JP2003270250A - 血液中の心不全マーカー定量方法 - Google Patents
血液中の心不全マーカー定量方法Info
- Publication number
- JP2003270250A JP2003270250A JP2002069934A JP2002069934A JP2003270250A JP 2003270250 A JP2003270250 A JP 2003270250A JP 2002069934 A JP2002069934 A JP 2002069934A JP 2002069934 A JP2002069934 A JP 2002069934A JP 2003270250 A JP2003270250 A JP 2003270250A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blood
- heart failure
- carrier
- marker
- concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
する。 【解決手段】 血液担持担体から血液成分を抽出し、該
抽出血液成分から血液中の心不全マーカーを定量するこ
とを特徴とする血液中の心不全マーカー定量方法を用い
る。なお、心不全マーカーとしては、心房負荷、心室負
荷、心筋肥大、心筋虚血及び/又は心筋壊死に起因する
慢性心不全マーカーであることが好ましく、さらに好ま
しくは心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)及び/
又は脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)である。ま
た血液担持担体としては、血液に対する抗凝固剤及び/
又は蛋白分解酵素の阻害剤を含有する吸収体に血液を担
持してなることが好ましく、また担体として濾紙が好ま
しい。また指先から採取した血液を担持させることが好
ましい。また、抽出液中の心不全マーカー濃度と、血液
成分の抽出率とから、血液中の心不全マーカー濃度を決
定することが好ましい。
Description
ーカー定量方法に関する。さらに詳しくは、心房負荷、
心室負荷、心筋肥大、心筋虚血又は/及び心筋壊死に起
因する心不全の診断に用いられる血液中の心不全マーカ
ー定量方法に関する。
て、採血用注射器を用いて、主に患者の肘正中静脈より
全血2mL以上を抗凝固剤入りの採血管に採取し、混和
後、冷却遠心機にて1500G、10分間冷却遠心して
血漿部分と血球部分を分け、上清(血漿)部分を別の試
験管に分取し、これを測定検体として定量する方法等が
知られている(例えば、臨床検査マニュアル、1988
年、文光堂、311〜316頁)。さらに通常は測定を
効率的に実施するため、測定検体を凍結又は冷蔵保存し
て一定量の測定検体をまとめて定量する方法等が知られ
ている(例えば、イムノアッセイ、1984年、ジェイ
エムシー、173〜174頁)。この方法は、特に慢性
心不全の診断及び急性心不全の回復期の診断等に用いら
れている。急性心不全、例えば急性心筋梗塞などでは、
診断に緊急性が必要なため、上記血漿分離後に直ちに測
定を行う方法又は採血後ただちにイムノクロマト法等の
迅速測定(例えばバイオサイトダイアグノスティクス社
の製品「Triage CARUDIAC PANE
L」を用いた測定)が実施されている。
は、健康診断等多数の被検者から採血し血液中の心不全
マーカーを測定する場合、多数の血液から上清を分離す
る操作が必要であり、分離した血漿を試験管で冷蔵又は
冷凍で輸送・保存する必要がある等コストが高くなる問
題があった。また、急性心不全の診断に用いられるイム
ノクロマト法等の迅速測定は、急性心不全発症時の診断
には有効であるが、回復期あるいは長期的なフォローア
ップにはコストが高くなる点、及び多数の検体測定に向
いていない点で問題があった。すなわち、本発明の目的
は、心不全マーカーを簡易に定量する方法を提供するこ
とである。特に診断に緊急性を要しない、慢性心不全の
心不全マーカーを簡易に定量する方法を提供することで
ある。
達成すべく鋭意検討した結果、特定の方法を用いること
により、心不全マーカーを簡易に定量できることを見い
だし本発明に到達した。すなわち、本発明の血液中の心
不全マーカーの定量方法の特徴は、血液担持担体から血
液成分を抽出し、該抽出血液成分から血液中の心不全マ
ーカーを定量する点を要旨とする。
心房負荷、心室負荷、心筋肥大、心筋虚血又は/及び心
筋壊死等に起因する心不全を診断するための心不全マー
カーである。心不全としては、慢性心不全及び急性心不
全が挙げられ、これらのうち、特に慢性心不全に好適で
ある。心不全を診断するための心不全マーカーとして
は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナ
トリウム利尿ペプチド(BNP)、C型ナトリウム利尿
ペプチド(CNP)、心筋ミオシン軽鎖、トロポニンT
及び血清ミオグロビン等が挙げられる。これらのうち、
慢性心不全への特異性の高いという観点から、心房性ナ
トリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿
ペプチド(BNP)及びC型ナトリウム利尿ペプチド
(CNP)が好ましく、さらに好ましくは心房性ナトリ
ウム利尿ペプチド(ANP)及び脳性ナトリウム利尿ペ
プチド(BNP)である。
び採取方法等に制限はなく、従来の採取部位及び採取方
法(例えば、採血用注射器を用いて、主に肘正中静脈よ
