JP3465066B2 - プリーツ性を有する天然セルロース繊維、その繊維製品及びそれらの製造方法 - Google Patents

プリーツ性を有する天然セルロース繊維、その繊維製品及びそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れたプリーツ性を有
する天然セルロース繊維、それを繊維原材料として得ら
れる繊維製品及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木綿を代表とする天然セルロースは、そ
の吸湿性や肌触り等多くの利点の為に広く使用されてい
る反面、洗濯によって縫製された布地の著しい変形(し
わ)が生じる欠点があり、特に天然セルロースを衣料と
して使用する場合には、その改善が求められている。
【0003】斯かる防しわ性を改良する技術としては、
セルロースにポリカルボン酸類の中和水溶液を含浸さ
せ、当該セルロースを加熱してエステル化処理する方法
が知られている(米国特許第3,526,048号明細
書)。
【0004】一方、上記性状はウォッシュアンドウエア
性(W&W性)と言われ、洗濯乾燥後、アイロンがけな
しに着用することを目的とした指標であり、洗じわの程
度を評価する基準として「DP指標」(AATCC試験
法 124−1967)がよく用いられている。
【0005】しかしながら、実際の着用の利便性を考慮
した場合、DP指標のみでは衣料のW&W性を充分に評
価することはできない。
【0006】斯かる評価上の問題点を解決する極めて重
要な項目として、プリーツ性が挙げられる。ここで、プ
リーツ性とは、例えば、縫製した後、熱プレスを行い、
縦スジや襟を形成した場合、その形が洗濯によって消失
しないでスジや襟が元の形態を保つ性能である。
【0007】プリーツ性を改善する方法としては、例え
ば、縫製、プレスした衣料にホルマリンガスを作用させ
たり、尿素ホルマリン樹脂等のホルマリン誘導体を付着
させて縫製した後で熱プレスする方法が知られている。
【0008】しかしながら、ホルマリンやその誘導体を
適用した場合、処理後においてもホルマリンが残存して
しまう現象が顕著である。ホルマリンは、その特有な悪
臭の他に発ガン性物質として知られており、繊維処理工
程での作業環境ばかりでなく、製品として消費者にまで
影響が懸念されるものである。
【0009】また、最近の消費者の衣料への要求は厳し
く、形状記憶衣料という水準が要求されており、単なる
洗いじわだけでなく、プリーツ性を有した実用的な意味
でのW&W性を有した衣料でなければ受け入れられない
状態になっている。
【0010】即ち、現在の衣料分野においては、防しわ
性のみならず、ホルマリン及びその誘導体を使用しない
で優れたプリーツ性を有する天然セルロース繊維が求め
られているのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プリーツ性
が改善された防しわ性の天然セルロース繊維、当該繊維
を原料として得られる天然セルロース繊維製品及びそれ
らの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、それらの
要求に応えるべく鋭意検討の結果、下記(1)〜(2)
に示す事実を見い出し、斯かる知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0013】(1)ポリカルボン酸類でエステル化処理
され架橋された天然セルロース繊維は、防しわ性の改良
においては有効であるものの、プリーツ性については充
分ではなく、実用的な意味でのW&W性において、尚、
改善の余地が認められる。
【0014】(2)予めポリカルボン酸類で架橋された
天然セルロース繊維を調製し、次いで当該処理繊維を水
溶性塩の水溶液に含浸した後、これを加熱処理すること
により、防しわ性のみならず、特に優れたプリーツ性を
有する繊維材料を得ることができる。
【0015】即ち、本発明に係る改質天然セルロース繊
維は、予めポリカルボン酸類により改質された天然セル
ロース繊維を水溶性塩の存在下に加熱処理してなるもの
である。
【0016】本発明に係る天然セルロース繊維とは、木
綿、麻、レーヨン及びこれらの繊維を含む混紡繊維等を
示し、その繊維製品としては、当該繊維から得られる
糸、織物、編み物、不織布等の製品が例示される。
【0017】ポリカルボン酸類により改質された天然セ
ルロース繊維(以下「改質繊維原材料」という。)と
は、天然セルロース繊維上にポリカルボン酸類が架橋し
てなる天然セルロース繊維をいう。
【0018】改質繊維原材料は、例えば、前記米国特許
第3,526,048号明細書、公表特許公報平成3年
第503072号や本発明者らにより先に提案された特
開平5−247843号公報や特開平5−247850
