JP2003268528A - 耐候性鋼の安定錆の形成方法 - Google Patents

耐候性鋼の安定錆の形成方法

Info

Publication number
JP2003268528A
JP2003268528A JP2002067365A JP2002067365A JP2003268528A JP 2003268528 A JP2003268528 A JP 2003268528A JP 2002067365 A JP2002067365 A JP 2002067365A JP 2002067365 A JP2002067365 A JP 2002067365A JP 2003268528 A JP2003268528 A JP 2003268528A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistant steel
weather resistant
stable rust
treatment
weather
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002067365A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Seguchi
剛 瀬口
Motohide Mori
元秀 森
Kazuhiko Mori
和彦 森
Kenichi Maruyama
憲一 丸山
Makoto Okonogi
真 小此木
Hiroshi Kihira
寛 紀平
Hideo Kanisawa
秀雄 蟹澤
Naoki Iwama
直樹 岩間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Toyota Motor Corp
Aichi Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Toyota Motor Corp
Aichi Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Toyota Motor Corp, Aichi Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2002067365A priority Critical patent/JP2003268528A/ja
Publication of JP2003268528A publication Critical patent/JP2003268528A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性鋼の表面に簡易に安定錆を形成するこ
とができる耐候性鋼の安定錆の形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法
は、酸化被膜形成工程と、安定錆形成工程と、を有する
ことを特徴とする。本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方
法は、表面に均質な酸化被膜が形成された耐候性鋼に、
処理液を反応させることで安定錆を形成している。この
ため、本発明の安定錆の形成方法は、簡易に安定錆を形
成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性鋼の安定錆
の形成方法に関し、詳しくは、簡易にかつ短時間で耐候
性鋼に安定錆を形成する耐候性鋼の安定錆の形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】耐候性鋼は、Cu、Ni、Cr、P、M
o等の元素が少量含有された低合金鋼である。耐候性鋼
は、大気中に曝露されると、腐食されて発錆する過程で
保護性の強い錆層、すなわち、安定錆が形成される。安
定錆とは、鉄の酸化物またはオキシ水酸化鉄からなる防
食作用を有する表面被膜である。安定錆が形成された耐
候性鋼は、それ以降の腐食が減少し、最終的には腐食が
ほとんど進行しない特性を持つようになる。
【0003】耐候性鋼は、形鋼、鋼板、鋼管等の各種の
鋼材に適用されている。特に橋梁や鉄塔等の大型の構造
物に適用されている。すなわち、橋梁や鉄塔等の大型の
建築物において、耐候性鋼は10年以上の長期間にわた
って風雨に曝されることで表面に安定錆が形成される。
【0004】しかしながら、このような大型の構造物に
おいては、安定錆の形成に長い時間が要求されることか
ら、安定錆が形成されるまでの間に錆による腐食が進行
するという問題があった。
【0005】この安定錆の形成に長時間を要する問題に
対して、耐候性鋼の表面にコーティング処理を施し、錆
の安定化を保護する方法がある。しかしながら、耐候性
鋼の表面にコーティングを行う方法は、コーティングに
コストが要求されるという問題があった。
【0006】また、別の解決方法として、プラズマ窒化
等の処理を施すことで耐候性鋼の耐食性を高める方法が
ある。しかしながら、この方法では、処理に大がかりな
装置が必要となるだけでなく、処理に要するコストが加
わり、耐候性鋼のコストが高くなるという問題を有して
いた。
【0007】さらに、他の解決方法として、硫酸等の酸
性溶液を用いて安定錆の形成を促進するという方法があ
った。たとえば、特開2000−199072号、特開
2000−96254号および特開平11−27976
8号に開示がなされている。
【0008】特開2000−199072号には、鋼材
表面に(Fe(OH)2+Na2SO 4)水溶液を付着さ
せて高防食性の皮膜を形成する方法において、該水溶液
のモル濃度比較でFe濃度がSO4濃度以下であること
を特徴とする鋼材の高防食性さび層形成方法が開示され
ている。
【0009】特開2000−96254号には、1.0
質量%以上のチタンイオンもしくはチタン酸イオンを含
有させた溶液を、鋼材表面あるいは鋼材表面の錆層に塗
布することによって、鋼材表面に新たに形成された錆層
および既に形成されている錆層の防食性を高めることを
特徴とする鋼の錆安定化促進方法が開示されている。
【0010】特開平11−279768号には、鋼材表
面あるいは鋼材の錆層の上に、硫酸クロムおよび硫酸ナ
