JP2003266011A - 光学部材用の基板の塗布方法および塗布装置 - Google Patents

光学部材用の基板の塗布方法および塗布装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】比較的小さくわずかしか変化しない蒸着角で、
所定の半径方向膜厚さ分布およびほぼ一定のコーティン
グ材料密度を有するコーティングを半径方向全体にわた
って付着させることができる方法を提供する。 【解決手段】ほぼ回転対称のコーティングを光学部材用
の基板10に塗布する方法は、回転式遊星キャリヤ2
と、それぞれが1つの基板を担持して遊星キャリヤと共
転すると共に主キャリヤに対して回転する幾つかの遊星
4とを有する遊星形駆動システム1を備えた塗布装置を
用いる。1つの実施形態では、物理的膜厚さの半径方向
変化を制御することができる1組の静止第1マスク20
が、遊星の下方に位置する材料源8と基板との間に配置
されている。すべての基板に対して限定蒸着または入射
角(βmax)を超える蒸着角を遮蔽する1組の第2マス
ク25も主キャリヤ2と共転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ほぼ回転対称の光学コーティン
グを光学部材用の基板に塗布する方法、およびその方法
を実施するのに適した塗布装置に関する。
【0002】反射率を減少させるか、他の要件に合わせ
るために回転対称光学コーティングを塗布しなければな
らない複数のレンズを有する光学系が、半導体装置また
は他の形式のマイクロ装置のマイクロリソグラフ製造用
の投影系に用いられている。必要ならば、反射屈折また
は反射屈折投影レンズに用いられる結像鏡などの、急カ
ーブの表面を有するものもある他の光学部材にも、塗布
しなければならないであろう。これらの光学コーティン
グは通常、塗布面の光学的に利用される部分全体にわた
って正確に制御された、一般的にできる限り均一な光学
効果を有していなければならない。
【0003】光学列における塗布面の効果は、それらの
表面に塗布されたコーティングの膜厚さ分布、すなわ
ち、回転対称コーティングの場合、以下の説明で「膜厚
さ分布」とも呼ぶ半径方向膜厚さ特性によってほぼ決ま
る。むらのある膜厚さ分布は、特に急カーブの光学面を
有する光学系の場合、レンズの透過率がその周辺部に向
かって低下するなどの悪影響を有するであろう。視野レ
ンズ系の場合、これらの影響は、光入射角による影響に
よって悪化するであろう。「入射角」または「i角」と
も呼ばれるこれらの入射角は、湾曲した光学面上の異な
った半径方向位置で異なる。軸方向光線はレンズの光学
面の中心に垂直に入射するが、それらの周辺部に当たる
一部の光線は非常に大きい入射角で入射し、その入射角
は、大開口数の投影レンズなどの場合、30°〜70°
がごく一般的であり、そのため、塗布レンズの光学特性
が中心部分の場合より短い波長に移動するであろう。特
に急カーブの光学面上のコーティングの場合、コーティ
ングの中心からその周辺部までのコーティング材料の屈
折率の変化がすでに確認されており、これもコーティン
グの設計を難しくする。
【0004】上記のようにコーティングの屈折率が半径
方向に変化することは、主にコーティング材料の密度が
中心から周辺部に向かって低下することによる。本明細
書で使用する「密度」とは特に、関連のパッキング密
度、光学密度および/または質量密度のことである。パ
ッキング密度が半径方向に低下すると、特に短波長紫外
線で作動する光学系の場合、別の問題が発生する。たと
えば、多孔質コーティングは、パッキング密度が高い平
滑なコーティングより多くの水を吸収し、このため、波
長が157nmの紫外線は水によって強く吸収されるの
で、たとえば、約280nm未満、特に157nm以下
の波長では透過率の問題が発生すると共に、コーティン
グの耐久性の問題も発生するであろう。急カーブの塗布
光学面の周辺部付近でのコーティング付着の問題が確認
されている。
【0005】今日まで、コーティング材料の屈折率に確
認された変化、および光学面の周辺部付近で柔軟かつ低
付着性のコーティング構造は、光学面の周辺部付近で発
生するコーティング材料の大きい入射角のせいであると
いう疑念が表明されている。大きい入射角は、散乱ロス
や、平坦な蒸着塗布鏡の周辺部での不都合な塗布応力の
原因でもあった(米国特許第5,518,518号を参
照)。
【0006】塗布コストを削減するために、たとえば、
幾つかの基板を同時に塗布できるようにするために、遊
星形駆動システムを備えた塗布装置を使用することが多
い。本明細書で考える形式の遊星形駆動システムは、主
回転軸まわりに回転することができる、「遊星キャリ
ヤ」とも呼ばれることが多い主キャリヤと、多数の回転
式基板キャリヤとを有しており、基板キャリヤの各々
は、主キャリヤに対して基板キャリヤ回転軸まわりに回
転することができ、「遊星」とも呼ばれる。回転対称コ
ーティングを付着する時、コーティング面の対称軸が主
回転軸と一致するようにして、各基板を基板キャリヤ上
に留め付ける。主回転軸および基板キャリヤの回転軸は
通常は互いに平行に配列されるが、それらを互いに対し
て傾斜させることもできる。基板キャリヤは、一般的に
主回転軸に取り付けられた材料源に対して、基板キャリ
ヤに取り付けられた基板の表面上の、材料源に面して塗
布が予定される位置を、特に被塗布面が湾曲している場
合に大きく変化する入射角で入射する材料源からのコー
ティング材料で塗布可能であるように配置されている。
本明細書では、コーディングを付着させる予定の各位置
での「入射角」または「入射の角度」は、コーティング
面のその位置に対する局部垂線と、その位置でのコーテ
ィング材料の入射方向との間の角度として定義され、一
般的に経時的に変化する。
【0007】この特定形式の遊星形駆動システムの場
合、上記問題の幾つかを軽減するために、マスキングま
たはバッフル方法が用いられる。マスキング方法の一例
が、SPIE第2775巻335〜365頁に記載され
た「紫外線フォトリソグラフィシステム用の光学コーテ
ィング( Optical Coatings for UV PhotolithographyS
ystems)」と題する記事に記載されている。これでは、
遊星形駆動システム内の材料源および基板間に挿入され
て、遮蔽マスクとして機能し、所望の全体膜厚さ特性を
生じるように高いコーディング付着率に対応した立体角
を間欠的に遮蔽できるように計算された特別な形状を有
するマスクが用いられた。これらの補正マスクは一般的
に、基板の近傍に配置される。すべての表面形状および
すべての所望膜厚さ特性に対して、計算できる最適マス
ク形状がある。
【0008】特に遠紫外線領域およびそれ以下の波長を
用いる用途で使用する予定の急カーブの光学面の塗布を
行う場合、従来のマスキング方法は必ずしも理想的な方
法ではないことがわかったので、これらの種類のマスキ
ング方法をさらに改善する必要がある。
【0009】本発明の1つの目的は、特に短波長紫外線
領域に関連した用途に使用する予定の急カーブの基板上
の塗布面全体に均一に作用するコーティングを付着する
ことができる塗布方法を提供することである。さらなる
目的は、その方法を実施するのに適した塗布装置を提供
することである。
【0010】上記および他の目的を達成するために、本
発明は、1つの態様によれば、請求項1に記載の方法お