り全血2mL以上採取等)で得た血液の一部を本発明に
用いることも当然可能であるが、該血液は、被検者への
侵襲性の低減の観点から、抹消血管からの採取が好まし
く、抹消血管からの採取の中でも、被検者の侵襲性低減
の観点から耳朶又は指先を穿刺して採取した血液がより
好ましく、被検者が自分で血液を採取できる点、穿刺時
の痛感が少ない点及び血液が液滴として採取(滴下)し
易い点等の観点から指先を穿刺して採取した血液が特に
好ましい。
採取できれば特に制限はないが、被検者自身で実施可能
であるという観点から、例えば、被検者の当該部位(例
えば、耳朶及び指先等)を穿刺前によくマッサージ及び
/又は暖めて充血させておき、消毒ガーゼで穿刺部位を
拭いて乾燥させ、ディスポーザブル・ランセット等で当
該部位を穿刺して血液を得る方法等が好ましい。
持することが可能である限り、担体の材質、形状等は特
に制限されないが、吸着による血液の保持が容易であ
り、抽出により血液成分が溶出し易い材質・形状である
ことが好ましく、吸着による保持が容易という観点か
ら、吸収体であることがさらに好ましい。
固剤及び/又は蛋白分解酵素の阻害剤を含有しているこ
とが好ましい。血液に対する抗凝固剤としては、例えば
ヘパリンナトリウム、EDTAナトリウム塩、クエン酸
ナトリウム及びフッ化ナトリウム等が挙げられ、これら
のうち、EDTAナトリウム塩が好ましい。蛋白分解酵
素の阻害剤としては、例えばアマスタチン、アンチパイ
ン、アンチスロンビンIII、カルペプチン、PMSF
及びアプロチニン等が挙げられ、これらのうち、PMS
F及びアプロチニンが好ましい。
の含有量は、多孔質材が保持できる体液量に応じて適宜
設定でき、体液1mL当たり、好ましくは0.1mg以
上、さらに好ましくは1mg以上、そして、好ましくは
100mg以下、さらに好ましくは10mg以下となる
ように設定する。蛋白質分解酵素阻害剤の含有量は、多
孔質材が保持できる体液量に応じて適宜設定でき、体液
1mL当たり、好ましくは0.01mg以上、さらに好
ましくは0.1mg以上、そして、好ましくは100m
g以下、さらに好ましくは10mg以下となるように設
定する。
及び/又は蛋白分解酵素の阻害剤とを含有させる方法
は、例えば抗凝固剤及び阻害剤を含む溶液を担体に噴霧
したのち乾燥させる方法、抗凝固剤及び阻害剤を含む溶
液に担体を浸積したのち乾燥する方法等が適用できる。
抗凝固剤及び/又は阻害剤を溶解する溶剤は、抗凝固剤
及び/又は阻害剤の溶解性により適宜選択できる。水溶
性の抗凝固剤及び/又は阻害剤の場合、蒸留水、脱イオ
ン水、生理食塩水、リン酸緩衝液及びグッドの緩衝液等
が使用でき、非水溶性の抗凝固剤及び/又は阻害剤の場
合、適当な有機溶剤、例えばPMSFの場合は、エタノ
ール及びアセトン等が使用できる。これらのうち、水溶
性の場合、蒸留水及び脱イオン水が好ましい。非水溶性
の場合は、好ましい溶剤は蛋白分解酵素阻害剤等の種類
により異なるが、PMSFの場合、エタノールである。
溶液中の抗凝固剤の含有量(mg/mL)は、抗凝固剤
の種類により適宜設定できるが、溶液1mL当たり、
0.01以上が好ましく、さらに好ましくは0.1以上
である。また100以下が好ましく、さらに好ましくは
10以下である。
は、阻害剤の種類により適宜設定できるが、溶液1mL
当たり、好ましくは0.01mg以上、さらに好ましく
は0.1mg以上、そして、好ましくは100mg以
下、さらに好ましくは10mg以下である。
び合成高分子等が使用でき、例えば、綿、羊毛、セルロ
ース、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、
ニトロセルロース、セルロースアセテート、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、絹、フィブロイ
ン、リグニン、ヘミセルロース、キチン、エボナイト、
ゴム、ガラス、石英及びセラミックス等が挙げられる。
これらのうち、天然高分子が好ましく、さらに好ましく
はセルロース及び綿であり、特に好ましくはセルロース
である。
えば、上記の材質等からなる濾紙、不織布、織布又はシ
ート状発泡体等からなる吸収体が挙げられる。濾紙とし
ては、例えば、JIS P3801(1995年)又は
TAPPI(Technical Associati
on of the Pulp and PaperI
ndustry)T205に規定される濾紙等が挙げら
れる。不織布としては、例えば、ポリオレフィン不織
布、ニトロセルロース不織布、セルソールアセテート不
織布、ポリエステル不織布、エポキシ不織布、ガラス不
織布及びセラミックス不織布等が挙げられる。織布とし
ては、例えば、綿布、羊毛布、セルロース布、ポリオレ
フィン布、ニトロセルロース布、セルロールアセテート
布、エポキシ布、ガラス布及びセラミックス布等が挙げ
られる。シート状発泡体としては、例えば、発泡ポリス
チレン、発泡ポリオレフィン、発泡ポリウレタン、発泡
ポリエステル、発泡エポキシ樹脂、発泡ガラス及び発泡
セラミックス等が挙げられる。これらのうち、単位体積
又は単位面積当たりに吸収する血液の量が一定になりや
すいという(定量精度向上)観点から、濾紙、不織布及
びシート状発泡体が好ましく、さらに好ましくは濾紙及
び不織布、特に好ましくは濾紙である。
の厚さ(mm)は、適宜選択することができるが、0.
1以上が好ましく、さらに好ましくは0.2以上、特に
好ましくは0.3以上である。また3.0以下が好まし
く、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.
