JP2003266292A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 基板欠陥のリペア装置及び方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア装置であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の裏面に密着するヘッド部材を有し当該ヘッド部材により前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とを備え、各研磨前高さ測定手段、押圧手段及び研磨後高さ測定手段が基板に対して相対移動する本体に、移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されていることを特徴とする基板欠陥のリペア装置。
【請求項2】 前記ヘッド部材がその先端部を境にしてテープ部材が急激にヘッド部材の側面に沿って振り分けられるようにほぼ板状に形成され、前記研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段の少なくとも一つが前記ヘッド部材に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項3】 前記ヘッド部材の先端部が、凸の曲率を有するほぼ円板状部材のほぼ中央部付近をほぼ平行な2面で切断したような形状であって、その凸曲面部を先端面としてあることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項4】 前記テープ部材が前記ヘッド部材に至る以前において案内ローラーにより走行自在に案内され、当該案内ローラーのうち前記テープ部材の研磨層が接触する案内ローラーの案内面に当該研磨層が案内面に接しないようにする一段下がった溝部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項5】 研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定する際に当該各高さ測定手段と前記押圧手段との高さ方向の相対位置を押圧手段が基板側から遠のくように変化させることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項6】 基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア方法であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とが、基板に対して相対移動する本体に移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されたリペア装置を用い、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する工程と、前記テープ部材の研磨層を突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する工程と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する工程とが本体の移動又は相対移動と共に一連の工程としてなされることを特徴とする基板欠陥のリペア方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、研磨層を備えたテープ部材を走行させて基板(例えば、液晶パネルのカラーフィルターなど)上に形成された突起状の突起欠陥を研磨して修復する基板欠陥のリペア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリペア装置としては、突起欠陥の高さを測定する高さ測定センサーと、突起欠陥を高さ方向から研磨する研磨装置とを備えたものがある。このものでは、高さ測定センサーを突起欠陥にむけて走行させ、高さ測定センサーを下降させてその高さを測定する。この後に、研磨装置を突起欠陥に向けて走行・移動させ、研磨装置を下降させて、凸曲面を有するヘッドによりテープ部材をその裏面から押圧してテープ部材の表面に形成された研磨層を当該突起欠陥に密着・押圧してテープ部材を走行させて研磨を実施する。この後に、前記高さ測定センサーを研磨された突起欠陥に向けて移動させ下降させて研磨後の高さを測定して研磨結果をフィードバックする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のリペア装置では、高さ測定をした後に、研磨装置を突起欠陥の所まで移動させ研磨し、研磨後に再び高さ測定センサーを当該突起欠陥の所まで移動させなければならず、移動及び高さ測定のために時間がかかる。したがって一つの突起欠陥の処理時間が多くかかり、単位時間あたりの処理個数を多くすることには限界があった。
【0004】
近年、カラーフィルターを使用した液晶パネルの製造量が増大し、しかも高い品質が要求されることとなったので、研磨処理すべき対象が増大し、処理時間の短縮やアウトプットの増大をしたいという要求は非常に大きくなっている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、処理時間を短縮してアウトプットを増大させることができる基板欠陥のリペア装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の基板欠陥のリペア装置は、基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア装置であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の裏面に密着するヘッド部材を有し当該ヘッド部材により前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とを備え、各研磨前高さ測定手段、押圧手段及び研磨後高さ測定手段が基板に対して相対移動する本体に、移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、本体と基板とを相対移動させて、研磨前高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定し、次いで押圧手段のヘッド部材によりテープ部材の研磨層を押しつけて研磨し、次いで研磨後高さ測定手段により研磨後の高さを測定するということが、一連の動作で行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の基板欠陥のリペア装置は、前記ヘッド部材がその先端部を境にしてテープ部材が急激にヘッド部材の側面に沿って振り分けられるようにほぼ板状に形成され、前記研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段の少なくとも一つが前記ヘッド部材に近接して配置されていることを特徴とする。