よびその方法を実行するための対応の塗布装置を提供す
る。
【0011】好都合な実施形態が、従属請求項に記載さ
れている。本願の特許請求の範囲に記載のすべての請求
項の表現は、本願の明細書の説明の一部をなす。
【0012】本発明に従った方法では、少なくとも1つ
の基板を塗布装置内に配置された材料源に対して、その
基板の材料源に面する塗布予定の塗布面(すなわち、被
塗布面)上の塗布位置に、材料源から出て通常はそれぞ
れの塗布位置で経時的に変化する入射角でそれに入射す
るコーティング材料を塗布できるように配置する。基板
を基板回転軸まわりに回転させる。この回転は、結果と
して得られる光学コーティングの回転対称に必須であ
り、回転対称コーティングの対称軸が基板回転軸と一致
できるようにする。光学部材の対称軸があるとすれば、
それも通常は基板の回転軸と一致するが、それに対して
ある角度に傾斜させたり、それに平行に変位してもよ
い。塗布面に当たるコーティング材料の量が、被塗布位
置および基板の回転軸間の半径方向距離に応じて変化す
るように、光学コーティングの半径方向膜厚さ特性の制
御が行われる。コーティング材料の局所入射角の制御
も、それが塗布面上のいずれの被塗布位置でも所定の限
界入射角を超えないように行われる。したがって、コー
ティングは、比較的狭い範囲内の入射角に能動的に制限
され、このように能動的に制限することによって、実際
に生じる最大入射角が、この能動的制限がなければ生じ
ると思われる、基板構造、装置構造、およびシステム設
計形式によって決定される最大可能入射角より小さくな
るようにすることができる。
【0013】このように基板の表面に対するコーティン
グ材料の入射角を小さく、特にほぼ垂直の入射角か、鋭
角の入射角に制限することによって、結果として得られ
たコーティングは均一の高パッキング密度および低気孔
率を有して、水および他の汚染物質の吸収をほぼ阻止す
るか、いずれにしても、少なくとも減少させることがで
きる。コーティング材料の屈折率の変化も回避され、コ
ーティング材料の屈折率は、従来方法で付着させたコー
ティングの場合よりも塊状材料の屈折率に近くなり、こ
れによってコーティング設計が大幅に簡単になるであろ
う。塗布光学部材の周辺部でのコーティング付着問題も
回避され、これによってそれの有効寿命が長くなるであ
ろう。
【0014】したがって、コーティング膜厚さ分布の正
確な制御と、大きいコーティング材料入射角の排除との
組み合わせが提供される。この組み合わせの場合は通
常、所望の半径方向膜厚さ特性を生じるために蒸着する
必要がある材料の量を決定する際に、比較的小さい入射
角で入射する材料だけがコーティングの付着に寄与する
ことを十分に考慮しなければならないため、従来のバッ
フル方法で用いられていた半径方向膜厚さ特性の制御用
の遮蔽マスクの程度、たとえば、形状、寸法および数を
変更する必要がある。したがって、同様な形式の基板に
おいて、本発明に従った方法による塗布処理では、従来
方法より多くの材料源内のコーティング材料を使用する
必要がある。しかし、この些細な欠点は、結果として得
られるコーティングの光学および物理特性に関する大き
な利点によって十分に埋め合わされる。
【0015】本発明に従った方法は、塗布すべき光学部
材用の基板、たとえば、レンズまたは鏡の表面上にほぼ
回転対称の光学コーティングを付着させるのに適してお
り、これは好ましくは、塗布中に基板を移動させるため
に遊星形駆動システムを備えた塗布装置によって実施さ
れる。本方法は特に、被塗布表面が急カーブである基板
の塗布を予定し、それに適しているが、ほぼ平面的な表
面か、わずかに湾曲しているだけである表面を有する基
板の塗布にも用いることができる。
【0016】方法の別の実施形態では、半径方向膜厚さ
特性を制御する時、被塗布面の一部分を材料源から間欠
的に遮蔽し、その遮蔽間隔長さを、被塗布位置および基
板回転軸間の半径方向距離の関数として、また好ましく
は、最大許容入射角の関数として設定することができ
る。この目的のため、必要な長さの遮蔽間隔が得られる
ように、特に適当な計算によって選択されている形状を
有して材料源および基板間に配置することができる少な
くとも1つのマスクを有する第1制御装置を塗布装置内
に配置することができる。主回転軸を取り囲む共通円の
円周まわりに配置することができる多数の永久的に取り
付けられた静止第1マスクが好ましい。材料源が主回転
軸上に位置する場合、好ましくはすべてが同一形状を有
する多数のマスクを設けることが最適であり、これによ
って、マスクの形状の計算および製造が簡単になると共
に、個々の遊星の初期および最終状態が安定する。材料
源の位置を適当に選択する、たとえば、主回転軸上か、
それからわずかにずらして配置することによって、塗布
処理が処理エラー、たとえばコーティング材料の軸外し
蒸着などの影響を受けないようにすることができる。
【0017】被塗布表面の臨界部分を材料源から遮蔽す
ることが入射角の制御に使用されることが好ましく、こ
こで「臨界部分」とは、被塗布面の構造および材料源に
対するそれらの空間的配置から生じる想定入射角が、所
定の限界入射角を、たとえば、少なくとも5%または1
0%だけ超える部分として定義される。
【0018】遊星形駆動システムを備えた塗布装置の場
合、一部の実施形態は、各基板キャリヤ用に、過大な入
射角をこのように遮蔽するような形状を有して材料源お
よび基板間に配置される第2マスクを設けている。これ
らの第2マスクも同一形状を有することができる。凸面
の塗布を行う場合、これらは好ましくは、主回転軸に面
して半径方向外向きに湾曲した内縁部を有する。特に材
料源が主回転軸上に配置されている場合、これらのマス
クの全体形状は三日月形に似ているであろう。凹面の塗
布を行う場合、それらの内縁部は、好ましくは主回転軸
から離れるように外へ湾曲する。
【0019】他の実施形態の場合、過大な入射角を排除
するように機能する第2制御装置は、円周の一部分また
は複数部分にわたって材料源に対して偏心配置されて主
回転軸を取り囲むリムを有して材料源および基板間に配
置された遮蔽マスクを備えている。したがって、このマ
スクのリムは、材料源と完全な同心状ではない。完全な
回転対称塗布状態からわずかに逸脱することは、材料源
および遮蔽マスクの空間配置がわずかにずれても、その
影響をあまり受けない塗布装置を作製できるため、好都
合であろう。
【0020】このマスクのリムすなわち縁部は、基板の
頂点と主回転軸が材料源の平面と交差する点とを通る直
線に正接またはほぼ正接しなければならない。この遮蔽
マスクを基板に接近させすぎず、また、材料源から十分
な距離を置いて配置することが好都合であろう。材料源
および被塗布面間の(垂直)距離の20%〜50%のマ
スク高さが特に好都合である。
【0021】この遮蔽マスクをわずかに偏心させること
は、それが(垂直)軸上に中心を合わせた円形リムを有
し、その軸を、材料源を通る軸線から主回転軸に平行に
偏心距離だけ外れるように配置することによって行うこ
とができる。材料源をマスクのリムに対してこのように
偏心させるのにさまざまな方法を用いることができる。
たとえば、マスクまたはマスクのリムを主回転軸と同心
状に配置し、材料源に対して軸が外れるように位置決め
する、すなわち、主回転軸が材料源の平面と交差する点
から横方向に変位するように位置決めすることができ
