JP2003268110A - 染色された成型体および光学物品 - Google Patents

染色された成型体および光学物品

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JP2003268110A
JP2003268110A JP2002078584A JP2002078584A JP2003268110A JP 2003268110 A JP2003268110 A JP 2003268110A JP 2002078584 A JP2002078584 A JP 2002078584A JP 2002078584 A JP2002078584 A JP 2002078584A JP 2003268110 A JP2003268110 A JP 2003268110A
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Naoki Shimoyama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】染色性に優れ、透明性・高屈折率等の光学特
性、機械特性が改良された染色された成形体の提供。 【解決手段】カーボネート残基、ホスホン酸残基および
2価フェノール残基より構成され、ホスホン酸残基のモ
ル数をa、カーボネート残基のモル数をbとしたときの
モル分率が下記式 1≧a/{a+b}≧0.05 を満足する樹脂で、その数平均分子量が10000〜3
00000の範囲である特定のポリホスフォネートカー
ボネート共重合体を用いることにより、光学的および機
械特性に優れた染色された成形体を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、特定の繰り返し
構造単位を含有してなるポリホスホネート−カーボネー
ト共重合体からなる染色された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】 透明性樹脂は、無機ガラスに比べて軽
量で割れ難く、加工性に優れる等の諸特性を有すること
から、無機ガラスの代替として各種レンズ(例えば、眼
鏡レンズなど)等の光学用途に使用されている。
【0003】現在までに、該光学用途に用いられる樹脂
としては多くのものが知られている。例えば、ジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネートをモノマーとする
熱硬化性樹脂(DAC樹脂)は、透明性、耐熱性に優
れ、色収差が小さく、また染色が容易であるという利点
などから、汎用眼鏡レンズ用途に多く用いられている。
しかしながら、このDAC樹脂は低屈折率(nd =1.
50)であり、耐衝撃性に劣るという欠点を有してい
た。
【0004】熱可塑性樹脂である2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノール
A)のポリカーボネート(以下、BPA−PCと表す)
は、透明性、耐衝撃性、耐熱性に優れ、比較的高い屈折
率を有していることから、射出成形眼鏡レンズ用樹脂と
して広く用いられている。しかしながら、BPA−PC
を代表とするポリカーボネート類は、一般的な染色方法
(例えば、分散染料による染色など)では、染色性が極
めて乏しいという問題点を有しており、染色を行うため
には、染色可能なハードコート材により、レンズ上にコ
ート層を設け、該コート層を染色する等の煩雑な工程を
経る必要があった。
【0005】ポリカーボネートを比較的簡便に染色する
方法として、溶剤配合物中の染料に成形体を含浸させる
ことにより、ポリカーボネートの成形体を直接染色する
方法(例えば、特開平8−104759号公報など)が
提案されている。しかしながら該方法は、言わば、有機
溶剤を用いてレンズなどの成形体の表面を浸食しつつ、
染料または顔料で染色する方法であって、有機溶剤を使
用するという点で環境上問題があると言われていた。加
えて、該方法によって得られる染色されたレンズは、染
色条件によっては、レンズ表面が溶剤配合物によって過
度に浸食されてしまい、染色はなされるものの透明性が
失われる等、実用上、問題もあった。
【0006】また、一般的ポリカーボネートにおけるビ
スフェノールA成分の一部またはすべてをα、α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピ
ルベンゼン(略称ビスフェノールM)に置き換えること
によって、染色可能な成形体を得ることが(特開平12
−219755号公報)提案され、とくにレンズ用途に
好適に使用しうることが示されている。しかしながら、
該ポリカーボネートは耐熱性の低下および、光学特性で
ある光分散特性(アッベ数)の低下をもたらすため、レ
ンズをはじめとする光学物品に用いるには不十分といわ
ざるを得ない。
【0007】ファッション性が要求される眼鏡レンズ用
途などに代表される透明性樹脂の成形体の用途において
は、光学特性(例えば、透明性、高屈折率等)、耐衝撃
性、耐熱性などの特性を有することは勿論のこと、その
上に、簡便な染色方法により容易に染色可能であること
も強く求められていた。
【0008】すなわち、軽量化のためには高屈折率化を
はかる必要があり、光学的な実用性として低分散、高透
明をはかる必要があり、同時に機械的特性も高水準であ
ることが要求される。前記BPA−PCやBPM−PC
は一応の特性は有しているもののより高度の改良が望ま
れていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の課題は、従
来ポリカーボネートが有していた上記の問題点を克服
し、染色性に優れ、光学的特性、機械的特性がよりいっ
そう改良された染色された成型体を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記問
題点を解決するため、鋭意検討した結果、容易に染色で
きる芳香族ポリホスホネート−カーボネート共重合体を
見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、カー
ボネート残基、下記一般式(1)で示されるホスホン酸
残基、および下記一般式(2)で示される2価フェノー
ル残基より構成されており、ホスホン酸残基とカーボネ
ート残基のモル分率が式(3)を満足することを特徴と
するポリホスホネート−カーボネート共重合体を含有し
てなる成形体を染色して得られる染色された成形体。 一般式(1)
【0011】
【化3】
【0012】一般式(2)
【0013】
【化4】
【0014】[一般式(1)中、Rは有機基、Xは酸
素、硫黄あるいはセレンを表し、樹脂組成物中にR1あ
るいはXの異なるホスホン酸残基を2種以上含んでもよ
い。一般式(2)中、R’は各々独立に水素原子、炭素