6以下である。濾紙、不織布、織布又はシート状発泡体
等の大きさ(面積cm2)は、採血、保管及び輸送時等
の操作性を考慮して自由に設定できるが、1以上が好ま
しく、さらに好ましくは10以上、特に好ましく25以
上である。また200以下が好ましく、さらに好ましく
は150以下、特に好ましく100以下である。吸収体
の孔径は自由に設定選択できるが、吸収体の平均孔径
(μm)は1以上が好ましく、さらに好ましくは2以
上、特に好ましくは5以上である。また100以下が好
ましく、さらに好ましくは80以下、特に好ましくは5
0以下である。
ば特に制限されず、担体と血液とを接触させることによ
り担体に血液を担持させることができる。担体と血液と
を接触させる方法としては、例えば、血液に担体を浸漬
する方法、担体に血液を滴下する方法及び穿刺部に担体
を押し付ける方法等が挙げられる。これらのうち、簡便
性の観点から、担体に血液を滴下する方法及び穿刺部に
担体を押しつける方法が好ましく、さらに好ましくは担
体に血液を滴下する方法である。
(ml)は担体が浸漬できる量であり、担体の大きさに
決定されるが、0.05以上が好ましく、さらに好まし
くは0.1以上、特に好ましくは0.15以上である。
また2以下が好ましく、さらに好ましくは1以下、特に
好ましくは0.5以下である。担体に血液を滴下する場
合、血液の使用量(ml)は担体の大きさに決定される
が、0.02以上が好ましく、さらに好ましくは0.0
5以上、特に好ましくは0.1以上である。また0.5
以下が好ましく、さらに好ましくは0.3以下、特に好
ましくは0.2以下である。穿刺部に担体を押し付ける
場合、血液の使用量(ml)は担体の大きさに決定され
るが、0.02以上が好ましく、さらに好ましくは0.
05以上、特に好ましくは0.1以上である。また0.
5以下が好ましく、さらに好ましくは0.3以下、特に
好ましくは0.2以下である。
さに切り取る場合(後述)、切取られる担体が保持でき
る量以上の血液を滴下すればよく、滴下する血液量を正
確に制御する必要はない。例えば、ろ紙がワットマン社
製BFC180(厚さ0.49mm)の場合、滴下した
血液量が50μLであれば血液を保持した部分の大きさ
は直径約12mmである。1滴の液量は約40〜60μ
Lであるので、血液担持部分を直径6mmの円形に打ち
ぬく場合、必要な血液の量は1〜2滴となる。
観点から、血液を担体に保持させた後、乾燥させること
が好ましく、担体に保持された血液の重量が50重量%
以下(好ましくは30重量%以下)になるまで乾燥する
ことがさらに好ましい。乾燥方法としては、例えば、減
圧乾燥、冷凍減圧乾燥、微加熱乾燥及び単純乾燥(風
乾)等が適用でき、これらのうち、減圧乾燥、冷凍減圧
乾燥及び単純乾燥が好ましく、さらに好ましくは減圧乾
燥及び単純乾燥であり、特に好ましくは単純乾燥であ
る。
化しない条件で行うことが好ましく、40℃以下の温度
で行うのがさらに好ましく、特に好ましくは30℃以下
である。また0℃以上で行うことが好ましく、さらに好
ましくは10℃以上である。減圧する場合は、圧力(P
a)は、0.02以上が好ましく、さらに好ましくは
0.05以上、特に好ましくは0.1以上である。また
10以下が好ましく、さらに好ましくは2以下、特に好
ましくは1以下である。単純乾燥する場合の湿度(%R
H)は、特に制限はないが、10以上が好ましく、さら
に好ましくは40以上である。また90以下が好まし
く、さらに好ましくは80以下である。乾燥時間は、担
体の形状、保持した血液量により適宜設定できるが、担
体が濾紙の場合、20分〜1時間程度である。
H)は、80が好ましく、さらに好ましくは60以下、
特に好ましくは40以下である。また5以上が好まし
く、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは20以
上である。またこの場合、温度(℃)は、0以上が好ま
しく、さらに好ましくは1以上、特に好ましくは2以上
である。また40以下が好ましく、さらに好ましくは3
0以下、特に好ましくは10以下である。なお、湿度8
0%RH以下を保てる状態(密閉下、乾燥剤存在の密閉
下等)であれば郵便又は宅配便等により輸送することが
できる。
液担持部分を一定の大きさに切り取ってから行うことが
好ましい。例えば、均一な吸収体に血液を滴下し、過剰
な血液は周囲に拡散吸収させて乾燥した後、中心部を一
定の形状に切り取ったものを抽出に用いる方法が好まし
い。切り取る方法としては、一定直径のパンチで打ちぬ
く方法及び予め入れた切取線(ミシン目等)に沿って切
り出す方法等が適用できる。
中の心不全マーカー(抗原)の免疫反応性が変化しない
限り特に制限なく行うことができ、例えば、抽出用溶液
に血液担持担体を浸漬し、その上清を抽出液として用い
ることができる。抽出用溶液として、pHが中性領域の
緩衝液が使用でき、例えば、pH6〜8のグッド緩衝液
及びpH6〜8のリン酸緩衝液等が好ましく使用され
る。
白質及び抗原安定化剤等を添加することもできる。塩と
しては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び臭
化リチウム等が挙げられる。界面活性剤としては、例え
ば、ソルビタンラウリン酸モノエステルエチレンオキシ
ド付加物(例えば、ツイーン20及びツイーン40(I
CIアメリカ社))等のノニオン界面活性剤等が挙げら
れる。蛋白質としては、例えば、牛血清アルブミン及び
カゼイン等が挙げられる。抗原安定化剤としては、例え
ば、EDTA等のキレート剤及びプロテアーゼインヒビ
ター等が挙げられる。
用溶液の使用量及び抽出時間等の抽出条件を一定にする
必要がある。抽出用溶液の使用量(ml)としては、血
液担持担体1個当たり、0.05以上が好ましく、さら
に好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上で