【0009】
これにより、ヘッド部材と研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段との距離を小さくすることができ、研磨前高さ測定手段により高さを測定した後直ちに研磨を行い、研磨後直ちに研磨後高さ測定を行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の基板欠陥のリペア装置は、前記ヘッド部材の先端部が、凸の曲率を有するほぼ円板状部材のほぼ中央部付近をほぼ平行な2面で切断したような形状であって、その凸曲面部を先端面としてあることを特徴とする。
【0011】
これにより、円板状のヘッド部材に比べて幅方向の寸法を小さくすることができ、押圧手段の幅を小さくして、本体の走行距離の短縮を図ることができ、効率的に突起欠陥の研磨ができる。
【0012】
本発明の請求項4記載の基板欠陥のリペア装置は、前記テープ部材が前記ヘッド部材に至る以前において案内ローラーにより走行自在に案内され、当該案内ローラーのうち前記テープ部材の研磨層が接触する案内ローラーの案内面に当該研磨層が案内面に接しないようにする一段下がった溝部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
これにより、ヘッド部材に至る前に案内ローラに研磨層が接触して研磨層が摩耗・劣化することを防止することができ、研磨性能を最大限に発揮させ、再研磨の頻度が小さくなり、さらなる処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0014】
本発明の請求項5記載の基板欠陥のリペア装置は、研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定する際に当該各高さ測定手段と前記押圧手段との高さ方向の相対位置を押圧手段が基板側から遠のくように変化させることを特徴とする。
【0015】
これにより、突起欠陥の高さを測定する際に押圧手段が基板と干渉することを低減でき、研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段による測定精度を高めることができる。
【0016】
本発明の請求項6記載の基板欠陥のリペア方法は、基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア方法であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とが、基板に対して相対移動する本体に移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されたリペア装置を用い、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する工程と、前記テープ部材の研磨層を突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する工程と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する工程とが本体の移動又は相対移動と共に一連の工程としてなされることを特徴とする。
【0017】
これにより、本体と基板とを相対移動させて、研磨前高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定し、次いで押圧手段によりテープ部材を押しつけて研磨し、次いで研磨後高さ測定手段により研磨後の高さを測定するということが、一連の動作で行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態に係る基板欠陥のリペア装置について説明する。図1は本リペア装置の正面図であり、図2はその側面図である。
【0019】
本リペア装置の本体1は、1軸の電動ステージ2に連結されるほぼ方形状のベースプレート3を備えている。ベースプレート3には、テープ部材Tを巻き取る巻取側リールR1を回転駆動させる駆動モータ4が取り付けられている。駆動モータ4はステッピングモータから構成され、駆動モータ4の出力シャフトにはピニオンギヤー4aが固定されており、当該ピニオンギヤー4aは歯車5に噛み合っている。歯車5の中心部には、巻取側リールR1のリールコアに挿入されるシャフト6aがジョイント部材を介して固定されている。歯車5の周縁に近い部分には、ピン7がジョイント部材を介して固定されている。ピン7は、巻取側リールR1を保持する円形プレート12の周縁部付近に周方向に沿って多数貫通形成された丸形のピン挿入孔に挿入される。
【0020】
ベースプレート3には、使用前のテープ部材Tが巻かれたリールR2のリールコアR21に挿入されるシャフト6aが軸受部材などを介して取り付けられている。ピニオンギヤー4a、歯車5及びシャフト6a,6bの基端部付近はほぼ方形状のカバー部材9により覆われている。
【0021】
シャフト6bの基端部は軸受部材により片持ち状態で回転自在に保持されている。円形リング板をほぼ半割したような2つの部材がシャフト6bの基端部に沿わせて配置され、これらの部材を基端部で揺動自在に支持するとともに、これらの部材の先端間にはバネ部材がこれらの部材をシャフト7の外面に常時接触する方向に付勢して取り付けられている。これによりシャフト7には常時回転に負荷がかかった状態にさせられ、空回りすることが防止され、テープ部材Tにはある程度のテンションがかかる。
【0022】
シャフト6bの基端部には、エンコーダー8が取り付けられている。シャフト6bが回転するとエンコーダー8からパルスが発生する。リールR2が取り付けられたシャフト6bが正常に回転している場合には、所定のパルスがカウントされ、リールR2に巻かれたテープ部材Tが切れたり絡まったりした場合にはシャフト6bの回転に異常が生じるので、パルスが全く検出されなかったり、正常時と異なるパルス数がカウントされたりする。この検出結果によりテープ部材Tの走行異常を検知する。
【0023】
