによって、光信号の
オン/オフを行うことができる。基板51を構成する、
電気光学効果を有する材料としては、LiNbO3(ニ
オブ酸リチウム、LNと略称されることもある)が好適
に用いられ、特に、基板51をニオブ酸リチウムで構成
した上記導波路型光学素子50を用いてなる光変調器
(一般に、LN光変調器といわれている)の開発が進ん
でいる。
【0004】例えばLN光変調器など、マッハツェンダ
ー型光導波路を用いた高速光変調器は、比較的広帯域な
波長範囲で動作可能である等の利点を有しており、高速
光通信システムの送信部における外部変調器として期待
されている。このような構成の光変調器にあっては、S
偏波成分とP偏波成分とで、分岐光導波路53a,53
bにおける電気光学定数が異なるため、位相をπシフト
させるのに必要な半波長電圧の大きさが異なるという偏
波依存性を有することが知られており、したがって光源
光を光導波路53の入射端へ伝送する光ファイバとして
は偏波保持ファイバを用いる必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
LN光変調器等の光変調器を、シングルモード光ファイ
バからなる光伝送路の中途に介在させて使用したいと要
望されるようになった。そのため、マッハツェンダー型
光導波路の入射側に設けられる光ファイバが偏波保持光
ファイバでなく、入射光の偏波状態がランダムに変化す
る場合であっても、光変調器が良好に動作する構成が求
められている。
【0006】例えば、特開平4−304413号公報
は、導波路型ではない光フィルタに関するものである
が、図5に例示するように、光フィルタ60の入射側と
出射側にそれぞれ、偏波分離素子63、73および偏波
回転素子64、74を設けることにより、入射光の偏波
状態の変化によって光フィルタ60の透過特性が変化し
ないようにした構成が記載されている。この構成によれ
ば、光ファイバ61から出射された光束は、まず、レン
ズ62を介して、偏波分離素子63に入射される。そし
て、ここでS偏波成分とP偏波成分とに分離され、それ
ぞれ2つの平行な光束として出射される。偏波分離素子
63から出射される2つの光束のうち、一方の光束の光
路上には1/2波長板64が設けられており、これによ
って該一方の光束がS偏波成分だった場合にはP偏波成
分に、または該一方の光束がP偏波成分だった場合には
S偏波成分に変換される。これにより、入射光はS偏波
成分からなる2つの光束、またはP偏波成分からなる2
つの光束となって、光フィルタ60に入射される。この
図の例では、光フィルタ60に、S偏波成分からなる2
つの光束が入射されているものとする。そして、この図
の例では、光フィルタ60を透過した2つのS偏波成分
のうち、入射側で1/2波長板64を透過しなかった方
の光束が、1/2波長板74でP偏波成分に変換された
後、これら2つの光束が偏波合成素子73で合波され、
レンズ72を介して光ファイバ71に入射される。した
がって、入射光の偏波状態が変化しても、光フィルタ6
0に入射される光束の偏波状態は常に一定となるので、
光フィルタ60の透過特性は変化しない。
【0007】そこで、光フィルタ60を導波路型光学素
子に置き換え、光変調器を構成する際に、導波路型光学
素子に2つのマッハツェンダー型光導波路を平行に設け
るとともに、該導波路型光学素子の入射側および出射側
に、図5に示すような構成を設ければ、光変調器におけ
る偏波依存性は解消できると考えて詳細な検討を行った
ところ、次のような大きな問題点があることがわかっ
た。すなわち、偏波分離素子63内において偏波分離す
る際に、S偏波成分とP偏波成分との間で光学的光路長
(単に、光路長ともいう)に差異が生じてしまうことで
ある。そのために、偏波分離素子63から出射された2
つの光波は、一方が他方よりも遅延した状態で導波路型
光学素子に入射されてしまう。そして導波路型光学素子
で2つのマッハツェンダー型光導波路に対して同時に電
圧が印加されると、本来は2つのマッハツェンダー型光
導波路をそれぞれ導波する光が同じ波形の光信号に変換
されるべきところ、一方が遅延して入射されたことによ
り光信号の波形にズレが生じてしまう。2つの光導波路
から出射された2つの光信号は、偏波合成素子73で合
波される際に光学的光路長のズレが相殺されて遅延は解
消されるが、両者の波形にズレが生じている状態で合波
されてしまうので、合波後の波形が乱れてしまう。すな
わち光変調器から出射される光信号における、オン/オ
フの波形に乱れが生じ、通信システムの高速化に対応で
きないという欠点を抱えることになる。
【0008】したがって、本発明の課題は、例えばLN
光変調器など、波長依存性を有する導波路型光学素子を
用いた光学機器において、入射光の偏波状態が変化して
も導波路型光学素子が安定して動作する偏波無依存性を
達成するとともに、通信システムの高速化にも対応し得
る光学機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の偏波無依存型光学機器は、2つの導波路を
有する導波路型光学素子の入射側に、ランダムな偏波状
態の入射光をS偏波成分とP偏波成分とに分離して、平
行な2つの分光として出射する偏波分離手段を設け、該
偏波分離手段と前記導波路型光学素子との間において、