ある。また5以下が好ましく、さらに好ましくは1以
下、特に好ましくは0.5以下である。抽出時間(分)
としては、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは1
以上、特に好ましくは5以上である。また480以下が
好ましく、さらに好ましくは180以下、特に好ましく
は60以下である。撹拌は、ボルテックスミキサーのよ
うな装置を用いて、容器を震動して行うことが好まし
く、震動回数は100〜2000rpmが好ましい。
6mm(厚さ0.49mm)の濾紙(ワットマン社製B
FC180)の場合、以下の条件等で抽出できる。 抽出用溶液組成:塩化ナトリウム含有0.05モル/L
リン酸緩衝液(pH7.2)(塩化ナトリウムの含有
量:緩衝液100mL当たり0.85g、以下同じ。) 抽出用溶液の使用量:200〜300μL 抽出温度:室温(15〜25℃) 抽出時間:20分〜1時間(攪拌後の放置時間) 抽出操作:担体に抽出用溶液を加えボルテックスミキサ
ーで攪拌後(500rpm、1分)、上記温度で上記時
間放置する。再度攪拌(ボルテックスミキサーで500
rpm、5秒)し、1分間静置し分散したろ紙繊維を沈
降させた後、上清液を採取し、心不全マーカー測定のた
めの検体(抽出液)として用いる。
は特に制限されないが、定量値の再現性及び測定感度の
観点から、免疫学的測定法が好ましい。免疫学的測定法
としては従来公知の方法が使用できるが、抽出液中の心
不全マーカー濃度が血液中の濃度より低いためより定量
感度の高い測定法が望ましく、例えば、放射免疫測定
(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定
(FIA)及び化学発光免疫測定法(CLIA)が好ま
しい。放射免疫測定(RIA)としては、固相抗体とI
125標識抗体を用いた2部位サンドイッチ測定法等が
挙げられ、多数の測定試薬キットが市販されている。酵
素免疫測定法(EIA)としては、固相抗体と酵素標識
抗体を用いた2部位サンドイッチ測定法等が挙げられ、
酵素としてペルオキシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、グルコースオキシダーゼ等を用いた種々の測定試薬
キットが市販されている。蛍光免疫測定(FIA)とし
ては、固相抗体とユーロピウム標識抗体を用いた2部位
サンドイッチ測定法等が挙げられる。化学発光免疫測定
法(CLIA)としては、固相抗体とアクリジニウムエ
ステル標識抗体を用いた2部位サンドイッチ測定法等が
挙げられ、種々の測定試薬キットが市販されている。こ
れらの免疫学的測定法の中で、好ましいのは酵素免疫測
定法(EIA)であり、さらに好ましくは化学発光酵素
免疫測定法(CLEIA)である。
中の心不全マーカーの濃度を求める方法は、種々の方法
が適用でき、例えば、(1)心不全マーカーの濃度が既
知の血液を担持した血液担持担体を用いて作成した検量
線を用いる方法、及び(2)心不全マーカーの濃度が既
知の抽出液を用いて作成した検量線と心不全マーカーの
抽出率とを用いる方法等が挙げられる。
度の心不全マーカーを含む血液を用いて血液担持担体を
作成し、これから抽出された抽出液中の心不全マーカー
の含有量を定量して抽出液の心不全マーカーの濃度を求
め、次式から求められる。抽出率は、以上の操作を少な
くとも2回(好ましくは少なくとも3回)行い、それら
の平均値を用いることが好ましい。 抽出率=(抽出液の心不全マーカーの濃度)/(血液の
心不全マーカーの濃度) 検体の血液中の心不全マーカー濃度は、検体から調製さ
れる抽出液中の心不全マーカー濃度を抽出率で除すこと
で求めることができるが、その際、血液担持担体の作成
及び抽出の条件は抽出率を求めた時と同じ条件である必
要がある。
は、血液中に極低濃度で存在しているため、濃度の変動
による抽出率の変動は極わずかであり、例えば、ANP
の場合、0.2〜100pg/mLの範囲で同一の抽出
率が使用できる。100pg/mLを越える高濃度の検
体の場合、求めた抽出率と実際の抽出率とが異なる可能
性はあるが、臨床的な判断に影響することはない(すな
わち、ANPの場合、心不全の判断の境界濃度(心機能
が心不全状態であるとの判断をする境界濃度)が10p
g/mLであり、100pg/mLを越えていれば心不
全の判断において陽性である。)。
/mLの範囲で同一の抽出率が使用できる。4,000
pg/mLを越える高濃度の検体の場合、求めた抽出率
と実際の抽出率とが異なる可能性はあるが、臨床的な判
断に影響することはない(すなわち、BNPの場合、心
不全の判断の境界濃度が46pg/mLであり、4,0
00pg/mLを越えていれば心不全の判断において陽
性である。)。ANP及びBNP以外の心不全マーカー
についても同様であり、心不全マーカーの濃度による抽
出率の差よって臨床的な判断に影響することはない。
既知濃度の心不全マーカーを含む血液又は抽出液は、濃
度の異なる2種以上を用いることが好ましい。既知濃度
の心不全マーカーを含む血液又は抽出液の濃度は、測定
する心不全マーカーの種類により自由に設定できるが、
通常は健常人の範囲(正常域)と心不全である可能性が
高い範囲との境界濃度(カットオフ)を明確に測定でき
る濃度で設定することが好ましく、例えば、ANPの場
合、カットオフは通常10pg/mL前後であるため、
(1)の方法の場合、既知濃度の心不全マーカーを含む
血液は、少なくとも10pg/mLを挟んで2濃度(例
えば、5pg/mL以上10pg/mL未満の濃度と1
0pg/mL以上50pg/mL未満の濃度)設定する
ことが好ましい。また、(2)の方法の場合は、抽出液
中の心不全マーカーの濃度であるので、10pg/mL
を元に抽出率を考慮した2濃度(例えば、抽出率が0.
