JP2005026396A - 多層膜成膜方法、多層膜成膜装置、多層膜反射鏡及び露光装置 - Google Patents

多層膜成膜方法、多層膜成膜装置、多層膜反射鏡及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射多層膜の周方向に生じる膜厚分布を小さくする多層膜成膜方法等を提供する。
【解決手段】まず、ターゲット材ホルダ3aを操作してターゲット材料3bをイオンビーム源1に向け、イオンビーム2を照射して、基板5上に膜を1層形成する。膜1層あたりにかかる成膜時間は100.5秒に設定されており、基板5は、基板ホルダ回転駆動装置7によって、軸AX周りに回転させられている。回転角度読取機構8は、基板5の回転速度位置をモニタしている。次に、ターゲット材ホルダ3aを反転させ、イオンビーム源1に向けるターゲット材料をモリブデン3bからシリコン3cに切り換える。基板5の回転角度位置データに基づいて、直前に成膜した層の成膜開始時の回転角度位置から4.5°ずれた位置で成膜を開始するように設定し、次の層を成膜する。そして、上記の工程を繰り返し40層対の成膜を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EUVリソグラフィ等に用いる多層膜の成膜方法、成膜装置及び露光装置に関する。特には、周方向に生じる多層膜の膜厚の差に伴う問題を低減することのできる多層膜成膜方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路素子の微細化のいっそうの進展に伴い、紫外線に代わって、波長11〜14nm程度の軟X線を使用する投影リソグラフィの開発が進められている(非特許文献1参照。)。この技術は、最近ではEUV(Extreme Ultraviolet、極紫外線)リソグラフィとも呼ばれている。このEUVリソグラフィは、従来の光リソグラフィ(波長190nm程度以上)では実現不可能な、70nm以下の解像力を有するリソグラフィ技術として期待されている。
【0003】
この軟X線の波長帯では、透明な物質が存在せず、物質の屈折率が1に非常に近いので、屈折を利用した従来の光学素子は使用できない。それに代わって、全反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光の位相を合わせることによりその反射光を多数重畳させて全体としては高い反射率を得る多層膜反射鏡などが使用される。
【0004】
このような多層膜反射鏡においては、入射光の波長帯により、高い反射率を得るのに適した多層膜の材質が異なる。例えば、13.4nm付近の波長帯では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/Si多層膜を用いると、垂直入射で67.5%の反射率を得ることができる。また、11.3nm付近の波長帯では、Mo層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be多層膜を用いると、垂直入射で70.2%の反射率を得ることができる(非特許文献2参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
ダニエル・エイ・ティチノール(Daniel A. Tichenor)、外21名、「極紫外線実験装置の開発における最新情報(Recent results in the development of an integrated EUVL laboratory tool)」、「国際光工学会会報(Proceedings of SPIE)」、(米国)、国際光工学会(SPIE, The International Society for Optical Engineering)、1995年5月、第2437巻、p.292
【非特許文献2】
クラウド・モンカー(Claude Montcalm)、外5名、「極紫外線リソグラフィに用いる多層反射膜コーティング(Multilayer reflective coatings for extreme−ultraviolet lithography)」、「国際光工学会会報(Proceedings of SPIE)」、(米国)、国際光工学会(SPIE, The International Society for Optical Engineering)、1998年6月、第3331巻、p.42
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
EUVリソグラフィで用いられる光学系は、高精度に研磨した基板の表面に上述のような反射多層膜が成膜された多層膜反射鏡によって構成されている。このようなEUV光学系においては、透過波面収差が少なくとも0.5nmRMS以下であることが要請される。例えば、6枚の多層膜反射鏡で構成された光学系の場合、このような高精度な波面収差を達成するためには、反射面1面に対する要求精度は0.2nmRMS以下である。このような面精度を有する光学系を作成するためには、光学系を構成する多層膜反射鏡の形状が非常に高精度で制御されているだけでなく、反射多層膜の膜厚(周期長)分布も高精度で制御されている必要がある。反射多層膜の総膜厚は約300nmであるので、0.1%を上回る精度で膜厚分布を制御する必要がある。
【0007】