該偏波分離手段から出射された2つの分光のうちいずれ
か一方の光路上に、S偏波成分をP偏波成分に変換しか
つP偏波成分をS偏波成分に変換する第1の偏波回転手
段を設け、前記2つの分光の、分離されてから前記導波
路型光学素子に入射されるまでの光路差を低減させる第
1の光路長調整手段を設けるとともに、前記導波路型光
学素子の出射側に、前記偏波分離手段と同じ構成を有す
る偏波合成手段を設け、該偏波合成手段と前記導波路型
光学素子との間において、前記2つの分光のうちいずれ
か一方の光路上に、前記第1の偏波回転手段と同じ構成
を有する第2の偏波回転手段を設け、前記2つの分光
の、前記導波路型光学素子から出射されてから合成され
るまでの光路差を低減させる第2の光路長調整手段を設
けてなることを特徴とする。
【0010】かかる構成によれば、特に、導波路型光学
素子の入射側に、上記偏波分離手段と上記第1の偏波回
転手段とが設けられているので、これによって同じ偏波
成分からなる2つの平行光(2つの分光)が得られる。
また、上記第1の光路長調整手段を設けたことにより、
該2つの分光を、光路差が低減された状態で導波路型光
学素子に入射させることができる。したがって導波路型
光学素子が偏波依存性を有していても、正常な動作を安
定して得ることができるとともに、導波路型光学素子の
2つの光導波路に入射される2つの分光について、入射
側で光路差が生じるのを防止することができる。また、
導波路型光学素子から出射される2つの分光は、入射側
と同じ構成を有する第2の偏波回転手段および偏波合成
手段を経て合波されるとともに、上記第2の光路長調整
手段により2つの分光の光路差が低低されるので、導波
路型光学素子の出射側で生じる光路差も、入射側と同様
に低減される。
【0011】本発明の偏波無依存型光学機器において、
前記偏波分離手段が、ランダムな偏波状態の入射光をS
偏波成分とP偏波成分とに分離して平行な2つの分光と
して出射し得る2個の偏波分離素子の間に、S偏波成分
をP偏波成分に変換しかつP偏波成分をS偏波成分に変
換する偏波回転素子を設けてなり、前記2個の偏波分離
素子は、光路長が互いに等しい構成とすることができ
る。
【0012】かかる構成によれば、前記偏波分離手段と
して、1個目の上記偏波分離素子と、上記偏波回転素子
と、2個目の上記偏波分離素子を順に設けることによ
り、1個目の偏波分離素子においてS偏波成分とP偏波
成分が分離されてから出射されるまでに、該S偏波成分
とP偏波成分との間に生じた光路差は、2個目の偏波分
離素子を透過する際に生じる光路差によって補償され
る。したがって、偏波分離手段からは、平行な2つの分
光(S偏波成分とP偏波成分)が、光路差が低減された
状態で出射される。ここで、上記2個の偏波分離素子の
光路長が互いに等しいとは、所定の波長で所定の偏波状
態の光波が1個目の偏波分離素子を透過するときの光路
長と、これと同じ波長で同じ偏波状態の光波が2個目の
偏波分離素子を透過するときの光路長とが等しいことを
いう。また、この構成において、1個目の偏波分離素子
の後段に配される偏波回転素子と2個目の偏波分離素子
は、1個目の偏波分離素子(偏波分離手段)から出射さ
れる2つの分光の光路差を低減させるものであり、前記
第1の光路長調整手段および第2の光路長調整手段に相
当する。
【0013】特に、前記2個の偏波分離素子が複屈折材
料からなることが好ましく、この場合は該2個の偏波分
離素子の実質的な長さを互いに等しく形成すれば、該2
個の偏波分離素子の光路長を互いに等しくできるので、
偏波分離手段および偏波合成手段の作製が容易であり、
好ましい。
【0014】前記偏波分離手段と前記導波路型光学素子
との間において、前記偏波分離手段から出射される2つ
の分光を、前記導波路型光学素子の前記2つの導波路の
入射端にそれぞれ集光させる第1の集光手段を設け、該
第1の集光手段と前記偏波分離手段との間に、前記偏波
分離手段から出射された2つの分光の進行方向を、該2
つの分光の間隔が縮小するように変化させて前記第1の
集光手段に入射させる第1の光路変更手段を、該第1の
光路変更手段と前記第1の集光手段との間で該2つの分
光が交差するように設けるとともに、該偏波合成手段と
前記導波路型光学素子との間に、前記第1の集光手段と
同じ構成を有する第2の集光手段を設け、該第2の集光
手段と前記偏波合成手段との間に、前記第1の光路変更
手段と同じ構成を有し、前記第2の集光手段を透過した
2つの分光の進行方向を、該2つの分光の間隔が拡大す
るように変化させて一方の分光を前記第2の偏波回転手
段に入射させる第2の光路変更手段を、該第2の光路変
更手段と前記第2の集光手段との間で該2つの分光が交
差するように設けてなることが好ましい。前記第1の光
路変更手段および第2の光路変更手段がプリズムからな
ることが好ましい。
【0015】かかる構成によれば、偏波分離手段から出
射される2つの分光の間隔を、第1の光路変更手段で縮
小させた後、第1の集光手段で2つの光導波路の入射端
に集光させるので、1個の集光手段(第1の集光手段)
で2つの分光を2つの入射端に同時に集光させることが
できる。したがって、光導波路の入射端どうしの間隔
を、導波路型光学素子において良好な光学的特性が得ら