リールR2及び巻取側リールR1はカセット10に取り付けられる。カセット10は本体1に対して着脱自在となっており、装置外でリールR2、巻取側リールR1およびテープ部材Tをカセット10にセットできる。カセット10はほぼ方形状のカセットベースプレート11を備え、これにリールR2及び巻取側リールR1が取り付けられる。カセットベースプレート11の図中下部には、テープ部材Tをガイドするガイドローラー14,15がシャフトに回転自在に挿入されて取り付けられている。
【0024】
カセットベースプレート11には、前記プレート12が回転自在に取り付けられ、プレート12には同軸状に円錐台形状の受け部13が一体に形成されている。プレート12の前面側にはプレート16が取り付けられる。プレート16の内側には円錐台形状の押さえ部17が形成されている。前記受け部13に巻取側リールR1又はリールR2の中心部にあるリング状のリールコアR21を挿入し、プレート16をその押さえ部17がリールコアR21に押し込まれるように装着して巻取側リールR1又はリールR2を取り付ける。これらプレート16の前面から方形状のカバー部材18を取り付ける。
【0025】
ベースプレート3には、カセット10に保持されたリールR2のテープ部材Tの残量を検出するための残量センサー20が取り付けられている。残量センサー20は、ブラケットを介して取り付けられた発光素子21と、当該発光素子21の光軸に対向しブラケットを介して取り付けられた受光素子22とを備えて構成される。これらの光軸は所定の残量位置を通るように配置され、テープ部材Tが充分ある場合には受光素子22には入力が無く、所定の残量よりも少なくなると受光素子に入力がされる。これにより、テープ状部材Tの残量を検知できる。
【0026】
ベースプレート3の下部にはガイドローラー支持板25が固定されている。ガイドローラー支持板25には、ガイドローラー26,27が回転自在に取り付けられ、更に下部にはガイドローラー28,29が回転自在に取り付けられている。
【0027】
ガイドローラー26は、図3に示すように、テープ部材Tを案内する案内面26aに一段下がった凹溝26bが形成されている。この凹溝26bが形成されているので、テープ部材Tの表面に形成された研磨層の巾方向中央部が案内面26aに接触しない。研磨層が突起欠陥の研磨に使用される前に他の部材に接して摩耗や劣化により研磨性能が低下することが防止されている。同様な理由からガイドローラー28にも、ガイドローラー26と同様にテープ部材Tの案内面に一段下がった凹溝が形成されている。
【0028】
なお、ガイドローラー14はテープ部材Tの裏面が接し、ガイドローラー29,27,15は研磨後であるので、ガイドローラー26,28のような凹溝を形成しなくてもよい。但し、部品の共通化を図る目的で同様な凹溝が形成されたものを使用してもよい。
【0029】
ガイドローラー26,27及びガイドローラー28,29の上方にはリニアーガイド30が図中上下方向に取り付けられ、リニアーガイド30にはガイドブロック31がリニアーガイド30に沿って上下方向に移動可能に取り付けられている。ガイドブロック31にはヘッド部材24が基端部でボルト止めなどにより固定されている。
【0030】
ヘッド部材24は図中上下方向に延びる略板状の形状をしており、ガイドブロック31をリニアーガイド30に沿って上下方向に移動させると、ガイドローラー26,27及びガイドローラー28,29間を進退するように移動する。最下部に位置した状態とすると、リールR2から繰り出されたテープ部材Tは、ガイドローラー14,26,28により案内され、ヘッド部材24の先端部で折り返され、ガイドローラー29,27,15により案内されて巻取側リールR1に巻き付けられる状態にさせられる。ヘッド部材24の先端部によりテープ部材Tの裏面を押圧してその表面に形成された研磨層を突起欠陥に押しつけてその研磨を行う。
【0031】
ヘッド部材24は、図4に示すように、基端部材24aの先端部に先端部材24bを固定・固着した構造となっている。先端部材24bは、凸の曲率をほぼ保った円板状部材のほぼ中央部付近をほぼ平行な2面で切断したような棒状形状を有している。先端部材24bとしては、例えばサファイヤガラス又はステンレス鋼などの耐摩耗性や耐腐食性のある材料を円弧面板状に研磨したのち2面でカットしたものなどが使用される。円板状のものと同一の研磨性能を有しているにもかかわらず、幅が極めて小さくでき、省スペース化を図ることができる。省スペースであるがゆえにガイドローラー28,29を接近して配置することもでき、さらには後述するセンサー35のセンシング部38を近接して配置することもできる。
【0032】
ヘッド部材24の両側には、突起欠陥の高さを測定するセンサー35が配置されている。2個のセンサー35のうち一方は、研磨前の突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段を構成し、他方は研磨後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段を構成する。
【0033】
各センサー35は、ベースプレート3にゴニオステージ40を介して取り付けられるセンサー本体部36を備えている。センサー本体部36には、ヘッド部材24側に向けて延びるアーム部37が、図1の上下平面内で揺動自在に取り付けられている。アーム部37の先端にはセンシング部38が取り付けられている。センサー本体部36にはアーム37の揺動量からセンシング部38の上下変位を計測する精密計測手段(例えば差動トランス)が内蔵されている。
【0034】
図5に示すように、センシング部38の先端部38aは、例えばサファイヤガラス又はステンレス鋼などの耐摩耗性や耐腐食性の材料などからなり、先端が先鋭でかつ所定の幅を有する稜線38bを有するほぼくさび状形状をしている。先端部38aの稜線38bが幅を有するので、突起欠陥の高さを測定する際に何回かジクザクに往復移動させなくても、1度のスキャンで高さが測定でき測定効率が高まる。前記ゴニオステージ40はセンシング部38の先端を中心として左右に揺動させるためのものであり、この揺動によりセンシング部38の稜線38bが基板面とほぼ平行になるように調整を行う。
【0035】
次に、本リペア装置の使用方法について説明する。
【0036】
先ず、テープ部材Tをカセット10にセットする。カバー部材18及びプレート16を取り去り、テープ部材Tが巻き付けられたリールR2のリールコアR21を受け部12に差し込み、リールR2からテープ部材Tを所望量(例えば30cm程度)引き出し、プレート16を取り付ける。次いで、引き出したテープ部材Tの先端を二つ折りして巻取側リールR1に形成されたスリット部に挿入して巻取側リールR1を2〜3回転させてテープ部材Tを巻き付け、プレート16を取り付け、カバー部材18を取り付ける。この際、巻取側リールR1とリールR2との間に掛け渡されたテープ部材Tをガイドローラー14,15間に通して案内しておく。
