JP2003268154A - エステル系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents
エステル系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フタル酸エステルの揮発性と耐油性を改良し
た塩素含有樹脂に対して相溶性のあるエステル系可塑
剤、及び該可塑剤を配合してなる樹脂組成物、該樹脂組
成物よりなる成形物を提供する。 【解決手段】 ノルボルネン骨格を有するジカルボン酸
とポリオキシアルキレン（アルキル）フェニルエーテル
より得られる下記構造式［１］で表されることを特徴と
するエステル系可塑剤である。 【化１】 （構造式［１］中、Ａは炭素数２〜３のアルキレン、ｎ
は１〜１０の整数、Ｒ1は水素又はメチル基、Ｒ２及び
Ｒ３は同一又は異なってもよいフェニル基又は炭素数１
〜２０のアルキルを有するアルキルフェニル基を表
す。）また、塩素含有樹脂に該エステル系可塑剤を配合
してなることを特徴とする樹脂組成物であり、該樹脂組
成物を用いてなる成形物である。
た塩素含有樹脂に対して相溶性のあるエステル系可塑
剤、及び該可塑剤を配合してなる樹脂組成物、該樹脂組
成物よりなる成形物を提供する。 【解決手段】 ノルボルネン骨格を有するジカルボン酸
とポリオキシアルキレン（アルキル）フェニルエーテル
より得られる下記構造式［１］で表されることを特徴と
するエステル系可塑剤である。 【化１】 （構造式［１］中、Ａは炭素数２〜３のアルキレン、ｎ
は１〜１０の整数、Ｒ1は水素又はメチル基、Ｒ２及び
Ｒ３は同一又は異なってもよいフェニル基又は炭素数１
〜２０のアルキルを有するアルキルフェニル基を表
す。）また、塩素含有樹脂に該エステル系可塑剤を配合
してなることを特徴とする樹脂組成物であり、該樹脂組
成物を用いてなる成形物である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有樹脂に対
して相溶性が良好で低揮発性であり耐油性に優れるエス
テル系可塑剤、及びそれを含有する樹脂組成物、それら
を用いてなる成形物に関する。
して相溶性が良好で低揮発性であり耐油性に優れるエス
テル系可塑剤、及びそれを含有する樹脂組成物、それら
を用いてなる成形物に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に塩素含有樹脂は、通常、そのまま
では硬く脆いものであるため、これに適当な可塑剤及び
その他添加剤を適量添加して柔軟な樹脂組成物として、
各種成形物用に使用されている。近年、この柔軟な樹脂
組成物は、例えば、合成皮革シート、食品包装フィル
ム、農業用フィルム、チューブ、電線被覆材料、建築資
材、パッキン、ビニルタイル等の多岐にわたる用途に使
用され、軟質化のために種々の可塑剤が配合されてい
る。
では硬く脆いものであるため、これに適当な可塑剤及び
その他添加剤を適量添加して柔軟な樹脂組成物として、
各種成形物用に使用されている。近年、この柔軟な樹脂
組成物は、例えば、合成皮革シート、食品包装フィル
ム、農業用フィルム、チューブ、電線被覆材料、建築資
材、パッキン、ビニルタイル等の多岐にわたる用途に使
用され、軟質化のために種々の可塑剤が配合されてい
る。
【０００３】軟質化の目的で配合されている可塑剤とし
て、フタル酸エステル系可塑剤（例えば、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル等）
が一般に使用されているが、これら可塑剤は揮発性、抽
出性、移行性等の問題を有している。また、これらのフ
タル酸エステルの中には、内分泌作用を攪乱する物質
（所謂、環境ホルモン）であることが疑われているもの
もあり、これらフタル酸エステル系可塑剤に代わる優れ
た性能の可塑剤の開発が望まれていた。
て、フタル酸エステル系可塑剤（例えば、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル等）
が一般に使用されているが、これら可塑剤は揮発性、抽
出性、移行性等の問題を有している。また、これらのフ
タル酸エステルの中には、内分泌作用を攪乱する物質
（所謂、環境ホルモン）であることが疑われているもの
もあり、これらフタル酸エステル系可塑剤に代わる優れ
た性能の可塑剤の開発が望まれていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、フタル酸エステルの揮発性と耐油性を改良した塩素