る。マスクはまた、主回転軸から外して、材料源と同心
状になるように配置してもよい。2つの組み合わせを用
いることも可能である。たとえば、ほぼ水平になるよう
に配置することができる平面的なマスクの代わりに、円
筒形マスクを用いることもできる。後者の構造の場合、
このようにわずかに偏心していることは、他の形式のシ
ステムではマスクのわずかな位置合わせ不良から生じ
る、ほぼ球面または非球面湾曲被塗布面の中心での膜厚
さの特異挙動を排除することができる点で、好都合であ
ろう。
【0022】主回転軸および基板キャリヤの回転軸間の
半径方向距離と較べて小さい偏心距離を用いることが好
都合であることがわかった。材料源のそのようなわずか
な軸外し配置は、たとえば、この偏心距離がその半径方
向距離の30%未満、特に20%未満である時に生じ
る。この偏心距離がその半径方向距離の1%または2%
を超えることが一般的に好都合であろう。
【0023】この遮蔽マスクは、わずかに楕円形のリム
すなわち縁部を有するように構成することもできる。こ
の形式のマスクは、たとえば、主回転軸に対して同心状
になるように配置して、主回転軸に対して同心状の材料
源と組み合わせて用いることができる。この種類のマス
クのリムの楕円形状も、それらのリムが非回転対称であ
り、したがってその意味で偏心しているので、完全な回
転対称塗布状態からわずかに逸脱している。
【0024】過大な粒子入射角を排除する別の手段とし
て、たとえば、軸外し遮蔽マスク、特に円形リムを有す
る遮蔽マスクを用いて、それを塗布室の主回転軸まわり
に回転させる、すなわち、それを材料源に対して回転さ
せることができる、垂直回転軸まわりに遮蔽マスクを回
転させる装置を備えた塗布装置を提供することができ
る。材料源は、塗布室の主回転軸と同心状に配置するこ
とができる。この環状マスクを回転させることによっ
て、軸外し回転軸であるために塗布状態に回転対称性が
ないことを補償することができる。被塗布面の中心に膜
厚さの特異点を生じる危険性を伴うことなく、このマス
クを用いることによる回転対称マスキング効果を時間平
均ベースで得ることができる。
【0025】その代わりまたは追加して、基板キャリヤ
の回転軸を傾斜させる装置を設けてもよい。たとえば、
環状遮蔽マスクを基板キャリヤ(遊星)の追加傾斜と組
み合わせることによって、被塗布面全体での粒子入射角
の変化を最小限に抑えることができる。
【0026】主回転軸を取り囲む円の円周まわりなどに
配置することができる幾つかの軸外し材料源を用いると
共に、円形の内側および外側リムを有する同心状の環状
遮蔽マスクを用いて基板を同時塗布することによって
も、基板付近にほぼ回転対称の塗布状態を達成すること
ができる。
【0027】塗布装置の主回転軸まわりに回転して、塗
布状態の均一性に対して上記実施形態と同様の好都合な
効果を得ることができる材料源を設けることもできる。
【0028】円形リムを有するマスクを備えた上記実施
形態の場合、遮蔽マスクが環状であって、円形またはわ
ずかに楕円形の内側リムを有することができる。そのよ
うな実施形態は、凸面を有する基板の塗布に特に適して
いる。凹面の塗布を行う場合、遮蔽マスクは、その外側
リムが遮蔽を行うように構成すべきである。遮蔽マスク
は、たとえば、主回転軸に対して同心状またはわずかに
軸を外して設置することができるほぼ円形またはわずか
に楕円形の板金材から形成することができる。
【0029】高密度で付着力が強いコーティングを得る
ために、材料源から出る材料流の入射角をできる限り小
さくし、また、被塗布面上の位置での変化をできる限り
小さくする必要がある。本方法の好適な実施形態の場
合、コーティング構造に基づいて最大可能入射角より少
なくとも10%、好ましくは少なくとも20%だけ小さ
い限界入射角が設定される。60°または45°を超え
ない入射角が非常に好都合である。それぞれの最適平均
入射角は、使用するコーティング材料およびコーティン
グの作動波長に大きく左右される。達成できる最小平均
入射角は、塗布装置構造によって異なる。好ましくは最
小であり、被塗布位置全体でほぼ一定のままである平均
入射角で塗布を行うことが特に好都合であろう。
【0030】これに関連して言うと、限界入射角が、使
用するコーティング材料の種類に基づいて設定されるこ
とが好都合であることがわかった。
【0031】本発明は、塗布面の中心または最小平均入
射角が生じる位置での使用コーティング材料の平均材料
密度をρ0とした時、ρ0±20%、特にρ0±10%の
範囲に入る密度を有するコーティングを作製することが
できる。これらの状態では、屈折率変化およびコーティ
ングが水または他の汚染物質を吸収する危険性を許容範
囲内に抑えることができる。
【0032】本発明によって与えられる1つの大きな利
点は、過大な蒸着角度を排除することによって、屈折率
変化などの関連の塗布エラーを排除することができると
同時に、広範囲にわたってコーティングの半径方向膜厚
さ分布を正確に制御できることである。湾曲面上に付着
したコーティングの場合、制御手段がなければ、膜厚さ
が中心から周辺部まで、曲率に伴って変化する量だけ単
調に減少するであろう。コーティングの半径方向全体に
わたってほぼ均一な物理的膜厚さが得られるように膜厚
さのこの減少を補償するために、従来型マスキング方法
を用いるなどの、従来型制御手段がしばしば使用されて
きた。しかし、この方法では、特に光学部材に対する入
射角が大きい光学系の場合、均一な物理的膜厚さである
にもかかわらず、コーティングの光学特性が中心から周
辺部まで大きく変化するであろう。たとえば、その場
合、反射防止コーティングの反射最小値が、より短波長
へ移動するであろう。方法の好適な実施形態の場合、コ
ーティングの物理的膜厚さが対称軸の位置から周辺部ま
で単調に増加する半径方向膜厚さ特性を生じることによ
って、コーティングの光学効果を入射角分布からほぼ独
立させることができる。半径方向位置に伴って変化する
厚さは、たとえば、中心での厚さに、頂点が中心に位置
するほぼ放物曲線に沿った補正係数を掛けた積であろ
う。たとえば、周辺部での厚さは、中心部の厚さを5%
〜10%以上だけ超えているであろう。
【0033】本発明はまた、本発明に従った方法を実施
するのに適した塗布装置であって、主回転軸まわりに回
転可能な主キャリヤ(遊星キャリヤ)と、多数の基板キ
ャリヤ(遊星)とを有し、各基板キャリヤが、主キャリ
ヤに対してそれぞれの基板キャリヤ回転軸まわりに回転
可能である、塗布中に基板を移動させるための遊星形駆
動システムを備えた塗布装置に関する。塗布装置は、半
径方向膜厚さ特性を制御する第1制御装置と、入射角を
最大許容入射角に制限する第2制御装置とを有する。第
1制御装置が、材料源および基板間に配置することがで
きる多数の第1マスクを有し、第2制御装置が、大きい
入射角を遮蔽するために主キャリヤと共転する多数の第
2マスクを有する実施形態がある。完全な回転対称塗布
状態からわずかに逸脱することができるように第2制御
装置を構成した実施形態も実現可能である。そのような
実施形態の例には、中央に取り付けられた環状または円
形の遮蔽マスクを、わずかに軸を外した材料源と組み合
わせた装置か、わずかに軸を外して取り付けられた環状
または円形の遮蔽マスクを中央の材料源と組み合わせた
装置か、中央に取り付けられるか、わずかに楕円形の遮
蔽マスクを中央の、またはわずかに軸を外した材料源と