数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香
族炭化水素基、ハロゲン原子、ニトロ基からなる群から
選ばれ、p、qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、
酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、
シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換
アルキレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアル
キリデン基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフ
ィンオキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキ
ルシラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からな
る群から選ばれる。樹脂組成物中にR2あるいはYの異
なる2価フェノール残基を2種以上含んでもよい。] 1≧(a)/{(a)+(b)}≧0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカー
ボネート残基のモル数を示す。]に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下、本発明に関して詳細に説
明する。本発明は、ポリホスホネート−カーボネート共
重合体からなる成形体を染色して得られる染色された成
形体に関するものである。
【0016】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体は、それ自体は、例えば、米国特許337
8523号公報、特開昭61−238826号公報等に
記載されている公知のポリマーである。
【0017】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体が優れた染色性を有し、特に光学物品とし
て好適な成型品として有用に用いうることについては、
前記の公報を始め、公知の特許、文献等には教示されて
いるものではなく、全く知られていなかった。ポリホス
ホネート−カーボネート共重合体を用いることにより、
光学的および力学的特性に優れた染色された成形体が得
られるということについては、本発明者らが種々検討の
結果、初めて見出したものであり、また、光学物品用途
に極めて高い適合性を持っていることを知得したもので
ある。ポリカーボネートの染色性が極めて乏しいという
従来の常識を鑑みると、全く驚くべきことであった。
【0018】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体において式(3)で示されるホスホン酸残
基の割合(a)/{(a)+(b)}の値は、通常、
0.05以上であり、好ましくは、0.25であり、よ
り好ましくは、0.50以上であり、さらに好ましく
は、0.75以上である。また、成型体の持つ強靱性や
溶剤への溶解性などの観点から、0.99以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.95以下である。
【0019】一方、光学物質の光の分散の度合いを表す
指標としては一般にアッベ数が用いられ、次式(4)に
よって算出される。
【0020】 アッベ数(νd)=(nd−1)/(nf−nc) (4) (ここで、nd:d線屈折率(波長587.6nm)、
nf:f線屈折率(波長656.3nm)、nc:c線
屈折率(波長486.1nm))すなわちその数値が大
きいほど低分散であることを示している。
【0021】かかるポリホスホネート−カーボネート共
重合体の製造方法としては、該米国特許3378523
号公報、特開昭61−238826号公報等に記載の方
法、あるいは、公知の各種重合方法〔例えば、高分子合
成 丸善出版(1988年)に記載の溶液重合法、エス
テル交換法または界面重合法等〕等が挙げられる。
【0022】さらに、本発明に係るポリホスホネート−
カーボネート共重合体は、所望の効果を損なわない範囲
で、他のポリマー、例えば2,2−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカー
ボネートと配合することにより成形材料として使用する
ことも可能である。その際、ポリホスホネート−カーボ
ネート共重合体において式(3)で示されるホスホン酸
残基の割合(a)/{(a)+(b)}の値は、通常、
0.25以上であり、好ましくは、0.50以上であ
り、より好ましくは、0.75以上である。
【0023】他のポリマーとしては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタク
リル酸メチル、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリアセタール、ポリフェニレンオ
キシド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、パラオキシベンゾイル系ポリエステル、ポ
リアリーレート、ポリスルフィド等が挙げられる。
【0024】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体の分子量としては、通常、GPC(ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定する標
準ポリスチレン換算の分子量として数平均分子量が、1
0000〜300000であることが好ましく、より好
ましくは、20000〜250000であり、更に好ま
しくは、30000〜200000である。
【0025】また、重量平均分子量と数平均分子量の比
として表される多分散性インデックスとしては、特に限
定されるものではないが、好ましくは、1.5〜20.
0であり、より好ましくは、2.0〜15.0である。
【0026】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体において、末端基は、ヒドロキシ基、ハロ
ホーメート基、炭酸エステル基等の反応性の末端基であ
ってもよく、また、後述するような分子量調節剤で封止
された不活性な末端基であってもよい。好ましくは、分
子量調節剤で封止された不活性な末端基である。本発明
に係るポリホスホネート−カーボネート共重合体中の末
端基の量は特に制限はないが、通常、構造単位の総モル
数に対して、0.001〜5モル%であり、好ましく
は、0.01〜5モル%であり、より好ましくは、0.
