JP2003270067A - 応力センサ - Google Patents

応力センサ

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JP2003270067A JP2003033223A JP2003033223A JP2003270067A JP 2003270067 A JP2003270067 A JP 2003270067A JP 2003033223 A JP2003033223 A JP 2003033223A JP 2003033223 A JP2003033223 A JP 2003033223A JP 2003270067 A JP2003270067 A JP 2003270067A
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厚臣 犬飼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁基板3面にポスト6が固着又は一体化さ
れ、当該ポスト6への応力付与に起因する複数の抵抗素
子8への刺激による当該抵抗素子8の抵抗値変化から前
記応力の方向と大きさとを把握し得る応力センサにおい
て、各抵抗体2形状のばらつきを抑制する。 【解決手段】抵抗素子8は、絶縁基板3面に配された対
となる抵抗素子用電極である回路パターン電極1間にス
クリーン印刷法により形成される抵抗体(4)で構成さ
れ、当該電極は、絶縁基板3の一の端に配される基板端
子部5へ導体9により接続され、当該電極1及び導体9
若しくは印刷精度調整部材7は、基板(3)面から一定
高さを有しており、当該複数の抵抗素子8全てについ
て、それら付近の導体9及び当該電極1若しくは印刷精
度調整部材7の配置が、同一又は類似とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抵抗素子に関し、ま
たその適用分野としての、例えばパーソナルコンピュー
タ用ポインティングディバイスや、各種電子機器用多機
能・多方向スイッチ等に用いることができる応力センサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁基板面にポストが固着又は一体化さ
れ、当該ポストへの応力付与に起因する複数の抵抗素子
への刺激による当該抵抗素子の抵抗値変化から前記応力
の方向と大きさとを把握し得る応力センサについては、
特開2000−267803号公報にその開示がある。
ここで開示されている歪ゲージである抵抗素子の形成
は、当該抵抗素子の全ての構成要素をセラミック基板面
上へスクリーン印刷することによる。
【0003】その構造は図15に示すように、抵抗素子
22が、絶縁基板20面中心を交点とする絶縁基板20
面に沿った直交する二直線上に、且つ当該交点から実質
的に等距離位置に4つ配され、絶縁基板20面中心と底
面輪郭が正方形であるポスト30の底面の中心とが実質
的に一致するよう、且つポスト30底面の輪郭の各辺が
各々の抵抗素子22と対向するよう固着されている。ま
た基板端子部24は絶縁基板20の全周に亘り略一定間
隔をもって端部に配されている。また抵抗素子22と接
続される導体(電極)及び基板端子部24は絶縁基板2
0面にスクリーン印刷法により形成されているため、そ
れらは絶縁基板20面から一定(所定)の高さを有して
いる。
【0004】近年、抵抗素子の全ての構成要素が、セラ
ミック基板面上へスクリーン印刷することにより得られ
る形態の応力センサに加え、表面の導体層の一部を除去
処理し、その残部として得られる導体を有する絶縁基板
を用いた応力センサの開発が進められている。このよう
な絶縁基板における導体は、スクリーン印刷技術等の厚
膜技術に比べファインパターン化が容易である上に、製
造コストが低い利点を有しているためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、応力セ
ンサ用絶縁基板が、表面の導体層の一部を除去処理し、
その残部として得られる導体を有する絶縁基板であり、
応力センサが当該導体9の一部を電極とし、当該絶縁基
板面上の一対の前記電極間に膜形成される抵抗体からな
る抵抗素子を歪ゲージとしている場合、上記従来の技術
にはない問題点がある。
【0006】その問題は、抵抗素子を構成する電極(導
体)が従来はスクリーン印刷技術により形成されていた
のに対し、当該導体は表面の導体層の一部を除去処理
し、その残部として形成される違いに起因して発生す
る。
【0007】上記違いの概要を図7に示す。図7(a)
は、絶縁絶縁基板3表面の導体層の一部を除去処理して
得た導体(回路パターン電極1)を電極とした抵抗素子
8の断面概要図である。また図7(b)は厚膜技術であ
るスクリーン印刷により得た導体(抵抗素子用電極(以
下、厚膜電極と記す。))を用いた抵抗素子8の断面概
要図である。
【0008】図7(a)の導体高さは、当初に絶縁基板
3面に配される銅などからなる導体層の厚みに略依存す
る。通常この厚みは18〜36μm程度である。更に絶
縁基板3がスルーホール内導電物質をめっきにより形成
し、それを介して絶縁基板3両面の導体9同士を導通す
る、いわゆる両面基板については、当該めっきにより導
体9に更に導電物質が付着し、その高さを更に40〜7
0μm程度にまで高くする場合もある。それに対し図7
(b)の厚膜電極13の厚みは、ある程度任意に設定可
能であり、通常10μm程度に設定されている。
【0009】また回路パターン電極1と厚膜電極13と
の断面形状の相違について述べる。回路パターン電極1
はその断面形状が長方形に近似しており、回路パターン
電極1が絶縁基板3面から略垂直な面を有していること
が把握できる(図7(a))。それに対し厚膜電極13
の断面形状は、絶縁基板3面に対し斜め成分を主とする
曲線からなり、厚膜電極13が主として絶縁基板3面に
対しなだらかな面よりなることが把握できる(図7
(b))。
【0010】これら回路パターン電極1と厚膜電極13
との相違により、回路パターン電極1を電極とした抵抗
素子8(図7(a))は、厚膜電極13を電極とした抵
抗素子8(図7(b))に比べて抵抗値ばらつきが大き
くなる。前者が抵抗体2の形状を均一化するのが困難だ
からである。抵抗値ばらつきが大きいと所望の抵抗値に
まで調整する、いわゆるトリミング工程の際に過剰に長
いトリミング溝を形成することを余儀なくされる抵抗素
子8と、トリミング溝を殆ど形成する必要の無い抵抗素
子8とが混在することとなる。抵抗値が同じであって
も、このようにトリミング溝長さが極端に異なると、周
囲環境、特に周囲温度による抵抗値安定性を得ることが
できない。つまり公称の抵抗値が同一であっても、抵抗
値以外の緒特性のばらつきの大きな抵抗素子8を作製す
ることとなる。また歪ゲージとしてトリミング溝を有す
る抵抗素子8を用いる応力センサにあっては、トリミン
グ溝周辺の微細なクラックが長期間の使用により広が
り、初期の抵抗値を維持できなくなる場合もある。
【0011】このように回路パターン電極1を用いた場
合が、厚膜電極13を用いた場合に比して電極間にスク
リーン印刷技術等の厚膜技術により厚膜形成される抵抗
体2の形状が安定しにくくなる理由は、2つあると考え
られる。
【0012】第1の理由は、前述のように回路パターン
電極1高さが高いことである。スクリーン印刷法により
抵抗体2膜を形成する場合を例にとると、マスク(スク
リーン)を通過して略一定量のペースト状抵抗体が一対
の回路パターン電極1間に配されることとなる。すると
周囲温度やペースト温度、スクリーン印刷後にそれを焼
成又は硬化させて抵抗体2の形状が固定するまでの放置
時間等の要因によって、固定された抵抗体2の形状が異
なってくる。例えば周囲温度が高い等の理由で、ペース
ト粘度が低い場合には一対の回路パターン電極1間の抵
抗体2上面が略平坦になり、比較的安定した形状とな
る。それに対しペーストが、粘度の高い状態で一対の回
路パターン電極1間に配されると、配された当初の形状
をある程度保ちながら焼成・硬化により固化される。こ
の傾向は、抵抗体ペーストが熱硬化性樹脂を含んでいる
と顕著になると考えられる。加熱によってもペースト粘
度の低下が起こりにくいと考えられるためである。ここ
で回路パターン電極1高さが高いと、当該回路パターン
1周辺が抵抗ペースト粘度が高い場合のペーストの易流
動領域となる。回路パターン電極1頂面付近のペースト
が、自重により高所から低所へと移動するためである。
【0013】またスクリーン印刷法により抵抗体2膜を
形成する場合において、回路パターン電極1高さが過剰
に高いと、スキージによりペースト状抵抗体をマスク通
過させる際に、該スキージが回路パターン電極1にぶつ
かりやすくなる。すると該スキージはスムーズでない動
きでペースト状抵抗体をマスク通過させることとなり、
マスクを通過するペースト状抵抗体量をばらつかせ、更
にはペースト状抵抗体を配する位置のずれを起こし、回
路パターン電極1間に膜形成される抵抗体2の形状が安
定しにくくなる現象に拍車をかける。
【0014】第2の理由は、回路パターン電極1が絶縁
基板3面から略垂直な面を有していることである。前記
略垂直な面上に存在する抵抗体2膜厚は、それを一定値
に制御することが極めて困難である。その理由は前述し
たように、回路パターン電極1頂面付近のペーストが自
重により高所から低所に移動するに際し、前記略垂直な
面に沿っての移動のされ方は、予想が困難だからであ
る。この第2の理由は前記略垂直な面を有するのみでは
なく、1つ目の理由に付随することにより抵抗体2の形
状が安定しにくくなることとなる。つまり回路パターン
電極1高さが低い場合は、前述した回路パターン電極1
頂面付近のペーストが、自重により高所から低所へと移
動する距離が短く、前記略垂直な面から垂直方向の抵抗
体2厚みの違いによる抵抗素子の抵抗値のばらつきは殆
ど無視できるためである。
【0015】この第2の理由は、スクリーン印刷等の厚
膜技術による抵抗体2膜形成に限らず、例えばスパッタ
リング等の薄膜技術による抵抗体2膜形成による抵抗素
子8についてもあてはまる。例えば回路パターン電極1
高さが高く、且つ略垂直な面を有している状態でスパッ
タリング操作をすると、その略垂直面に付着する抵抗体
2膜厚みを一定値に制御することは困難なためである。
つまり薄膜技術による抵抗体2膜形成においても抵抗体
2形状を一定にするのは困難で、抵抗値のばらつきが生
じやすい。
【0016】このようなことから、本発明が解決しよう
とする課題は、絶縁基板表面の導体層の一部を除去処理
し、その残部として得られる導体の一部を電極とし、当
