JP2003268671A - 布の賦形加工方法及び賦形加工布 - Google Patents

布の賦形加工方法及び賦形加工布

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JP2003268671A JP2002067614A JP2002067614A JP2003268671A JP 2003268671 A JP2003268671 A JP 2003268671A JP 2002067614 A JP2002067614 A JP 2002067614A JP 2002067614 A JP2002067614 A JP 2002067614A JP 2003268671 A JP2003268671 A JP 2003268671A
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washing resistance
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Tomio Hatano
富雄 畑野
Shota Hatano
祥太 畑野
Hiromi Nakanishi
宏美 中西
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HATANO SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】布への賦形性及び賦形後の布の耐洗濯性に優れ
かつ作業性にも優れたセルロース系繊維を含有する布の
賦形加工方法及び賦形性に優れた加工布を提供するこ
と。 【解決手段】アンモニアで処理されたセルロース系繊維
を50重量%以上含有する布に、その布100重量部に
対してアルカリ類を0.01〜5重量%含有する水溶液
10〜300重量部を含有させ、次いでこの布を50〜
200℃に加熱しつつ賦形加工を施す工程を有する、布
の賦形加工方法、及び該賦形加工方法で加工されてな
る、セルロース系繊維含有賦形加工布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニアで処理
されたセルロース系繊維を50重量%以上含有する布の
賦形加工方法及び該賦形加工方法により賦形加工された
布に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維の賦形加工方法として
は、例えば、特開平8-284061号公報、特許第3051862 号
公報、特開平10-1864 号公報、特開平11-124768 号公報
等で開示されているように、セルロース系繊維をアンモ
ニア処理し、次いで賦形加工した後、蒸気処理や高温水
あるいはアルカリ水への浸漬処理等の後処理をする加工
方法がある。
【0003】しかし、前記従来方法では、賦形加工時の
賦形性及び賦形加工後の形状維持性、特に洗濯時の形状
維持性(耐洗濯性)が充分でなかったため、布への賦形
性及び賦形後の布の耐洗濯性に優れかつ作業性にも優れ
たセルロース系繊維を含有する布の賦形加工方法及び賦
形性に優れた加工布の出現が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、布へ
の賦形性及び賦形後の布の耐洗濯性に優れかつ作業性に
も優れたセルロース系繊維を含有する布の賦形加工方法
及び賦形性に優れた加工布を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セルロー
ス系繊維含有布が有する上記問題点を解決すべく鋭意検
討した結果、アンモニアで処理されたセルロース系繊維
を50重量%以上含有する賦形加工前の布に、所定量の
アルカリ類を含有する水溶液を含有させ、次いでこの布
を所定の温度に加熱しつつ賦形加工を施し、その後必要
に応じ蒸気処理や高温水浸漬処理の後処理を施すことに
より布への賦形性及び耐洗濯性に優れたセルロース系繊
維含有賦形加工布を得ることができる賦形加工方法を新
たに見出した。
【0006】即ち、本発明の要旨は、〔1〕アンモニア
で処理されたセルロース系繊維を50重量%以上含有す
る布に、その布100重量部に対してアルカリ類を0.