1〜3モル%である。前記の方法に従い、本発明に係る
ポリホスホネート−カーボネート共重合体を製造する際
に、分子量を調節する目的で、分子量調節剤の存在下に
重合を行うことは好ましいことである。分子量調節剤と
しては特に限定されるものではなく、ポリカーボネート
重合の際に使用される公知の分子量調節剤が用いられ
る。例えば、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒド
ロキシ芳香族化合物、もしくはそれらの誘導体(例え
ば、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳
香族化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、
1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族
化合物のハロホーメート化合物、1価のヒドロキシ脂肪
族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物の炭酸エステル
など)、1価のカルボン酸もしくはその誘導体(例え
ば、1価のカルボン酸のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属塩、1価のカルボン酸の酸ハライド、1価のカル
ボン酸のエステルなど)等が挙げられる。
【0027】分子量調節剤の使用量は特に制限するもの
でなく、目的の分子量に調節するために、所望に応じて
用いればよい。通常、重合するジヒドロキシ化合物の総
モル数に対して、0.001〜5モル%であり、好まし
くは0.01〜5モル%である。
【0028】一般式(1)で表される化合物のリン原子
上の置換基R1の具体例としては、フェニル、ハロ置換
フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、エチ
ル、イソプロピル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、
ベンジル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ
置換アルキル、アルキルサルファイド基等が挙げられ
る。このようなホスホン酸残基を構成するホスホン酸を
具体的に例示すると、メチルホスホン酸、エチルホスホ
ン酸、n−プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン
酸、n−ブチルホスホン酸、イソブチルホスホン酸、t
−ブチルホスホン酸、n−ペンチルホスホン酸、ネオペ
ンチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸、ベンジ
ルホスホン酸、クロロメチルホスホン酸、ジクロロメチ
ルホスホン酸、ブロモメチルホスホン酸、ジブロモメチ
ルホスホン酸、2−クロロエチルホスホン酸、1,2−
ジクロロエチルホスホン酸、2−ブロモエチルホスホン
酸、1,2−ジブロモエチルホスホン酸、3−クロロプ
ロピルホスホン酸、2,3−ジクロロプロピルホスホン
酸3−ブロモプロピルホスホン酸、2,3−ジブロモプ
ロピルホスホン酸、2−クロロ−1−メチルエチルホス
ホン酸、1,2−ジクロロ−1−メチルエチルホスホン
酸、2−ブロモ−1−メチルエチルホスホン酸、1,2
−ジブロモ−1−メチルエチルホスホン酸、4−クロロ
ブチルホスホン酸、3,4−ジクロロブチルホスホン
酸、4−ブロモブチルホスホン酸、3,4−ジブロモブ
チルホスホン酸、3−クロロ−1−メチルプロピルホス
ホン酸、2,3−ジクロロ−1−メチルプロピルホスホ
ン酸、3−ブロモ−1メチルプロピルホスホン酸、2,
3−ジブロモ−1−メチルホスホン酸、1−クロロメチ
ルプロピルホスホン酸、1−クロロ−1−クロロメチル
プロピルホスホン酸、1−ブロモメチルプロピルホスホ
ン酸、1−ブロモ−1−ブロモメチルプロピルホスホン
酸、5−クロロペンチルホスホン酸、4,5−ジクロロ
ペンチルホスホン酸、5−ブロモペンチルホスホン酸、
4,5−ジブロモペンチルホスホン酸、1−ヒドロキシ
メチルホスホン酸、2−ヒドロキシエチルホスホン酸、
3−ヒドロキシプロピルホスホン酸、4−ヒドロキシブ
チルホスホン酸、5−ヒドロキシペンチルホスホン酸、
1−アミノメチルホスホン酸、2−アミノエチルホスホ
ン酸、3−アミノプロピルホスホン酸、4−アミノブチ
ルホスホン酸、5−アミノペンチルホスホン酸、メチル
チオメチルホスホン酸、メチルチオエチルホスホン酸、
メチルチオプロピルホスホン酸、メチルチオブチルホス
ホン酸、エチルチオメチルホスホン酸、エチルチオエチ
ルホスホン酸、エチルチオプロピルホスホン酸、プロピ
ルチオメチルホスホン酸、プロピルチオエチルホスホン
酸、ブチルチオメチルホスホン酸、フェニルホスホン
酸、4−クロロフェニルホスホン酸、3,4−ジクロロ
フェニルホスホン酸、3,5−ジクロロフェニルホスホ
ン酸、4−ブロモフェニルホスホン酸、3,4−ブロモ
フェニルホスホン酸、3,5−ブロモフェニルホスホン
酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、3,4−ジメト
キシフェニルホスホン酸、1−ナフチルホスホン酸、2
−ナフチルホスホン酸、5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ナフチルホスホン酸、5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−1−ナフチルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、
4−ブロモフェニルメチルホスホン酸、3,4−ジブロ
モフェニルメチルホスホン酸、3,5−ジブロモフェニ
ルメチルホスホン酸、2−フェニルエチルホスホン酸、
2−(4−ブロモフェニル)エチルホスホン酸、2−
(3,4−ジブロモフェニル)エチルホスホン酸、2−
(3,5−ジブロモフェニル)エチルホスホン酸、3−
フェニルプロピルホスホン酸、3−(4−ブロモフェニ
ル)プロピルホスホン酸、3−(3,4−ジブロモフェ
ニル)プロピルホスホン酸、3−(3,5−ジブロモフ
ェニル)プロピルホスホン酸、4−フェニルブチルホス
ホン酸、4−(4−ブロモフェニル)ブチルホスホン
酸、4−(3,4−ジブロモフェニル)ブチルホスホン
酸、4−(3,5−ジブロモフェニル)ブチルホスホン
酸、2−ピリジルホスホン酸、3−ピリジルホスホン
酸、4−ピリジルホスホン酸、1−ピロリジノメチルホ
スホン酸、1−ピロリジノエチルホスホン酸、1−ピロ
リジノプロピルホスホン酸、1−ピロリジノブチルホス
ホン酸、ピロール−1−ホスホン酸、ピロール−2−ホ
スホン酸、ピロール−3−ホスホン酸、チオフェン−2
−ホスホン酸、チオフェン−3−ホスホン酸、ジチアン
−2−ホスホン酸、トリチアン−2−ホスホン酸、フラ
ン−2−ホスホン酸、フラン−3−ホスホン酸、ビニル
ホスホン酸、アリルホスホン酸などが挙げられ、またこ
れらのリン原子に2重結合で結合している酸素原子が硫
黄原子に置換されたチオホスホン酸も同様に挙げられ
る。これらは1種類でも、複数種併用することもでき
る。また、これらホスホン酸はその酸塩化物、エステ
ル、アミドなどのホスホン酸誘導体であってもよい。
【0029】またこれらホスホン酸残基については、そ
れぞれ対応する3価のリン官能基であるホスホナイト残
基に一部置き換えてもよい。これにより樹脂の耐酸化性
を付与することができるが、光学特性等の特性安定性を
考慮すると、その置換比率は50%以下が好ましく、よ
り好ましくは25%以下、さらに好ましくは10%以下
である。