トリウムを合計量で0.1〜15.0重量%含有するオ
ゾンガスを溶かした水溶液を塗布することを特徴とする
均一な耐候性安定錆を早期に生成させる方法が開示され
ている。
【0011】しかしながら、これらの方法では、耐候性
鋼の表面に塗布される溶液の取り扱いや廃液処理に問題
を有していた。
【0012】さらに、近年においては、耐候性鋼は、橋
梁や鉄塔等の大型の構造物だけでなく、ボルト等の小型
の部品の材料として使用されている。小型の部品におい
て耐鋼性鋼は、簡便に安定錆を形成することができるこ
とが求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、耐候性鋼の表面に簡易に安定
錆を形成することができる耐候性鋼の安定錆の形成方法
を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者は、均一な酸化被膜を形成した耐候性鋼に界
面活性剤を含有する処理液を反応させることで上記課題
を解決できることを見出した。
【0015】すなわち、本発明の耐候性鋼の安定錆の形
成方法は、耐候性鋼の表面に均質な酸化被膜を形成する
酸化被膜形成工程と、酸化皮膜が形成された耐候性鋼を
界面活性剤を有する中性の処理液と反応させて安定錆を
形成する表面処理工程と、を有することを特徴とする。
【0016】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法は、
表面に均質な酸化被膜が形成された耐候性鋼に処理液を
反応させることで安定錆を耐候性鋼に形成している。本
発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法は安定錆の形成に大
がかりな装置および長い時間を必要としないことから、
簡易な方法で耐鋼性鋼に安定錆を形成することができ
る。すなわち、本発明の形成方法を用いることで、安定
錆が形成された耐候性鋼よりなる部材を低コストで得ら
れる効果を示す。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成
方法は、酸化被膜形成工程と、表面処理工程と、を有す
る。
【0018】酸化被膜形成工程は、耐候性鋼の表面に均
質な酸化被膜を形成する工程である。酸化被膜形成工程
において耐候性鋼の表面に均質な酸化皮膜が形成される
ことで、その後の表面処理工程において均質な安定錆を
形成できる。
【0019】表面処理工程は、酸化皮膜が形成された耐
候性鋼を界面活性剤を有する中性の処理液と反応させて
安定錆を形成する工程である。表面処理工程において耐
候性鋼と処理液とが反応を生じることで耐候性鋼に安定
錆が形成される。ここで、耐候性鋼と処理液との反応
は、耐候性鋼に処理液を接触させることで開始させるこ
とができる。
【0020】ここで、中性の処理液とはpHが7±0.
5の範囲内にある処理液を示す。pHが6.5未満とな
ると酸性度が強くなり(pHが低くなり)、処理液によ
る耐候性鋼の腐食が始まる。すなわち、酸性度が強くな
ると処理液による耐候性鋼の腐食が安定錆の形成速度を
上回るため、耐候性鋼に腐食が生じるようになる。耐候
性鋼に腐食が生じると強度が低下する。また、pHが
7.5を超えると、耐候性鋼の表面に安定錆とは異なる
不動態被膜が形成される。この不動態被膜は、耐候性鋼
の腐食の進行を抑制できない。すなわち、耐候性鋼とし
ての特性が維持できない。
【0021】表面処理工程における耐候性鋼と処理液と
の反応は、室温以上の反応温度で進行することが好まし
い。反応が室温以上の温度で進行することで、安定錆の
形成が促進される。なお、反応温度が高くなるほど反応
速度が速くなり安定錆の形成が促進される。反応温度を
室温以上とする方法は、特に限定されるものではない。
たとえば、表面に処理液が付着した状態の耐候性鋼を加
熱する方法、あらかじめ加熱された耐候性鋼に処理液を
付着させる方法をあげることができる。
【0022】酸化被膜形成工程は、耐候性鋼の表面の酸
化スケールを除去するスケール除去工程と、酸化スケー
ルが除去された耐候性鋼を酸素を含む雰囲気中に保持し
て酸化被膜を形成する酸化工程と、を有することが好ま
しい。スケール除去工程において耐候性鋼表面の酸化ス
ケールを除去し、酸化工程において酸化被膜を形成する
ことで、耐候性鋼に均質な酸化被膜を形成することがで
きる。なお、本発明において酸化スケールとは、耐候性
鋼の表面の厚い酸化被膜を示す。この酸化スケールは、
酸化被膜形成工程により形成される均質な酸化被膜とは
異なる酸化被膜である。酸化スケールは、たとえば、オ
ーステナイト化温度に加熱されたときに耐候性鋼の表面
に形成されるポーラスなFeO主体の酸化被膜をあげる
ことができる。
【0023】スケール除去工程において、耐候性鋼の表
面の酸化スケールを除去する方法は特に限定されるもの
ではない。たとえば、耐候性鋼をオーステナイト化温度
に加熱し鍛造処理を施す方法や、還元性の雰囲気を用い
て表面の酸化スケールを還元除去する方法をあげること
ができる。
【0024】酸化工程において耐候性鋼が保持される酸
素を含む雰囲気についても、耐候性鋼の表面に均質な酸
化被膜をできる雰囲気であれば特に限定されるものでは
ない。安価に得られることや特別な処理を要しないこと
から、大気雰囲気であることが好ましい。
【0025】スケール除去工程は、耐候性鋼をオーステ
ナイト化温度に加熱し、鍛造処理を施す工程であること
が好ましい。たとえば、耐候性鋼が大気雰囲気中でオー
ステナイト化温度以上に加熱されると、ポーラスで脆い
FeO主体の酸化スケールが形成される。この酸化スケ
ールを有する耐候性鋼に鍛造処理を施すと、その後の酸
化工程において、FeOからの変態によって生成する破
壊強度の強いFe34が主体の黒錆が耐候性鋼の表面に
形成される。この黒錆が形成されることで、その後の安
定錆形成工程において、より緻密で均一な安定錆が形成
される。さらに、スケール除去工程において鍛造処理が
施されることで、耐候性鋼の形状を所望の形状とするこ
とができる。耐候性鋼のオーステナイト化温度は、およ
そ800℃以上、1300℃以下が望ましい。
【0026】スケール除去工程は、還元性の雰囲気中に