02の場合、血液中濃度10pg/mLは抽出液中濃度
0.2pg/mLに相当するので0.1pg/mL以上
0.2pg/mL未満の濃度と0.2pg/mL以上1
pg/mL未満の濃度)に設定することが好ましい。
6pg/mL前後であるため、(1)の方法の場合、既
知濃度の心不全マーカーを含む血液は、少なくとも46
pg/mLを挟んで2濃度(例えば、10pg/mL以
上46pg/mL未満の濃度と46pg/mL以上10
0pg/mL未満の濃度)設定することが好ましい。ま
た、(2)の方法の場合は、抽出液中の心不全マーカー
の濃度であるので、5pg/mLを元に抽出率を考慮し
た2濃度(例えば、抽出率が0.02の場合、血液中濃
度46pg/mLは抽出液中濃度0.92pg/mLに
相当するので0.2pg/mL以上0.92pg/mL
未満の濃度と0.92pg/mL以上2.0pg/mL
未満の濃度)に設定することが好ましい。
ットオフを列挙すると、例えば心筋ミオシン軽鎖:2.
5ng/mL、トロポニンT:0.25ng/mL、血
清ミオグロビン:男性60ng/mL,女性35ng/
mLである。
作から行う必要がある点及び検量線作成用の血液は長期
間保存できないので測定の際に作成する煩わしさがある
が、抽出条件が変動しても正確な測定ができるという長
所がある。一方、(2)の方法は、あらかじめ抽出率を
求め、抽出操作等の条件を一定にすれば多量の検体を正
確かつ簡便に測定することができる。(1)及び(2)
の方法のうち、簡便さの観点から、(2)の方法が好ま
しい。
担体に保持・乾燥、輸送(例えば、持参、郵便及び宅配
便等)することができ、心機能の健康診断等のように多
数の検体を広い地域から集めて定量する場合に最適であ
る。又、心機能検診のほか、遠隔地の患者に対する心不
全治療の経過観察等においても、適用できる。
が本発明はこれに限定されるものではない。 <実施例1>本実施例は、血液担持担体を長期間保存し
ても正確に心不全マーカー(ANP)を定量できること
を示したものである。 1.血液担持担体用濾紙の作成 精製水1LにEDTA2ナトリウム塩1g及びアプロチ
ニン500000KIUを溶解した。この溶液を採血用
濾紙(品番BFC180、ワットマン株式会社製)に濾
紙の平方センチメートル当たり50μLの量で噴霧し
た。この濾紙を室温で自然乾燥し血液担持担体用濾紙と
した。
紙)の作成 ボランティア6名(被検者A〜F)の指先をよくマッサ
ージ及び暖めて充血させておき消毒用ガーゼで穿刺部位
を拭いて乾燥させてから、ディスポーザブル・ランセッ
ト(商品名「ヘモレット」、ミドリ十字株式会社製)で
穿刺し、最初の血滴を拭い去り、次の血滴2滴を被検者
1人当たり10枚の血液担持担体用濾紙にぞれぞれに指
先から直接滴下し吸収させた。次いで、室内(25±1
℃、65±5%RH)で風乾し(風乾時間5,20,4
0,60又は120分)、血液担持担体(血乾燥濾紙)
を得た。風燥時間毎に血液担持担体(血液乾燥濾紙)の
重量を計測し、初期血液重量(濾紙重量を除いた値)に
対する比を乾燥度を求めた(血液担持担体2枚の平均
値)。この乾燥度を表1中に示した。次いで、血液担持
担体(血液乾燥濾紙)を表1記載の保存条件で保存した
(保存日数0,3,7,14,28日)。
の条件で保存した各血液担持担体(血乾燥濾紙)の血液
担持部分の中心部を、直径6mmの1穴パンチ(事務用
として市販されている物)で打ち抜いて濾紙片を得た。
試験管に打ち抜いた濾紙片及び塩化ナトリウム含有0.
05モル/Lリン酸緩衝液(pH7.2)(抽出用溶
液)250μLを加え、30秒間攪拌(ボルテックスミ
キサーで500rpm)した後、30分間放置した。そ
の後、30秒間同様に攪拌した後1分間静置し、上清を
分取して抽出液を調製し、これを心不全マーカーの定量
に供した。
の定量 定量用試薬としては、臨床検査薬として和光純薬工業株
式会社より発売されている「α−hANPテストワコ
ー」を用いた。抽出液中の心不全マーカー量を決定する
ための標準溶液は、「α−hANPテストワコー」に付
属の標準α−hANPを用いた。本試薬は血漿中の心不
全マーカー濃度を測定するための臨床検査薬であり、抽
出液中の心不全マーカーの定量の場合は測定感度が不足
するため、試薬添付の説明書記載の操作法を以下の通り
変更して測定した。特に説明のない試薬は「α−hAN
Pテストワコー」の構成試薬を使用した。
個、反応用緩衝液150μL及び検体150μLを加
え、10℃、20時間反応した。 2)反応液をアスピレーターで吸引除去し、試験管に洗
浄液500μLを入れ吸引することで洗浄した。この洗
浄を5回実施した。 3)POD標識抗体液300μLを試験管に加え、10
℃、2時間反応した。4)2)と同様に洗浄を行った。 5)発光試薬A[ルミノールナトリウム(和光純薬工業
(株)製)0.18gと、4−(シアノメチルチオ)フ
ェノール0.1gとを、0.1M−N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)メチル/水酸化ナトリウム緩衝液
(pH8.5)1Lに溶解して作成]150μL及び発
光試薬B[200μlの35%過酸化水素水を脱イオン
水1リットルに溶解して作成]150μLを試験管に加
え生じた発光量を計測(アロカ株式会社「ルミネッセン
トリーダーBLR−201」を使用)した。 6)既知濃度のANPを測定した場合の発光量で検量線
を作成し、測定発光量を濃度値とした。
示した。 (安定度)=(所定保存期間後の定量値)×100/
(初期定量値) なお、初期定量値は、血液担持担体を作成後、直ちに抽
出用溶液に血液担持担体を投入し、抽出操作を開始して
定量したものであり、保存期間0日として示した。
液乾燥濾紙)から得た抽出液中の心不全マーカー(抗
原:ANP)は、乾燥時間が5分の場合を除き、保存温
度4℃では28日、25℃では7日間、安定度90%以
上の値を示した。従って、乾燥時間が20分以上であれ
ば、血液担持担体(血液乾燥濾紙)中の心不全マーカー
(抗原:ANP)は安定であることが判った。
長期間保存しても正確に心不全マーカー(BNP)を定
量できることを示したものである。 1.採血及び血液担持担体(血液乾燥濾紙)の作成 実施例1と同様にして、ボランティア6名(被検者A〜
F)から血液担持担体(血乾燥濾紙)を調製し、表1記
載の保存条件で保存した(保存日数0,3,7,14,
28日)。 2.抽出操作 実施例1と同様にして、抽出液を調製し、これを心不全
マーカーの定量に供した。ただし、抽出に用いる濾紙片
は3枚とした。
の定量 測定試薬は臨床検査薬として塩野義製薬式会社より発売
されている「シオノリアBNP」を用いた。抽出液中の
心不全マーカー量を決定するための標準溶液は、「シオ
ノリアBNP」の構成試薬である標準BNPを用いた。
本試薬は血漿中の心不全マーカー濃度を測定するための
臨床検査薬であり、抽出液中の心不全マーカーの定量の
場合は測定感度が不足するため、試薬添付の説明書記載
の操作法を以下の通り変更して測定した。特に説明の無
い試薬は「シオノリアBNP」の構成試薬を使用した。
中にアプロチニン500KIU、カゼイン10mgを含
