JP2003269507A - ストッパ付き防振ブッシュの製造方法 - Google Patents

ストッパ付き防振ブッシュの製造方法

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JP2003269507A
JP2003269507A JP2002071362A JP2002071362A JP2003269507A JP 2003269507 A JP2003269507 A JP 2003269507A JP 2002071362 A JP2002071362 A JP 2002071362A JP 2002071362 A JP2002071362 A JP 2002071362A JP 2003269507 A JP2003269507 A JP 2003269507A
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Sumitomo Riko Co Ltd
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    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/41Elastic mounts, e.g. bushings
    • B60G2204/4104Bushings having modified rigidity in particular directions
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/45Stops limiting travel
    • B60G2204/4502Stops limiting travel using resilient buffer

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  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウタ筒部材を縮径せしめて、本体ゴム弾性
に予圧縮を及ぼすと共に、該アウタ筒部材に内挿配置せ
しめた環状ストッパ部材をアウタ筒部材に嵌着固定する
に際して、環状ストッパ部材のアウタ筒部材への嵌着固
定位置を高精度に安定して設定せしめつつ、アウタ筒部
材に対して大きな縮径量を及ぼすことの出来る、防振ブ
ッシュの新規な製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 アウタ筒部材14の内周面に保持ゴム層
34を被着形成すると共に、該保持ゴム層34の内周面
に弾性突部46を形成し、保持ゴム層34と環状ストッ
パ部材48の間に径方向の隙間50が形成される状態で
環状ストッパ部材48をアウタ筒部材14に挿し入れ
て、弾性突部46を環状ストッパ部材48に当接させる
ことにで環状ストッパ部材48を所定位置に保持せしめ
るようにし、更に、かくの如く弾性突部46で環状スト
ッパ部材48を保持せしめたままの状態下でアウタ筒部
材14を縮径せしめて、該アウタ筒部材14に環状スト
ッパ部材48を最終的に嵌着固定するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、径方向で互いに離隔配置された
インナ軸部材とアウタ筒部材を本体ゴム弾性体で連結せ
しめた構造とされて、例えば自動車用のサスペンション
ブッシュやサブフレームマウント,ボデーマウント等と
して採用され得る防振ブッシュの製造方法に係り、特に
軸直角方向に大きな荷重が入力された際のインナ軸部材
とアウタ筒部材の径方向の相対変位量を制限するトッパ
機構を備えた防振ブッシュの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【技術分野】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置の一種として、例えば特開平11−
2289号公報や特開平9−280314号公報等に記
載されているように、インナ軸部材の径方向外方にアウ
タ筒部材を離隔配置すると共に、それらインナ軸部材と
アウタ筒部材の径方向対向面間に本体ゴム弾性体を配設
してインナ軸部材とアウタ筒部材に本体ゴム弾性体を加
硫接着することにより、インナ軸部材とアウタ筒部材を
弾性連結せしめた構造の防振ブッシュが、知られてい
る。
【0003】また、このような防振ブッシュでは、イン
ナ軸部材とアウタ筒部材の間に径方向の大きな荷重が及
ぼされた際に本体ゴム弾性体の弾性変形量を制限するス
トッパ機構が採用されることが多く、かかるストッパ機
構の一つとして、前記公報にも記載されているように、
アウタ筒部材に環状ストッパを嵌着固定せしめて、該環
状ストッパの内周面をインナ軸部材に対して径方向で所
定距離を隔てて対向位置させた構造のものが提案されて
いる。かくの如きストッパ機構では、アウタ筒部材の内
周面に保持ゴム層を形成して該保持ゴム層の内周面に環
状ストッパを内挿配置せしめた後に、アウタ筒部材を絞
り加工等で縮径することにより、環状ストッパが保持ゴ
ム層を介してアウタ筒部材に嵌着固定されている。
【0004】すなわち、インナ軸部材とアウタ筒部材の
間で本体ゴム弾性体を加硫成形せしめた後、アウタ筒部
材に縮径加工を施すことにより、本体ゴム弾性体の加硫
収縮に伴う内部応力を解消せしめるようにされるが、上
述の如きストッパ機構においては、かかる本体ゴム弾性
体の加硫成形後のアウタ筒部材に対する縮径加工を利用
して、環状ストッパをアウタ筒部材に嵌着固定して組み
付けることが出来るのである。
【0005】ところが、このような従来構造の防振ブッ
シュにおいては、本体ゴム弾性体の耐久性向上やばね特
性改善等の目的で、アウタ筒部材に対する縮径加工の縮
径量を大きくしようとすると、アウタ筒部材に内挿配置
せしめた環状ストッパによって縮径量が制限されてしま
ったり、アウタ筒部材の縮径加工に際して環状ストッパ
に大きな径方向荷重が及ぼされて環状ストッパが損傷す