耐候性鋼を保持する工程であることが好ましい。還元性
の雰囲気中に耐候性鋼を保持することで、耐候性鋼の表
面の酸化スケールを還元除去できる。ここで、還元性の
雰囲気とは、酸化スケールを還元除去できる雰囲気であ
れば限定されるものではない。すなわち、雰囲気を構成
するガスの種類や雰囲気の温度は、耐候性鋼の酸化スケ
ールを除去できれば限定されるものではない。たとえ
ば、還元性の雰囲気を構成するガスとして還元性ガスや
不活性ガスをあげることができ、雰囲気の温度も、室温
以上の温度とすることができる。耐候性鋼を還元する還
元性の雰囲気としては、たとえば、水素、炭化水素、窒
素等のガスを有する高温の雰囲気をあげることができ
る。
【0027】スケール除去工程においてオーステナイト
化温度に加熱された耐候性鋼は、その後の工程において
強度を要求する場合に、急冷されることが好ましい。す
なわち、オーステナイト化温度に加熱されることで耐候
性鋼の組織がオーステナイト組織を有するようになり、
急冷されることで安定錆が形成された耐候性鋼はマルテ
ンサイト組織を有することとなる。この急冷は、たとえ
ば、酸化工程および/または表面処理工程と同時に行わ
れることが好ましい。すなわち、酸化工程において加熱
された耐候性鋼を保持する雰囲気を低温としたり、表面
処理工程において耐候性鋼に接触させられる処理液を低
温とすることで、急冷を行うことができる。
【0028】冷却は、オーステナイト化温度に加熱され
た耐候性鋼を、ただちに変態点(Ar1点)以下の温度
まで大気中で空冷するあるいはMs点以下の温度にまで
急冷することが好ましい。ただちに耐候性鋼を冷却する
ことで、高い強度が付与できる。
【0029】酸化被膜形成工程において、耐候性鋼はオ
ーステナイト化温度に加熱されることが好ましい。
【0030】酸化工程は、オーステナイト化温度に加熱
された耐候性鋼を大気中で30〜120秒間保持する工
程であることが好ましい。オーステナイト化温度に加熱
された耐候性鋼を大気中で30〜120秒間保持するこ
とで、均質な酸化被膜を形成することができる。保持時
間が30秒未満では酸化被膜の形成が不十分となり、表
面処理工程において安定錆の形成が不十分となり耐食性
が劣るようになる。また、保持時間が120秒を超える
と、酸化被膜の厚さが厚くなりすぎ、安定錆の形成も不
十分となり、耐候性鋼の耐食性が劣るようになる。さら
に、酸化被膜が厚くなると、焼き入れ性が悪くなるた
め、焼き入れを行っても十分な強度が得られなくなる。
【0031】表面処理工程は、処理液中に酸化皮膜を有
する耐候性鋼を浸漬する工程であることが好ましい。耐
候性鋼を処理液中に浸漬することで、耐候性鋼と処理液
とが接触し、安定錆を形成する反応を生じる。
【0032】表面処理工程は、酸化皮膜を有する前候性
鋼の表面に処理液を塗布する工程であることが好まし
い。耐候性鋼の表面に処理液を塗布することで、耐候性
鋼と処理液とが接触し、安定錆を形成する反応を生じ
る。耐候性鋼の表面に処理液を塗布する方法は、限定さ
れるものではない。たとえば、ハケ等の器具を用いて塗
布する方法や、スプレー等により処理液をかける方法を
あげることができる。
【0033】表面処理工程が施された耐候性鋼を加熱す
る加熱工程を有することが好ましい。加熱工程を有する
ことで、安定錆の形成における反応温度を上げることが
できる。この結果、安定錆の形成反応が促進されるよう
になる。
【0034】加熱工程における加熱温度が、変態点(A
c1点)以下の温度であることが好ましい。変態点以下
の温度に加熱されることで、高強度、高靱性の耐候性鋼
を得られるようになる。たとえば、オーステナイト組織
が維持された耐候性鋼においては、加熱温度が変態点
(Ac1点)を超えると、オーステナイト組織に変態が
生じるため、耐候性鋼の強度が低下するようになる。
【0035】表面処理工程および加熱工程が繰り返して
施されることが好ましい。表面処理工程および加熱工程
が繰り返して施されることで、加熱工程において加熱さ
れて処理液が耐候性鋼の表面から蒸発を生じても、再度
処理液が耐候性鋼と反応を生じることができるようにな
る。この結果、安定錆の形成が促進される。
【0036】酸化被膜が形成されかつオーステナイト化
温度以上の温度に保持された耐候性鋼を、ただちに処理
液中に浸漬して焼き入れを行うことが好ましい。その
後、焼き戻しを行うことで、耐食性の高い、高強度、高
靭性の調質鋼を得ることができる。焼き入れが施された
耐候性鋼は、100〜600℃に加熱する焼き戻し処理
が施されることが好ましい。焼き戻し処理が施されるこ
とで、安定錆が形成された耐候性鋼にねばりが生じるよ
うになる。すなわち、焼き入れ処理が施された耐候性鋼
に焼き戻しが行われることで、焼き入れ時に耐候性鋼中
に残留した応力が解消されるためである。詳しくは、高
温の耐候性鋼が処理液と接触することで、急激な温度低
下を生じ、耐候性鋼の組織中にひずみが残留することと
なる。焼き入れ処理が施された耐候性鋼が、100〜6
00℃に加熱されることで、このひずみが解消され、耐
候性鋼にねばり(靭性)が生じるようになる。焼き戻し
温度が100℃未満では、安定錆形成時の反応温度が低
く安定錆の形成に長時間を有するようになるだけでな
く、耐候性鋼に十分な靭性が付与できない。また、加熱
温度が600℃を超えると、組織変化が生じ、耐候性鋼
が軟化するようになる。
【0037】界面活性剤を有する中性の処理液は、アル
キルアミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、α−
オレインスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩が溶解
した水溶液であることが好ましい。すなわち、界面活性
剤としてこれらの化合物を含有した水溶液を処理液とす
ることで、耐候性鋼の安定錆を形成することができる。
【0038】これらの界面活性剤を含有した水溶液より
なる処理液としては、中性洗剤溶液をあげることができ
る。
【0039】処理液における界面活性剤の濃度は、処理
液全体を100wt%としたときに、5〜20wt%で
あることが好ましい。界面活性剤の濃度が5wt%未満
では界面活性剤の量が少ないため安定錆が形成されず、
