JP2003267202A - 車両用制動圧制御装置 - Google Patents
車両用制動圧制御装置Info
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Abstract
装置において、ブレーキ戻し操作時の制御性を確保す
る。 【解決手段】 運転者のブレーキペダル10の操作を油
圧センサ12で検出する。コントローラ22は油圧セン
サ12からの検出信号や加速度センサ24からの検出信
号に基づき、緊急状態か否かを判定し、緊急状態の場合
には増圧機構14を駆動してブレーキ油圧を増圧し、最
大油圧まで増圧する。運転者がブレーキ戻し操作を行っ
た場合には、その戻し操作量に応じて減圧制御をし、減
圧時のゲインを増圧時のゲインよりも小さく設定してよ
り緩やかに減圧する。また、停止直前においては制御油
圧を0とし、停止直前の制御油圧を0として通常のブレ
ーキ特性に戻す。
Description
特に緊急時の自動ブレーキ及びその解除に関する。
にはブレーキペダルを踏み込み車両を減速させるが、一
般にこのような緊急時には最大の制動力が必要であるに
もかかわらずブレーキペダルの踏み込み量が十分でない
ため所望の減速度が得られない場合がある。そこで、こ
のような場合にも緊急状態と判定して運転者のブレーキ
操作量によらず最大制動力が得られるようにブレーキ液
圧を調整する自動ブレーキ装置が提案されている。
開示された自動車の制動装置においては、ブレーキの操
作速度が設定値以上のときには緊急時と判定して通常時
よりブレーキ液圧を増大させ、最大制動力が得られるよ
うな構成を提案している。これによれば、同一のブレー
キ操作で緊急時の停止距離をより短くできる。
来技術においては、急ブレーキ操作でブレーキ液圧が最
大液圧まで増圧され、ブレーキ戻し操作により中止す
る、いわばフルブレーキのON/OFFの二値的制御で
あるので、特にブレーキ戻し操作側において車両停止直
前の運転者による微妙な車速制御が不可能であり、停止
距離を車両運転者の自由意志で調整できない問題があ
る。
出してフルブレーキOFF制御する構成でも、アクチュ
エータの応答遅れがあるためブレーキペダルから完全に
足を離してもなおブレーキ液圧が残る可能性があり、停
止時にショックが生じるおそれもあった。
なされたものであり、その目的は従来と同様に緊急時の
ブレーキ踏み込み量が不十分であっても最大の制動力が
得られて安全に停止することができるとともに、ブレー
キ戻し操作においても微妙な制御が可能で停止位置等を
調整可能な車両用制動圧制御装置を提供することにあ
る。
に、本発明は、車両運転者のブレーキ操作を検出する操
作検出手段と、検出されたブレーキ操作が緊急状態であ
るか否かを判定する判定手段と、緊急状態と判定された
場合に制御圧を加えることにより制動液圧を運転者のブ
レーキ操作量に応じて最大圧力まで増圧させるととも
に、ブレーキ操作量が0となる前の所定値で前記制御圧
による制動液圧の増圧分が0となるように、運転者のブ
レーキ戻し操作量に応じて、制動液圧を減圧させる圧力
制御手段と、を有することを特徴とする。
は、前記圧力制御手段が増圧時のゲインよりも減圧時の
ゲインを小さく設定することを特徴とする。
は、前記圧力制御手段が運転者のブレーキ戻し操作を検
出した時に制動圧力の減圧を開始することを特徴とす
る。
明は、運転者のブレーキ戻し速度を検出する検出手段を
備え、前記圧力制御手段はブレーキ戻し速度が大なる程
減圧時のゲインを大きく設定することを特徴とする。
において最大制動力が得られるまでブレーキ液圧を制御
して維持し、運転者のブレーキ戻し操作が検出されると
同時に減圧させるようなON/OFF的制御を行うので
はなく、緊急状態において最大液圧まで増圧した後、車
両の速度が十分低速になった場合に車両運転者のブレー
キ戻し操作によらず強制的にブレーキ液圧を減圧させ
る。これにより、車両停止直前でのブレーキ液圧を通常
のブレーキ特性に復帰させることができ、ドライバの意
志通りのブレーキ操作性が得られる。