以下に、EUVリソグラフィに用いられる多層膜を成膜する際の多層膜周期長の制御方法について説明する。
図6は、イオンビームスパッタによる多層膜成膜方法の一例を示す図である。図6(A)は、多層膜成膜装置を模式的に示す図であり、図6(B)は、膜厚分布制御板を示す平面図である。
図6(A)に示す多層膜成膜装置は、上方に基板ホルダ606が配置されている。基板ホルダ606は、多層膜反射鏡の基板605を保持している。図の下方には、ターゲット材603が配置されている。ターゲット材603は、モリブデンとシリコンで切り換え可能となっている。基板605とターゲット材603との間の基板605の近傍には、膜厚分布制御板604が配置されている。
基板ホルダ606、基板605及び膜厚分布制御板604は、ともにほぼ円形であり、それぞれの中心が軸AX上になるように配置されている。基板ホルダ606は、基板605を保持した状態で軸AX周りに回転するようになっている。
図6(B)に示すように、膜厚分布制御板603には、中心対称に略扇形の開口604aが2つ形成されている。
【0008】
この例では、図示せぬイオン源からターゲット材603に、イオンビーム602が照射される。イオンビーム602によってスパッタ(飛散)されたターゲット材603の粒子は、膜厚分布制御板604の開口604aを通って基板605に堆積して成膜される。ターゲット材603をモリブデンとシリコンで切り換えながら成膜することにより、モリブデンとシリコンが交互に積層された多層膜が成膜される。
この成膜時には、基板605を軸AX周りに回転させながら成膜を行うことにより、多層膜の周期長の面内分布を制御する。多層膜周期長の半径方向の分布は、膜厚分布制御板604の開口604aの形状によって制御され、成膜膜厚は成膜時間(スパッタされて開口604aを通ったターゲット材に基板605が曝される時間)によって制御する。これにより、反射鏡基板の対称軸(回転軸AX)に対して回転対称な周期長分布が得られる。
【0009】
膜厚(周期長)分布の制御は反射鏡基板の半径方向だけでなく、周方向についても考慮する必要があるが、図6のような成膜方法によると、成膜時間によっては周方向の膜厚分布が生じうる。
例えば、モリブデン層2.5nm、シリコン層4.5nm(周期長7.0nm)で50層対の多層膜が各層約100秒ずつの成膜時間で成膜される場合を考える。成膜時の基板605の回転速度が毎分30回転とすると、1層成膜する際に基板605は約50回転する。図6(B)に示す膜厚分布制御板604を用いた場合、1層成膜する間に基板上の各点(図6に示す点A、B、C)は膜厚分布制御版604の遮蔽領域604bを約100回通過する。成膜時間が整数秒(例えば、100秒)であれば、成膜終了時における点A、B、Cの位置は、成膜開始時と同じである。
【0010】
しかしながら、所望の波長のEUV光を反射させるためには、多層膜の周期長絶対値が0.1Åの精度で制御されている必要があるため、膜厚を成膜時間で調整する場合、成膜時間が整数秒になるとは限らない。例えば、所望の周期長を得るためにモリブデン層、シリコン層ともに、1層あたりの成膜時間を100.5秒とした場合、成膜時間を100秒とした場合に比べて、成膜終了時に90°分だけ余分に回転する。図6(B)に示すように、成膜終了時の基板605上の点A、B、Cの位置は、それぞれ点A′、B′、C′(白抜きの点)となる。
【0011】
最後の90°の回転(点Aから点A′までの1/4周)の間、点Aは、ほとんどの間遮蔽領域604bで遮蔽されているが、点Cは、遮蔽領域604bを通過しない。点Bは、遮蔽されている時間が点Aよりは短く、点Cよりは長くなっている。このため、成膜終了時には、点A′と点C′の間において、点A′側がやや薄く、点C′側がやや厚くなるという膜厚分布が生じる。膜厚分布制御板の形状によっては、最大で開口部を1回通過する際の成膜膜厚に相当する膜厚の差が生じる可能性がある。上記の例では、開口部(非遮蔽領域)を1回通過(1/2回転分)することにより生じる膜厚は、モリブデン層の成膜時で約0.025nm、シリコン層成膜時で約0.045nmである。多層膜は40〜50層対積層されるため、成膜開始時の基板と膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)をランダムに選んだ場合には、この膜厚の差が重なり合って、反射鏡面にこの数倍(0.1nmオーダ)の膜厚分布が生じるおそれがある。EUVリソグラフィに用いられる6枚投影光学系を構成する1つの反射面に許容される形状誤差は0.2nmRMS以下であるため、このような膜厚分布が生じると、光学系の性能の劣化を招くおそれがある。
【0012】
上記の点に鑑み、本発明は、反射多層膜の周方向に生じる膜厚分布を小さくする多層膜成膜方法等を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の多層膜成膜方法は、基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)を所定の周期長で積層してなる多層膜を成膜する方法であって、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜する際に、前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置し、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜を成膜し、各単位膜の成膜を開始する時点における前記基板と前記膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)を変えながら前記膜を成膜し、各膜の前記開始角を360°内に略均一に分散させることを特徴とする。