20wt%を超えると界面活性剤の効果が薄れ、逆に耐
食性が悪くなる。なお、処理液の界面活性剤の濃度は、
含まれる界面活性剤が複数種であるときには、界面活性
剤全体の濃度とする。
【0040】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法にお
いて、安定錆が形成される耐候性鋼は、特に限定される
ものではなく、一般的な耐候性鋼を用いることができ
る。耐候性鋼としては、たとえば、C:0.2%以下、
Si:0.35〜0.65%、Mn:1%以下、P:
0.15%以下およびS:0.05%以下、Fe:残部
と、Cu:0.2〜0.5%、Cr:0.35〜0.6
0%、Ni:0.6%以下の少なくとも1種と、からな
る鉄系合金をあげることができる。また、この耐候性鋼
は、S:0.2%以下、Pb:0.30%以下、Ca:
0.01%以下の少なくとも1種を含有していてもよ
い。ここで、耐候性鋼中のSの割合に関しては、0.0
5%以下で耐候性鋼としての安定錆の形成に効果が発揮
され、0.05〜0.2%において切削性が向上する。
また、組成を示す%は、耐候性鋼全体を100としたと
きのwt%を示す。
【0041】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法によ
り安定錆が形成された耐候性鋼は、大型の構造物だけで
なくボルト等の小型の部品に用いることができる。
【0042】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法は、
中性の界面活性剤溶液を処理液に用いているため、廃液
も中性となっている。加えて、特別な廃液処理を必要と
しない。
【0043】本発明の安定錆の形成方法が施された耐候
性鋼は、表面に安定錆が形成されているため、耐候性を
有する。このため、本発明の処理が施された耐候性鋼
は、亜鉛メッキ処理や焼付型亜鉛クロム酸複合被膜処理
などの防錆処理を施さなくてもよくなり、低コストとな
るだけでなく、クロム等の有害な物質を使用しなくな
り、環境への負荷を低減できる。
【0044】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法は、
表面に均質な酸化被膜が形成された耐候性鋼を室温以上
の温度に保持し、この耐候性鋼に処理液を反応させるこ
とで安定錆を形成することができる。本発明の耐候性鋼
の安定錆の形成方法は、簡易な方法で早期に安定錆を形
成することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0046】本発明の実施例として、耐候性鋼よりなる
試験片を界面活性剤を有する中性の処理液で処理した。
【0047】試験片は、表1に組成が示された耐候性鋼
からなる。試験片は、直径30mm、厚さ10mmの円
柱状に形成されている。
【0048】
【表1】
【0049】また、この試験片には、表面に微細な起伏
をもうけるために、ショットブラスト処理が前処理とし
て施された。
【0050】界面活性剤を有する中性の処理液は、台所
用中性洗剤50mlを500mlの水に溶解させて調整
された。この処理液の界面活性剤の濃度は、処理液中の
全界面活性剤の濃度を示し、処理液全体を100とし
て、10wt%であった。また、処理液中には、アルキ
ルアミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、α−オ
レインスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩が界面活
性剤として含まれている。
【0051】(実施例1)実施例1は、試験片の表面に
界面活性剤を有する中性の処理液をスプレー塗布した例
である。
【0052】試験片の処理は、まず、試験片を加熱炉の
炉内に投入し、炉内温度を昇温させた。このとき、炉内
雰囲気は特に調節されておらず、大気雰囲気であった。
【0053】試験片が赤熱して、オーステナイト域温度
(約800〜1000℃)に達したら、試験片に鍛造処
理を施して、表面の酸化スケールを取り除いた。この酸
化スケールの除去は、ハンマーで赤熱が消える温度(お
よそ650℃)までたたくことでなされた。この酸化ス
ケールの除去により、試験片は、650℃以下まで温度
が低下した。
【0054】つづいて、試験片は、大気中で放冷され
た。この放冷により、表面に均質な酸化被膜が形成され
た。
【0055】放冷後に、試験片の表面に処理液がスプレ
ー塗布された。処理液のスプレー塗布は、試験片表面で
の処理液の蒸発が生じなくなるまでなされた。
【0056】スプレー塗布された処理液により冷却され
て、試験片の表面で処理液の蒸発が生じなくなったら、
試験片を100℃に加熱した。
【0057】以上の処理により、耐候性鋼よりなる試験
片に安定錆が形成された。
【0058】(評価)実施例1の処理が施された試験片
の評価として、耐食性を調べた。なお、同様に、以下に
示した比較例1〜4の処理が施された試験片の耐食性も
測定した。具体的な耐食性の測定は、CCT−C試験に
よって行われた。
【0059】CCT−C試験は、まず、5%塩水を4時
間噴霧した後に、5時間で強制乾燥を行う。つづいて、
湿潤雰囲気に12時間保持し、2時間の強制乾燥の後に
1時間の自然乾燥を行った。以上の24時間1サイクル
の処理を行う試験方法である。
【0060】本実施例の評価において、CCT−C試験
は、上述の処理が3サイクル施された。
【0061】CCT−C試験後の実施例1および比較例
1〜4の処理が施された各試験片の表面写真を撮影し、
図1〜6に示した。ここで、図1は実施例1の処理が施
された試験片の表面を、図2は比較例1の処理が施され
た試験片の表面を、図3は比較例2の処理が施された試
験片の表面を、図4は比較例3の処理が施された試験片
の表面を、図5は比較例4の処理が施された後の試験片
の表面を、図6は比較例4において処理液が塗布される
前の試験片の表面を写した写真である。
【0062】(比較例1)比較例1は、処理液のスプレ
ー塗布処理が施されていない以外は実施例1と同様の処
理を試験片に施した例である。
【0063】(比較例2)比較例2は、処理液として硫