るおそれがあるという問題があった。
【0006】なお、アウタ筒部材の縮径量の環状ストッ
パによる制限やアウタ筒部材の縮径に際しての環状スト
ッパの損傷を軽減するために、環状ストッパの外径寸法
をアウタ筒部材に比して十分に小さくすることも考えら
れるが、環状ストッパの外径寸法を小さくするとアウタ
筒部材との間に径方向の隙間が発生してしまって、アウ
タ筒部材に挿入した後の環状ストッパの位置決めが出来
なくなり、アウタ筒部材の縮径加工前或いは縮径加工中
に環状ストッパが位置ずれしたり、アウタ筒部材から抜
け出して脱落したりすることが多くなってしまい、アウ
タ筒部材の縮径加工の作業が難しくなると共に、製品た
る防振ブッシュの不良品率が高くなることから、決して
有効な方法ではない。
【0007】また、アウタ筒部材の縮径量の環状ストッ
パによる制限やアウタ筒部材の縮径に際しての環状スト
ッパの損傷を軽減するために、アウタ筒部材の内周面に
保持ゴム層を被着形成して、該保持ゴム層をアウタ筒部
材と環状ストッパの間に介在させることにより、アウタ
筒部材の縮径に際して環状ストッパに及ぼされる荷重を
軽減することも考えられる。しかしながら、保持ゴム層
を厚くすると環状ストッパのアウタ筒部材への嵌着固定
力を十分な強度と耐久性をもって得ることが難しくなる
と共に、インナ軸部材とアウタ筒部材の径方向での相対
変位量を確実に規定することが難しくなることから、ア
ウタ筒部材の縮径に際して環状ストッパに及ぼされる荷
重を有効に軽減し得る程に十分な厚さで保持ゴム層を形
成することが困難であり、結局、アウタ筒部材の縮径に
際しての環状ストッパの損傷等を回避しようとすると、
保持ゴム層の内周面と環状ストッパの径方向対向面間に
隙間が発生してしまうこととなり、上述の場合と同様な
問題が内在するのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を
背景として為されたものであって、その解決課題とする
ところは、アウタ筒部材に嵌着されて径方向のストッパ
機構を構成する環状ストッパ部材に対する不具合を回避
しつつ、アウタ筒部材に対して大きな縮径量の縮径加工
を容易に施すことの出来る、防振ブッシュの新規な製造
方法を提供することにある。
【0009】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0010】すなわち、本発明の第一の態様の特徴とす
るところは、インナ軸部材の径方向外方にアウタ筒部材
を離隔配置すると共に、それらインナ軸部材とアウタ筒
部材の径方向対向面間に本体ゴム弾性体を配設して該本
体ゴム弾性体を該インナ軸部材の外周面と該アウタ筒部
材の内周面にそれぞれ加硫接着する一方、該インナ軸部
材と該アウタ筒部材における軸方向の少なくとも一方の
端部に該本体ゴム弾性体による連結部位から軸方向に延
び出して互いに径方向で対向位置する軸方向延出部をそ
れぞれ設けると共に、該アウタ筒部材の該軸方向延出部
に環状ストッパ部材を挿し入れて嵌着固定したストッパ
付き防振ブッシュを製造するに際して、前記インナ軸部
材と前記アウタ筒部材に前記本体ゴム弾性体を加硫接着
すると共に、該アウタ筒部材の前記軸方向延出部の内周
面に広がる保持ゴム層と該保持ゴム層の内周面に突出す
る弾性突部を該本体ゴム弾性体と一体形成せしめて一体
加硫成形品を得た後、かかる一体加硫成形品における前
記アウタ筒部材の前記軸方向延出部に前記環状ストッパ
部材を挿し入れて該環状ストッパ部材の外周面を部分的
に前記弾性突部に当接させることにより該環状ストッパ
部材の外周面と前記保持ゴム層の間に隙間が形成された
状態で該環状ストッパ部材を該一体加硫成形品に組み付
けることによって組付体を構成し、かかる組付体におけ
る前記アウタ筒部材を縮径せしめて、前記環状ストッパ
部材の外周面と前記保持ゴム層の間の前記隙間を消失さ
せて該環状ストッパ部材の外周面を該保持ゴム層に密接
させることにより、該環状ストッパ部材を該保持ゴム層
を介して該アウタ筒部材に嵌着固定するようにしたスト
ッパ付き防振ブッシュの製造方法にある。
【0011】このような本発明方法に従えば、一体加硫
成形品に環状ストッパ部材を組み付けた組付体におい
て、アウタ筒部材に被着形成された保持ゴム層と、該保
持ゴム層に挿入配置された環状ストッパ部材の間に径方
向の隙間が形成された状態で、保持ゴム層の内周面に突
設された弾性突部が環状ストッパ部材の外周面に当接さ
れることにより、環状ストッパ部材がアウタ筒部材に対
して弾性的に位置決め保持されることとなる。そして、
かかる組付体のアウタ筒部材を縮径することにより、保
持ゴム弾性体の弾性変形と、保持ゴム層と環状ストッパ
部材の間に形成された隙間の消失に基づいて、アウタ筒
部材の縮径が許容されるのであり、また、このようなア
ウタ筒部材の縮径によって、最終的に環状ストッパ部材
が保持ゴム層を介してアウタ筒部材に嵌着固定されるこ
ととなる。
【0012】それ故、本発明方法に従えば、アウタ筒部
材の縮径に際して、保持ゴム弾性体の弾性変形だけでな
く、保持ゴム層と環状ストッパ部材の間に形成された隙
間が消失することによって、アウタ筒部材の縮径変形に
対する環状ストッパ部材の拘束が回避されてアウタ筒部
材の大きな縮径量が許容され得るのであり、それによっ
て、本体ゴム弾性体への十分な径方向の予圧縮も可能と
なる。
【0013】また、アウタ筒部材に組み付けられた環状
ストッパ部材は、アウタ筒部材の縮径前の組付体におい
て、保持ゴム層との間に径方向の隙間を有する状態で、
保持ゴム層の内周面に突設された弾性突部によって保持
されていることから、環状ストッパ部材が所定位置に安
定して位置決め保持され得るのである。それ故、アウタ
筒部材の縮径前や縮径中における環状ストッパ部材の位
置ずれや抜け出しが効果的に防止されて、環状ストッパ
部材を目的とする位置に高精度に且つ容易に嵌着固定す
ることが可能となるのであり、製品たる防振ブッシュを
高い品質安定性と信頼性をもって製造することが出来る
のである。