含有樹脂に対して相溶性のあるエステル系可塑剤、及び
該可塑剤を配合してなる樹脂組成物、該樹脂組成物より
なる成形物を提供することにある。
は、フタル酸エステルの揮発性と耐油性を改良した塩素
含有樹脂に対して相溶性のあるエステル系可塑剤、及び
該可塑剤を配合してなる樹脂組成物、該樹脂組成物より
なる成形物を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ノルボルネン骨格
の構造を有するジカルボン酸とポリオキシアルキレン
（アルキル）フェニルエーテルとの反応により得られる
エステル系可塑剤を用いることで塩素含有樹脂との相溶
性が良好で、且つ揮発性と耐油性を改良できることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ノルボルネン骨格
の構造を有するジカルボン酸とポリオキシアルキレン
（アルキル）フェニルエーテルとの反応により得られる
エステル系可塑剤を用いることで塩素含有樹脂との相溶
性が良好で、且つ揮発性と耐油性を改良できることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【０００６】即ち、本発明は、ノルボルネン骨格を有す
るジカルボン酸とポリオキシアルキレン（アルキル）フ
ェニルエーテルより得られる下記構造式［１］で表され
ることを特徴とするエステル系可塑剤に関する。
るジカルボン酸とポリオキシアルキレン（アルキル）フ
ェニルエーテルより得られる下記構造式［１］で表され
ることを特徴とするエステル系可塑剤に関する。
【０００７】
【化２】
【０００８】（上記構造式［１］中、Ａは炭素数２〜３
のアルキレン、ｎは１〜１０の整数、Ｒ1は水素又はメ
チル基、Ｒ２及びＲ３は同一又は異なってもよいフェニ
ル基又は炭素数１〜２０のアルキルを有するアルキルフ
ェニル基を表す。）
のアルキレン、ｎは１〜１０の整数、Ｒ1は水素又はメ
チル基、Ｒ２及びＲ３は同一又は異なってもよいフェニ
ル基又は炭素数１〜２０のアルキルを有するアルキルフ
ェニル基を表す。）
【０００９】また、本発明は、塩素含有樹脂に前記構造
式［１］で表されるエステル系可塑剤を配合してなるこ
とを特徴とする樹脂組成物に関する。
式［１］で表されるエステル系可塑剤を配合してなるこ
とを特徴とする樹脂組成物に関する。
【００１０】また、本発明は、前記樹脂組成物を用いて
なることを特徴とする成形物に関する。
なることを特徴とする成形物に関する。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明を実施するにあたり、必要
な事項を具体的に以下に述べる。
な事項を具体的に以下に述べる。
【００１２】本発明のエステル系可塑剤とは、ノルボル
ネン骨格を有するジカルボン酸とポリオキシアルキレン
（アルキル）フェニルエーテルより得られる下記構造式
［１］で表されることを特徴とする。
ネン骨格を有するジカルボン酸とポリオキシアルキレン
（アルキル）フェニルエーテルより得られる下記構造式
［１］で表されることを特徴とする。
【００１３】
【化３】
【００１４】尚、上記構造式［１］中、Ａは炭素数２〜
３のアルキレン、ｎは１〜１０の整数、Ｒ1は水素又は
メチル基、Ｒ２及びＲ３は同一又は異なってもよいフェ
ニル基又は炭素数１〜２０のアルキルを有するアルキル
フェニル基を表す。
３のアルキレン、ｎは１〜１０の整数、Ｒ1は水素又は
メチル基、Ｒ２及びＲ３は同一又は異なってもよいフェ
ニル基又は炭素数１〜２０のアルキルを有するアルキル
フェニル基を表す。
【００１５】本発明で使用するポリオキシアルキレン
（アルキル）フェニルエーテルとしては、下記一般式
［２］で表される。 Ｒ−Ｐ−Ｏ−(Ａ−Ｏ−)nＨ 一般式［２］ （式中、Ｐはフェニル基、Ｒは水素又は炭素数１〜２０
のアルキル基、Ａは炭素数２〜３のアルキレン基、ｎは
１〜１０の整数を表す。）
（アルキル）フェニルエーテルとしては、下記一般式
［２］で表される。 Ｒ−Ｐ−Ｏ−(Ａ−Ｏ−)nＨ 一般式［２］ （式中、Ｐはフェニル基、Ｒは水素又は炭素数１〜２０
のアルキル基、Ａは炭素数２〜３のアルキレン基、ｎは
１〜１０の整数を表す。）
【００１６】本発明で使用する上記ポリオキシアルキレ
ン（アルキル）フェニルエーテルとしては、例えば、ポ
リオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェ
ニルエーテル、ポリオキシプロピレンフェニルエーテ
ル、ポリオキシプロピレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオ
キシプロピレンドデシルフェニルエーテル等が挙げら
れ、これらは単独使用でも二種以上を混合して使用して
もよい。
ン（アルキル）フェニルエーテルとしては、例えば、ポ
リオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェ
ニルエーテル、ポリオキシプロピレンフェニルエーテ
ル、ポリオキシプロピレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオ
キシプロピレンドデシルフェニルエーテル等が挙げら
れ、これらは単独使用でも二種以上を混合して使用して
もよい。
【００１７】本発明のエステル系可塑剤は、例えば、ハ
イミック酸又は無水ハイミック酸とポリオキシアルキレ
ン（アルキル）フェニルエーテルを用いて、従来公知の
エステル化反応により得ることもでき、また、マレイン
酸とポリオキシアルキレン（アルキル）フェニルエーテ
ルのエステル化反応で生成するジエステルとシクロペン
タジエンとをディールズアルダー反応させ合成すること
もでき、特に合成方法を限定するものではない。
イミック酸又は無水ハイミック酸とポリオキシアルキレ
ン（アルキル）フェニルエーテルを用いて、従来公知の
エステル化反応により得ることもでき、また、マレイン
酸とポリオキシアルキレン（アルキル）フェニルエーテ
ルのエステル化反応で生成するジエステルとシクロペン
タジエンとをディールズアルダー反応させ合成すること
もでき、特に合成方法を限定するものではない。
【００１８】次に、本発明の樹脂組成物とは、塩素含有
樹脂に本発明のエステル系可塑剤を配合してなることを
特徴とする。
樹脂に本発明のエステル系可塑剤を配合してなることを
特徴とする。
【００１９】本発明で使用する塩素含有樹脂とは、塩化
ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルを主成分とする他
の共重合可能なコモノマーとの共重合体等、塩化ビニル
を主な構成単位とする樹脂をいう。共重合可能なコモノ
マーとしては、特に限定されることはなく、例えば、エ
チレン、プロピレン、酢酸ビニル、マレイン酸又はその
エステル、アクリル酸又はそのエステル、メタクリル酸
又はそのエステル等が挙げられる。
ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルを主成分とする他
の共重合可能なコモノマーとの共重合体等、塩化ビニル
を主な構成単位とする樹脂をいう。共重合可能なコモノ
マーとしては、特に限定されることはなく、例えば、エ
チレン、プロピレン、酢酸ビニル、マレイン酸又はその
エステル、アクリル酸又はそのエステル、メタクリル酸
又はそのエステル等が挙げられる。
【００２０】本発明の樹脂組成物における本発明のエス
テル系可塑剤の含有量は、塩素含有樹脂１００重量部に
対して、好ましくは１０〜２００重量部であり、より好
ましくは１５〜１５０重量部である。本発明のエステル
系可塑剤の含有量がかかる範囲であれば、可塑剤のブリ
ード現象もなく、適度な柔軟性が得られる。
テル系可塑剤の含有量は、塩素含有樹脂１００重量部に
対して、好ましくは１０〜２００重量部であり、より好
ましくは１５〜１５０重量部である。本発明のエステル
系可塑剤の含有量がかかる範囲であれば、可塑剤のブリ
ード現象もなく、適度な柔軟性が得られる。
【００２１】本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を
損なわない範囲で本発明以外の可塑剤を併用してもよ
い。
損なわない範囲で本発明以外の可塑剤を併用してもよ
い。
【００２２】また、本発明の樹脂組成物には、公知の添
加剤、例えば、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、充
填剤、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、帯電防止剤
等の副原料を目的品質に合致するように、必要に応じて
添加しても構わない。