酸チタン水溶液を用いた以外は実施例1と同様の処理を
試験片に施した例である。なお、硫酸チタン水溶液は、
pHが11に調整された市販の硫酸チタン水溶液を使用
した。
【0064】(比較例3)比較例3は、処理液として水
酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は実施例1と同様の
処理を試験片に施した例である。なお、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)水溶液の濃度は、1%に調整された。
【0065】(比較例4)比較例4は、酸化被膜を形成
することなしに処理液で処理した例である。
【0066】詳しくは、1000℃の加熱処理を施して
いない試験片を処理液中に浸漬したのちに、100℃で
乾燥させた例である。なお、比較例4のCCT−C試験
のサイクル数は、1サイクルであった。
【0067】図1〜5より、本発明の形成方法が施され
た実施例1は、CCT−C試験後の表面において、いわ
ゆる赤さびの発生が抑えられている。
【0068】これに対し、比較例1〜4の試験片の断面
を示した図2〜5は、いずれも赤さびが全面に形成され
ている。すなわち、表面の腐食の進行が早いことを示し
ている。さらに、いずれの表面の腐食速度が速く、全面
が腐食している。
【0069】図5〜6より、比較例4は、酸化被膜が形
成されないまま処理液で処理したため、安定錆が形成さ
れず、全面に腐食が進行している。すなわち、比較例4
に示されたように、酸化被膜を形成せずに処理液で処理
をしても、安定錆が形成されない。
【0070】以上のことから、酸化被膜を形成した後に
界面活性剤を含有した処理液で処理された実施例1は、
緻密な安定錆が形成され、錆の進行が抑制された。
【0071】(実施例2)実施例2は、試験片を界面活
性剤を有する中性の処理液に浸漬した例である。
【0072】詳しくは、まず、実施例1と同様の鍛造処
理により表面の酸化スケールを取り除き、室温まで空冷
した。この空冷により、表面に均質な酸化被膜が形成さ
れた。
【0073】つづいて、試験片は、処理液中に浸漬され
た。試験片の浸漬は、溶液中に10分程度どぶ付けする
ことで行われた。
【0074】浸漬の後、試験片を100℃に加熱し、表
面に付着した処理液を乾燥させた。
【0075】乾燥した試験片は、室温まで空冷し、再び
処理液に浸漬された。この乾燥、処理液への浸漬が、5
回繰り返された。
【0076】以上の処理により、耐候性鋼よりなる試験
片に安定錆が形成された。
【0077】(評価)実施例2の処理が施された試験片
の評価として、耐食性を調べた。なお、同様に、以下に
示した比較例5〜7の処理が施された試験片の耐食性も
測定した。具体的な耐食性の測定は、上述のCCT−C
試験を7サイクル施すことによって行われた。
【0078】また、実施例2および比較例5〜7の各試
験片の表面写真を撮影し、図7〜10に示した。ここ
で、図7は実施例2の処理が施された試験片の表面を、
図8は比較例5の処理が施された試験片の表面を、図9
は比較例6の処理が施された試験片の表面を、図10は
比較例7の処理が施された試験片の表面を写した写真で
ある。
【0079】(比較例5)比較例5は、処理液中へのど
ぶ付け処理が施されていない以外は実施例2と同様の処
理を試験片に施した例である。
【0080】(比較例6)比較例6は、処理液として硫
酸チタン水溶液を用いた以外は実施例2と同様の処理を
試験片に施した例である。なお、硫酸チタン水溶液は、
比較例2と同様に、pHが11に調整された市販の硫酸
チタン水溶液を使用した。
【0081】(比較例7)比較例7は、処理液として水
酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は実施例2と同様の
処理を試験片に施した例である。なお、水酸化ナトリウ
ム水溶液は、比較例3と同様に、1%水溶液が用いられ
た。
【0082】図7〜10より、本発明の安定錆の形成方
法により処理された実施例2は、CCT−C試験が7サ
イクルであっても、全面錆にはいたっておらず、耐食性
が高いことがわかる。
【0083】これに対し、比較例5〜7の試験片の表面
を示した図8〜10は、いずれも全面に腐食が進行して
いる。
【0084】以上のことから、界面活性剤を含有した処
理液で処理された実施例2は、緻密な安定錆が形成でき
た。
【0085】(実施例3)実施例3は、焼き入れ液とし
て処理液を用いて試験片に焼き入れ、焼き戻しを施した
例である。
【0086】詳しくは、処理液を焼き入れ液として用
い、表2に示された条件で試験片に焼き入れ、焼き戻し
を行って試料1〜12を作製した。なお、処理される金
属が耐候性鋼ではなくSCr440H合金に焼き入れ、
焼き戻し処理を施した試料13をあわせて作製した。
【0087】
【表2】
【0088】試験片の処理は、まず、炉内雰囲気を調節
できる加熱炉の炉内に試験片を投入し、炉内温度を昇温
させた。このとき、炉内雰囲気は、窒素ガス雰囲気に維
持された。
【0089】試験片が赤熱して、オーステナイト化温度
以上の温度域(約800〜1000℃)に達したら、こ
の温度で試験片を1時間保持して、試験片の温度を均一
にした。
【0090】つづいて、試験片は、20℃の大気中に3
0〜120秒間保持された。この大気中の保持により、
試験片の表面には、微量の酸化被膜が形成された。この
大気中への保持時間は短時間であり、酸化被膜が形成さ
れた試験片の温度は、オーステナイト化温度以上の温度
であった。
【0091】その後、直ちに、試験片は処理液中に浸漬
された。試験片の浸漬は、試験片表面での処理液の蒸発
が生じなくなるまでなされた。
【0092】試験片の表面での処理液の蒸発が生じなく
なったら、処理液中から試験片を取り出した。取り出さ
れた試験片は、大気中雰囲気で100〜600℃に加熱
された。
【0093】以上の処理により、耐候性鋼よりなる試験
片に焼き入れ焼き戻しが行われるとともに安定錆が形成
された。
【0094】実施例3の試験片の加熱温度、大気中の保
持時間および焼き戻し温度を表2にあわせて示した。
【0095】(評価)実施例3の試料1〜13の評価と
して、CCT−C試験を施して耐食性を調査した。