【0014】しかも、本発明方法に従えば、アウタ筒部
材の内周面に被着形成された保持ゴム層の内径寸法に比
して、そこに挿入配置される環状ストッパ部材の外径寸
法の方が、それら保持ゴム層と環状ストッパ部材の間に
形成される径方向隙間に相当する寸法だけ小さくされて
いることから、一体加硫成形品のアウタ筒部材に対して
環状ストッパ部材を容易に且つ速やかに挿し入れて組み
付けることが可能であり、製造作業も容易となる。
【0015】なお、本態様において、アウタ筒部材に対
する縮径は、例えば防振ブッシュ単体の製造工程におい
てアウタ筒部材に八方絞り等の縮径加工を施すことによ
って行なうことが可能であり、その他、例えばアウタ筒
部材に環状ストッパ部材を挿し入れた後、アウタ筒部材
の縮径による環状ストッパ部材のアウタ筒部材への固定
前或いは固定未了の状態、即ち組付体の状態で防振ブッ
シュを単体製品として供給し、該防振ブッシュで防振連
結される一方の部材に形成されたアームアイ等の防振ブ
ッシュの装着用孔に対して防振ブッシュ(組付体)のア
ウタ筒部材を圧入固定して装着せしめる際に該アウタ筒
部材が縮径されるようにして、装着用孔への防振ブッシ
ュの組付完了に伴って環状ストッパ部材がアウタ筒部材
に嵌着固定されるようにしても良い。なお、特にアウタ
筒部材の装着用孔への圧入によってアウタ筒部材を縮径
させて環状ストッパ部材をアウタ筒部材に嵌着固定する
場合には、アウタ筒部材として、鉄鋼等の金属製の他、
合成樹脂製のもの等も有利に採用され得る。
【0016】また、本態様に係る防振ブッシュにおい
て、環状ストッパ部材は、少なくとも本体ゴム弾性体よ
り硬質の合成樹脂や金属等で形成されたものが採用され
ることとなり、本体ゴム弾性体におけるインナ軸部材と
アウタ筒部材の連結部分に対する干渉が回避されるよう
に、かかる連結部分から軸方向に離隔して配設されるこ
とが望ましい。更にまた、本体ゴム弾性体におけるイン
ナ軸部材とアウタ筒部材の連結部分を挟んだ軸方向両側
に位置するようにして一対の環状ストッパ部材をアウタ
筒部材の軸方向両端部に組み付けることが望ましく、そ
れによって、環状ストッパ部材がインナ軸部材側に当接
せしめられた際のインナ軸部材とアウタ筒部材に対する
こじり方向荷重の作用が軽減乃至は回避され得る。な
お、環状ストッパ部材の内周面が当接せしめられるイン
ナ軸部材の外周面には、緩衝ゴム層を形成することが望
ましく、好適にはかかる緩衝ゴム層が本体ゴム弾性体と
一体形成されるが、その他、環状ストッパ部材の内周面
に対して緩衝ゴム層を被着形成しても良い。
【0017】なお、本態様において、弾性突部は、環状
ストッパ部材の外周面に対して部分的に当接されること
により、環状ストッパ部材に対して有効な径方向の位置
決め保持力を及ぼすものであれば良く、例えば、保持ゴ
ム層の内周面に形成した複数の突起や周方向に延びる少
なくとも一つの周方向突条などで有利に構成され得る。
特に周方向の所定長さで或いは全周に亘って連続して延
びる弾性突部を採用すれば、環状ストッパ部材に対して
より有効な径方向の位置決め保持力を作用せしめること
が可能となる。
【0018】また、本態様においては、環状ストッパ部
材として、アウタ筒部材側からインナ軸部材側に向かっ
て突出する径方向の突出高さを周方向で異ならせたもの
を採用することも可能である。このような環状ストッパ
部材を採用することにより、例えば、インナ軸部材とア
ウタ筒部材の径方向の相対変位量の制限機能を、複数の
径方向で異なる特性をもって付与することも可能とな
る。
【0019】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に係る防振ブッシュの製造方法であって、前記保持
ゴム層の軸方向中間部分において周方向に延びる段差面
を形成し、前記アウタ筒部材の前記軸方向延出部に前記
環状ストッパ部材を挿し入れるに際して、該環状ストッ
パ部材を該保持ゴム層の段差面に当接せしめて該環状ス
トッパ部材の該軸方向延出部への挿し入れ位置を規定す
るようにしたことを、特徴とする。このような本態様の
製造方法に従えば、環状ストッパ部材がアウタ筒部材の
軸方向外方から挿し入れられて所定位置まで達した際
に、該環状ストッパ部材の軸方向内側面が該段差面に当
接されることにより軸方向内方への挿し入れ端位置が安
定して設定され得ることから、環状ストッパ部材の位置
決め精度の更なる向上が図られ得る。なお、段差面は、
周方向で分断された形態をもって形成されていても良い
が、好ましくは周方向の全周に亘って連続して形成され
る。また、かかる段差面は、好ましくはアウタ筒部材の
略軸直角方向に広がるように形成される。
【0020】また、本発明の第三の態様は、上記第二の
態様に係る防振ブッシュの製造方法であって、前記保持
ゴム層において径方向内方に開口して周方向に延びる嵌
合凹溝を形成して、該嵌合凹溝の軸方向内側の側壁面で
前記段差面を構成し、前記組付体に対して前記環状スト
ッパ部材を組み付けるに際して該環状ストッパ部材を該
嵌合凹溝に嵌め入れて、該環状ストッパ部材を該嵌合凹
溝の軸方向両側壁部で軸方向に位置決め保持せしめるこ
とを、特徴とする。このような本態様の製造方法に従え
ば、組付体における環状ストッパ部材が、保持ゴム層に
一体形成された弾性突部の当接作用だけでなく、保持ゴ
ム層に形成された嵌合凹溝への嵌まり込みによっても、
所定の軸方向組付位置へ保持されることとなり、それに
よって、組付体における環状ストッパ部材の位置ずれや
抜け出しを一層効果的に防止することが可能となる。
【0021】しかも、環状ストッパ部材が嵌合凹溝に完
全に嵌め込まれたか否かは、環状ストッパ部材の軸方向
外面に嵌合凹溝の軸方向外側の壁部が重ね合わされてい
るか否かを見ることで、外部からの視認等で容易に確認
することが出来ることから、不完全な組み付けに起因す
る不良品の発生も容易に防止され得る。
【0022】なお、環状ストッパ部材の方向一方または
両方の側壁部は、周方向で分断された形態をもって形成
されていても良いが、好ましくは周方向の全周に亘って
