JP2003268590A - めっき方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

めっき方法、及び半導体装置の製造方法

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JP2003268590A
JP2003268590A JP2002062529A JP2002062529A JP2003268590A JP 2003268590 A JP2003268590 A JP 2003268590A JP 2002062529 A JP2002062529 A JP 2002062529A JP 2002062529 A JP2002062529 A JP 2002062529A JP 2003268590 A JP2003268590 A JP 2003268590A
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recess
film
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semiconductor wafer
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Yumi Suzuki
優美 鈴木
Yasushi Mizusawa
寧 水澤
Terukazu Aitani
輝一 藍谷
Nobuo Owada
伸郎 大和田
Daikin Mo
大欣 毛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウェハ等を銅めっき処理するに際し、
めっき液に平坦化剤を添加しなくてもオーバープレーテ
ィングの発生を防止できるめっき方法を提供する。 【解決手段】 ボトムアップフィル工程SP1で半導体
ウェハWに形成されたホールやトレンチ等の凹部H内の
埋め込みを実施した後、添加剤除去工程SP2におい
て、凹部Hの近傍に集積した促進剤を除去する。その
後、フィールド成膜工程SP3において凹部H上方のフ
ィールド成膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
製造技術に関し、特に、銅等の金属膜の成膜に用いられ
る電解めっき方法、及びそれを用いた半導体装置の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの高集積化、微細
化は急速な進展をみせており、現在のサブハーフミクロ
ンからサブクォータミクロンへと着実に移行しようとし
ている。このような半導体デバイスの高集積化、微細化
の要請に対応して、低抵抗でありエレクトロマイグレー
ション耐性にも優れた銅が配線材料として注目されてお
り、実用化が進められている。
【0003】銅配線層(膜)の成膜方法としては、スパ
ッタリフロー法やCVD法等、種々の方法が挙げられる
が、それらのなかでも、電解めっき法は、低コスト、高
スループットであり、且つ、ヴィアホール、コンタクト
ホール、配線溝(トレンチ)等の凹部に対して比較的良
好な埋め込み性が得られることから、今般、広く採用さ
れている。
【0004】ここで、従来一般の銅の電解めっき方法と
しては、液槽に貯留されためっき液に、半導体ウェハ等
の被処理体をその被成膜面を下向きに、つまり、めっき
液に対面させた状態で浸漬してめっき成膜を施す方式
(いわゆるフェイスダウン方式)、或いは、その逆に被
成膜面を上向きとした状態で浸漬してめっき成膜を施す
方式(いわゆるフェイスアップ方式)を採用したものが
知られている。いずれの方式においても、銅めっき液に
半導体ウェハを浸漬させた状態で、液槽内に配置された
銅板(アノードとして機能)と半導体ウェハとの間に電
圧を印加してめっき電流を流し、銅が半導体ウェハ上に
電気化学的に還元されて成膜される。
【0005】また、用いられる銅めっき液としては、硫
酸第二銅をその主成分としており、半導体ウェハ上に設
けられたホールやトレンチ等の凹部への埋め込み性を改
善するための各種添加剤を含むものが多用されている。
この添加剤の種類は多種多様であり、例えば、銅による
凹部内の埋め込み(ボトムアップフィル)を助長するた
めのいわゆる促進剤、銅による凹部の開口部への銅の余
分な堆積を抑制してオーバーハングを防止するためのい
わゆる抑制剤、凹部の埋め込みが完了した後のフィール
ド部における成膜速度のマイグレーションを抑止して均
一な(コンフォーマル)な成膜を実現するための平坦化
剤、等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に、半導体デバイスの微細化に伴ってホールやトレンチ
等の凹部の幅が極めて狭くなっているところ、具体的に
は、例えば0.17μm以下の設計ルールに対応するデ
バイス構造においては、凹部の埋め込み性を一層改善す
べく、上記添加剤のうち促進剤や抑制剤の効果が一層高
められためっき液の使用が必要とされる。
【0007】この場合、凹部の埋め込みが完了した後の
フィールド成膜において、凹部の上方領域の銅の堆積速
度が、凹部が設けられていない領域の堆積速度に比して
有意に大きくなってしまい、成膜速度の相違が生じてし
まう。
【0008】その結果、凹部が設けられているパターン
が密な部位の膜厚が疎な部位に比して厚くなる現象いわ
ゆるオーバープレーティングが生じ易くなる。換言すれ
ば、凹部のサイズが小さくなる程、そのボトムアップフ
ィルを適正に且つ十分に行う必要があるため、微細化に
伴ってオーバープレーティングが顕著となる傾向にあ
る。また、スループットを向上して生産性を向上させる
べく、電流値(密度)を高めた場合には、オーバープレ
ーティングが一層顕著化するおそれがある。
【0009】このようにしてオーバープレーティングが
生じると、銅配線膜の余分な部分を除去するためのCM
Pにおいて、研磨残りが発生してしまう。これを防止す
るには、過剰研磨(オーバーポリッシュ)等を行って研
磨性を高める必要があるが、そうすると、オーバープレ
ーティングの生じていない膜厚が薄い部位(パターンが
疎な部位)も過剰に研磨されて凹みが生じてしまう。こ
うなると、銅配線の抵抗がホールやトレンチ等の凹部の
パターン密度の疎密によって変化してしまい、デバイス
設計が困難となると共に、電気特性に不可避的なバラツ
キが生じてしまう。
【0010】一方、凹部の埋め込みを完了した後の促進
剤等の効果を更に抑制すべく、平坦化剤を増強させるこ
とも考えられるが、かかる場合には、凹部内のボトムア
ップフィルも少なからず影響を受けることが懸念され
る。また、従来においても、添加剤の種類が多いために
めっき液の化学組成が複雑であり、且つ、前述したよう
に一方の添加剤の作用と他方の添加剤が互いに相反する
ものがあるため、化学種による電界・還元反応の制御メ
カニズムが非常に複雑であった。
【0011】これに加え、更に添加剤の効力を高めるこ
ととなると、めっき液のケミストリーが更に一層複雑と
なってしまい、使用上の組成裕度が低下すると共に、及
び取扱性が悪化するおそれが考えられる。これらの観点
から、従来に比してより単純な組成を有するめっき液の
使用が望まれている。
【0012】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであり、半導体ウェハ等の被処理体を金属めっ
き処理するに際し、被処理体上に設けられた凹部の埋め
込みを十分に行いつつ、オーバープレーティングの発生
を抑制でき、しかも、使用するめっき液の組成を簡略化
し得るめっき方法、及びそれを用いた半導体装置の製造
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は従来のめっき方法について詳細な検討を
行ったところ、オーバープレーティングの生成メカニズ
ム、すなわち、凹部の埋め込みが完了した後でも促進剤
等が有効に作用してしまい(つまり促進剤等の効力が持
続してしまい)、本来その促進剤の影響を打ち消すよう
に作用する平坦化剤の効果が不十分となる傾向が、微細
化に伴って極めて顕著となることを見出した。そして、
この知見に基づいて更に研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
【0014】すなわち、本発明によるめっき方法は、ホ
ールやトレンチ等の凹部が設けられたSiウェハ等の被
処理体の被成膜面上に金属膜を形成せしめる方法であっ