れる程度に小さくできるので、装置のコンパクト化、低
コスト化を図ることができる。また、偏波分離手段から
出射される2つの分光の間隔を、該偏波分離手段から出
射される2つの分光のうちの一方にのみ第1の偏波回転
手段を設けることができる程度に、または一方に第1の
偏波回転手段を設けるとともに他方に第1の光路長補正
手段を設けることができる程度に大きくすることができ
る。また、第1の光路変更手段から出射された2つの分
光を交差させた後に第1の集光手段で集光して光導波路
に入射させることにより、偏波分離手段、第1の光路変
更手段、および第1の集光手段のそれぞれで生じる波長
分散を互いに補償して低減させることができる。これに
より、波長の違いによる光導波路への入射位置の差を低
減させることができるので、導波路型光学素子への結合
損失の波長依存性を小さく抑えることができる。また導
波路型光学素子の出射側に、入射側と同一の構成部品を
設けることにより、入射側で2つに分離された成分が、
出射側では入射側と逆の経路を経て合成されるので、偏
波分離および偏波合成を行うことによる光学的影響を極
力小さくすることができる。
【0016】また、前記偏波分離手段から出射された2
つの分光のうち前記第1の偏波回転手段が設けられてい
ない方の光路上に、第1の光路長補正手段を設けるとと
もに、該2つの分光のうち前記第2の偏波回転手段が設
けられていない方の光路上に、前記第1の光路長補正手
段と同じ構成を有する第2の光路長補正手段を設けるこ
とが好ましい。かかる構成によれば、導波路型光学素子
の入射側および出射側でそれぞれ生じる2つの分光の光
路差をより低減させることができる。この構成におい
て、第1の光路長補正手段は、2つの分光の一方に第1
の偏波回転手段を設けたことにより生じる該2つの分光
間の光路差を低減させるもので、前記第1の光路長調整
手段に相当する。また、第2の光路長補正手段は、2つ
の分光の一方に第2の偏波回転手段を設けたことにより
生じる該2つの分光間の光路差を低減させるもので、前
記第2の光路長調整手段に相当する。
【0017】本発明において、前記導波路型光学素子
が、電気光学効果を有する材料からなる基板上に、2本
の分岐光導波路を備えたマッハツェンダー型光導波路、
および前記2本の分岐光導波路のうちの一方を導波する
光波を変調し得る変調用電極を備えた第1の光導波路
と、該第1の光導波路と同じ構成を有する第2の光導波
路を設けてなることが好ましい。
【0018】本発明における導波路型光学素子は、2つ
の光導波路を有するものであれば種々の導波路型光学素
子に適用可能であるが、特に上記構成のマッハツェンダ
ー型光導波路を備えた導波路型光学素子を用いれば、偏
波無依存型の光変調器が得られる。そして、2つの光導
波路に入射される2つの分光において、光導波路の入射
側で光路差が生じることによる光信号の波形の乱れを防
止して、通信システムの高速化に対応可能な光変調器を
実現することができる。さらに、好ましくは、光導波路
の入射側で波長分散が生じることに起因する光導波路へ
の結合損失の波長依存性を低減させることができるの
で、広帯域な波長範囲で動作可能な特性を備えた光変調
器が得られる。
【0019】本発明の偏波無依存型光学機器は、入射光
の偏波状態が変化してもその光学的特性が安定している
ので、シングルモード光ファイバからなる光伝送路の中
継器として使用することが可能であり、本発明の偏波無
依存型光学機器を、シングルモード光ファイバからなる
伝送路の中途に介在させた光通信システムを提供するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は本発明の偏波無依存型光学機器の一実
施形態を示した概略構成図である。本実施形態では、本
発明の光学機器の好適な例としてLN光変調器を用いて
説明する。図中符号1は導波路型光学素子であり、LN
光変調基板1a上に、一対のマッハツェンダー型光導波
路(第1の光導波路および第2の光導波路)2,3が設
けられている。LN光変調基板1a上に形成されている
一対のマッハツェンダー型光導波路2,3は、LN光変
調基板1aの端面および上面の両方に垂直な面を対称面
として、互いに対称に形成されている。また、各マッハ
ツェンダー型光導波路2,3は、それぞれ2つの分岐光
導波路のうちの一方の光導波路中を導波する光波に変調
信号を印加するための信号電極および接地電極(図示
略)が設けられており、該一対のマッハツェンダー型光
導波路2,3において、同時に同波形の変調信号が印加
されるように構成されている。導波路型光学素子1の入
射端面における、2つの光導波路2,3の入射端どうし
の間隔は、該2つの光導波路2,3間でクロストークが
生じない程度に小さくすることが可能であり、大きすぎ
ると導波路型光学素子1自体が大きくなってしまうの
で、装置を小型化するうえで好ましくない。本実施形態
において、2つの光導波路2,3の入射端の間隔(中心
間の距離)は、例えば0.3〜1.0mm程度、好まし
くは600μm程度に設定される。
【0021】また図中符号10は入射手段であり、シン
グルモード光ファイバ10a内を導波されてきた光波を
平行光として出射するように構成されている。この入射
手段10から出射される光束はランダムな偏波状態を有
する。本実施形態のLN光変調器は、入射手段10と導