該絶縁基板3面上の一対の前記電極間に膜形成される抵
抗体を有する抵抗素子において、その抵抗値ばらつきを
低減することである。また当該抵抗素子を用いた応力セ
ンサを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1を主に参照しなが
ら、以下に本発明の第1a〜第1dの構成の応力センサ
について述べる。上記課題を解決するため、本発明の第
1aの構成の応力センサは、絶縁基板3面にポスト6が
固着又は一体化され、当該ポスト6への応力付与に起因
する複数の抵抗素子8への刺激による当該抵抗素子8の
抵抗値変化から前記応力の方向と大きさとを把握し得る
応力センサであって、当該抵抗素子8は、絶縁基板3面
に配された対となる抵抗素子用電極(回路パターン電極
1)間にスクリーン印刷法により形成される抵抗体2で
構成され、当該抵抗素子用電極は、絶縁基板3の一の端
に配される基板端子部5へ導体9により接続され、当該
抵抗素子用電極及び導体9は、絶縁基板3面から所定高
さを有しており、当該複数の抵抗素子8全てについて、
その付近の導体9及び抵抗素子用電極の配置が、同一又
は類似であることを特徴とする。
【0018】また上記課題を解決するため、本発明の応
力センサの第1bの構成は、絶縁基板3面にポスト6が
固着又は一体化され、当該ポスト6への応力付与に起因
する複数の抵抗素子8への刺激による当該抵抗素子8の
抵抗値変化から前記応力の方向と大きさとを把握し得る
応力センサであって、抵抗素子8は、絶縁基板3面に配
された対となる抵抗素子用電極(回路パターン電極1)
間にスクリーン印刷法により形成される抵抗体2で構成
され、当該抵抗素子用電極は、絶縁基板3の一の端に配
される基板端子部5へ導体9により接続され、当該抵抗
素子用電極及び導体9若しくは印刷精度調整部材7は、
絶縁基板3面から所定高さを有しており、当該複数の抵
抗素子全てについて、それら付近の導体9及び抵抗素子
用電極若しくは印刷精度調整部材7の配置が、同一又は
類似であることを特徴とする。
【0019】上記本発明の第1a、1bの構成を備える
ことにより、つまり複数の抵抗素子全てについて、その
付近の導体9及び抵抗素子用電極(回路パターン電極
1)若しくは印刷精度調整部材7の配置が、同一又は類
似であることにより、一つの応力センサを構成する絶縁
基板3全体の導体9及び抵抗素子用電極若しくは印刷精
度調整部材7がバランス良く配置されることとなる。そ
のため、抵抗体2をスクリーン印刷形成する際のスキー
ジ動作や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面の一対の回路
パターン電極1間に吐出する際のスキージ形状を各抵抗
体2毎に均一化することができる。従って一つの応力セ
ンサ内での各抵抗体2形状のばらつきを抑制することが
でき、本発明の課題を解決できる。尚、通常のスキージ
の材質はゴム系材料からなり、容易に且つ弾力的に形状
変化する。またそれ故にペーストをスクリーン開口部を
通過させることができるのである。
【0020】図2(a)はスクリーン印刷工程の様子
を、スキージの移動方向と直交する側面方向から観察し
た側面図として示している。図2(a)と同時期を、ス
クリーンと絶縁基板3との隙間から、且つ観察する角度
を絶縁基板3面に沿って90°回転させて観察したのが
図2(b)である。図2(b)において、右側の一対の
抵抗素子用電極である回路パターン電極1と左側の一対
の回路パターン電極1とを比較すると、前者の周囲には
導体9や印刷精度調整部材7が存在しないのに対し、後
者の周囲にはそれらが存在している。従って前者の回路
パターン電極1間と、後者の回路パターン電極1間とに
抵抗体2をスクリーン印刷形成する際のスキージ動作
や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面に吐出する際のスキ
ージ形状が異なってくるのは当然である。そこで上記本
発明の第1a、1bの構成を採用することにより、回路
パターン電極1周囲の導体9や印刷精度調整部材7の配
置条件を均一化でき、前述した抵抗体2をスクリーン印
刷形成する際のスキージ動作や、抵抗体ペーストを絶縁
基板3面に吐出する際のスキージ形状を均一化すること
ができるのである。
【0021】上記刺激とは、絶縁基板3の撓みに起因す
る、絶縁基板3に配された抵抗素子8の伸張、収縮や、
ポスト6底面が絶縁基板3を介さずにする抵抗素子8の
押圧、当該押圧解除等である。
【0022】一般的に応力センサは、上記抵抗値等の電
気特性を検知、演算等する制御部があってはじめて応力
センサとして機能する。しかし本明細書では、便宜上前
記制御部を除いた部分について「応力センサ」と表現す
ることとする。
【0023】また「ポスト6が絶縁基板3面に固着され
る」とは、ポスト6と絶縁基板3とがそれぞれ別の部材
であり、両者が接着剤等で固定される状態を言う。また
「ポスト6が絶縁基板3面と一体化される」とは、ポス
ト6と絶縁基板3とが一体成形等で形成された状態を言
う。後者の場合、本明細書中で「ポスト6底面の輪郭」
と表現する箇所があったときは、前者の場合における
「ポスト6底面の輪郭」と対応する部分を指している。
【0024】上記抵抗素子用電極とは、抵抗体2と接触
する電子伝導性を有する物質であり、多くの場合導体9
の一部である。例えば回路パターン電極1をいう。
【0025】上記所定高さは、スクリーン印刷法等で導
体9を厚膜形成した場合にあっては、数μm〜十数μm
となる。また、スパッタリング等で導体9を薄膜形成し
た場合にあっては数十nm程度となる。また、いわゆる
サブストラクト法やアディティブ法等の通常の印刷回路
板への導体9形成技術を採用した場合にあっては数μm
〜数十μmとなる。また「所定」であるから、絶縁基板
3面に埋設されるような形態は除外される。ここで、通
常この「所定」高さは、「一定」高さである。即ち一つ
の応力センサ内での導体等の高さに大きなばらつきがな
いことを意味する。
【0026】ここでいう「一定」は、実質的な一定を意
味し、厳密な一定を意味しない。例えばめっきによる付
着量のばらつきは無視される。「一定」とすることの利
点は、スクリーン印刷時のスキージ動作をよりスムーズ
にすることである。
【0027】また「一の端」の用語について、その表現
から狭義に、絶縁基板3を構成する一辺のみと解される
おそれが無いよう、図6(a)〜(g)に絶縁基板3の
一の端に基板端子部5が配された構成の要部を例示して
いる。即ち「一の端」は、絶縁基板3全周縁のうちの比
較的狭い領域を指している。
【0028】また上記「抵抗素子8全てについて、その
付近」とあるが、その付近とは、スクリーン印刷法によ
る抵抗体2形成により得られる抵抗体2形状に大きな影
響を与える領域である。スクリーン印刷による抵抗体2
形成の際に、応力センサ特性への影響が無視できる程度
の些細な抵抗体2形状のばらつきを生じさせる領域はこ
こでは含まれない。
【0029】また上記「類似」は、原則として応力セン
サ特性への影響が無視できる程度を基準に類否判断す
る。但し、合理的に対比すべき形状が近似していること
を条件とする。例えば図1に示す、4つの抵抗素子8の
付近の回路パターン電極1、又は印刷制度調整部材7及
び抵抗体2の配置は全体として外観上類似している。
【0030】また上記印刷精度調整部材7とは、導体9
及び抵抗素子用電極(回路パターン電極1)以外の部材
であって、必要に応じて導体9及び抵抗素子用電極に付
加して、抵抗体2をスクリーン印刷形成する際のスキー
ジ動作や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面に吐出する際
のスキージ形状を各抵抗体2毎に均一化するために絶縁
基板3面上に設ける部材である。その材質は導体、絶縁
体であるを問わない。
【0031】また印刷精度調整部材7は、導体9及び抵
抗素子用電極(回路パターン電極1)と同時形成するこ
とが、それらの高さを略一定にできる点、及び製造の容
易化の点で好ましい。例えばこれら三者をスクリーン印
刷により形成する場合は、一つの製版にこれら三者をパ
ターニング(開口部形成)する。またいわゆるサブスト
ラクト法によりこれら三者をパターニングする際も同様
に1回のエッチング操作でこれら三者が得られるように
する。
【0032】また上記課題を解決するため、本発明の応
力センサの第1cの構成は、絶縁基板3面にポスト6が
固着又は一体化され、当該ポスト6への応力付与に起因
する複数の抵抗素子への刺激による当該抵抗素子の抵抗
値変化から前記応力の方向と大きさとを把握し得る応力
センサであって、抵抗素子は、絶縁基板3面に配された
対となる抵抗素子用電極(回路パターン電極1)間にス
クリーン印刷法により形成される抵抗体2で構成され、
当該抵抗素子用電極は、絶縁基板3の一の端に配される
基板端子部5へ導体9により接続され、当該抵抗素子用
電極及び導体9若しくは印刷精度調整部材7は、絶縁基
板3面から所定高さを有しており、当該複数の抵抗素子
全てについて、それら付近の導体9及び抵抗素子用電極
(回路パターン電極1)若しくは印刷精度調整部材7の
配置が、抵抗体2周縁の三方以上を取り囲むようにされ
ることを特徴とする。
【0033】上記本発明の第1cの構成が上記本発明の
第1a、1bの構成と対比し特徴とする点は、後者が複
数の抵抗素子全てについて、それら付近の導体9及び抵
抗素子用電極(回路パターン電極1)若しくは印刷精度
調整部材7の配置が、同一又は類似であるのに対し、前
者が複数の抵抗素子8全てについて、それらの付近の導
体9及び抵抗素子用電極(回路パターン電極1)若しく
は印刷精度調整部材7の配置が、抵抗体2周縁の三方以
上を取り囲むようにされる点である。他の点における用
語の意味や各構成要素がもたらす作用等は共通してい
る。また第1aや1bの構成と第1cの構成との併有を
否定するものではないことは言うまでもない。例えば図
1に示す4つの抵抗素子8は第1aの構成と第1bの構
成と第1cの構成とを併有している。
【0034】上記「抵抗体2周縁」とは、スクリーン印
刷法による抵抗体2形成により得られる抵抗体2形状に
大きな影響を与える抵抗体端部付近、及びそれよりも外
側の領域である。これは凡そ図1に示す抵抗体2と接触
する抵抗素子用電極(回路パターン電極1)又はそれよ
りも外側、導体9や印刷精度調整部材7における抵抗体
2と近接する部分の周辺等である。スクリーン印刷によ
る抵抗体2形成の際に、応力センサ特性への影響が無視
できる程度の些細な抵抗体2形状のばらつきを生じさせ
る領域はここでは含まれない。
【0035】抵抗体2をスクリーン印刷形成する際のス