N/OFF的制御ではなく、緊急状態が検出された場合
においても運転者のブレーキ操作量に応じてブレーキ液
圧を最大圧力まで増圧させ、かつ、ブレーキ戻し時にお
いても最大液圧から通常のブレーキ操作の液圧まで急峻
に減圧させるのではなく、運転者のブレーキ戻し操作量
に応じて減圧させる。これにより、ブレーキ液圧の変化
に連続性を持たせ、運転者によるブレーキ制御性を確保
できる。
作時の方がブレーキ踏み込み操作時に比べて運転者によ
る制御性が重視される(逆に言えば、ブレーキ踏み込み
時には制御性よりも緊急性が要求される)ことに鑑み、
圧力制御手段による減圧時、すなわちブレーキ戻し操作
時のゲインを増圧時に比べて小さく設定する。これによ
り、ブレーキ戻し時のブレーキ液圧の変化は増圧時の変
化に比べて緩やかなものとなり、運転者はブレーキ戻し
量の微妙な調節により停止直前の車両の速度を調整可能
となる。
キ戻し操作を検出したときに制動圧力の減圧を開始させ
る。この場合にも、ブレーキ液圧は運転者の戻し操作量
に応じて変化するため、より運転者のブレーキペダル操
作を反映した液圧変化が得られることになる。
減圧時のゲインをブレーキ戻し速度に応じて変化させ、
ブレーキ戻し速度が大なるほど減圧時のゲインを大きく
設定する。これにより、運転者のブレーキペダル操作を
より反映したブレーキ液圧制御が得られ、停止直前の車
両の走行制御が容易となる。
(実施例)について説明する。
転者によるブレーキペダルの踏み込み量や踏み込み速度
等を検出するブレーキ操作検出手段1が設けられ、その
検出信号は緊急操作判定手段2に供給される。緊急操作
判定手段2ではブレーキ操作検出手段1からの検出信号
に基づき緊急状態か否かを判定する。この緊急状態判定
については、本願出願人が先に提案した特願平6−17
2649号に詳述されており、例えば運転者によるブレ
ーキの踏み込み力BFと所定のしきい値を比較し、所定
のしきい値以上のときに緊急状態と判定することができ
る。また、踏み込み速度d(BF)/dtをしきい値と
比較することによっても緊急度の判定は可能であり、運
転者がアクセルペダルを離してからブレーキペダルを踏
み込むまでの踏み替え時間を所定のしきい値と比較する
ことによっても緊急状態の判定は可能である。緊急操作
判定手段2による判定結果はブレーキ制御液圧演算手段
3に供給される。ブレーキ制御液圧演算手段3はこの判
定結果及び車速検出手段6からの検出車速に基づき制御
液圧を決定し、制御信号をブレーキ液圧制御手段4に供
給する。ブレーキ液圧制御手段4では、この演算結果に
基づいて車輪ロック防止機構(ABS)付きブレーキ5
を駆動して緊急時のブレーキ操作を行う構成である。
圧演算手段3及びブレーキ液圧制御手段4の具体的な構
成が示されている。ブレーキペダル10に連動して通常
のブレーキ系統(ア)及び増圧制御用の制御系統(イ)
の2系統が設けられており、これらをチェンジバルブ1
6で適宜切り替える構成である。通常のブレーキ系統
(ア)には油圧センサ12が設けられ、運転者のブレー
キペダル10の操作量及び戻し操作量が検出され、コン
トローラ22に供給される。一方、増圧制御系統(イ)
には増圧機構14が設けられ、コントローラ22からの
制御信号に応じてブレーキ液圧を調整し、緊急時のフル
ブレーキを行う。なお、チェンジバルブ16の後段には
アンチロックブレーキシステム(ABS)18及び車輪
20が設けられる。
6及び加速度センサ24からの検出信号が供給される
が、車速センサ26は図1における車速検出手段6に相
当し、一方、加速度センサ24からの検出信号は緊急度
判定に用いられる。すなわち、上述したようにブレーキ
踏み込み強さや踏み込み速度等によって緊急状態か否か
を判定できるが、車両運転者がブレーキペダルを操作し
て減速が開始され、所定の減速度が得られるまでの時間
によっても緊急状態か否かを判定することが可能であ
り、コントローラ22はこの加速度センサ24からの検
出信号に基づいて緊急状態か否かを判定する。要約する
と、図2においてはコントローラ22が図1における緊