て、(1)被処理体を、金属イオン及び所定の添加剤が
含有されて成るめっき液中に浸漬し、電解めっき法によ
り凹部の内部を金属で埋め込むボトムアップフィル工程
と、(2)凹部の埋め込みが終了した後に、凹部の近傍
に存在する所定の添加剤の少なくとも一部を被成膜面上
から除去する添加剤除去工程と、(3)所定の添加剤の
少なくとも一部が除去された被成膜面上に、電解めっき
法により金属を堆積せしめるフィールド成膜工程とを備
える。
【0015】このような構成を有するめっき方法におい
ては、まず、ボトムアップフィル工程において凹部の埋
め込み(ボトムアップフィル)が行われる。使用するめ
っき液は、成膜対象である金属膜を構成する金属のイオ
ンと所定の添加剤を含んでいる。このとき、所定の添加
剤として、金属イオンの電気化学的な還元反応を促進す
る機能を有する促進剤、及び/又は、金属イオンの電気
化学的な還元反応を抑制する機能を有する抑制剤促進剤
を含むと好適であり、両者を必須成分とすることが望ま
しい。
【0016】こうすれば、促進剤によって微小間隙を有
する凹部内における金属イオンの電析(還元/電着)反
応が助長されてボトムアップが促進される。また、抑制
剤により、凹部の開口部におけるエッジ部分にめっき電
流が集中してしまい過度の電析(還元/電着)反応が進
行することが抑制される。
【0017】次に、凹部の埋め込みが終了したら、添加
剤除去工程において、凹部の近傍に存在する添加剤が除
去される。上述した促進剤等の添加剤は、凹部が埋め込
まれた時点で、その凹部の開口部の周囲近傍に集積する
傾向にある。特に、促進剤は、凹部近傍の被成膜面(こ
の場合、被成膜面は金属が成膜された部位を含む最表面
である。)に物理的に吸着する傾向にある。このような
添加剤の少なくとも一部、好ましくは大部分、より好ま
しくは殆ど全部が凹部近傍から除去される。換言すれ
ば、添加剤除去工程を実行することによって、ボトムア
ップフィル工程における添加剤挙動の履歴が残った状態
が解消される(キャンセルされる)。
【0018】次いで、フィールド成膜工程において、添
加剤が除去された被成膜面上に、電解めっき法により金
属が堆積する。このとき、凹部の近傍に促進剤等の添加
剤が集中して存在していないので、凹部が設けられてい
る部分とそうでない部分において成膜速度のマイクロロ
ーディングが生じることが防止される。
【0019】また、添加剤除去工程は、凹部が金属で埋
め込まれた被処理体をめっき液の外部へ取り出し、被成
膜面を洗浄する洗浄ステップを備えると好ましい。具体
的には、洗浄ステップにおいては、所定の添加剤に対す
る溶解能又は分散能を有する溶剤、又は水を被成膜面上
に供給するとより好ましい。
【0020】このような洗浄ステップにおいては、凹部
の埋め込みが終了した被処理体が一旦めっき液から取り
出され、例えば、上記溶剤若しくは水等が貯留された液
槽内に浸漬され、又は、被成膜面にこれらの液がスプレ
ーされる。これにより、凹部近傍に集積している促進剤
等の添加剤が被処理体の外部へ洗い出され、凹部近傍か
ら除去される。特に、促進剤等の添加剤が有機成分であ
る場合には、上記溶剤としてアルコール類等の有機系溶
剤を用いると添加剤の除去効率が高められる。
【0021】また、添加剤除去工程は、凹部が金属で埋
め込まれた被処理体を加熱する加熱ステップを備えると
一層好ましい。こうすれば、凹部近傍に集散している促
進剤等の添加剤が有機成分を含む場合に、被処理体が加
熱されることによってその添加剤が分解され、その結
果、添加剤が凹部近傍から除去される。促進剤等の添加
剤に用いられる有機物は、多くの場合、数百度以下の温
度で分解が進行又は開始する傾向にあるため、かかる加
熱ステップでの入熱量がSiウェハ等の被処理体へ与え
る影響は通常極めて小さい。
【0022】また、このような加熱ステップを実施する
と、被処理体が実質的にアニールされることとなり、凹
部内に埋め込まれた金属の結晶成長が促され、グレイン
サイズが増大する。本発明者らの知見によれば、かかる
処理は以下の観点より非常に好ましい。
【0023】めっき膜は、成膜直後のグレインサイズが
極めて小さく、その状態で放置したとすれば、金属結晶
が徐々に成長する(エイジング)程に不安定な結晶状態
にあると考えられる。よって、通常は、めっき膜の成膜
後に熱処理が行われる。この場合、ホールやトレンチ等
の凹部の埋め込み及びその上部のフィールド成膜(CM
Pを考慮して過剰厚の成膜が行われる)が終了してか
ら、膜全体が一括してアニールされる。しかし、かかる
アニール処理を施すと、凹部の上層部分の容積が凹部の
内容積に比して大きいため、上層部分の応力と凹部内部
の応力が極端に相違すると、冷却時に凹部内に空乏(空
隙)が生じるおそれがある。
【0024】これに対し、本発明では、上記加熱ステッ
プを実施することにより、フィールド部の成膜が行われ
る前に凹部内の金属の結晶成長を十分に促進することが
でき、その後のフィールド成膜工程で形成された凹部上
層の金属膜のアニール時に生じ得る上記問題が解決され
る。よって、アニール処理条件の裕度が格段に高められ
る。
【0025】また、本発明では、上記加熱ステップを実
施することにより、ヴィアホールやトレンチ等の凹部内
の金属を結晶成長するための加熱処理と、その後のフィ
ールド成膜工程で形成された凹部上層の金属の加熱処理
とを独立して行い得る。つまり、凹部内の金属結晶粒の
形状制御と、その上部に厚く積層させる部分(CMP等
の研磨によって殆どが除去される部分)の金属結晶粒の
形状制御とを、それぞれ独自に最適化できる。
【0026】なお、加熱ステップは、洗浄ステップと組
み合わせて用いてもよく、それらの先後は特に限定され
ないが、洗浄ステップを実施した後に加熱ステップを実
施すると好ましい。この場合、洗浄ステップにおいて除
去されずに残った添加剤が加熱分解される。また、洗浄
ステップを実施しないで単独で加熱ステップのみを実施
したときに比して、加熱時間を短縮し得る。さらに、洗
浄ステップを実施すべく、被処理体をめっき液から一旦
取り出した状態で引き続き実施できるので、処理操作を
行い易い。
【0027】或いは、添加剤除去工程が、被処理体をめ
っき液に浸漬させた状態で、ボトムアップフィル工程に
おいてカソードとしての被成膜面とアノードとの間に流
通させた第1のめっき電流と極性の異なる第2のめっき
電流(リバース電流)を、被成膜面とアノードとの間に
流通させる電流制御ステップを備えると好適である。
【0028】こうすれば、ボトムアップフィル工程が終
了した時点での被成膜面の最上層部の金属がめっき液中
に溶解する。それに伴い、凹部の近傍に例えば吸着等で
集積している促進剤等の添加剤もめっき液中に移行し、
凹部近傍から除去されることとなる。
【0029】この場合、めっきされた金属膜の表層面
(被成膜面)の表面荒れを抑え、且つ、全体の成膜速度
ひいてはスループットの低下を抑える観点より、電流制
御ステップでは、第2のめっき電流をパルス状に少なく
とも一回印加することが望ましい。より具体的には、パ
ルス幅が比較的大きなリバース電流(第2のめっき電
流)を一回する方法、これよりもパルス幅が小さいリバ
ース電流(第2のめっき電流)を複数回連続的に又は断
続的に印加する方法、これらを組み合わせた方法等を例
示できる。
【0030】またさらに、ボトムアップフィル工程にお
いては、被成膜面上への金属の堆積速度、抵抗値、又は
めっき電圧の変化に基づいて、凹部の埋め込みの終了を
判断するとより好適である。
【0031】凹部内のボトムアップが行われている時
は、凹部内にめっき電流が集中するのに対し、フィール
ド部では金属の電着が抑制されるので、凹部及びフィー
ルド部を含む被成膜面上の平均的な金属の堆積速度は小
さくなり、また、全体として抵抗値が大きくなり、定電
流制御によるめっきでは電圧が高くなる。一方、ボトム
アップフィルが完了した後のフィール成膜においては、
埋め込まれた凹部の上部を含むフィールド部全体のめっ
きが進行するので、全体として電流が流れ易くなり、全
体として抵抗値が小さくなり、定電流制御によるめっき
では電圧が低くなる。よって、被成膜面上への金属の堆
積速度、抵抗値、又はめっき電圧の変化により凹部の埋
め込みが終了したか否かを確実に判断できる。
【0032】また、これらの堆積速度、抵抗値、又はめ
っき電圧を実際のめっき処理においてモニターすること
は必ずしも必要ない。つまり、実処理に先立って、ボト
ムアップフィル工程及びフィールド成膜工程と同等の条