キージ動作や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面に吐出す
る際のスキージ形状の各抵抗体2毎の均一化は、第1c
の構成の採用によって達成可能である。その理由は、抵
抗体2周縁の三方以上を導体9及び抵抗素子用電極(回
路パターン電極1)若しくは印刷精度調整部材7で取り
囲んでいるため、少なくとも抵抗体2が印刷される近辺
では導体9及び抵抗素子用電極若しくは印刷精度調整部
材7とスキージとの、スクリーンを介した接点が、多く
の場合連続して多数存在しており、当該接点がスキージ
動作や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面に吐出する際の
スキージ形状の各抵抗体2毎の均一化に寄与するためで
ある。
【0036】また上記課題を解決するため、本発明の応
力センサの第1dの構成は、絶縁基板3面にポスト6が
固着又は一体化され、当該ポスト6への応力付与に起因
する複数の抵抗素子8への刺激による当該抵抗素子の抵
抗値変化から前記応力の方向と大きさとを把握し得る応
力センサであって、当該抵抗素子8は、絶縁基板3面に
配された対となる抵抗素子用電極(回路パターン電極
1)間にスクリーン印刷法により形成される抵抗体2で
構成され、当該回路パターン電極1は、絶縁基板3の一
の端に配される基板端子部5へ導体9により接続され、
当該回路パターン電極1及び導体9若しくは印刷精度調
整部材7は、絶縁基板3面から所定高さを有しており、
当該複数の抵抗素子全てを断続的又は連続的に取り囲む
よう、回路パターン電極1及び導体9若しくは印刷精度
調整部材7が配されることを特徴とする。
【0037】上記本発明の第1dの構成が上記本発明の
第1cの構成と対比し特徴とする点は、後者が複数の抵
抗素子個々を取り囲む導体9及び抵抗素子用電極(回路
パターン電極1)若しくは印刷精度調整部材7が存在す
るのに対し、前者は複数の抵抗素子をまとめて取り囲む
導体9及び抵抗素子用電極若しくは印刷精度調整部材7
が存在する点である。他の点における用語の意味や各構
成要素がもたらす作用等は共通している。また第1aの
構成及び/又は第1bの構成及び/又は第1cの構成と
第1dの構成との併有を否定しないことは言うまでもな
い。むしろ両者の利点が加算されて、より好ましい。
【0038】これら第1a〜1dの構成において、応力
センサの構成部材として、絶縁基板3面に金属箔を貼付
し、その後当該金属箔の不要部分をエッチング処理し、
抵抗素子用電極(回路パターン電極1)、導体9又は印
刷精度調整部材7を得たものを用いることが好ましい。
当該構成部材は、通常絶縁基板3面にスクリーン印刷や
スパッタリング等の厚膜・薄膜技術により抵抗素子用電
極、導体9又は印刷精度調整部材7を形成した場合に比
べ、前述のように抵抗素子用電極、導体9又は印刷精度
調整部材7の絶縁基板3面からの高さが高い。これは前
記金属箔厚みに依存したり、スルーホール内壁への導電
性物質形成のための無電解めっき工程により当該金属箔
上に当該導電性物質が析出することによるためである。
当該金属箔の厚みは現状9〜36μm程度であり、通常
18μm程度のものが用いられている。これに前記無電
解めっき工程が加わると、通常30〜50μmの回路パ
ターン電極1、導体9又は印刷精度調整部材7高さとな
る。このように抵抗素子用電極、導体9又は印刷精度調
整部材7の絶縁基板3面からの高さが高いものについて
は、抵抗体2をスクリーン印刷形成する際のスキージ動
作や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面に吐出する際のス
キージ形状の各抵抗体2毎の均一化が特に困難であり、
本発明の適用が応力センサ特性向上に大きく寄与する。
【0039】この大きな寄与が得られるのは、概ね抵抗
素子用電極(回路パターン電極1)、導体9又は印刷精
度調整部材7の絶縁基板3面からの高さが10μm以上
であり、また20μm以上の場合はより大きな寄与が得
られ、30μm以上となると更に大きな寄与が得られ
る。
【0040】また上記課題を解決するため、本発明の応
力センサの製造法は、絶縁基板3面にポスト6が固着又
は一体化され、当該ポスト6への応力付与に起因する複
数の抵抗素子8への刺激による当該抵抗素子8の抵抗値
変化から前記応力の方向と大きさとを把握し得る応力セ
ンサの製造法であって、当該抵抗素子用電極(回路パタ
ーン電極1)が、絶縁基板3の一の端に配される基板端
子部5へ導体9により接続されるよう、回路パターン電
極1、基板端子部5及び導体9を形成する第1の工程
と、少なくとも当該回路パターン電極1を被覆しないよ
うに絶縁膜を絶縁基板3面に配する第2の工程と、絶縁
基板3面に配された対となる回路パターン電極1間にス
クリーン印刷法により抵抗体2を形成する第3の工程を
有し、前記第1の工程、第2の工程及び第3の工程をこ
の順に実施することを特徴とする。
【0041】上記第1の工程は、アルミナ等の絶縁基板
3面へ導体ペーストをスクリーン印刷すること、又はガ
ラス繊維混入エポキシ樹脂の板状成形体面に銅箔を貼付
し、導体9として残したい部分以外をエッチング処理に
て除去する、いわゆるサブストラクト法、又はいわゆる
アディティブ法やめっき法等で必要部分に導体9を析出
形成する手法等にて実現される。
【0042】上記第2の工程は、後の第3の工程におけ
るスクリーン印刷法による抵抗体2形成の際のスキージ
動作や、抵抗体ペーストを絶縁基板3面に吐出する際の
スキージ形状を各抵抗体2毎に均一化させるため、抵抗
素子用電極、基板端子部5及び導体9の絶縁基板3面か
らの高さを調節する工程である。即ち、前述のように抵
抗素子用電極、導体9又は印刷精度調整部材7の絶縁基
板3面からの高さが高い程、換言するとスクリーン印刷
用スキージがスクリーンを介して当接する被印刷物面の
凹凸差が大きい程、前述のスキージ動作等を均一化し難
い。そこで当該凹凸差を小さくする、又は無くするため
に、絶縁基板3面を嵩上げして抵抗素子用電極や導体9
高さに近づける、又は当該高さを超えて前記絶縁膜にて
導体9を覆うのである。
【0043】応力センサが、ポスト6に付与された応力
により絶縁基板3を撓ませ、それに伴って抵抗素子8が
撓み、そのときの抵抗素子8の抵抗値変化を感知するも
のである場合、前記絶縁膜は、当該絶縁基板3よりも柔
軟な材料であることが好ましい。絶縁膜が絶縁基板3よ
りも剛性の高い材料であると、前記絶縁基板3の撓みを
阻害するおそれがあるためである。例えば絶縁基板3材
料がガラス繊維混入のエポキシ樹脂成形体である場合に
は、シリコーン樹脂ペーストを硬化させたもの等が好適
に使用可能である。この場合にあっては、例えば当該ペ
ーストをスクリーン印刷等で絶縁基板3面及び当該絶縁
基板3面に配されている導体9を覆うように配する。す
ると高所である導体9上のペーストが、低所である絶縁
基板3面へ流れ、その後当該ペーストを加熱硬化するこ
とで絶縁膜が形成され、前記凹凸差を小さくする又は無
くすることができる。このとき、抵抗素子用電極(回路
パターン電極1)表面には前記ペーストが配されないよ
うに留意する。その理由は、後の工程で形成される抵抗
体2との電気接続を妨げる物質を存在させないようにす
るためである。ここで言う抵抗素子用電極表面とは、当
該電極頂面及び/又は側面である。従って当該電極頂面
が露出していれば抵抗体2が配される電極間に絶縁膜が
配されていても良い場合があることは言うまでもない。
【0044】ここで回路パターン電極1表面に前記ペー
ストを配しないための手段は、例えば、当該ペーストと
回路パターン電極1との接触を妨げるためのマスキング
処理、当該ペースト硬化後のマスク除去である。また、
一旦回路パターン電極1表面に当該ペーストを被着硬化
した後、当該回路パターン電極1表面を研削処理して、
ペーストを除去する等である。
【0045】上記課題を解決する本発明の抵抗素子8の
第1の構成は、表面の導体層の一部を除去処理し、その
残部として得られるか、若しくはアディティブ法により
得られる絶縁基板3面上の導体9の一部を電極(回路パ
ターン電極1)とし、絶縁基板3面上の一対の回路パタ
ーン電極1間に膜形成される抵抗体2を有するものであ
って、前記一対の電極間距離(L)と電極高さ(h)の
比L/hが30以上であることを特徴とする。
【0046】図9に上記電極間距離(L)及び上記電極
高さ(h)の寸法測定位置を示した。比L/hを30以
上とするための手段としては、電極高さ(h)を低くす
る手段や電極間距離(L)を長くする手段がある。また
これら手段の併用の手段があることは言うまでもない。
【0047】電極高さ(h)を低くする手段により、上
記した第1の理由及び第2の理由に起因する、抵抗素子
8の抵抗値ばらつきを低減することができる。また当該
手段により、比L/hを30以上とすることで、表面の
導体層の一部を除去処理し、その残部として得られる
か、若しくはアディティブ法により得られる導体9の一
部を電極(回路パターン電極1)とし、絶縁基板3面上
の一対の前記電極間に膜形成される抵抗体2を有する抵
抗素子8であっても、その抵抗値ばらつきを低減するこ
とができる。
【0048】ここで電極高さ(h)を低くする場合にお
いて、絶縁基板3面と回路パターン電極1頂面とが同一
平面上にある構成や、絶縁基板3面よりも低い位置に回
路パターン電極1頂面がある構成にあっては、hの値が
0以下となり、比L/hが30以上とならなくなる。し
かしながらこの場合にあっても上記第1の構成及び第2
の構成と同等の効果が得られるため、本発明においては
hの値が0以下の場合も前記本発明の構成に含まれるこ
ととする。
【0049】また電極間距離(L)を長くする手段によ
り、比L/hを30以上とすることで、上記した第1の
理由及び第2の理由に起因する、回路パターン電極1付
近における抵抗体2形状のばらつきが生じた場合であっ
ても、抵抗値のばらつきが無視できる程度とすることが
できる。つまり、一対の回路パターン電極1間にある抵
抗体2において、回路パターン電極1表面から沖合いに
ある、比較的形状に再現性のある抵抗体2存在比を高め
ることによって、抵抗素子8の抵抗値ばらつきを低減す
るのである。換言すれば抵抗値を決定する要因の中の、
不安定な要因(回路パターン電極1近辺の抵抗体2)と
安定な要因(回路パターン電極1表面から沖合いにあ
る、比較的形状に再現性のある抵抗体2)との比におい
て、安定な要因比を増加させることによって、抵抗素子
8の抵抗値ばらつきを抑えるのである。
【0050】本発明の第1の構成の抵抗素子8におい
て、比L/hを30以上とする技術的意味は、実験結果