加剤、例えば、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、充
填剤、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、帯電防止剤
等の副原料を目的品質に合致するように、必要に応じて
添加しても構わない。
【００２３】本発明の樹脂組成物に使用できる安定剤と
しては、例えば、錫系、バリウム／亜鉛系、カルシウム
／亜鉛系、有機亜燐酸エステル系、エポキシ化合物系な
どが挙げられる。
しては、例えば、錫系、バリウム／亜鉛系、カルシウム
／亜鉛系、有機亜燐酸エステル系、エポキシ化合物系な
どが挙げられる。
【００２４】また、本発明の樹脂組成物に使用できる酸
化防止剤としては、例えば、フェノール系、燐酸系など
が挙げられる。
化防止剤としては、例えば、フェノール系、燐酸系など
が挙げられる。
【００２５】また、本発明の樹脂組成物に使用できる難
燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、酸化アンチモンなどが挙げられる。
燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、酸化アンチモンなどが挙げられる。
【００２６】また、本発明の樹脂組成物に使用できる滑
剤としては、例えば、金属石鹸、エステル系ワックス、
ポリエチレン系ワックスなどが挙げられる。
剤としては、例えば、金属石鹸、エステル系ワックス、
ポリエチレン系ワックスなどが挙げられる。
【００２７】更に、本発明の樹脂組成物に使用できる充
填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカゲル、
クレーなどが挙げられる。
填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカゲル、
クレーなどが挙げられる。
【００２８】本発明のエステル系可塑剤と塩素含有樹脂
と必要に応じて各種添加剤の混合には、通常、撹拌機と
して、例えば、リボンブレンダー、スーパーミキサーな
どを使用し、特に限定はしない。
と必要に応じて各種添加剤の混合には、通常、撹拌機と
して、例えば、リボンブレンダー、スーパーミキサーな
どを使用し、特に限定はしない。
【００２９】次いで、混練には、通常、バンバリーミキ
サー（インテンシブミキサー）、ミキシングロール、ヘ
ンシェルミキサー、コニーダーなどを組み合わせて使用
し、特に限定はない。
サー（インテンシブミキサー）、ミキシングロール、ヘ
ンシェルミキサー、コニーダーなどを組み合わせて使用
し、特に限定はない。
【００３０】更に、混練造粒には、通常、押出機、コニ
ーダー、ペレタイザーなどを使用し、特に限定はない。
ーダー、ペレタイザーなどを使用し、特に限定はない。
【００３１】また、押出機は、一軸押出機、二軸同方向
押出機、異方向押出機など、何れか適当な押出機を選択
可能であり、特に限定はしない。
押出機、異方向押出機など、何れか適当な押出機を選択
可能であり、特に限定はしない。
【００３２】本発明の成形物とは、前記の本発明のエス
テル系可塑剤を含有してなる。
テル系可塑剤を含有してなる。
【００３３】また、本発明の成形物とは、前記の本発明
の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
【００３４】本発明の成形物とは、例えば、自動車部品
（ホース、チューブ等）、包装用フィルム、食品用ホー
ス、耐油ホース、耐熱電線、耐油電線、耐油ブーツ、耐
油手袋、フレコン、パイプ、靴底、発泡レザー、ガスケ
ット、パッキングなど多岐にわたり、本発明のエステル
系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物の利用価値は極
めて高い。
（ホース、チューブ等）、包装用フィルム、食品用ホー
ス、耐油ホース、耐熱電線、耐油電線、耐油ブーツ、耐
油手袋、フレコン、パイプ、靴底、発泡レザー、ガスケ
ット、パッキングなど多岐にわたり、本発明のエステル
系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物の利用価値は極
めて高い。
【００３５】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、一層、具体
的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限