件でめっきを施したときの堆積速度、抵抗値、又はめっ
き電圧の変化、及び処理時間を予め求めておき、その結
果に基づき、プロセス時間によって凹部の埋め込み終了
を把握することができる。
【0033】そして、本発明によれば、上述した作用に
より、めっき液の成分を簡略化又は単純化してもオーバ
ープレーティングの発生が十分に防止される。すなわ
ち、所定の添加剤として、めっき液に含まれる金属イオ
ンの電気化学的な還元反応を促進する機能を有する促進
剤、及び、金属イオンの電気化学的な還元反応を抑制す
る機能を有する抑制剤のうち少なくともいずれか一方を
含有し、且つ、金属の堆積速度のばらつきを低減する機
能を有する平坦化剤を含有しないものを用いることが可
能となる。
【0034】また、本発明による半導体装置の製造方法
は、凹部が設けられた被処理体の被成膜面上に金属膜が
成膜されて成る半導体装置を製造する方法であって、本
発明のめっき方法により金属膜を形成せしめる工程を備
えることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置
関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づ
くものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に
限られるものではない。
【0036】図1〜4は、本発明によるめっき方法を有
効に実施するためのめっき装置の好適な一実施形態を示
す概略断面図であり、それぞれ当該めっき装置を運転し
ている状態を示す図でもある。電解めっき装置100
は、銅を被処理体である半導体ウェハWに成膜するため
のものであり、液槽12と、液槽12の下部に配置され
た成膜材料源である円盤状の銅板14とを備えている。
【0037】液槽12の底部にはめっき液供給口18が
設けられている。また、このめっき液供給口18には外
部のポンプ20が接続されており、これにより、めっき
液22が液槽12内に底部から供給され、上方に流通す
ることとなる。また、液槽12の周囲は外槽24により
囲まれており、液槽12から溢流しためっき液22を受
け、そのめっき液22を外部のタンク26に回収するこ
とができるようにされている。
【0038】また、タンク26はポンプ20の吸込み口
に接続されており、めっき液22が循環使用されるよう
になっている。なお、図示を省略するが、タンク26は
薬液自動制御システムを構成することが好ましい。すな
わち、タンク26にめっき液22の各成分の供給源及び
成分濃度検出計を接続し、濃度検出計からの信号に応じ
て供給源からの供給量を制御し、これにより、液槽12
に送られるめっき液22の組成及び濃度を常に一定とす
ると有用である。
【0039】さらに、銅板14は略円筒形の液槽12の
底部に実質的に同軸に配置されており、液槽12の内壁
面と銅板14との間には環状の間隙が形成されている。
従って、液槽12の底部のめっき液供給口18から供給
されためっき液22は、この間隙を通って液槽12内を
上昇(流上)していく。
【0040】またさらに、めっき装置100は、液槽1
2の外部に設けられ、半導体ウェハWを保持しつつ、そ
の半導体ウェハWを液槽12内に貯留されためっき液2
2に浸漬させるウェハホルダ40を備えている。このウ
ェハホルダ40は、半導体ウェハWを下向きに且つその
エッジ部(周縁部)で把持するホルダヘッド41と、ホ
ルダヘッド41を上方から支持するロッド42を上下駆
動させる駆動アーム43と、この駆動アーム43を支軸
44の周りに回動可能に支持するアームホルダ45とを
有するものである。これにより、ホルダヘッド41にて
保持された半導体ウェハWの被成膜面は、銅板14の上
面に対して平行に且つ対向配置される。
【0041】また、ホルダヘッド41には、保持された
半導体ウェハWのエッジ部に接する図示しない電気端子
が設けられており、この電気端子には電源34の負極が
接続されている。後述するように、銅めっきされる半導
体ウェハW上には、予めPVD法、CVD法等により、
バリアメタル膜上に薄い銅のシード層105が形成され
ており、このシード層105を被成膜面として且つカソ
ードとして機能させるためのものである。さらに、銅板
14がアノードとして機能するように、銅板14には電
源34の正極(カソード)が接続されている。またさら
に、電源34には、半導体ウェハW、電源34、及び銅
板14を結ぶ導電経路に設けられた電流計51及び電圧
計52に接続された制御装置50が接続されている。こ
の制御装置50は、電源34の出力を調整するものであ
り、電流計51又は電圧計52の指示値に基づいて電圧
又は電流の安定制御を行う。
【0042】このように構成された電解めっき装置10
0を用いて半導体ウェハWに銅を成膜する本発明のめっ
き方法について、図1〜4に加えて図5、図6(A)〜
(C)、図7(A)及び(B)、図8(A)〜(C)、
並びに図(9)を参照して説明する。
【0043】まず、図5及び7により、本発明のめっき
方法の概要について説明する。図5は、本発明のめっき
方法に係る種々の実施形態を実行する手順の例を示すフ
ロー図である。また、図7(A)及び(B)は、それぞ
れ当該実施形態によって半導体ウェハW上に銅の配線層
106を形成している状態における半導体ウェハWの断
面を模式的に示す工程図である。
【0044】いずれの実施形態においても、半導体ウェ
ハW上に設けられた凹部Hの埋め込み(ボトムアップフ
ィル)を行うボトムアップフィル工程SP1を実施した
後に、めっき液22に含まれる添加剤のうち、特に促進
剤を除去する添加剤除去工程SP2を実行し、その後に
凹部Hの上方であるフィールド部の成膜を行うフィール
ド成膜工程SP3を実施する。このとき、ボトムアップ
フィル工程SP1の終了時点においては、凹部Hの銅に
よる埋め込みが完了し、例えば、凹部Hの直上方外部に
銅が若干、堆積された状態とされる(図7(A)参
照)。この時点での配線層106は、実質的に凹部Hの
内部のみに形成されている。また、フィールド成膜工程
SP3の実施により、凹部H上方のフィールド部の成膜
が行われ、最終的な配線層106が形成される(図7
(B)参照)。
【0045】〈第1実施形態〉本発明によるめっき方法
の第1実施形態は、図5に示す添加剤除去工程SP2に
おいて、凹部Hの埋め込みが完了した状態(図7(A)
参照)の半導体ウェハWに連続パルス状のリバース電流
を流通させるステップSP21(電流制御ステップ)を
実施する方法である。
【0046】ここで、図6(A)〜(C)は、それぞ
れ、本実施形態のめっき方法により半導体ウェハWにめ
っき処理を施しているときのめっき電流の変化(トレン
ド線L1)、めっき電圧の変化(トレンド線L2)、及
びロッド42の傾きの有無(トレンド線L3)の一例を
模式的に示すタイムチャートである。
【0047】なお、図6(A)〜(C)においては、横
軸の目安は、例えば一目盛りが1秒であり、5目盛り毎
に軸ラベル(t0,t5,t10,t15,t20,t
25)を付した(後述する図8(A)〜(C)において
同じ)。また、めっき装置100はフェイスダウン式の
めっき成膜を行うので、処理中は被めっき面が下方を向
いているが、説明の都合上、図7(A)及び(B)では
被めっき面が上方を向くように図示した。
【0048】まず、ポンプ20を駆動してめっき液22
を液槽12に供給し、外槽24及びタンク26を経て循
環させる。次に、半導体ウェハWをホルダヘッド41に
把持し、時刻t0より、半導体ウェハWがめっき液22
の液面上方の所定位置(ドライ・ポジション)にくるよ
うにロッド42を駆動させる。半導体ウェハWは、導電
性基層101上に、ホールやトレンチ等の凹部Hが形成
された単層の絶縁層102が設けられ、更にその上に1
0nm程度の極薄いTaN膜103及び25nm程度の
極薄いTa膜104から成るバリアメタル膜が形成さ
れ、更にその上に100〜150nm程度の薄い銅のシ
ード層105が形成されたものである(7(A)及び
(B)参照)。
【0049】また、めっき液22は、硫酸第二銅をその
主成分としており、凹部Hへの埋め込み性を改善するた
めの添加剤が加えられている。この添加剤の種類は多種
多様であり、例えば、促進剤、抑制剤、平坦化剤、安定
化剤等が挙げられる。本発明においては、平坦化剤はめ
っき液22に含まれていなくてもよく、めっき液22組
成の単純化及び簡略化の観点からは、平坦化剤が含まれ
ていない方が好ましい。