による。比L/hを約24とした場合には、抵抗素子8
の抵抗値ばらつきが±17%の範囲(n=30)だっ
た。そこで比L/hを約30とした場合には、抵抗素子
8の抵抗値ばらつきが±9%の範囲(n=30)とな
り、その後比L/hを約40、約45、約50、約5
5、約60とすると、僅かながら抵抗値ばらつきが順に
小さくなっていくが、概ね比L/hを約30とした場合
と大きく差が広がらなかった。これが「比L/hを30
以上」を誘導した過程・理由である。
【0051】上述した課題を解決するための本発明の第
1の構成の抵抗素子の製造法は、絶縁基板3面上の導体
9を得る第4の工程と、当該導体9の一部又は全部の高
さを能動的に調整する第5の工程と、前記導体9の一部
を電極とし、絶縁基板3面上の一対の前記電極間に抵抗
体2を膜形成する第6の工程とを有し、これら第4〜6
の工程をこの番号順に実施し、当該第5の工程において
前記一対の電極間距離(L)と導体9高さ(h)の比L
/hを30以上とするか、又は前記hの値を0以下とす
ることを特徴とする。
【0052】上記第4の工程は、前述したように絶縁基
板3表面の導体9層を除去処理するか、若しくはアディ
ティブ法により絶縁基板3面上の導体9層を得る工程等
である。
【0053】上記第5の工程は、例えば絶縁基板3面の
プレス工程による。これは一旦高く形成した回路パター
ン電極1を絶縁基板3内にめり込ませるか、回路パター
ン電極1自体を変形させて結果的に電極高さ(h)を低
くなるよう調整し、比L/hを30以上とする工程であ
る。ここでのプレス工程は、ローラープレスや、窪みの
無い平板をダイとして用いる圧下によるプレス等での絶
縁基板3面全体のプレス工程、又は回路パターン電極1
に相当する部分のみのプレス工程等が含まれる。
【0054】また上記第5の工程は、例えば絶縁基板3
面の研削又は酸処理工程としてもよい。この工程は紙や
すり等での機械的な研削や、絶縁基板3を酸性溶液に浸
漬して金属を溶解し、結果的に回路パターン電極1高さ
(h)を低くなるよう調整し、比L/hを30以上とす
る工程である。この場合において、スルーホール内導電
物質を介して絶縁基板3両面の導体9パターンが導通す
る部分を有する形態の絶縁基板3を用いる際には、該ス
ルーホール内導電物質が過剰に溶解しないよう、スルー
ホール部をマスキングして酸性溶液に接しないようにす
ることが好ましい。
【0055】上記本発明の抵抗素子8の第1の構成にお
いて、スルーホール内導電物質を介して絶縁基板3両面
の回路パターンが導通する部分を有し、絶縁基板3面の
導体9の一部を回路パターン電極1とし、絶縁基板3面
上の一対の前記電極間に膜形成される抵抗体2を有する
場合、特に電極高さ(h)が高くなるおそれがあり、本
発明の適用は好ましい。前記電極高さ(h)が高くなる
おそれがある理由は、いわゆる両面配線基板製造過程で
は、絶縁基板3のスルーホール内壁に導電層を形成して
両面の配線を導通させるために、無電解めっき工程を有
し、その際に回路パターン電極1となる部分にも無電解
めっき層が形成されるためである。
【0056】このようにめっき工程を含む場合の上記第
5の工程は、絶縁基板3面上の一対の電極を被覆した上
での絶縁基板3スルーホール内へのめっき処理工程とし
てもよい。そして電極高さ(h)を低く維持するよう調
整し、比L/hを30以上とする。
【0057】本発明において、これら例示した第5の工
程を2以上組合せてもよいことは言うまでもない。
【0058】また本発明の応力センサの第2の構成は、
上述した全ての本発明の第1の構成の抵抗素子8を構成
する絶縁基板3のどちらか一方の面にポスト6が固着又
は一体化され、ポスト6への応力付与に起因する抵抗素
子8の抵抗値変化により前記応力の方向と大きさとを把
握することを特徴とする。
【0059】上記応力センサは、例えば図1や図8に示
すように、抵抗素子8を構成する絶縁基板3面のセンサ
有効領域の中心を交点とする、絶縁基板3面に沿った直
交する二直線上、且つ当該交点から実質的に等距離位置
に抵抗素子8が配され、ポスト6が絶縁基板3面中心と
ポスト6底面の中心とが実質的に一致するよう絶縁基板
3面に固着又は一体化され、ポスト6への応力付与に起
因する抵抗素子8の伸張、収縮又は圧縮による抵抗値変
化から前記応力の方向と強さとを把握するものである。
【0060】図8に基いて更に本発明の応力センサの構
成一例を説明する。絶縁基板3は、例えばガラス繊維が
混入されたエポキシ樹脂の板からなる。絶縁基板3下面
には四対の回路パターン電極1が設けられ、それぞれの
電極間には抵抗体2が配されており、これらにより抵抗
素子8が構成される。抵抗素子8は、絶縁基板3面中心
を交点とする、絶縁基板3面に沿った直交する二直線
上、且つ当該交点から実質的に等距離位置に配される。
絶縁基板3上面には底面外形が略正方形のポスト6が接
着剤等で固着されている。このときポスト6底面の中心
と前記絶縁基板3面中心とが実質的に一致するようにす
る。
【0061】また絶縁基板3にはL字状の穴10が、L
字の曲がり角部が絶縁基板3中心に向かうように設けら
れている。この穴10は、ポスト6へ付与された応力に
より絶縁基板3を撓み易くする役割、及び当該応力を各
々の抵抗素子8に効率良く伝達する役割を有している。
即ち穴10が無い状態でポスト6に応力を任意方向に付
与すると、絶縁基板3の撓み量が十分でない場合がある
上に、当該任意方向に付与された応力がその方向とは無
関係な抵抗素子8にまで伝播するおそれがあるため、穴
10が形成されているのが好ましい。
【0062】また各々の抵抗素子8と直列接続されるト
リマブルチップ抵抗器11が絶縁基板3上面に配されて
いる。絶縁基板3下面の抵抗素子8と絶縁基板3上面の
トリマブルチップ抵抗器11とは、図示しない絶縁基板
3スルーホール(バイアホール)を通じて電気接続され
る。トリマブルチップ抵抗器11は、各々の抵抗素子8
の抵抗値を一定範囲に調整するのが困難な場合、トリマ
ブルチップ抵抗器11をレーザトリマ等でトリミングし
て、抵抗素子8とトリマブルチップ抵抗器11との抵抗
値の和を一定範囲に調整して用いる際に要する。その際
の抵抗素子8とトリマブルチップ抵抗器11との電気接
続状態は、例えば図4に示すようにする。応力センサか
らの電気信号は端子10を介して出力される。
【0063】支持用穴12は応力センサを電子機器等の
筐体に固定する際に、その固定用として用いられる。そ
の固定状態では穴10の外側の絶縁基板3周縁部は、ポ
スト6に応力を付与した場合でも殆ど変形しない非変形
部となり、穴10の内側はポスト6に応力を付与すると
変形し、抵抗素子8を伸張、収縮させる変形部となる。
トリマブルチップ抵抗器11は、その絶縁基板3の変形
の影響を受けて抵抗値変化しないよう、前記非変形部に
配するのが好ましい。
【0064】第2の構成の応力センサに用いた用語の意
味は第1a〜1dの構成の応力センサと共通している。
また第1a〜第1dの構成と第2の構成の併有を否定し
ないことは言うまでもない。むしろこれらの構成の利点
が加算され、より好ましい。
【0065】図8に示す構成において、特に穴10、支
持用穴12、トリマブルチップ抵抗器11は第2の構成
の応力センサにとって任意的構成要件(必須要件でな
い)である。仮にこれらを構成要件に含めるとしても、
穴10の形状はL字状に限定されないし、支持用穴12
の配置は外形が四角形の絶縁基板3の四隅に限定されな
い。穴10形状は、例えば円形、四角形、丸みを帯びた
四角形等、応力センサの設計上の制限事項、求められる
機能、用途等に応じて適宜変更可能である。また支持用
穴12は、図8における四角形の絶縁基板3端部の各辺
の中間付近に配する等が可能である。
【0066】図1又は図8に示す構成において、ポスト
6底面と抵抗素子8の一部又は全域が、絶縁基板3を介
さずに重なった状態にある構成としてもよい。この場合
ポスト6と抵抗素子8とが同一絶縁基板3面上に配され
る。この構成は、抵抗素子8の感度を高めることができ
る利点を有している。その理由はポスト6に与えられた
応力が絶縁基板3を介さずにポスト6底面により略直接
抵抗素子2を刺激するためである。その刺激の結果、抵
抗素子8の抵抗体2部分が圧縮され、特性値である抵抗
値が大きく変化することとなる。前記刺激を解くと、一
旦圧縮された抵抗体部分が伸張し、抵抗値が元に戻る。
【0067】このように同一絶縁基板3面上に抵抗素子
8が配され且つポスト6が固着される構成の更なる利点
は、絶縁基板3の一方の面への搭載の操作のみにより本
発明の応力センサが製造可能となることである。前記搭
載操作とは、抵抗体2を配する操作や、ポスト6の絶縁
基板3面への接着剤等を用いた固着操作等である。絶縁
基板3両面に搭載する場合、一方の絶縁基板3面へ搭載
する際に他方の絶縁基板3面を載置する場所の清浄さ、
柔らかさ等、厳しい条件が課される。その点同一絶縁基
板3面に搭載するのであれば、そのような厳しい条件は
課されない。更なる利点は、抵抗素子8とポスト6との
位置合わせ作業が容易となることである。抵抗素子8と
ポスト6との位置関係は、応力センサの性能を左右する
重要な要因である。
【0068】例えば図8において、ポスト6位置が抵抗
素子8位置に対して大きくずれてしまうと、ポスト6へ
付与された応力による各抵抗素子8への伝わり方が異な
る結果となる。絶縁基板3にポスト6と抵抗素子8とを
別々の面に搭載する場合、一方の絶縁基板3面を目視し
ていれば、他方の絶縁基板3面を見ることができない。
このためポスト6と抵抗素子8との相対的な位置関係を
把握することは困難で、それらの位置ずれが起こりやす
かった。その点同一絶縁基板3面に搭載するのであれ
ば、ポスト6と抵抗素子8との相対的な位置関係を把握
することは非常に容易なため、前記位置ずれは起こりに
くい。また一旦位置ずれを起こしたものを除去する際の
目視チェックも容易となる。
【0069】また上記図1又は図8に示した構成におい
て、少なくとも抵抗素子8を覆う保護膜を有することが
好ましい。当該保護層は、絶縁基板3よりも柔軟な材料
等であり。そのような材料としてはシリコーン系樹脂材
料、ゴム系材料などがある。当該柔軟な材料は、絶縁基
板3の撓みに追随する抵抗素子8の繰返しの撓み(伸
張、収縮)に起因する、絶縁基板3と抵抗素子8との密
着性低下を抑制する効果がある。
【0070】また上記図1や図8に示した構成におい
て、ポスト6の材質は、金属、セラミック、樹脂又は繊
維強化樹脂からなるものから選択できる。鉄や高炭素鋼
等の金属やセラミックをポスト6の材質とする場合の利
点は、それらの剛性から、与えられた応力を正確に抵抗
素子8に伝達できることである。また樹脂又は繊維強化