波路型光学素子1との間に、入射手段10側から順に、
偏波分離手段11、第1の偏波回転手段12、第1のプ
リズム(第1の光路変更手段)13、および第1のレン
ズ(第1の集光手段)14が設けられて概略構成されて
いる。入射手段10から出射された平行光(入射光)3
1は、まず偏波分離手段11に入射され、ここでS偏波
成分とP偏波成分とに分離され、平行な2つの分光3
2,33として出射される。偏波分離手段11は、複屈
折率材料からなる2つの偏波分離素子11a、11bの
間に偏光回転素子としての波長板11cが設けられた構
成を有する。該2つの偏波分離素子11a、11bはい
ずれも、ランダムな偏波状態の入射光をS偏波成分とP
偏波成分とに分離し、平行な2つの分光として出射する
光学的特性を有し、両偏波分離素子11a、11bの光
学的特性および長さは等しく構成される。偏波回転素子
11cは、S偏波成分をP偏波成分に変換しかつP偏波
成分をS偏波成分に変換する光学的特性を有するもの
で、好ましくは1/2波長板が用いられる。
【0022】偏波分離手段11から出射された2つの分
光32,33のうちの一方、本実施形態ではS偏波成分
32は、第1の偏波回転手段12を透過した後、第1の
プリズム13に入射される。第1の偏波回転手段12
は、S偏波成分をP偏波成分に変換しかつP偏波成分を
S偏波成分に変換する光学的特性を有するもので、好ま
しくは1/2波長板が用いられる。したがって、一方の
分光(S偏波成分)32はP偏波成分に変換されて第1
のプリズム13に入射される。他方の分光、すなわちP
偏波成分33の光路上には、第1の光路長補正手段15
を設けることが好ましい。本実施形態では、P偏波成分
33は、第1の光路長補正手段15を透過した後、第1
のプリズム13に入射されるように構成されている。第
1の光路長補正手段15は、第1の偏波回転手段12と
光路長が同一で、光の偏波状態を変化させないという特
性を有するもので、好ましくはガラス板が用いられる。
したがって、他方の分光(P偏波成分)33はP偏波の
ままでプリズム13に入射される。ここで、本実施形態
において、偏波分離手段11から出射される2つの分光
32,33どうしの間隔は、一方の分光32の光路上に
波長板12を設けるとともに、他方の分光33の光路上
に第1の光路長補正手段15を設けることができる程度
に大きく設計される。例えば、2つの分光32,33の
進行方向に垂直な面における、両分光32,33の中心
間の距離は、例えば、伝搬光束直径(分光のビーム径)
+0.5mm以上とすることが好ましい。
【0023】第1のプリズム13は、前記第1の偏波回
転分離手段12を透過した一方の分光(P偏波成分)3
2、および第1の光路長補正手段15を透過した他方の
分光(P偏波成分)33の進行方向を、これら2つの分
光32,33の間隔を縮小させる方向に変えることがで
きる光学的特性を有する。また第1のプリズム13と第
1のレンズ14と導波路型光学素子1との位置関係は、
第1のプリズム13によって進行方向が変えられた2つ
の分光(P偏波成分)32,33が、第1のプリズム1
3から出射された後に互いに交差して第1のレンズ14
に入射され、第1のレンズ14で集光されて、導波路型
光学素子1の一対の光導波路2,3にそれぞれ入射され
るように構成されている。
【0024】図2(a)は、本実施形態における第1の
プリズム13と第1のレンズ14の例を示した平面図で
あり、図2(b)は第1のプリズム13の側面図であ
る。第1のプリズム13は、図2(a)、(b)に示す
ように上面から見たときの平面形状が五角形で、側方か
ら見た平面形状が長方形のブロック状に形成されてい
る。第1のプリズム13の上面と下面とは平行で、下面
が接着剤17で固定されている。図2に示すように、第
1のプリズム13の長手方向をZ方向、上面および下面
に垂直な方向をY方向、Z方向とY方向に垂直な方向を
X方向とすると、プリズム13の出射端面13cは、Z
方向に対して垂直となっている。また、X方向に垂直な
2つの側面13d、13eはいずれも矩形である。第1
のプリズム13の入射端面は、下面に対して垂直な2つ
の斜面13a、13bで形成されている。該2つの斜面
13a、13bはいずれも矩形で、各斜面13a(13
b)とX方向とがのなす傾斜角の大きさはθxである。
【0025】この傾斜角θx、および第1のプリズム1
3のZ方向における長さは、導波路型光学素子1の入射
面における2つの光導波路2,3の中心間の距離、第1
の集光レンズ14の集光特性、および第1のプリズム1
3の屈折率に応じて、第1のプリズム13から出射され
た2つの分光32,33が、第1のプリズム13から出
射された後に互いに交差し、その後、第1のレンズ14
で集光されて、導波路型光学素子1の2つの光導波路
2,3の入射端にそれぞれ入射されるように設定され
る。例えば、第1のプリズム13の屈折率が1.5、第
1のレンズ14の焦点距離が1.55mm、2つの導波
路の中心間距離が600μmであるとき、前記傾斜角θ
xは22度程度に好ましく設定され、Z方向における第
1のプリズム13の長さは、最も長いところで、3mm
程度に好ましく設定される。
【0026】第1のレンズ14は、第1のプリズム13
から出射された2つの分光32,33を導波路型光学素