本発明の多層膜成膜方法によれば、多層膜の個々の膜を成膜する際に生じた膜厚の周方向分布を膜の周方向に略均一に分散させることにより、各層の厚くなっている部位が互いに重なるような事態を回避できる。そのため、多層膜全体に生じる膜厚の周方向分布を低減することができる。
【0014】
本発明の第2の多層膜成膜方法は、基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)を所定の周期長で積層してなる多層膜を成膜する方法であって、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜する際に、前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置し、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜を成膜し、前記膜厚分布制御板を前記基板表面から離した後に、前記膜にイオンビームを照射することにより、前記膜表面から膜物質をはじき出し、該膜の膜厚を修正することを特徴とする。
本発明の第2の多層膜成膜方法によれば、余分に厚くなった膜を薄くすることができるので、周方向の膜厚分布が高精度に均一であり、かつ、高精度で任意の目的周期長の多層膜を得ることができる。
【0015】
本発明の多層膜成膜装置は、基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質が所定の周期長で積層された多層膜を成膜する装置であって、前記2種類以上の物質(飛散物質)を保持する飛散物質保持手段と、前記飛散物質を飛散させる手段と、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質を切り換える手段と、前記飛散物質が前記基板表面に堆積するような位置に該基板を保持する基板保持手段と、前記基板表面の近傍に配置された、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板と、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させる基板ホルダ回転手段と、を備え、前記基板ホルダ回転手段が、回転角度読み取り手段と、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜を成膜する際に、各単位膜の成膜を開始する時点における前記基板と前記膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)を変えながら前記膜を成膜し、各膜の前記開始角を360°内に略均一に分散させるように制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の多層膜成膜装置は、基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質が所定の周期長で積層された多層膜を成膜する装置であって、前記2種類以上の物質(飛散物質)を保持する飛散物質保持手段と、前記飛散物質を飛散させる手段と、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換える手段と、前記飛散物質が前記基板表面に堆積するような位置に該基板を保持する基板保持手段と、前記基板表面の近傍に配置された、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板と、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させる基板ホルダ回転手段と、前記膜にイオンビームを照射することにより、前記膜表面から膜物質をはじき出し、該膜の膜厚を修正するイオンビーム照射手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の多層膜反射鏡は、基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)が所定の周期長で積層してなる多層膜が成膜された多層膜反射鏡であって、前記多層膜が、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜されており、前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置して、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜が成膜されており、各単位膜の成膜を開始する時点における前記基板と前記膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)を変えながら前記膜を成膜し、各膜の前記開始角を360°内に略均一に分散されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