樹脂をポスト6の材質とする場合の第1の利点は、その
製造に際し、エネルギー消費が少ないことが挙げられ
る。例えば樹脂又は繊維強化樹脂を成形・硬化させる温
度は、セラミックの焼結温度や金属の鋳造温度に比して
非常に低い。第2の利点はセラミックや金属に比して成
形性に優れることである。例えば複雑な形状のポスト6
を製造する際には、セラミックの成形・焼結工程、金属
の鋳造工程を経るとヒビが入るおそれがある。この原因
は冷却の際に、非常に高い温度から常温までの温度変化
に伴う体積収縮に剛体が追随しにくいことにある。それ
に対し樹脂又は繊維強化樹脂を用いる場合は、樹脂の溶
融温度が前記焼結温度や鋳造温度に比して非常に低い上
に、樹脂の剛性が金属やセラミックに比して低いため、
そのようなおそれは殆ど無いと言える。
【0071】このポスト6は、本発明の応力センサをパ
ーソナルコンピュータ用ポインティングディバイスや、
携帯電話等の各種電子機器、特に小型携帯電子機器の多
機能多方向スイッチ等に適用する際に用いられ得る。こ
こで前記多機能多方向スイッチとして本発明の応力セン
サを用いる場合は、操作する者が触感でどの方向に応力
を付与するべきかを認識可能とするために、ポスト6側
面の断面形状を多角形とし、ポスト6側面における各平
面に対し垂直に応力を付与することによって各命令を電
子機器に送信させることができるようにするのが好まし
い。このような断面多角形とする場合のポスト6形状の
複雑さ等を考慮した場合、前述したようにポスト6は樹
脂又は繊維強化樹脂からなることが好ましい。
【0072】また樹脂を用いる場合の材料としては、ポ
リビニルテレフタレート(PVT)や、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)が、特に好適に使用できる。こ
のPVT、PBTは、樹脂系材料の中では特に剛性に優
れるため、付与された応力を比較的正確に伝達できる利
点がある。また耐熱性も良好であることから、使用環境
が常温よりも多少高温である場合であっても、前記剛性
を維持し得る利点を有している。
【0073】また上記図1や図8に示した構成におい
て、絶縁基板3の材質は樹脂系材料を主成分とするも
の、非導電性材料で表面を被覆した金属、又はセラミッ
ク等から選択できる。前記樹脂系材料を主成分とするも
のとしては、例えばフェノール樹脂単体や、ガラス繊維
混入エポキシ樹脂成形体等の繊維強化樹脂等がある。前
記非導電性材料で表面を被覆した金属としては、鉄やア
ルミニウム板にポリエチレン樹脂をコーティングしたも
の等である。前記セラミックとしては、アルミナ等があ
る。絶縁基板3は、ある程度撓むことのできる柔軟性及
び多数回の撓みに対して、応力を除いたときにその形状
を復元することができる剛性及び弾力性とを併せ持つ必
要があり、これら例示した材料はいずれもそれらを満足
し得る。
【0074】第2の構成の応力センサが、本発明の第1
の構成の抵抗素子8を構成要件とする理由を説明する。
本発明の応力センサは、ポスト6への応力付与に起因す
る抵抗素子8の抵抗値変化により前記応力の方向と大き
さとを把握する。従って、各抵抗素子8の形成状態に大
きな違いがあると、応力センサの出力特性のバランスや
安定性に問題を生ずる。例えば各抵抗素子8が直接トリ
ミングされるものである場合、形成されるトリミング溝
長さに大きな違いがあると、その溝長さが長いもの程感
度が高くなる。また感度が高い抵抗素子8は、長期間に
亘る使用により初期の抵抗値からのずれを生じやすい。
これらのことから各抵抗素子8のトリミング溝形成前の
抵抗値ばらつきを極力小さくし、トリミング溝長さを均
一にできる方が好ましい。従って本発明の抵抗素子8の
ように、形成当初から抵抗値ばらつきの小さいものを構
成要件とするのは、大きな利点である。同様の理由か
ら、第2の構成と第1a〜1dのいずれかの構成とを併
有する応力センサは更に好ましい構成である。
【0075】また各抵抗素子8が直接トリミングされ
ず、上記のようにトリマブルチップ抵抗器11をトリミ
ングすることにより間接的に抵抗値調整された応力セン
サであっても、そのトリマブルチップ抵抗器11のトリ
ミング溝長さのばらつきが大きい場合には、周囲環境に
よっては応力センサの出力特性のバランスや安定性に問
題を生ずる。例えばトリマブルチップ抵抗器11のトリ
ミング溝長さが長いものは、周囲温度によって抵抗値が
変化しやすい。従ってトリマブルチップ抵抗器11を用
いて抵抗値調整する場合であっても本発明の抵抗素子8
のように、形成当初から抵抗値ばらつきの小さいものを
構成要件とするのは、大きな利点である。
【0076】また後者の場合は、各抵抗素子8の抵抗値
ばらつきが直接に出力(感度)のばらつきとなる。具体
例を、図8に示す一つの応力センサに4つの抵抗素子8
がある場合について述べる。一つの抵抗素子Aの抵抗値
をRとし、別の抵抗素子Bの抵抗値を抵抗素子Aの半分
のR/2と仮定する。絶縁基板3を、抵抗素子A、抵抗
素子Bを同量撓ませるよう撓ませた場合、抵抗素子Aの
抵抗値が仮に2倍になると、抵抗素子Bの抵抗値も2倍
になる。その結果抵抗素子Aの抵抗値は2×Rとなり、
抵抗素子Bの抵抗値はRとなる。従って抵抗素子Aの抵
抗値変化量はRとなり、抵抗素子Bの抵抗値変化量はR
/2となる。このように同じ応力を、抵抗値の異なる抵
抗素子に付与した場合、抵抗値変化率は等しいが、抵抗
値変化量は2倍異なる。通常抵抗素子を歪ゲージとする
応力センサは、抵抗値変化量を応力の大きさとして出力
する。従って本発明の抵抗素子8のように、形成当初か
ら抵抗値ばらつきの小さいものを構成要件とするのは、
大きな利点である。
【0077】上記課題を解決するための本発明の第3の
応力センサは、表面の導体層の一部を除去処理し、その
残部として得られるか、若しくはアディティブ法により
得られる絶縁基板3面上の導体9を有する絶縁基板3面
に抵抗素子8が配され、絶縁基板3のどちらか一方の面
にポスト6が固着又は一体化され、ポスト6への応力付
与に起因する抵抗素子8の抵抗値変化により前記応力の
方向と大きさとを把握する応力センサであって、抵抗素
子8が、導体9と電気接続するよう膜形成された抵抗素
子8用電極と抵抗素子8用電極間に厚膜形成される抵抗
体2からなり、抵抗体2が主として抵抗素子8用電極の
平坦部と接していることを特徴とする。
【0078】上記第3の構成を有することで、抵抗素子
8を構成する電極について、高さが高いこと(第1の理
由)、絶縁基板3面から略垂直な面を有していること
(第2の理由)、これら2つの理由を本発明の構成に含
ませないことができ、そのことにより、抵抗素子8の抵
抗値ばらつきを低減できる。
【0079】図10におけるスクリーン印刷法等による
厚膜電極13は、抵抗体2との接触面において第1の理
由及び第2の理由を有さない(図10(b))ため、厚
膜電極13を用いた抵抗素子8は、その抵抗値ばらつき
が小さい。但し、抵抗値ばらつきを更に低減するには、
抵抗体2が主として抵抗素子8用電極(厚膜電極13)
の平坦部と接するようにする。この理由は、前記第1の
理由の影響を避けるためである。例えば図10(b)に
おいて、導体9近傍の厚膜電極13は、絶縁基板3に対
し前記略垂直な面を有している。この前記略垂直な面に
抵抗体2が接触する程にまで抵抗体2と導体9とを接近
させることは、前述した第1の理由を含むこととなり、
好ましくないためである。
【0080】図11は上記平坦部の意味をある程度明ら
かにするための説明図である。抵抗素子用電極である厚
膜電極13をa、b、c、の断面領域に分ける。aの領
域は実質的に導体9の外形と相似であり、この領域に抵
抗体2が配される場合は、前述した第1及び第2の理由
を含む抵抗素子8を得ることとなる。bの領域は、略平
坦部であり、絶縁基板3面からの高さが通常の厚膜印刷
(スクリーン印刷等)で得られる、10μm程度であ
る。従ってこの領域に抵抗体2が配される場合は、前述
した第1及び第2の理由を有さない抵抗素子8を得るこ
ととなる。cの領域はその厚膜電極13の外形が平坦で
はないが、絶縁基板3面からの高さが10μmを下回る
厚みで、且つなだらかな斜面となっている。従ってこの
領域に抵抗体2が配される場合は、前述した第1及び第
2の理由を有さない抵抗素子8を得ることとなる。本発
明で「主として抵抗素子用電極の平坦部」というときに
は、図11における領域b及び領域cを指している。
【0081】また使用する抵抗体2用ペーストのペース
ト性状によっては、aの領域が図11に示したような絶
縁基板3面に対して垂直な面とならずに、絶縁基板3面
に対して斜め成分を主とした面を含む場合がある。その
ような場合は、実質的に平坦で、前述した第1及び第2
の理由を有さない領域がbの領域、cの領域となる。現
在のところ、導体9と、抵抗体2との最短距離を概ね導
体9高さ分以上とすることにより、経験的に前述した第
1及び第2の理由を有さない抵抗素子8を得ることがで
きることが把握できている。
【0082】このように導体9と、抵抗体2との最短距
離を所定距離(導体9高さ)以上とすることにより、前
述したような、スクリーン印刷法により抵抗体2膜を形
成する場合において、導体9とスキージとのぶつかりに
起因するペースト状抵抗体量のばらつき、ペースト状抵
抗体を配する位置のずれを低減でき、導体9間に膜形成
される抵抗体2の形状を安定させることができる。スキ
ージが導体9とぶつかる位置と、実際にペースト状抵抗
体を配する位置とが離れているためである。ここで厚膜
電極13をスクリーン印刷法により配する場合にはスキ
ージが導体9とぶつかる影響を受けるが、その影響は導
体9付近におけるものが主であり、抵抗体2との接触部
付近は影響を受けにくい。その理由は、前記接触部付近
における厚膜電極13の形成が、抵抗体2と導体9との
最短距離以上離れた位置における厚膜電極13の形成で
あり、前述した、抵抗体2膜を形成する場合に前記影響
を受けにくい理由と同様の理由があるためである。また
導体9と厚膜電極13との接続状態に多少のばらつきが
あっても、それらの固有抵抗の低さから、殆ど抵抗素子
8の抵抗値ばらつきに影響を与えない。
【0083】応力センサ用歪ゲージとしての抵抗素子8
を構成する抵抗体2及び厚膜電極13を共に膜形成する
別の利点は、それらの密着強度が高いことである。導体
9と抵抗体2との密着性は低く、応力センサ動作時に導
体9と抵抗体2との界面に多数回の繰返しの応力が付与
された場合、当該界面において剥離するおそれは否定で
きない。それに対し、抵抗体2と厚膜電極13との界面
は、通常の応力センサの使用状態を長期間継続したとし
ても剥離するようなおそれはないと考えられる。ここで