【0037】
次に、ガイドブロック31をリニアガイド30に沿って上方に持ち上げて、ガイドブロック31に固定されたヘッド部材24の先端部をテープ部材Tの位置よりも上方に位置させた後、カセット10を本体1に取り付ける。本体1から突出するシャフト6a,6bに合わせてカセット10にセットされた巻取側リールR1及びリールR2のリールコアR21内を挿入して取り付ける。この後、ピン孔に固定用ピンを挿入してベースプレート3に固定する。
【0038】
この後、持ち上げていたガイドブロック31をリニアガイド30に沿って下方に降下させる。これにより、ヘッド部材24の先端部材24bがテープ部材Tの裏面に当接し、テープ部材Tを引き出しつつ下降する。
【0039】
本体1を1軸の電動ステージ2を駆動して若干(例えば1mm程度)高さ方向に上昇させる。前工程の検査により欠陥のあると予想されたカラーフィルター上の位置に本体1を走行・移動させる。おおよその位置になったら走行を停止し本体1に付設された顕微鏡により欠陥付近の画像を撮像し、欠陥の平面形状等をマニュアル又は自動的に観察する。観察の結果、突起欠陥を研磨すると判断された際には、センサー35、ヘッド部材24を突起欠陥に向けて走行させる。
【0040】
一方のセンサー35が突起欠陥の近傍に来たら、電動ステージ2を駆動して若干下降させてセンシング部38が基板に接するようにし、極めて低速(例えば0.3mm/sec)で走行させると、図6(a)に示すように、一方のセンサー35のセンシング部38が突起欠陥cに乗り上げ、その高さが検出される。測定された高さ寸法に応じて研磨作業に入る。
【0041】
すなわち、図6(b)に示すように、高さ測定センサー35の測定結果をフィードバックして1軸の電動ステージ2を駆動して本体1の高さを少し(1mm程度)下げ、ヘッド部材24の先端部材24aの先端面が突起欠陥cの頂点よりも低くさせる。必要に応じて1軸の電動ステージ2を駆動して本体1を下方に押圧しつつ、テープ部材Tを突起欠陥cに接触させながら駆動モータ4を駆動させてテープ状部材Tを走行させるとともに、本体1を走行・移動させて突起欠陥cを研磨する。
【0042】
突起欠陥cの研磨が終了したらヘッド部材24を少し上昇させ、ヘッド部材24が突起欠陥cを通過しても更に本体1を走行させる。これにより、図6(c)に示すように、他方のセンサー35のセンシング部38が突起欠陥cに乗り上げ、その高さが検出される。測定された高さ寸法が目標高さになっていれば、本体1を上昇させて他の突起欠陥cに向けて走行させる。目標高さに達していないと判断された場合には、当該センサー35の測定結果をフィードバックさせて電動ステージ2を駆動して本体1の高さを下げて、本体1を逆方向に走行させ、上記と同様な工程で再度研磨作業に入る。
【0043】
このように、研磨前高さ測定、研磨、研磨後高さ測定を、本体1を一方向に走行させる際に一連の作業として行うことができるので、処理時間を短縮することができ、単位時間当たりのアウトプットを増大させることができる。
【0044】
各センサー35のセンシング部38とヘッド部材24の先端部材24bとの距離が極めて小さく配置されているので、センシング部38により高さ測定した後に直ちに研磨作業に移行でき、処理時間を短縮することができる。
【0045】
なお、センサー35を一つのみ設け、研磨前高さ測定と研磨後高さ測定とを兼用するようにしてもよい。この場合には、研磨後に逆方向に走行して研磨後の高さの測定を行う。
【0046】
基板を固定してリペア装置を走行させるものを例に説明したが、リペア装置を固定して基板を固定したベッド(テーブル)を移動させるようにしたものであってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基板欠陥のリペア装置によれば、以下の効果を奏する。
【0048】
(1)リペア装置本体を基板に対して相対移動させて、研磨前高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定し、次いで押圧手段によりテープ部材を押しつけて研磨し、次いで研磨後高さ測定手段により研磨後の高さを測定するということが、一連の動作で行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0049】
(2)円板状のヘッド部材に比べて幅方向の寸法を小さくすることができ、押圧手段の幅を小さくして、リペア装置本体の走行距離の短縮を図ることができる。
【0050】
(3)ヘッド部材と研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段との距離を小さくすることができ、研磨前高さ測定手段により高さを測定した後直ちに研磨を行い、研磨後直ちに研磨後高さ測定を行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0051】
(4)ヘッド部材に至る前に案内ローラに研磨層が接触して、研磨層が摩耗・劣化することが防止でき、研磨性能を最大限に発揮させ、再研磨の頻度を小さくでき、さらなる処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0052】
(5)突起欠陥の高さを測定する際に押圧部材が基板と干渉することが低減でき、研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段による測定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置を示す正面図である。
【図2】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置を示す側面図である。
【図3】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置のガイドローラーを示す断面図である。
【図4】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置のヘッド部材の先端部を示す拡大図である。
【図5】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置のセンシング部の先端部を示す拡大図である。