の多層膜反射鏡は、基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)が所定の周期長で積層してなる多層膜が成膜された多層膜反射鏡であって、前記多層膜が、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜されており、前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置して、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜が成膜されており、前記膜厚分布制御板を前記基板表面から離した後に、前記膜にイオンビームを照射することにより、前記膜表面から膜物質をはじき出して、該膜の膜厚が修正されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の露光装置は、感応基板上にEUV光を選択的に照射してパターンを形成する露光装置であって、上記の多層膜反射鏡を備えることを特徴とする。
本発明の露光装置によれば、例えば、EUVリソグラフィに適したMo/Si多層膜やMo/Be多層膜を具備する反射鏡を光学系に備えることにより、高精度で微細なパターンを形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層膜成膜装置を模式的に示す図である。
図1に示す多層膜成膜装置は、真空チャンバ10内に、成膜材料のターゲット材3と、反射鏡基板5とが互いに対面するように配置されており、これら基板5とターゲット材3との間の基板5の近傍には、膜厚分布制御板4が配置されている。
【0021】
ターゲット材3の図中右方には、イオンビーム源1が配置されている。イオンビーム源1は、ターゲット材3に向けてアルゴン(Ar)などのイオンビーム2を照射する。イオンビーム2によってスパッタされたターゲット材3の一部(飛散物質)は、膜厚分布制御板4を通って基板5上に堆積する。
イオンビーム源1の図中上方には、イオンビーム駆動装置12が配置されている。
【0022】
ターゲット材3は、ターゲット材ホルダ3aの両面にターゲット材料(モリブデン(Mo)3b(上面)、シリコン(Si)3c(下面))が取り付けられて構成されている。ターゲット材ホルダ3aは、回転機構(図示していない。)を備えており、ターゲット材ホルダ3aを回転させてイオンビーム2に向けるターゲット材料を換えて、モリブデン3bとシリコン3cを交互に成膜することができるようになっている。
【0023】
基板5は、成膜される面が図の下向きになるように基板ホルダ6により保持されている。基板ホルダ6は、基板5を固定するためのチャックなど(図示されず。)を有している。ここで、膜厚分布制御板4及び基板5はともに円形で、各々の中心が軸AX上にあるように配置されている。
基板ホルダ6の上部には、基板ホルダ回転駆動装置7が配置されている。成膜時には、基板ホルダ6は、基板ホルダ回転駆動装置7によって駆動されて軸AX周りに回転する。この基板ホルダ6の回転速度は一例で30rpmである。基板ホルダ回転駆動装置7は、回転角度読取機構8を備えている。
【0024】
基板ホルダ回転駆動装置7、回転角度読取機構8及びイオンビーム駆動装置12は、制御装置9によって制御されている。回転角度読取機構8は、膜厚分布制御板4と基板ホルダ6との相対的な位置関係(基板ホルダ6の回転角度位置(開始角))のデータを常時取得し、制御装置9に送る。一方、制御装置9は、イオンビーム駆動装置12を制御して、成膜の開始・終了をイオンビーム2の照射と照射停止により制御する。これにより、基板5の回転角度位置をモニタして、所望の回転角度位置となったときに成膜を開始することができるようになっている。制御装置9は、制御用コンピュータ11によって制御することが可能である。
【0025】
以下に、本発明の一実施形態に係る多層膜成膜方法について、図1及び図2を参照しながら説明する。本実施形態においては、40層対(合計80層)のMo/Si多層膜を成膜する。
図2は、本発明の一実施形態に係る多層膜成膜方法を示すフローチャートである。
まず、ターゲット材ホルダ3aを操作してターゲット材料3bをイオンビーム源1に向け、イオンビーム2を照射して、基板5上に膜を1層形成する(S1)。本実施形態においては、膜1層あたりにかかる成膜時間は100.5秒に設定されている。基板5は、基板ホルダ6とともに基板ホルダ回転駆動装置7によって、軸AX周りに回転させられている。回転角度読取機構8は、基板5の回転角度位置をモニタして、制御装置9に基板5の回転角度位置データを送っている。次に、ターゲット材ホルダ3aを反転させ、イオンビーム源1に向けるターゲット材料をモリブデン3bからシリコン3cに切り換える(S2)。
基板5の回転角度位置データに基づいて、直前に成膜した層の成膜開始時(イオンビーム照射開始時)の回転角度位置から4.5°ずれた位置で成膜を開始するように指示し(S3)、次の層を成膜する(S1)。
そして、上記の工程を繰り返し40層対(合計80層)の成膜を行う(S4)。
【0026】