むリン酸緩衝液)100μL及び検体200μLを加
え、5℃、20時間反応した。 2)反応液をアスピレーターで吸引除去し、試験管に洗
浄液500μLを入れ吸引することで洗浄した。この洗
浄を5回実施した。 3)ヨウ化BNP抗体溶液液300μLを試験管に加
え、5℃、20時間反応した。 4)2)と同様に洗浄を行った。 5)γ−カウンターで放射能カウントを計測した。 6)既知濃度のBNPを測定した場合の放射能カウント
で検量線を作成し、測定カウントを濃度値とした。
2〜21に示した。なお、初期定量値は、血液担持担体
を作成後、直ちに抽出用溶液に血液担持担体を投入し、
抽出操作を開始して定量したものであり、保存期間0日
として示した。
液乾燥濾紙)から得た抽出液中の心不全マーカー(抗
原:BNP)は、乾燥時間が5分の場合を除き、保存温
度4℃では28日、25℃では7日間、安定度90%以
上の値を示した。従って、乾燥時間が20分以上であれ
ば、血液担持担体(血液乾燥濾紙)中の心不全マーカー
(抗原:BNP)は安定であることが判った。
よって求めたANP濃度と従来の方法によるANP濃度
とが良好な相関関係にあることを示すものである。 1.標準ANP添加血液担持担体の作成 ボランティア5名(被検者G〜K)より血液1.8mL
を採取し、0.9mL×2本に分割して、その一方に
「α−hANPテストワコー」の標準ANP(0又は1
000pg/mL)を100μL加えて、標準ANP添
加血液(0又は1000pg/mL)を調製した。実施
例1で作成した血液担持担体用濾紙に標準ANP添加血
液(1000pg/mL)を100μL滴下し、室温
(25±2℃)で1時間乾燥し、標準ANP添加血液担
持担体を作成した。同様にして、他一方の標準ANP
添加血液(0pg/mL)100μLを濾紙に滴下・乾
燥し、血液担持担体を作成した。
血液担持担体及び血液担持担体からそれぞれ抽出液
を調製して、抽出液中のANP濃度を測定した。それら
の結果を表22に示した。
それらの結果を表22に示した。5名の血液での抽出率
の平均値を、本条件で作成及び抽出した場合の抽出率
(0.0236)として設定した。 抽出率=(B−A)/C A:血液担持担体から調製した抽出液中のANP濃度 B:標準ANP(1000pg/mL)添加血液担持担
体から調製した抽出液中のANP濃度 C:100pg/mL(添加したANP量)
施例1記載方法(指先から採血)及び肘正中静脈から従
来方法(採血用注射器を用いて、肘正中静脈より全血2
mL以上採取)で実施した。肘正中静脈より採取した全
血2mLをアプロチニン1000KIU及びEDTA2
ナトリウム塩3mgの入った試験管に入れ混和後、直ち
に冷却遠心機にて1500G、10分間冷却遠心し、更
に上清(血漿)部分を分取した。
乾燥濾紙)を作成した。乾燥時間は、抽出率設定の場合
と同じ1時間とした。
抽出及びANP濃度測定を実施した。一方、従来の方法
で採取、分離した血漿については、実施例1記載の「α
−hANPテストワコー」で、測定試薬に添付された説
明書通りの条件で測定を実施した。
率(0.0236)で除し、血液中のANP濃度を求め
た。従来の方法で求めた血清中のANPの濃度と本発明
の方法で求めた血液中のANP濃度を表23に示した。
また、これらの値を用いて本発明の方法によるANP濃
度と従来法によるANP濃度との相関図を図1に示し
た。図1から判るように、従来法での血漿中のANP濃
度と本発明の方法による血液中ANP濃度は、良好な相
関性を示した。図1中、式は相関式(X:従来法でのA
NP濃度、Y:本発明の方法でのANP濃度)、Rは相
関係数を示すものである。
よって求めたBNP濃度と従来の方法によるBNP濃度
とが良好な相関関係にあることを示すものである。 1.標準BNP添加血液担持担体の作成 ボランティア5名(被検者G〜K)より血液1.8mL
を採取し、0.9mL×2本に分割して、その一方に
「シオノリアBNP」の標準BNP(0又は2000p
g/mL)を100μL加えて、標準BNP添加血液を
調製した。実施例1で作成した血液担持担体用濾紙に標
準BNP添加血液(2000pg/mL)を100μL
滴下し、室温(25±2℃)で1時間乾燥し、標準BN
P添加血液担持担体を作成した。同様にして、他一方
の血液(0pg/mL)100μLlを濾紙に滴下・乾
燥し、血液担持担体を作成した。
血液担持担体及び血液担持担体からそれぞれ抽出液
を調製して、抽出液中のBNP濃度を測定した。それら
の結果を表24に示した。
それらの結果を表24に示した。5名の血液での抽出率
の平均値を、本条件で作成及び抽出した場合の抽出率
(0.0943)として設定した。 抽出率=(B−A)/C A:血液担持担体から調製した抽出液中のBNP濃度 B:標準BNP(2000pg/mL)添加血液担持担
体から調製した抽出液中のBNP濃度 C:200pg/mL(添加したBNP量)
施例1記載方法(指先から採血)及び肘正中静脈から従
来方法(採血用注射器を用いて、肘正中静脈より全血2
mL以上採取)で実施した。肘正中静脈より採取した全
血2mLをはアプロチニン1000KIU及びEDTA
2ナトリウム塩3mgの入った試験管に入れ混和後、直
ちに冷却遠心機にて1500G、10分間冷却遠心し、
更に上清(血漿)部分を分取した。
乾燥濾紙)を作成した。乾燥時間は、抽出率設定の場合
と同じ1時間とした。
抽出及びBNP濃度測定を実施した。一方、従来の方法
で採取、分離した血漿については、実施例1記載の「シ
オノリアBNPで、測定試薬に添付された説明書通りの
条件で測定を実施した。
率(0.0943)で除し、血液中のBNP濃度を求め
た。従来の方法で求めた血漿中のBNPの濃度と本発明
の方法で求めた血液中のBNP濃度を表25に示した。
また、これらの値を用いて本発明の方法によるBNP濃
度と従来法によるBNP濃度との相関図を図2に示し
た。図2から判るように、従来法での血漿中のBNP濃
度と本発明の方法による血液中BNP濃度は、良好な相
関性を示した。図2中、式は相関式(X:従来法でのB
NP濃度、Y:本発明の方法でのBNP濃度)、Rは相
関係数を示すものである。
方法によると、心不全マーカーを極めて簡易に定量する
ことができる。さらに、被検者自身で採血することがで
きるので採血のための熟練者等が不要であり、被検者が
採血のため病院等に出向く必要もないという簡便性も併
せもつものである。また、血液担持担体は、簡単に輸送
することができるので、多数の検体を一ヶ所に集めて測
定することができ輸送及び測定のコストを低減させるこ
とができる等の効果がある。従って、本発明の定量方法
は、心機能の健康診断等の多数の検体を広い地域から集
めて測定する場合に最適である。
の方法による血液中のANP濃度との相関を表すグラフ
である。
の方法による血液中のANP濃度との相関を表すグラフ
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 血液担持担体から血液成分を抽出し、該
抽出血液成分から血液中の心不全マーカーを定量するこ
とを特徴とする血液中の心不全マーカー定量方法。 - 【請求項2】 心不全マーカーが、心房負荷、心室負
