JP2003267999A - 天然ゴムラテックスのアレルゲン性蛋白、その製造法および分析での使用 - Google Patents

天然ゴムラテックスのアレルゲン性蛋白、その製造法および分析での使用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、実質的に精製された形態の、天
然ゴムラテックスのアレルゲン性蛋白類、その製造法お
よびその使用に関する。 【解決手段】 天然ゴムラテックス中またはラテックス
製品中のアレルゲン性蛋白類のレベルを、これらアレル
ゲン性蛋白類に対して生成するモノクローナル抗体とと
もに該アレルゲン性蛋白類を用いて定性測定および定量
測定を行う分析法を提供する。天然ゴムラテックスによ
って誘発されるアレルギー反応の発生を仲介する血液中
または血液製品中の抗体を同定および/または定量する
分析法、ならびに天然ゴムラテックスに対する過敏症を
検出し、前記アレルゲン性蛋白類を使用する生体内およ
び生体外の診断試験法も提供する。またこの発明はラテ
ックス蛋白アレルギーを治療する際の脱感作剤としても
前記アレルゲン類を使用する。さらにラテックス製品か
らアレルゲン性蛋白類を除去する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、実質的に精製さ
れた形態の、天然ゴムラテックスのアレルゲン性蛋白;
その製造法;および天然ゴムラテックス中またはラテッ
クスで製造された製品中のアレルゲン性蛋白のレベルを
定性測定および定量測定するための分析法で、これらア
レルゲン性蛋白に対して発生するモノクローナル抗体と
ともに用いる該蛋白の使用に関する。天然ゴムラテック
スによって誘発されるアレルギー反応の発生を仲介する
血液中または血液製品中の抗体を同定および/または定
量する分析法、ならびに天然ゴムラテックスに対する過
敏症を検出し、前記アレルゲン性蛋白を使用する生体内
および生体外の診断試験法も提供する。またこの発明
は、ラテックス蛋白アレルギーを治療する際の脱感作剤
としての前記アレルゲンの使用を提供するものである。
さらにこの発明はラテックス製品からアレルゲン性蛋白
を除去する方法を提供するものである。
【0002】なお以後この明細書で使用するいくつかの
用語を定義する用語集を以下に示す。
【0003】全蛋白:試料中に存在するすべての蛋白と
そのフラグメント。
【0004】抗原蛋白:全蛋白中の一つの群。これらの
蛋白は動物とヒトの身体内に抗体の産生を起こさせる。
誘発される抗体には、アレルギー反応を誘発できるIg
Eクラスの抗体およびアレルギーを誘発しないIgEク
ラスの抗体も含まれている。また用語“抗原蛋白”は抗
体によって認識される(抗原と反応する)蛋白も意味す
る。
【0005】アレルゲン性蛋白:抗原蛋白中の一群(し
たがって全蛋白中のサブグループである)。これらの蛋
白は動物またはヒトの身体中にIgEクラスの抗体の産
生を起こさせる。これらの蛋白は、それらに対して特異
的なIgEが存在している場合、アレルギー反応を誘発
できる。用語“アレルゲン性蛋白”はIgEによって認
識される(IgEと反応する)蛋白も意味する。
【0006】アレルゲン:IgEクラスの抗体の産生を
動物またはヒトの身体内で起こさせる物質(蛋白な
ど)。アレルゲンは、それに対して特異的なIgEが存
在している場合、アレルギー反応を誘発することができ
る。用語“アレルゲン”は、IgEによって認識される
(IgEと反応する)物質も意味する。
【0007】ラテックス蛋白アレルギーについては、知
られている唯一のアレルゲンは事実上、蛋白質性であ
る。したがって、この明細書では、用語のラテックスア
レルゲン、アレルゲン、アレルゲン性蛋白および蛋白ア
レルゲンは同義語である。
【0008】抗体:動物の血清中に存在し、抗原に応答
して形質細胞によって合成される免疫グロブリン。Ig
E:抗体の中の一群。アレルゲンに対して特異的なIg
Eは、動物または/ヒトの身体をアレルゲンに暴露する
と該身体中に誘発される。続いてアレルゲンに暴露する
とアレルギー反応を誘発する。
【0009】ポリクローナル抗体:特定の抗原に対する
抗体のコレクションである。ほとんどの抗原は多数のエ
ピトープをもっているので、与えられた一つの抗原に対
して多数の異なる抗体がある。
【0010】モノクローナル抗体:リンパ球の単個クロ
ーンによって産生される免疫グロブリン(抗体)。モノ
クローナル抗体は、抗原の単一のエピトープしか認識し
ない。
【0011】エピトープ:抗体の結合部位またはT細胞
の抗原受容体によって特異的に認識される分子の抗原決
定基。
【0012】ハイブリドーマ:培養で無限に増殖できる
骨髄腫細胞系と、正常な抗体分泌性B細胞とを融合する
ことによって得られる細胞系。得られる細胞系は、両パ
ートナーの特性を有し、正常なB細胞の抗体産物を分泌
し続ける。それ自体の免疫グロブリン産物を作ることを
停止しているが、その機能を実行する機構を保持してい
る骨髄腫を選択することによって、ハリブリドーマは正
常なB細胞抗体のみを分泌する。この細胞系はクローン
化されるのでその抗体はモノクローナル抗体である。
【0013】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アレ
ルゲン性蛋白(アレルゲン)は感作されたヒトにアレル
ギー反応を誘発することがあり、重症の場合、死に至る
ことがあるアナフラキシー・ショックを起こす場合があ
る。ラテックス手袋のようなラテックス製品中に存在す
る蛋白は、このような製品を使用するヒトの少数に“I
型過敏症”として知られている一種のアレルギーを誘発
することがある。したがって、ゴム製品特に浸漬ラテッ
クスの製品( dipped latex product )を使用するこ
とは、健康管理の観点から注意されかつ心配されてい
る。
【0014】商業用のゴムノキのヘベア・ブラジリエン
シス( Hevea brasiliensis )由来の天然ゴムは、ア
ジアおよびアフリカの多くの国の経済の重要な商品であ
る。天然ゴムは、ベール、シートの形態および濃縮ラテ
ックス( latex concentrate )として取引されてい
る。天然ゴムの濃縮ラテックスは、試験、外科および家
庭で用いる手袋のような“浸漬ラテックス”製品を製造
するのに大きな需要がある。1993年にマレーシアだ
けでラテックス浸漬商品を、合計8億8千万USドル輸
出した。特にラテックスの試験用手袋に対する全世界の
需要が近年、HIVの感染による後天性免疫不全症候群
(AIDS)の発生が増大しているため、著しく増大し
ている。
【0015】天然ゴムラテックス製の手袋などの外科用
補助用具は接触じんま疹を起こすことがあり、少数の症
例で、以前に感作されたヒトにアナフラキシー反応をも
たらしているという近年の報告がある( Nutter の19
79年の報告、Turjanmaa らの1984年の報告、 Axel
ssonらの1987年の報告、Leynadier らの1989年
の報告)。アナフラキシーは生命にかかわることがある
ので、手袋の製造に用いられる各種の化学化合物によっ
て起こる一般にゆるやかな皮膚の感受性よりはるかに重
大である。化学薬剤によっておこる接触皮膚炎は長年に
わたって認められているが、手袋およびカテーテルのよ
うなラテックス製品中の蛋白に対するアレルギー応答は
ユーザーに対して重大な脅威になる可能性がある。この
危険に最もさらされているのは、その就業日を通じて多
かれ少なかれ連続してラテックス手袋を着用している健
康管理職員とその患者である。この危険に実際にさらさ
れているヒトの比率がたとえ非常に小さくても、これら
の製品のメーカーとラテックス産業界全体は結局、脅威
が認識されたことによる影響を受けるであろう。米国食
品医薬品局(FDA)のような取締り当局はすでに、近
い将来に、すべての天然ラテックス商品に上記のことを
確認するよう要求するであろうとすでに表明している。
また米国FDAは、ラテックス製品中の全蛋白の許容レ
ベルの基準もまもなく定めるであろう。この問題が、そ
れにふさわしく緊急に、かつ“安全な製品”と“安全で
ない製品”を区別するために確立された手段で扱われな
いと、その後の法制によってすべてのラテックス製品の
医療における使用が広範囲にわたって禁止される可能性
さえある。
【0016】したがって、ラテックス蛋白アレルギーに
ついて、特にラテックス製品のメーカーと健康管理に関
与している人の関心が近年高まり注目されている。ラテ
ックス中の水で抽出可能な蛋白が、感作されヒトにおい
て、アレルゲン性ラテックス蛋白と一群の抗体(Ig
E)との相互作用で仲介されるラテックス誘発アナフラ
キシー反応の原因である証拠が示されている。蛋白画分
のIgE特異的検定法によって、二つ以上の特異的蛋白
が関与していることが示唆されている( Turjanmaaらの
1988年の報告; Slater の1991年の報告)。
【0017】ラテックス蛋白アレルギーの問題が健康管
理上の観点およびラテックス製品メーカーの観点の両者
からみて重要であることから、これに関連する活発な研
究が世界中で各種の研究所にて行われている。これらの
研究の主目的は次のとおりである。
【0018】(a)アレルゲンのレベルが低い濃縮ラテ
ックスを製造することである。濃縮ラテックスの供給者
は、ラテックス製品を製造するのに用いられる原料中の
アレルゲンを減らすよう努力している。
【0019】(b)低アレルゲンのラテックス製品を製
造することである。ラテックス製品メーカーはその完成
品中のアレルゲンを減らすよう努力している。
【0020】(c)濃縮ラテックス中またはラテックス
製品中に存在しているアレルゲンの定量分析法を開発す
ることである。ラテックス供給者とラテックス製品メー
カーの両者は、(a)と(b)を補足するための基準化
と品質管理を目的とする分析法を要望している。