【0096】実施例3の試料の評価として、CCT−C
試験の処理を7サイクルまで施し、処理中の錆発生サイ
クル数を測定するとともに、7サイクル後の試験片の強
度を求めた。試験結果を表2にあわせて示した。
【0097】なお、試験片の強度の測定は、一般に行わ
れている引張試験によって行われた。なお、表中の強度
の○および×の判定は、SCr440Hの試料13を基
準として、試料13以上の強度の試料を○にそれ未満の
試料を×とした。
【0098】また、CCT−C試験中の錆発生サイクル
の確認は、試験箱をあけて、1サイクルごとに目視する
ことによって行われた。ここで、表2の錆発生サイクル
が7以上とあるものは、7サイクルのCCT−C試験を
行っても錆が見られなかったことを示す。
【0099】表2より、実施例3において、800〜1
000℃のオーステナイト化温度に加熱され、大気中に
30〜120秒保持された後に、処理液中に浸漬される
ことで焼き入れされ、100〜600℃で焼き戻しが施
された試料は、高い強度と、7サイクル以上の錆発生サ
イクルを有している。
【0100】加熱温度がオーステナイト化温度の温度範
囲を外れた試料1および試料4は、7サイクルの試験後
の強度が低下していた。この強度の低下は、オーステナ
イト化温度の温度範囲を外れた加熱を行ったことにより
生じている。詳しくは、オーステナイト化温度の温度範
囲を外れたことから、試験片の組織がマルテンサイト変
態を生じなくなっている。この結果、試料1および試料
4は、強度が低下した。
【0101】大気中の保持時間が0の試料5は、CCT
−C試験で1サイクルで錆の発生が確認された。すなわ
ち、加熱された試験片表面に酸化被膜が形成されなかっ
たため、CCT−C試験の処理により腐食を生じたため
である。
【0102】大気中の保持時間が150の試料8は、7
サイクルの試験後の強度が低下しているとともに、3サ
イクルで錆の発生が確認された。すなわち、この強度の
低下は、大気中の保持時間が長くなり、焼き入れ温度が
下がったことおよび形成された酸化被膜が不均一になる
ことにより生じた。
【0103】焼き戻しを行わなかった試料9は、7サイ
クルの試験後の強度が低下しているとともに、1サイク
ルで錆の発生が確認された。すなわち、焼き戻しを行わ
なかったため、安定錆は形成されておらず、材料の脆性
も低下した。
【0104】焼き戻し温度が700℃と高温の試料12
は、7サイクルの試験後の強度が低下していた。すなわ
ち、焼き戻しの温度が高温となっているため、強度が低
下した。
【0105】試験片がSCr440Hよりなる試料13
は、耐候性鋼ではないため、腐食が生じている。
【0106】(実施例4)実施例4は、耐候性鋼が濃度
が異なる処理液により処理された例である。
【0107】詳しくは、界面活性剤の濃度を変化させた
処理液を用いて耐候性鋼に安定錆を形成させた例であ
る。具体的な処理方法は、濃度の異なる処理液で処理す
るとともに加熱温度を1200℃とした以外は実施例1
と同様に処理する方法である。また、処理液の塗布方法
は、実施例1と同様にスプレー塗布で行われた。
【0108】実施例4では、界面活性剤の濃度が1wt
%、10wt%、50wt%、90wt%の処理液が用
いられた。なお、界面活性剤の濃度は、実施例1と同様
に、処理液全体を100としたときの、界面活性剤の総
重量の割合を示す。
【0109】なお、実施例4において、濃度が10%の
処理液で処理された試験片を試料14、濃度が50%の
処理液で処理された試験片を試料15、濃度が90%の
処理液で処理された試験片を試料16、1%の試料17
とした。
【0110】(評価)実施例4の処理が施された試験片
の評価として、耐食性を調べた。なお、耐食性の測定
は、3サイクルのCCT−C試験により行われた。CC
T−C試験の前後における各試料の表面写真を撮影し、
図11〜18に示した。ここで、図11は試料14の表
面を、図12はCCT−C試験が施された試料14の表
面を、図13は試料15の表面を、図14はCCT−C
試験が施された試料15の表面を、図15は試料16の
表面を、図16はCCT−C試験が施された試料16の
表面を、図17は試料17の表面を、図18はCCT−
C試験が施された試料17の表面を、写した写真であ
る。
【0111】図11〜18より、処理液中の界面活性剤
の濃度が高くなるほど、界面活性剤の効果が薄れること
がわかる。すなわち、安定錆が形成されず、赤さびが形
成されることがわかる。
【0112】また、界面活性剤の濃度が1%の試料17
は、十分な界面活性剤が供給されないため、安定錆が形
成されず、腐食が見られた。
【0113】実施例4より、処理液中の界面活性剤の濃
度を調節することで、安定錆を形成できることがわか
る。
【0114】
【発明の効果】本発明の耐候性鋼の安定錆の形成方法
は、表面に均質な酸化被膜が形成された耐候性鋼に処理
液を反応させることで安定錆を形成している。本発明の
耐候性鋼の安定錆の形成方法は、簡易な方法で安定錆を
形成することができる。さらに、処理液に中性の溶液を
用いることができるため、廃液の処理を容易に行うこと
ができる。
【0115】さらに、本発明の耐候性鋼の安定錆の形成
方法は、加熱条件および処理液との反応条件を調節する
ことで、焼き入れや焼き戻しの効果を耐候性鋼に付与で
きる。すなわち、安定錆が形成された耐候性鋼の強度を
向上させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3サイクルのCCT−C試験後の実施例1の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図2】 3サイクルのCCT−C試験後の比較例1の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図3】 3サイクルのCCT−C試験後の比較例2の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図4】 3サイクルのCCT−C試験後の比較例3の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図5】 3サイクルのCCT−C試験後の比較例4の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図6】 CCT−C試験前の比較例4の処理が施され
