JP2003265878A - ミシンの空環保持装置 - Google Patents

ミシンの空環保持装置

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JP2003265878A
JP2003265878A JP2002074850A JP2002074850A JP2003265878A JP 2003265878 A JP2003265878 A JP 2003265878A JP 2002074850 A JP2002074850 A JP 2002074850A JP 2002074850 A JP2002074850 A JP 2002074850A JP 2003265878 A JP2003265878 A JP 2003265878A
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piece
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JP2002074850A
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English (en)
Inventor
Tadanori Inoue
忠徳 井上
Ryuichiro Kinoshita
竜一郎 木下
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 針落ち部から延びる空環部分を短くすること
ができ、また空環部分を保持するため部材の振動を抑制
することができる空環保持装置を提供する。 【解決手段】 先行生地の縫製動作終了後に残存する空
環を、空環切断手段によって切断し、切断した空環の針
落ち部に延びる空環部分を空環保持手段によって保持し
おき、後続生地に縫い込むことができる。このような一
連の空環切断保持動作の一役を担う空環切断手段は、押
え金と協働して生地を挟む針板に対して、生地の送り方
向に略垂直な方向に隣接して設けられる。このように針
板に対して、生地の送り方向上流側ではなく、生地の送
り方向に略垂直な方向に隣接して、空環切断手段を設け
ることによって、針落ち部と空環切断手段との距離を、
可及的に小さくすることができ、空環保持手段によって
保持される空環部分の長さ寸法を、可及的に小さくする
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシンに設けら
れ、空環を切断して保持するための空環保持装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の技術の空環保持装置1を
備えるミシン2の一部を示す平面図である。図10は、
ミシン2の一部を示す正面図である。図11は、ミシン
2の一部を示す斜視図である。ミシン2は、生地を送り
方向Aへ送りながら、針板3の針落ち部4を通過するよ
うに針(図示省略)を往復動させて縫製する。このミシ
ン2によって、複数の生地を断続的に縫製をする場合、
先行生地5の縫製動作が終了した後、先行生地5から針
落ち部4に延びて残存する空環6を切断するとともに、
その空環6の針落ち部4に延びる空環部分6aを保持し
ておき、後続生地に縫いこんで、縫い始め端部における
解れを防止している。この空環6の切断および保持をす
るために、空環保持装置1が設けられている。
【0003】空環保持装置1は、針板取付台7に固定さ
れる針板3よりも送り方向A上流側に設けられている。
この空環保持装置1は、刃取付台8、切断刃9とを有
し、刃取付台8は、針板取付台7に固定され、刃取付台
8に切断刃9が取り付けられている。この切断刃9によ
って空環6を切断することができる。
【0004】また空環保持装置1は、また、刃取付台8
および切断刃9の上方に配置される空環押え板10を有
する。空環押え板10は、刃取付台8および空環押え板
10を緩やかに挿通するねじ軸11の上端部に係止され
て、刃取付台8に対して上下に変位自在に設けられてい
る。ねじ軸11には、下端部にナット12が位置調整自
在に螺着されるとともに、圧縮コイルばね13が嵌着さ
れている。空環押え板10には、ナットの位置調整によ
って調整されたばね力が与えられ、空環押え板10は、
このばね力で空環部分6aを押えて保持することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】空環保持装置1では、
空環6を切断するための切断刃8は、針板3の送り方向
A上流側端部よりも送り方向A上流側に配置され、針落
ち部4と切断刃8との送り方向Aの距離L1が、たとえ
ば50mm程度と大きくなり、空環部分6aが長くなっ
てしまう。空環部分6aが長くなると、当然、後続生地
における空環部分6aが縫い込まれる領域が長くなり、