【図6】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置の工程を示す図である。
【符号の説明】
1 リペア装置本体
24 ヘッド部材
26 ガイドローラー
26b 凹溝
35 センサー
T テープ状部材
c 突起欠陥
【発明の名称】 基板欠陥のリペア装置及び方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア装置であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の裏面に密着するヘッド部材を有し当該ヘッド部材により前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とを備え、各研磨前高さ測定手段、押圧手段及び研磨後高さ測定手段が基板に対して相対移動する本体に、移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されていることを特徴とする基板欠陥のリペア装置。
【請求項2】 前記ヘッド部材がその先端部を境にしてテープ部材が急激にヘッド部材の側面に沿って振り分けられるようにほぼ板状に形成され、前記研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段の少なくとも一つが前記ヘッド部材に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項3】 前記ヘッド部材の先端部が、凸の曲率を有するほぼ円板状部材のほぼ中央部付近をほぼ平行な2面で切断したような形状であって、その凸曲面部を先端面としてあることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項4】 前記テープ部材が前記ヘッド部材に至る以前において案内ローラーにより走行自在に案内され、当該案内ローラーのうち前記テープ部材の研磨層が接触する案内ローラーの案内面に当該研磨層が案内面に接しないようにする一段下がった溝部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項5】 研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定する際に当該各高さ測定手段と前記押圧手段との高さ方向の相対位置を押圧手段が基板側から遠のくように変化させることを特徴とする請求項1記載の基板欠陥のリペア装置。
【請求項6】 基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア方法であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とが、基板に対して相対移動する本体に移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されたリペア装置を用い、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する工程と、前記テープ部材の研磨層を突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する工程と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する工程とが本体の移動又は相対移動と共に一連の工程としてなされることを特徴とする基板欠陥のリペア方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、研磨層を備えたテープ部材を走行させて基板(例えば、液晶パネルのカラーフィルターなど)上に形成された突起状の突起欠陥を研磨して修復する基板欠陥のリペア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリペア装置としては、突起欠陥の高さを測定する高さ測定センサーと、突起欠陥を高さ方向から研磨する研磨装置とを備えたものがある。このものでは、高さ測定センサーを突起欠陥にむけて走行させ、高さ測定センサーを下降させてその高さを測定する。この後に、研磨装置を突起欠陥に向けて走行・移動させ、研磨装置を下降させて、凸曲面を有するヘッドによりテープ部材をその裏面から押圧してテープ部材の表面に形成された研磨層を当該突起欠陥に密着・押圧してテープ部材を走行させて研磨を実施する。この後に、前記高さ測定センサーを研磨された突起欠陥に向けて移動させ下降させて研磨後の高さを測定して研磨結果をフィードバックする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のリペア装置では、高さ測定をした後に、研磨装置を突起欠陥の所まで移動させ研磨し、研磨後に再び高さ測定センサーを当該突起欠陥の所まで移動させなければならず、移動及び高さ測定のために時間がかかる。したがって一つの突起欠陥の処理時間が多くかかり、単位時間あたりの処理個数を多くすることには限界があった。
【0004】
近年、カラーフィルターを使用した液晶パネルの製造量が増大し、しかも高い品質が要求されることとなったので、研磨処理すべき対象が増大し、処理時間の短縮やアウトプットの増大をしたいという要求は非常に大きくなっている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、処理時間を短縮してアウトプットを増大させることができる基板欠陥のリペア装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の基板欠陥のリペア装置は、基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア装置であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の裏面に密着するヘッド部材を有し当該ヘッド部材により前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とを備え、各研磨前高さ測定手段、押圧手段及び研磨後高さ測定手段が基板に対して相対移動する本体に、移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、本体と基板とを相対移動させて、研磨前高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定し、次いで押圧手段のヘッド部材によりテープ部材の研磨層を押しつけて研磨し、次いで研磨後高さ測定手段により研磨後の高さを測定するということが、一連の動作で行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の基板欠陥のリペア装置は、前記ヘッド部材がその先端部を境にしてテープ部材が急激にヘッド部材の側面に沿って振り分けられるようにほぼ板状に形成され、前記研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段の少なくとも一つが前記ヘッド部材に近接して配置されていることを特徴とする。