連続して形成される。また、嵌合凹溝における軸方向両
側壁部は、互いに径方向の立ち上がり高さが同一とされ
ている必要はなく任意であり、例えば嵌合凹溝の軸方向
外方の側壁部よりも軸方向内方の側壁部を径方向内方ま
で立ち上げることにより、環状ストッパ部材の嵌合凹溝
への挿し入れを容易とすることが出来ると共に、環状ス
トッパ部材の軸方向内方への挿し入れ端位置が一層有利
に規定され得る。更にまた、嵌合凹溝の深さも、環状ス
トッパ部材に対して有効な位置決め効果を発揮し得る程
度に、嵌合凹溝の底面に突出形成されることとなる弾性
突部の突出高さよりも大きければ良く、特に限定される
ものではない。
【0023】また、本態様に係る防振ブッシュの製造方
法においては、前記保持ゴム層によって形成された前記
嵌合凹溝の軸方向外側の壁部における内周面を、軸方向
外方に向かって拡開するテーパ面とすることが望まし
い。このようなテーパ面を採用すれば、環状ストッパ部
材を嵌合凹溝に挿し入れるに際して、環状ストッパ部材
を嵌合凹溝の軸方向外側の壁部を乗り越えるようにして
嵌合凹溝を導き入れることが一層容易となり、目的とす
る防振ブッシュの製造を一層容易且つ効率的に行なうこ
とが可能となる。
【0024】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に係る防振ブッシュの製造方法で
あって、前記組付体において、前記アウタ筒部材におけ
る前記環状ストッパ部材が嵌着固定された前記軸方向延
出部の軸方向先端部分に対してかしめ加工を施して径方
向内方に屈曲した環状の係止部を形成することを、特徴
とする。このような本態様に従えば、組付体のアウタ筒
部材を縮径せしめた後の製品としての防振ブッシュにお
いて、環状ストッパ部材のアウタ筒部材に対する位置ず
れや抜け出しを一層効果的に防止することが可能とな
り、信頼性や耐久性の更なる向上が図られ得る。
【0025】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に係る防振ブッシュの製造方法で
あって、前記組付体における前記アウタ筒部材に対する
縮径量を、前記一体加硫成形品における前記本体ゴム弾
性体の径方向寸法の3%以上とすることを、特徴とす
る。このような本態様に従えば、本体ゴム弾性体に対し
て有効な予圧縮をかけて耐久性を大幅に向上させること
も可能となるのであり、しかも、そこにおいて、アウタ
筒部材を縮径する前の組付体では、保持ゴム層と環状ス
トッパ部材の間に前述の如き隙間が形成されていること
から、そのように大きな縮径量を設定した場合でも、環
状ストッパ部材によるアウタ筒部材の縮径量の制限や、
環状ストッパ部材の損傷等の問題が有利に回避され得る
のである。なお、本態様において、アウタ筒部材に対す
る縮径量は、必要に応じて5%以上、更には10%以上
に設定することが可能であり、それによって本体ゴム弾
性体のばね特性のチューニング自由度や耐久性の更なる
向上が図られ得る。
【0026】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に係る防振ブッシュの製造方法に
おいて、前記アウタ筒部材として金属製のアウタ筒金具
を採用し、前記組付体の該アウタ筒金具に対して絞り加
工を施すことにより該アウタ筒金具を縮径せしめるよう
にしたことを、特徴とする。このような本態様において
は、アウタ筒金具を採用したことによって、例えば合成
樹脂製のアウタ筒部材等を採用した場合に比して、本体
ゴム弾性体に対する縮径加工を容易に且つ大きな縮径量
で実施することが可能となり、本体ゴム弾性体のばね特
性のチューニング自由度や耐久性の更なる向上が実現可
能となる。
【0027】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0028】先ず、図1〜2には、本発明方法に従って
製造された防振ブッシュとしての自動車用サスペンショ
ンブッシュの一具体例が、示されている。このサスペン
ションブッシュ10は、インナ軸部材としての内筒金具
12とアウタ筒部材としての外筒金具14が本体ゴム弾
性体16で弾性連結されることによって形成されてい
る。そして、かかるサスペンションブッシュ12は、例
えば図1中に仮想線で示されているように、自動車のサ
スペンションアーム18に対して内筒金具12が固定さ
れる一方、自動車のサスペンションメンバ20に対して
外筒金具14が固定されることにより、サスペンション
アーム18をサスペンションメンバ20に対して防振連
結するようになっている。なお、以下の説明中、軸方向
および径方向とは、原則として内筒金具12または外筒
金具14の軸方向および径方向を言う。
【0029】次に、このようなサスペンションブッシュ
10の本発明に従う製造方法の具体例を、製造工程に沿
って説明する。
【0030】すなわち、初めに図3に示されている如き
本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品22を準備する。
この一体加硫成形品22は、本体ゴム弾性体16の成形
用型に内筒金具12と外筒金具14をセットした状態下
で、かかる成形用型の成形キャビティにゴム材料を射出
充填し、加硫操作を施すことによって製造する。
【0031】そこにおいて、内筒金具12は、ストレー
トな円筒形状を有しており、鉄鋼等の金属材で形成され
ている。一方、外筒金具14は、内筒金具12よりも所
定量だけ大径のストレートな円筒形状を有しており、内
筒金具12と同様に適当な金属材で形成されている。そ
して、外筒金具14が内筒金具12に外挿されており、
外筒金具14が内筒金具12の径方向外方に所定距離だ
け離隔して略同一中心軸上に配設されている。なお、内
筒金具12は、外筒金具14よりも軸方向長さが大きく
されており、内筒金具12の軸方向端部が外筒金具14
から軸方向外方に突出せしめられている。
【0032】また、本体ゴム弾性体16は、略円環ブロ
ック形状を有しており、内外筒金具12,14における
軸方向の略中央に位置せしめられて、それら内外筒金具