子1の一対の光導波路2,3の入射端にそれぞれ集光で
きるものであればよい。各種の集光手段を用いることが
可能であるが、第1のレンズ14に入射される際の2つ
の分光32,33間の距離は、2つの光導波路2,3の
入射端間の距離と同程度と比較的大きいので、例えば非
球面レンズ等が好ましく用いられる。
【0027】第1のプリズム13および第1のレンズ1
4は、材料分散により波長が短いほど屈折率が大きく、
波長が長いほど屈折率が小さいという波長分散特性を有
するが、これらの材料分散値は、一般的には小さいこと
が好ましい。しかし、本実施形態においては、第1のプ
リズム13の材料分散による影響と第1のレンズ14の
材料分散による影響とが、互いに打ち消し合う関係にあ
るため、第1のプリズム13と第1のレンズ14の材料
分散値は必ずしも小さくなくてもよい。両者の材料分散
を互いに補償し合うように適宜選択することによって、
第1のプリズム13および第1のレンズ14の材料分散
による、光導波路2,3への結合損失の波長依存性を効
果的に低減させることができる。例えば第1のプリズム
13の、波長1500〜1600nmにおける材料分散
値を6.01×10-7ps・km-1・nm-1程度とした
場合、第1のレンズ14の、波長1500〜1600n
mにおける材料分散値を6.11×10-7ps・km-1
・nm-1程度とすることで、光導波路2,3への結合損
失の波長依存性を、波長1500〜1600nmの範囲
内で0.02dB以下に低減させることができる。この
ような材料分散値が小さい材料として、例えば、第1の
プリズム13にBK7を、また第1のレンズ14にSF
S01(商品名)を用いることが好ましい。ここで、本
明細書における材料分散値は、例えばアッペのオートコ
リメート法によって測定することができる。
【0028】本実施形態において、偏波分離手段11か
ら出射される2つの分光32,33どうしの間隔は、導
波路型光学素子1の入射端面における2つの光導波路
2,3の入射端どうしの間隔よりも大きいので、第1の
プリズム13の屈折率や長さ、第1のレンズ14の集光
特性、および第1のプリズム13と第1のレンズとの距
離等を適宜調整することによって、偏波分離手段11か
ら出射される2つの分光32,33が、導波路型光学素
子1の一対の光導波路2,3のそれぞれに適切に入射さ
れるように構成する。
【0029】導波路型光学素子1に入射された2つのP
偏波成分は、一対のマッハツェンダー型光導波路2,3
をそれぞれ導波する間に、該一対のマッハツェンダー型
光導波路2,3に同時に印加される電圧によって位相シ
フトを生じ、同一波形を有する光信号に変換され、それ
ぞれ出射される。導波路型光学素子1の出射側には、入
射側に設けられている光学部品と同じ光学部品が、該導
波路型光学素子1を挟んで、入射側の光路における配置
とそれぞれ対称となるように設けられている。すなわ
ち、導波路型光学素子1の出射側には、第1のレンズ1
4と同じ構成の第2のレンズ24、第1のプリズム13
と同じ構成の第2のプリズム23、第1の偏波回転手段
12と同じ構成の第2の偏波回転手段22、第1の光路
長補正手段15と同じ構成の第2の光路長補正手段2
5、偏波分離手段11と同じ構成の偏波合成手段21、
および入射手段10と同じ構成の受光手段20が、それ
ぞれ同一構成の光部品どうしが、導波路型光学素子1を
挟んで対称となるように、設けられている。図中符合2
1a、21bは複屈折率材料からなる偏波分離素子を示
し、21cは偏波回転素子を示している。また符号20
aはシングルモード光ファイバである。
【0030】本実施形態においては、偏波分離手段11
から出射される2つの分光32,33のうち、第1の偏
波回転手段12が設けられている方の光路の延長上に、
第2の光路長補正手段25が設けられており、第1の光
路長補正手段15が設けられている方の光路の延長上
に、第2の偏波回転手段22が設けられている。なお、
導波路型光学素子1の出射側における第2の偏波回転手
段22と第2の光路長補正手段25の位置を入れ替えて
もよい。
【0031】かかる構成によれば、第1の偏波分離手段
11において、入射手段10側の一方の偏波分離素子1
1aでは、入射光31のS偏波成分の伝搬方向における
屈折率と、P偏波成分の伝搬方向における屈折率とが異
なり、この屈折率の差により両偏波成分が互いに異なる
方向に伝搬されるので、該両偏波成分が分離され平行な
2つの分光として出射される。一方の偏波分離素子11
aから出射されたS偏波成分は、偏波回転素子11cを
透過することによってP偏波成分に変換されてから、他
方の偏波分離素子11bに入射される。また一方の偏波
分離素子11aから出射されたP偏波成分は、偏波回転
素子11cを透過することによってS偏波成分に変換さ
れてから、他方の偏波分離素子11bに入射される。他
方の偏波分離素子11bに入射されたS偏波成分および
P偏波成分は、それぞれ前記一方の偏波分離素子11a
内における挙動と同じ挙動を示し、互いに異なる方向に
伝搬され平行な2つの分光として出射される。
【0032】このように、偏波分離手段11の一方の偏
波分離素子11aにおいてS偏波成分として伝搬した光
波は、他方の偏波分離素子11bにおいてはP偏波成分