急操作判定手段2及びブレーキ制御液圧演算手段3に相
当し、増圧機構14及びチェンジバルブ16がブレーキ
液圧制御手段4に相当する。
ている。本実施例では、緊急操作判定手段2により緊急
状態と判定されると、ブレーキ制御液圧演算手段3が制
御液圧を演算する。本実施例においては車速検出手段6
は設けられておらず、運転者のブレーキ操作量に応じて
制御油圧が決定される。すなわち、まずドライバの操作
を検出して緊急状態か否かを判定し、緊急状態であると
判定された場合にはブレーキ制御演算に移行するが、こ
のブレーキ制御演算においては、まず車両運転者のブレ
ーキ操作開始時におけるブレーキ操作油圧x1を検出
し、これを記憶する(S301)。そして、現在の運転
者の操作油圧がどの範囲にあるかを判定する。そして、
ブレーキ操作油圧xがあらかじめ設定された操作油圧値
x2(x2>x1)に対しx2>x>x1の場合には、
運転者のブレーキ操作量に応じて制御油圧を
である。この式から明らかなように、運転者のブレーキ
操作油圧xがx1とx2の間にある場合には、コントロ
ーラ22はこの運転者の操作油圧xに応じて制御油圧を
増圧させ、運転者のブレーキ操作油圧がx2に達した場
合に最大値Pmax となるように増圧させる。そして、運
転者の操作油圧xが設定値x2以上となった場合には、
コントローラ22はこの最大値Pmax を維持し(S30
4)、運転者がブレーキ戻し操作を開始して操作油圧x
が再びx1以下となった場合には制御油圧yを0に減圧
する(S305)。なお、制御油圧を減圧する開始タイ
ミングは、運転者の操作油圧が設定値x2となった時で
ある。
圧x及び制御油圧yの時間変化が示されている。車両運
転者は0→P→Q→R→S→T→Uのごとくブレーキ操
作を行うが、P点において操作油圧がx1に達し、この
地点からコントローラ22は制御油圧を増大させ、運転
者の操作油圧xがx2に達するQ点において制御油圧は
最大値Pmax に達する。もちろん、このP→Qにおける
制御油圧は、所定のゲインで急峻に増圧されるのではな
く、運転者の操作油圧xに応じて増圧されることにな
る。Q→Rにおいては運転者はブレーキを操作し続ける
が、操作油圧xはx2以上であるので、コントローラ2
2は制御油圧yを最大値Pmax に維持し続ける。R点に
おいて運転者はブレーキ戻し操作を開始するが、コント
ローラ22はこの地点では制御油圧を減圧せず、最大値
Pmax を維持する。そして、車両運転者による戻し操作
が継続し、操作油圧xが再びx2に達したS点でコント
ローラ22は制御油圧の減圧を開始し、操作油圧xがx
1に達した時点で制御油圧が0となるように運転者の操
作油圧に応じて減圧する。このように、増圧時及び減圧
時において運転者の操作油圧に応じてゲインを決定する
ため、図4(B)に示されるように増圧時(P→Q)及
び減圧時(S→T)が共に同じゲイン(勾配)で制御油
圧が増減することになる。
ブレーキ操作に基づいて比例的に制御油圧を決定するた
め、運転者にとって違和感がなく、さらに、図5のよう
に緊急状態と判定された後に運転者がすぐにブレーキを
戻す事態(P→W→P´)が生じた場合においても、運
転者の意志に反してフルブレーキが行われることがな
く、システムの信頼性がより向上する。なお、図5
(A)における斜線部が増圧機構14によるアシスト分
(制御後油圧)を示しており、その最大値C´はPmax
より小さい。
る。上述した第1実施例においては、運転者のブレーキ
操作量に応じて制御油圧を増減制御したが、本実施例に
おいては、さらにブレーキ操作時の増圧ゲインとブレー
キ戻し操作時の減圧ゲインを変え、ブレーキ戻し時の減
圧をより滑らかにして運転者の制御性を向上させる。な
お、本実施例の基本構成は第1実施例と同様である。
定の操作量x1を記憶する(S401)。そして、制御
開始後の運転者のブレーキ操作量(油圧)の最大値xm
を算出し記憶する(S402)。この算出は、前回まで
の最大値と今回検出された油圧の大小比較を行い、今回