定されるものではない。尚、本発明で行った合成方法、
及び、評価方法は以下の通りである。
的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限
定されるものではない。尚、本発明で行った合成方法、
及び、評価方法は以下の通りである。
【００３６】《実施例１》無水ハイミック酸１３１．２
ｇ、ポリオキシエチレンフェニルエーテル（ＢＬＡＵＮ
ＯＮ ＰＨ−４：青木油脂工業(株)製）４５１．４ｇ、
キシレン２００ｇ及びエステル化触媒としてテトライソ
プロピルチタネート０．１４ｇを、温度計、撹拌機、還
流冷却器及びデカンターを装着した１リットルの四つ口
フラスコに仕込み、窒素気流下で撹拌しながら加熱し、
反応液温度を１６０℃まで昇温し６時間反応後、キシレ
ンを減圧留去して、酸価０．１２ｍｇＫＯＨ／ｇ（以下
単位略）、粘度５３８ｍＰａ・ｓの本発明のエステル系
可塑剤であるハイミック酸ジエステル１を得た。
ｇ、ポリオキシエチレンフェニルエーテル（ＢＬＡＵＮ
ＯＮ ＰＨ−４：青木油脂工業(株)製）４５１．４ｇ、
キシレン２００ｇ及びエステル化触媒としてテトライソ
プロピルチタネート０．１４ｇを、温度計、撹拌機、還
流冷却器及びデカンターを装着した１リットルの四つ口
フラスコに仕込み、窒素気流下で撹拌しながら加熱し、
反応液温度を１６０℃まで昇温し６時間反応後、キシレ
ンを減圧留去して、酸価０．１２ｍｇＫＯＨ／ｇ（以下
単位略）、粘度５３８ｍＰａ・ｓの本発明のエステル系
可塑剤であるハイミック酸ジエステル１を得た。
【００３７】得られた可塑剤であるハイミック酸ジエス
テル１について、性能評価を行うために以下の配合組成
で塩化ビニル樹脂とロール混練し混合し、１７０℃で１
ｍｍ厚プレスシートを作成し物性評価を行い、その結果
を表１に示した。 塩化ビニル樹脂(重合度１０５０) ；１００部 可塑剤 ； ５０部 バリウム／亜鉛系粉末複合安定剤１）； ２部 注1)大日本インキ化学工業(株)製、商品名:グレックＭ
Ｐ−５６８Ｃ
テル１について、性能評価を行うために以下の配合組成
で塩化ビニル樹脂とロール混練し混合し、１７０℃で１
ｍｍ厚プレスシートを作成し物性評価を行い、その結果
を表１に示した。 塩化ビニル樹脂(重合度１０５０) ；１００部 可塑剤 ； ５０部 バリウム／亜鉛系粉末複合安定剤１）； ２部 注1)大日本インキ化学工業(株)製、商品名:グレックＭ
Ｐ−５６８Ｃ
【００３８】《実施例２》実施例１において、ポリオキ
シエチレンフェニルエーテルに代えて、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル（ＢＬＡＵＮＯＮ ＮＫ
−８０５５：青木油脂工業(株)製）を用いたこと以外
は、実施例１と同様にして反応を行い、酸価０．０５、
粘度２３６０ｍＰａ・ｓの本発明のエステル系可塑剤で
あるハイミック酸ジエステル２を得た。その評価結果を
表１に示した。
シエチレンフェニルエーテルに代えて、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル（ＢＬＡＵＮＯＮ ＮＫ
−８０５５：青木油脂工業(株)製）を用いたこと以外
は、実施例１と同様にして反応を行い、酸価０．０５、
粘度２３６０ｍＰａ・ｓの本発明のエステル系可塑剤で
あるハイミック酸ジエステル２を得た。その評価結果を
表１に示した。
【００３９】《実施例３》実施例１において、無水ハイ
ミック酸に代えて、無水メチルハイミック酸を用いたこ
と以外は、実施例１と同様にして反応を行い、酸価０．
１８、粘度７３０ｍＰａ・ｓの本発明のエステル系可塑
剤であるメチルハイミック酸ジエステル３を得た。その
評価結果を表１に示した。
ミック酸に代えて、無水メチルハイミック酸を用いたこ
と以外は、実施例１と同様にして反応を行い、酸価０．
１８、粘度７３０ｍＰａ・ｓの本発明のエステル系可塑
剤であるメチルハイミック酸ジエステル３を得た。その
評価結果を表１に示した。
【００４０】《比較例１》及び《比較例２》
比較例１として市販のフタル酸ジ−２−エチルヘキシル
（ＤＯＰと略す：大日本インキ化学工業(株)製）を可塑
剤として使用し、また、比較例２として市販のフタル酸
ジイソノニル（ＤＩＮＰと略す：大日本インキ化学工業
(株)製）を可塑剤として使用して、評価を行い、その結
果を表１に示した。
（ＤＯＰと略す：大日本インキ化学工業(株)製）を可塑