【0030】また、一般式(2)で表される2価フェノ
ール残基を構成する2価フェノールを具体的に例示する
と、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、4,4’−ビフェノール、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェ
ノールフローレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチ
ルプロパン、4,4’−〔1,4−フェニレン−ビス
(2−プロピリデン)〕−ビス(2−メチルフェノー
ル)、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェ
ニルエーテル、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,
1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3−メチル−ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペン
タン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−
ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,
1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1
−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メ
チルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,
5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1−ビス(3,5−ジsecブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロ
ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−
ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−
4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,
5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジt
ert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1
−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢
酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒド
ロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス
(4ーヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルメタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロ
キシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−
クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2
−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−
ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラ
tert−ブチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’−ジフルオロ
−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テト
ラフルオロ−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)チオエーテル、1,1−ビス(2,3,5−トリメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカ
ン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シク
ロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−
ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフ
ェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、イサチ
ンビスフェノール、イサチンビスクレゾール、2,
2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−
ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メ
タン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタ
ン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メ
タン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
デカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−
ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジt
ert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−
スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロ
フェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビ
ス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジ
フェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’,
5,5’−テトラtert−ブチル−2,2’−ビフェ
ノール、2,2’−ジアリル−4,4’−ビフェノー
ル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラ
メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3
−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル
−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン、1,1−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ル−シクロヘキサン、α、α−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン等が挙げら
れ、これらは1種類でも、複数種併用することもでき
る。これら2価フェノールは得られるポリマーの性能に
応じて用いることができる。
【0031】また、ジヒドロキシベンゼンを本発明の効
果が損なわれない範囲で用いることができ、これらジヒ