荷、心筋肥大、心筋虚血及び/又は心筋壊死に起因する
慢性心不全マーカーである請求項1に記載の血液中の心
不全マーカー定量方法。 - 【請求項3】 心不全マーカーが、心房性ナトリウム利
尿ペプチド(ANP)及び/又は脳性ナトリウム利尿ペ
プチド(BNP)である請求項1に記載の血液中の心不
全マーカー定量方法。 - 【請求項4】 血液担持担体が、血液に対する抗凝固剤
及び/又は蛋白分解酵素の阻害剤を含有する吸収体に血
液を担持してなる請求項1〜3の何れかに記載の血液中
の心不全マーカー定量方法。 - 【請求項5】 血液担持担体が、濾紙を使用してなる吸
収体に血液を担持してなる請求項1〜4の何れかに記載
の血液中の心不全マーカー定量方法。 - 【請求項6】 血液担持担体が、指先から採取した血液
を担持してなる請求項1〜5の何れかに記載の血液中の
心不全マーカー定量方法。 - 【請求項7】 抽出液中の心不全マーカー濃度と、血液
成分の抽出率とから、血液中の心不全マーカー濃度を決
定する請求項1〜6の何れかに記載の血液中の心不全マ
ーカー定量方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002069934A JP3691803B2 (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 血液中の心不全マーカー定量方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002069934A JP3691803B2 (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 血液中の心不全マーカー定量方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003270250A true JP2003270250A (ja) | 2003-09-25 |
JP3691803B2 JP3691803B2 (ja) | 2005-09-07 |
Family
ID=29200642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002069934A Expired - Fee Related JP3691803B2 (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 血液中の心不全マーカー定量方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3691803B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009058511A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-19 | Cem Corp | 自動化タンパク質分析器 |
JP2009180527A (ja) * | 2008-01-29 | 2009-08-13 | Sanyo Chem Ind Ltd | 抗原含有水溶液 |
JP2010511154A (ja) * | 2006-12-01 | 2010-04-08 | スタテンス セールム インスティトゥート | 濾紙上のサンプル吸着を用いたスクリーニング方法 |
JP2011047829A (ja) * | 2009-08-27 | 2011-03-10 | Shionogi & Co Ltd | Bnpによる診断方法 |
US7968344B2 (en) | 2007-08-29 | 2011-06-28 | Cem Corporation | Automated protein analyzer |
CN108254576A (zh) * | 2018-01-25 | 2018-07-06 | 南京医科大学 | 一种腺嘌呤核苷酸转运体1的应用 |
JP2018136294A (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 | 乾燥血液試料保存基材 |
WO2018155410A1 (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 | 乾燥血液試料保存基材 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06107688A (ja) * | 1992-09-29 | 1994-04-19 | Shionogi & Co Ltd | マウス脳ナトリウム利尿ペプチド |
JPH0843294A (ja) * | 1994-08-01 | 1996-02-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 全血試料の分析方法および分析要素 |
JPH08304398A (ja) * | 1995-05-02 | 1996-11-22 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 免疫測定方法 |
JPH10104226A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-24 | Masaki Kobayashi | 血液検体採集カード |
JPH10132800A (ja) * | 1996-09-05 | 1998-05-22 | S R L:Kk | 体液分離シートと一体型の検体保護容器 |
WO1999013331A1 (fr) * | 1997-09-11 | 1999-03-18 | Shionogi & Co., Ltd. | Procede de dosage immunologique pour bnp |
-
2002
- 2002-03-14 JP JP2002069934A patent/JP3691803B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06107688A (ja) * | 1992-09-29 | 1994-04-19 | Shionogi & Co Ltd | マウス脳ナトリウム利尿ペプチド |
JPH0843294A (ja) * | 1994-08-01 | 1996-02-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 全血試料の分析方法および分析要素 |
JPH08304398A (ja) * | 1995-05-02 | 1996-11-22 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 免疫測定方法 |
JPH10132800A (ja) * | 1996-09-05 | 1998-05-22 | S R L:Kk | 体液分離シートと一体型の検体保護容器 |
JPH10104226A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-24 | Masaki Kobayashi | 血液検体採集カード |