組み合わせた装置と共に、それらの組み合わせが含まれ
る。回転遮蔽マスクおよび/または傾斜可能な基板キャ
リヤを有する実施形態も、同じ目的で使用することがで
きる。
【0034】本発明の上記および他の特徴が、請求項お
よび発明の詳細な説明に記載され、添付図面に示されて
おり、個々の特徴は、単独か、本発明の実施形態に見ら
れるサブセットの組み合わせの形をとった幾つかで特許
性がある特徴を表すことができ、特許性がある好適な実
施形態と共に、他の分野でも実施することができる。
【0035】図1は、好ましくは材料源の広がりが塗布
装置の寸法と比較して小さく、すなわち、材料源が準点
源を示す電子ビーム蒸着方法またはスパッタリングを含
む他のPVD方法を使用してマイクロリソグラフ投影系
用の光学部材、特に急カーブ面を有するレンズの塗布を
行うことができる蒸着装置の主要構成部材の幾何学的配
置を概略的に示す。コスト面および技術的根拠に基づい
て、通常は同様な形式の幾つかの基板をほぼ同一の処理
状態で同時塗布することが望ましいので、塗布装置は、
図示しない真空排気可能な塗布室内に配置されて塗布中
に被塗布基板を移動させる遊星形駆動システム1を有す
る。この遊星形駆動システムは、ほぼ円形のディスク形
主キャリヤ2を有し、これは「遊星キャリヤ」とも呼ば
れ、図示しない駆動装置によって垂直主回転軸3まわり
に回転することができる。この遊星キャリヤは、その外
周まわりに均一に分布する5個またはその他の数の同一
形状の基板キャリヤ4を有し、これらの基板キャリヤの
各々は、垂直基板キャリヤ軸5まわりに回転できるよう
に取り付けられている。主キャリヤ2は、図示しない駆
動軸歯車の上方に取り付けられており、この駆動軸歯車
は、遊星に取り付けられた遊星歯車と噛み合っており、
遊星の回転速度が、被駆動主キャリヤの回転速度と、駆
動軸歯車および遊星歯車間の歯車比との関数になってい
る。したがって、主キャリヤが1回転する間に、基板キ
ャリヤは一般的にその軸5まわりに数回転し、基板キャ
リヤが回転する時、軸5は主キャリヤの回転軸まわりに
回転する。本例では電子ビームによって蒸発させるコー
ティング材料を収容している材料源8が、遊星から下方
に適当な距離を置いて配置されている。
【0036】ここで記載する回転対称コーティングの付
着の場合、すべての遊星の下側に被塗布基板10が留め
付けられており、図示の例の場合、これは、直径が約1
0cm〜30cmの両凸レンズである。レンズの被塗布
面11は急カーブしている。塗布面の曲率半径Rに対す
る直径Dの比は、たとえば、−2/3未満か、+2/3
より大きく、凹面および凸面では最適比が一般的に異な
るであろう。具体的に言うと、凹面の場合の最適比D/
Rは|D/R|>1.3、好ましくは|D/R|>1.
6で与えられる一方、凸面の場合のそれは|D/R|>
0.3、好ましくは|D/R|>0.67で与えられる
であろう。レンズ10は、付着すべきコーティングの対
称中心Zが基板キャリヤの対称軸5上に位置するように
して、基板キャリヤ4に留め付けられ、図示の例の場
合、基板キャリヤの対称軸が基板の対称軸とも一致して
いる。点P0は塗布面の中心を示し、点P1はその周辺部
に位置する。パラメータφは表面11をパラメータ表示
し、点Pおよび被付着コーティングの対称中心Z間の半
径方向距離の増加に伴って増加する。
【0037】コーティング材料が蒸発するまで材料源8
の位置で加熱されると、材料源は、蒸発材料ビームを放
出し、これは主に上向きに進んで、遊星に留め付けられ
た基板10およびその経路上に位置する他の物体に衝突
し、それによって塗布面上のすべての被塗布位置Pにつ
いて、材料源に対する位置に伴って変化する特定のコー
ティング材料付着率を得ることができる。図1に示され
たサンプルの状況では、コーティング付着率CDR、す
なわち、位置Pで単位時間当たりに付着するコーティン
グ材料の量は、 CDR(P) =K・{[(1−A)cosnα(P)+A]・cosm
β(P)/r(P)2} で表され、ここで、Kは使用材料源の種類によって決ま
る定数であり、Aおよびnは材料源の特性を規定し、α
は材料源8から出て点Pに向かう蒸気ビーム13(点線
で表示)と蒸発材料源の対称軸との間の角度であって、
理想的な場合、この対称軸は主回転軸3と一致する。パ
ラメータβは、材料源から送られた材料の点Pでの入射
角を表し、その点における表面に対する局所垂線14と
点Pにおける蒸気ビームの方向13との間の角度として
定義される。パラメータmは、ある処理パラメータ、た
とえば基板温度におけるコーティング材料の凝縮特性を
指定する指数であり、一般的に1に設定される。しか
し、指数mは、基板材料およびコーティング材料によっ
ては1未満にもなるであろう。たとえば、mは約0.5
〜1でもよい。パラメータrは、材料源8および塗布位
置P間の距離を表す。
【0038】図1から、基板回転軸5の外側にある各点
Pにおける入射角βは、基板が回転するのに伴って、経
時的に変化することがわかるであろう。凸面であって下
向きの図示の被塗布湾曲面11の場合、この入射角β
は、点Pが材料源8に対して回転軸5の外側に位置する
時はいつも比較的大きく、また、図示の基板が180°
回転した時などに起きるように、点Pがその軸5の内側
に、すなわち、その軸の材料源8に近い方の側に位置す
る時はいつも比較的小さい。凹面鏡の場合など、塗布面
が凹状の場合、その逆が当てはまる。
【0039】基板が回転する時、基板の回転軸5上また
はその付近の位置での入射角は実質的に一定のままであ
るが、塗布位置および対称軸間の半径方向距離が増加す
るのに伴って、入射角の変化が大きくなり、それの変化
量は、ほぼ塗布面の曲率によって決まり、曲率の増加に
伴って増加する。
【0040】特に被塗布面が急カーブである場合、被塗
布面の「自己スクリーニング」も起き、その場合、ある
時点において被塗布面に正接する直線16とそれらの表
面との交点を越える位置にある部分15には材料源8か
ら出た蒸発材料ビームが直接的には当たらないであろ
う。これらの接線16は、ある組み合わせの処理パラメ
ータにおいて材料源8から出た蒸発材料ビームがそれら
の表面をまさにかする(β=90°)基板上の点を通
る。
【0041】そのような遊星形駆動システムを使用して
湾曲面を塗布する時はいつも、得られるコーティングの
物理的厚さdが、それの体積中心(対称中心Z)から基
板の周辺部に向かって減少し、表面の湾曲が急であるほ
ど、この影響が顕著になる。この影響が、コーティング
の厚さdの対称中心における厚さd0に対する比を対称
中心からの半径方向距離Radの関数として示すグラフ
である図3に点線の曲線17で概略的に示されている。
周辺部付近の光学特性が、一般的にコーティングを設計
または計算した位置である中心より低下することが多い
ことから、コーティング厚さがこのように半径方向に減
少することは、そのようなコーティングの光学特性に悪
影響を与える。
【0042】従来のマスキングまたはスクリーニング方
法の場合、材料源8および基板間で遮蔽マスクとして機
能して、一般的に基板に近接した位置で、すなわち被塗
布面のすぐ下方で静止環状マスクホルダ21などの上に
配置された第1マスク20を用いることによって、これ
らの塗布むらの影響を減少させる。図2に示された実施
形態の場合、すべてが同一形状であって、遊星形駆動シ
ステムの円周まわりに配置されたその形式の6個のマス