12,14の径方向対向面間に跨がって配設されてい
る。また、本体ゴム弾性体16の内外周面は、内筒金具
12の外周面と外筒金具14の内周面に対してそれぞれ
加硫接着されており、それによって、内外筒金具12,
14が、軸方向の略中央部分で本体ゴム弾性体16によ
って弾性連結されている。なお、このことから明らかな
ように、本実施形態では、内筒金具12の軸方向両側部
分および外筒金具14の軸方向両側部分が、それぞれ、
本体ゴム弾性体16による連結部位である軸方向の略中
央部分24および26から軸方向外方に延び出した軸方
向延出部28,28および30,30とされている。そ
して、内外筒金具12,14の軸方向両端部分におい
て、それぞれ、内筒金具12の軸方向延出部28と外筒
金具14の軸方向延出部30が径方向で離隔して対向位
置せしめられている。
【0033】更にまた、一体加硫成形品22には、本体
ゴム弾性体16の内周部分から軸方向両側に向かってそ
れぞれ円筒形状で延び出す一対の内側被覆ゴム32,3
2が形成されている。かかる一対の内側被覆ゴム32,
32は、本体ゴム弾性体16と一体形成されており、内
筒金具12における軸方向延び出し部28,28の外周
面を被覆するように内筒金具12に密着状態で加硫接着
されている。なお、一対の内側被覆ゴム32,32は、
全体に亘って略一定の厚さで形成されている。
【0034】また一方、本体ゴム弾性体16の外周部分
からも、軸方向両側に向かってそれぞれ円筒形状で延び
出す一対の外側被覆ゴム34,34が形成されている。
かかる一対の外側被覆ゴム34,34は、本体ゴム弾性
体16と一体形成されており、外筒金具14の乃至希有
面を被覆するように外筒金具14に密着状態で加硫接着
されている。特に本実施形態では、外側被覆ゴム34,
34によって保持ゴム層が構成されている。
【0035】さらに、各外側被覆ゴム34には、図4に
示されているように、軸方向中間部分で軸直角方向に立
ち上がって広がる円環面からなる段差面40が形成され
ている。特に本実施形態では、かかる段差面40が、一
定の径方向高さ寸法で、周方向の全周に亘って連続して
延びるように形成されている。要するに、外側被覆ゴム
34は、段差面40を挟んで軸方向両側に位置せしめら
れる部分で互いに厚さ寸法が異ならされており、段差面
40よりも軸方向内側が厚肉ゴム層34aとされている
と共に、段差面40よりも軸方向外側が薄肉ゴム層34
bとされている。なお、薄肉ゴム層34bの軸方向先端
部は、軸方向外方に向かって拡開するテーパ面44とさ
れている。
【0036】また、外側被覆ゴム34には、薄肉ゴム層
34bの内周面38から径方向内方に向かって突出する
弾性突部としての弾性突条46が一体形成されている。
この弾性突条46は、後述する環状ストッパ48の外周
面の軸方向幅寸法よりも十分に小さな幅寸法と、段差面
40よりも小さな突出高さを有している。そして、かか
る弾性突条46は、段差面40よりも僅かに軸方向外方
に位置して、略山形の断面形状をもって周方向の全周に
亘って連続して延びるように形成されており、全体とし
て環状のリップ形状を有している。
【0037】一方、このような一体加硫成形品22と
は、別途、図5に示されている如き環状ストッパ部材と
しての一対の環状ストッパ48,48を準備する。かか
る環状ストッパ48は、金属や合成樹脂等の少なくとも
本体ゴム弾性体16よりも硬質の材料で形成することが
出来、具体的には、例えばガラス繊維等で補強されたポ
リアミド樹脂等の硬質合成樹脂材を用いて射出成形する
ことによって形成することが出来る。
【0038】そこにおいて、環状ストッパ48は、略矩
形の一定断面形状をもって周方向に延びる円環形状を有
しており、その内径寸法は、一体加硫成形品22を構成
する内筒金具12に被着形成された内側被覆ゴム32の
外径寸法よりも所定量だけ大きく設定されている。ま
た、環状ストッパ48の外径寸法は、外筒金具14に被
着形成された外側被覆ゴム34の薄肉ゴム層34bの内
径寸法よりも小さく、且つ、薄肉ゴム層34bの内周面
38に突設された弾性突条46の突出先端部によって形
成される円環状面の内径寸法よりも大きく設定されてい
る。更に、環状ストッパ48の軸方向寸法は、外側被覆
ゴム34の薄肉ゴム部34bの軸方向長さよりも小さく
されている。
【0039】その後、上述の如く別々に形成し、準備し
た一体加硫成形品22と環状ストッパ48,48を相互
に組み合わせることによって、図6に示されている如き
組付体52を得る。一体加硫成形品22と環状ストッパ
48,48の組み合わせは、一体加硫成形品22の内外
筒金具12,14間に軸方向両側から環状ストッパ48
をそれぞれ挿し入れることによって行なう。
【0040】そこにおいて、環状ストッパ48を一体加
硫成形品22の外筒金具14に挿し入れると、環状スト
ッパ48の軸方向内側面が外側被覆ゴム34の段差面4
0に当接して軸方向の挿入端が規定される。また、かか
る軸方向挿入端まで挿入した環状ストッパ48には、そ
の外周面に対して弾性突条46を全周に亘って当接せし
めて、該弾性突条46の弾性力に基づいて環状ストッパ
48を内外筒金具12,14と略同一中心軸上に保持せ
しめると共に、弾性突条46の当接部位における摩擦力
に基づいて環状ストッパ48を外筒金具14に対して軸
方向所定位置で位置決め保持せしめる。
【0041】すなわち、一体加硫成形品22に対して一
対の環状ストッパ48,48を組み付けた組付体52に
おいて、環状ストッパ48は、外側被覆ゴム34の段差
面40によって軸方向に位置決めされていると共に、環
状ストッパ48の外周面は、外側被覆ゴム34の薄肉ゴ
ム層34bの内周面38から径方向内方に僅かに離隔位
置せしめられており、環状ストッパ48の外周面と外側
被覆ゴム34の内周面38の間には僅かな間隙寸法:t
をもって広がる隙間50が形成されているのである。
【0042】さらに、このようにして一体加硫成形品2
2に一対の環状ストッパ48,48を組み付けた組付体
52に対して、その外筒金具14に対して縮径加工を施