S1においては、所望の周期長を得るために、モリブデン層、シリコン層ともに1層の成膜時間は100.5秒に設定されている。したがって、1層成膜する間に基板5は50+1/4回転する。ここで、膜厚分布制御板4の形状が図6(B)と同様に中心に対して点対称であり、膜厚分布制御板4の遮蔽領域と非遮蔽領域(開口部)を1回ずつ通過すること(半周)を1周期と呼ぶことにすると、基板5上の各点は100.5周期の間成膜がなされる。したがって、上述の場合(図6(B)参照。)と同様に、端数である0.5周期(90°)の間に、基板5の一部(点C付近。)では飛散物質がほとんど遮蔽されないのに対し、別の部分(A)では遮蔽領域を通過する。このため、(S1)終了時点において、基板5上において円周方向の膜厚分布が生じている。S2で成膜開始角を4.5°ずらすと、第2層目は4.5°、第3層目は9.0°、…、第80層目は355.5°ずれた位置で成膜を開始することになる。したがって、本実施形態によれば、各層を成膜する際に生じた周方向の膜厚分布を基板上(360°)に均一に分散させることにより、膜厚の厚い部分同士あるいは薄い部分同士が重ならないようにすることができるので、多層膜全体の周方向の膜厚分布を低減することができる。
なお、本実施例においては、成膜の開始と終了をイオン源の制御によって行っているが、ターゲット材と基板との間、あるいは、イオンビームとターゲット材との間にシャッタ機構を設け、その開閉によって成膜の開始と終了を制御してもよい。
【0027】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る多層膜成膜装置を模式的に示す図である。
図3に示す多層膜成膜装置において、イオンビーム源201やターゲット材203(ターゲット材ホルダ203a、ターゲット材料203b、203c)、膜厚分布制御板204、反射鏡基板205、基板ホルダ206、基板ホルダ回転駆動装置207、回転角度読取機構208、制御装置209、真空チャンバ210、制御用コンピュータ211、イオンビーム駆動装置212の機能・構成については、それぞれ図1で説明したものとほぼ同様であるので説明を省略する。但し、基板ホルダ206の回転速度は、20rpmである。
【0028】
図3に示す多層膜成膜装置は、真空チャンバ210の左側に第2イオンビーム源213を備えている。基板ホルダ206は、基板205を保持して第2イオンビーム源213に対向させる位置(このときの基板205の位置を205′で示す。)まで移動可能となっている。そして、第2イオンビーム源213は、膜厚分布制御板204を基板205′近傍から取り外した状態で、イオンビーム214を基板205′上に成膜された膜の表面に照射して、多層膜の最表面をスパッタにより除去して膜厚を調整する。
【0029】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る多層膜成膜方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。本実施形態においては、40層対(合計80層)のMo/Si多層膜を成膜する。
図4は、本発明の別の実施形態に係る多層膜成膜方法を示すフローチャートである。
まず、ターゲット材ホルダ203aを操作してターゲット材料(Mo)203bをイオンビーム源201に向け、イオンビーム202を照射して、基板205上にモリブデン膜を1層形成する(S21)。本実施形態においては、膜1層あたりにかかる成膜時間は3の倍数秒に設定されている。
次に、ターゲット材ホルダ203aを反転させ、イオンビーム源201に向けるターゲット材料をモリブデン203bからシリコン203cに切り換える(S22)。
制御装置209が記録している基板205の回転角度位置データに基づいて、直前に成膜した層の成膜開始時(イオンビーム照射開始時)の回転角度位置から4.5°ずれた位置で成膜を開始するように設定し(S23)、シリコン層を成膜する(S24)。
膜厚分布制御板204を基板205近傍から遠ざけるとともに、基板ホルダ206を傾斜させて、基板205を205′の位置まで移動させ、第2イオンビーム源213の方向に向ける(S25)。
S24において基板205上に成膜されたシリコン膜の膜厚を評価した上で、同シリコン膜にイオンビーム214を照射して、シリコンをスパッタによりはじき出し、シリコン膜の膜厚を調整する(S26)。
そして、基板205を再びターゲット材203の方向に向け(S27の(a))、膜厚分布制御板204を基板205近傍に配置し(S27の(b))、ターゲット材ホルダ203aを反転させ、イオンビーム源201に向けるターゲット材料をシリコン203cからモリブデン203bに切り換える(S27の(c))。
制御装置209が記録している基板205の回転角度位置データに基づいて、直前に成膜した層の成膜開始時(イオンビーム照射開始時)の回転角度位置から4.5°ずれた位置で成膜を開始するように設定し(S28)、モリブデン層を成膜する(S21)。
そして、上記の工程を繰り返し40層対(合計80層)の成膜を行う(S29)。
【0030】
本実施形態においては、S21とS24の成膜時間は3の倍数秒であり、基板ホルダ206の回転速度は20rpmであることから、各層の成膜時間内に基板ホルダ206は整数回回転する。したがって、各層の成膜開始角のずれによる周方向の膜厚がほぼ均一な膜を得ることができる。しかしながら、成膜速度が成膜の開始時と終了時には変動するため、開始角は完全には一致せず、わずかながら周方向の膜厚分布が生じる。本実施形態においては、S23及びS28において、この膜厚分布を基板205の周方向に分散させることにより、周方向の膜厚分布を低減している。