01〜5重量%含有する水溶液10〜300重量部を含
有させ、次いでこの布を50〜200℃に加熱しつつ賦
形加工を施す工程を有する、布の賦形加工方法、及び
〔2〕前記〔1〕記載の賦形加工方法で加工されてな
る、セルロース系繊維含有賦形加工布、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の賦形加工方法において
は、前記のように、アンモニアで処理されたセルロース
系繊維を50重量%以上含有する布に、その布100重
量部に対してアルカリ類を0.01〜5重量%含有する
水溶液10〜300重量部を含有させ、次いでこの布を
50〜200℃に加熱しつつ賦形加工を施す工程を有す
ることが必要とされる。本発明においては、前記工程を
有することで、賦形性及び耐洗濯性に優れた布を得るこ
とができるという優れた効果が発現される。
【0008】特に、本発明の賦形加工方法によれば、賦
形加工時の物理力により布上に形成されたプリーツ等の
凹凸模様の形状保持力が向上し、賦形完了後その物理力
を解除されてもその形状を保持し易いという利点があ
る。通常、加熱せずに賦形加工する場合、特にV字状の
鋭角な模様は賦形完了後物理力を解除すると、V字状先
端部が布の反発力により鋭角なU字型に変形し所望の形
状が得られにくいが、本発明のように布を加熱しつつ賦
形加工する方法ではそのような変形が抑えられて所望の
形状を得ることができ、その結果布の賦形性及び耐選択
性が著しく向上する。
【0009】本発明でセルロース系繊維とは、木綿、麻
等の天然繊維、ビスコースレーヨン等の再生セルロース
系繊維を言い、これらのセルロース系繊維は単独で用い
られてもよく、2種以上を混用してもよい。また、必要
に応じて、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリア
クリロニトリル繊維等の合成繊維と混用しても良い。
【0010】本発明で布とは、前記セルロース系繊維を
含有する織物、編物、不織布等を言い、布は漂白されて
いても染色されていても良い。
【0011】本発明に用いられる布は、該布中における
アンモニア処理されたセルロース系繊維の含有量が50
重量%以上であるものが必要とされる。50重量%未満
ではアンモニア処理されたセルロース系繊維の含有量が
少なく布に充分な賦形性を付与することができない。布
の賦形性及び耐洗濯性確保の観点からは、布中のアンモ
ニア処理されたセルロース系繊維の含有量が好ましくは
70重量%以上、より好ましくは90重量%以上であ
る。
【0012】前記布の例としては、木綿等のセルロース
系繊維を液体アンモニア中に一定時間浸漬後そのアンモ
ニアを加熱除去した布が挙げられる。なお、アンモニア
処理方法は、公知の方法(特開平10−259570号
公報等)を用いればよく、何ら限定されるものではな
い。
【0013】本発明においては、前記布100重量部に
対してアルカリ類を0.01〜5重量%含有する水溶液
10〜300重量部を含有させる。該水溶液の含有量
が、布100重量部に対し10重量部未満では充分な布
の賦形性及び耐洗濯性が得られず、また300重量部を
超えては水分含有量が多く機械賦形加工等の賦形加工の
作業性が悪くなり、好ましくない。布の賦形性及び耐洗
濯性確保の観点から、前記水溶液の含有量は、50〜2
50重量部が好ましく、より好ましくは100〜200
重量部である。なお、前記水溶液の含有量は、後述の実
施例に記載の方法に基づいて測定したものをいう。
【0014】また、前記水溶液は、布の賦形性及び耐洗
濯性確保の観点から、アルカリ類を0.01〜5重量%
含有されることが必要とされる。アルカリ類の含有量が
0.01重量%未満では布の賦形性及び洗濯性が不十分
であり、また、5重量%を超えると布の賦形性及び耐洗
濯性は向上せず、経済性あるいは作業時の安全の観点か
ら好ましくない。アルカリ類の含有量は前記水溶液中に
おいて0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量
%がより好ましい。
【0015】アルカリ類としては、アルカリ金属、アル
カリ土類金属等の酸化物、水酸化物、塩類等が挙げられ
る。具体的にはナトリウム、カリウム、リチウム、カル
シウム、バリウム、マグネシウム等の酸化物、あるいは
それらと、炭酸、硼酸、珪酸、燐酸等との無機酸類又は
酢酸、グルコン酸等の有機酸類等との塩類等を挙げるこ
とができる。なお、塩類とは酸類とアルカリ類の中和で
形成された化合物を言う。
【0016】これらの中でも、布の賦形性及び耐洗濯性
確保の観点から、ナトリウム、カリウムの酸化物、水酸
化物、炭酸塩、珪酸塩及び燐酸塩が好ましい。