として伝搬する。また一方の偏波分離素子11aにおい
てP偏波成分として伝搬した光波は、他方の偏波分離素
子11bにおいてはS偏波成分として伝搬する。そし
て、両偏波分離素子11a、11bは光路長が互いに等
しいので、一方の偏波分離素子11aにおいてS偏波成
分とP偏波成分との間に生じた光路差は、他方の偏波分
離素子11bにおいて両成分間に生じる光路差によって
相殺され、結果的に第1の偏波分離手段11において光
路差を生じることなく、S偏波成分とP偏波成分とを分
離してそれぞれ出射することができる。
【0033】また、偏波分離手段11から出射された2
つの分光32,33のうちの一方に第1の偏波回転手段
12を設けるとともに、他方の光路上に光路長補正手段
15を設けることにより、ここで両分光32,33の光
路長に差異が生じないようにすることができる。そし
て、第1のプリズム13および第1のレンズ14では前
記2つの分光32,33に光路差は生じないので、入射
光31から分離された2つのP偏波成分を、光路差が生
じていない状態で、導波路型光学素子1の2つの光導波
路2,3にそれぞれ入射させることができる。
【0034】一方、偏波分離手段11を構成している複
屈折率材料からなる2つの偏波分離素子11a、11b
においては、波長によって屈折率が異なるために波長分
散が生じる。また第1のプリズム13および第1のレン
ズ14においても波長分散が生じる。例えば、偏波分離
手段11から出射される2つの分光32,33が互いに
近づく方向を内側方向、互いに離間する方向を外側方向
とすると、偏波分離手段11における2つの分光32,
33の出射位置は、波長が短くなるほど外側へシフト
し、波長が長くなるほど内側へシフトする。したがっ
て、第1のプリズム13への入射位置は、波長が短くな
るほど外側へシフトするが、第1のプリズム13におけ
る屈折率は波長が短いほど大きいので、第1のプリズム
13から出射した2つの分光32,33が交差する位置
は、波長が短いほど第1のプリズム13に近くなる。し
たがって、第1のレンズ14への入射位置は、波長が短
いほど外側へシフトし、波長が長いほど内側へシフトす
るが、第1のレンズ14における屈折率は波長が短いほ
ど大きく、波長が長いほど小さいという特性を有するの
で、これにより第1のレンズ14と導波路型光学素子1
との距離を変化させなくても、各波長の光波を光導波路
2,3の入射端に適切に集光させることが可能となる。
したがって、波長の違いによる光導波路2,3への入射
位置の差を低減させることができ、導波路型光学素子1
の入射側で生じる波長分散の影響によって2つの分光が
それぞれ光導波路2,3に入射する際の結合損失が、波
長によってばらつくのを防止することができる。
【0035】また、導波路型光学素子1から出射された
2つの光信号(P偏波成分)は、入射側と対称な光路を
通って合波されるので、導波路型光学素子1の出射側に
おいて光路差を生じることなく合波され、受光手段20
に入射される。
【0036】したがって、本実施形態によれば、入射光
31の偏波状態がランダムであっても、導波路型光学素
子1に入射される光束の偏波状態を常に一定(P偏波成
分のみ、又はS偏波成分のみ)とすることができるの
で、導波路型光学素子1自身が偏波依存性を有していて
も、偏波無依存性のLN光変調器を実現することができ
る。したがって、入射側および出射側における光波の伝
送手段としてシングルモード光ファイバを用いることが
可能となるので、かかるLN光変調器を、シングルモー
ド光ファイバを用いた光伝送路の中途に設けて光通信シ
ステムを構築することが可能となる。また、導波路型光
学素子1には一対のマッハツェンダー型光導波路2,3
が設けられ、それぞれの光導波路2,3において、同時
に同波形の変調信号が印加されるが、導波路型光学素子
1の入射側で2つの分光32,33間に生じる光路差が
小さく抑えられているので、該2つのマッハツェンダー
型光導波路2,3をそれぞれ経た光波を合波して得られ
る光信号の波形の乱れが抑えられ、LN光変調器の高速
応答性が良好となる。
【0037】さらに、導波路型光学素子1の入射側に設
けられた偏波分離手段11、第1のプリズム13、およ
び第1のレンズ14のそれぞれにおいて波長分散が生じ
るが、第1のプリズム13から出射された2つの分光3
2,33を交差させた後に第1のレンズ14で集光し
て、一対のマッハツェンダー型光導波路2,3にそれぞ
れ入射させることにより、光導波路への結合損失の波長
依存性を小さくすることができる。したがって、比較的
広帯域な波長範囲で動作可能な偏波無依存性のLN光変
調器が得られる。
【0038】図3は、本実施形態において、第1のプリ
ズム13の、波長1500〜1600nmにおける材料
分散値を6.01×10-7ps・km-1・nm-1とし、
第1のレンズ14の、波長1500〜1600nmにお
ける材料分散値を6.11×10-7ps・km-1・nm
-1として、結合損失の波長依存性をシミュレーションし
た結果を示すグラフである。この図の結果によれば、波
長1.50〜1.60μm(1500〜1600nm)
の範囲で、結合損失の波長依存性を0.02dB以下、
例えば0.013dB程度にまで低減することが可能で
ある。
【0039】なお、本実施形態では導波路型光学素子を