剤として使用し、また、比較例２として市販のフタル酸
ジイソノニル（ＤＩＮＰと略す：大日本インキ化学工業
(株)製）を可塑剤として使用して、評価を行い、その結
果を表１に示した。
【００４１】実施例、比較例の試験方法は、以下の通り
である。 〔硬度（ＪＩＳスプリングＡスケ−ル）の試験方法〕Ｊ
ＩＳＫ−６３０１に準じて測定した。 〔引張強度の試験方法〕ＪＩＳＫ−６７２３に準じて測
定した。 〔熱老化性の試験方法〕ＪＩＳＫ−６７２３に準じて測
定した。但し、試験条件は１００℃×１２０時間で行
い、結果は試験後の常態に対する残率（％）、即ち、重
量減少率（％）で示した。 〔耐油性の試験方法〕ＪＩＳＫ−６７２３に準じて測定
した。但し、試験条件は７０℃×４８時間で行い、結果
は試験後の常態に対する残率（％）、即ち、重量減少率
（％）で示した。 〔高湿度ブリード性の試験方法〕０．３ｍｍ厚のロール
シートで４０ｍｍ×１００ｍｍの試験片として７０℃、
相対湿度９８％で２０日後における試験片のブリード状
態を目視により観察評価し、下記の記号で評価結果を記
載した。 ○：ブリードなし ×：ブリードあり 〔酸価の測定方法〕ＪＩＳＫ−６７５１−２に準じて測
定した。 〔粘度の測定方法〕ＪＩＳＫ−６９０１に準じて測定し
た。
である。 〔硬度（ＪＩＳスプリングＡスケ−ル）の試験方法〕Ｊ
ＩＳＫ−６３０１に準じて測定した。 〔引張強度の試験方法〕ＪＩＳＫ−６７２３に準じて測
定した。 〔熱老化性の試験方法〕ＪＩＳＫ−６７２３に準じて測
定した。但し、試験条件は１００℃×１２０時間で行
い、結果は試験後の常態に対する残率（％）、即ち、重
量減少率（％）で示した。 〔耐油性の試験方法〕ＪＩＳＫ−６７２３に準じて測定
した。但し、試験条件は７０℃×４８時間で行い、結果
は試験後の常態に対する残率（％）、即ち、重量減少率
（％）で示した。 〔高湿度ブリード性の試験方法〕０．３ｍｍ厚のロール
シートで４０ｍｍ×１００ｍｍの試験片として７０℃、
相対湿度９８％で２０日後における試験片のブリード状
態を目視により観察評価し、下記の記号で評価結果を記
載した。 ○：ブリードなし ×：ブリードあり 〔酸価の測定方法〕ＪＩＳＫ−６７５１−２に準じて測
定した。 〔粘度の測定方法〕ＪＩＳＫ−６９０１に準じて測定し
た。
【００４２】
【表１】
【００４３】注２）ポリオキシエチレンフェニルエーテ
ル 注３）ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
ル 注３）ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
【００４４】
【発明の効果】本発明は、塩素含有樹脂に対して相溶性
が良好で低揮発性であり耐油性に優れるエステル系可塑
剤、及びそれを含有する樹脂組成物、それらを用いてな
る成形物を提供できる。また、本発明の成形物は、例え
ば、自動車部品（ホース、チューブ等）、包装用フィル
ム、食品用ホース、耐油ホース、耐熱電線、耐油電線、
耐油ブーツ、耐油手袋、フレコン、パイプ、靴底、発泡
レザー、ガスケット、パッキングなど多岐にわたり、適
用可能である。
が良好で低揮発性であり耐油性に優れるエステル系可塑
剤、及びそれを含有する樹脂組成物、それらを用いてな
る成形物を提供できる。また、本発明の成形物は、例え
ば、自動車部品（ホース、チューブ等）、包装用フィル
ム、食品用ホース、耐油ホース、耐熱電線、耐油電線、
耐油ブーツ、耐油手袋、フレコン、パイプ、靴底、発泡
レザー、ガスケット、パッキングなど多岐にわたり、適
用可能である。
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Ｆターム(参考） 4F071 AA24 AC10 AE04 AF02 AF53
BA01 BB06 BC01 BC04 BC05
BC07
4J002 BD041 BD051 BD061 BD071
BD081 BD091 EH136 FD026
FD067 FD078 FD139 FD177
GG02 GJ02 GT00
Claims (3)
- 【請求項１】 ノルボルネン骨格を有するジカルボン酸
とポリオキシアルキレン（アルキル）フェニルエーテル
より得られる下記構造式［１］で表されることを特徴と
するエステル系可塑剤。 【化１】 （上記構造式［１］中、Ａは炭素数２〜３のアルキレ
ン、ｎは１〜１０の整数、Ｒ1は水素又はメチル基、Ｒ
２及びＲ３は同一又は異なってもよいフェニル基又は炭