【0017】また、本発明においては、アルカリ類の中
でも塩類を使用すると、賦形加工の加熱により布の白地
や染色部の変色が著しく抑制されるため好ましく、特
に、アルカリ金属及び又はアルカリ土類金属と炭酸、硼
酸、珪酸、燐酸等の無機弱酸類との塩類や酢酸、グルコ
ン酸等の有機酸類との塩類がより好ましい。
【0018】これらのアルカリ類は単独で用いても良く
2種以上を混合して用いても良い。
【0019】本発明で用いられるアルカリ類としては、
布の賦形性及び耐洗濯性確保の観点から、アルカリ類を
1重量%含む水溶液のpHが9以上であることがより好
ましい。
【0020】また、必要に応じてアンモニア、水溶性ア
ルキルアミン、アルカノールアミン、4級アンモニウム
ハイドロオキサイド類等の有機アルカリ類を加えても良
い。
【0021】賦形加工前のアンモニアで処理された布に
所定量の前記水溶液を含有させる方法としては、前記水
溶液そのものを布に含有させてもよく、アルカリ類水溶
液と水とに分けて含有させてもよい。中でも、作業性の
観点から、水溶液そのものを含有させることが好まし
い。その手段としては、塗布、含浸、スプレー等が挙げ
られる。
【0022】その具体例としては、一定量のアルカリ類
を溶解した水溶液に布を浸し、その後マングル等で絞っ
て水分含有量を調節する方法や、布に対し一定量のアル
カリ類を溶解した水溶液をポンプや超音波等の物理力で
噴霧状あるいは水滴状にして散布する方法等が例示され
る。
【0023】水やアルカリ類を溶解した水溶液中には必
要に応じ、浸透性を上げる目的で、界面活性剤や消泡剤
としてのシリコンオイル等を添加してもよい。布への浸
透性をあげ、作業性を向上させる観点から、非イオン性
界面活性剤及び/又は陰イオン性界面活性剤を添加する
ことが好ましい。
【0024】本発明においては、次いで、所定量の前記
水溶液を含有させた布を50〜200℃に加熱しつつ賦
形加工を施す。本発明においては、かかる賦形加工を施
すことにより、布の賦形性及び耐洗濯性をより向上させ
ることができるという利点がある。
【0025】本発明で賦形加工とはプリーツやシワ模様
に代表される凹凸を布上に付けることを言い、布に人力
や機械力等の物理力を与え屈曲させて形成する。賦形加
工には、機械プリーツ加工機やシワ付け加工機を用いる
方法や手揉み方法、布を糸等で結束する方法等の公知の
方法を用いることができる。
【0026】賦形加工の際の加工温度は、布の賦形性及
び耐洗濯性向上の観点から、50〜200℃であり、7
0〜200℃が好ましく、100〜150℃がより好ま
しい。200℃を超える温度では加工時に布が変色する
恐れがあり、また50℃未満では加熱による賦形効果が
得られにくい。
【0027】賦形加工の際の加工方法としては、特に限
定は無いが、熱線や熱風や加熱水蒸気を布に当てつつ賦
形加工する方法や加熱した容器内で賦形加工する方法等
の間接加熱方法、賦形用の治具を電気や蒸気等で加熱し
その賦形用治具に直接布を接しながら賦形加工する方法
等の直接加熱方法が例示できる。
【0028】また、賦形加工の際の加熱方法としては、
布の賦形性及び耐洗濯向上の観点から、賦形用の治具を
電気や蒸気で加熱しその賦形用治具に布を接しながら賦
形加工する布を直接加熱する方法が好ましい。
【0029】これらの直接加熱方法の中でも、賦形加工
を施す際に賦形用治具を70〜200℃に加熱し、その
賦形用治具に布を接しながら賦形加工を施すと、加熱に
よる良好な賦形効果が得られ、その結果優れた布の賦形
性及び耐選択性が得られるため、好ましい。
【0030】特に、賦形用治具としてロールを有する賦
形機を用いる場合、ロール表面の温度を好ましくは70
〜200℃、より好ましくは100〜150℃になるよ
う加熱し、そのロールに賦形すべき布を接しつつプリー
ツ等の賦形を行うと、良好な布の賦形性及び耐洗濯性が
得られるため望ましい。
【0031】本発明においては、さらに後処理工程とし
て、賦形加工を施した布(以下賦形加工布ともいう)を
高温空気中や蒸気中の乾式処理あるいは高温水中やアル
カリ水中の湿式処理条件下で一定時間保持する処理を行
うと、加熱による賦形増強効果を付与することができ、
その結果賦形加工布の賦形性及び耐洗濯性が向上するた
め好ましい。
【0032】中でも、賦形加工布は相互に密着して集積
しており、高温水等の浸透性が極めて低いという特性を
有するため、後処理方法としては、乾式の後処理方法で
あることがより好ましい。例えば、賦形加工布の賦形性
及び耐洗濯性が向上する観点から、賦形加工布を70〜
200℃、好ましくは110〜160℃の高温に保った
空気中あるいは蒸気中で、1分以上、好ましくは10〜
60分間放置して保持する乾式の後処理をする方法が望