用いた光学機器として、LN光変調器を例に挙げて説明
したが、光変調器に限らず、2つの光導波路を有し、自
身が偏波依存性を有する導波路型光学素子を備えてお
り、該導波路型光学素子の2つの光導波路にそれぞれ入
射される2つの光波について、光路差の低減および好ま
しくは波長分散に起因する結合損失の波長依存性の低減
が要求されるものであれば、各種の光学機器に適用可能
である。そして、偏波無依存性と光路差の低減が要求さ
れる場合は、少なくとも、入射手段10と導波路型光学
素子1との間に、偏波分離手段11、および第1の偏波
回転手段12を設け、導波路型光学素子1と受光手段2
0との間に、第2の偏波回転手段22、および偏波合成
手段21を設けた構成とすることができる。光路差をよ
り低減させるためには、第1の偏波回転手段と並列して
第1の光路長補正手段15を設け、第2の偏波回転手段
と並列して第2の光路長補正手段25を設けることが好
ましい。
【0040】なお、上記実施形態において、第1および
第2のプリズム13,23、および第1および第2のレ
ンズ14,24を設けず、これらの代わりに、導波路型
光学素子1の入射側および出射側に、それぞれ2個の集
光レンズ(計4個の集光レンズ)を設けてもよい。すな
わち、偏波分離手段11から出射された2つの分光3
2,33が、それぞれ第1の偏波回転手段12および第
1の光路長補正手段15を透過した後、該2つの分光3
2,33の光路上にそれぞれ設けられた集光レンズによ
って2つの光導波路2,3の入射端に集光されるように
構成することもできる。この場合、導波路型光学素子1
から出射された2つの分光32,33の光路上にも、そ
れぞれ入射側と対称となるように集光レンズを設ける。
かかる構成によれば、2つの分光32,33の、偏波分
離手段11から出射されてから導波路型光学素子1に入
射されるまでの光路差、および導波路型光学素子1から
出射されてから偏波合成手段21に入射されるまでの光
路差を低減させることができるほか、偏波分離手段11
で生じる波長分散を集光レンズで補償することができる
ので、波長分散に起因する結合損失の波長依存性を低減
させることもできる。ただし、この構成にあっては、2
つの分光32,33間の距離を、該2つの分光32,3
3の光路上にそれぞれ集光レンズを設けることができる
程度に大きくする必要があり、導波路型光学素子1の入
射面における2つの光導波路2,3間の距離も、それと
同程度に大きくすることが必要である。したがって、導
波路型光学素子1の小型化および光学機器全体の小型化
という点では上記の実施形態の構成の方がより好まし
い。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、伝
搬光の偏波状態がランダムに変化しても、常に一定の偏
波状態の2つの分光を光導波路に入射させることができ
るとともに、光導波路の入射側で生じる該2つの分光間
の光路差を低減することができる。したがって、偏波依
存性を有する導波路型光学素子への入射光の偏波状態が
ランダムに変化しても、導波路型光学素子が安定して動
作し、かつ通信システムの高速化にも対応し得る偏波無
依存型光学機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学機器の一実施形態を示した概略構
成図である。
【図2】図1に示す光学機器の要部を拡大して示したも
ので、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】図1に示す光学機器の特性をシミュレーション
した結果を示すグラフである。
【図4】従来の導波路型光学素子の例を示したもので
(a)は要部の概略平面図、(b)は(a)中のB−B
線に沿う断面図である。
【図5】光フィルタ素子における偏波無依存性を達成す
るための構成の従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…導波路型光学素子、 2…第1の光導波路、 3…第2の光導波路、 11…偏波分離手段、 11a、11b…偏波分離素子、 11c…偏波回転素子、 12…第1の偏波回転手段、 13…第1のプリズム(第1の光路変更手段)、 14…第1のレンズ(第1の集光手段)、 15…第1の光路長補正手段、 21…偏波合成手段、 21a、21b…偏波分離素子、 21c…偏波回転素子、 22…第2の偏波回転手段、 23…第2のプリズム(第2の光路変更手段)、 24…第2のレンズ(第2の集光手段)、 25…第2の光路長補正手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 猛 東京都千代田区六番町6番地28 住友大阪 セメント株式会社内 (72)発明者 金原 勇貴 東京都千代田区六番町6番地28 住友大阪 セメント株式会社内 (72)発明者 時田 宏典 埼玉県戸田市新曽南3−1−23 株式会社 応用光電研究室内 (72)発明者 星 正幸 埼玉県戸田市新曽南3−1−23 株式会社 応用光電研究室内 (72)発明者 久米 政治 埼玉県戸田市新曽南3−1−23 株式会社 応用光電研究室内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KA12 LA12 MA03 NA02 RA08 TA01 TA11 2H099 AA01 BA17 CA08 CA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの導波路を有する導波路型光学素子の