言う抵抗体2、厚膜電極13としてはメタルグレーズ系
材料と樹脂系材料との双方を含む。特に抵抗体2、厚膜
電極13の双方が樹脂系材料である場合、それら界面の
密着性の高さ、及び樹脂の弾性による付与される応力へ
の追随性、応力解除時の復元性の点で他の材料系に比し
て応力センサ用歪ゲージとしての抵抗素子8構成材料と
して、適していると言える。
【0084】上記抵抗素子の構成において、スルーホー
ル内導電物質を介して絶縁基板3両面の導体9が導通す
る部分を有する場合、通常よりも導体9高さが高くなる
おそれがあり、本発明の適用は特に好ましい。導体9高
さが高くなるおそれがある理由は、いわゆる両面配線基
板製造過程では、絶縁基板3のスルーホール内壁に導電
層を形成して両面の配線を導通させるために、無電解め
っき工程を有し、その際に導体9となる部分にも無電解
めっき層が形成されるためである。
【0085】第3の構成の応力センサは、例えば図8に
示すように、抵抗素子8を構成する絶縁基板3面のセン
サ有効領域の中心を交点とする、絶縁基板3面に沿った
直交する二直線上、且つ当該交点から実質的に等距離位
置に抵抗素子8が配され、ポスト6が絶縁基板3面中心
とポスト6底面の中心とが実質的に一致するよう絶縁基
板3面に固着又は一体化され、ポスト6への応力付与に
起因する抵抗素子8の伸張、収縮又は圧縮による抵抗値
変化から前記応力の方向と強さとを把握するものであ
る。
【0086】図8に基いて第3の構成の応力センサの一
例を説明する。ここで図8における抵抗体2と接する導
体9、即ち回路パターン電極1は、厚膜電極13に代わ
ることとなる。絶縁基板3は、例えばガラス繊維が混入
されたエポキシ樹脂の板からなる。絶縁基板3下面には
4対の厚膜電極13が導体9と電気接続するよう設けら
れ、それぞれの対となる厚膜電極13間には抵抗体2が
配されており、これらにより抵抗素子8が構成される。
抵抗素子8は、絶縁基板3面中心を交点とする、絶縁基
板3面に沿った直交する二直線上、且つ当該交点から実
質的に等距離位置に配される。絶縁基板3上面には底面
外形が略正方形のポスト6が接着剤等で固着されてい
る。このときポスト6底面の中心と前記絶縁基板3面中
心とが実質的に一致するようにする。また絶縁基板3に
はL字状の穴10が、L字の曲がり角部が絶縁基板3中
心に向かうように設けられている。この穴10の役割
は、前述の第2の構成の応力センサについての説明のと
おりである。
【0087】また各々の抵抗素子8と直列接続されるト
リマブルチップ抵抗器11が絶縁基板3上面に配されて
いることの利点は、第2の構成の説明と重複するため省
略する。
【0088】上記「センサ有効領域の中心」、「ポスト
6底面の中心」における「中心」は、厳密な中心点を指
すのではなく、応力センサが有効に機能する範囲での当
該中心点からのずれを含む。その他の第3の構成の応力
センサの説明に用いた用語の意味は第1a〜1d又は第
2の構成の応力センサと共通している。また第1a〜第
1dの構成及び第2の構成と第3の構成の併有を否定し
ないことは言うまでもない。むしろこれらの構成の利点
が加算され、より好ましい。
【0089】図8に示す第3の応力センサの構成におい
ても、特に穴10、支持用穴12、トリマブルチップ抵
抗器11は本発明の応力センサにとって任意的構成要件
(必須要件でない)である。仮にこれらを構成要件に含
めるとしても、穴10の形状はL字状に限定されない
し、支持用穴12の配置は外形が四角形の絶縁基板3の
四隅に限定されない。穴10形状は、例えば円形、四角
形、丸みを帯びた四角形等、応力センサの設計上の制限
事項、求められる機能、用途等に応じて適宜変更可能で
ある。また支持用穴12は、図8における四角形の絶縁
基板3端部の各辺の中間付近に配する等が可能である。
【0090】図8に示す第3の構成の応力センサにおい
ても、ポスト6底面と抵抗素子8の一部又は全域が、絶
縁基板3を介さずに重なった状態にある構成としてもよ
い。この場合の利点は、第2の構成の応力センサにおけ
る同様の構成により得られる利点と同様である。また第
2の構成の応力センサと同様の理由から上記図8に示し
た第3の構成において、少なくとも抵抗素子8を覆う保
護膜を有することが好ましい。第3の構成の応力センサ
が、抵抗素子8を構成要件とする利点についても形成当
初から抵抗値ばらつきの小さいものを用いる点で第2の
構成の応力センサと同様である。
【0091】上記課題を解決するための本発明の抵抗素
子8の第2の構成は、表面の導体層の一部を除去処理
し、その残部として得られるか、若しくはアディティブ
法により得られる絶縁基板3面上の導体9の一部を電極
とし、絶縁基板3面上の一対の回路パターン電極1間に
膜形成される抵抗体2を有するものであって、抵抗体2
が前記一対の回路パターン電極1幅方向両端を覆うこと
を特徴とする。ここで電極幅方向とは、抵抗素子8に通
電した際の電流進行方向と、絶縁基板3面に沿って直交
する方向である。
【0092】上記本発明の抵抗素子8の第2の構成を有
することで、図12(a)に示す、従来発生させていた
滲み14の発生を低減できるので、抵抗素子8の抵抗値
ばらつきを低減できる。滲み14は抵抗体2からなり、
回路バターン電極1に接し、もう一方の対向する電極と
導通することから、抵抗素子8の抵抗値に影響する。そ
の影響の度合いは、滲み14の量や形状等に依存する不
確定な要因である。それは前述したように滲み14量や
その形状をコントロールすることが極めて困難だからで
ある。そこで上記本発明の構成のように上記不確定要因
を略無くすことで、表面の導体層の一部を除去処理し、
その残部として得られる導体9の一部を電極とし、当該
絶縁基板3面上の一対の前記電極間に膜形成される抵抗
体2を有する抵抗素子8においてもその抵抗値ばらつき
を低減することができるのである。
【0093】このように回路パターン電極1を用いた場
合が、厚膜電極13を用いた場合に比して滲み14が発
生しやすい、考えられる理由を述べる。前述のように回
路パターン電極1高さが高く、且つ回路パターン電極1
が絶縁基板3面から略垂直な面を有していることが主な
理由であると考えられる。つまり、スクリーン印刷法に
より厚膜抵抗体を形成する場合を例にとると、まずマス
クを通過して略一定量のペースト状抵抗体が一対の回路
パターン電極1間に配される。すると回路パターン電極
1周辺が抵抗ペーストの易流動領域となる。回路パター
ン電極1周辺は、回路パターン電極1頂面付近のペース
トが、自重により高所から低所へと前記略垂直な面に沿
って移動し易くなるためである。この移動のし易さによ
りその移動量が過剰となり、当該過剰分が滲み14とな
る。
【0094】従来の、図12(b)に示した抵抗素子8
では、厚膜電極13の高さが低く、厚膜電極13が絶縁
基板3面からなだらかな面を有しているため、その面上
はペースト状抵抗体の易流動領域とはならず、滲み14
が発生しにくい条件となっているのである。
【0095】次に、上記本発明の抵抗素子8の第2の構
成を有することで、上記不確定要因を無くすことができ
ているかどうかについて説明する。図13に本発明の抵
抗素子8の一例を示した。この抵抗素子8断面は、図2
(a)に示す断面と略同じ形態を有すると考えられる。
しかし図13に示すように予め滲み14(図12
(a))が発生するだろう部分にペースト状の抵抗体2
を配しておくと、仮に上記易流動領域において当該ペー
ストの自重による高所から低所への略垂直な面に沿った
移動が起こったとしても、過剰の移動量分は、回路パタ
ーン電極1表面から沖合いにある、抵抗体2ペーストと
混ざり合うこととなる。もともと滲み14にかかる抵抗
体2ペースト量は微量であるため、前記沖合いにある抵
抗体2ペーストと混ざり合ったとしても、その抵抗値変
化は無視できる程度であり、上記不確定要因とはなり得
ない。図12(a)における滲み14は、微量ではある
が、通電時に電流密度が高い、対向する抵抗素子用電極
間における抵抗体2/回路パターン電極1界面の面積を
増加させる要因となっていたため、その抵抗値に対する
影響度が大きく、上記不確定要因となっていたのであ
る。これで上記本発明の構成を有することで、上記不確
定要因を無くすことができることが明確になった。
【0096】上記本発明の抵抗素子8の第2の構成にお
いて、スルーホール内導電物質を介して絶縁基板3両面
の回路パターンが導通する部分を有し、絶縁基板3面の
導体9の一部を電極とし、絶縁基板3面上の一対の前記
電極間に膜形成される抵抗体2を有する場合、通常より
も電極高さが高くなるおそれがあり、本発明の適用は特
に好ましい。前記電極高さが高くなるおそれがある理由
は、いわゆる両面配線基板製造過程では、絶縁基板3の
スルーホール内壁に導電層を形成して両面の配線を導通
させるために、無電解めっき工程を有し、その際に回路
パターン電極1となる部分にも無電解めっき層が形成さ
れるためである。
【0097】また本発明の第4の構成の応力センサは、
上述した本発明の第2構成又はそれを基本とした好まし
い構成における抵抗素子8を歪みゲージとして用い、絶
縁基板3のどちらか一方の面にポスト6が固着又は一体
化され、ポスト6への応力付与に起因する抵抗素子8の
抵抗値変化により前記応力の方向と大きさとを把握する
ことを特徴とする。
【0098】上記応力センサは、例えば図1や図8に示
すように、抵抗素子8を構成する絶縁基板3面のセンサ
有効領域の中心を交点とする、絶縁基板3面に沿った直
交する二直線上、且つ当該交点から実質的に等距離位置
に抵抗素子8が配され、ポスト6が絶縁基板3面中心と
ポスト6底面の中心とが実質的に一致するよう絶縁基板
3面に固着又は一体化され、ポスト6への応力付与に起
因する抵抗素子8の伸張、収縮又は圧縮による抵抗値変
化から前記応力の方向と強さとを把握するものである。
【0099】第4の構成の応力センサの動作や利点は第
3の応力センサのそれと同様である。また例えばトリマ
ブルチップ抵抗器11を用いる等、第3の形態と同様の
応用形態を採ることができる。第4の構成の応力センサ
の説明に用いた用語の意味は第1a〜1d又は第2、第
3aの構成の応力センサと共通している。また第1a〜
第1dの構成及び第2、第3の構成と第4の構成の併有
を否定しないことは言うまでもない。むしろこれらの構
成の利点が加算され、より好ましい。
【0100】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、ガラス
繊維混入エポキシ樹脂成形体を基板(厚み1.2mm)
とする本発明の第1a〜第1dの構成の応力センサにつ
いての実施の形態の例を示す。
【0101】まず、絶縁基板3両面に厚み18μmの銅