号公報に記載された方法により処理して得られる繊維材
料であり、具体的には、天然セルロース繊維に対し、ポ
リカルボン酸類並びに必要に応じてアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩及び低級アミン塩よりなる群から選ばれる
1種もしくは2種以上の塩を含有する処理液を含浸さ
せ、これを加熱することにより調製される。
【0019】ポリカルボン酸類としては、各種の直鎖状
脂肪族ポリカルボン酸、分岐状脂肪族ポリカルボン酸、
脂環族脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸等
が挙げられ、水酸基、ハロゲン基、カルボニル基、炭素
−炭素二重結合を有していても差し支えない。
【0020】このようなポリカルボン酸類としては、具
体的には、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バチン酸等の直鎖脂肪族ポリカルボン酸、これらポリカ
ルボン酸の分岐脂肪酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽
和二塩基酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソ
フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、テトラヒドロフ
タル酸、ナジック酸等の脂環族二塩基酸、トリカルバリ
ル酸、アコニチン酸、メチルシクロヘキセントリカルボ
ン酸等の三塩基酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペ
ンタンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸とマレイン酸の
エン付加物等の四塩基酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸
等のヒドロキシ脂肪酸、o−、m−又はp−フタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカ
ルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸
等が例示される。
【0021】これらのポリカルボン酸のうち、トリカル
バリル酸、アコニチン酸、クエン酸、ブタンテトラカル
ボン酸等の水溶性のカルボン酸は作業性が良好であるこ
とから好ましく、特に水溶性で四塩基酸のブタンテトラ
カルボン酸を使用した天然セルロース繊維が最も本発明
のプリーツ性に優れている。
【0022】上記アルカリ金属塩としては、例えばアル
カリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、蟻酸塩、酢酸
塩等のモノカルボン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等が挙げ
られる。アンモニウム塩としては、アンモニアの水酸化
物、炭酸塩、重炭酸塩、蟻酸塩、酢酸塩等のモノカルボ
ン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、4級アンモニウム塩ヒド
ロキシド等が挙げられる。低級アミン塩としては、2級
アミン類、3級アミン類等の水酸化物、炭酸塩、重炭酸
塩、蟻酸塩、酢酸塩等のモノカルボン酸塩、リン酸塩、
ホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸
ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、亜リン酸ナト
リウム、次亜リン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、酢酸
ナトリウム等が例示される。更に、上記のナトリウムに
代えて、カリウム、アンモニウム、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の
揮発性の低級アミンの塩も使用でき、これらの塩は単独
で或いは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0023】加熱による架橋処理は、通常100〜25
0℃、好ましくは120〜200℃の条件下で10秒〜
1時間で行われる。これより穏やかな条件で加熱架橋さ
れた天然セルロース繊維では、ポリカルボン酸類の架橋
が不足であるし、厳しすぎる条件で繊維の劣化を引き起
こし、強度低下や繊維黄変を引き起こした天然セルロー
ス繊維の使用は好ましくない。
【0024】当該天然セルロース繊維とエステル架橋し
ているポリカルボン酸類の量としては、その種類によっ