【0050】促進剤は、めっき液22に含まれる銅イオ
ンの電気化学的な還元反応を促進する機能を有するもの
である。すなわち、凹部Hの被めっき表面の形状に応じ
ためっきを行うべく、微小間隙を有する凹部H内部にお
けるCu2+イオンの電析(還元/電着)反応の進行によ
るボトムアップ(埋め込み)を促進するためのものであ
る。この促進剤は、一般に、後述する抑制剤に比して低
分子量であってめっき液中の拡散移動速度が比較的早
く、且つ、抑制剤ほど分子内の分極の度合いが大きくな
いため、凹部H内部に速やかに移入し易い傾向にあり、
凹部H内部のボトムアップを助長するように機能するも
のである。
【0051】このような促進剤としては、例えば、特開
2000−219994号公報に記載のブライトナー、
すなわち、ビス(3−スルホプロピル)ジスルファイド
又はその2ナトリウム塩、ビス(2−スルホプロピル)
ジスルファイド又はその2ナトリウム塩、ビス(3−ス
ル−2−ヒドロキシプロピル)ジスルファイド又はその
2ナトリウム塩、ビス(4−スルホプロピル)ジスルフ
ァイド又はその2ナトリウム塩、ビス(p−スルホフェ
ニル)ジスルファイド又はその2ナトリウム塩、3−
(ベンゾチアゾリル−2−チオ)プロピルスルホン酸又
はそのナトリウム塩、N,N−ジメチル−ジチオカルバ
ミン酸−(3−スルホプロピル)−エステル又はそのナ
トリウム塩、O−エチル−ジエチル炭酸−S−(3−ス
ルホプロピル)−エステル又はそのカリウム塩、チオ尿
素若しくはその誘導体等、或いは、特開2000−24
8397号公報に記載の硫黄系飽和有機化合物、すなわ
ち、ジチオビス−アルカン−スルホン酸又はその塩、具
体的には、4,4−ジチオビス−ブタン−スルホン酸、
3,3−ジチオビス−プロパン−スルホン酸、2,2−
ジチオビス−エタン−スルホン酸、又はそれらの塩等が
挙げられる。これらは単独で又は二種以上混合して用い
られる。
【0052】一方、抑制剤は、めっき液に含まれる銅イ
オンの電気化学的な還元反応を抑制する機能を有するも
のである。すなわち、凹部Hの微小間隙を形成するエッ
ジ部分にめっき電流が集中して過度の電析(還元/電
着)反応が進行するのを抑制するためのものである。一
般に、前出の促進剤に比して高分子量であってめっき液
中の拡散移動速度が比較的遅く、且つ、促進剤よりも分
子内の分極の度合いが大きいため、高電界であるエッジ
部分の周囲に集まり易く、エッジ部のオーバーハング等
を抑えて凹部H内部のボトムアップを更に助長するよう
に機能するものである。
【0053】このような抑制剤としては、例えば、特開
2000−219994号公報又は特開2000−24
8397号公報に記載のポリマー、すなわち、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ステアリ
ン酸−ポリエチレングリコールエステル、ステアリルア
ルコール−ポリエチレングリコールエーテル、ノニルフ
ェノール−ポリエチレングリコールエーテル、オクチル
フェノール−ポリエチレングリコールエーテル、ポリエ
チレン−プロピレングリコール、β−ナフトール−ポリ
エチレングリコールエーテル等、1,3−ジオキソラン
重合体、ポリプロピレンプロパノール、オキシルアルキ
レンポリマー、酸化エチレンと酸化プロピレンとの共重
合体、或いは、それらの誘導体が挙げられる。これらは
単独で又は二種以上混合して用いられる。
【0054】他方、平坦化剤は、上述したような凹部H
内部のボトムアップが終了した後に凹部H上のフィール
ド全体のめっき成膜を行う段階で有効に機能するもので
あり、被めっき面の形状に関わらず、成膜後の膜表面レ
ベルの均一性を担保するためのものである。これによ
り、フィールド成膜工程において、電着速度(成膜速
度)のマイクロローディングが防止されるものの、凹部
Hのボトムアップフィルにおいては、特に有用な機能を
果たさない。その意味で、促進剤及び抑制剤はめっき液
22の必須成分足り得るのに対し、平坦化剤に関して
は、めっき液22の化学組成を簡略化し、且つ、促進剤
及び抑制剤の機能制御を有効ならしめるためには極力使
用しない方が望ましい。しかし、従来は、上述したオー
バープレーティングを抑止するために多用されてきたも
のである。
【0055】参考までに、このような平坦化剤として
は、例えば、特開2000−219994号公報に記載
のレベラー、すなわち、有機酸アミド及びアミン化合
物、具体的には、アセトアミド、プロピルアミド、ベン
ズアミド、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタア
クリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,
N−ジメチルメタアクリルアミド、N−(ヒドロキシメ
チル)アクリルアミド、ポリアクリル酸アミド、ポリア
クリル酸アミド加水和分解物、チオフラビン、サフラニ
ン等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上混合し
て用いられる。
【0056】次いで、更にホルダヘッド41を下降させ
て半導体ウェハWのめっき液22への浸漬を開始し、時
刻t3直後に制御装置50から電圧制御信号を電源34
へ送出し、半導体ウェハWと銅板14との間に所定の電
圧(図6(B)の例では2.6V程度)を印加する。
【0057】それから、ホルダヘッド41が所定位置ま
で降下した時点(時刻t9〜t10)で、ロッド42が
鉛直から一定の角度(例えば3〜15°程度)を成すよ
うに支軸44を支点として駆動アーム43及びホルダヘ
ッド41を傾斜させる。これにより半導体ウェハWがめ
っき液22の液面に対して一定の角度を成す(図2参
照)。このとき、電圧の印加を続行し(トレンド線L2
参照)、半導体ウェハWのシード層105がめっき液2
2中に溶解してしまうことを防止する。なお、この際に
は、半導体ウェハWのエッジ部における電気端子が未だ
めっき液22に浸漬していないので電流は流れず、シー
ド層105上へのめっき成膜は行われない。
【0058】さらに、この傾斜状態でホルダヘッド41
を下降させ、半導体ウェハWをめっき液22に徐々に浸
漬させる(図3参照)。このように半導体ウェハWを水
平に対して所定角度傾けた状態でめっき液22に浸漬さ
せることにより、半導体ウェハWの凹部Hへの気泡の取
り込みを抑制することができる。そして、時刻t16経
過後に半導体ウェハW上のシード層105の略全体と半
導体ウェハWのエッジ部に接する電気端子とがめっき液
22に浸かった時点から時間Tmの間、電流が流れる。
この例では、このときの印加電圧及びめっき電流を、後
述するボトムアップフィル工程SP1における値と同等
とする。これにより、ボトムアップフィル工程SP1に
おいて、半導体ウェハWの凹部H内に銅が過度に電析
(電着)してしまうことを抑止でき、しかも、ボトムボ
イドの発生や不都合なオーバーハングが抑制されるる。
【0059】次に、ロッド42が鉛直方向を向くように
支軸44を支点として駆動アーム43及びホルダヘッド
41を可動させ傾斜を解除する。これにより、半導体ウ
ェハWをめっき液22に浸漬した状態で銅板14に対し
て平行となるように保持する(図4参照)。この時、瞬
時に電圧の印加を一旦停止して電圧制御から電流制御に
切り替え、制御装置50から電流制御信号を電源34へ
送出し、所定の電圧を印加してボトムアップフィル工程
SP1を開始する。
【0060】ボトムアップフィル工程SP1におけるめ
っき電流(第1のめっき電流)の値I0は、図示の例で
はI0=3.14A程度である(トレンド線L1参
照)。これにより、液槽12に貯留されためっき液22
中の銅イオンがカソードとしての半導体ウェハWの被成
膜面(シード層105)にて還元される。この際、めっ
き液22中の促進剤及び抑制剤の効果により、凹部H内
部が銅で良好に埋め込まれる。
【0061】次に、凹部H内の埋め込みが完了した時点
(時刻t50)でボトムアップフィル工程SP1を終了
する。この時点で、半導体ウェハW上の銅配線層106
は図7(A)に示す状態とされる。このとき、銅配線層
106の上層部における凹部Hの近傍には、めっき液2
2の成分である促進剤が、例えば物理吸着によって集中
して存在している。なお、ボトムアップフィル工程SP
1の実施時間は、半導体ウェハWと同じ構造を有するサ
ンプルウェハ等を用いためっき試験により予め求めてお
くことができる。つまり、ボトムアップフィル工程SP
1での銅の堆積速度、抵抗値、又はめっき電圧と、フィ