【0031】
さらに、本実施形態においては、成膜時間を3の倍数秒としたため、多層膜周期長を自由に選ぶことができない。このため、所望の周期長を得るために、S25及びS26において、シリコンを成膜した後に、同シリコン層にイオンビーム214を照射してスパッタによりシリコン層を除去して膜厚を調整している。イオンビーム214の照射時間は自由に設定することができ、イオンビーム214を照射する時間を最適化することで、所望の周期長を得ることができる。また、イオンビーム214の照射の際には、膜厚分布制御板204を基板205から遠ざけており、また、基板205を205′の位置まで移動させて第2イオンビーム源213に対応させるように配置するため(S25)、イオンビーム214によるシリコンの除去量には、周方向の分布が生じることはない。
【0032】
一方、半径方向には、イオンビーム214によるシリコンの除去量の分布が生じるが、以下に述べるように半径方向の分布は大きな問題とはならない。仮に、モリブデン層(2.5nm/1層)及びシリコン層(4.5nm/1層)がともに100秒で成膜されるとすると、モリブデンとシリコンの成膜速度は、平均でそれぞれ0.025nm/秒、0.045nm/秒となる。成膜時間として3の倍数秒を選択すると、周期長の最小調整厚さは、モリブデンの成膜時間を調整したときの0.075nm(0.025nm×3)である。したがって、周期長の最小調整厚さ0.075nmの半分の0.0375nmが最適周期長からの最大のずれ量となり、イオンビーム214で除去を行うこと(S26)が求められる最大の膜厚である。ここで、イオンビーム214による除去量に面内で10%の分布が生じていたとすると、目標とした膜厚からのずれ量は0.004nm以下となる。イオンビーム214による除去速度を0.01nm/秒程度とすると、照射時間を0.1秒単位で制御すれば、0.001nmの精度で膜厚の調整を行うことができる。
【0033】
本実施形態においては、各層の成膜時間を3の倍数秒としたが、成膜時間はこれに限るものではない。成膜開始時及び終了時における成膜速度の不均一によって生じる周方向の膜厚分布を低減するのに最適な成膜時間を選択することができる。
【0034】
図5は、本発明の一実施形態に係る露光装置を模式的に示す図である。
なお、以下の説明において、上流側とは光路の上流側(光源に近い方)をいい、下流側とは光路の下流側(ウェハに近い方)をいう。
【0035】
図5に示すEUV露光装置100は、上流側にX線発生装置(レーザプラズマX線源)101を備えている。このX線発生装置101は、球状の真空容器102を備えており、この真空容器102の内部は、図示せぬ真空ポンプで排気されている。真空容器102内の図5の上側には、多層膜放物面ミラー104が設置されている。このミラー104の反射面104aには、既述の成膜方法、装置により成膜したMo/Siの多層膜が形成されている。
【0036】
真空容器102の図中右方には、レンズ106が配置されている。このレンズ106は、レーザ光源(図示されず)から放出されたパルスレーザ光105を、多層膜放物面ミラー104の焦点位置に集光する。集光されたパルスレーザ光105が標的材料103(キセノン(Xe)等)に照射されることで、プラズマ107が生成され、このプラズマ107から13nm付近の波長帯の軟X線(EUV光)108を放射される。
【0037】
真空容器102の図中下部には、可視光をカットするX線フィルター109が設けられている。前記EUV光108は、多層膜放物面ミラー104によって、図の下方に反射されて、X線フィルター109を通過し、後段の露光チャンバ110に導かれる。このとき、EUV光108の可視光帯域のスペクトルがカットされる。
【0038】
なお、このX線発生装置101はレーザプラズマX線源を用いているが、放電プラズマX線源を採用することもできる。放電プラズマX線源においては、パルス高電圧の放電により標的材料をプラズマ化し、このプラズマからX線を放射させる。
【0039】
X線発生装置101の図中下方には、露光チャンバ110が設置されている。露光チャンバ110の内部には、照明光学系113が配置されている。照明光学系113は、コンデンサ系の反射鏡、フライアイ光学系の反射鏡等で構成されており(図中では詳細は省略されている。)、X線発生装置101から入射したEUV光108を円弧状に整形し、図中左方に向けて照射する。
【0040】
照明光学系113の図中左方には、反射鏡115が配置されている。この反射鏡115は、円形の凹面鏡であり、反射面115aが図中右側となるように、図示せぬ保持部材により垂直に保持されている。反射鏡115の図中右方には、光路折り曲げ反射鏡116が配置されている。この光路折り曲げ反射鏡116の図中上方には、反射型マスク111が、反射面が下になるように水平に配置されている。照明光学系113から放出されたEUV光は、反射鏡115により反射集光された後に、光路折り曲げ反射鏡116を介して、反射型マスク111の反射面に達する。
【0041】
反射鏡115、116は、反射面が高精度に加工された、熱変形の少ない低熱膨張ガラス製の基板からなる。反射鏡115の反射面115aには、X線発生装置101の多層膜放物面ミラー104の反射面と同様に、本発明に係る成膜方法・装置により成膜したMo/Siの多層膜が形成されている。なお、波長が10〜15nmのX線を用いる場合には、Mo(モリブデン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)等の物質と、Si、Be(ベリリウム)、BC(4ホウ化炭素)等の物質とを組み合わせた多層膜でもよい。