    入射側に、ランダムな偏波状態の入射光をS偏波成分と
    P偏波成分とに分離して、平行な2つの分光として出射
    する偏波分離手段を設け、 該偏波分離手段と前記導波路型光学素子との間におい
    て、該偏波分離手段から出射された2つの分光のうちい
    ずれか一方の光路上に、S偏波成分をP偏波成分に変換
    しかつP偏波成分をS偏波成分に変換する第1の偏波回
    転手段を設け、 前記2つの分光の、分離されてから前記導波路型光学素
    子に入射されるまでの光路差を低減させる第1の光路長
    調整手段を設けるとともに、 前記導波路型光学素子の出射側に、前記偏波分離手段と
    同じ構成を有する偏波合成手段を設け、 該偏波合成手段と前記導波路型光学素子との間におい
    て、前記2つの分光のうちいずれか一方の光路上に、前
    記第1の偏波回転手段と同じ構成を有する第2の偏波回
    転手段を設け、 前記2つの分光の、前記導波路型光学素子から出射され
    てから合成されるまでの光路差を低減させる第2の光路
    長調整手段を設けてなることを特徴とする偏波無依存型
    光学機器。
  2. 【請求項2】前記偏波分離手段が、ランダムな偏波状態
    の入射光をS偏波成分とP偏波成分とに分離して平行な
    2つの分光として出射し得る2個の偏波分離素子の間
    に、S偏波成分をP偏波成分に変換しかつP偏波成分を
    S偏波成分に変換する偏波回転素子を設けてなり、前記
    2個の偏波分離素子は、光路長が互いに等しいことを特
    徴とする請求項1記載の偏波無依存型光学機器。
  3. 【請求項3】前記2個の偏波分離素子が複屈折材料から
    なり、長さが互いに等しいことを特徴とする請求項2記
    載の偏波無依存型光学機器。
  4. 【請求項4】前記偏波分離手段と前記導波路型光学素子
    との間に、前記2つの分光を、前記導波路型光学素子の
    前記2つの導波路の入射端にそれぞれ集光させる第1の
    集光手段を設け、 該第1の集光手段と前記偏波分離手段との間に、前記偏
    波分離手段から出射された2つの分光の進行方向を、該
    2つの分光の間隔が縮小するように変化させて前記第1
    の集光手段に入射させる第1の光路変更手段を、該第1
    の光路変更手段と前記第1の集光手段との間で該2つの
    分光が交差するように設けるとともに、 前記偏波合成手段と前記導波路型光学素子との間に、前
    記第1の集光手段と同じ構成を有する第2の集光手段を
    設け、 該第2の集光手段と前記偏波合成手段との間に、前記第
    1の光路変更手段と同じ構成を有し、前記第2の集光手
    段を透過した2つの分光の進行方向を、該2つの分光の
    間隔が拡大するように変化させて一方の分光を前記第2
    の偏波回転手段に入射させる第2の光路変更手段を、該
    第2の光路変更手段と前記第2の集光手段との間で該2
    つの分光が交差するように設けてなることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の偏波無依存性光学機
    器。
  5. 【請求項5】前記第1の光路変更手段および第2の光路
    変更手段がプリズムからなることを特徴とする請求項4
    に記載の偏波無依存型光学機器。
  6. 【請求項6】 前記導波路型光学素子の入射側におい
    て、前記偏波分離手段から出射された2つの分光のうち
    前記第1の偏波回転手段が設けられていない方の光路上
    に、第1の光路長補正手段を設けるとともに、 前記導波路型光学素子の出射側において、前記2つの分
    光のうち前記第2の偏波回転手段が設けられていない方
    の光路上に、前記第1の光路長補正手段と同じ構成を有
    する第2の光路長補正手段を設けてなることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の偏波無依存型光学機
    器。
  7. 【請求項7】前記導波路型光学素子が、電気光学効果を
    有する材料からなる基板上に、2本の分岐光導波路を備
    えたマッハツェンダー型光導波路、および前記2本の分
    岐光導波路のうちの一方を導波する光波を変調し得る変
    調用電極を備えた第1の導波路と、該第1の光導波路と
    同じ構成を有する第2の光導波路を設けてなることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の偏波無依存型
    光学機器。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の偏波無依
    存型光学機器を、シングルモード光ファイバからなる伝
    送路の中途に介在させたことを特徴とする光通信システ
    ム。
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