【0021】濃縮ラテックスの従来の製造方法では、原
ラテックス( field latex )をアンモニアで安定化し
(ゴムのフロキュレーションまたは凝結を防止するた
め)、次に遠心分離によって濃縮してゴム含量を約33
%から約60%まで増大させる。現在、低蛋白の濃縮ラ
テックスを製造するのに二つの主な方法がある( Subra
maniam の1992年の報告)。まず第一に、多重遠心
分離が行われ、遠心分離の各サイクル毎に新鮮なアンモ
ニア水を添加して希釈し、ラテックスの水性層中に可溶
性蛋白を溶出させることができる。第二にラテックスは
蛋白分解酵素(プロティナーゼ)で処理することができ
る。
【0022】可溶性蛋白を減少させたラテックス浸漬製
品を製造するのに、最も簡単な方法は水中で洗浄する方
法である。蛋白はラテックスフィルムが乾燥するにつれ
て該フィルムの表面に移行するので( Shamsul Bahri
らの1993年の報告)、フィルムを完全に乾燥させて
から洗浄すると最も有効に除去される。
【0023】上記の処置は、濃縮ラテックス中または完
成ラテックス製品中のアレルゲンの量を減らすことを目
的としているが、このようなアレルゲンのレベルを評価
するための信頼できる方法が現時点では存在していな
い。特定のラテックスアレルゲン検定法がないので、現
在は、試料の全蛋白を測定して全蛋白のレベルが低けれ
ばアレルゲンのレベルが低いことを示しているであろう
と推定している。このことは極端な蛋白レベルを比較す
る場合には一般に当てはまる(すなわち非常に高い蛋白
レベルは高いアレルゲン性( allergenicity )に関連
しそして非常に低い蛋白レベルは低いアレルゲン性に関
連している)。しかし、全蛋白のレベルは、蛋白がすべ
てアレルゲン性である(すなわちアレルギーを誘発でき
る)わけではなく、多くの蛋白は無害であるので、製品
がどの程度に有害である可能性があるのかについて誤解
をまねく状況を提供することがある。より優れた分析法
は、ラテックスアレルゲンのレベルを特異的に測定する
方法である。
【0024】ラテックスアレルゲンの分析法は市販され
ており多数の変形があるが、すべて、一つ以上の免疫反
応の免疫分析法に基づいている。免疫分析法は、抗体
と、これら抗体が結合する特異的なタンパク抗原との相
互作用に基づいている。したがって、ラテックスアレル
ゲンの免疫分析法の場合、その主反応は、ラテックスア
レルゲンと、このアレルゲンを認識する抗体とが結合す
る反応である。
【0025】ラテックスアレルギーの問題に関連する免
疫反応に基づいた分析法には二つの範疇がある。第一の
範疇の分析法は、アレルギー反応の発生を仲介する、血
液試料中の抗体(IgE)を定量する。特に、このよう
な分析法は、健康管理と医療に用いられ、ラテックスア
レルギーの診断試験として役に立つ。第二の範疇の分析
法は、ラテックス製品から抽出可能なラテックスアレル
ゲンを定量する方法である。特にこの分析法は、濃縮ラ
テックス中および製造されたラテックス製品中のラテッ
クスアレルゲンのレベルを監視し調節するため、ラテッ
クス工業界で使用されている。現在、上記両方の範疇の
試験に用いる分析法が少数市販されている。
【0026】ラスト法(RAST: radioallergosorbe
nt test )およびELISA法(Enzyme - linked i
mmunosorbent assay)の形態の市販分析法は、ラテッ
クス蛋白に対して特異的なIgEが存在しているか否か
を決定するために用いられこれに基づいて患者のラテッ
クスアレルギーの試験が行われる。またこのような試験
は、ラテックス試料中またはラテックス製品中のアレル
ゲンの量を定量するための競合分析法(RAST阻害
法、競合ELISA法)として実施できる。
【0027】これらの免疫分析法はすべて、免疫反応に
特定のラテックスアレルゲンを使用する必要がある。ラ
テックスアレルゲンは、今までのところ単離されておら
ずかつ最終的に同定されていないので、現在入手できる
市販の分析法では、粗製(未精製)ラテックスセラム
( latex serum )または市販用に製造されたラテック
ス手袋から溶出させた蛋白がそのアレルゲンの起源とし
て使用される。
【0028】しかし、粗製のラテックスセラムは、アレ
ルゲン自体以外にたくさんの蛋白類(および他の物質)
を含有しているので、アレルゲンの起源として信頼でき
ない。これらの不純物は分析法の精密さを阻害すること
がある。また、異なる起源や一年の異なる時季から得た
ラテックス、または異なる条件下で保存もしくは貯蔵さ
れたラテックス中のアレルゲンのレベルまたはコンシス
テンシーについては全く情報がない。異なるバッチのラ
テックス中のアレルゲン性蛋白のレベルの変動は研究さ
れていないが、一般にラテックス蛋白および特にラテッ
クス酵素(1群の蛋白類)が、クローン(品種)の起
源、季節、ゴムノキの生理状態、樹液採取(ラテックス
収穫)のインテンシティー( intensity )、およびラ
テックスの収量を増大するための化学的刺激剤の使用に
よって変化することが分かっている。例えば、異なる市
販クローンを起源とするラテックス蛋白に差があること
は、電気泳動による分離を行った結果明らかになった
( Walujono および Suseno の1973年の報告; Yea
ng らの1977年の報告; Prematillake と Yapa の
1985年の報告)。このことは、タンパクの組成がク
ローン間で変化することを示している。これらの差のい
くつかがラテックスのBセラム蛋白(B− serumprotei
n )が原因であることを突き止めることができたという
ことは( Yeangらの1977年の報告)、この発明の発
明者が発見したように、主なラテックスアレルゲンのい
くつかはBセラムが起源であるということからみて重要
である。またラテックス蛋白の組成はゴムノキの生理的
状態にも影響される。Prematillakaら(1985年の報
告)は、ブラウンバストとして知られている生理病にか
かっているゴムノキから収集したラテックス蛋白のいく
つかが消失また減少したことを報告した。
【0029】各種の市販のヘベアのクローン類から得ら
れるラテックスの酵素のイソ型( iso - form )の差も
実証されている( Chevallier の1988年の報告)。
ある種のラテックス酵素の活性は季節によって著しく変
化する( Yeang および Paranjothy の1982年の
報告)。さらにラテックス酵素の活性が、ラテックスの
収穫のインテンシティー( Yeang および Paranjothy
の1982年aの報告)および化学薬剤エセフォンによ
る収量の促進( Tupy の1969年の報告; Chrestin
らの1985年の報告)に応答して著しく変化すること
が知られている。ミクロヘリックス( microhelix )と
して知られているラテックス蛋白の複合体のレベルは、
エセフォンによって刺激した結果、Bセラムが増大する
ことが報告されている( Gomez と Moir の1979年
の報告)。またこのミクロヘリックスは非常に変動し易
く、Bセラム中に検出されない場合がある。この変動
は、クローン間および同じグループのゴムノキから異な
る時季に採取した試料間にも起こる( Gomez および M
oir の1979年の報告; Gomez および Tata の19
77年の報告)。上記の最後に述べたことは、同定され
たラテックスアレルゲンの一つが上記ミクロヘリックス
複合体の成分であるという以下に述べる発見からみて重
要である。
【0030】上記のように、市販のラテックス手袋から
溶出させた蛋白も、ラテックスアレルギーの診断または
ラテックスアレルゲンの定量を行う免疫分析法の蛋白抗
原成分として使用されている。この方法の重大な欠点
は、異なるブランドの手袋(または同じブランドの異な
るバッチの手袋でさえも)がアレルゲン組成に、定性的
および定量的な差を示すということである。したがっ
て、ラテックス手袋の蛋白を抗原として利用する分析法
から得られる試験結果は、抗原の起源であった。ラテッ
クス手袋の選択によって著しく変化する。
【0031】予想外のことではないが、市販のラテック
スアレルゲン分析法は、感度と特異性を欠いているの
で、アレルゲン性を検出するのに、不完全にしか成功し
ていない。
【0032】市販のラテックス抗原の製剤( Stallerge
nes 社が供給)で試験した結果、その製剤は感受性患者
の100%に陽性の結果を与え、かつ非感受性の対照の
患者には陰性の結果を与えたと Levy は報告した(19
93年の報告)。しかし他の試験( Lagier らの199
2年の報告)では、ラテックスに対してアレルギー性で
あることが分かっていた被検患者(看護婦)の80%が
市販の Stallergenes社のキットで陰性の試験結果を示
した。40名のアレルギー患者(皮刺テストによって診
断)の試験から、Leynadier 、 Autegard および Levy
(1993年の報告)は、Stallergenes社のラテックス
アレルゲンならびに Allerbio 社と Bencard社が供給す
る他の二つの市販アレルゲンによって5〜16%の偽陰
性の試験結果がみられたと報告した。したがって偽陰性
の試験結果が、現在入手できる市販のラテックスアレル
ゲンによって起こっている。最も広く使用されているR
ASTキットは多分、Pharmacia Diagnostics社製のラ
テックスRAST K82とそのELISA分析法( P
harmacia CAP system )である。 Levy (1993年
の報告)は、これら分析法によって、皮刺試験法で陽性
のラテックスアレルギー患者の40〜90%の血清中に
IgE抗体を検出できると報告した。
【0033】ラテックスアレルゲンのその外の市販免疫
分析法は、Guthrie Research Institute ,U.S.A.