て適宜選択し得るが、通常、天然セルロース繊維に対し
て0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%
である。これより少ないと本発明のプリーツ性が不十分
であるし、多く使用しても使用した量に対応する効果が
得られず、経済的でない。
【0025】本発明においては、引き続く水溶性塩処理
に先立ち、加熱によって架橋された天然セルロース繊維
を水や湯によって洗浄し、未反応のポリカルボン酸類や
アルカリ金属塩等を取り除く。これにより、最終製品の
黄変防止や風合いのよい製品を得ることができる。
【0026】本発明において、水溶性塩処理は、改質繊
維原材料に水溶性塩の溶液を含浸させ、これを加熱する
ことによりなされる。
【0027】当該水溶性塩処理は、改質繊維原材料に水
溶性塩処理液を含浸させる工程と加熱工程とを一連の処
理として行ってもよいし、改質繊維原材料に水溶性塩処
理液を含浸してなる天然セルロース繊維を予め調製し、
これを別途加熱することにより行ってもよい。
【0028】本発明で用いられる水溶性塩としては、例
えば、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、過炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、メタホ
ウ酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、亜リン酸ナト
リウム、次亜リン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、酢酸
ナトリウム等が挙げられる。またこれら各化合物のナト
リウムの代りに、カリウム、アンモニウム、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン等の揮発性の低級アミン等が置き換えられた塩も使
用できる。本発明では、斯かる水溶性塩は単独で或いは
2種以上を組み合わせて用いられる。
【0029】上記水溶性塩の中で、特にその効果と安全
性に優れている点でリン酸ナトリウムが推奨される。ま
た、得られる製品の白度を問題とする場合は、過炭酸ナ
トリウム、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜リン
酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等の酸化還元性能
を有する塩を使用するのが望ましい。
【0030】これら水溶性塩の含浸量としては、改質繊
維原材料に対して通常0.01〜10重量%、好ましく
は0.1〜5重量%程度である。これより少ないと所定
の添加効果が得られ難くなるし、この範囲より多くして
も範囲内以上の効果が得られず、経済的でないばかりで
なく、製品の風合いを損ねる傾向がある。
【0031】処理液中の水溶性塩濃度は、処理液の絞り
率と必要とする担持量より算出した濃度に設定すればよ
い。
【0032】水溶性塩処理液には上記水溶性塩の他に、
例えば、ポリエチレンエマルジョン、ジメチルシリコー
ンエマルジョン、繊維用変性シリコーン等の公知の繊維
柔軟剤を添加することにより、風合いの改善や持続性を
付与することができる。斯かる柔軟剤は当該水溶性塩浴
に添加してもよいし、加工材料であるポリカルボン酸類
で架橋された天然セルロース繊維の製造段階で添加され
ていてもよい。
【0033】繊維用変性シリコーンとしては、分子中に
少なくとも1つの脂肪族性水酸基、エポキシ基、アミノ
基を含有したジメチルポリシロキサンを基本骨格とした
化合物が挙げられ、一般にはアミノ変性シリコーン、ポ
リエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンと
称され、販売されている化合物である。アミノ変性シリ
コーンは、種類、配合によっては処理布が着色すること
があり、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。これ
らのシリコーンは原体或はエマルジョン溶液として入手
でき、そのままで使用可能である。
【0034】これらの繊維柔軟剤の使用量は、加工する
天然セルロース繊維に対して、通常0.01〜50重量
%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0035】水溶性塩処理液を構成する溶媒としては、
有機溶媒も使用できるが、安全、価格を考慮すれば水を
溶媒にするのが好ましい。
【0036】本発明では、以上にようにして調製された
処理液に改質繊維原材料を浸漬して、水溶性塩を含浸さ
せる。
【0037】改質繊維原材料に対する水溶性塩処理液の
含浸方法としては、浸漬法、パッド法、スプレー法、コ