クが設けられている。図示の実施形態では涙形であるこ
れらのマスクの形状は、基板がその軸まわりに、さらに
主回転軸3まわりに回転する時、それらが材料源8から
基板表面に流れる材料流を間欠的に遮蔽するように計算
され、それによって生じる遮蔽間隔の時間長さは通常、
付着率が非常に高い半径方向セグメントで、付着率が低
い半径方向セグメントより長くなるように選択される。
特に、この方法を用いることによって、基板の周辺部に
近いセグメントが、もっと内側に位置して材料流の質量
流量が大きいセグメントより長い時間にわたって材料流
を受け取ることができ、これによって、半径方向の膜厚
さ分布を制御することができる。図3の実線の曲線は、
得られるコーティング厚さdが塗布表面の半径方向全体
にわたってほぼ一定になるように選択された形状を有す
るこれらの静止第1マスク20を用いた時の湾曲面の標
準化半径方向膜厚さ特性を概略的に示す。
【0043】したがって、これらの静止第1マスク20
を用いることによって、コーティングの中心から周辺部
までの物理的厚さdの推移に影響を与えることができ
る。しかし、この形式のコーティングは、多くの場合に
所望の光学特性を与えることができず、中心と周辺部と
の間で許容できない特性の違いを示す。具体的に言う
と、密度の変化およびそれに伴った屈折率の変化、すな
わち、コーティングは中心部でより高密度であると共に
より堅く圧密化され、表面被覆率またはそれらのパッキ
ング密度が周辺部に向かって減少することが確認されて
いる。周辺部では付着の問題も発生するであろう。これ
らの問題を明白にするために、図4は、コーティングの
対称中心における質量密度ρ0について標準化した質量
密度ρをその対称中心からの半径方向距離Radの関数
として示すグラフである。点線の曲線23は、遮蔽マス
クを使用しないで付着させたコーティングか、上記静止
マスク20を用いて付着させたコーティングのいずれか
一方の中心から周辺部までの質量密度の減少を概略的に
示す。第1次近似では屈折率が質量密度に比例するの
で、そのようなコーティングの中心における屈折率n0
について標準化した屈折率nも同様な挙動を示す。屈折
率と質量密度との間の関係は、当該技術分野の専門家に
は周知のローレンツ−ローレンツの式などによって求め
られる。
【0044】これらの問題は、本発明を用いて、静止マ
スク20に追加して、図1および図2に示された遊星形
駆動システムが、この目的のために主回転軸3まわりに
主キャリヤと共転する、主キャリヤ2に取り付けられて
それに対して適当な角度26で傾斜した、使用遊星数と
同数の複数の第2マスク25を有することによって回避
される。これらの第2マスクは、材料源8と各遊星に留
め付けられた基板との間に、第1マスク20から上方に
わずかな距離を置いて取り付けられている。これらの三
日月形第2マスク25はすべて、同一形状を有し、主回
転軸3と向き合って主回転軸3から離れるように湾曲し
た弧状内縁部27を備えている。
【0045】これらのマスクの各々の内縁部27の形状
は、第2マスク25を含む第2マスク平面28上の、そ
の平面が材料源8およびある時点においてそれぞれの場
合に個別に選択された最大入射角、すなわち限界入射角
βmaxに対応する基板表面上の点Pを通過する直線と交
差する点の軌跡によって定められる。具体的に言うと、
図1から、所望限界入射角βmaxが減少するのに伴っ
て、これらのマスクの内側リム27が主回転軸3に接近
していくことがわかるであろう。当該技術分野の専門家
であれば、幾何学的考慮に基づいてこれらのマスクの内
側リムの形状を正確に計算することができるので、その
計算について本明細書ではこれ以上は説明しない。
【0046】これらの三日月形マスクは、平均入射角を
制限するために最大入射角を制限することに関する条件
を満たす多くの可能な実施形態のうちの1つの実施形態
を示しているだけである。平均入射角を制限するために
は、これらのマスクによる入射角の遮蔽のアンダーシュ
ートおよびオーバーシュートまたはその関数、たとえ
ば、cosm(入射角)が算術的意味で平均化するよう
に、これらのマスクの輪郭を想像上の平均曲線で定めれ
ば十分であろう。
【0047】上記の「単純な三日月形」に加えて、この
同種類の形状を有するマスクを、内縁部の形状が1対の
軸対称弧によって定められるように構成することもでき
る。上記条件に合う他の実施形態も計算することができ
る。この単純な三日月形と異なった形状を有するマスク
を用いる利点は、基板の体積中心における厚さをd0
した時のコーティングのd/d0曲線の「キンク」をな
くすことである。静止マスクを用いることによってその
ような「キンク」を補正するには、ぎざぎざの縁部を有
するマスクを用いる必要があり、したがって、配置に高
位置決め精度が課せられる。
【0048】限界入射角βmaxを超える入射角をこのよ
うに遮蔽することによって、単位時間当たりの材料の付
着総量が減少するが、これは、第1マスク20を適当な
形状にする、たとえば、半径方向外側の位置の横幅を、
第2形式の共転マスク25がない場合の同等の従来型マ
スクより狭くすることによって補償することができるこ
とは、当該技術分野の専門家には理解されるであろう。
結果的に遮蔽間隔が短くなることによって、第2三日月
形マスク25の遮蔽効果が補償されるであろう。
【0049】被塗布表面全体で平均入射角がほぼ一定で
あるように、第2マスク25の幾何学的形状を選択する
ように努力しなければならない。好ましくは、平均入射
角を最小限に抑えなければならず、このことは、被塗布
面に垂直に入射する材料流が好ましいことを意味する。
好適な方法の場合、被塗布面上で達成できる最小入射角
はその体積中心で得られ、約20°〜約25°にわたる
であろう。
【0050】本発明によって大きい入射角を回避できる
可能性によって、付着材料の質量密度が対称中心から周
辺部までほぼ一定のままであり、たとえば、対称中心か
ら周辺部までの変化が、たとえば、わずかに10%〜2
0%であるような蒸着コーティングを付着させることが
できる。図4において、実線の曲線は、原則的にコーテ
ィングの屈折率分布に対応する、入射角の制限から得ら
れた1つの可能な半径方向質量密度分布を概略的に示
す。
【0051】次に、図5に基づいて、本発明の別の好都
合な実施形態を説明する。図5は、たとえば、合成石英
ガラスまたはフッ化物結晶から作製されたレンズ10の
一部分の断面図を示し、急カーブ面11に、円形レンズ
10の対称軸でもある対称軸Zに関して回転対称の光学
コーティング30が設けられている。1つまたは複数の
誘電および/または金属層などで構成することができる
コーティング30の蒸着において、時間平均ベースで、
レンズの周辺部付近にはその対称軸付近より多くの材料
が付着し、それによって、対称中心からその周辺部まで
単調に増加する可変半径方向厚さdを有し、周辺部での
厚さが、たとえば、中心の厚さd0より10%だけ大き
いコーティングを生じるように、第1マスク20の形状
が選択された。
【0052】同時に、共転第2マスク25を用いること
によって、レンズ表面に付着した材料が、その半径方向
全体にわたって小さい平均入射角で入射し、最大入射角
は、たとえば、40°に制限され、これによって中心
(質量密度d0)から周辺部まで実際に均一の質量密度
分布を有するコーティング30が生じたため、コーティ
ング材料の屈折率も、その塗布表面上の半径方向位置か