ドロキシベンゼンとしては、レゾルシノール、ハイドロ
キノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられ、
これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
【0032】また、本発明のポリマーは必ずしも直鎖状
である必要はなく、得られるポリマーの性能に応じて多
価フェノールを共重合することができる。このような多
価フェノールを具体的に例示すると、トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、4,4’−〔1−〔4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フ
ェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−〔ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフ
ェノール、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、4−
〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
メチル〕−2−メトキシフェノール、1,1,1−トリ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−ト
リス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、トリス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、2,6−ビス〔(2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル〕−4−メチ
ルフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベ
ンゼン、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−フェノール、4
−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベン
ゼン、4−メチルフェニル−1,2,3−トリヒドロキ
シベンゼン、4−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕
−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−〔(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,
3−トリヒドロキシベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス
(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチ
ル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(2,3,4−
トリヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベン
ゼン、2,4−ビス〔(4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノー
ル、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイ
ル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−メチル−4
−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−
1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−〔ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メチル〕−2−エトキシフェノール、
2−〔ビス(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3
−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−ヒドロキシ
−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4
−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニ
ル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシ
フェノール、3,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシ
ベンゼン、4,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロ
キシベンゼン、2−〔ビス(2,3,6−トリメチル−
4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−
〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(2,3,5−
トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノ
ール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス
(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)
メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、3−〔ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチ
ル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−2−メ
トキシフェノール、2,4,6−〔トリス(4−ヒドロ
キシフェニルメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼ
ン、1,1,2,2−テトラ(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラ(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
4−〔〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕〕ベ
ンゼン、1,4−ジ〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル〕ベンゼン、4−〔1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチル〕アニリン、(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2−〔ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、
1,3,3−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等
が挙げられ、これらは1種類でも、複数種併用すること
もできる。
【0033】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体は、本発明の所望の効果を損なわない範囲