ールド成膜工程SP3での銅の堆積速度、抵抗値、又は
めっき電圧との差異に基づいて、埋め込み完了時を平易
に判断できる。
【0062】続いて、時刻t50から、被成膜面つまり
図7(A)に示す状態の銅配線層106表面に矩形波形
状を有する連続パルス電流(第2のめっき電流)を印加
し(図6(A)参照)、ステップSP21を開始する。
このパルス電流により、ボトムアップフィル工程SP1
におけるめっき電流と極性が逆である負電流が被成膜面
に流通される。この負側のピーク電流値I1は、特に制
限されないが、ボトムアップフィル工程SP1における
めっき電流値I0が好ましくは0.5〜20A、より好
ましくは0.5〜5Aのときに、I1が好ましくは−2
〜−60A、より好ましくは−10〜−40Aとされ
る。図示の例では、I1=−35A程度である(トレン
ド線L1参照)。
【0063】また、このパルス電流を印加している間の
銅の堆積量(図6の正電流印加時の堆積量(デポ量))
dcとエッチ量Metch(図6の負電流印加時のエッチ
量)とが下記式(1); 0.1<Mdc/Metch<20 …(1)、 より好ましくは下記式(2); 1<Mdc/Metch<10 …(2)、 で表される関係を満たすと好適である。なお、Mdcは例
えば10〜500Åであると好ましく、より好ましくは
100〜200Åとされる。
【0064】また、パルス幅aが、好ましくは0.01
〜60sec、より好ましくは0.05〜20secと
される。さらに、パルス周期Λが、好ましくは0.01
〜60sec、より好ましくは0.05〜20secと
される。或いは、Duty比で規定した場合、a/Λが
好ましくは0.1〜1とされる。なお、a/Λ=1の場
合は、単一の矩形波であることを示し、後述する第2実
施形態に相当する。
【0065】このようなパルス電流を一定の回数(図示
の例では4回)繰り返し流通させると、図7(A)に示
す銅配線層106の上層部のエッチングと成膜とがパル
スの周期に応じて複数回繰り返される。これにより、銅
配線層106の上層部における凹部Hの近傍に集積して
いた促進剤が当該部位から除去されてめっき液22側へ
移行する。
【0066】次に、時刻t55においてパルス電流の印
加を停止してステップSP21を終了する。それと同時
にボトムアップフィル工程SP1におけるのと同等のめ
っき電流を再び被成膜面に定常的に流通させ、フィール
ド成膜工程SP3を開始する。このとき、被成膜面であ
る図7(A)に示す状態の銅配線層106の上層部にお
いて凹部H近傍への促進剤等の添加剤の集中が解消され
ているので、言わばボトムアップフィル工程SP1にお
ける電着履歴がキャンセルされた状態でフィールド部の
成膜が開始される。
【0067】よって、凹部Hが設けられた領域(凹部H
のパターンが密な領域)における銅の堆積速度が、凹部
Hが設けられていない領域(凹部Hのパターンが疎な領
域)における銅の堆積速度よりも高められること、つま
り成膜速度のマイクロローディングが防止される。こう
して、膜厚の均一性に優れたフィールド部の成膜によ
り、所望膜厚の配線層106(金属膜)が形成され、フ
ィールド成膜工程SP3を終了する(図7(B)参
照)。
【0068】このような本発明の第1実施形態によれ
ば、ボトムアップフィル工程SP1を終了した後に、ス
テップSP21においてパルス電流を被成膜面に流通さ
せることにより、凹部H近傍に集積した促進剤等を当該
部位から除去し、その後のフィールド成膜工程SP3を
実施してオーバープレーティングの発生を防止する。よ
って、凹部Hのパターンの疎密と無関係に均一性に優れ
た銅配線層106を形成できるので、その後のCMP工
程における研磨残りの発生を防止できる。また、これに
より、オーバーポリッシュが不要となるので、過剰研磨
を防止でき、銅配線層106の電気特性の変化を抑制す
ることが可能となる。
【0069】そして、このようなめっき電流の制御のみ
によって、銅配線層106の平坦化を実現できるので、
従来用いられてきた平坦化剤をめっき液22に添加する
必要がない。よって、めっき液22の組成、並びに、め
っき液22中の化学種による電界・還元反応及びその制
御メカニズムが単純化され、めっき液22のコストを低
減し、且つ、取扱性を格段に向上できる。
【0070】〈第2実施形態〉本発明によるめっき方法
の第2実施形態は、図5に示す添加剤除去工程SP2に
おいて、凹部Hの埋め込みが完了した状態(図7(A)
参照)の半導体ウェハWに単一(単発)パルス状のリバ
ース電流を流通させるステップSP22(電流制御ステ
ップ)を実施する方法である。すなわち、ステップSP
21の代わりにステップSP22を実施すること以外
は、上述した第1実施形態の手順と同様である。
【0071】ここで、図8(A)〜(C)は、それぞ
れ、本実施形態のめっき方法により半導体ウェハWにめ
っき処理を施しているときのめっき電流の変化(トレン
ド線L1)、めっき電圧の変化(トレンド線L2)、及
びロッド42の傾きの有無(トレンド線L3)の一例を
模式的に示すタイムチャートである。
【0072】本実施形態では、ボトムアップフィル工程
SP1において凹部H内の埋め込みが完了した時点(時
刻t50)から、被成膜面つまり図7(A)に示す状態
の銅配線層106表面に矩形波形状を有するリバース電
流(第2のめっき電流)を印加し(図8(A)参照)、
ステップSP22を開始する。このリバース電流によ
り、ボトムアップフィル工程SP1におけるめっき電流
と極性が逆である負電流が被成膜面に流通される。
【0073】この負側のピーク電流値I2は、特に制限
されないが、ボトムアップフィル工程SP1におけるめ
っき電流値I0との関係で、好ましくは−0.5〜−6
0A、より好ましくは−0.5〜−20Aとされる。図
示の例では、I2=−3.14A程度、つまり絶対値が
0と同等である(トレンド線L1参照)。また、パル
ス幅bが、好ましくは5〜200sec、より好ましく
は5〜20secとされる。
【0074】このようなリバース電流を流通させると、
図7(A)に示す銅配線層106の上層部のエッチング
が行われる。これにより、銅配線層106の上層部にお
ける凹部Hの近傍に集積していた促進剤が当該部位から
除去されてめっき液22側へ移行する。
【0075】次に、時刻t58においてリバース電流の
印加を停止してステップSP22を終了する。それと同
時にボトムアップフィル工程SP1におけるのと同等の
めっき電流を再び被成膜面に定常的に流通させ、フィー
ルド成膜工程SP3を開始する。このとき、被成膜面で
ある図7(A)に示す状態の銅配線層106の上層部に
おいて凹部H近傍への促進剤等の添加剤の集中が解消さ
れているので、ボトムアップフィル工程SP1における
電着履歴がキャンセルされた状態でフィールド部の成膜
が行われる。
【0076】よって、本実施形態においても、凹部Hの
パターンの疎密に依存し得る成膜速度のマイクロローデ
ィングが防止され、膜厚の均一性に優れたフィールド部
の成膜が行われる。そして、所望膜厚の配線層106
(金属膜)が形成された時点でフィールド成膜工程SP
3を終了する(図7(B)参照)。
【0077】このような本発明の第2実施形態によって
も、第1実施形態におけるのと同様の優れたオーバープ
レーティング防止効果が奏される。なお、かかる効果及
びこれに付随する作用効果については、重複する説明を
避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0078】〈第3実施形態〉本発明によるめっき方法
の第3実施形態は、図5に示す添加剤除去工程SP2に
おいて、凹部Hの埋め込みが完了した状態(図7(A)
参照)の半導体ウェハWに対して洗浄を施すステップS
P23(洗浄ステップ)を実施すること以外は、上述し
た第1実施形態と同様の手順による方法である。
【0079】ここで、図9は、本実施形態のめっき方法
を有効に実施するためのめっき装置の一例の構成を模式
的に示す平面図である。同図において、電解めっき設備
400は、内部が高清浄度に保たれるハウジング200
内に、電解めっき槽10及び洗浄槽11が複数台配設さ
れたものである。電解めっき槽10は、先述した電解め
っき装置100と同等の構成を有するものである。一
方、洗浄槽11は、めっき液22の代わりにアルコール
等の有機溶媒又は純水等から成る洗浄液が貯留又は流通
され、且つ、電極系及び電流・電圧制御系を有しないこ
と以外は、電解めっき槽10と略同等に構成されたもの