ら実質的に独立している(図5に示されたそのグラフを
参照)。
【0053】コーティングの厚さが周辺部まで増加する
図示の例の場合、半径方向の厚さ変化は、均一厚さのコ
ーティングの場合に見られる、レンズの周辺部で入射角
が大きくなることによる短波長の方へ向かうコーティン
グ特性のシフト(位相シフト)が正確に補償されるよう
に選択されている。したがって、コーティングの光学特
性、特に、コーティングによって生じる反射率最小値の
位置は、レンズ上の半径方向位置およびそこで生じる局
部入射角から実際に独立している。言い換えると、コー
ティング30を透過するさまざまな光線の位相シフト
は、半径方向に沿って実質的に一定のままである。その
一定性を達成するために必要な厚さ勾配は、被塗布面1
1の曲率、コーティング材料の屈折率、および入射光の
入射角(i角度)によって決まる。本発明によってコー
ティング材料の屈折率を位置からほぼ独立させることが
できるので、コーティング設計およびコーティング付着
が大幅に簡単になり、高品質のコーティングを付着させ
ることができる。
【0054】平均入射角を減少させる遮蔽マスク127
を有する遊星形駆動システム101の別の実施形態を、
図6に示された概略図に基づいて示す。例示のためであ
るそれの寸法は、たとえば、30mmまでの直径を有す
る大径レンズなどに塗布するためのシステムに使用する
のに適するようなものである。このシステムは、付着コ
ーティングの半径方向膜厚さ分布を制御するための図示
しない1組の第1遮蔽マスクを有する。これらのマスク
の形状および配置は、第1実施形態のマスク20と同じ
にすることができる。粒子入射角を能動的に制限するた
めの簡単な構造の第2制御装置は、水平面上に位置する
ようにして塗布装置内に設けられた環状遮蔽マスク12
7を有する。このマスク127の内側リム130は、マ
スクのリムの軸と一致した主回転軸103を中心にした
円を描き、したがって、主回転軸に中心が位置する。こ
の静止遮蔽マスク127は、材料源108の平面と被塗
布球面111の頂点P0との間のほぼ中間に配置され
て、主回転軸103が材料源108およびそれらの頂点
の平面と交差する点を通る直線が、マスク127の内側
リム130をちょうどかすめるようにし、それによっ
て、これらの球面111の、主回転軸103から離れた
方向に面する領域、すなわち、最大粒子入射角になる領
域すべての塗布を常に遮蔽することができる。
【0055】このようなマスク形状の場合、材料源10
8の中心を主回転軸103上に配置すると、これらの被
塗布面の中心P0の膜厚さが、その被塗布面中心がマス
クによって瞬間的に遮蔽されるか、されないかによっ
て、ゼロになるか、すぐ近くの領域の二倍になってしま
うという問題が生じるであろう。マスク127の高さお
よび/または心合わせのわずかな調整ずれでも、いずれ
か一方の限界状態が発生して、基板の中心付近に膜厚さ
分布の特異点を発生させるであろう。
【0056】これらの問題は、完全な回転対称塗布状態
からのわずかな制御逸脱を導入することによって回避さ
れる。図示の例では、材料源108を偏心距離131だ
け主回転軸103からずらして配置することによって、
この導入を行うことができる。このように材料源をわず
かに軸外し配置することによって、基板の中心での膜厚
さの上記特異挙動が発生する危険性が排除される。材料
源と主回転軸との間に、たとえば、50mmの妥当な離
隔距離を設けることが、十分であると共に好都合であろ
う。一般的に、この偏心距離131は、主回転軸103
および基板キャリヤの回転軸105間の半径方向距離1
32の約1%〜2%から約20%〜30%になるように
すべきである。
【0057】蒸発器がわずかに軸外し位置にある場合の
環状マスク127の作動モードが、図6に点線で示され
ている。被塗布面の一部の中心P0およびその上の他の
すべての点は塗布されるが、他の被塗布面の中心および
その上の他のすべての点は遮蔽されるであろう。塗布
中、基板の中心P0での膜厚さ分布に特異点が発生しな
いが、主回転軸から離れた方向に面した側で最大粒子入
射角が生じる時はいつも、被塗布凸面111の周辺部付
近の点P1が遮蔽されるであろう。
【0058】次に、図7に基づいて、図示の幾何学的配
置で用いられた時のこの環状遮蔽マスク127の有効性
を説明する。図7は、マスクを用いない場合(曲線aお
よびb)、および、材料源108をさまざまな位置に置
いた状態で中心に配置された環状マスク127を用いた
場合(曲線c、dおよびe)の、遊星形駆動システム1
01を用いて凹球面を被覆する時に生じる平均粒子入射
角βを、基板の中心からの半径方向距離または角変位量
φの関数として示すグラフである。これらの平均粒子入
射角を計算する際に、遊星形駆動システムが稼働中の基
板の球面111上のさまざまな点Pでの局所平均粒子入
射角を0.01秒の時間間隔で計算して平均をとった。
マスクを用いない塗布の場合の材料源の位置(中心に配
置された蒸発器の場合について計算した曲線a、および
偏心距離が100mmの場合について計算した曲線b)
は、平均粒子入射角に対してごくわずかな影響しかな
く、基板の中心からの半径方向距離または角変位量φの
増加に伴ってほぼ放物曲線に沿って増加することがわか
るであろう。材料源を50mmほど軸から外れるように
移動させ、環状マスクを用いた場合、および、環状マス
クを用いない場合について、球面上に付着したコーティ
ングの周辺部付近の領域を比較することによって、平均
入射角の減少に対する環状マスクの有効性が明らかにな
る。曲線c、dおよびeは、それぞれ1mm、50mm
および100mmの偏心距離に対応する。φ>20°の
場合、遮蔽マスク127を使用することによって、平均
粒子入射角が約12°だけ減少するであろう。偏心距離
がさらに、たとえば100mm(曲線e)まで増加する
と、環状マスクの有効性が低減する。したがって、適当
な偏心距離を選択することによって、このマスクの有効
性を最適化することができる。
【0059】次に、図7の説明で述べた上記塗布状態の
場合の、相対単位で表されたコーティング厚さdに対す
る遮蔽マスクの効果を図8に基づいて説明する。マスク
を用いないで付着したコーティング(曲線aおよびb)
の場合、それらの最大厚さは球面の中心に現れる。大ま
かに言うと、それらの厚さは周辺部に向かって放物曲線
に沿って減少する。厚さのこの減少は、図1および図2
に基づいて前述したマスク20を用いることによって補
償することができる。説明したように、それによって、
たとえば、ほぼ均一の厚さ分布か、中心から周辺部まで
穏やかな放物線状の厚さ増加(図5)のいずれかを示す
コーティングの付着が可能になり、これは、比較的平滑
な厚さ分布を必要とし、それによって、大きい入射角を
排除するために用いられた遮蔽マスクは、厚さ分布にキ
ンクまたはジャンプの不連続点を生じないように選択し
なければならない。図8からわかるように、環状マスク
127は、厚さ分布に目立ったキンクを発生させない。
ほぼ中心に合わせた蒸発器位置(曲線c)の場合、それ
らの厚さ分布は特に平滑であるが、マスクの位置決め精
度に対する要求がさらに厳しくなっている。最適偏心距
離131は、実験的に定めることができるであろう。こ
れらの計算から、上記寸法の光学系の場合、約50mm
の値が好都合であることがわかる。
【0060】一例として本明細書に示された円形リムを