社が製造した“ Latex ELISA for Antigenic Prote
ins”(LEAP)である( Beezehold の1993年
の報告)。この分析法は、ラテックス蛋白に対するポリ
クローナル抗体を使用する間接的なELISA法( enz
yme - linked immunosorbent assay )に基づいてい
る。このような分析法は、ラテックスアレルゲン(すな
わち、IgEに特異的に結合する蛋白類)から、一般に
ラテックス蛋白抗原(すなわちアレルギー誘発抗体(I
gE)と非アレルギー誘発抗体の両者に結合する蛋白
類)を区別するのに充分に有効ではない。またこの分析
法を使用する場合は、測定すべき抗原/アレルゲンを含
有する試験試料を、一組の条件を使用してエンドユーザ
ーがELISAプレートに結合させる必要があるから、
抗原とアレルゲンがすべてELISAプレートに充分等
しく結合すると仮定されている。この仮定は誤っている
ので、利用される条件下で充分プレートに結合できない
抗原とアレルゲンは検出できないか、またはせいぜい次
善的に検出できるにすぎない。
【0034】したがって、ラテックスアレルゲンの改良
分析法が要望されている。このような分析法をつくるた
めには、個々のラテックスアレルゲンに対する抗体を発
生させて入手できるようにしなければならない。これを
実行するにはまず第一に特定のラテックスアレルゲンを
同定しなければならない。
【0035】各種のラテックスアレルゲン蛋白の発生に
ついて報告する多数の刊行物がある。ラテックスアレル
ゲンに関するすべての引用文献は実際に、ラテックスア
レルゲン蛋白を、分子量および/または時にはその等電
点で特徴づけている。分子量または等電点だけで特徴づ
けられたラテックスアレルゲンが、以下の理由から、同
定されているとは考えられない。
【0036】(a)蛋白類はラテックス製品を製造中に
分解し、これに基づいて単一のアレルゲン性蛋白が、分
子量または等電点を測定するためのゲル濾過法、HPL
C、等電点電気泳動法または電気泳動法のような蛋白分
離手順中に低分子量のいくつもの蛋白類として出現す
る。
【0037】(b)蛋白は凝集して、凝集していない蛋
白とは異なる見掛けの分子量と等電点を有する蛋白複合
体を生成する。そして
【0038】(c)いくつもの異なる蛋白類は類似の特
性(例えば分子量)をもっているので、互いに区別する
ことは容易にはできない。
【0039】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らの発
見によって、上記の困難は、(i) 天然ゴムラテックスか
ら特定のラテックスアレルゲン性蛋白を単離し、(ii)こ
れらの特定のアレルゲン性蛋白に対するモノクローナル
抗体を発生させ、その抗体類に標識を付けてそれらの分
解蛋白フラグメントとサブユニットを同定することによ
って克服される。
【0040】この発明によって、三つの特定のラテック
スアレルゲンが同定された。これらのアレルゲン類は、
International Union of Immunological Societies
によって承認されかつ Bulletin of the World Hea
lth Organisation ( Marshらの1986年の報告; M
arsh の1987年の報告)で刊行されたアレルゲン命
名法にしたがって、Hev b IV 、Hev b II および Hev
b IIIと命名されている。蛋白の Hev b IV は当
初、この発明の発明者らによって Hevb Iと命名された
が、Hev b I はゴム粒子の表面に発見されたゴム伸び
ファクター( Rubber Elongation Factor )として知
られているラテックス蛋白に他の研究者らがすでに与え
ていたので( Czuppon らの報告)、Hev b IV と命名
しなおしたのである。
【0041】これら3種のアレルゲンすべてに対してモ
ノクローナル抗体が生成し、またこれらのモノクローナ
ル抗体のいくらかはアレルゲンの分解産物またはサブユ
ニットを認識する。またこの発明によって分析法も提供
され、この分析法は、天然ゴムラテックスから単離され
た前記の特定のアレルゲン性蛋白類と、これら蛋白類に
対して生成したモノクローナル抗体との間の相互作用に
基づいている。
【0042】さらにこの発明は、実質的に精製された形
態であり、そして分子量が34/35kDaおよび36
/37kDaの二つのポリペプチド連鎖で構成されてい
ることを特徴とする天然ゴムラテックスの第二のアレル
ゲン性蛋白(Hev b II と命名されている);ならびに
そのアレルゲン性のサブユニットまたは凝集体を提供す
るものである。
【0043】別の態様で、この発明は前記アレルゲン類
のHev b II に対して生成するモノクローナル抗体を提
供するものである。
【0044】さらにこの発明は、前記アレルゲン性蛋白
類のHev b II の製造方法を提供するものである。
【0045】さらに別の態様でこの発明は、天然ゴムラ
テックスまたはゴムノキのヘベア・ブラジリエンシスの
他の組織から単離した特定の蛋白アレルゲン類と、これ
らアレルゲン類に対して生成するモノクローナル抗体と
の相互作用に基づいた、天然ゴムラテックスのアレルゲ
ン類のレベルの定性測定と定量測定を行う分析法を提供
するものである。分析されるアレルゲン類は、ラテック
ス製品を製造する際に使用されるラテックス中に存在し
ているかまたは製造されたラテックス製品中に存在して
いる。またこれらの分析法は、乾燥ゴムで製造した製品
中のアレルゲン性ラテックス蛋白類を定量するのにも使
用できる。
【0046】この発明はさらに、天然ゴムラテックスに
よって誘発されるアレルギー反応の発生を仲介する抗体
を同定および/または定量するための上記抗体−アレル
ゲン相互作用のいくつかまたはすべての使用を提供する
ものである。IgEとして知られている抗体のクラスに
属しているこのような抗体は通常、血液または血液製品
中に見られる。
【0047】この発明のさらに他の態様で、ラテックス
アレルゲン性蛋白類および/またはこのような蛋白類に
対するモノクローナル抗体および/またはその混合物
は、それらが分析法に用いられる場合それらの存在が検
出できるように例えばビオチンで標識を付ける。
【0048】またこの発明は、天然ゴムラテックスに対
するI型過敏症を決定する生体内もしくは生体外の診断
試験(例えば皮刺試験またはヒスタミン放出試験)での
前記アレルゲン類の Hev b II の使用を提供するもの
である。
【0049】またこの発明は、ラテックス蛋白アレルギ
ーを治療する際の脱感作剤としての前記アレルゲン類の
Hev b II の使用を提供するものである。
【0050】この発明の他の実施態様で、ラテックス製
品を、イオン強度が水より大きい塩(例えば塩化ナトリ
ウム)の溶液中または他の溶液中で浸出もしくは洗浄し
て、イオン強度が水より高い溶液に可溶性であることが
知られているラテックスアレルゲン類を選択的に除去す
る方法が提供される。
【0051】この発明の発明者らは、我々が、上記三つ
のラテックス蛋白類の独自性と特性を最初に明確に確認
し、新鮮なラテックスから該ラテックス蛋白類を大量に
精製する再現性がある方法を初めて報告し、そしてこれ
ら蛋白類のアレルゲン性を実証してそれら蛋白類を分析
法に使用することを初めて提案したと信ずるものであ
る。またこの発明の発明者らは、これら蛋白類に対する
モノクローナル抗体も生成させた。Hev b II はこの発
明以前には完全に未知であったと信ずるものである。He
v b IIIと Hev b IV が存在することはすでに示唆さ
れていたとはいえ、これらはそれらの分子量または等電
点のレベルしか確認されていなかった。これらの蛋白類
が、ラテックスのどの成分を起源にしているかを知らな
くてもおよび他の情報がなくても、それらの分子量に基
づいて、理論的には、蛋白類はラテックスから抽出でき
る。しかし、実際には、所望のアレルゲン性蛋白類と共
精製( co - purify )される類似の特性(すなわち分
子量)を有する蛋白類による汚染がないという合理的な
保証付きで、分子量だけに基づいて特定の蛋白類を抽出
および精製することは容易でない。このことから分かる
ように、定量免疫分析法に必要な純アレルゲン類の正確
な量を分取することが困難になる。
【0052】実施した試験の結果は、Hev b IV 、Hev
b II およびHev b IIIと命名され、この発明の発明者
らによって同定された三つの特定のアレルゲン性蛋白
類;ならびにその分解生成物もしくはサブユニットが、
すでに報告されているラテックス蛋白アレルゲン類の非
常に大きな部分を占めていることを示唆している。
【0053】モノクローナル抗体は、特定のアレルゲン
類、および該抗体が認識する抗原部位(エピトープ)に
対して非常に特異的である。親アレルゲンの分解フラグ
メントとサブユニット中に存在するエピトープ部位を認
識する適正なモノクローナル抗体を用いて、このような
フラグメントとサブユニットの独自性を解明することが
できる。
【0054】モノクローナル抗体は、蛋白アレルゲン
類、およびその分解フラグメントとサブユニットを同定
するのに重要であることに加えて、矛盾しない形態でか
つ商業上必要な規模でそれ自体産生を持続する(ポリク
ローナル抗体と比べて)という点で、商業的アレルゲン
を生成させるのにも重要である。
【0055】モノクローナル抗体のさらに別の利点は、
これらの抗体は、“アフィニティー・クロマトグラフィ
ー”として知られている蛋白精製系に組込むことができ
るということである。このような系を用いると、モノク
ローナル抗体が認識するアレルゲンを比較的大量に単離
・精製することができ、その量は、抗体と抗原の両者が
必要である“競合結合検定法”として公知のアレルゲン
分析法の一変形に使用するのに充分な量である。また純
品のアレルゲンは、血液試料中のラテックス誘発抗体
(IgE)を定量する免疫分析法または診断を目的とす
る皮刺試験にも用いることができる。
【0056】この発明によって、アレルゲン類のHev b
II に対して生成したモノクローナル抗体を選択して用
いて、アレルゲン類の定量またはラテックス特異的Ig
Eの定量を行う免疫分析法が開発される。ラテックスア
レルゲン類:Hev b II を認識するモノクローナル抗体
はUSM/RB4である。
【0057】特異的アレルゲン類の使用を取り入れる免
疫分析法は、アレルゲン類が未分画のラテックスセラム
中に含有されている免疫分析法より優れている。後者の
場合、ラテックスセラム中のアレルゲンの正確なレベル
は未知であり、また異なる起源由来のラテックスセラム
中のアレルゲンのコンシステンシーも不明確である。
【0058】さらに、アレルゲン類に対して特異的なモ
ノクローナル抗体の使用を取り入れる免疫分析法は、全
ラテックスセラム、アレルゲン富化または半精製の抗原
製剤を精製された特定のアレルゲン類の代わりに用いる
免疫分析法にポリクローナル抗体を用いる免疫分析法よ
り優れている。
【0059】この発明の一部を形成する免疫分析法の例
は次のとおりである。 (a)標識特異的アレルゲン類が、単一もしくは複数の
モノクローナル抗体、またはポリクローナル抗血清もし
くはポリクローナル抗体類を保持する固相に結合するの
を阻害するのに使用される競合結合分析法。
【0060】(b)固相に結合させたポリクローナル抗
体を用いて特定のアレルゲンを“捕捉し”、次にその捕
捉されたアレルゲンの存在を、標識を直接つけてもつけ
なくてもよいモノクローナル抗体で検出する2サイト分
析法(two site - assay )。
【0061】(c)固相に結合させたモノクローナル抗
体を用いて特定のアレルゲンを“捕捉し”、次にその捕
捉されたアレルゲンの存在を、標識を直接つけてもつけ
なくてもよいポリクローナル抗体で検出する2サイト分
析法。
【0062】(d)固相に結合させたモノクローナル抗
体を用いて特定のアレルゲンを“捕捉し”、次にその捕
捉されたアレルゲンの存在を、標識を直接つけてもつけ
なくてもよい他のモノクローナル抗体によって検出する
2サイト分析法。
【0063】(e)特定のアレルゲン類のHev b II
を、結合させるか溶液で、比濁分析法、ラスト分析法
(RAST法)またはラスト阻害法で用いるあらゆる形
態の免疫分析法。
【0064】
【発明の実施の形態】この発明の種々の態様を以下の添
付図面を参照してより詳細に説明する。
【0065】Bセラムに対するマウス抗血清は、Bal
b/c系マウスに、0.5mlのBセラムを腹腔内投与
し次いで3週間後に第二投与を行って免疫化することに
よって産生させた。これらのマウスは、第二投与を行っ
てから2週間後に心臓穿刺によって採血し、分離した血
清を区分し、凍結して貯蔵した。この血清は、ウェスタ
ンブロット分析によって、蛋白Hev b IV に対して同型
であることが発見された。
【0066】次にラテックス蛋白類に対するモノクロー
ナル抗体を生成させた。ゴムノキのヘベア・ブラジリエ
ンシス由来のラテックス蛋白類で免疫化させたBalb
/cマウスから得た脾細胞を、 Kohler と Milstein が
すでに報告している(1975年と1976年の報告)
プロトコルにしたがってマウス骨髄腫細胞と融合させ
た。得られたハイブリドーマ細胞を、いくつもの免疫・
分析法を用いて、ラテックス蛋白類に対して特異的な抗
体について選別した。選択されたハイブリドーマを2回
再クローン化し、次に、分泌されたモノクローナル抗体
を、ハイブリドーマ細胞の上澄み液中の未精製の形態、
またはアフィニティークロマトグラフィーで精製した製
剤として使用した。ラテックスアレルゲン類のHev b I
I 、Hev bIIIおよびHev b IV それぞれを認識するモ
ノクローナル抗体のUSM/RB4、USM/RC2お
よびUSM/RB3を分泌するハイブリドーマ細胞系の
試料は、 International Depository Authority とし
ての資格がある、英国、ウィルトシャー州、ソールズベ
リー所在の European Collection of Animal Cell
Cultures ,Centre for Applied Microbiology &
Research に寄託されている。USM/RB4の細胞系
は1994年12月7日に寄託され受託番号94120
727号が与えられている。USM/RB3とUSM/
RC2の細胞系は下記の仮の受託番号を与えられてい
る。
【0067】 受託番号 寄 託 日 USM/RB3 94120726 1994年12月7日 USM/RC2 94120728 1994年12月7日
【0068】次にゴムノキ:ヘベア・ブラジリエンシス
のラテックスから蛋白類を抽出し、特定のアレルゲンを
同定した。これらの蛋白類に対するモノクローナル抗体
と同型抗体を用いて特定の蛋白類を同定し、その分子量
を測定した。アレルゲン性蛋白類は、ラテックスに対し
てアレルギー性であることが分かっている患者から得た
血漿中のIgE抗体によって認識される蛋白類を測定す
ることによって同定した。この方法で同定されたアレル
ゲンは、モノクローナル抗体と同型抗体で同定された蛋
白とクロスマッチさせた( cross match )。
【0069】同定されたアレルゲンをいくつもの通常の
方法によって精製し、精製された蛋白類の独自性を、モ
ノクローナル抗体と同型抗体で標識をつけることによっ
て確認した。精製されたアレルゲンの等電点(pI)
は、pH範囲が3.5〜9.5のプレキャスト Ampholi
ne PAGプレートを備えたLKB Multiphor Model
2117等電点電気泳動装置を用い、メーカーの指示
( Pharmacia LKB社、スエーデン)にしたがって測
定した。1%グリシン中の濃縮試験試料約15μlをポ
リアクリルアミドゲルに塗布した。Hev b IV 、Hev b
II およびHev b IIIと命名された3種のラテックスア
レルゲンの分画と精製について説明する。
【0070】高速遠心分離機にかけると、ラテックスは
三つの主な画分すなわち頂部のゴムクリーム、“低部画
分”、そして中間に位置するCセラムに分離する。Hev
b IIIは小さなゴム粒子(平均の大きさ:約100nm
の直径)の表面に位置している。これらの粒子の多く
は、特に平均の大きさより小さい粒子は、遠心分離中に
ゴムクリームとともに分離しないのでCセラム中に残
る。
【0071】Cセラムは、ラテックスを遠心分離にかけ
たときに得られるラテックスの水性相であるから、Cセ
ラムの蛋白類は一般に水溶性である。それにもかかわら
ず、Cセラムは決して均一な流体ではなく、ラテックス
の遠心分離工程では分離されない主として微細な不溶性
物質を少量含有している、これらの不溶性物質の大部分
を形成しているのは非常に小さいゴム粒子であり、その
存在は電子顕微鏡法で確認されている。Hev b IIIは、
Cセラム中に懸濁しているこれらの小ゴム粒子の表面に
みとめられるので、技術的にCセラム蛋白である。しか
しHev b IIIは、通常Cセラムに関連している可溶性蛋
白類のうちの一つではない。Hev b IIIは界面活性剤に
よって可溶化され、そしてアンモニアによって部分的に
可溶化される。
【0072】Hev b IIIを抽出するため、ラテックス
を、刻み目をつけたゴムノキから冷却容器に集めた。そ
のラテックスを、Sorvall RC高速遠心分離機で190
00rpm(43000g)にて2時間遠心分離して、
遠心分離されたラテックスの“領域2( Znoe 2)”
( Moir の1959年の報告)に位置している小さなゴ
ム粒子を遠心分離管から回収した。領域2のゴムクリー
ムを30%スクロース溶液中に再懸濁させて汚染Cセラ
ムを洗浄除去し、次にその懸濁液を再び遠心分離に付し
た。そのゴムクリームを0.01% Triton X−100
と1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の混合物で処
理して膜蛋白類(membrane protein )を抽出した。
【0073】領域2のゴム抽出物をSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS PAGE)に付してそ
の分子量を測定した。領域2のゴム抽出物の電気泳動図
中には、クーマシーブルーによる染色によって検出可能
な二つの主要蛋白類がある。すなわち約14kDaの少
量の蛋白およびHev b IIIである24kDaの大量の蛋
白である。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の
基準分子量マーカーで測定したとき、Hev b IIIの見掛
けの分子量は24kDaであったが、この蛋白の質量分
析の結果は各種の種の分子量22.258,22.53
3,22.790および23.058kDaを示す。そ
れでもやはり、24kDaの値を、この明細書でHev b
IIIの分子量を今後引用する場合に使用する。Hev b I
IIをトリプシンで消化したところ下記の内部アミノ酸配
列を示した。
【0074】VSSYLPLLPTEK GDLSTVSRLK IVLDVASSVFNTR(K/Q)E(K/Q)K VTPVYYLGTPTV 上記の配列中の、アミノ酸に対する一アルファベット文
字記号は、 Cohn の1984年の報告にしたがってい
る。
【0075】Hev b IIIおよびHev b IIIを分解して誘
導したポリペプチドフラグメントを認識する(Hev b I
IIと該フラグメントと特異的に反応する)モノクローナ
ル抗体のUSM/RC2を生成させた。
【0076】あるいは、Hev b IIIは、Cセラムを、セ
ファデックスG−150クロマトグラフィーカラム
(2.6cm×81cm)を通過させ、0.25Mトリ
ス−HCl(pH8.0)を溶離緩衝液として用いて、
調製することができる。Cセラムの分画は溶出画分を2
80nmの波長光の吸光度を監視しながら行った。溶出
される第一の主要ピークは、カラムの空隙容量を示しか
なりな量の小ゴム粒子を含有している(ピークA、図
1)。この画分は透析し、凍結乾燥して濃縮し、次に
0.01%の Triton X−100と1%のドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)の混合物で抽出した。
【0077】免疫金標識法(immuno - gold labelling
technique )を用いて、USM/RC2が認識する蛋
白が、Cセラム中に懸濁している小ゴム粒子の表面に存
在していることを実証した。ゲル濾過を行ったCセラム
の空隙容量から得た小ゴム粒子(直径が約45nm)を
四酸化オスミウム内で簡単に固定し、ホルムバール(Fo
rmvar )−カーボンでコートしたニッケルグリッド上に
堆積させた。そのグリッドをまず1%ウシ血清アルブミ
ンを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS−BSA)(p
H7.2)で30分間ブロックし、次いでUSM/RC
2とともに15分間インキュベートした。すすいだ後、
5nmのヤギ抗マウス免疫グロブリン(IgG)金複合
体とともにさらに15分間インキュベートし、2%リン
タングステン酸(pH6.8)を用いネガティブ染色法
でコントラストをつけた。電子顕微鏡で検査したとこ
ろ、金の粒子が小ゴム粒子の表面上に観察された(図
2)。これはUSM/RC2が認識するポリペプチド
(Hev b III)が、Cセラム中に懸濁されている小ゴム
粒子の表面上にあることを示している。
【0078】親アレルゲンのHev b IIIは分解されて小
さいポリペプチドフラグメントになり易い。この分解反
応は、低部画分から抽出された液相である“Bセラム”
の存在によって促進される(Bセラムの製造法の下記説
明参照)。
【0079】CセラムとBセラムを5:2の比率で混合
すると、モノクローナル抗体USM/RC2とともにイ
ンキュベートされたもののウェスタンブロット由来の蛋
白バンドは、それらはCセラムなしのUSM/RC2に
よってピックアップされないのでBセラムから誘導され
ない。その上に、Cセラムをセファデックスカラムで濾
過すると(上記事項参照)、初期に溶出する画分(ゴム
粒子を含有する空隙容量)はUSM/RC2と強く反応
する(ピークA、図1)。一方、中期および後期に溶出
される画分(これらの画分には可溶性蛋白類が見られる
と予想される)は、モノクローナルUSM/RC2との
反応性がはるかに低い。このことはこれらの画分中には
Hev b IIIがはるかに少ないことを示している(ピーク
BとC、図1)。これらの観察結果は、Hev b IIIが初
期に溶出される画分にみられる小ゴム粒子に会合してい
るという説と一致している。
【0080】ポリペプチド成分を含有するフラクション
が回収される分取SDS PAGEを用いて、Bセラム
で処理したCセラム蛋白類を分離した後、Hev b IIIか
ら誘導されるポリペプチドのアレイを明確に見ることが
できる。逐次画分をSDSPAGEに付し、次にこれら
蛋白類をニトロセルロース膜に移した(ウェスタンブロ
ット法)。次にこの膜をモノクローナル抗体USM/R
C2とともにインキュベートし、そして4−クロロ−1
−ナフトールの存在下でその基質と反応すると着色産物
を生成する酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ)と複合
した二次抗体を用いて、上記の結合を検出した。
【0081】モノクローナル抗体または同型抗体に結合
する蛋白バンドの有無について試験する上記手順の変形
では、ニトロセルロース膜を、ラテックスに対してアレ
ルギー性の患者の血清または血漿を含有する溶液中でイ
ンキュベートした。該膜に固定化された蛋白類に捕捉さ
れる患者のIgEは、ヒトIgEのε−重鎖に対して特
異性を有する、酵素複合二次抗体を用いて検出すること
ができる。捕捉された抗体は上記のように着色性基質
( colorigenic substrate )を用いて可視化すること
ができる。これらのウェスタンブロットは、分子量が約
5kDa〜約24kDaの範囲内にある、Hev b IIIの
多数の分解生成物が、モノクローナル抗体USM/RC
2によって認識されることを示している(図3(A)、
パネルAとB)。分子量が24kDaより大きい蛋白類
も認められるが、このことは、蛋白の凝集が起る可能性
があることを示唆している。USM/RC2がこれら各
種のポリペプチドに結合するということは、これらのポ
リペプチドはHev b IIIが共通の起源であることを明確
に示している。Hev b IIIから誘導される蛋白類のうち
の少なくとも一つの分子量が12kDaの蛋白は、ラテ
ックスアレルギーの患者由来のIgEと結合することか
らアレルゲン性である(図3(A)、パネルC)。遠心
分離にかけた新鮮なヘベアラテックスのゴムクリームか
ら調製したHevb IIIのウェスタンブロットを、ラテッ
クスIgE陽性の二分脊椎の患者から集めた血清ととも
にインキュベートした。IgEがHev b IIIと結合する
ことは、二分脊椎の患者がこの蛋白に対して特にアレル
ギー性であったことを示している(図3(B))。
【0082】Hev b IIIに対するモノクローナル抗体に
ついてさらに、BセラムとCセラムを2:5の比率で混
合した混合物の二次元(2D)ポリアクリルアミドゲル
電気泳動によって特性決定を行った。等電点電気泳動を
一次元に用い次いでSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動を二次元に用いた。銀で染色すると、等電点(p
I)と分子量が異なるいくつかの蛋白類が現われる。整
合している( matching )2Dゲルをニトロセルロース
膜上に電気ブロットさせ(ウェスタンブロット)、次に
Hev b IIIに対するモノクローナル抗体とともにインキ
ュベートした。上記抗体に結合するラテックス蛋白類
は、二次酵素複合抗体を用いる酵素反応によって出現す
る。Hev b IIIに特異的に結合するポリペプチドは主と
して、分子量が14〜24kDの範囲内でかつpIが約
4.4〜4.46の範囲内のものであることが見出され
ている(図4)。これらポリペプチド類のウェスタンブ
ロットにおける空間分布(spacial distribution )
は、二分脊椎がみられる患者がアレルギー性であるラテ
ックス蛋白類と非常に類似している(Alenius の199
4年の報告)。
【0083】Hev b IV とHev b II を抽出するため、
上記のように収集して遠心分離に付した。低部画分を遠
心分離に付したラテックスから回収し次いで凍結と融解
を交互に繰り返して低部画分の主成分であるルトイド
( lutoid )を破裂させた( Hsia の1958年の報
告)。破裂させたルトイドから放出されるセラム(Bセ
ラム)をさらに遠心分離にかけて回収した。10mlず
つのBセラムを、約5℃にて2lの蒸留水中に透析し
た。得られた沈澱を、20000gで30分間、遠心分
離にかけて回収し、10mlの0.35M塩化ナトリウ
ム溶液に再溶解し、得られた溶液はこの操作を通じて氷
水浴中に保持した。
【0084】Hev b IV とHev b II を抽出する別の方
法は、BセラムとCセラムを2:5の比率で混合し次い
で15分間〜一夜、室温でアレルゲンを沈澱させる方法
である。得られた沈澱を遠心分離によって集め次いで
0.35M塩化ナトリウム溶液またはリン酸緩衝食塩水
に再溶解する。
【0085】Hev b IV とHev b II の粗抽出液を、
0.35M塩化ナトリウム溶液で平衡化させたセファク
リルS−200のカラム(70×1.6cm)のカラム
クロマトグラフィーに付し、同じ溶媒で溶出させた。5
mlずつの画分を集め、各画分の280nmでの光学濃
度を測定した。このようなカラムクロマトグラフィーの
操作をいくつか行って、カラムから溶出された成分の実
質的な量を回収する。
【0086】六つのピークA〜F由来の画分は上記のカ
ラムクロマトグラフィーによって回収した(図5)。こ
れらの画分は酵素免疫分析法によって試験して、モノク
ローナル抗体のパネルによって認識される蛋白類の存在
の有無およびラテックスアレルギー性患者由来のIgE
を捕捉する性能について測定した。これらのデータを表
Iに示す。ピークAとBの単一もしくは複数の成分は、
ラテックスアレルギー患者13名中11名(84.6
%)によって認識され、一方、該患者13名中4名(3
0.8%)がピークEとFの単一もしくは複数の成分を
認識する。
【0087】
【表1】
【0088】蛋白と抗体の正の結合は、ヒトIgEに対
する酵素複合抗体(上記の患者血漿試料の場合)および
マウス免疫グロブリンに対する二次抗体(上記モノクロ
ーナル抗体類の場合)によって仲介される酵素(ペルオ
キシダーゼ)の反応によって検出した。
【0089】モノクローナル抗体USM/RB3とUS
M/RB4はピークAとBおよびピークEとFの成分を
識別する(表I)。
【0090】ピークA〜F中の蛋白は、試料にメルカプ
トエタノールを添加して還元し加熱して、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動で分離した。クーマシーブ
ルーで染色した後に観察された主な蛋白バンドは、ピー
クAとB由来の大きなバンド:50〜57kDaならび
に小さなバンド65,22および18kDaと、ピーク
EとF由来のバンド:36/37,34/35kDaで
ある(図6、パネルA)。ピークFにおいて、34/3
5kDaの蛋白は36/37kDa蛋白より顕著であっ
たが、両者の蛋白はピークEでは一般に同様の量で見出
された。マッチングゲル(matching gel )をエレクト
ロブロットさせ、次いでラテックス特異的IgEを含有
することが分かっている血漿とともにインキュベートし
た。アレルゲン性であると観察される蛋白類は、ピーク
AとB由来の分子量が48〜58kDa,22kDaお
よび65kDaの蛋白、ならびにピークEとF由来の3
4/35kDaと36/37kDaの蛋白である(図
6、パネルB)。
【0091】ピークAとBは、非還元条件下で処理する
と高分子量の蛋白を含有し(図7、パネルa)、その蛋
白は、見掛けの分子量が50,55および57kDaの
ポリペプチド連鎖の三つの主要な種で構成されている、
分子量が48〜58kDaの範囲内のジスルフィド結合
モノマーで形成されている。これらのサブユニットはす
べて、Hev b IV に対する同型抗体によって容易に認識
される(図7、パネルb)。しかし非還元条件下で処置
したアクリルアミドゲルを電気泳動によってニトロセル
ロースに移すと、Hev b IV に対するこの同じ同型抗体
は、分子量が約29kDa,32kDa,40kDa,
50kDaおよび75〜80kDaの範囲の小さいポリ
ペプチドを認識するのを見ることができる。またこれら
のポリペプチドは、異なるハイブリドーマクローン由来
の10個の他のモノクローナル抗体(その一例はUSM
/RB3である)によって認識され、その一例を図8に
示す。
【0092】1,3−β−グルカナーゼ活性を、比色法
でピークEとF中に検出した。ピークEとF由来の試料
をラミナリン(50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5.
2中1mg/ml)とともにインキュベートした。還元
糖が放出され1,3−β−グルカナーゼ活性が存在して
いることを示した。ピークEとFは分子量が34/35
kDaと36/37Kaである二つのポリペプチド連鎖
として存在するアレルゲンHev b II を含有し、そして
これらポリペプチド連鎖は連鎖間のジスルフィド結合に
よって結合されていないので、ゲル濾過カラムからはわ
ずかに異なる時間に放出される。これら両方のポリペプ
チドは二つのモノクローナル抗体で認識され、その抗体
の一つはUSM/RB4である(図9)。
【0093】アレルゲン性蛋白類の特性決定をさらに行
うため、Bセラムを分取ゲル電気泳動に付した。そのと
き、試料は還元も加熱も行わず、該蛋白類を、7.5%
ポリアクリルアミドゲルを通じて泳動させて逐次画分を
集めた。これら画分の内容物を、上記のモノクローナル
抗体および同型抗体を用いて同定したがHev b IV とHe
v b II はこの方法で回収可能である。Hev b IV はこ
れらの条件下、高分子量の蛋白として回収可能であり、
そして見掛けの分子量がそれぞれ100,110および
115kDaの三つの主要種に明確に分離され、これら
は図10のパネルaのレーン2,5および9に見ること
ができる。これらの画分を還元・変性条件下でSDS
PAGEに付し次いでニトロセルロースに移し、得られ
たウェスタンブロットをHev b IV に対する同型抗血清
でプローブしたところ、先に述べたような分子量範囲が
48〜58kDaの広いバンド(図7参照)を示すの
で、上記条件下で分取ゲル電気泳動によって分離した単
バンド( single band )は、ゲル濾過で回収可能なピ
ークAとBの蛋白を示すことが証明された。この蛋白も
ヒトアレルゲンであるということは図10のパネルbに
示されている。このパネルbにおいて、上方のパネルは
分取ゲル電気泳動で回収されたHev b IV の三つの画分
のウェスタンブロットを示し、下方のパネルは前記三つ
のバンドに結合する、ラテックスアレルギー患者由来の
IgEを示す。このアレルゲンHev b IV が3個の主要
な種を含有している別の証拠は、三つのピークを示すこ
れら試料のキャピラリー電気泳動( Beckman Instrume
nts 社)によって示される。この分析の結果は、これら
の試料中に他のピークが全く認められないことを示し、
この発明の発明者らがHev b IV をその三つの主要形態
に精製しそしてこれらの形態がすべてラテックスアレル
ギー患者由来のIgEによって認識されるという決定的
な証拠を提供している。
【0094】透析によって沈澱し塩化ナトリウム溶液に
再溶解可能なHev b IV とHev b II は、ミクロヘリッ
クス(複数のミクロヘリックス)として知られているラ
テックスBセラム蛋白複合体と同様に挙動する。このミ
クロヘリックスは、電子顕微鏡で観察されすでにいくら
か詳細に特性が決定されている繊維状らせん構造の糖蛋
白複合体である( Archer らの1963年の報告;Gome
z およびYip の1975年の報告;Gomez および Tata
の1977年の報告; Tata およびGomez の1980年
の報告)。Gomez と Moir の1979年の報告にまとめ
られているように、透析されたBセラムから調製したミ
クロヘリックスは、長さが1μm以上、直径が20n
m、繊維幅が約5nmおよびらせんのピッチはオープン
アンドホロー形(open and hollow )で約30nmで
ある。個々のミクロヘリックスは会合して束になること
が多い(図11)。電子顕微鏡により高分解能で見る
と、ミクロヘリックスが、1回転当り3〜4個の粒子で
らせん形に配列された、直径が3〜3.5nmの球状粒
子で構成されている数珠つなぎ構造をもっていることが
分かる。
【0095】免疫金標識法を用いて、蛋白のHev b IV
とHev b II の一方または両方がミクロヘリックス複合
体の成分であるかを決定した。ミクロヘリックスは、B
セラムを透析した調製し、次にホルムバール−炭素でコ
ートしたニッケルグリッド上に堆積させた。このグリッ
ドをまず、1%のウシ血清アルブミンを含有するリン酸
緩衝食塩水pH7.2(PBS−BSA)で30分間ブ
ロックした。15分間のインキュベーションを、モノク
ローナル抗体USM/RB3(Hev b IV と特異的に結
合する)およびUSM/RB4(Hev b II と特異的に
結合する)とともにそれぞれ別個に実施した。これらの
モノクローナル抗体は、この免疫反応において一次抗体
として働く。すすいだ後、ミクロヘリックスとの結合に
成功したモノクローナル抗体を、10nmのヤギ抗マウ
ス免疫グロブリン(IgG)金複合体(二次抗体)とと
もに15分間インキュベートし、2%のリンタングステ
ン酸(pH6.8)を用いてネガティブ染色を行ってコ
ントラストをつけて電子顕微鏡で検査することによって
検出した。図11に示すように、金の粒子がUSM/R
B3とともにインキュベートされたミクロヘリックス上
に濃縮されており、このことは、USM/RB3が認識
するポリペプチド(Hev b IV )がミクロヘリックス複
合体の成分であることを示している。一方、USM/R
B4とともにインキュベートしたミクロヘリックスと、
金粒子との会合は全く起こらなかった。このことは、He
v b II が恐らくミクロヘリックス複合体の成分ではな
いことを示唆している。
【0096】ミクロヘリックスがアレルゲンであること
をさらに実証するため、上記の免疫金標識法を繰返し
た。但しHev b IV に対して感受性であるが一次抗体源
として用いたHev b II に対して感受性でないアレルギ
ー患者由来の血漿を用いた。インキュベーションのpH
は8.0であった。IgEに対するモノクローナル抗体
は免疫反応の二次抗体として作用したが、ヤギ抗マウス
免疫グロブリン(IgG)金複合体は三次抗体として働
いた。図12に示すように、金の粒子(5nm)がミク
ロヘリックスと会合することが観察されたが、これはミ
クロヘリックスがアレルゲン性蛋白であることを示して
いる。
【0097】ミクロヘリックスまたはそのポリペプチド
誘導体がラテックス手袋から抽出可能な蛋白類中に見出
されることを確認するため、ラテックス手袋をリン酸緩
衝食塩水中に入れてラテックス手袋の水性溶出液を調製
し、これをウサギの皮下に注射して、手袋蛋白の混合物
に対するポリクローナル抗体を生成させた( Sunderasa
n とYeang の1994年の報告)。ミクロヘリックスの
免疫金標識付けを、これらのポリクローナル抗体を使っ
て実施したところ、ヤギ抗ウサギIgGに複合した10
nmの金の粒子は、ミクロヘリックスと会合しているこ
とが明らかに認められた(図13)。このことは、ミク
ロヘリックス蛋白複合体のポリペプチド成分がラテック
ス手袋の溶出液中に生成していることを示す。
【0098】Hev b IV は分子量が約55kDa(5
0,55,57kDa)のモノマーポリペプチドで構成
されているオリゴマーとして存在し、このモノマーポリ
ペプチドはジスルフィドで連結され、分子量が上記のよ
うに約105kDa(100,110,115kDa)
の二量体になっている。等電点電気泳動法によって、He
v b IV は、pH4.5の領域にpIを有する酸性蛋白
であることが明らかになった。そのN末端アミノ酸配列
はELDEYLFSFGDGLYDAGNAと決定した
(これらアミノ酸に対する一アルファベット文字の記号
は Cohn の1984年の報告にしたがっている)。図1
4はレーン1〜4にBセラムが負荷されたSDS−PA
GEゲルをクーマシーブルーで染色したものを示す。B
セラムの試料は、負荷する前に、還元するかもしくは還
元せず、および95℃で3分間加熱するかもしくは加熱
しなかった。対応するゲルをニトロセルロース膜にエレ
クトロトランスファー(electro - transfer)させ、得
られたウェスタンブロットを、Hev b IV に対するポリ
クローナル同型抗体でプローブした。試料を還元し加熱
したとき(レーン1)、Hev b IV は約50〜57kD
aの間の広いバンドとして存在することを試験結果は示
している。しかし試料を加熱したが還元しなかった場合
(レーン3)、Hev b IV は約105kDaの高分子量
のバンドとして見出され、これはHev b IV のモノマー
(分子量50〜57kDa)がジスルフィドで連結され
て105kDaの二量体を形成していることを示してい
る。さらに試料を加熱も還元もしなかったとき(レーン
4)、その蛋白はゲル中に入らず105kDaにごく弱
い反応性のバンドしか与えなかった。これは105kD
aの二量体が、加熱されると解離するより大きなオリゴ
マーを形成していることを示唆している。
【0099】上記のゲル濾過処理由来の画分AとB中に
回収された蛋白も、図15に示すように100〜115
kDaの二量体として存在する50〜57kDaの広い
バンドを含有しており、図15において上方のゲルは還
元条件下で処理され、一方下方のゲルは非還元条件下で
処理され、50〜57kDaのバンドと100〜115
kDaのバンドとの関係を実証している。
【0100】ミクロヘリックスは、先に述べたようにす
でに報告されているが、この明細書に示す試験結果は、
ミクロヘリックスが免疫原性でかつアレルゲン性である
ことを述べた最初の報告である。蛋白の変性もしくは分
解によって生じるHev b IVのポリペプチドフラグメン
トについてこの明細書で詳細に説明する。
【0101】蛋白Hev b II を異なる画分中に回収し、
そしてその分子量がHev b IV よりはるかに小さい(3
4/35kDaおよび36/37kDa)ので、両方の
ポリペプチド連鎖は同じ画分中に回収され、そのクーマ
シーブルー染色SDS PAGEゲルは他の可視バンド
を全く示さなかった。この画分を、非還元条件下で処理
したSDS−PAGEゲルからエレクトロトランスファ
ーした後ウェスタンブロット分析に付したとき、モノク
ローナル抗体USM/RB4に認識される蛋白はラテッ
クスアレルギー患者由来のIgEにも認識されることが
明確に示された。このような反応の一例を図10のパネ
ルcに示す。図10のパネルcで、上部パネルは画分1
5(中央トラック)中の少なくとも四つのバンドおよび
Bセラムの対照(左トラック)中の二つのバンドに結合
するIgEを示す。
【0102】Hev b II の等電点電気泳動を行ったとこ
ろ、約9.6のpIの位置に単バンドが出現した。
【0103】Hev b II は陰極性自然( cathodic nat
ive )PAGE系で電気泳動を行うことができた。この
蛋白は、 Reisfeld らの1962年の報告の方法にした
がって、酸性pH下で電気泳動を行った後、クーマシー
ブルー染色を行うことによって、単バンドとして現われ
た。同様のゲルを、50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH
5.2中でラミナリン(1.5mg/ml)とともに3
7℃で3時間インキュベートした。次にそのゲルを、
0.05%アニリンブルーを含有する150mMK
HPO 、pH8.6の溶液中に1時間入れた( Cote
らの1982年の報告)。クーマシーブルーで染色し
た後に見られるバンドに対応する染色バンドが観察さ
れ、このことは1,3−β−グルカナーゼ活性を示す。
Hev b II の内部ペプチドフラグメントはアミノ酸配
列:FDENNXQPEVEを示し、そしてもう一つの
ペプチドフラグメントは配列:RNIHDAIRSAG
LQを示した。なおアミノ酸に対する一アルファベット
文字記号は Cohn の1984年の報告にしたがってい
る。前者の配列は、タバコの草本およびトマトの草本中
に存在するエンド−1,3−β−グルカナーゼのアミノ
酸配列と85.2%の相同性を示した。
【0104】ルトイド膜を界面活性剤で抽出することに
よって、両方の分子の大きさのHevb II が大量に得ら
れる。このことは、Hev b II がルトイド膜と会合して
いることを示唆している。
【0105】ヒトアレルゲンとしてUSM/RB4によ
って認識される蛋白類の重要なことをさらに測定するた
め、ラテックスアレルギー性の患者由来のIgEとの反
応に、Hev b II 蛋白を含有するニトロセルローススト
リップを用いてウェスタンブロットを行ったところ、1
3名のヒトの血漿試料中8名(61.5%)の試料がHe
v b II を認識することを示している(図16)。この
試験では精製Hev b II を使用したので、Hev b II の
患者IgEに対する感受性はこの場合、表Iに示した試
験の場合より大きかった。
【0106】多量のHev b IV 、Hev b II またはHev
b IIIが必要な場合は(例えば免疫分析法の市販製剤
用)、これらは上記の方法で製造できる。あるいは、モ
ノクローナル抗体のUSM/RC2、USM/RB3お
よびUSM/RB4またはそれらの均等な抗体は“アフ
ィニティークロマトグラフィー”のカラムまたは他の固
相マトリックスに取り入れることができる。ラテックス
のCセラム、Bセラムまたは他のラテックス由来製剤を
上記のような固相マトリックスと反応させ次いで適応な
緩衝液で溶離させることによって、それぞれのアレルゲ
ンを高度に精製された形態で回収することができる。
【0107】Hev b IV とHev b II が塩化ナトリウム
に可溶性であるということは、ラテックス製品を浸出ま
たは洗浄してアレルゲン性蛋白類を除去する操作に利用
できる。Hev b IV とHev b II (およびこれらのサブ
ユニットおよび分解生成物)は、水よりイオン強度が高
い塩(例えば塩化ナトリウム)の溶液または他の溶液を
浸出または洗浄に用いると、一層有効に除去される。そ
の効果の一例を表IIに示す。表IIは、天然ゴムラテック
スのフィルムから、水および0.35M塩化ナトリウム
溶液によって、全蛋白、全抗原(すなわちアレルゲン類
と非アレルゲン類)、およびUSM/RB4に結合する
アレルゲン性蛋白を抽出した結果を示す。塩化ナトリウ
ム溶液は、全蛋白と全抗原を水より有効に除去するが、
塩化ナトリウムの一層大きな効率はUSM/RB4に結
合するラテックスアレルゲンの場合に極めて顕著である
ことは明らかである。すなわち、水で抽出可能な全蛋白
と全抗原の量はそれぞれ0.35M塩化ナトリウム溶液
で抽出可能な全蛋白と全抗原の量の59.5%と77.
7%であるのと比べて、水で抽出可能なアレルゲンの量
は0.35M塩化ナトリウム溶液で抽出可能な量の4.
5%に過ぎない。したがって、0.35Mの塩化ナトリ
ウム溶液を使用すると、この特別のラテックスアレルゲ
ンを抽出する場合の効率が選択的に増大する。
【0108】
【表2】
【0109】抗原とアレルゲンは、競合ELISA法で
分析した。ラテックス手袋に対してウサギ中に生成した
ポリクローナル抗体を、全抗原の分析に使用した。百分
率は、塩化ナトリウムで溶離させて得た値を100%と
して算出する。
【0110】
【実施例】これは、特定のアレルゲン性蛋白類に対して
生成するモノクローナル抗体を用いて、ラテックスで製
造された製品(手袋)中のアレルゲンのレベルを測定す
るこの発明の分析法の一実施例である。
【0111】さきに述べたように、市販のラテックス手
袋から溶出させた蛋白類は、ラテックスアレルギーの診
断またはラテックスアレルゲンの定量を行うための免疫
分析法の蛋白抗原成分としてすでに使用されている。こ
の方法の重大な欠点は、図17と下記表III に示す知見
から分かるように、異なるブランドの手袋はそのアレル
ゲンの組成が定性的および定量的な差を示すということ
である。USM/RB3とUSM/RB4はこの発明に
よるモノクローナル抗体である。
【0112】
【表3】
【0113】
【表4】
【0114】
【表5】
【0115】
【表6】
【0116】
【表7】
【0117】
【表8】
【0118】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、セファデックスG−150でCセラム
(C−serum )のゲル濾過を行って得た逐次画分を示
す。主ピークA,BおよびCが示されている。ピークA
は主として小ゴム粒子(直径が約45nm)および分子
量が300000kDaより大きい大きな蛋白類が入っ
ている空隙容量を示す。
【図2】図2は、Cセラムから分画した、小ゴム粒子の
表面上のHev b IIIの免疫金検出(immuno−gold dete
ction )の結果を示す。ヤギ抗マウスIgGに複合した
金粒子は、Hev b IIIに特異的に結合するモノクローナ
ル抗体USM/RC2が存在することを示す。
【図3】図3(A)はHev b IIIの分取ゲル電気泳動法
による分析結果を示す。分取電気泳動セルからのBセラ
ムとCセラムの混合物の逐次画分のウエスタンブロット
である。これらのタンパク質画分はSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(15%ゲル)に付し次いでクー
マシーブルーで染色し(パネルA)、モノクローナル抗
体USM/RC2とともにインキュベートし(パネル
B)、次いで患者の血漿とともにインキュベートして捕
捉されたIgEの存在について試験した(CS=Cセラ
ム)。又図3(B)は、遠心分離したラテックスのゴム
クリームから抽出し、次にラテックスアレルギー性の成
人患者由来の血清とともにインキュベートした蛋白(左
側)、およびラテックスアレルギー性の二分脊椎患者由
来の血清とともにインキュベートした蛋白(右側)のウ
ェスタンブロットを示す〔SDS−PAGE(15%ゲ
ル)〕。Hev b IIIのバンドを矢印で示す。
【図4】図4は、BセラムとCセラムの2:5の比率の
混合物の二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果
を示す。等電点電気泳動法を第一次元で用い次にSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を第二次元で用い
た。得られたゲルを、ニトロセルロース膜上に電気ブロ
ットを行い、次にモノクローナル抗体USM/RC2と
ともにインキュベートした。ある範囲のラテックス蛋白
類(主に、推定pIが4.4〜4.46で分子量が約1
4〜24kDaの範囲のもの)がUSM/RC2と結合
する。
【図5】図5は、透析されたBセラムから得た沈澱をセ
ファクリルS200によるゲル濾過に付して得られた逐
次蛋白画分を示す。上記沈澱は、0.35M塩化ナトリ
ウム溶液に再溶解してからゲル濾過した。主画分A〜F
が示されている。
【図6】図6は、セファクリルS200によるゲル濾過
で得た蛋白類を電気泳動(15%ゲル)によって分離し
た結果を示す。レーン1:ピークEとFが合体してい
る;レーン2:ピークAとBが合体している;レーン
3:分子量マーカー。パネルA:クーマーシーブルーで
染色したゲル。パネルB:ラテックスに対してアレルギ
ー性の患者の血漿とともにインキュベートしたゲルのウ
ェスタンブロット。
【図7】図7は、ゲル濾過クロマトグラフィーによるHe
v b IV の精製結果を示す。種々のピークの蛋白類がS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(15%ゲル)
によって分離された。得られたゲルをクーマシーブルー
で染色した(a)。マッチングウェスタンブロット(ma
tching western blot )をHev b IV に対する同型抗
血清(homotypic antiserum)でプローブした(bと
c)。試験試料は還元し加熱するか(b)または還元せ
ずかつ加熱しなかった(c)(M=分子量マーカー、B
S=Bセラム)。
【図8】図8は、アレルゲンHev b IV に対する同型抗
血清(A)およびHev b IV に対するモノクローナル抗
体(USM/RB3)(B)でプローブされたラテック
ス蛋白類のウェスタンブロットである。レーン1:Bセ
ラム;レーン2:Bセラム+Cセラム;レーン3:Cセ
ラム。試料はすべて非還元条件下加熱なしで試験した。
【図9】図9は、ゲル濾過クロマトグラフィーによるHe
v b II の精製結果を示す。各種のピークの蛋白類をS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(15%ゲ
ル)で分離した。そのゲルをクーマシーブルーで染色し
た(a)。マッチングウェスタンブロットをモノクロー
ナル抗体USM/RB4でプローブした(b)。(M=
分子量マーカー、BS=Bセラム)。
【図10】図10は各種アレルゲンの分取ゲル電気泳動
による分析結果を示す。 パネルa:アレルゲンHev b IV の分取ゲル電気泳動分
析結果。Bセラムを非還元性でかつ非変性の条件下、
7.5%のゲルを用いて分離した。モノクローナル抗体
USM/RB3とともにインキュベートした。 パネルb:精製Hev b IV のウェスタンブロット。モノ
クローナル抗体USM/RB3(上図)およびラテック
スに対してアレルギー性の患者の血漿(下図)とともに
インキュベートした。SDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動は12%のゲル上で行った。 パネルc:精製Hev b II のウェスタンブロット。ラテ
ックスに対してアレルギー性の患者の血清(上図)およ
びモノクローナル抗体USM/RB4(下図)とともに
インキュベートした。SDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動は12%のゲル上で行った。
【図11】図11はBセラムから調製したミクロヘリッ
クス上のHev b IV の免疫金検出を行った結果を示す
(束状に存在していることを示す)。ヤギ抗マウスIg
Gに接合した金粒子は、Hev b IV に特異的に結合する
モノクローナル抗体USM/RB3の存在を示す。
【図12】図12は、天然ゴムラテックス由来のHev b
IV に対してアレルギー性である(しかしHev b II に
対してはアレルギー性でない)患者の血漿から得たIg
Eによる、ミクロヘリックスの認識を示す。ミクロヘリ
ックスを血漿とともにインキュベートし次いでモノクロ
ーナル抗ヒトIgE抗体とともにインキュベートした。
次いで、10nmのコロイド金に複合させたヤギ抗マウ
ス抗体で標識付けを行った。
【図13】図13はラテックス手袋の蛋白類に対するポ
リクローナル抗体の免疫金検出を行った結果を示す。こ
れらの抗体はウサギ中に生成させた。ヤギ抗ウサギIg
Gに複合された金粒子は、Bセラムから調製したミクロ
ヘリックス(束状に存在しているを示す)上に免疫原性
ポリペプチド類が存在することを示す。
【図14】図14は異なる処置を受けたBセラムのSD
S−PAGE(15%ゲル)による分離の結果を示す。
対応するウェスタンブロットを、Hev b IV に対するポ
リクローナル同型抗体でプローブした(B)。電気泳動
による分離を行う前に、Bセラムの試料を、還元して加
熱し(レーン1)、還元して加熱せず(レーン2)、還
元せずに加熱し(レーン3)、および還元も加熱もしな
かった(レーン4)。ゲルはクーマシーブルーで染色し
た。M=分子量マーカー
【図15】図15は透析によってBセラムを沈降させて
得た分画蛋白類(本明細書に記載されている画分A〜
F)のSDS−PAGE(10%ゲル)分離の結果を示
す。電気泳動による分離を行う前に、試料は還元して加
熱し(上のパネル)および還元せずに加熱した(下のパ
ネル)。これらのゲルはクーマシーブルーで染色した。
M=分子量マーカー;BS=Bセラム
【図16】図16は、モノクローナル抗体のUSM/R
B3(レーン14)、USM/RB4(レーン15)お
よびアレルギー患者由来のIgE(レーン1〜13)で
プローブしたHev b II のウェスタンブロットストリッ
プである。
【図17】図17は、6種のブランドの手袋(4〜9と
表示した)からの蛋白溶出物の電気泳動分離(15%ゲ
ル)のウェスタンブロットを示す。ポリアクリルアミド
電気泳動は還元および変性の条件下で行った。ブロット
されたニトロセルロース膜は、アレルゲンHev b IV に
対する同型抗血清(ブロットA)、およびアレルゲンHe
v b II に対して特異的なモノクローナル抗体USM/
RB4(ブロットB)とともにインキュベートした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/577 G01N 33/577 B // A61K 39/35 A61K 39/35 C12P 21/08 C12P 21/08 (72)発明者 メアリー・ジェーン・カードサ マレーシア国ペナン、ミンデン 11800 ユニヴァーシティ・セインズ・マレーシア 内 (72)発明者 ハミッド・シャリファ マレーシア国ペナン、ミンデン 11800 ユニヴァーシティ・セインズ・マレーシア 内 (72)発明者 シレイー・サミュエル−ヴァーゲス マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャラ ン、アンパング 260 ザ・ラバー・リサ ーチ・インスティテュート・オブ・マレー シア内 (72)発明者 エルマライ・スンデラサン マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャラ ン、アンパング 260 ザ・ラバー・リサ ーチ・インスティテュート・オブ・マレー シア内 (72)発明者 ホーング・イエート・ヤング マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャラ ン、アンパング 260 ザ・ラバー・リサ ーチ・インスティテュート・オブ・マレー シア内 (72)発明者 ハムザ・サムシダー マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャラ ン、アンパング 260 ザ・ラバー・リサ ーチ・インスティテュート・オブ・マレー シア内 Fターム(参考) 4B064 AG27 CA10 CA20 CC30 CE08 CE14 DA01 DA13 4C085 AA06 BB03 CC21 CC40 DD35 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA09 CA30 CA40 DA76 DA86 EA20 EA50 FA72 GA01 GA15 GA30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に精製された形態であり、分子量
    が34/35kDaおよび36/37kDaの二つのポ
    リペプチド連鎖で構成されており、pIが約9.6であ
    り、内部ペプチドフラグメントとしてアミノ酸配列:F
    DENNXQPEVE及びRNIHDAIRSAGLQ
    を有することを特徴とするHev b IIと命名されたヘベ
    ア・ブラジリエンシスのラテックスまたは組織由来のア
    レルゲン性蛋白。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアレルゲン性蛋白に対
    して生成するモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 アレルゲン性蛋白 Hev b II に対して
    生成しUSM/RB4と命名された請求項2記載のモノ
    クローナル抗体。
  4. 【請求項4】 高速遠心分離に付した天然ゴムラテック
    スのBセラムおよび/またはCセラムの画分から抽出し
    回収することを含んでなる請求項1に記載のアレルゲン
    性蛋白の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアレルゲン性蛋白および
    請求項2または3のモノクローナル抗体を使用すること
    を含んでなることを特徴とする、濃縮ラテックス、製造
    されたラテックス製品または乾燥ゴムで製造した製品の
    なかに存在する天然ゴムラテックスのアレルゲンのレベ
    ルを定性測定および/または定量測定する分析法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のアレルゲン性蛋白および
    請求項2または3記載のモノクローナル抗体を使用する
    ことを含んでなることを特徴とする、血液、血清または
    血液製品のなかに存在する天然ゴムラテックスのアレル
    ゲン性蛋白に対する抗体(IgE)のレベルを定性測定
    および/または定量測定する分析法。
  7. 【請求項7】 天然ゴムラテックスに対するI型過敏症
    に対する生体外の診断試験の形態である請求項6記載の
    分析法。
  8. 【請求項8】 アレルゲン性蛋白および/またはモノク
    ローナル抗体にビオチンで標識を付ける請求項5〜7の
    いずれか一つに記載の分析法。
  9. 【請求項9】 ラテックス蛋白アレルギーの治療におけ
    る脱感作剤として使用するための、請求項1記載のアレ
    ルゲン性蛋白。
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