である。
【0080】また、ハウジング200内には、半導体ウ
ェハWを移送するためのロボット装置62、及びめっき
処理前後の半導体ウェハWを洗浄するためのウォッシャ
ー70が設けられている。このウォッシャー70は、ハ
ウジング200内と後述するローディングステーション
300間で半導体ウェハWを受け渡す中間ステーション
としても機能するものである。また、ウォッシャー70
は、半導体ウェハWを支持し且つ回動可能なサポート7
2と、水噴射ノズル76とを有している。
【0081】さらに、ハウジング200の外部には、ロ
ーディングステーション300が隣接されている。この
ローディングステーション300には、複数枚の半導体
ウェハWを収容するウェハカセット90と、未処理の半
導体ウェハWをハウジング200内のサポート72へ移
送するためのロボット装置60とが設けられている。
【0082】このような電解めっき設備400を用いた
本実施形態のめっき方法では、まず、未処理の半導体ウ
ェハWをロボット装置60によりウェハカセット90か
ら取り出し、必要に応じてサポート72上で回転させな
がら水洗浄した後、ロボット装置62を介して電解めっ
き槽10のホルダヘッド41(図1参照)に設置する。
次いで、前述したのと同様なボトムアップフィル工程S
P1を実施して凹部H内の埋め込みを行う。
【0083】凹部H内の埋め込みが完了したらボトムア
ップフィル工程SP1を終了する。そして、めっき電流
を0(ゼロ)とし且つ電圧を印加した状態で、駆動アー
ム43及びアームホルダ45(図1参照)を操作してこ
の半導体ウェハW(図7(A)に示す状態の半導体ウェ
ハW)をめっき液22から取り出す。さらに、ロボット
装置60を介してこの半導体ウェハWを洗浄槽11のホ
ルダヘッド41し、槽内の洗浄液に一定時間浸漬し、洗
浄液を槽内で流通させる。このとき、洗浄液に超音波を
印加しても好ましい。
【0084】これにより、銅配線層106の上層部にお
ける凹部Hの近傍に集積していた促進剤が当該部位から
洗い出され、洗浄液側へ移行する(ステップSP2
3)。このとき、例えば促進剤等の添加剤に対して溶解
能又は分散能を有する溶剤を洗浄液として用いると、そ
の洗浄効率が高められる。このような溶剤は、促進剤等
の添加剤の種類、濃度、溶解性若しくは分散性、及び、
めっき後の半導体ウェハWの後処理工程に与える影響等
を考慮して適宜選択することができる。
【0085】次に、洗浄が終了した半導体ウェハWをロ
ボット装置62により電解めっき槽10のホルダヘッド
41へ設置し、再びめっき液22中へ被成膜面を浸漬
し、ボトムアップフィル工程SP1と同等のめっき条件
にてフィールド成膜工程SP3を開始する。この場合に
も、被成膜面である図7(A)に示す状態の銅配線層1
06の上層部において凹部H近傍への促進剤等の添加剤
の集中が解消されているので、ボトムアップフィル工程
SP1における電着履歴がキャンセルされた状態でフィ
ールド部の成膜が行われる。
【0086】よって、本実施形態においても、凹部Hの
パターンの疎密に依存し得る成膜速度のマイクロローデ
ィングが防止され、膜厚の均一性に優れたフィールド部
の成膜が行われる。そして、所望膜厚の配線層106
(金属膜)が形成された時点でフィールド成膜工程SP
3を終了する(図7(B)参照)。
【0087】このような本発明の第3実施形態によって
も、第1実施形態におけるのと同様の優れたオーバープ
レーティング防止効果が奏される。なお、かかる効果及
びこれに付随する作用効果については、重複する説明を
避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0088】〈第4実施形態〉本発明によるめっき方法
の第4実施形態は、図5に示す添加剤除去工程SP2に
おいて、上述のステップSP23に引き続き、洗浄後の
半導体ウェハWにアニールを施すステップSP24(加
熱ステップ)を実施すること以外は、上述した第3実施
形態と同様の手順による方法である。
【0089】本実施形態においては、図9に示す洗浄槽
11におけるステップS23が終了した半導体ウェハW
を、例えば、図示しないLTA(Low Temperature Anne
al)装置に移設して半導体ウェハWの加熱処理を行う
(ステップSP24)。このときの加熱温度(アニール
温度)は、好ましくは150〜450℃、より好ましく
は150〜350℃であることが望ましい。また、加熱
時間は、加熱温度にもよるが、好ましくは10〜180
sec、より好ましくは30〜120secとされる。
【0090】このステップSP24を実施すると、促進
剤等の添加剤がステップSP23における洗浄によって
半導体ウェハW上から除去されずに残留する場合でも、
促進剤等が前述したような有機成分であると、熱分解さ
れて半導体ウェハW上から除去される。よって、凹部H
の近傍に集積した促進剤等の添加剤の除去効率が一層高
められる。したがって、オーバープレーティングの防止
効果を更に向上できる利点がある。
【0091】また、このようなアニールを実施すること
により、凹部H内に埋め込まれた銅の結晶成長が促進さ
れ、そのグレインサイズが増大する。よって、フィール
ド部の成膜が行われる前に凹部H内の銅の結晶成長を十
分に促進することにより、その後のフィールド成膜工程
SP3で形成される凹部Hの上層の銅膜をアニールする
際に、凹部H内に空乏(空隙)が生じることを防止でき
る。
【0092】さらに、ステップSP24を実施すること
により、ヴィアホールやトレンチ等の凹部H内の銅を結
晶成長するための加熱処理と、その後のフィールド成膜
工程SP3で形成される凹部上層の銅の加熱処理とを独
立して行い得る。つまり、凹部H内の結晶粒の形状制御
と、その上部に厚く積層させる部分の結晶粒の形状制御
との独自の最適化を図ることが可能となる。したがっ
て、デバイス設計及び製造における裕度を向上でき、ひ
いてはデバイス特性の最適化が簡便となり、プロセス適
合性に優れた所望の特性を有する半導体装置等の電子部
品の製造が可能となる。
【0093】そして、ステップSP24による加熱処理
を施した半導体ウェハWを再び電解めっき槽10内のめ
っき液22へ浸漬し、ボトムアップフィル工程SP1と
同等のめっき条件にてフィールド成膜工程SP3を開始
する。この場合にも、被成膜面である図7(A)に示す
状態の銅配線層106の上層部において凹部H近傍への
促進剤等の添加剤の集中が解消されているので、ボトム
アップフィル工程SP1における電着履歴がキャンセル
された状態でフィールド部の成膜が行われる。
【0094】よって、本実施形態においても、凹部Hの
パターンの疎密に依存し得る成膜速度のマイクロローデ
ィングが防止され、膜厚の均一性に優れたフィールド部
の成膜が行われる。そして、所望膜厚の配線層106
(金属膜)が形成された時点でフィールド成膜工程SP
3を終了する(図7(B)参照)。
【0095】このような本発明の第4実施形態によって
も、第1実施形態におけるのと同様の優れたオーバープ
レーティング防止効果が奏される。なお、かかる効果及
びこれに付随する作用効果については、重複する説明を
避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0096】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは
いうまでもない。例えば、めっき装置100は、半導体
ウェハWの被成膜面が下向きとなるフェイスダウン式で
あるが、フェイスアップ式やその他のめっき装置にも本
発明は適用可能であり、成膜材料も銅以外の金属とする
こともできる。また、本発明は、0.17〜0.18μ
m以下の次世代デバイス、特に0.13μm以下のデバ
イスの製造において非常に好適なものであるが、そのサ
イズ以上のデバイス製造に適用しても構わない。さら
に、ボトムアップフィル工程SP1及びフィールド成膜
工程SP3では、電圧制御を行っても良いが、安定した
定電流を得易い観点より電流制御の方がより好ましい。
【0097】またさらに、パルス電流及びリバース電流
を、矩形波形状としたが、厳密に矩形波とする必要はな
く、正弦波形状又は正弦波形状に近い形状としてもよ
い。さらにまた、洗浄ステップであるステップSP23
を実施しなくても構わないが、促進剤等の除去効率を高
め、或いは、加熱時間の短縮を図る観点からは、ステッ
プSP23,SP24を組み合わせてこの順に実施する