有する中心配置された遮蔽マスクと軸外し材料源との組
み合わせは、上記利点を得るための1つの可能性を表す
だけである。平均粒子入射角を制限するさらに別の手段
では、環状マスクをわずかに軸から外し、材料源を中心
配置することができるであろう。重要なことは、マスク
の円形リムを材料源に対してわずかに偏心させることで
ある。わずかに楕円形のリムを有する中心配置された遮
蔽マスクと中心配置された材料源との組み合わせも実現
可能である。さらに別の可能性として、材料源およびマ
スクのリムの両方を主回転軸に対してわずかに偏心させ
て、マスクのリムの少なくとも1つまたは複数の部分で
材料源およびマスクのリムが互いにわずかに偏心する状
態に置くことができる。
【0061】遊星形駆動システムを用いた場合に最大平
均入射角を減少させるさらに別の可能性として、たとえ
ば、図6に両方向矢印135で示されているように、基
板キャリヤの回転軸を傾斜させる装置を設けることがで
きる。そこに示されている凸面に塗布するには、遊星を
外側に傾斜させる必要があり、凹面(図10を参照)に
塗布するには、それらを内側に傾斜させる必要がある。
この傾斜によって、最大平均粒子入射角が球形または非
球形湾曲面の中心および周辺部で生じる。しかし、遊星
のこの傾斜を最適化して、これらの2つの最大値、すな
わち、そのような湾曲面の中心で生じるものと周辺部で
生じるものとがほぼ等しい場合、そのような湾曲面全体
で生じる平均入射角の範囲が最小になり、それによっ
て、これらの表面上のそのような湾曲面に付着するコー
ティングの光学定数の変化を最小限に抑えることができ
る。
【0062】図9は、さまざまな構造で本明細書に示さ
れた形式の遊星形駆動システムを使用した塗布の場合
の、半径r=150mmの球形凸面上の粒子の平均入射
角βのグラフを示す。マスクを使用しないと共に基板キ
ャリヤを傾斜させない塗布(曲線a)と、環状遮蔽マス
クを使用すると共に、基板キャリヤを傾斜させない場合
(曲線b)および基板キャリアを約20°だけ外側に傾
斜させる場合(曲線c)の塗布とを比較している。遊星
軸(基板キャリヤ軸)を傾斜させることによって平均粒
子入射角の変化が大幅に減少することは明らかである
が、球面の大部分にわたって局所平均粒子入射角が増加
する。
【0063】図10から、本発明は、球形または非球形
凹面211の塗布にも使用できることがわかるであろ
う。そのような表面の場合、最大粒子入射角βが生じる
領域は、周辺部付近で主回転軸203に面する側に位置
する。図10に概略的に示された実施形態は、平均粒子
入射角を減少させるために主回転軸203上に中心を合
わせた中央円形リム230を有する円形ディスクまたは
円形プレートの形にほぼ構成された遮蔽マスク227を
用いている。(偏心距離231だけ)軸から外れた材料
源と基板との間のこの遮蔽マスク227の高さ、および
マスクのリムを定めるディスクの直径の位置の両方は、
図6に示した幾何学的形状の場合とほぼ同様に選択しな
ければならない。
【0064】好適な実施形態の以上の説明は、説明のた
めであって制限的なものではない。以上の説明から、当
該技術分野の専門家であれば、本発明およびそれに付随
した利点を理解するだけでなく、開示された構造および
方法のさまざまな変化および変更がわかるであろう。し
たがって、添付の請求項によって定義された本発明の精
神および範囲、およびその同等物に含まれるすべての変
化および変更を対象として含むことを求める。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布形態を説明するために用いられた本発明に
従った遊星形駆動システムの第1実施形態の概略図であ
る。
【図2】コーティング特性に影響を与える第1および第
2マスクを有する本発明に従った遊星形駆動システムの
実施形態の斜め上方の斜視図である。
【図3】回転対称コーティングの物理的厚さのさまざま
な半径方向変化を示す概略図である。
【図4】回転対称コーティングの密度および屈折率のさ
まざまな半径方向変化を示す概略図である。
【図5】 本発明に従って付着されたコーティングを付
着させた急カーブ面を有するレンズの概略断面図を、そ
のコーティングの物理的厚さおよび質量密度の半径方向
変化の概略グラフと共に示す。
【図6】環状遮蔽マスクおよび軸外し材料源を有する本
発明に従った遊星形駆動システムの第2実施形態の概略
図である。
【図7】遮蔽マスクを使用しないで付着させたコーティ
ングと、材料源のさまざまな偏心距離の場合で軸外し環
状遮蔽マスクを使用して付着させたコーティングとにつ
いて、粒子入射角の計算平均値をコーティング表面上の
半径位置の関数として示すグラフである。
【図8】図7で述べたものと同じ組み合わせの塗布状態
について、相対コーティング厚さをその中心からの半径
方向距離の関数として示すグラフである。
【図9】コーティング面の半径方向の広がりにおける局
所平均粒子入射角の変化に対する遊星の軸の傾斜の影響
を示すグラフである。
【図10】凹面の塗布に使用される遊星形駆動システム
の実施形態の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G02B 1/10 A (72)発明者 マティアス ヘラー ドイツ連邦共和国、 35644 ホーヘナー、 バッハストラッセ 1 (72)発明者 ハンス・ヨーヒェン パウル ドイツ連邦共和国、 73431 アーレン、 シュペンクラーストラッセ 23 (72)発明者 イェンス ウルマン ドイツ連邦共和国、 73447 オベルコッ ヘン、 クロイツニューレ 11 (72)発明者 パトリック シャイブル ドイツ連邦共和国、 73431 アーレン、 エッカーストラッセ 8 (72)発明者 クリストフ ザクチェク ドイツ連邦共和国、 D−73540 ヒュー バッハ、 ローターナーストラッセ 37 Fターム(参考) 2K009 AA02 BB01 BB11 DD03 DD04 4D073 AA01 BB01 DB04 DB17 DB26 4D075 AA78 AA82 AD16 CA48 DA23 DC24 4F035 CA02 CA05 CB04 CB13 4G059 AA08 AB06 AC04 AC06 AC09 EB03 EB04

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ回転対称の光学コーティングを光学
    部材用の基板に塗布する方法であって、 少なくとも1つの基板を材料源に対して、その基板の材
    料源に面する塗布面上の塗布位置を材料源から出るコー
    ティング材料によって塗布できるように配置する段階
    と、 基板を基板回転軸まわりに回転させる段階と、 塗布面上の塗布位置に入射する材料の量が、塗布位置お
    よび基板の回転軸間の半径方向距離に応じて調整される
    ように、コーティングの半径方向膜厚さ特性を制御する
    段階と、 最大許容入射角を表す限界入射角を定める段階と、 塗布中のいつでも、その塗布面上のすべての塗布位置で
    のコーティング材料の入射角が前記限界入射角を超えな
    いように入射角を能動的に制限することによって、入射
    角を制御する段階とを含む方法。
  2. 【請求項2】 半径方向膜厚さ特性を制御する時、塗布
    面の一部分を材料源から間欠的に遮蔽する段階を含み、