【0042】
反射型マスク111の反射面にも多層膜からなる反射膜が形成されている。反射型マスク111の反射膜には、ウェハ112に転写するパターンに応じたマスクパターンが形成されている。反射型マスク111は、図中上方に図示されたマスクステージ117に取り付けられている。マスクステージ117は、少なくともY方向に移動可能であり、光路折り曲げ反射鏡116で反射されたEUV光は、反射型マスク111上で順次走査される。
【0043】
反射型マスク111の下方には、順に投影光学系114、ウェハ(感応性樹脂を塗布した基板)112が配置されている。投影光学系114は、複数の反射鏡等からなり、反射型マスク111によって反射されたEUV光を所定の縮小倍率(例えば1/4)に縮小してウェハ112上に結像する。ウェハ112は、露光面が上方を向くように、XYZ方向に移動可能なウェハステージ118上に固定されている。
【0044】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によると、多層膜成膜時に生じる周方向の膜厚分布を低減することができ、高精度に加工した基板面の形状を劣化させることなく、反射波面の波面精度を高く保つことができる。
本発明の露光装置は、上述の多層膜成膜方法によって成膜された多層膜反射鏡を用いることにより、高精度の露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る多層膜成膜装置を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る多層膜成膜方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る多層膜成膜装置を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る多層膜成膜方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る露光装置を模式的に示す図である。
【図6】イオンビームスパッタによる多層膜成膜方法の一例を示す図である。
(A) 多層膜成膜装置を模式的に示す図である。
(B) 膜厚分布制御板を示す平面図である。
【符号の説明】
1 イオンビーム源
2 イオンビーム
3 ターゲット材
3a ターゲット材ホルダ
3b、3c ターゲット材料
4 膜厚分布制御板
5 反射鏡基板
6 基板ホルダ
7 基板ホルダ回転駆動装置
8 回転角度読取機構
9 制御装置
10 真空チャンバ
11 制御用コンピュータ
12 イオンビーム駆動装置
201 イオンビーム源
202 イオンビーム
203 ターゲット材
203a ターゲット材ホルダ
203b、203c ターゲット材料
204 膜厚分布制御板
205 反射鏡基板
206 基板ホルダ
207 基板ホルダ回転駆動装置
208 回転角度読取機構
209 制御装置
210 真空チャンバ
211 制御用コンピュータ
212 イオンビーム駆動装置
213 第2イオンビーム源
214 イオンビーム
100 露光装置
101 X線発生装置
102 真空容器
103 標的材料
104 多層膜放物面ミラー
104a 多層膜放物面ミラーの反射面
105 パルスレーザ光
106 レンズ
107 プラズマ
108 軟X線
109 フィルター
110 露光チャンバ
111 反射型マスク
112 ウェハ
113 照明光学系
114 投影光学系
115 多層膜反射鏡
115a 多層膜反射鏡115の反射面
116 光路折り曲げ反射鏡
117 マスクステージ
118 ウェハステージ

Claims (7)

  1. 基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)を所定の周期長で積層してなる多層膜を成膜する方法であって、
    前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜する際に、
    前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置し、
    前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜を成膜し、
    各単位膜の成膜を開始する時点における前記基板と前記膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)を変えながら前記膜を成膜し、各膜の前記開始角を360°内に略均一に分散させることを特徴とする多層膜成膜方法。
  2. 基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)を所定の周期長で積層してなる多層膜を成膜する方法であって、
    前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜する際に、
    前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置し、