【0009】
これにより、ヘッド部材と研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段との距離を小さくすることができ、研磨前高さ測定手段により高さを測定した後直ちに研磨を行い、研磨後直ちに研磨後高さ測定を行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の基板欠陥のリペア装置は、前記ヘッド部材の先端部が、凸の曲率を有するほぼ円板状部材のほぼ中央部付近をほぼ平行な2面で切断したような形状であって、その凸曲面部を先端面としてあることを特徴とする。
【0011】
これにより、円板状のヘッド部材に比べて幅方向の寸法を小さくすることができ、押圧手段の幅を小さくして、本体の走行距離の短縮を図ることができ、効率的に突起欠陥の研磨ができる。
【0012】
本発明の請求項4記載の基板欠陥のリペア装置は、前記テープ部材が前記ヘッド部材に至る以前において案内ローラーにより走行自在に案内され、当該案内ローラーのうち前記テープ部材の研磨層が接触する案内ローラーの案内面に当該研磨層が案内面に接しないようにする一段下がった溝部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
これにより、ヘッド部材に至る前に案内ローラに研磨層が接触して研磨層が摩耗・劣化することを防止することができ、研磨性能を最大限に発揮させ、再研磨の頻度が小さくなり、さらなる処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0014】
本発明の請求項5記載の基板欠陥のリペア装置は、研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定する際に当該各高さ測定手段と前記押圧手段との高さ方向の相対位置を押圧手段が基板側から遠のくように変化させることを特徴とする。
【0015】
これにより、突起欠陥の高さを測定する際に押圧手段が基板と干渉することを低減でき、研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段による測定精度を高めることができる。
【0016】
本発明の請求項6記載の基板欠陥のリペア方法は、基板に生じた突起欠陥を研磨層が形成されたテープ部材の走行により研磨する基板欠陥のリペア方法であって、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段と、前記テープ部材の研磨層を前記突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する押圧手段と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段とが、基板に対して相対移動する本体に移動方向にほぼ沿って互いに近接させて配置されたリペア装置を用い、研磨すべき突起欠陥の高さを測定する工程と、前記テープ部材の研磨層を突起欠陥に押し当てて突起欠陥を研磨する工程と、当該押圧手段により研磨された後の突起欠陥の高さを測定する工程とが本体の移動又は相対移動と共に一連の工程としてなされることを特徴とする。
【0017】
これにより、本体と基板とを相対移動させて、研磨前高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定し、次いで押圧手段によりテープ部材を押しつけて研磨し、次いで研磨後高さ測定手段により研磨後の高さを測定するということが、一連の動作で行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態に係る基板欠陥のリペア装置について説明する。図1は本リペア装置の正面図であり、図2はその側面図である。
【0019】
本リペア装置の本体1は、1軸の電動ステージ2に連結されるほぼ方形状のベースプレート3を備えている。ベースプレート3には、テープ部材Tを巻き取る巻取側リールR1を回転駆動させる駆動モータ4が取り付けられている。駆動モータ4はステッピングモータから構成され、駆動モータ4の出力シャフトにはピニオンギヤー4aが固定されており、当該ピニオンギヤー4aは歯車5に噛み合っている。歯車5の中心部には、巻取側リールR1のリールコアに挿入されるシャフト6aがジョイント部材を介して固定されている。歯車5の周縁に近い部分には、ピン7がジョイント部材を介して固定されている。ピン7は、巻取側リールR1を保持する円形プレート12の周縁部付近に周方向に沿って多数貫通形成された丸形のピン挿入孔に挿入される。
【0020】
ベースプレート3には、使用前のテープ部材Tが巻かれたリールR2のリールコアR21に挿入されるシャフト6aが軸受部材などを介して取り付けられている。ピニオンギヤー4a、歯車5及びシャフト6a,6bの基端部付近はほぼ方形状のカバー部材9により覆われている。
【0021】
シャフト6bの基端部は軸受部材により片持ち状態で回転自在に保持されている。円形リング板をほぼ半割したような2つの部材がシャフト6bの基端部に沿わせて配置され、これらの部材を基端部で揺動自在に支持するとともに、これらの部材の先端間にはバネ部材がこれらの部材をシャフト7の外面に常時接触する方向に付勢して取り付けられている。これによりシャフト7には常時回転に負荷がかかった状態にさせられ、空回りすることが防止され、テープ部材Tにはある程度のテンションがかかる。
【0022】
シャフト6bの基端部には、エンコーダー8が取り付けられている。シャフト6bが回転するとエンコーダー8からパルスが発生する。リールR2が取り付けられたシャフト6bが正常に回転している場合には、所定のパルスがカウントされ、リールR2に巻かれたテープ部材Tが切れたり絡まったりした場合にはシャフト6bの回転に異常が生じるので、パルスが全く検出されなかったり、正常時と異なるパルス数がカウントされたりする。この検出結果によりテープ部材Tの走行異常を検知する。
【0023】