素数１〜２０のアルキルを有するアルキルフェニル基を
表す。） - 【請求項２】 塩素含有樹脂に請求項１記載のエステル
系可塑剤を配合してなることを特徴とする樹脂組成物。 - 【請求項３】 請求項２記載の樹脂組成物を用いてなる
ことを特徴とする成形物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002070087A JP2003268154A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | エステル系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002070087A JP2003268154A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | エステル系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003268154A true JP2003268154A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29200754
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002070087A Pending JP2003268154A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | エステル系可塑剤及びそれを含有する樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003268154A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008540784A (ja) * | 2005-05-18 | 2008-11-20 | チバ ホールディング インコーポレーテッド | ディールス−アルダー保湿剤を含む顔料着色濃厚物 |
| US9228147B2 (en) | 2010-12-14 | 2016-01-05 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Glycol ether-based cyclohexanoate esters, their synthesis and methods of use |
| US9771466B2 (en) | 2010-12-14 | 2017-09-26 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Glycol ether-based cyclohexanoate ester plasticizers and blends therefrom |
-
2002
- 2002-03-14 JP JP2002070087A patent/JP2003268154A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008540784A (ja) * | 2005-05-18 | 2008-11-20 | チバ ホールディング インコーポレーテッド | ディールス−アルダー保湿剤を含む顔料着色濃厚物 |
| KR101323120B1 (ko) * | 2005-05-18 | 2013-10-30 | 시바 홀딩 인크 | 신규한 습윤제 |
| US9228147B2 (en) | 2010-12-14 | 2016-01-05 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Glycol ether-based cyclohexanoate esters, their synthesis and methods of use |
| US9771466B2 (en) | 2010-12-14 | 2017-09-26 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Glycol ether-based cyclohexanoate ester plasticizers and blends therefrom |
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