検出された油圧が前回までの最大値より大きい場合には
新たに最大値を更新することにより求められる。そし
て、運転者のブレーキ操作量xが増加したか否かが判定
される(S403)。この判定は1制御周期前の運転者
操作量と今回検出された運転者操作量の大小比較により
行われ、運転者の踏み込み/踏み戻しを検出するための
処理である。運転者がブレーキペダルを踏み増ししてい
る場合には、xは増加するのでYESと判定され、次に
フラグflagの値がチェックされる(S406)。こ
のフラグflagは初期値においては0にセットされて
おり、踏み増し時にはこの初期値のままflag=0で
ある。
る場合には、次にS402にて得られた運転者操作量の
最大値xmと所定値x2との大小比較が行われる(S4
04)。このx2は上述した第1実施例と同様に制御油
圧を最大値Pmax とするときの運転者のブレーキ操作量
であり、x2>x1である。そして、運転者の操作量x
mがx2以下の場合、すなわち制御油圧が最大値Pmax
となるまで運転者が操作せずに踏み戻した場合には、フ
ラグflagの値は同様に0に維持したままS406の
処理に移行する。また、xmがx2以上である場合、す
なわち制御油圧が最大値Pmax となるまで運転者がブレ
ーキを操作し、その後運転者のブレーキ踏み戻しが生じ
た場合には、フラグflagの値を0から1にセットす
る(S405)。そして、S406の処理に移行する。
者がブレーキを踏み増ししている場合、あるいは制御油
圧が最大値Pmax となる前に運転者が踏み戻しした場合
には、次にブレーキ操作量xがどの範囲にあるかが判定
される(S407)。すなわち、操作量xと所定値x
1、x2との大小比較が行われ、x2>x>x1の場合
には上述した第2実施例と同様に運転者のブレーキ操作
量に応じて
x2の場合には、コントローラ22は制御油圧を最大値
Pmax に維持する(S409)。また、x≦x1の場
合、すなわちコントローラ22が増圧制御を開始する操
作量x1より小さい場合には、制御油圧yを0として通
常のブレーキ特性に移行する(S410)。
レーキ特性に移行する(S410)。
ち制御油圧が最大値Pmax となった後に運転者がブレー
キ踏み戻し操作を行った場合には、同様にして操作量x
の値がどの範囲にあるかが判定され(S411)、x2
>x>x3の場合には、運転者のブレーキ操作量に比例
した制御油圧
は、x3は増圧制御開始時の運転者のブレーキ操作量x
1より小さい操作量(x3<x1)であり、これにより
ブレーキ戻し操作時の減圧制御のゲイン(傾き)は増圧
時のゲインより小さく設定される。なお、x≧x2の場
合には、S409と同様にコントローラ22は制御油圧
yを最大値Pmax に維持され(S413)、x≦x3の
場合には、通常のブレーキ特性に復帰すべく制御油圧y
を0とする(S414)。
キ操作量及び制御油圧の時間変化が示されている。運転
者は上述した第1実施例と同様に0→P→Q→R→S→
T→Uのようなブレーキ操作を行い、R→S→T→Uが
ブレーキ踏み戻し操作に対応している。P→Q間は第1
実施例と同様に運転者のブレーキ操作量に比例して制御
油圧が増圧され、Qにて最大値Pmax となる。また、Q
→R→S間においてはコントローラ22は制御油圧を最
大値Pmax に維持する。そして、運転者のブレーキ操作
量がQと同一のSに達したときにコントローラ22は制
御油圧yを減圧させるが、本実施例では第1実施例と異
なり増圧開始時の運転者のブレーキ操作量x1より小さ
い値の操作量x3で制御油圧yが0となるようにゲイン
を小さく設定して減圧を行う。図7(B)により、P→
Q間のゲイン(傾き)に比べS→T間のゲインがより小
さく、ゆるやかな変化を示すことが明らかであろう。
踏み増し時には緊急性が重視されるため迅速に最大油圧
まで制御油圧を増圧する一方、ブレーキ踏み戻し操作時
においては運転者の制御性を重視して急に最大値から通
常ブレーキ特性に復帰する違和感を防止すべくゲインを
小さく設定する。従って、本実施例によれば緊急状態に