す。かかる縮径加工は、例えば周方向に8分割や16分
割等した絞り金型を用いて外筒金具14の外周面に径方
向内方に向かう圧力を加える周知の絞り加工によって行
なうことが可能である。
【0043】或いはまた、組付体52を、図1に示され
ているように、自動車のサスペンションメンバ20に形
成されたブッシュの装着用孔54に対して、そのまま圧
入固定して組み付けることにより、装着用孔54への圧
入に伴う縮径力を外筒金具14に及ぼすことによって縮
径加工を施すようにしても良い。
【0044】そして、外筒金具14に縮径加工を施し
て、外筒金具14の全体を縮径させることにより、図1
〜2に示されている如き目的とするサスペンションブッ
シュ10を得る。そこにおいて、外筒金具14に縮径加
工を施すことより、外筒金具14の内周面に被着された
外側被覆ゴム34も縮径させて、該外側被覆ゴム34の
内周面38に突設された弾性突条46を環状ストッパ4
8に当接させて押し潰すようにする。そして、環状スト
ッパ48の外周面の全体を、外側被覆ゴム34の内周面
38に対して大きな圧力をもって当接させて嵌着固定せ
しめる。これにより、環状ストッパ48を、外側被覆ゴ
ム34を介して、外筒金具14に対して嵌着固定せしめ
るのである。
【0045】さらに、本実施形態では、外筒金具14に
八方絞り等の縮径加工を施すと同時に、或いは縮径加工
を施した後に、外筒金具14の軸方向両端部にだけかし
め加工を施し、環状ストッパ48の嵌着部位よりも軸方
向外方に突出位置せしめられた外筒金具14の軸方向両
端部を径方向内方に向かって屈曲させてかしめ部42を
形成する。これにより、環状ストッパ48を、外側被覆
ゴム34に対する当接面の摩擦力だけでなく、環状スト
ッパ48に対してかしめ部42による機械的な係止力も
作用せしめられることとなり、全体として大きな力で環
状ストッパ48が外筒金具14に対して軸方向に位置決
め保持せしめることが出来る。
【0046】また、環状ストッパ48は、その外周面に
対して弾性突条46の当接状態が保たれたままの状態で
外筒金具14に縮径加工が施されることによって、環状
ストッパ48に対する弾性突条46の当接力が解除され
ることなく、弾性突条46の当接力が次第に増大せしめ
られて、最終的に環状ストッパ48に対して弾性突条4
6と外側被覆ゴム34の当接力が最も大きく作用せしめ
られることによって環状ストッパ48が外筒金具14に
位置決め固定されることから、外筒金具14に対して環
状ストッパ48が高い位置決め精度で最終的に固定され
るのである。
【0047】なお、図1〜2から明らかなように、環状
ストッパ48の内径寸法は、内筒金具12に被着された
内側被覆ゴム32の外径寸法よりも十分に大きくされて
おり、環状ストッパ48の内周面が内側被覆ゴム32の
外周面に対して、径方向で所定距離:Tだけ離隔して対
向位置せしめられている。
【0048】そして、このような構造とされたサスペン
ションブッシュ10は、図1に仮想線で示されているよ
うに、内筒金具12に挿通せしめた取付ロッド54によ
って内筒金具12をサスペンションアーム18に対して
取付ボルト54により固定的に取り付ける一方、サスペ
ンションメンバ20に形成された装着孔56に外筒金具
14を圧入固定することによって、サスペンションアー
ム18のサスペンションメンバ20に対する取付部位に
介装されて、サスペンションアーム18をサスペンショ
ンメンバ20に対して防振連結せしめることとなる。な
お、図1中、内筒金具12の軸方向両側には、円環板形
状の緩衝ゴムプレート58,58が、サスペンションア
ーム18または内筒金具12に外挿されて装着されてお
り、外筒金具14がこれら緩衝ゴムプレート58,58
を介してサスペンションメンバ20に固設された当接部
材57,59に当接せしめられることにより、軸方向の
ストッパ機能が発揮されるようになっている。
【0049】また、かかる装着状態下では、軸方向や軸
直角方向、或いはこじり方向等の各種方向への振動荷重
がサスペンションブッシュ10の内外筒金具12,14
間に及ぼされることとなるが、軸直角方向に大きな荷重
が及ぼされた際には、外筒金具14に嵌着固定された環
状ストッパ48の内周面が、内側被覆ゴム32を介し
て、内筒金具12に対して当接せしめられることとな
り、その結果、本体ゴム弾性体16の過大な変形や内外
筒金具12,14の過大な相対変位が緩衝的に制限され
て有効なストッパ機能が発揮されるのである。なお、こ
のことから明らかなように、本実施形態では、内側被覆
ゴム32によって、環状ストッパ48の内筒金具12へ
の当接を緩衝する緩衝ゴム層が構成されている。また、
内外筒金具12,14間に大きな荷重が入力された際に
も、環状ストッパ48の本体ゴム弾性体16に対する干
渉が回避されるように、本体ゴム弾性体16と環状スト
ッパ48,48の間には十分な隙間が形成されている。
【0050】特に、上述の如き構造とされたサスペンシ
ョンブッシュ10においては、環状ストッパ48を一体
加硫成形品22に組み付ける際に、外側被覆ゴム34
(薄肉ゴム部34b)の内径寸法よりも環状ストッパ4
8の外径寸法を小さくして、それら薄肉ゴム部34bと
環状ストッパ48の間に径方向の隙間50が形成される
ようにしたことから、環状ストッパ48の存在下で外筒
金具14に対して大きな縮径量の縮径を施した場合に
も、外側被覆ゴム層34の弾性変形だけでなく、かかる
径方向の隙間50の消失によって、外筒金具14の縮径
が有利に許容され得ることとなる。
【0051】しかも、環状ストッパ48は、外筒金具1
4を縮径させる前の状態においても、外側被覆ゴム34
に形成された段差面40で位置決めされると共に、薄肉
ゴム部34bに突設された弾性突条46に当接されて軸
方向に保持されることから、環状ストッパ48と外側被
覆ゴム層34の間に隙間50が形成されていても優れた
位置決め精度をもって外筒金具14に対して最終的に嵌
着固定され得るのである。
【0052】それ故、環状ストッパ48による縮径量の
制限や、環状ストッパ48の損傷等の問題を回避しつ