    遮蔽時間間隔長さは、塗布位置および基板回転軸間の半
    径方向距離の関数として、また限界入射角の関数として
    設定される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 60°以下、特に45°以下の限界入射
    角が設定される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 限界入射角は、すべての塗布位置で平均
    入射角を生じるように設定され、いずれの塗布位置での
    平均入射角も、その他のそのような位置のものとの差が
    20%未満、特に10%未満である請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 限界入射角は、いずれの塗布位置での最
    大入射角も、その位置での平均入射角との差が10%未
    満であるように設定されている請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 付着したコーティング材料の密度と、コ
    ーティング対称軸でのコーティング材料の平均密度ρ0
    との差が、コーティング半径全体で20%未満であるコ
    ーティングを付着させる段階を含む請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 塗布中にコーティングの物理的厚さが、
    コーティングの対称軸から周辺部まで距離に伴って単調
    に増加する半径方向膜厚さ特性を生じる段階を有してお
    り、コーティング周辺部でのコーティングの物理的厚さ
    は、コーティングの対称軸付近より少なくとも5%だけ
    大きく、かつ/または、コーティング対称軸からコーテ
    ィング周辺部までにほぼ放物線状の物理的膜厚さ勾配が
    生じるようにした請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 塗布面が急カーブであって、塗布面の曲
    率半径に対する塗布面の直径の比の絶対値が約2/3を
    超える基板に塗布する段階を含む請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 光学部材用の基板に塗布するための塗布
    装置であって、 主軸まわりに回転可能な回転式主キャリヤと、それぞれ
    が1つの基板を担持した多数の回転式基板キャリヤとを
    有する、塗布中に基板を移動させるための遊星形駆動シ
    ステムを備えており、基板キャリヤは、主キャリヤに対
    して基板キャリヤ軸まわりに回転可能であり、基板キャ
    リヤは材料源に対して、材料源に面する塗布面を材料源
    からそれにある入射角で入射するコーティング材料によ
    って塗布できるように配置されており、さらに、 塗布面上に入射する材料の量が、塗布面上の塗布位置お
    よび基板の回転軸間の半径方向距離に応じて調整される
    ように、得られるコーティングの半径方向膜厚さ特性を
    制御する第1制御装置と、 塗布中のいつでも、その塗布面上のすべての塗布位置で
    の入射角が所定の限界入射角を超えないように、コーテ
    ィング材料の入射角を制御する第2制御装置とを備えた
    塗布装置。
  10. 【請求項10】 第1制御装置は、基板が移動中である
    間に、塗布面を材料源から間欠的に遮蔽するように材料
    源と基板との間に配置された少なくとも1つの第1マス
    クを有し、該第1マスクは好ましくは静止している請求
    項9記載の塗布装置。
  11. 【請求項11】 好ましくは同一形状の複数の第1マス
    クが設けられている請求項9記載の塗布装置。
  12. 【請求項12】 第2制御装置は、すべての基板キャリ
    ヤに対して、基板キャリヤと一緒に主回転軸まわりに回
    転可能に材料源および基板間に配置された第2マスクを
    有しており、第2マスクは好ましくは、円弧に沿って半
    径方向外向きまたは半径方向内向きに湾曲して材料源と
    向き合った内縁部を有する請求項9記載の塗布装置。
  13. 【請求項13】 第2制御装置は、主回転軸を取り囲む
    縁部を有する遮蔽マスクを備えており、該縁部は、その
    長さの少なくとも一部分にわたって材料源に対して偏心
    配置されていると共に、材料源と基板との間に位置する
    請求項9記載の塗布装置。
  14. 【請求項14】 遮蔽膜は、材料源および塗布面間の垂
    直距離の約20%〜約90%の範囲内の高さに設置さ
    れ、かつ/または、遮蔽マスクの縁部は、塗布面の頂点
    および主回転軸が材料源の高さと交差する点を通る直線
    の近くか、ほぼその上に位置している請求項13記載の
    塗布装置。
  15. 【請求項15】 遮蔽マスクは、縁部軸と同心状の円形
    縁部を有し、縁部軸は、主回転軸に平行に変位した材料
    源を通る軸に対して偏心距離だけ偏心しており、該偏心
    距離は好ましくは、主回転軸および基板キャリヤの回転
    軸間の半径方向距離と較べて小さく、特に、偏心距離が
    該半径方向距離の30%未満で半径方向距離の1%を超
    えるようにした請求項13記載の塗布装置。
  16. 【請求項16】 遮蔽マスクの縁部が主回転軸と同心状
    で、材料源が主回転軸に対して偏心しているか、遮蔽マ
    スクの縁部が主回転軸に対して偏心し、材料源が主回転
    軸と同心状である請求項15記載の塗布装置。
  17. 【請求項17】 遮蔽マスクは、わずかに楕円形の縁部
    を有する請求項13記載の塗布装置。
  18. 【請求項18】 遮蔽マスクを垂直回転軸まわりに回転
    させる装置を備えた請求項13記載の塗布装置。
  19. 【請求項19】 材料源を垂直回転軸まわりに回転させ
    る装置を備えた請求項13記載の塗布装置。
  20. 【請求項20】 基板キャリヤの軸を主回転軸に対して
    傾斜させる装置を備えた請求項13記載の塗布装置。
  21. 【請求項21】 遮蔽マスクは、内縁部を有するほぼ環
    状をなす請求項13記載の塗布装置。
  22. 【請求項22】 遮蔽マスクは、縁部が遮蔽マスクの外
    縁部を形成するような形状である請求項13記載の塗布
    装置。
  23. 【請求項23】 光学部材、特にレンズまたは鏡であっ
    て、 対称軸に関して回転対称の光学コーティングを塗布する
    少なくとも1つの湾曲塗布面を有する基板を備えてお
    り、 塗布面の曲率半径に対する塗布面の直径の比の絶対値が
    約2/3を超えると共に、コーティングの半径方向全体
    でのコーティング材料の密度の変化が20%未満である
    光学部材。
  24. 【請求項24】 コーティングの半径方向全体におい
    て、コーティング材料の密度と対称軸の位置でのコーテ
    ィング材料の平均密度との差が±10%未満であり、か
    つ/または、光学コーティングは、対称軸から光学部材
    の周辺部まで半径方向に単調に増加する物理的厚さを有
    する請求項23記載の光学部材。
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