箔を貼付した後に当該銅箔の必要部分を除いて公知のエ
ッチング処理を施すことにより、導体9、抵抗素子用電
極(回路パターン電極1)及び基板端子部5が形成され
る。そうして得た単位応力センサにおける絶縁基板3表
面の導体9及び抵抗素子用電極のレイアウトは、図1に
示されている。ここでは抵抗素子が配される側のみを示
しているが、当該絶縁基板3裏面にも導体による配線を
有している。
【0102】ここで絶縁基板3表面には、前記エッチン
グ処理によって配線に寄与しない導体9(印刷精度調整
部材7)を残した。この印刷精度調整部材7の存在によ
り、4つの抵抗素子8全てについて、その付近の導体
9、抵抗素子用電極及び印刷精度調整部材7の配置が類
似することとなっている。また、4つの抵抗素子8全て
について、それら付近の導体9、抵抗素子用電極及び印
刷精度調整部材7の配置が、抵抗体2周縁の三方を取り
囲むようにされている。
【0103】次いで絶縁基板3に予め設けられているス
ルーホール内壁に無電解めっき法にて導電性物質を配す
ることにより、絶縁基板表裏面の導体同士を導通させ
る。図1にはこの部分を「スルーホール部」として示し
た。このとき、無電解めっきにより析出する導電性物質
は導体9、抵抗素子用電極及び印刷精度調整部材7表面
にも析出し、そのことにより導体9、抵抗素子用電極及
び印刷精度調整部材7のそれぞれの高さは、30〜50
μmの略一定値になる。
【0104】その後カーボン・レジン系の抵抗体ペース
トをスクリーン印刷法により抵抗素子用電極(回路パタ
ーン電極1)間に配する。このときのスキージ進行方向
は図1における絶縁基板3に対し斜め約45°の方向と
した。そして当該レジンを熱硬化させ、抵抗体2を得
る。更に当該抵抗体2を保護するため、図示しないシリ
コーン系レジンからなる保護膜を少なくとも抵抗素子を
被覆するようにスクリーン印刷法により配し、熱硬化さ
せる。
【0105】その後絶縁基板3裏面に、底面が正方形で
ある柱状のポスト6を、エポキシ樹脂系接着剤にて固定
する。このとき、当該底面の正方形の各辺(ポスト6底
面の輪郭)が絶縁基板3表面の抵抗素子と対応する位置
となるようにする。
【0106】更に各抵抗素子(R1〜R4)と直列に電
気接続されるトリマブルチップ抵抗器(R1trim〜
R4trim)を図4に示す電気接続状態となるように
絶縁基板3裏面に搭載する。当該搭載は公知の電子部品
実装技術の採用により為される。その後各抵抗素子及び
それと直列接続されるトリマブルチップ抵抗器とを組と
した場合の当該組の抵抗値の和が略同一となるよう、ト
リマブルチップ抵抗器へのレーザトリミングにより抵抗
値調整を実施する。当該組は、R1とR1trim等、
対応する数字で構成される。
【0107】以上で本発明の応力センサを得ることがで
きる。この応力センサは通常絶縁基板3の端部、特に絶
縁基板3が四角形である場合、その四隅を固定して使用
する。当該使用状態での、ポスト6に横方向の応力を付
与した場合の動作の概要を図3に示した。ポスト6底面
と接する絶縁基板3は殆ど撓まず、ポスト6底面の輪郭
付近を最大撓み領域として、それより外側が多少撓んで
いる。
【0108】図4はまた本発明の応力センサにおける、
電気信号入出力の状態の概要を示している。4組の抵抗
素子とトリマブルチップ抵抗器11がブリッジ回路を構
成している。このブリッジ回路の電圧印加端子(Vc
c)−(GND)間には所定の電圧が印加されている。
また同図左側の抵抗素子とトリマブルチップ抵抗器及び
Y端子(Yout)によりY軸方向の応力センサが構成
され、更に同図右側の抵抗素子とトリマブルチップ抵抗
器及びX端子(Xout)によりX軸方向の応力センサ
が構成される。
【0109】図5には本発明のものではない応力センサ
(以下応力センサBと記す。)の絶縁基板3表面レイア
ウトを示している。ここでは図1に示したような、印刷
精度調整部材7が存在していない。また4つの抵抗素子
8全てについて、その付近の導体9及び抵抗素子用電極
(回路パターン電極1)の配置が、同一又は類似になっ
ていない。また、4つの抵抗素子の2つについては、そ
れら付近の導体9及び抵抗素子用電極の配置が、抵抗体
2周縁の三方を取り囲むようにされていない。
【0110】(実験)上記本発明の応力センサと応力セ
ンサBとの比較実験を実施した。両者は絶縁基板3表面
レイアウト以外の製造条件等は全く同一である。実験
(評価)項目は、抵抗素子形成後の各抵抗素子の抵抗値
ばらつきである。各応力センサの数それぞれ30個につ
いて、即ち抵抗素子数120個の抵抗値ばらつきを標準
偏差で示すと、本発明の応力センサは41.5Ωであっ
たのに対して、応力センサBは57.3Ωだった。しか
も本発明の応力センサは、一つの応力センサ内での各抵
抗体形状のばらつきが殆どなかったのに対し、応力セン
サBでは一つの応力センサ内での各抵抗値のばらつきは
前記標準偏差と同程度のばらつきを有していた。このこ
とから、一つの応力センサ内での各抵抗体形状のばらつ
きを抑制することができたことは明らかである。
【0111】次に図面(特に図8)を参照しながら、本
発明の第1の構成の抵抗素子及び第2の構成の応力セン
サについての実施の形態の例を示す。
【0112】ガラス繊維混入エポキシ系樹脂を主成分と
する厚み0.8mmの積層板両面に、厚み約18μmの
導体層としての銅箔が配された、両面銅張積層板を用意
する。この両面銅張積層板は、図8に示す、外形が略正
方形の絶縁基板3を1単位として、それが縦横に多数連
なるような配線7及び回路パターン電極1となるよう、
且つ最終的に抵抗素子8とトリマブルチップ抵抗器11
とが図4のような電気接続状態となるよう、絶縁基板3
表裏に亘りパターニングする。当該パターニングの第1
ステップは、前記両面銅張積層板の表裏に亘る導電通路
となるに必要な箇所を穴開け加工する。第2ステップは
前記穴開け加工したスルーホール内壁に導体形成し、表
裏の銅箔をを導通させる目的で触媒付与無電解銅めっき
及び電解銅めっきをこの順に施す。このとき基板両面の
銅箔上にもめっきによる銅が付着し、基板両面の銅の総
厚みが約50μmとなる。第3ステップ以降は公知のド
ライフィルムレジストによるフォトエッチング法によ
り、表面の導体層を一部除去する。その残部として配線
7、及び回路パターン電極1を得る。これらのステップ
を経た後の1対の回路パターン電極1間距離(L)は
1.2mmである。従って比L/hは24である。
【0113】次いで得られた大型の絶縁基板をロールプ
レスし、回路パターン電極1高さが30μmとなるよう
調節する。これで比L/hが40となる。そして上記1
単位の絶縁基板3各々に対し、打抜き加工により図8に
示す穴10を形成する。
【0114】その後熱硬化樹脂系(カーボン・レジン
系)の抵抗体ペーストをスクリーン印刷により回路パタ
ーン電極1間に形成・加熱硬化させて抵抗体2とする。
更に抵抗体2を保護するため、シリコーン系樹脂ペース
トをスクリーン印刷し、その後当該ペーストを硬化して
保護膜を形成する。これで本発明の第1の構成を具えた
抵抗素子8が得られる。
【0115】次いでこれら各抵抗素子8と直列に配線す
ることにより電気接続されたトリマブルチップ抵抗器1
1を、図4に示すような抵抗体2との接続状態を実現す
るよう、公知の実装技術、リフロー技術により配する。
またトリマブルチップ抵抗器11は、図8に示すよう
に、基板4の抵抗素子8が配された面と逆の面に、且つ
前述した非変形部に配した。
【0116】その後抵抗素子8と、それぞれの抵抗素子
8と直列に電気接続されたトリマブルチップ抵抗器11
との抵抗値の和を所定範囲に調整するため、トリマブル
チップ抵抗器11に対しレーザトリミングを施す。直接
抵抗素子8を構成する抵抗体2に対してトリミングを施
さなかった理由は、樹脂からなる抵抗体2、及び抵抗体
2が配されている、樹脂を主成分とする基板4に対しト
リミングを施すことによる抵抗値の不安定化の防止を考
慮したためである。これら樹脂はレーザトリミングのよ
うに非常に高温の処理に対しては不安定な挙動を示す。
【0117】トリマブルチップ抵抗器11を用いるべき
か否かは、抵抗素子8を構成する各部材の材質や、絶縁
基板3の材質により判断すべきである。例えば絶縁基板
3の材質がセラミックであって、抵抗体2の材質がメタ
ルグレーズである場合には、直接抵抗素子8を構成する
抵抗体2に対してレーザートリミングを施したとして
も、その後の抵抗値の不安定化のような不都合は無視で
きる程度である。従って、このような場合は、トリマブ
ルチップ抵抗器11を用いなくてもよい。但しその他の
原因等があり、トリマブルチップ抵抗器11を用いる必
要がある場合は、その必要に応じて用いるべきであるこ
とは言うまでもない。
【0118】そして図8に示すように、各々の1単位の
絶縁基板3について、PBTを成形した、底面の輪郭が
正方形のポスト6を、その底面が絶縁基板3の抵抗素子
8が配された面とは逆の面に当接するよう、且つその底
面の中心が各1単位の絶縁基板3の中心と実質的に一致
するようエポキシ系接着剤で固定する。これで本発明の
応力センサの集合体が得られる。
【0119】次いで大型の絶縁基板を各1単位の絶縁基
板3となるよう、大型の絶縁基板面に縦横に多数設けら
れた分割用ライン(可視のラインでも不可視のラインで
もよい)に沿ってディスクカッターにより切断・分割
し、個々の応力センサとする。本例のようにポスト6を
分割前に固定することにより、作業性が良好になる。そ
の理由は、個々の応力センサに分割した後にポスト6を
各々の応力センサを有する絶縁基板3に取付ける作業
は、大型の絶縁基板に対する作業に比して取扱い性、ハ
ンドリング性に劣り、煩雑なためである。
【0120】大型の絶縁基板がアルミナ等のセラミック
製である場合には、縦横に多数の分割溝を予め形成して
ある大型の絶縁基板を用いることが好ましい。その理由
はディスクカッターを用いなくとも、当該分割溝を開く
ように手等で力を加えることで、容易に分割作業ができ
るためである。
【0121】本発明の応力センサは、例えば図8に示す
支持用穴12を介して電子機器の筐体等に応力センサを
固定させて使用する。すると固定状態では穴10の外側
の絶縁基板3周縁部は、ポスト6に応力を付与した場合
でも殆ど変形しない非変形部となり、穴10の内側はポ
スト6に応力を付与すと変形し、抵抗素子8を伸張、収
縮させる変形部となる。当該変形部が、絶縁基板3面の
「センサ有効領域」となる。
【0122】図4には第2の構成の応力センサにおけ
る、電気信号入出力の状態の概要を示している。前述し
た第1a〜1dの構成の応力センサと同様である。
【0123】ここで筐体に応力センサが固定された状態