つ、外筒金具14を大きな縮径量で縮径加工することが
可能となり、それによって、例えば本体ゴム弾性体16
に対して有効な予圧縮をかけて本体ゴム弾性体16のば
ね特性を調節したり、耐久性の向上を図ること等が可能
となるのである。
【0053】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明はかか
る実施形態における具体的な記載によって、何等、限定
的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種
々なる改良,修正等を加えた態様において実施され得る
ものであり、また、一々列挙しないが、そのような実施
態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明
の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0054】例えば、図7に示されているように、外側
被覆ゴム34において、段差面40に対して軸方向外方
に所定距離を隔てて対向位置する第二の段差面60を形
成し、これら段差面40と第二の段差面60の間に、周
方向に延びる嵌合凹溝62を形成するようにしても良
い。即ち、この嵌合凹溝62は、外筒金具14の中心軸
回りに広がる円筒面からなる底面としての内周面38
と、該底面38の軸方向両端部からそれぞれ径方向内方
に向かって略直角に立ち上がる円環面からなる軸方向両
側(軸方向内側および外側)の側壁面40,60を有し
ており、一定の断面形状で連続して全周に亘って延びる
ように形成されているのである。なお、本具体例では、
軸方向内側の側壁面40が、軸方向外側の側壁面60よ
りも、底面38からの径方向の突出高さが僅かに大きく
されている。そして、この底面38の略中央部分から径
方向内方に向かって突出するようにして、弾性突条46
が形成されている。
【0055】ここにおいて、嵌合凹溝62は、環状スト
ッパ48の軸方向幅寸法と略同じ軸方向長さをもって形
成されており、弾性突条46は、嵌合凹溝62よりも十
分に小さい軸方向の幅寸法をもって形成されている。
【0056】すなわち、このような嵌合凹溝62を採用
することにより、図8に示されているように、組付体5
2において、外筒金具14に挿し入れられた環状ストッ
パ48は、その外周部分が嵌合凹溝62に嵌め入れられ
ることとなる。要するに、嵌合凹溝62の軸方向両側の
壁部の内径寸法、即ち段差面40および第二の段差面6
0の内径寸法は、環状ストッパ48の外径寸法より小さ
く且つ環状ストッパ48の内径寸法より大きく設定され
ているのであり、嵌合凹溝62に環状ストッパ48が嵌
め入れられた規定の組付状態において、環状ストッパ4
8の軸方向両面に対して、段差面40と第二の段差面6
0がそれぞれ略密接して重ね合わされるのである。
【0057】従って、このような嵌合凹溝62を採用す
ることにより、組付体52において、外筒金具14への
縮径が完了する迄の間、環状ストッパ48をより強固に
安定して所定の組付位置に保持せしめることが出来るの
であり、環状ストッパ48の位置決め精度の更なる向上
が図られ得る。なお、かかる嵌合凹溝62を採用した場
合でも、前記実施形態と同様に、環状ストッパ48を組
み付けた組付体においては、図8に示されているよう
に、嵌合凹溝62の底面38と環状ストッパ48の間に
は軸方向の隙間50が形成されると共に、外筒金具14
を縮径することにより、図9に示されているように、製
品たるサスペンションブッシュにおいては、かかる隙間
(50)が消失せしめられて、環状ストッパ48が外側
被覆ゴム34を介して外筒金具54に嵌着固定されるこ
ととなる。
【0058】しかも、環状ストッパ48を一体加硫成形
品22に組み付けるに際して、環状ストッパ48が目的
とする位置まで軸方向に挿し入れられたか否かを、環状
ストッパ48の軸方向外面に第二の段差面60が重ね合
わせられたか否かを外部から見ること等で容易に確認す
ることが出来ることから、環状ストッパ48の組み付け
を一層高い信頼性のもとで行なうことが可能となるので
ある。
【0059】さらに、本発明においては、例えば図10
に示されているように、環状ストッパ48の径方向内方
への突出高さを周方向で変化させることにより、互いに
異なる径方向で発揮されるストッパ機能をチューニング
することも可能である。
【0060】また、前記実施形態では、内外筒金具1
2,14の軸方向両側に一対の環状ストッパ48,48
が組み付けられていたが、例えば前記特開平9−280
314号公報等に記載の防振ブッシュ等においては、軸
方向一方の側にだけ環状ストッパ部材を組み付けた態様
が好適に採用され得る。
【0061】更にまた、前記実施形態で採用されていた
外筒金具14の軸方向両端部におけるかしめ部42,4
2は、本発明において必須のものでなく、例えば図9に
示されているように、外筒金具14を全体に亘って略一
定の内外径寸法をもって製品としても良い。
【0062】加えて、前記実施形態では、本発明をサス
ペンションブッシュに適用したものの一具体例を示した
が、本発明は、その他、自動車用の筒型マウントを含む
各種の防振ブッシュ、更に自動車以外の各種装置に用い
られる多様な防振ブッシュに対して、何れも適用可能で
あることは、言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
方法に従えば、アウタ筒部材に対して環状の保持ゴム層
を挿し入れて組み付けるに際して、アウタ筒部材の内周
面に被着形成された保持ゴム層と環状ストッパ部材の間
に隙間が形成された状態で、該環状ストッパ部材を弾性
突条によって所定位置に保持せしめることが出来るので
あり、しかも、そのように弾性突条で環状ストッパ部材
を保持せしめたままの状態下でアウタ筒部材を縮径して
最終的に環状ストッパ部材をアウタ筒部材に対して嵌着
固定することが出来る。
【0064】それ故、本発明方法に従えば、環状ストッ
パ部材による縮径量の制限や、環状ストッパ部材の損傷