ましい。
【0033】以上のような工程を有する本発明の賦形加
工方法を用いることにより、賦形性に優れかつ耐洗濯性
に優れたセルロース系繊維含有賦形加工布を得ることが
できる。
【0034】
【実施例】以下、「重量%」を「%」で表す。
【0035】実施例1〜12、比較例1〜4 縦横各1mの大きさに切断した木綿100%及び木綿7
0%と麻30%混紡の平織物布を定法で漂白した後、液
体アンモニアに15秒間浸漬し、その後加熱して液体ア
ンモニアを除去することにより、木綿100%及び木綿
70%と麻30%混紡のアンモニア処理布を得た。
【0036】次いで、得られた2種類のアンモニア処理
布に表1記載の炭酸ソーダ0.5%水溶液やイオン交換
水を噴霧器を用いて噴霧し、あるいは水溶液中に浸漬し
て試験布を得た。なお、試験布における水溶液の含有量
(水分含有量)は、式(1)から求めた。この水分含有
量は、布100重量部に対する値である。 水分含有量(重量部) ={(水分含有後の試験布の重量−処理液に浸漬する前の試験布の重量)/(処 理液に浸漬する前の試験布の重量)}×100 式(1)
【0037】このようにして得られた試験布を、ロール
式機械プリーツ加工機を用い、ロール方向に直線の襞を
2cm間隔で形成するように交互に折り曲げながら、プ
リーツ加工を施した。プリーツ加工は表1に示すように
ロールの表面温度を変えて行った。得られたプリーツ加
工布の賦形性、耐洗濯性及び変色度の結果を表1に示
す。なお、賦形性、耐洗濯性及び変色度は以下のように
して測定した。
【0038】〔賦形性〕プリーツ加工布の賦形性は、プ
リーツ加工布から縦横20cmになるように評価用テス
ト布を切り出し、折り曲げ部の角度をモンサント形試験
器を用いて測定した。折り曲げ部の角度が20度以下は
5、20度〜40度以下は4、40度〜60度は3、6
0度〜90度は2、90度以上は1と評価し、角度の小
さいものほど賦形性が良好と判定した。
【0039】〔耐洗濯性〕プリーツ加工の耐洗濯性は、
プリーツ加工布から縦横20cmになるように評価用テ
スト布を切り出し、その布を用いてJISL−1610
に準じて洗濯を行い、その後乾燥を行う操作を10回行
い、試験前後の折り曲げ部の角度をモンサント形試験器
を用いて測定し、式(2)から判定した。 耐洗濯性={(10回洗濯後の角度)−(洗濯前の角度)} 式(2)
【0040】角度変化が10度以下を5、10〜20度
を4、20〜30度を3、30〜40度を2、40度以
上を1と評価し、耐洗濯性は、式(2)の値が小さいほ
ど、つまり洗濯前に比べその角度の変化が少ないほど良
好な耐洗濯性を有すると判断した。
【0041】〔変色度〕布の変色度は、加工前後で生地
の色を目視により比較して判断した。
【0042】なお、変色が明らかに認められるものを
5、一部だけ認められるものを4、やや変色したものを
3、加工前の生地と比べると、ほんのりと変色している
のが認められるものを2、加工前の生地とほぼかわらな
いが、一部変色したものを1、全く変色していないもの
を0と評価し、変色度が小さいものほど変色が少ないと
判断した。
【0043】プリーツ加工布としては、賦形性の評価が
3以上、耐洗濯性の評価が3以上、かつ変色度が4以下
のものを合格品とした。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から、アルカリ類である炭酸ソ
ーダ0.5%を含む水溶液を布に対し15%以上含有さ
せ50℃以上に加温しつつプリーツ加工する実施例1〜
12では良好な賦形性及び耐洗濯性が得られ、特に、プ
リーツ加工のロール温度を100〜250℃にする実施
例1、2、4〜12では良好な布の賦形性及び耐洗濯性
が得られた。アルカリ水を含有させない布の比較例1あ
るいはアルカリ水を含有させても含有水分量が10重量
部に満たない比較例2ではたとえプリーツ加工時120
℃に加熱しても賦形性や耐洗濯性が極めて悪かった。ま
た400重量部の水分を含有させた比較例4は賦形作業
性が悪く賦形加工ができなかった。アルカリの炭酸ソー
ダ0.5%を含む水溶液を布100重量部に対し15重
量部以上含有させてもプリーツのロール温度を50℃未
満にした比較例3では良好な賦形性及び耐洗濯性は得ら
れなかった。ロールの温度を180℃にした実施例6で
は変色度1、200℃にした実施例7では布の変色度3
の変色が認められたが、その他の実施例では変色は認め
られなかった。
【0046】実施例13〜21、比較例5 前記のようにして得られた木綿100%のアンモニア処
理布に、表2記載の成分を含有する水溶液を噴霧器を用
いて噴霧し、試験布(水分含有量100重量部)を得