た試験片の表面写真である。
【図7】 7サイクルのCCT−C試験後の実施例2の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図8】 7サイクルのCCT−C試験後の比較例5の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図9】 7サイクルのCCT−C試験後の比較例6の
処理が施された試験片の表面写真である。
【図10】 7サイクルのCCT−C試験後の比較例7
の処理が施された試験片の表面写真である。
【図11】 CCT−C試験前の試料14の表面写真で
ある。
【図12】 3サイクルのCCT−C試験後の試料14
の表面写真である。
【図13】 CCT−C試験前の試料15の表面写真で
ある。
【図14】 3サイクルのCCT−C試験後の試料15
の表面写真である。
【図15】 CCT−C試験前の試料16の表面写真で
ある。
【図16】 3サイクルのCCT−C試験後の試料16
の表面写真である。
【図17】 CCT−C試験前の試料17の表面写真で
ある。
【図18】 3サイクルのCCT−C試験後の試料17
の表面写真である。
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月28日(2002.3.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 8/80 C23C 8/80 // C22C 38/00 301 C22C 38/00 301F (72)発明者 瀬口 剛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 森 元秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 森 和彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 丸山 憲一 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内 (72)発明者 小此木 真 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内 (72)発明者 紀平 寛 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 蟹澤 秀雄 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内 (72)発明者 岩間 直樹 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐候性鋼の表面に均質な酸化被膜を形成
    する酸化被膜形成工程と、 該酸化皮膜が形成された該耐候性鋼を界面活性剤を有す
    る中性の処理液と反応させて安定錆を形成する表面処理
    工程と、を有することを特徴とする耐候性鋼の安定錆の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化被膜形成工程は、 前記耐候性鋼の表面の酸化スケールを除去するスケール
    除去工程と、 酸化スケールが除去された該耐候性鋼を酸素を含む雰囲
    気中に保持して前記酸化被膜を形成する酸化工程と、を
    有する請求項1記載の耐候性鋼の安定錆の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記スケール除去工程は、前記耐候性鋼
    をオーステナイト化温度に加熱し、鍛造処理を施す工程
    である請求項2記載の耐候性鋼の安定錆の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記スケール除去工程は、還元性の雰囲
    気中に前記耐候性鋼を保持する工程である請求項2記載
    の耐候性鋼の安定錆の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化工程は、オーステナイト化温度
    に加熱された前記耐候性鋼を大気中で30〜120秒間
    保持する請求項2記載の耐候性鋼の安定錆の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記表面処理工程は、前記処理液中に酸
    化皮膜を有する前記耐候性鋼を浸漬する工程である請求
    項1記載の安定錆の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記表面処理工程は、酸化皮膜を有する
    前記耐候性鋼の表面に前記処理液を塗布する工程である
    請求項1記載の安定錆の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記表面処理工程が施された前記耐候性
    鋼を加熱する加熱工程を有する請求項6、7記載の耐候
    性鋼の安定錆の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱工程における加熱温度が、変態
    点(Ac1点)以下の温度である請求項8記載の耐候性
    鋼の安定錆の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記表面処理工程および前記加熱工程
    が繰り返して施される請求項8記載の安定錆の形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記酸化被膜が形成されかつオーステ
    ナイト化温度以上の温度に保持された前記耐候性鋼を、
    ただちに前記処理液中に浸漬して焼き入れを行う請求項
    1記載の耐候性鋼の安定錆の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記焼き入れが施された前記耐候性鋼
    は、100〜600℃に加熱する焼き戻し処理が施され