で、製造時あるいは成形時に、公知の各種添加剤、例え
ば、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール類、亜
リン酸エステル類、リン酸エステル類など)または熱安
定剤(例えば、フェノール系、ヒンダードフェノール
系、硫黄系、リン酸金属塩、亜リン酸金属塩など)、紫
外線吸収剤、滑剤、有機ハロゲン化合物系の難燃剤、離
型剤、流動性改良剤、帯電防止剤などを添加してもよ
い。
【0034】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体の成形体を得る方法については、公知の方
法が採用でき、特に限定されないが、例えば、射出成型
法、プレス成型法、圧縮成型法、トランスファ成型法、
積層成型法、押し出し成型法などがあげられる。
【0035】本発明の染色された成形体は、上記ポリホ
スホネート−カーボネート共重合体を用いて、後述する
公知の各種成形方法によって成形体を製造する工程、該
成形体を公知の各種染色方法によって染色する工程など
を経て、好適に製造される。
【0036】本発明に係る成形体として、代表的には、
例えば、眼鏡、サングラス等に用いられる光学用レン
ズ、車両(例えば、自動車など)、建築物等に使用され
るガラス代替の透明性部材、電気・電子機器などに用い
られる透明性の構造用部材など、透明性、染色性が要求
される各種成形体が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。また、眼鏡、サングラスなどの光学用レ
ンズは、ファッション性の観点から染色性が特に要求さ
れることから、本発明の染色される成形体の具体例とし
て、特に好ましい。
【0037】本発明に係るポリホスホネート−カーボネ
ート共重合体は熱可塑性であって、溶融状態で射出成
形、押出成形、ブロー成形が可能であり、さらには、圧
縮成形、溶液キャスティングなど、各種公知の成形方法
によって成形可能である。本発明に係る成形体は、かか
る成形方法によって好適に製造される。
【0038】本発明の染色された成形体は、上記の成形
方法によって得られた成形体を、公知の各種染色方法に
より染色することにより好適に製造される。すなわち、
代表的な染色方法としては、例えば、水性媒体中または
有機溶媒中、あるいは、これらの混合媒体中において、
染料(例えば、分散染料など)、顔料等を用いて染色す
る方法等が挙げられる。
【0039】上記方法の中で、有機溶媒中で染色する方
法(例えば、特開平8−104759号公報等に記載の
方法など)は、成形体を高い濃度で染色することが比較
的容易である利点があるが、染色条件(溶媒の種類、染
色温度、染色時間など)によっては成形体表面が有機溶
媒で浸食され透明性が損なわれる場合などもあるため、
前記方法の中でも、水性媒体中で分散染料により染色す
る方法が、より好ましい。
【0040】有機溶媒中で行う場合、使用される有機溶
媒として、特に制限はなく、一般的に使用される公知の
各種有機溶媒が使用されるが、前記問題を考慮すると、
非水溶性有機溶媒(特に、ハロゲン化炭化水素系溶媒な
ど)よりも、水溶性のアルコール系溶媒またはそれと水
との混合物が好ましい。
【0041】また、染料、顔料としては、特に制限され
るものではなく、繊維、樹脂等の染色に使用される公知
の各種染料、顔料が好適に使用される。
【0042】水性媒体中で分散染料により染色する方法
としては、例えば、分散染料を水性媒体中に分散させ、
必要に応じて、各種公知の添加剤(例えば、界面活性
剤、pH調整剤、分散均染剤、染色促進剤など)を添加
し、染色温度を保って染色浴を調製し、この染色浴中
に、上記の方法で成形されたレンズを、所定時間浸漬す
る方法などが例示されるである。
【0043】本発明の染色された成形体を製造する際に
用いられる染料として、上述したように分散染料が好適
に用いられる。該分散染料として、例えば、アゾ系染
料、キノフタロン系染料、アントラキノン系染料などが
例示される。分散染料の使用量としては、特に制限はな
いが、通常、染浴濃度で0.5〜30g/リットルの濃
度である。
【0044】使用する分散染料として、特に限定するも
のではなく、公知の各種分散染料が好適に使用される。
かかる分散染料の具体例として、例えば、下記の三井B
ASF染料(株)製のものが挙げられる。
【0045】アゾ染料としては、例えば、Miketo
n Polyester(以下、M/Pと記す)Yel
low 5G、 M/P Yellow 5GF、M/PY
ellow 5R、 M/P Yellow GL、 M/
P Orange3GSF、M/P Orange S
F、 M/P Orange SC、M/P Orange
B、 M/P Yellow Brown R、M/PBr
own 2RL、 M/P Scarlet RR、 M/
P Scarlet 3R、 M/P Scarlet 3
RG、 M/P ScarletRCS、 M/P Sca
rlet BRSF、M/P Red FL、M/PRe
d 3BSF、 M/P Ruibine GCSF、 M
/PRuibine GL、 M/P Violet AD
W、 M/PDischarge Blue R、 M/P
Blue G−ADW、 M/P Blue 3RT、 M
/P Blue 3RSF、 M/P Blue 2RF、
M/PBlue 7GSF、 M/P Red Brown
S、 M/P Navy Blue 3GS、 M/P N
avy Blue GLSF、M/P Navy Blue
BGSF、 M/P Navy Blue TNSF、 M
/P Navy Blue RRSF、 M/P Navy
Blue TRSF等が挙げられる。
【0046】キノフタロン系染料としては、M/P Y
ellow 3GSL、M/PYellow F3G、
M/P Yellow GSL等が挙げられる。アントラ
キノン系染料としては、M/P Yellow HLS、
M/PRedFB、 M/P Red 4BF、 M/P
Red SL、 M/PRed T4B、M/P Red
BLSF、 M/P Red Violet 4RL、 M
/P Red Violet FR、 M/P Red Pi
nk REL、 M/P BlueFBL、 M/P Bl
ue FTK、M/P Blue VSL、 M/P Bl
ue TGSF、 M/P Blue TSF、 M/P B
rill Blue 5B、M/P BrillBlue
BG等が挙げられる。その他の染料として、M/P Y
ellow YL、 M/P BrillRed FGG、
M/P Brown G、 M/P Brown GF、M
LPGold Yellow−2、 MLPRed−2、
MLP Blue−2等が挙げられる。
【0047】水性媒体中において分散染料により染色す
る際に、必要により、染色浴に添加する界面活性剤とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
ラウリル硫酸塩などの陰イオン系界面活性剤、ポリエチ
レングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性
剤などが例示される。これらは単独で、もしくは2種類
以上を混合して用いてもよい。
【0048】該界面活性剤の使用量としては、特に制限
はないが、通常、染浴濃度で、0.1〜500g/リッ
トルである。染色温度としては、特に制限するものでは
ないが、通常、50〜110℃、好ましくは80〜95
℃の範囲である。染色時間は、染色温度等の条件によっ
ても影響されるが、通常、1分〜1時間程度である。
【0049】本発明の染色された成形体は、必要に応じ
て、所望の色調に染色される必要があり、各色(赤色、