ことが好ましい。加えて、洗浄槽11の代わりにウォッ
シャー70を用いてもよい。また、電解めっき設備40
0において、例えば、2台の電解めっき槽10の一方を
ボトムアップフィル用とし、他方をフィールド成膜用と
して用いても好適である。この場合、フィールド成膜用
の電解めっき槽10には、めっき液22の代わりにフィ
ールド成膜専用の他の添加剤を含むめっき液を用いるこ
とができる。
【0098】さらに、第1実施形態又は第2実施形態に
おいて、パルス電流I1又はリバース電流I2を印加した
後、又はその途中で、一定時間無電界(めっき電流及び
めっき電圧が0(ゼロ))の状態とすると好ましい。こ
のようにすれば、添加剤の拡散層が形成される傾向にあ
る。具体的には、この無電界状態の時間が、好ましくは
0.01〜100sec、より好ましくは0.01〜1
0secであることが望ましい。
【0099】
【実施例】以下、本発明に係る具体的な実施例について
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0100】〈実施例1〉図10に示すパターンを有す
る半導体ウェハW上に上述したステップSP21を実施
する第1実施形態と同様のめっき方法により銅配線層1
06を形成せしめた。図10は、そのパターンを模式的
に示す概略平面図である。領域Sは後述する断面観察に
おける観測領域を示し、該領域S内に、それぞれ0.1
3μm,0.14μm,0.15μm,0.17μmの
設計ルールに対応した断面幅を有するトレンチ(凹部)
が複数形成された領域S1〜S4が一定の間隔をおいて
連設されている。また、図中、黒塗り三角のシンボルP
1〜P8は、断面観察における膜厚測定点を示す。
【0101】さらに、半導体ウェハWとして、凹部であ
るトレンチ内に10nm厚のTaN膜103、25nm
厚のTa膜104、及び125nm厚の銅シード層10
5が積層されたものを用いた。またさらに、ボトムアッ
プフィル工程SP1及びフィールド成膜工程SP3にお
けるめっき電流をI0=3.14Aとし、ステップSP
21におけるパルス電流のピーク値をI1=−35Aと
し、パルス周期をΛ=2.15secとし、パルス幅を
a=0.07secとし、パルス繰り返し数を40回と
した。さらにまた、めっき液22としては、促進剤、抑
制剤、及び平坦化剤を含む以下の組成を有するものを使
用した。なお、フィールド成膜工程SP3においては、
トレンチが設けられていない部位における膜厚が1μm
程度となるような成膜を実施した。
【0102】[めっき液組成] ・硫酸銅/硫酸=1Lあたり50g/50g ・塩素イオン濃度:70ppm ・促進剤(製品名;EEJA社製:ACL):7.5m
l/L ・抑制剤(製品名;EEJA社製:SPR):5.0m
l/L ・平坦化剤(製品名;EEJA社製:OPI):3.0
ml/L
【0103】〈実施例2〉平坦化剤(EEJA社製:O
PI)を含まないこと以外は実施例1で用いためっき液
と同じ組成を有するめっき液を用い、それ以外は実施例
1と同様にして半導体ウェハW上に銅配線層106を形
成せしめた。
【0104】〈実施例3〉ステップSP21の代わりに
ステップSP22を実施する上述した第2実施形態と同
様のめっき方法を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して半導体ウェハW上に銅配線層106を形成せしめ
た。このとき、リバース電流のピーク値をI 2=−3.
14Aとし、パルス幅をb=13.6secとした。
【0105】〈実施例4〉ステップSP21の代わりに
ステップSP23を実施する上述した第3実施形態と同
様のめっき方法を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して半導体ウェハW上に銅配線層106を形成せしめ
た。この例では、ボトムアップフィル工程SP1におい
て、125nm厚程度の銅を堆積させてトレンチ内の埋
め込みを行い、ステップSP23において純水でウェハ
洗浄を行い、さらに、フィールド成膜工程SP3におい
て100nm厚程度のフィールド成膜を実施した。
【0106】〈実施例5〉ボトムアップフィル工程SP
1において、175nm厚程度の銅を堆積させてトレン
チ内の埋め込みを行ったこと以外は、実施例4と同様に
して半導体ウェハW上に銅配線層106を形成せしめ
た。
【0107】〈比較例1〉ステップSP21を実施しな
かったこと以外は実施例1と同様にして半導体ウェハW
上に銅配線層106を形成せしめた。すなわち、本比較
例では、従来のめっき方法による処理を行った。
【0108】〈断面観察試験1〉比較例1及び実施例1
〜3で銅配線層106を形成した半導体ウェハWの断面
のSEM観察を実施した。観察は、図10に示す観測領
域S内の複数箇所に対して行った。得られた結果を模式
的に、それぞれ図11(A)及び(B)、図12(A)
〜(C)、並びに、図13(A)及び(B)に示す。
【0109】図11(A)は、比較例1の半導体ウェハ
Wの0.17μmルールに対応した領域S4及びその近
傍の観測点P6〜P8周辺部位における断面を示す模式
図である。図11(B)は、同じく0.15μmルール
に対応した領域S3及びその近傍の観測点P4〜P6の
周辺部位における断面を示す模式図である。
【0110】また、図12(A)は、実施例1の半導体
ウェハWの0.17μmルールに対応した領域S4及び
その近傍の観測点P6〜P8周辺部位における断面を示
す模式図である。図12(B)は、同じく0.15μm
ルールに対応した領域S3及びその近傍の観測点P4〜
P6の周辺部位における断面を示す模式図である。図1
2(C)は、同じく0.14μmルールに対応した領域
S2及びその近傍の観測点P2〜P4の周辺部位におけ
る断面を示す模式図である。
【0111】さらに、図13(A)は、実施例2の半導
体ウェハWの0.17μmルールに対応した領域S4及
びその近傍の観測点P6〜P8周辺部位における断面を
示す模式図である。図13(B)は、同じく0.15μ
mルールに対応した領域S3及びその近傍の観測点P5
及びP6の周辺部位における断面を示す模式図である。
なお、実施例3の半導体ウェハWについては、実施例1
の結果と略同等の結果であったので、図示を省略した。
【0112】〈膜厚測定〉上記断面観察試験の結果に基
づいて、比較例1及び実施例1〜3で銅配線層106を
形成した半導体ウェハWの断面におけるフィールド部の
膜厚を、各観測点P1〜P8に対して実施した。図14
は、比較例1並びに実施例1及び2の半導体ウェハWに
おける膜厚測定結果を示すグラフである。図中、折線K
0,K1,K2,K3は、それぞれ比較例1及び実施例
1〜3に対応する。
【0113】〈断面観察試験2〉実施例4及び5で銅配
線層106を形成した半導体ウェハWの断面のSEM観
察を実施した。観察は、図10に示す観測領域S内の複
数箇所に対して行った。得られた結果を模式的に図15
(A)〜(D)及び図16(A)〜(D)に示す。
【0114】図15(A)は、実施例4の半導体ウェハ
Wの0.18μmルールに対応した領域S2内のセンタ
ー部である観測点P3の周辺部位における断面を示す模
式図である。図15(B)は、図15(A)の部分拡大
図を示す模式図である。また、 図15(C)は、実施
例5の半導体ウェハWの0.18μmルールに対応した
領域S2内のセンター部である観測点P3の周辺部位に
おける断面を示す模式図である。図15(D)は、図1
5(C)の部分拡大図を示す模式図である。
【0115】さらに、図16(A)は、実施例4の半導
体ウェハWの0.18μmルールに対応した領域S2と
その領域外の境界部位の周辺部位(エッジ部)における
断面を示す模式図である。図16(B)は、図16
(A)の部分拡大図を示す模式図である。またさらに、
図16(C)は、実施例5の半導体ウェハWの0.18
μmルールに対応した領域S2とその領域外の境界部位
の周辺部位(エッジ部)における断面を示す模式図であ
る。図16(D)は、図16(C)の部分拡大図を示す
模式図である。
【0116】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のめっき方法
によれば、半導体ウェハ等の被処理体を金属めっき処理
するに際し、被処理体上に設けられたホールやトレンチ
等の凹部の埋め込みを十分に行いつつ、オーバープレー
ティングの発生を抑制できる。しかも、使用するめっき
液組成の簡略化を図ること、つまり、めっき液に平坦化