    前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜を成膜し、
    前記膜厚分布制御板を前記基板表面から離した後に、前記膜にイオンビームを照射することにより、前記膜表面から膜物質をはじき出し、該膜の膜厚を修正することを特徴とする多層膜成膜方法。
  3. 基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質が所定の周期長で積層された多層膜を成膜する装置であって、
    前記2種類以上の物質(飛散物質)を保持する飛散物質保持手段と、
    前記飛散物質を飛散させる手段と、
    前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質を切り換える手段と、
    前記飛散物質が前記基板表面に堆積するような位置に該基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板表面の近傍に配置された、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板と、
    前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させる基板ホルダ回転手段と、
    を備え、
    前記基板ホルダ回転手段が、
    回転角度読み取り手段と、
    前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜を成膜する際に、各単位膜の成膜を開始する時点における前記基板と前記膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)を変えながら前記膜を成膜し、各膜の前記開始角を360°内に略均一に分散させるように制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする多層膜成膜装置。
  4. 基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質が所定の周期長で積層された多層膜を成膜する装置であって、
    前記2種類以上の物質(飛散物質)を保持する飛散物質保持手段と、
    前記飛散物質を飛散させる手段と、
    前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換える手段と、
    前記飛散物質が前記基板表面に堆積するような位置に該基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板表面の近傍に配置された、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板と、
    前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させる基板ホルダ回転手段と、
    前記膜にイオンビームを照射することにより、前記膜表面から膜物質をはじき出し、該膜の膜厚を修正するイオンビーム照射手段と、
    を備えることを特徴とする多層膜成膜装置。
  5. 基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)が所定の周期長で積層してなる多層膜が成膜された多層膜反射鏡であって、
    前記多層膜が、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜されており、
    前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置して、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜が成膜されており、
    各単位膜の成膜を開始する時点における前記基板と前記膜厚分布制御板との相対的な回転角度位置(開始角)を変えながら前記膜を成膜し、各膜の前記開始角を360°内に略均一に分散されていることを特徴とする多層膜反射鏡。
  6. 基板表面上に、屈折率の異なる2種類以上の物質(飛散物質)が所定の周期長で積層してなる多層膜が成膜された多層膜反射鏡であって、
    前記多層膜が、前記基板表面上に堆積させる前記飛散物質の種類を切り換えながら、膜を構成する物質を飛散させ、基板表面上に該物質を堆積させて成膜されており、
    前記基板表面の近傍に、飛散物質の一部のみを通す開口を有する膜厚分布制御板を配置して、前記基板と前記膜厚分布制御板とを回転中心周りに相対的に回転させながら、前記開口を通った前記飛散物質を前記基板表面に堆積させて、該表面上に回転対称の膜厚分布を有する膜が成膜されており、
    前記膜厚分布制御板を前記基板表面から離した後に、前記膜にイオンビームを照射することにより、前記膜表面から膜物質をはじき出して、該膜の膜厚が修正されていることを特徴とする多層膜反射鏡。
  7. 感応基板上にEUV光を選択的に照射してパターンを形成する露光装置であって、
    請求項5又は6記載の多層膜反射鏡を備えることを特徴とする露光装置。
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