おける安全性を確保しつつ、運転者によるブレーキ制御
性の向上を図ることができる。
減圧ゲインを増圧時のゲインよりも小さく設定したが、
本実施例においてはさらに減圧時のゲインを小さく設定
する例を示す。なお、基本構成は第2実施例と同一であ
る。
示されている。処理の流れはほぼ図6に示す第2実施例
の処理と同様であるが、フラグflag=1の場合の処
理が若干異なっている。すなわち、S505でフラグf
lagを1にセットした後、その時の運転者のブレーキ
操作量すなわち運転者がブレーキ戻し操作を開始した時
の操作量x4を記憶する(S506)。次に、S507
にてフラグflagの値をチェックし、flag=1の
場合には、図6におけるS411の処理と同様に操作量
xの値がどの範囲にあるかを判定する。そして、x4>
x>x3の場合には、コントローラ22は制御油圧yを
トローラ22は運転者がブレーキ戻し操作を開始した時
点から減圧制御を開始し、運転者のブレーキ操作量がx
3になったときに制御油圧yを0とする減圧制御を行
う。上述した第2実施例においては、図7に示されるよ
うに運転者の操作量がx2となるS点においてコントロ
ーラ22は減圧制御を開始するが、本実施例においては
図9に示されるように運転者がブレーキ戻し操作を開始
するR点において減圧制御を開始する。従って、図9
(B)に示されるようにR→T間の制御油圧は第2実施
例の場合に比べてより緩やかな変化となり、運転者のブ
レーキ戻し操作時の制御性がより向上する。なお、本実
施例においても、あくまで運転者の操作量に比例して減
圧制御が行われることに留意すべきである。
のブレーキ操作及びブレーキ戻し操作に応じてコントロ
ーラ22が増圧制御及び減圧制御をする構成を示した
が、本実施例においてはブレーキ戻し操作時の戻し速度
に応じて減圧制御を調整する例を示す。上述した各実施
例から明らかなように、ブレーキ戻し操作時の減圧制御
のゲインを小さく、具体的には減圧制御開始時を運転者
のブレーキペダルOFFのタイミングに近付けるほど、
運転者がゆっくりブレーキ戻し操作を行った場合の制御
性は向上する。しかしながら、運転者がすばやい戻し操
作を行った場合には、ブレーキ液圧制御手段4の応答遅
れにより、場合によっては運転者がブレーキペダルを完
全に戻したにもかかわらず制御油圧が残存してしまう可
能性がある。そこで、本実施例においては、このような
事態を防ぐべく運転者のブレーキ戻し操作時の速度を検
出し、その速度が大なるほどゲインを大きくして減圧制
御を迅速に行う。
ャートが示されている。処理の流れは、第2実施例を示
す図6及び第3実施例を示す図8とほぼ同様であるが、
フラグflagが1にセットされた場合の処理が若干異
なっている。すなわち、図10においても図8と同様に
フラグflagを1にセットした後に運転者のブレーキ
戻し操作時の操作量x4を記憶する(S606)。そし
て、第3実施例と同様に(5)式に応じて減圧制御を行
うが、制御油圧=0とする操作量x3をS613に示さ
れるように戻し操作時の速度dx/dtに応じて決定す
る。すなわち、ブレーキ戻し操作時の速度が大なるほ
ど、x3は大きく設定される。ここで、x3が大きく設
定されるということは、すなわち運転者のブレーキ戻し
操作時点Rにより近いタイミングで減圧制御が完了し、
通常ブレーキ特性に戻ることを意味している。このよう
にしてx3が設定された後は、第3実施例と同様の処理
が行われる。
おける減圧制御のゲインを戻し操作速度に応じて変化さ
せるため、運転者がすばやい戻し操作を行った場合にお
いても、ブレーキペダルが完全にOFFとなった後に制
御油圧が残存する事態を確実に防ぐと共に、戻し操作時
におけるブレーキ制御性を確保することができる。
減圧制御のゲインを戻し速度に応じて可変とする構成を
示したが、ブレーキ操作時の増圧ゲインをブレーキ操作
速度に応じて可変とすることも考えられる。本実施例に
おいてはこのように増圧時のゲインをブレーキ操作速度
に応じて、すなわちより緊急度の高い場合にはより大き
なゲインで急峻に最大油圧まで増圧させる例を示す。