    る請求項11記載の耐候性鋼の安定錆の形成方法。
JP2002067365A 2002-03-12 2002-03-12 耐候性鋼の安定錆の形成方法 Withdrawn JP2003268528A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002067365A JP2003268528A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 耐候性鋼の安定錆の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002067365A JP2003268528A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 耐候性鋼の安定錆の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003268528A true JP2003268528A (ja) 2003-09-25

Family

ID=29198779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002067365A Withdrawn JP2003268528A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 耐候性鋼の安定錆の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003268528A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101235A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Denki Kogyo Co Ltd 熱処理方法
JP2008522041A (ja) * 2004-12-16 2008-06-26 ザ ジレット カンパニー 色のついたかみそりブレード
US8845831B2 (en) 2009-02-02 2014-09-30 Denki Kogyo Co., Ltd. Heat treatment method

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008522041A (ja) * 2004-12-16 2008-06-26 ザ ジレット カンパニー 色のついたかみそりブレード
JP4717891B2 (ja) * 2004-12-16 2011-07-06 ザ ジレット カンパニー 色のついたかみそりブレード
JP2008101235A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Denki Kogyo Co Ltd 熱処理方法
US8845831B2 (en) 2009-02-02 2014-09-30 Denki Kogyo Co., Ltd. Heat treatment method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101502213B1 (ko) 냉연 강판의 제조 방법, 냉연 강판 및 자동차 부재
JP6137089B2 (ja) 冷延鋼板の製造方法および冷延鋼板の製造設備
JP2996245B2 (ja) 酸化スケ―ル層付きマルテンサイト系ステンレス鋼材およびその製造方法
CN102959129A (zh) 冷轧钢板的制造方法、冷轧钢板和汽车构件
JP6041079B1 (ja) 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備
CN109594085A (zh) 一种热轧钢板除锈方法
JP2003268528A (ja) 耐候性鋼の安定錆の形成方法
WO2017007036A1 (ja) 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備
JP6414387B2 (ja) 自動車部材の製造方法
JPH09176736A (ja) ばね帯金クリップの製造法
JP3555892B2 (ja) オイルテンパー線の製造方法
JP3738660B2 (ja) マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP6699633B2 (ja) 塗装後耐食性と耐遅れ破壊特性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
CN104711510A (zh) 耐腐蚀、高强度的建筑用脚手架钢管的制造方法
JP4090051B2 (ja) Al−Zn合金めっき鋼帯の製造方法
JP6108028B2 (ja) 冷延鋼板の製造方法
CN113278908B (zh) 一种高强韧、耐蚀twip钢及其制备方法
JP7215408B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
Wang et al. Effect of Cr on Corrosion Performance of Steel Bar in Chloride Environment
JP3869265B2 (ja) ボルト用鋼
JP2007138212A (ja) 化成処理性に優れた冷延鋼板およびその製造方法
Pallisco et al. Selective Oxidation and Reactive Wetting of Medium-Manganese Third-Generation Advanced High Strength Steels
JP4835215B2 (ja) ステンレス鋼材の酸洗方法及び製造方法
JP2022548715A (ja) 拡管加工性が向上した低Crフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP4835214B2 (ja) ステンレス鋼材の酸洗方法及び製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607