た。得られた試験布に実施例1と同様にしてプリーツ加
工(プリーツ加工温度は135℃)を施し、得られたプ
リーツ加工布の賦形性、耐洗濯性及び変色度を調べた。
なお、賦形性、耐洗濯性及び変色度は、前記の方法に基
づいて測定した。また、表2中の炭酸ソーダ、苛性ソー
ダ、苛性カリ、炭酸水素ナトリウム及び酢酸ソーダの1
%水溶液のpHはいずれも9以上であった。
【0047】
【表2】
【0048】表2の結果から、各種アルカリ類を0.0
5〜5%含む水溶液を含有させ賦形加工した実施例13
〜21では良好な賦形性及び耐洗濯性の得られることが
わかった。また、炭酸ソーダ等の塩類をアルカリ類とす
る実施例13、16、17、18、19、21は変色が
少なく、苛性ソーダあるいは苛性カリをアルカリ類とす
る実施例14、15、20は変色が認められた。
【0049】実施例22、23 前記のようにして得られた木綿100%のアンモニア処
理布に、炭酸ソーダ0.2%水溶液を水分含有量100
重量部になるように含有させ、得られた布を表3に記載
のプリーツ加工温度にした以外は、実施例1と同様にし
てプリーツ加工布を得、前記と同様にしてプリーツ加工
布の耐洗濯性(後処理前耐洗濯性)を調べた。
【0050】次いで、得られたプリーツ加工布を、13
0℃の空気中又は130℃の水蒸気中又は98℃の熱水
中に20分間放置し、後処理を施した。得られた布につ
いて、前記と同様に耐洗濯性(後処理後耐洗濯性)を調
べた。この結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】表3の結果から、実施例23では後処理と
して水蒸気処理又は熱空気処理をすることにより耐洗濯
性が向上することがわかった。また、実施例22では、
後処理をした場合には、10回以上洗濯を行っても耐洗
濯性の評価が変わらず良好なままであることがわかっ
た。中でも水蒸気処理又は熱処理をした場合には耐洗濯
性の持続効果は顕著であった。
【0053】
【発明の効果】本発明の布の賦形加工方法を用いること
により、従来の方法では不可能であった賦形した加工布
の賦形性および賦形加工後の形状維持性に洗濯時の形状
維持性(耐洗濯性) に優れた賦形加工布を得ることがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 中西 宏美 和歌山県橋本市学文路162番地 畑野産業 株式会社内 Fターム(参考) 3B154 AA12 AB02 AB19 BA36 BB12 BD17 BE05 BF01 BF12 DA13 DA18 4L031 AA02 AB31 BA11 BA14 BA16 BA34 BA36 CA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニアで処理されたセルロース系繊
    維を50重量%以上含有する布に、その布100重量部
    に対してアルカリ類を0.01〜5重量%含有する水溶
    液10〜300重量部を含有させ、次いでこの布を50
    〜200℃に加熱しつつ賦形加工を施す工程を有する、
    布の賦形加工方法。
  2. 【請求項2】 布に賦形加工を施す工程が、賦形用治具
    を70〜200℃に加熱し、その賦形用治具に布を接触
    させながら布を加熱して賦形加工を施す工程である、請
    求項1記載の賦形加工方法。
  3. 【請求項3】 賦形用治具としてロールを有する賦形機
    を用いる、請求項2記載の賦形加工方法。
  4. 【請求項4】 布に賦形加工を施した後、賦形加工状態
    下で70〜200℃で1分間以上放置する工程をさらに
    有する請求項1〜3いずれか記載の賦形加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の賦形加工方
    法で加工されてなる、セルロース系繊維含有賦形加工
    布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005336626A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Hatano Sangyo Kk 布の伸び抑制加工方法及び賦形加工布

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005336626A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Hatano Sangyo Kk 布の伸び抑制加工方法及び賦形加工布
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