WO1999013331A1 (fr) * | 1997-09-11 | 1999-03-18 | Shionogi & Co., Ltd. | Procede de dosage immunologique pour bnp |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010511154A (ja) * | 2006-12-01 | 2010-04-08 | スタテンス セールム インスティトゥート | 濾紙上のサンプル吸着を用いたスクリーニング方法 |
US9091632B2 (en) | 2007-08-29 | 2015-07-28 | Cem Corporation | Automated protein analyzer |
US7968344B2 (en) | 2007-08-29 | 2011-06-28 | Cem Corporation | Automated protein analyzer |
US8147759B2 (en) | 2007-08-29 | 2012-04-03 | Cem Corporation | Automated protein analyzer |
US8663993B2 (en) | 2007-08-29 | 2014-03-04 | Cem Corporation | Automated protein analyzer |
US8852948B2 (en) | 2007-08-29 | 2014-10-07 | Cem Corporation | Colorimetric protein analysis method |
JP2009058511A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-19 | Cem Corp | 自動化タンパク質分析器 |
JP2009180527A (ja) * | 2008-01-29 | 2009-08-13 | Sanyo Chem Ind Ltd | 抗原含有水溶液 |
JP4568334B2 (ja) * | 2008-01-29 | 2010-10-27 | 三洋化成工業株式会社 | 抗原含有水溶液 |
JP2011047829A (ja) * | 2009-08-27 | 2011-03-10 | Shionogi & Co Ltd | Bnpによる診断方法 |
JP2018136294A (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 | 乾燥血液試料保存基材 |
WO2018155410A1 (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 | 乾燥血液試料保存基材 |
CN108254576A (zh) * | 2018-01-25 | 2018-07-06 | 南京医科大学 | 一种腺嘌呤核苷酸转运体1的应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3691803B2 (ja) | 2005-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4796959B2 (ja) | 生体試料採取用具及び生体試料の採取方法 | |
JP3643011B2 (ja) | 定量分析法 | |
EP0111836B1 (en) | Device and method for the quantitative determination of heparin in mammalian blood plasma and method for preparing the device | |
JP5753159B2 (ja) | 内皮性機能/機能不全に関連した疾患に罹患している患者の血管作動性ホルモンに基づいた層化 | |
CN108254563B (zh) | 检测cTnI的时间分辨荧光免疫层析试纸条、试剂盒及其制备方法 | |
WO1993009439A1 (en) | A whole blood activated partial thromboplastin time test and associated apparatus | |
JP3691803B2 (ja) | 血液中の心不全マーカー定量方法 | |
CN102207507A (zh) | 心肌肌钙蛋白半定量检测试纸及制备方法 | |
JPH09504614A (ja) | 生物活性の多孔性仕切り部材 | |
JP3691798B2 (ja) | 血液中の腫瘍マーカー定量方法 | |
EP1976375A2 (en) | Storage-stable cellular whole blood composition containing elevated amounts of d-dimer | |
US9482677B2 (en) | Method, composition and device for sampling natriuretic peptides in a biological fluid | |
JP3579032B2 (ja) | 血液中の腫瘍マーカー定量方法 | |
JP2972353B2 (ja) | アネキシンの回収を改善する試薬 | |
JP2002533722A (ja) | 遠隔地での生体サンプル採取装置および採取方法 | |
JP2003270238A (ja) | 体液検査用具 | |
JP2021535380A (ja) | 糖尿病におけるマイクロサンプリング検出 | |
WO1997037035A1 (en) | Whole blood analysis of prostate specific antigen spotted on a solid support | |
JP2002277474A (ja) | 血液中のホルモン定量方法 | |
JP2002257826A (ja) | 血液中の腫瘍マーカー定量方法 | |
JP2002257834A (ja) | 血液中の腫瘍マーカー定量方法 | |
JP3076699B2 (ja) | 前立腺特異抗原の測定方法 | |
JP2002277463A (ja) | 尿中の抗原定量方法 | |
JP3664278B2 (ja) | 血漿または血清試料の調製方法 | |
JP4224592B2 (ja) | 血漿の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041109 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050614 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050616 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130624 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |