JP2003267993A - 新規なペンタペプチド、テトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤 - Google Patents

新規なペンタペプチド、テトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤

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JP2003267993A
JP2003267993A JP2002115491A JP2002115491A JP2003267993A JP 2003267993 A JP2003267993 A JP 2003267993A JP 2002115491 A JP2002115491 A JP 2002115491A JP 2002115491 A JP2002115491 A JP 2002115491A JP 2003267993 A JP2003267993 A JP 2003267993A
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JP
Japan
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tyr
ala
amino acid
peptide
laver
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English (en)
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Kunio Suetsuna
邦男 末綱
Hiroshi Hagino
浩志 萩野
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SHIRAKO KK
Shirako Co Ltd
Original Assignee
SHIRAKO KK
Shirako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】海苔の蛋白質分解酵素分解液から、アンジオテ
ンシン変換酵素阻害作用を有する新規な3種類の海苔ペ
プチドを提供する。 【構成】海苔をアルギン酸リアーゼ処理し、プロテアー
ゼSアマノあるいはプロレザーFG−1等で処理し、新
規なアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する3種類
の海苔ペプチドはペンタペプチド;Ala−Tyr−V
al−Ser−Tyr、テトラペプチド;Tyr−Ph
e−Gly−Leu及びテトラペプチド;Ala−Va
l−Tyr−Glyであり、生体内での血圧降下作用を
有し、毒性も極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品として有用性を
有する下記アミノ酸の配列のペプチド構造を有する1種
類のペンタペプチド、2種類のテトラペプチド及びそれ
らペプチドを有効成分とするアンジオテンシン変換酵素
阻害剤に関する。 (1)Ala−Tyr−Val−Ser−Tyr (2)Tyr−Phe−Gly−Leu (3)Ala−Val−Tyr−Gly (式中、アミノ酸残基を表す各記号は、アミノ酸化学に
おいて慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
海藻由来の食品たんぱく質の酵素分解中にアンジオテン
シン変換酵素(ACE)阻害ペプチド等の血圧降下ペプ
チドが本発明者らによって報告されてきた。すなわち、
海苔たんぱく質由来のACE阻害ペプチドとしてIle
−Tyr;Met−Lys−Tyr;Ala−Lys−
Tyr−Ser−Tyr;Leu−Arg−Tyr等
「マリンバイオテクノロジー、6巻、163頁、199
8年」が、ヒジキたんぱく質由来のACE阻害ペプチド
としてGly−Lys−Tyr;Ser−Val−Ty
r;Ser−Lys−Thr−Tyr等「日本水産学会
誌、64巻、862頁、1998年」が報告されてきて
いる。微藻類由来としては、クロレラ・スピルリナたん
ぱく質由来のACE阻害ペプチドとしてIle−Val
−Val−Glu;Ala−Phe−Leu;Phe−
Ala−Leu,Ala−Glu−Leu,Val−V
al−Pro−Ala,Ile−Ala−Glu;Il
e−Ala−Pro−Gly,Val−Ala−Phe
等「マリンバイオテクノロジー、3巻、305頁、20
01年」が報告されてきている。又、ニンニク抽出物か
らはSer−Tyr;Gly−Tyr;Phe−Ty
r;Asn−Tyr;Ser−Phe;Gly−Ph
e;Asn−Phe等「ジャーナル・ニュートリショナ
ル・バイケミストリー、9巻、415頁、1998年」
が報告されてきている。更には,ワカメたんぱく質由来
のACE阻害ペプチドとしてAla−Ile−Tyr−
Lys;Tyr−Lys−Tyr−Tyr;Lys−P
he−Tyr−Gly;Tyr−Asn−Lys−Le
u等「ジャーナル・ニュートリショナル・バイケミスト
リー、11巻、450頁、2000年」が報告されてき
ている。ところで、レニン−アンジオテンシン系が生体
の水・電解質及び血液の調節に重要な役割を果たしてい
ることはよく知られている。このレニン−アンジオテン
シン系にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)が存在
し、アンジオテンシンIはACEによってアンジオテン
シンIIに変換される。アンジオテンシンIIは強力な
昇圧物質で、血管、副腎皮質のみならず中枢神経系なら
びに末梢神経系に働いて血圧上昇を促す。又、ACEは
生体内降圧物質であるブラジキニンを分解し、不活性化
する作用を有し、昇圧系に関与している。従って、AC
Eの活性を阻害することによって血圧を降下させること
が可能であり、又、そのことは臨床的に高血圧の予防、
治療に有効であると考えられている。この目的のためプ
ロリン誘導体であるカプトリルが合成され、その降圧作
用が確認されて以来、カプトリルの構造研究に基づく種
々のACE阻害剤の合成研究が盛んに行われ、最近では
マレイン酸エナラブリルやアラセブリル等の物質が、次
々と臨床の場に供されている。現在、ACE阻害剤は本
態性高血圧症、病候性高血圧症を問わず、又、軽症、重
症を問わず、幅広く用いられ、高血圧症の第一次選択の
治療薬中に加えられ、多く優れた点を有することが見出
されている。一方、ACE阻害物質の作用機序として
は、アンジオテンシンIIの産生抑制によるアルドステ
ロンやバソプレッシンの分泌抑制、又、腎動脈収縮の解
除によるナトリウムや水の排泄促進が考えられている。
更に、ACE阻害剤については、それがカリクレン−キ
ニン系の不活性化を抑制し、プロスタグランジン系を賦
活させることにより末梢血管拡張やナトリウム及び水の
排泄を更に促進させると考えられており、心不全の悪循
環を断つ上で合目的な治療薬として期待されている。A
CE阻害物質としては、上記の合成品の他に天然物又は
天然物由来の物質として蛇毒由来のブラジキニン増強因
子(C末端がPro)[S.H.Ferreia et
al:Biochemistry,9,3583(1
970)]、ゼラチンのコラゲナーゼ消化物由来、6種
類のペプチド(いずれもC末端がAla−Hyp)
[G.Oshima etal:Biochim.Bi
ophs.Acta,566,128(1979)]、
牛カゼインのトリプシン消化物由来のペプチド(C末端
がGly−Lys)[S.Maruyama et a
l.:Agric.Biol.Chem.,46,13
93(1983)]等に始まり本発明者等のイワシ筋肉
由来の5種のヘクサペウチド(いずれもC末端から2番
目又は3番目がPro、N末端がLeu)[特許第20
46483号]、海苔たんぱく質由来のテトラペプチド
(Pro−Gly−Val−Ala:N末端;Ala、
C末端;Pro)[特許第2678180号]、海苔た
んぱく質由来のペンタペプチド(Ala−Lys−Ty
r−Cys−Tyr)及びテトラペプチド(Cys−L
ys−Thr−Tyr)[特開平10−36391
号]、海苔たんぱく質由来のジペプチド(Ile−Ty
r)、トリペプチド(Met−Lys−Tyr、Leu
−Arg−Ty)及びペンタペプチド(Ala−Lys
−Tyr−Ser−Tyr)[特開平10−17599
7号、特開平9−246807号]、朝鮮人参たんぱく
質由来のペンタペプチド(Ile−Gly−Pro−A
la−Gly)[特許第2920829号]、クロレラ
たんぱく質由来のペンタペプチド(Val−Val−P
ro−Pro−Ala)及び3種類のワカメたんぱく質
由来のテトラペプチド(Tyr−Asn−Lys−Le
u,Tyr−Lys−Tyr−Tyr,Ala−Ile
−Tyr−Lys)[特許第3108920号]等が挙
げられ、いずれもACE阻害剤となり得ることが開示さ
れている。先に述べたように、ACE阻害剤としての海
藻たんぱく質由来の血圧降下ペプチドに関する提案は本
発明者らによって多くの提案がなされているが、その中
で海苔ペプチドについて、規則性を持ったアミノ酸配列
を有するペプチドのACE阻害作用(試験管内薬理効
果)並びに経口投与による降圧効果(生体内薬理効果)
は不明であり、発見されて以来未だ医薬品としての開発
が進んでいるとの報告はない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紅藻の海
藻種に属する海苔の蛋白質分解酵素の分解液から薬理作
用を有する物質を検索し、新規な3種類の海苔ペプチド
が強いアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有すること
を見出した。そして、これら3種類の海苔ペプチドを医
薬として実用化するための研究を鋭意行った。その結
果、これら3種類の海苔ペプチドが血圧降下作用を有
し、天然物由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤とし
ての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくもの
である。本発明に係る新規な3種類の海苔ペプチドは、
次式(1)、(2)及び(3) (1)Ala−Tyr−Val−Ser−Tyr (2)Tyr−Phe−Gly−Leu (3)Ala−Val−Tyr−Gly の式で示されるL体のアミノ酸の配列を有する新規な1
種類のペンタペプチド及び2種類のテトラペプチドであ
り、常温における性状は白色の粉末である。
【0004】前記の3種類の海苔ペプチドは、化学的に
合成する方法または海苔の蛋白質分解酵素の分解液から
分離精製する方法を挙げることができる。本発明に係る
これら海苔ペプチドを化学的に合成する場合には、液相
法または固相法等の通常のペプチド合成方法によって行
うことができるが、好ましくは、固相法によってポリマ
ー性の固相支持体へ前記ペプチドのC末端(カルボキシ
ル末端側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミ
ノ酸を順次ペプチド結合によって結合して行くのが良
い。そして、そのようにして得られた合成ペプチドは、
トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いて
ポロマー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖
の保護基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体ク
ロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する)などを
用いた通常の方法で精製することができる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規な3種
類の海苔ペプチドは、海苔の蛋白質分解酵素の分解液か
ら分離精製することができるが、その場合には、例えば
以下のようにして行うことができる。これら新規な海苔
ペプチドを含有している海苔のタンパク質部分を用いて
加水分解する。加水分解は常法に従って行う。例えば、
プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素で加水分解する場
合は、海苔を必要とあれば更に加水分解した後、酵素の
至適温度まで加温しpHを至適値に調整し酵素を加えて
インキュベートする。次いで必要に応じ中和した後、酵
素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解物を濾
紙及び/又はセライト等を用いて濾過することによって
不溶性成分を除去し、その得られた濾液をセロファンな
どの半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、水、トリス−
塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分
に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を
含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミ
カル社製のDowex 50W等)にかけ、その吸着溶
出画分からアンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと
略記する)阻害活性を有する成分を含有する画分を得、
得られたACE阻害活性画分をゲル濾過(例えば、ファ
ルマシア社製のSephadexG−25等)によって
分画し、得られたACE阻害活性画分を陽イオン交換ゲ
ル濾過(例えば、ファルマシア社製のSP−Sepha
dex C−25等)によって分画し、最終的に得られ
たACE阻害活性画分を更に逆相HPLCによって分画
する。
【0006】本発明に係る新規な3種類の海苔ペプチド
の製法において用いる紅藻類としては、本発明の目的を
達成できる限りいかなる紅藻類を用いても良いが、好ま
しくは海苔を用いるのが良い。以上のようにして得られ
たこれら新規な海苔ペプチドは、静脈内へ繰り返し投与
を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフィラキシー
ショックを起こさせない。又、これら新規な海苔ペプチ
ドはL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生
体内のプロテアーゼにより徐々に分解される為、毒性は
極めて低く、安全性は極めて高い(LD50>5000
mg/kg;ラット経口投与)。これら新規な海苔ペプ
チドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射
剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調製すること
ができる。投与方法としては、通常は、ACEを有して
いる哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射す
ること、あるいは経口投与することがあげられる。投与
量は、例えば、動物体1kg当りこの海苔ペプチドを
0.01〜10mgの量である。投与回数は、通常1日
1〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調製
することができる。
【0007】上記の各種製剤において用いられる賦形
剤、結合剤、潤沢剤の種類は、特に限定されず、通常の
注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用い
られるものを使用することができる。錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤に用いる添加物としては、下記のもの
をあげることができる。賦形剤としては、結晶セルロー
ス等の糖類、マンニトール等の糖アルコール類、デンプ
ン類、無水リン酸カルシウム等;結合剤としては澱粉
類、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ等;崩壊剤と
してはカルボキシメチルセルロース及びそのカリウム塩
類;潤滑剤としてはステアリン酸及びその塩類、タル
ク、ワックス類を挙げることができる。又、製剤の調整
にあたっては必要に応じメントール、クエン酸及びその
塩類、香料等の矯臭剤を用いることができる。注射用の
無菌組成物は、常法により、本発明に係る新規な海苔ペ
プチドを、注射用水、生理食塩水及びキシリトールやマ
ンニトール等の糖アルコール注射液、プロピレングリコ
ールやポリエチレングリコール等のグリコールに溶解ま
たは懸濁させて注射剤とすることができる。この際、緩
衝液、防腐剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加するこ
とができる。本発明に係る新規な3種類の海苔ペプチド
を含有する製剤は凍結乾燥品又は乾燥粉末の形とし、用
時、通常の溶解剤、例えば水又は生理食塩液に溶解して
用いることもできる。
【0008】本発明に係る新規な3種類の海苔ペプチド
は優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血
圧降下作用、ブラジキニン不活化抑制作用を示す。従っ
て、本態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧等の高血
圧症の予防、治療剤、これらうっ血性心不全に対する臓
器循環の正常化と長期予後の改善(延命効果)作用を有
し、心不全の治療剤として有用である。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例および試験例を
記載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 天然産海苔500gを十分洗浄してた後、細かく刻み、
0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH7.9)20Lを加え
攪拌(37℃、36時間)、すなわちアルギン酸リアー
ゼを十分働かせた後、グラスフィルター(G−3)で吸
引ろ過した。ろ過したペースト液を廃棄し、得られた沈
殿物に脱イオン水を加えてホモジナイズ後、凍結乾燥し
て海苔由来のたんぱく質とした。海苔由来のたんぱく質
粉末10gに脱イオン水250mLを加えて作成したた
んぱく質液に、天野製薬製プロテアーゼSアマノあるい
はプロレザーFG−1各々300mg添加後、プロテア
ーゼSアマノ添加たんぱく質液のpHを8.0に、又、
プロレザーFG−1添加たんぱく質液のpHを10.0
に調整後、65℃で5時間撹拌しながら酵素分解を行っ
た。分解反応液を直ちに限外濾過膜(アミコン社製、Y
M10型;分画分子量約1万)に通過させた通過液を、
Dowex50W×4[H]カラム(φ4.0×55
cm)に加えた。そのカラムを脱イオン水で十分洗滌し
た後、2規定のアンモニウム水2Lを用いて溶出した。
減圧濃縮によりアンモニアを除去した後、濃縮液を予め
脱イオン水で緩衝化したSephadexG−25(φ
1.6×113cm)に負荷し、流速12mL/hr、
各分画量5.7mLでゲル濾過を行った。ゲル濾過クロ
マトグラフィー後、ACE阻害活性の高い画分を集め減
圧濃縮後、予め、脱イオン水で緩衝化したSP−Sep
hadexC−25[H]カラム(φ1.8×40c
m)に負荷し、脱イオン水500mLから1.5%塩化
ナトリウム500mιの濃度勾配法を行い、流速70m
L/hr、各分画量10mLでクロマトグラフィーを行
った。クロマトグラフィー後、ACE阻害活性の高かっ
た画分を集めて凍結乾燥して精製ペプチド粉末を得た。
この精製ペプチド粉末20mgを60μLの脱イオン水
に溶解した後、逆相高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)を行った。カラムとしては野村化学社製Deve
losil ODS−5(4.5mmID×25cm
L)を使用し、移動相としては0.05%トリフルオロ
酢酸(以下、TFAと略記する。)から25%アセトニ
トリル/0.05%TFAの濃度勾配法を行い、流速
1.2mL/min、検出波長218nmでHPLCを
行い、プロテアーゼSアマノ添加たんぱく質液由来のペ
プチドフラグメントとして溶出時間(1);16.3
分、(2);26.7分及び(3);45.7分に、
又、プロレザーFG−1添加たんぱく質液由来のペプチ
ドフラグメントとして溶出時間(1);19分、
(2);30.2分及び(3);51.6分に、各々A
CE阻害活性の高い3個のペプチドフラグメントを得
た。このようにして得られたACE阻害作用を有する3
個のペプチドフラグメントのアミノ酸配列は、アプライ
ドバイオシステム(ABI)社製のプロテインシークエ
ンサー477A型を用いて決定された。その結果、次式
(1)、(2)及び(3) (1)Ala−Tyr−Val−Ser−Tyr (2)Tyr−Phe−Gly−Leu (3)Ala−Val−Tyr−Gly で示されるL体のアミノ酸からなるの配列を有する新規
な1種類のペンタペプチド及び2種類のテトラペプチド
であることが確認された。尚、本発明に係る新規な3種
類の海苔ペプチドをACE阻害剤として、例えば錠剤に
製剤する場合には、常法に従って、例えば次のように処
理すればよい:海苔ペプチド13g、乳糖77g、
コーンスターチ34g、ステアリン酸マグネシウム
1.1gを原料とし、先ず、及び20gのコーンス
ターチを混和し、13gのコーンスターチから作ったペ
ーストとともに顆粒化し、この顆粒に9gのコーンスタ
ーチととを加え、得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠
し、錠剤1000個を製造する。
【0010】製造例2本例は、合成法による製造例であ
る。 Ala−Tyr−Val−Ser−Tyrの合成法 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該ジペプチドを合
成した。固相担体としては、スチレンジビニルベンゼン
共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹
脂を使用した。まず、当該ジペプチドのアミノ酸配列に
従って、常法どおり、そのC末端側のチロシンからクロ
ロメチル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。この
時のアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t−
Bocと略記する。)基で保護されたt−Bocアミノ
酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチ
オールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温
で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、
更に10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタ
ンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無
水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、そ
の沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾
燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチド
は蒸留水又はメタノールに溶解した後、逆相系のカラム
18(5μm)を用いたHPLCにより精製した。移
動相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)
0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、
(A)液が43分間で78%→39%の濃度勾配法によ
り流速1.3mL/minでクロマトグラフィーを行っ
た。紫外部波長218nmで検出し、最大の吸収を示し
た溶出画分を分取し、これを凍結乾燥することによって
目的とする合成ペンタペプチドを得た。
【0011】この合成ペンタペプチドをマススペクトル
により分析した結果、アミノ酸配列及びアミノ酸組成が
前記で示したアミノ酸配列構造を有するペンタペプチド
であることが確認された。このマススペクトルとアミノ
酸分析の結果は表1に示す通りである。 Tyr−Phe−Gly−Leuの合成法 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成
した。固相担体としては、スチレンジビニルベンゼン共
重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂
を使用した。まず、当該ペプチドのアミノ酸配列に従っ
て、常法どおり、そのC末端側のロイシンからクロロメ
チル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。この時の
アミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t−Bo
cと略記する)基で保護されたt−Bocアミノ酸を使
用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオール
とチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で10
分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、更に1
0分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンスル
ホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エー
テルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈澱
物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥し
た。このようにして得られた未精製の合成ペプチドは蒸
留水又はメタノールに溶解した後、逆相系のカラムC
18(5μm)を用いたHPLCにより精製した。移動
相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.
1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液
が48分間で77%→32%の濃度勾配法により流速
1.7mL/minでクロマトグラフィーを行った。紫
外部波長221nmで検出し、最大の吸収を示した溶出
画分を分取し、これを凍結乾燥することによって目的と
する合成テトラペプチドを得た。
【0012】この合成テトラペプチドをマススペクトル
により分析した結果、アミノ酸配列及びアミノ酸組成が
前記で示したアミノ酸配列構造を有するテトラペプチド
であることが確認された。このマススペクトルとアミノ
酸分析の結果は表1に示す通りである。 Ala−Val−Tyr−Glyの合成法 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成
した。固相担体としては、スチレンジビニルベンゼン共
重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂
を使用した。まず、当該ペプチドのアミノ酸配列に従っ
て、常法どおり、そのC末端側のグリシンからクロロメ
チル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。この時の
アミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t−Bo
cと略記する)基で保護されたt−Bocアミノ酸を使
用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオール
とチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で10
分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、更に1
0分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンスル
ホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エー
テルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈澱
物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥し
た。このようにして得られた未精製の合成ペプチドは蒸
留水又はメタノールに溶解した後、逆相系のカラムC
18(5μm)を用いたHPLCにより精製した。移動
相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.
1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液
が48分間で77%→32%の濃度勾配法により流速
1.7mL/minでクロマトグラフィーを行った。紫
外部波長221nmで検出し、最大の吸収を示した溶出
画分を分取し、これを凍結乾燥することによって目的と
する合成テトラペプチドを得た。この合成テトラペプチ
ドをマススペクトルにより分析した結果、アミノ酸配列
及びアミノ酸組成が前記で示したアミノ酸配列構造を有
するテトラペプチドであることが確認された。このマス
スペクトルとアミノ酸分析の結果は表1に示す通りであ
る。このような合成によって得られた本発明に係る新規
な3種類の海苔ペプチドは、以下に示す試験によって薬
理効果が確認された。
【0013】試験例1 (アンジオテンシン変換酵素阻害活性測定法)ACE
(シグマ社製、酵素番号EC3.4.15.1)2.5
mU、合成基質Hippuryl−L−histidy
l−L−leucine(ペプチド研究所製)12.5
mMを用いLiebermanの測定法を改良した山本
等の方法[日胸疾会誌,18巻,297−302頁(1
989年)]に準じて測定した。すなわち、生成した馬
尿酸を酢酸エチルにて抽出し225nmの吸光度で測定
した。被検液での吸光度をEs、被検液の代わりに緩衝
液を加えた時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応
させた時の値をEbとして次式から阻害率を求めた。 阻害率(%)=(Ec−Es)/(Ec−Eb)× 1
00 ACE阻害剤の阻害活性IC50値は、ACEの酵素活
性を50%(阻害率)阻害するために必要な試料の濃度
(M)で示した。本発明に係る新規な3種類の海苔ペプ
チドの牛肺血清アンジオテンシン変換酵素に対する阻害
活性(IC50値)は表1に示す通りである。
【0014】試験例2 (高血圧自然発症ラットへ投与時の降圧効果)実験動物
は日本チャールズ・リバー社より15週齢雄性高血圧自
然発症ラット(以下、SHRと略記する。)を購入し、
1週間の予備飼育後、収縮期血圧が160mmHg以上
(体重280〜330g)の動物6匹1群として用い
た。ラットは、室温23±2℃、湿度55±10%およ
び12時間明暗(午前6時〜午後6時点灯)に調整され
た飼育室でステンレスワイヤー製ラット用個別ゲージに
1匹ずつ収容し飼育した。飼料はオリエンタル酵母社製
MF粉末飼料を、飲水は自家揚水(水道水質基準適合)
をそれぞれ自由に摂取させた。血圧は非観血的尾動脈血
圧測定装置(理研開発社製、PS−100型)を用いt
ail−cuff法により、投与前、投与後6時間後の
SHR尾動脈の収縮期血圧(mmHg)の測定を各5回
づつ行い、得られた測定値の最高値と最低値を棄却し、
3回の平均値をもって各時間の測定値とした。本発明に
係る新規な3種類の海苔ペプチド各々40mg/kgを
SHRに経口投与した時の収縮期血圧値(mmHg)へ
の作用についての結果は、表2に示す通りである。 以上の試験の結果、本発明に係る3種類の新規な海苔ペ
プチドは、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有し、
in vivo(生体内)においても有意な血圧降下作
用を示すことが確認された。従って、本発明に係る3種
類の新規な海苔ペプチドは高血圧症の治療又は予防薬と
して有用である。尚、本発明に係る新規な3種類の海苔
ペプチド、すなわち1種類のペンタペプチド及び2種類
のテトラペプチドは、構造的にそのアミノ酸配列を部分
構造とするペプチドにおいて、構造中に採用することも
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 115 A61P 43/00 116 116 C07K 5/107 C07K 5/107 7/06 7/06 C12N 9/99 C12N 9/99 A61K 37/64 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA16 BA23 CA07 CA59 DC40 NA14 ZA361 ZA421 ZC162 ZC172 ZC202 ZC412 4H045 AA10 AA20 AA30 BA13 CA30 DA57 EA20 FA70 GA22 GA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式;Ala−Tyr−Val−Se
    r−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペンタペプチド。
  2. 【請求項2】 次式;Ala−Tyr−Val−Se
    r−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペンタペプチドを有効成分として含有する
    ことを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 次式;Tyr−Phe−Gly−Le
    u で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なテトラペプチド。
  4. 【請求項4】 次式;Tyr−Phe−Gly−Le
    u で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なテトラペプチドを有効成分として含有する
    ことを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  5. 【請求項5】 次式;Ala−Val−Tyr−Gl
    y で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なテトラペプチド。
  6. 【請求項6】 次式;Ala−Val−Tyr−Gl
    y で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なテトラペプチドを有効成分として含有する
    ことを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
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