青色、黄色など)の染料・顔料に対して染色性が良好で
あることが、必要となる。本発明において使用するポリ
ホスホネート−カーボネート共重合体は、これら各色の
染料、顔料に対して、優れた染色性を示すことから、上
述の染色条件(染料・顔料の種類、染色浴の媒体の種
類、染色温度、染色時間など)を設定することにより、
所望の色調、濃度に染色すること、あるいは、成形体の
染色濃度が勾配を有する段階的色調に染色(グラジエン
ト染色)すること等、所望に応じた染色が可能である。
【0050】本発明の染色された成形体は、特に光学レ
ンズとして好適に使用され、430nm、510nmお
よび595nmの少なくとも一つの波長において、染色
後の分光透過率が、染色前の分光透過率に対して0.0
1〜0.9[以下、この比を分光透過率比とも言う]で
あることが好ましい。本発明の染色された成形体とし
て、より好ましくは、分光透過率比が0.05〜0.8
5であり、さらに好ましくは、0.15〜0.75であ
る。本発明の染色された成形体として、分光透過率比が
0.2〜0.7であることは、特に好ましい。
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。樹脂の評価は以下の方法により行った。
【0052】〔分子量の測定〕樹脂の0.2重量%クロ
ロホルム溶液を、GPC(ゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフィー)〔東ソー(株)製、GPC802
0〕により測定し、数平均分子量(Mn)を求めた。
尚、測定値は、標準ポリスチレン換算の値である。
【0053】〔分光透過率の測定〕下記実施例及び比較
例記載の方法に従って製造され、染色された成形体(レ
ンズ)を使用して、各波長における分光透過率を、自記
分光光度計((株)日立製作所社製:U−3200)を
用いて測定した。また、分光透過比は、前記方法で測定
された染色前後における成形体の分光透過率の比として
表した。
【0054】実施例1 窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(100ml)
中にビスフェノールA(40mmol)、およびトリエ
チルアミン(88mmol)を混合し、氷冷下攪拌し
た。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(30
mmol)の1,2−ジクロロエタン(45ml)溶液
を60分間かけて滴下し、滴下終了後室温で120分間
攪拌した。その後、濃度0.571mol/Lであるト
リホスゲンの1,2−ジクロロエタン(5.83ml)
溶液を30分かけて滴下し、滴下終了後120分間攪拌
した。次にオイルバスを用いて溶液温度70℃で120
分間攪拌した。その後、12時間室温にて攪拌を行っ
た。反応溶液をヘキサン2000mlに投入して再沈
し、ポリマーを濾取した後、(1)エタノール2000
ml、(2)水/エタノール=1/1混合溶液2000
ml、(3)水2000mlの順で生成したポリマーを
洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を収率89%で得た。数
平均分子量は28000であった。走査熱量計(DSC
−3100、マックサイエンス社製)で、0℃〜300
℃の温度範囲で示差熱分析を行ったところ、ガラス転移
温度(Tg)は120℃であった。
【0055】得られた樹脂粉末は下記に示す方法で成型
し評価した。すなわちプレス成形の場合は、得られた樹
脂粉末を、樹脂のガラス転移温度点以上である250℃
に加熱した金型に投入した。金型はφ30mmの円盤状
のプレートが成形可能なもの用いた。金型を閉じ、圧力
2tにて加圧後、金型を冷却した。金型を分割すること
によってφ30mm、厚さ3mmの円盤状の樹脂プレー
トを得た。この樹脂プレートを用いて430nm、51
0nmおよび595nmにおける分光透過率を測定した
ところ、430nmで89%、510nmで90%、5
95nmで91%であった。この樹脂プレートをMiketo
n Polyester Red 4BF(三井BASF染料(株)社製)
0.55g、Kayalon Polyester Blue GR−E(日本化薬
(株)社製)0.68g、TD−Yellow D−GLF conc(大
東化学(株)社製)4.50g、ニューレックスペース
トH(日本油脂(株)社製)12g、FC−170C
(住友3M(株)社製)2gを純水1000mlに配合
してなる染色液に88℃で15分間浸漬して染色を行っ
たところブラウンに染色された成型体が得られた。該成
型体を用いて430nm、510nmおよび595nm
における分光透過率を測定したところ430nmで5
%、510nmで13%、595nmで34%であり、
各々の分光透過率比は0.056、0.144、0.3
74であった。また、該成型体の染色性は目視判定で染
色ムラもなく良好であった。
【0056】実施例2 窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(100ml)
中に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン(40mmol)、およびトリエチルアミン(8
8mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフ
ェニルホスホン酸ジクロライド(29.6mmol)の
1,2−ジクロロエタン(45ml)溶液を60分間か
けて滴下し、滴下終了後室温で120分間攪拌した。続
いてベンゼンホスホナスジクロライド(0.4mmo
l)の 1,2−ジクロロエタン(15ml)溶液を滴
下し、滴下終了後室温で120分間攪拌した。その後、
濃度0.571mol/Lであるトリホスゲンの1,2
−ジクロロエタン(5.83ml)溶液を30分かけて
滴下し、滴下終了後120分間攪拌した。次にオイルバ
スを用いて溶液温度70℃で120分間攪拌した。その
後、12時間室温にて攪拌を行った。反応溶液をヘキサ
ン2000mlに投入して再沈し、ポリマーを濾取した
後、(1)エタノール2000ml、(2)水/エタノ
ール=1/1混合溶液2000ml、(3)水2000
mlの順で生成したポリマーを洗浄、乾燥して目的の樹
脂粉末を収率91%で得た。数平均分子量は23000
であった。走査熱量計(DSC−3100、マックサイ
エンス社製)で、0℃〜300℃の温度範囲で示差熱分
析を行ったところ、ガラス転移温度(Tg)は140℃
であった。その後、実施例1と同様の方法で成型して評
価した。得られた樹脂プレートを用いて430nm、5
10nmおよび595nmにおける分光透過率を測定し
たところ、430nmで87%、510nmで89%、
595nmで90%であった。この樹脂プレートを実施
例1と同様に染色を行ったところ、ブラウンに染色され
た成型体が得られた。該成型体を用いて430nm、5
10nmおよび595nmにおける分光透過率を測定し
たところ430nmで45%、510nmで59%、5
95nmで74%であり、各々の分光透過率比は0.5
17、0.663、0.822であった。また、該成型
体の染色性は目視判定で染色ムラもなく良好であった。
【0057】実施例3 窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(100ml)
中に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン(40mmol)、およびトリエチルアミン(8
8mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフ
ェニルホスホン酸ジクロライド(2mmol)の1,2