ーティング法等の公知の方法を例示できる。水溶性塩処
理液の繊維に対する浸透速度は充分に速く、浸漬時間、
浴温度に特に制限はない。通常、浸漬時間0.5〜30
0秒、浴温は10〜40℃で行われる。本発明では、水
溶性塩処理液中に更に浸透剤を配合しておいてもよい。
【0038】含浸の後、必要ならば絞りを行った後、乾
燥を行う。絞りは加工する製品によって異なり、夫々に
適当な絞り方法、絞り率が採用できる。通常、絞り率は
30〜200%で行うのが好ましい。また乾燥温度は4
0〜150℃、時間は温度に応じて選定すればよい。
【0039】以上の方法で製造された生地や糸は生地の
ままでもよいが、布地の衣料等の繊維製品としての必要
な形態を縫製や切断によって与えておくことが好まし
い。形態は衣料全体であっても、襟や袖、前立て等の部
分であってもよい。
【0040】縫製にあたって、生地と糸の両者が本発明
に係る処理を施すことにより、プリーツ性に加えて、パ
ッカリング性を改善することができる。ここで、パッカ
リング性とは、襟や袖の糸目が洗濯によって、波うつ現
象であり、プリーツ性とともに実際に衣料にW&W性を
求める場合、非常に重要な性能である。但し、使用する
糸に関しては、本発明によらない糸であっても、本発明
の生地との組合せにより、パッカリング性を求めること
ができる。
【0041】本発明における熱処理は、熱プレスでも、
チャンバー内の加熱であってもよい。熱プレスによって
熱処理された場合、プリーツすじを成形すれば、プリー
ツ性が改善された製品となる。熱プレスによる熱処理の
際、プリーツを形成しないで、平面のまま加熱処理され
た生地は、本発明の材料であるポリカルボン酸類で架橋
された生地に比較して、更にDP指標で表される洗いじ
わは改良される。チャンバー内で加熱した場合には、縫
製した形態が保持された製品となる。
【0042】即ち、本発明におけるプリーツ性の改善効
果は、水溶性塩類を含浸させた布等の折れ目や平面等の
形態を加熱処理することで形態を固定化させて、洗濯に
よって失われない性能の一つの表れである。
【0043】水溶性塩処理における熱処理温度は、通常
100〜250℃、好ましくは120〜200℃程度で
あり、処理時間は10秒〜1時間程度である。これより
穏やかな条件では、加工布のプリーツ性やパッカリング
性の効果が発揮され難いし、厳しすぎる条件は繊維の劣
化を引き起こし、強度低下や繊維黄変として表れるの
で、いずれも好ましくない。
【0044】以上の方法で製造された布は、全体を縫製
した後、熱処理したものならばそのまま製品となるし、
部分的に熱処理したものならば、必要な縫製を加えて製
品とする。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を詳しく説明
する。尚、プリーツ性の評価は、AATTC試験法88
C−1973に準じ、以下の方法で行った。
【0046】プレスした30cm×30cmのプリーツ
布を家庭洗濯(103法)とタンブル乾燥を10回繰り
返して得た布を試験布とした。判定方法はAATTC試
験法88C、プリーツ保持性クラス1〜5段階で判定し
た。
【0047】実施例1 目付け120g/cm2 の平織り綿100%のシャツ地
(プリーツ性1.0級)を1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸(以下「BTC」という)12重量%及び
リン酸モノナトリウム塩5重量%を含有する水溶液に浸
漬し、絞り、60℃で乾燥した後、170℃、150秒
キュアした。この布を水洗して、改質繊維原材料を作成
した。これをリン酸モノナトリウム塩3重量%を溶解し
た水溶液(水溶性塩処理液)に浸漬し、絞り、60℃で
乾燥した。この布を二つ折りにし、190℃、1kg/
cm2 で20秒間プレスして、プリーツ布を得た。得ら
れた布のプリーツ性を評価したところ、3.0級であっ
た。
【0048】実施例2 目付け120g/cm2 の平織りの混紡(ポリエステル
/綿=50/50、重量基準)シャツ地(プリーツ性
3.5級)を使用し、水溶性塩処理液として次亜リン酸
ナトリウム塩5重量%を溶解した水溶液を使用した以外
は実施例1と同様にしてプリーツ布を得た。その布のプ
リーツ性を評価したところ、4.0級であった。
【0049】実施例3 目付け250g/cm2 の綾織り混紡(ポリエステル/
綿=30/70)ユニホーム素材(プリーツ性3.3
級)をBTC12重量%及び次亜リン酸ナトリウム塩5
重量%を溶解した水溶液に浸漬し、絞り、60℃で乾燥
した後、190℃、90秒キュアした。この布を水洗し
て改質繊維原材料を作成した。次いで、水溶性塩処理液
として次亜リン酸ナトリウム塩5重量%を溶解した水溶
液を使用した以外は実施例1と同様にしてプリーツ布を
得た。得られた布のプリーツ性を評価したところ、4.