リールR2及び巻取側リールR1はカセット10に取り付けられる。カセット10は本体1に対して着脱自在となっており、装置外でリールR2、巻取側リールR1およびテープ部材Tをカセット10にセットできる。カセット10はほぼ方形状のカセットベースプレート11を備え、これにリールR2及び巻取側リールR1が取り付けられる。カセットベースプレート11の図中下部には、テープ部材Tをガイドするガイドローラー14,15がシャフトに回転自在に挿入されて取り付けられている。
【0024】
カセットベースプレート11には、前記プレート12が回転自在に取り付けられ、プレート12には同軸状に円錐台形状の受け部13が一体に形成されている。プレート12の前面側にはプレート16が取り付けられる。プレート16の内側には円錐台形状の押さえ部17が形成されている。前記受け部13に巻取側リールR1又はリールR2の中心部にあるリング状のリールコアR21を挿入し、プレート16をその押さえ部17がリールコアR21に押し込まれるように装着して巻取側リールR1又はリールR2を取り付ける。これらプレート16の前面から方形状のカバー部材18を取り付ける。
【0025】
ベースプレート3には、カセット10に保持されたリールR2のテープ部材Tの残量を検出するための残量センサー20が取り付けられている。残量センサー20は、ブラケットを介して取り付けられた発光素子21と、当該発光素子21の光軸に対向しブラケットを介して取り付けられた受光素子22とを備えて構成される。これらの光軸は所定の残量位置を通るように配置され、テープ部材Tが充分ある場合には受光素子22には入力が無く、所定の残量よりも少なくなると受光素子に入力がされる。これにより、テープ状部材Tの残量を検知できる。
【0026】
ベースプレート3の下部にはガイドローラー支持板25が固定されている。ガイドローラー支持板25には、ガイドローラー26,27が回転自在に取り付けられ、更に下部にはガイドローラー28,29が回転自在に取り付けられている。
【0027】
ガイドローラー26は、図3に示すように、テープ部材Tを案内する案内面26aに一段下がった凹溝26bが形成されている。この凹溝26bが形成されているので、テープ部材Tの表面に形成された研磨層の巾方向中央部が案内面26aに接触しない。研磨層が突起欠陥の研磨に使用される前に他の部材に接して摩耗や劣化により研磨性能が低下することが防止されている。同様な理由からガイドローラー28にも、ガイドローラー26と同様にテープ部材Tの案内面に一段下がった凹溝が形成されている。
【0028】
なお、ガイドローラー14はテープ部材Tの裏面が接し、ガイドローラー29,27,15は研磨後であるので、ガイドローラー26,28のような凹溝を形成しなくてもよい。但し、部品の共通化を図る目的で同様な凹溝が形成されたものを使用してもよい。
【0029】
ガイドローラー26,27及びガイドローラー28,29の上方にはリニアーガイド30が図中上下方向に取り付けられ、リニアーガイド30にはガイドブロック31がリニアーガイド30に沿って上下方向に移動可能に取り付けられている。ガイドブロック31にはヘッド部材24が基端部でボルト止めなどにより固定されている。
【0030】
ヘッド部材24は図中上下方向に延びる略板状の形状をしており、ガイドブロック31をリニアーガイド30に沿って上下方向に移動させると、ガイドローラー26,27及びガイドローラー28,29間を進退するように移動する。最下部に位置した状態とすると、リールR2から繰り出されたテープ部材Tは、ガイドローラー14,26,28により案内され、ヘッド部材24の先端部で折り返され、ガイドローラー29,27,15により案内されて巻取側リールR1に巻き付けられる状態にさせられる。ヘッド部材24の先端部によりテープ部材Tの裏面を押圧してその表面に形成された研磨層を突起欠陥に押しつけてその研磨を行う。
【0031】
ヘッド部材24は、図4に示すように、基端部材24aの先端部に先端部材24bを固定・固着した構造となっている。先端部材24bは、凸の曲率をほぼ保った円板状部材のほぼ中央部付近をほぼ平行な2面で切断したような棒状形状を有している。先端部材24bとしては、例えばサファイヤガラス又はステンレス鋼などの耐摩耗性や耐腐食性のある材料を円弧面板状に研磨したのち2面でカットしたものなどが使用される。円板状のものと同一の研磨性能を有しているにもかかわらず、幅が極めて小さくでき、省スペース化を図ることができる。省スペースであるがゆえにガイドローラー28,29を接近して配置することもでき、さらには後述するセンサー35のセンシング部38を近接して配置することもできる。
【0032】
ヘッド部材24の両側には、突起欠陥の高さを測定するセンサー35が配置されている。2個のセンサー35のうち一方は、研磨前の突起欠陥の高さを測定する研磨前高さ測定手段を構成し、他方は研磨後の突起欠陥の高さを測定する研磨後高さ測定手段を構成する。
【0033】
各センサー35は、ベースプレート3にゴニオステージ40を介して取り付けられるセンサー本体部36を備えている。センサー本体部36には、ヘッド部材24側に向けて延びるアーム部37が、図1の上下平面内で揺動自在に取り付けられている。アーム部37の先端にはセンシング部38が取り付けられている。センサー本体部36にはアーム37の揺動量からセンシング部38の上下変位を計測する精密計測手段(例えば差動トランス)が内蔵されている。
【0034】
図5に示すように、センシング部38の先端部38aは、例えばサファイヤガラス又はステンレス鋼などの耐摩耗性や耐腐食性の材料などからなり、先端が先鋭でかつ所定の幅を有する稜線38bを有するほぼくさび状形状をしている。先端部38aの稜線38bが幅を有するので、突起欠陥の高さを測定する際に何回かジクザクに往復移動させなくても、1度のスキャンで高さが測定でき測定効率が高まる。前記ゴニオステージ40はセンシング部38の先端を中心として左右に揺動させるためのものであり、この揺動によりセンシング部38の稜線38bが基板面とほぼ平行になるように調整を行う。
【0035】
次に、本リペア装置の使用方法について説明する。
【0036】
先ず、テープ部材Tをカセット10にセットする。カバー部材18及びプレート16を取り去り、テープ部材Tが巻き付けられたリールR2のリールコアR21を受け部12に差し込み、リールR2からテープ部材Tを所望量(例えば30cm程度)引き出し、プレート16を取り付ける。次いで、引き出したテープ部材Tの先端を二つ折りして巻取側リールR1に形成されたスリット部に挿入して巻取側リールR1を2〜3回転させてテープ部材Tを巻き付け、プレート16を取り付け、カバー部材18を取り付ける。この際、巻取側リールR1とリールR2との間に掛け渡されたテープ部材Tをガイドローラー14,15間に通して案内しておく。