ャートが示されている。まず、ブレーキペダルを操作し
た後に生ずる減速度が所定の減速度に達するまでの時間
により緊急か否かを判定する(S701)。加速度セン
サ24で検出された減速度が所定の減速度に達するまで
の時間が所定のしきい値以下である場合には、緊急と判
定されるが、この時の時刻tG を記憶する(S70
2)。そして、この所定の減速度Gthが得られるまでの
時刻tG に応じて制御油圧が最大値Pmax に達するまで
の操作量x2を決定する。具体的には、S703に示さ
れるように、時間tG が小さいほど最大値に達する操作
量x2を小さく設定し、より急峻に制御油圧を最大値ま
で増圧する。これにより、運転者がすばやくブレーキペ
ダルを操作し、より緊急度の高い状況においてはより急
峻に制御油圧を最大値まで増圧させることが可能とな
る。
が、これら各実施例の構成に加え、車両の走行路の勾配
を検出するセンサを新たに設け、勾配に応じて増圧時及
び減圧時のゲインを可変とすることも考えられる。すな
わち、車両が上り坂を走行している場合には、増圧時及
び減圧時のゲインをより小さく設定し、逆に下り坂を走
行している場合には、そのゲインを大きく設定する。こ
れにより、走行路に応じた緊急ブレーキ特性が得られる
こととなり、システムの信頼性がより向上する。
キ操作検出手段1として油圧センサ12と加速度センサ
24を用いているが、これをマスタシリンダ油圧センサ
のみとすることもでき、あるいはブレーキストロークセ
ンサのみでブレーキ操作検出手段を構成することも可能
である。
緊急時の制動距離を短くして安全性を図ると共に、ブレ
ーキ戻し操作時の運転者による制御性を向上させ、停止
位置の微妙な調整等を可能とすることができる。
算の処理フローチャートである。
油圧の時間変化を示すグラフ図である。
油圧との関係を示すグラフ図である。
算の処理フローチャートである。
油圧の時間変化を示すグラフ図である。
理フローチャートである。
時間変化を示すグラフ図である。
処理フローチャートである。
である。
機構、16 チェンジバルブ、18 車輪ロック防止機
構(ABS)、20 車輪、22 コントローラ、24
加速度センサ(Gセンサ)、26 車速センサ。
Claims (4)
- 【請求項1】 車両運転者のブレーキ操作を検出する操
作検出手段と、 検出されたブレーキ操作が緊急状態であるか否かを判定
する判定手段と、 緊急状態と判定された場合に制御圧を加えることにより
制動液圧を運転者のブレーキ操作量に応じて最大圧力ま
で増圧させるとともに、ブレーキ操作量が0となる前の
所定値で前記制御圧による制動液圧の増圧分が0となる
ように、運転者のブレーキ戻し操作量に応じて、制動液
圧を減圧させる圧力制御手段と、 を有することを特徴とする車両用制動圧制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の車両用制動圧制御装置に
おいて、 前記圧力制御手段は、増圧時のゲインよりも減圧時のゲ
インを小さく設定することを特徴とする車両用制動圧制
御装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の車両用制動圧制御装置に
おいて、 前記圧力制御手段は、運転者のブレーキ戻し操作を検出
した時に制動液圧の減圧を開始することを特徴とする車
両用制動圧制御装置。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3
記載の車両用制動圧制御装置において、 さらに、運転者のブレーキ戻し速度を検出する検出手段
を備え、前記圧力制御手段はブレーキ戻し速度が大なる
程減圧時のゲインを大きく設定することを特徴とする車
両用制動圧制御装置。
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JP (1) | JP4063128B2 (ja) |
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