0級であった。
【0050】実施例4 目付け120g/cm2 の平織りレーヨンのシャツ地
(プリーツ性1.0級)を使用した以外は実施例1と同
様にしてプリーツ布を得た。得られた布のプリーツ性を
評価したところ、2.7級であった。
【0051】実施例5 目付け150g/cm2 の平織り麻のシャツ地(プリー
ツ性1.0級)を使用した以外は実施例1と同様にして
プリーツ布を得た。得られた布のプリーツ性を評価した
ところ、2.5級であった。
【0052】比較例1 実施例1の改質繊維原材料(プリーツ性1.0級)をそ
のまま実施例1と同様にしてプレスし、プリーツ布を得
た。得られた布のプリーツ性を評価したところ、1.0
級であった。
【0053】比較例2 BTC処理をしない布(プリーツ性1.0級)を使用し
た以外は、実施例1と同様に処理し、プリーツ布を得
た。得られた布のプリーツ性を評価したところ、1.0
級であった。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る処理を施すことにより、防
しわ性とプリーツ性に優れた天然セルロース繊維を得る
ことができ、当該処理繊維を繊維材料とすることによ
り、防しわ性とプリーツ性に優れた天然セルロース繊維
製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 裕 兵庫県西宮市高須町1丁目1番地 武庫 川団地2号棟918号 (72)発明者 本田 和久 大阪府松原市立部2−5−9 (56)参考文献 特開 平6−65861(JP,A) 特開 平7−207578(JP,A) 特公 昭43−7911(JP,B1) 特表 平3−503072(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 13/535 D06M 15/00 - 15/72

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカルボン酸類により改質された天然
    セルロース繊維を水溶性塩の存在下に加熱処理してなる
    ことを特徴とする改質天然セルロース繊維。
  2. 【請求項2】 ポリカルボン酸類が、ブタンテトラカル
    ボン酸である請求項1に記載の改質天然セルロース繊
    維。
  3. 【請求項3】 水溶性塩が、ナトリウム塩、カリウム
    塩、アンモニウム塩及び低級アミン塩よりなる群から選
    ばれる1種もしくは2種以上の化合物である請求項1又
    は2に記載の改質天然セルロース繊維。
  4. 【請求項4】 水溶性塩が、水酸化ナトリウム、重炭酸
    ナトリウム、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、ホウ
    酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、水素化ホウ素ナ
    トリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫
    酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ
    ム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、メタリ
    ン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナ
    トリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウ
    ム、蟻酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムよりなる群から
    選ばれる1種もしくは2種以上の化合物である請求項1
    又は2に記載の改質天然セルロース繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載された改質天然セル
    ロース繊維より調製される天然セルロース繊維製品。
  6. 【請求項6】 ポリカルボン酸類により改質された天然
    セルロース繊維に水性塩を含浸させ、これを加熱処理す
    ることを特徴とする請求項1〜4に記載の改質天然セル
    ロース繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 天然セルロース繊維にポリカルボン酸類
    並びに必要に応じてアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    び低級アミン塩よりなる群から選ばれる1種もしくは2
    種以上の塩を含有する溶液を含浸し、加熱し、これを洗
    浄してポリカルボン酸処理天然セルロース繊維を得、次
    いで当該処理天然セルロース繊維に水溶性塩を含浸さ
    せ、これを加熱処理することを特徴とする請求項1〜4
    に記載の改質天然セルロース繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリカルボン酸類により改質された天然
    セルロース繊維であって、水溶性塩を含浸した当該天然
    セルロース繊維。
  9. 【請求項9】 ポリカルボン酸類により改質された天然
    セルロース繊維からなる繊維製品であって、水溶性塩を
    含浸した当該天然セルロース繊維製品。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載された天然セルロース
    繊維を加熱することを特徴とする請求項1〜4に記載の
    改質天然セルロース繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載される天然セルロース
    繊維製品を加熱することを特徴とする請求項5に記載の
    改質天然セルロース繊維製品の製造方法。
JP04675994A 1994-03-17 1994-03-17 プリーツ性を有する天然セルロース繊維、その繊維製品及びそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP3465066B2 (ja)

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