−ジクロロエタン(45ml)溶液を60分間かけて滴
下し、滴下終了後室温で120分間攪拌した。その後、
濃度0.571mol/Lであるトリホスゲンの1,2
−ジクロロエタン(22.2ml)溶液を30分かけて
滴下し、滴下終了後120分間攪拌した。
【0058】次にオイルバスを用いて溶液温度70℃で
120分間攪拌した。その後、12時間室温にて攪拌を
行った。反応溶液をヘキサン2000mlに投入して再
沈し、ポリマーを濾取した後、(1)エタノール200
0ml、(2)水/エタノール=1/1混合溶液200
0ml、(3)水2000mlの順で生成したポリマー
を洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を収率91%で得た。
数平均分子量は25000であった。走査熱量計(DS
C−3100、マックサイエンス社製)で、0℃〜30
0℃の温度範囲で示差熱分析を行ったところ、ガラス転
移温度(Tg)は181℃であった。その後、実施例1
と同様の方法で成型して評価した。得られた樹脂プレー
トを用いて430nm、510nmおよび595nmに
おける分光透過率を測定したところ、430nmで89
%、510nmで91%、595nmで91%であっ
た。この樹脂プレートを実施例1と同様に染色を行った
ところ、ブラウンに染色された成型体が得られた。該成
型体を用いて430nm、510nmおよび595nm
における分光透過率を測定したところ430nmで59
%、510nmで67%、595nmで75%であり、
各々の分光透過率比は0.663、0.736、0.8
24であった。また、該成型体の染色性は目視判定で染
色ムラもなく良好であった。
【0059】比較例1 熱可塑性透明樹脂として出光石油化学(株)社製のポリ
カーボネート樹脂“タフロンA2200”(屈折率が
1.58、アッベ数が29)を用い、実施例1と同様の
方法で成型して評価した。得られた樹脂プレートを用い
て430nm、510nmおよび595nmにおける分
光透過率を測定したところ、430nmで89%、51
0nmで91%、595nmで91%であった。この樹
脂プレートを実施例1と同様に染色を行ったところ、染
色することはできなかった。該成型体を用いて430n
m、510nmおよび595nmにおける分光透過率を
測定したところ430nmで88%、510nmで89
%、595nmで89%であり、各々の分光透過率比は
0.989、0.978、0.978であった。
【0060】
【発明の効果】汎用の光学用樹脂であるビスフェノール
Aのポリカーボネート、あるいは、ビスフェノールPの
ポリカーボネートは、通常のレンズの染色法では実質的
に染色されることはない。これに対して、本発明におい
て使用したポリホスホネート−カーボネート共重合体が
非常に良好に染色された成形体として種々の用途に応用
できることは驚くべきことである。本発明によって、優
れた耐熱性と光学特性を有する染色されたレンズを提供
することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 85:02 C08L 85:02 Fターム(参考) 2H048 CA04 CA05 CA09 CA14 CA20 4F073 AA26 BA34 BA46 BB02 EA11 EA62 EA75 HA04 HA05 HA09 4H057 AA01 DA02 DA29 4J030 CA01 CB34 CB35 CC25 CD11 CE02 CG06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボネート残基、下記一般式(1)で
    示されるホスホン酸残基、および下記一般式(2)で示
    される2価フェノール残基より構成されており、ホスホ
    ン酸残基とカーボネート残基のモル分率が式(3)を満
    足することを特徴とするポリホスホネート−カーボネー
    ト共重合体を含有してなる成形体を染色して得られる染
    色された成形体。 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 [一般式(1)中、Rは有機基、Xは酸素、硫黄あるい
    はセレンを表し、樹脂組成物中にR1あるいはXの異な
    るホスホン酸残基を2種以上含んでもよい。一般式
    (2)中、R’は各々独立に水素原子、炭素数1〜20
    の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素
    基、ハロゲン原子、ニトロ基からなる群から選ばれ、
    p、qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸素原
    子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロ
    アルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキ
    レン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデ
    ン基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィンオ
    キシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラ
    ン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群か
    ら選ばれる。樹脂組成物中にR2あるいはYの異なる2
    価フェノール残基を2種以上含んでもよい。] 1≧(a)/{(a)+(b)}≧0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカー
    ボネート残基のモル数を示す。]
  2. 【請求項2】 ホスホン酸残基の代わりに一部ホスホナ
    イト残基により構成され、その置換比率が50%以下で
    ある請求項1に記載の染色された成型体。
  3. 【請求項3】 アッベ数が31以上である請求項1ある
    いは2に記載の染色された成型体。
  4. 【請求項4】 d線屈折率が1.60以上でかつアッベ
    数が26以上である請求項1〜3いずれかに記載の染色
    された成型体。
  5. 【請求項5】 d線屈折率が1.62以上である請求項
    1〜4いずれかに記載の染色された成型体。
  6. 【請求項6】 前記成形体は、水性媒体中において、分
    散染料により染色されたものであることを特徴とする請
    求項1〜5いずれかに記載の染色された成形体。
  7. 【請求項7】 染色後の分光透過率が、430nm、5
    10nmおよび595nmの少なくとも1つの波長にお
    いて、染色前の分光透過率の1〜90%であることを特
    徴とする請求項1〜6いずれかに記載の染色された成形
    体。
  8. 【請求項8】 前記共重合体の数平均分子量が1000
    0〜300000のであることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の染色された成形体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の染色さ
    れた成形体からなる光学用物品。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の染色さ
    れた成形体からなる光学用レンズ。
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