【0037】
次に、ガイドブロック31をリニアガイド30に沿って上方に持ち上げて、ガイドブロック31に固定されたヘッド部材24の先端部をテープ部材Tの位置よりも上方に位置させた後、カセット10を本体1に取り付ける。本体1から突出するシャフト6a,6bに合わせてカセット10にセットされた巻取側リールR1及びリールR2のリールコアR21内を挿入して取り付ける。この後、ピン孔に固定用ピンを挿入してベースプレート3に固定する。
【0038】
この後、持ち上げていたガイドブロック31をリニアガイド30に沿って下方に降下させる。これにより、ヘッド部材24の先端部材24bがテープ部材Tの裏面に当接し、テープ部材Tを引き出しつつ下降する。
【0039】
本体1を1軸の電動ステージ2を駆動して若干(例えば1mm程度)高さ方向に上昇させる。前工程の検査により欠陥のあると予想されたカラーフィルター上の位置に本体1を走行・移動させる。おおよその位置になったら走行を停止し本体1に付設された顕微鏡により欠陥付近の画像を撮像し、欠陥の平面形状等をマニュアル又は自動的に観察する。観察の結果、突起欠陥を研磨すると判断された際には、センサー35、ヘッド部材24を突起欠陥に向けて走行させる。
【0040】
一方のセンサー35が突起欠陥の近傍に来たら、電動ステージ2を駆動して若干下降させてセンシング部38が基板に接するようにし、極めて低速(例えば0.3mm/sec)で走行させると、図6(a)に示すように、一方のセンサー35のセンシング部38が突起欠陥cに乗り上げ、その高さが検出される。測定された高さ寸法に応じて研磨作業に入る。
【0041】
すなわち、図6(b)に示すように、高さ測定センサー35の測定結果をフィードバックして1軸の電動ステージ2を駆動して本体1の高さを少し(1mm程度)下げ、ヘッド部材24の先端部材24aの先端面が突起欠陥cの頂点よりも低くさせる。必要に応じて1軸の電動ステージ2を駆動して本体1を下方に押圧しつつ、テープ部材Tを突起欠陥cに接触させながら駆動モータ4を駆動させてテープ状部材Tを走行させるとともに、本体1を走行・移動させて突起欠陥cを研磨する。
【0042】
突起欠陥cの研磨が終了したらヘッド部材24を少し上昇させ、ヘッド部材24が突起欠陥cを通過しても更に本体1を走行させる。これにより、図6(c)に示すように、他方のセンサー35のセンシング部38が突起欠陥cに乗り上げ、その高さが検出される。測定された高さ寸法が目標高さになっていれば、本体1を上昇させて他の突起欠陥cに向けて走行させる。目標高さに達していないと判断された場合には、当該センサー35の測定結果をフィードバックさせて電動ステージ2を駆動して本体1の高さを下げて、本体1を逆方向に走行させ、上記と同様な工程で再度研磨作業に入る。
【0043】
このように、研磨前高さ測定、研磨、研磨後高さ測定を、本体1を一方向に走行させる際に一連の作業として行うことができるので、処理時間を短縮することができ、単位時間当たりのアウトプットを増大させることができる。
【0044】
各センサー35のセンシング部38とヘッド部材24の先端部材24bとの距離が極めて小さく配置されているので、センシング部38により高さ測定した後に直ちに研磨作業に移行でき、処理時間を短縮することができる。
【0045】
なお、センサー35を一つのみ設け、研磨前高さ測定と研磨後高さ測定とを兼用するようにしてもよい。この場合には、研磨後に逆方向に走行して研磨後の高さの測定を行う。
【0046】
基板を固定してリペア装置を走行させるものを例に説明したが、リペア装置を固定して基板を固定したベッド(テーブル)を移動させるようにしたものであってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基板欠陥のリペア装置によれば、以下の効果を奏する。
【0048】
(1)リペア装置本体を基板に対して相対移動させて、研磨前高さ測定手段により突起欠陥の高さを測定し、次いで押圧手段によりテープ部材を押しつけて研磨し、次いで研磨後高さ測定手段により研磨後の高さを測定するということが、一連の動作で行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0049】
(2)円板状のヘッド部材に比べて幅方向の寸法を小さくすることができ、押圧手段の幅を小さくして、リペア装置本体の走行距離の短縮を図ることができる。
【0050】
(3)ヘッド部材と研磨前高さ測定手段又は研磨後高さ測定手段との距離を小さくすることができ、研磨前高さ測定手段により高さを測定した後直ちに研磨を行い、研磨後直ちに研磨後高さ測定を行うことができ、処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0051】
(4)ヘッド部材に至る前に案内ローラに研磨層が接触して、研磨層が摩耗・劣化することが防止でき、研磨性能を最大限に発揮させ、再研磨の頻度を小さくでき、さらなる処理時間の短縮、アウトプットの増大を図ることができる。
【0052】
(5)突起欠陥の高さを測定する際に押圧部材が基板と干渉することが低減でき、研磨前高さ測定手段及び研磨後高さ測定手段による測定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置を示す正面図である。
【図2】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置を示す側面図である。
【図3】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置のガイドローラーを示す断面図である。
【図4】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置のヘッド部材の先端部を示す拡大図である。
【図5】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置のセンシング部の先端部を示す拡大図である。
【図6】
本発明の実施の形態にかかるリペア装置の工程を示す図である。
【符号の説明】
1 リペア装置本体
24 ヘッド部材
26 ガイドローラー
26b 凹溝
35 センサー
T テープ状部材
c 突起欠陥
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