等の問題を回避しつつ、アウタ筒部材に対する縮径量を
十分に大きく設定することが可能となるのであり、それ
によって、本体ゴム弾性体のばね特性のチューニング自
由度の向上や耐久性の向上が実現可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのサスペンショ
ンブッシュを示す縦断面説明図である。
【図2】図1における右側面図である。
【図3】図1に示されたサスペンションブッシュを構成
する環状ストッパを示す斜視図である。
【図4】図1に示されたサスペンションブッシュを構成
する一体加硫成形品を示す縦断面図である。
【図5】図4に示された一体加硫成形品の要部拡大説明
図である。
【図6】図1に示されたサスペンションブッシュの一製
造工程を説明するための組付体の縦断面図である。
【図7】本発明の別の具体的態様例を示す、図5に対応
する腰部拡大説明図である。
【図8】図7に示された具体的態様例における組付体を
示す、図6に対応する縦断面図である。
【図9】図8に示された組付体によって製造された製品
としてのサスペンションブッシュを示す、図1に対応す
る縦断面説明図である。
【図10】本発明の更に別の具体的態様例を示す、図2
に対応する側面図である。
【符号の説明】
10 サスペンションブッシュ 12 内筒金具 14 外筒金具 16 本体ゴム弾性体 22 一体加硫成形品 28 軸方向延出部 30 軸方向延出部 32 内側被覆ゴム 34 外側被覆ゴム 38 底面 40 段差面 42 かしめ部 46 弾性突条 48 環状ストッパ 50 隙間 52 組付体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナ軸部材の径方向外方にアウタ筒部
    材を離隔配置すると共に、それらインナ軸部材とアウタ
    筒部材の径方向対向面間に本体ゴム弾性体を配設して該
    本体ゴム弾性体を該インナ軸部材の外周面と該アウタ筒
    部材の内周面にそれぞれ加硫接着する一方、該インナ軸
    部材と該アウタ筒部材における軸方向の少なくとも一方
    の端部に該本体ゴム弾性体による連結部位から軸方向に
    延び出して互いに径方向で対向位置する軸方向延出部を
    それぞれ設けると共に、該アウタ筒部材の該軸方向延出
    部に環状ストッパ部材を挿し入れて嵌着固定したストッ
    パ付き防振ブッシュを製造するに際して、 前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材に前記本体ゴム弾
    性体を加硫接着すると共に、該アウタ筒部材の前記軸方
    向延出部の内周面に広がる保持ゴム層と該保持ゴム層の
    内周面に突出する弾性突部を該本体ゴム弾性体と一体形
    成せしめて一体加硫成形品を得た後、かかる一体加硫成
    形品における前記アウタ筒部材の前記軸方向延出部に前
    記環状ストッパ部材を挿し入れて該環状ストッパ部材の
    外周面を部分的に前記弾性突部に当接させることにより
    該環状ストッパ部材の外周面と前記保持ゴム層の間に隙
    間が形成された状態で該環状ストッパ部材を該一体加硫
    成形品に組み付けることによって組付体を構成し、かか
    る組付体における前記アウタ筒部材を縮径せしめて、前
    記環状ストッパ部材の外周面と前記保持ゴム層の間の前
    記隙間を消失させて該環状ストッパ部材の外周面を該保
    持ゴム層に密接させることにより、該環状ストッパ部材
    を該保持ゴム層を介して該アウタ筒部材に嵌着固定する
    ことを特徴とするストッパ付き防振ブッシュの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記保持ゴム層の軸方向中間部分におい
    て周方向に延びる段差面を形成し、前記アウタ筒部材の
    前記軸方向延出部に前記環状ストッパ部材を挿し入れる
    に際して、該環状ストッパ部材を該保持ゴム層の段差面
    に当接せしめて該環状ストッパ部材の該軸方向延出部へ
    の挿し入れ位置を規定する請求項1に記載のストッパ付
    き防振ブッシュの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保持ゴム層において径方向内方に開
    口して周方向に延びる嵌合凹溝を形成して、該嵌合凹溝
    の軸方向内側の側壁面で前記段差面を構成し、前記組付
    体に対して前記環状ストッパ部材を組み付けるに際して
    該環状ストッパ部材を該嵌合凹溝に嵌め入れて、該環状
    ストッパ部材を該嵌合凹溝の軸方向両側壁部で軸方向に
    位置決め保持せしめる請求項2に記載のストッパ付き防
    振ブッシュの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記組付体において、前記アウタ筒部材
    における前記環状ストッパ部材が嵌着固定された前記軸
    方向延出部の軸方向先端部分に対してかしめ加工を施し
    て径方向内方に屈曲した環状の係止部を形成する請求項
    1乃至3の何れかに記載のストッパ付き防振ブッシュの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記組付体における前記アウタ筒部材に
    対する縮径量を、前記一体加硫成形品における前記本体
    ゴム弾性体の径方向寸法の3%以上とする請求項1乃至
    4の何れかに記載のストッパ付き防振ブッシュの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記アウタ筒部材として金属製のアウタ
    筒金具を採用し、前記組付体の該アウタ筒金具に対して
    絞り加工を施すことにより該アウタ筒金具を縮径せしめ
    る請求項1乃至5の何れかに記載の防振ブッシュの製造
    方法。
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