剤を添加することなく金属膜の平坦化を図ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるめっき方法を有効に実施するため
のめっき装置の好適な一実施形態を示す概略断面図であ
り、このめっき装置を運転している状態を示す図であ
る。
【図2】本発明によるめっき方法を有効に実施するため
のめっき装置の好適な一実施形態を示す概略断面図であ
り、このめっき装置を運転している状態を示す図であ
る。
【図3】本発明によるめっき方法を有効に実施するため
のめっき装置の好適な一実施形態を示す概略断面図であ
り、このめっき装置を運転している状態を示す図であ
る。
【図4】本発明によるめっき方法を有効に実施するため
のめっき装置の好適な一実施形態を示す概略断面図であ
り、このめっき装置を運転している状態を示す図であ
る。
【図5】本発明のめっき方法に係る種々の実施形態を実
行する手順の例を示すフロー図である。
【図6】図6(A)〜(C)は、それぞれ第1実施形態
のめっき方法により半導体ウェハにめっき処理を施して
いるときのめっき電流の変化、めっき電圧の変化、及び
ロッドの傾きの有無の一例を模式的に示すタイムチャー
トである。
【図7】図7(A)及び(B)は、本発明のめっき方法
に係る種々の実施形態によって半導体ウェハ上に銅の配
線層を形成している状態における半導体ウェハの断面を
模式的に示す工程図である。
【図8】図8(A)〜(C)は、それぞれ第2実施形態
のめっき方法により半導体ウェハにめっき処理を施して
いるときのめっき電流の変化、めっき電圧の変化、及び
ロッドの傾きの有無の一例を模式的に示すタイムチャー
トである。
【図9】第3実施形態のめっき方法を有効に実施するた
めのめっき装置の一例の構成を模式的に示す平面図であ
る。
【図10】半導体ウェハ上に形成されたパターンを模式
的に示す概略平面図である。
【図11】図11(A)及び(B)は、比較例1の半導
体ウェハの断面を示す模式図である。
【図12】図12(A)〜(C)は、実施例1の半導体
ウェハの断面を示す模式図である。
【図13】図13(A)及び(B)は、実施例2の半導
体ウェハの断面を示す模式図である。
【図14】比較例1並びに実施例1及び2の半導体ウェ
ハにおける膜厚測定結果を示すグラフである。
【図15】図15(A)及び(B)は、実施例4の半導
体ウェハの断面を示す模式図である。図15(C)及び
(D)は、実施例5の半導体ウェハの断面を示すSEM
写真である。
【図16】図16(A)及び(B)は、実施例4の半導
体ウェハの断面を示す模式図である。図16(C)及び
(D)は、実施例5の半導体ウェハの断面を示すSEM
写真である。
【符号の説明】
10…電解めっき槽、11…洗浄槽、12,21…液
槽、14…銅板、22…めっき液、40…ウェハホル
ダ、41…ホルダヘッド、42…ロッド、43…駆動ア
ーム、44…支軸、45…アームホルダ、50…制御装
置、51…電流計、52…電圧計、100…電解めっき
装置、101…導電性基層、102…絶縁層、103…
TaN膜、104…Ta膜、105…シード層(被成膜
面)、106…配線層(金属膜)、400…電解めっき
設備、H…凹部、SP2…添加剤除去工程、S23…洗
浄ステップ、SP1…ボトムアップフィル工程、SP2
1,SP22…電流制御ステップ、SP24…加熱ステ
ップ、SP3…フィールド成膜工程、W…半導体ウェハ
(被処理体)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/88 K (72)発明者 鈴木 優美 千葉県成田市新泉14ー3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン株 式会社内 (72)発明者 水澤 寧 千葉県成田市新泉14ー3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン株 式会社内 (72)発明者 藍谷 輝一 千葉県成田市新泉14ー3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン株 式会社内 (72)発明者 大和田 伸郎 千葉県成田市新泉14ー3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン株 式会社内 (72)発明者 毛 大欣 千葉県成田市新泉14ー3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン株 式会社内 Fターム(参考) 4K024 AA09 AB02 BB12 BC10 CA08 CB01 CB05 GA16 4M104 BB32 BB37 CC01 DD22 DD52 DD75 DD78 DD83 FF17 FF18 FF22 HH12 HH14 HH20 5F033 HH11 HH21 HH32 JJ11 JJ21 JJ32 LL08 MM12 MM13 NN06 NN07 PP27 PP33 QQ09 QQ73 QQ91 XX00 XX01 XX03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部が設けられた被処理体の被成膜面上
    に金属膜を形成せしめるめっき方法であって、 前記被処理体を、金属イオン及び所定の添加剤が含有さ
    れて成るめっき液中に浸漬し、電解めっき法により前記
    凹部の内部を前記金属で埋め込むボトムアップフィル工
    程と、 前記凹部の埋め込みが終了した後に、前記凹部の近傍に
    存在する前記所定の添加剤の少なくとも一部を前記被成
    膜面上から除去する添加剤除去工程と、 前記所定の添加剤の少なくとも一部が除去された前記被
    成膜面上に、電解めっき法により前記金属を堆積せしめ
    るフィールド成膜工程と、を備えるめっき方法。
  2. 【請求項2】 前記添加剤除去工程は、前記凹部が前記
    金属で埋め込まれた前記被処理体を前記めっき液の外部
    へ取り出し、前記被成膜面を洗浄する洗浄ステップを備
    える、請求項1記載のめっき方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄ステップにおいては、前記所定
    の添加剤に対する溶解能又は分散能を有する溶剤、又は
    水を前記被成膜面上に供給する、請求項2記載のめっき
    方法。
  4. 【請求項4】 前記添加剤除去工程は、前記凹部が前記
    金属で埋め込まれた前記被処理体を加熱する加熱ステッ
    プを備える、請求項2又は3に記載のめっき方法。
  5. 【請求項5】 前記添加剤除去工程は、前記被処理体を
    前記めっき液に浸漬させた状態で、前記ボトムアップフ
    ィル工程においてカソードとしての前記被成膜面とアノ
    ードとの間に流通させた第1のめっき電流と極性の異な
    る第2のめっき電流を、該被成膜面とアノードとの間に
    流通させる電流制御ステップを備える、請求項1記載の
    めっき方法。
  6. 【請求項6】 前記電流制御ステップにおいては、前記
    第2のめっき電流をパルス状に少なくとも一回印加す
    る、請求項5記載のめっき方法。
  7. 【請求項7】 前記ボトムアップフィル工程において
    は、前記被成膜面上への金属の平均的な堆積速度、抵抗
    値、又はめっき電圧の変化に基づいて、前記凹部の埋め
    込みの終了を判断する、請求項1〜6のいずれか一項に
    記載のめっき方法。
  8. 【請求項8】 前記所定の添加剤として、前記めっき液
    に含まれる金属イオンの電気化学的な還元反応を促進す
    る機能を有する促進剤、及び、該金属イオンの電気化学
    的な還元反応を抑制する機能を有する抑制剤のうち少な
    くともいずれか一方を含有し、且つ、前記金属の堆積速
    度のばらつきを低減する機能を有する平坦化剤を含有し
    ないものを用いる、請求項1〜7のいずれか一項に記載
    のめっき方法。
  9. 【請求項9】 凹部が設けられた被処理体の被成膜面上
    に金属膜が成膜されて成る半導体装置の製造方法であっ
    て、 請求項1〜8のいずれか一項に記載のめっき方法により
    前記金属膜を形成せしめる工程を備える半導体装置の製
    造方法。
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