で、応力センサ下面に空隙が存在する場合、ポスト6を
下向き(Z方向)に応力付与したことを検知させること
が可能となる。その理由は、前記下向きに応力付与する
ことにより、歪ゲージである4つの抵抗素子全てを伸張
させ、各々の抵抗値を略同程度にまで大きくすることが
できるためである。このような電気特性は、横方向(X
方向、Y方向)に応力を付与した場合と異なる電気的特
性であり、それらとは区別できる。
【0124】応力センサにおいて、下向き(Z方向)へ
の応力付与に何らかの機能を付与することにより、多機
能化が図れる。例えばコンピュータのポインティングデ
ィバイスとして本発明の応力センサを使用した場合、い
わゆるマウスをクリックする機能を前記下向きへの応力
付与に対応させることができる。また、例えばいわゆる
携帯電話等の小型携帯機器用の多機能・多方向スイッチ
として本発明の応力センサを使用した場合には、所定時
間下向きへの応力付与をしたときに当該携帯機器の電源
のオン・オフの命令に対応させる等が可能となる。
【0125】本例では表面の導体層である銅箔の一部を
除去処理するために、ドライフィルムレジストによるフ
ォトエッチング法を採用したが、それに代えてフォトレ
ジストを電気泳動法着ける、いわゆるED(Elect
ro Deposition)法を採用可能である。ま
た図8における導体9及び回路パターン電極1を形成す
る手段として、表面の導体層の一部を除去処理するので
はなく、絶縁基板3表面(スルーホール内壁面を含む)
に無電解めっきで銅を成長させてパターニングする、い
わゆるアディティブ法を採用できることは言うまでもな
い。
【0126】次に、図面を参照しながら、本発明の第2
の構成の抵抗素子及び第4の構成の応力センサについて
の実施の形態の例を示す。
【0127】抵抗体をスクリーン印刷により形成するま
での、ガラス繊維混入エポキシ樹脂成形体からなる絶縁
基板3及び回路パターン電極1の形成過程は、上記第2
の構成の抵抗素子の実施の形態例と同様である。その後
の熱硬化樹脂系(カーボン・レジン系)の抵抗体ペース
トをスクリーン印刷により回路パターン電極1間に形成
・加熱硬化させて抵抗体2とする際に、回路パターン電
極1の幅を1.2mmとし、抵抗体2幅を1.6mmと
し、図8に示すように抵抗体2が回路パターン電極1の
幅方向両端を覆うようにする。またここでは回路パター
ン電極1の上面全域を抵抗体2で覆っている。回路パタ
ーン電極1の導体9(図8)側の抵抗体2の回路パター
ン電極1からのはみ出し距離は、各々約0.2mmとし
た。
【0128】その後抵抗体2を保護するため、シリコー
ン系樹脂ペーストをスクリーン印刷し、その後当該ペー
ストを硬化して保護膜を形成する。これで本発明の第2
の構成の抵抗素子8を得ることができる。
【0129】その後の応力センサを構成するまでの過程
は、上記第2の構成の応力センサと同様にして、本発明
の第3の構成の応力センサを得ることができる。
【0130】本例においてもドライフィルムレジストに
よるフォトエッチング法に代えてED法やアディティブ
法を採用可能であることは言うまでもない。
【0131】図14に示したのは、本発明の抵抗素子8
の形態の別の一例である。ここでは図13に示したよう
に、上面から見た回路パターン電極1の幅方向両端全域
を覆っているのではなく、回路パターン電極1幅方向両
端の一部を残して覆っている。この場合、図12(a)
と異なる箇所に滲み14が図12(a)の場合と同じメ
カニズムにより発生する。当該箇所に量や形状のコント
ロールが困難な滲み14が発生したとしても、抵抗素子
8の抵抗値への影響は無視できる程度である。その理由
は、ここでの滲み14が、対となる回路パターン電極1
が対向する抵抗体2領域(電流密度の最も高くなる領
域)以外の領域における、些細な不確定要因であるため
である。従って図5に示す抵抗素子8は本発明が解決し
ようとする課題を解決しており、本発明の抵抗素子8の
形態の一例であると言える。
【0132】次に、図面を参照しながら、本発明の第3
の構成の応力センサについての実施の形態の例を示す。
【0133】抵抗体をスクリーン印刷により形成するま
での、ガラス繊維混入エポキシ樹脂成形体からなる基板
及び回路パターンの形成過程は、上記第2、第3の構成
の抵抗素子の実施の形態例と同様である。但し回路パタ
ーン電極1は形成せず、それに代えて以下のように厚膜
電極を形成する。
【0134】熱硬化樹脂系(銀・レジン系)導電ペース
トをスクリーン印刷・加熱硬化により、図10に示すよ
うに回路パターンと接触させながら厚膜電極13として
形成する。更にその後熱硬化樹脂系(カーボン・レジン
系)の抵抗体ペーストを対となる厚膜電極13間に形成
・加熱硬化させて抵抗体2とする。このとき、厚膜電極
13と抵抗体2とが、図11に示すように領域b、cに
おいて接触する状態となるようにする。更に抵抗体2を
保護するため、シリコーン系樹脂ペーストをスクリーン
印刷し、その後当該ペーストを硬化して保護膜を形成す
る。
【0135】その後の応力センサを構成するまでは、上
記第2、第3の構成の応力センサと同様の過程を経るこ
とで、本発明の第4の構成の応力センサを得ることがで
きる。
【0136】本例では抵抗素子8用電極として厚膜電極
13を用いたが、それに代えてスパッタリングや蒸着、
めっき等の薄膜技術により抵抗素子8用電極を形成して
もよい。形成厚みが常識的範囲(数μm)であれば、上
述した第1及び第2の理由を有さない抵抗素子8を得る
ことができ、本発明が解決しようとする課題を解決でき
る。特に本例のような絶縁基板3スルーホール内壁を銅
めっきする工程を有している場合、それと同時に抵抗素
子8用電極を形成することも可能である。従って本例の
ように厚膜電極13形成工程を経ることなく、本発明の
応力センサを得ることができる点で好ましいと考えられ
る。
【0137】
【発明の効果】本発明により、表面の導体層の一部を除
去処理し、その残部として得られる導体の一部を電極と
し、当該絶縁基板面上の一対の前記電極間に膜形成され
る抵抗体を有する抵抗素子においてもその抵抗値ばらつ
きを低減することができた。またそのような抵抗値ばら
つきを低減した抵抗素子を用いた応力センサを提供する
ことができた。
【0138】当該応力センサは、パーソナルコンピュー
タ用ポインティングディバイスや、各種電子機器用多機
能・多方向スイッチ等に好適に用いることができる。
【0139】また当該応力センサは、ガラス繊維混入エ
ポキシ樹脂を板状に成形した基板を用いた、従来よりも
コストの低減を図ることができる応力センサに特に好適
に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る応力センサの導体9レイアウトの
一例を示す図である。
【図2】(a)は、スクリーン印刷工程を示す側面概略
図である。(b)は(a)におけるスクリーンと基板と
の隙間から角度を変えて見た場合のスクリーン印刷工程
を示す側面概略図である。
【図3】本発明の応力センサの動作の様子を示す一例の
図である。
【図4】本発明の応力センサにおける、電気信号入出力
の状態の概要の一例を示す図である。
【図5】本発明ではない応力センサの導体9レイアウト
の一例を示す図である。
【図6】本発明における「一の端」を説明する図であ
る。
【図7】(a)は、回路パターン電極により構成される
抵抗素子断面図、(b)は、厚膜電極により構成される
抵抗素子断面図である。
【図8】図8は本発明の応力センサの実施の形態の一例
を示す図である。
【図9】電極間距離(L)及び上記電極高さ(h)の寸
法測定位置を示す図である。
【図10】(a)は、本発明の第3の構成の応力センサ
を構成する抵抗素子の上面図であり、(b)は側面図で
ある。
【図11】本発明の第3の構成の応力センサの要部を説
明する図である。
【図12】抵抗素子における抵抗体の滲みの発生を説明
する図である。
【図13】本発明の第4の構成の応力センサを構成する
本発明の第2の構成の抵抗素子の上面図である。
【図14】本発明の第4の構成の応力センサを構成する
本発明の第2の構成の抵抗素子の上面図である。
【図15】従来の応力センサの導体9等のレイアウトを
示す図である。
【符号の説明】
1.回路パターン電極 2.抵抗体 3.絶縁基板 5.基板端子部 6.ポスト 7.印刷精度調整部材 8.抵抗素子 9.導体 10.穴 11.トリマブルチップ抵抗器 12.支持用穴 13.厚膜電極 14.滲み 20.基板 22.抵抗素子 24.基板端子部 30.ポスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2001−230861(P2001−230861) (32)優先日 平成13年7月31日(2001.7.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 唐澤 文明 長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪14016番 30号 ケイテックデバイシーズ株式会社内 (72)発明者 矢島 宏 長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪14016番 30号 ケイテックデバイシーズ株式会社内 Fターム(参考) 2F051 AA21 AB09 BA07 DA03 5B087 AA02 BC02 BC21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板面にポストが固着又は一体化さ
    れ、当該ポストへの応力付与に起因する複数の抵抗素子
    への刺激による当該抵抗素子の抵抗値変化から前記応力
    の方向を把握し得る応力センサにおいて、 抵抗素子がポスト底面の輪郭に沿って、当該ポスト底面
    の中心から実質的に等角度間隔に配置され、 当該抵抗素子は、絶縁基板面に配された対となる抵抗素
    子用電極間にスクリーン印刷法により形成される抵抗体
    で構成され、 当該電極は、絶縁基板表面の導体層の一部を除去処理
    し、その残部として得られるか、若しくはアディティブ
    法により得られる絶縁基板面上の導体の一部であり、 当該抵抗素子を構成する抵抗体は、熱硬化性樹脂を含む
    ものであり、 前記対となる電極間距離(L)と電極高さ(h)の比L
    /hが30以上であることを特徴とする応力センサ。
  2. 【請求項2】抵抗体が、カーボン・レジン系材料からな
    ることを特徴とする請求項1記載の応力センサ。
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