見栄えが悪くなるなど、縫製製品の品質が低下してしま
う。また、本発明を説明するための図面ではあるが図3
(4)に参照されるような女性の下着などでは、生地自
体の寸法が小さく、空環部分6aを完全に縫い込んでし
まうことができない場合があり、空環部分6aの生地か
ら延出残存する部分を除去する作業が必要となり、製造
効率が悪くなる。
【0006】また空環保持装置1では、空環部分6aを
保持するための空環押え板10がねじ軸11に係止され
て、ねじ軸11に対して変位自在であるうえ、ねじ軸1
1自体も刃取付台8に遊嵌されて、刃取付台8に対して
変位自在である。このような構成では、縫製動作に伴っ
て、空環押え板10およびねじ軸11が振動してしま
う。空環押え板10が振動すると、空環部分6aを保持
する保持力が変化し、空環部分6aの張力が変化して、
縫製品質に悪影響を与えてしまう。さらに空環押え板1
0は、クロスプレート7とともに生地を支持するので、
空環押え板10の振動が生地に伝わって生地が変動する
ともに、逆に生地によって空環押え板10が変動する場
合もある。これによっても縫製品質に悪影響を与えてし
まう。またねじ軸11が振動すると、ナット12が不所
望に位置ずれを生じてしまい、空環部分6aの保持力変
化および張力変化をもたらし、これによってもまた、縫
製品質に悪影響を与えてしまう。さらにナット12が位
置ずれを生じてしまうと、最悪、ナット12が脱落して
しまい、縫製できなくなる場合もある。
【0007】本発明の目的は、針落ち部から延びる空環
部分を短くすることができるとともに、空環部分を保持
するため部材の振動を抑制することができる空環保持装
置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、針落ち部が形成される針板と押え金とによって生地
を挟み、送り歯で予め定める送り方向へ生地を送りなが
ら、針落ち部を通過するように針を往復動させて縫製す
るミシンに設けられ、空環を切断して保持するための空
環保持装置であって、針板に対して、生地の送り方向に
略垂直な方向に隣接して設けられ、空環を切断する空環
切断手段と、空環切断手段によって切断された空環の針
落ち部に延びる空環部分を保持する空環保持手段とを含
むことを特徴とするミシンの空環保持装置である。
【0009】本発明に従えば、先行生地の縫製動作終了
後に残存する空環を、空環切断手段によって切断し、切
断した空環の針落ち部に延びる空環部分を空環保持手段
によって保持しておき、後続生地に縫い込むことができ
る。このような一連の空環切断保持動作の一役を担う空
環切断手段は、押え金と協働して生地を挟む針板に対し
て、生地の送り方向に略垂直な方向に隣接して設けられ
る。このように針板に対して、生地の送り方向上流側で
はなく、生地の送り方向に略垂直な方向に隣接して、空
環切断手段を設けることによって、針落ち部と空環切断
手段との距離を、可及的に小さくすることができ、空環
保持手段によって保持される空環部分の長さ寸法を、可
及的に小さくすることができる。
【0010】請求項2記載の本発明は、針落ち部が形成
される針板と押え金とによって生地を挟み、送り歯で予
め定める送り方向へ生地を送りながら、針落ち部を通過
するように針を往復動させて縫製するミシンに設けら
れ、空環を切断して保持するための空環保持装置であっ
て、針落ち部から切断位置までの距離が、30mm以上
40mm以下となる位置に設けられ、空環を切断する空
環切断手段と、空環切断手段によって切断された空環の
針落ち部に延びる空環部分を保持する空環保持手段とを
含むことを特徴とするミシンの空環保持装置である。
【0011】本発明に従えば、先行生地の縫製動作終了
後に残存する空環を、空環切断手段によって切断し、切
断した空環の針落ち部に延びる空環部分を空環保持手段
によって保持しおき、後続生地に縫い込むことができ
る。このような一連の空環切断保持動作の一役を担う空
環切断手段は、針落ち部から切断位置までの距離が、3
0mm以上40mm以下となる位置に設けられる。これ
によって空環保持手段によって保持される空環部分の長
さ寸法を、前記針落ち部と空環切断手段との距離と同程
度である30mm以上40mm以下程度と、小さくする
ことができる。
【0012】請求項3記載の本発明は、空環保持手段
は、針板に対する変位が阻止され、生地が通過する生地
通過領域に臨む固定挟持片と、固定挟持片に対して、生
地通過領域と反対側に、固定挟持片に対して近接および
離反する方向へ変位自在に設けられ、固定挟持片と協働
して空環を挟持する可動挟持片と、可動挟持片を、固定
挟持片に近接させる方向へ弾発的に押圧する押圧力発生
部とを備えることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、針落ち部に延びる空環部
分は、針板に対する変位が阻止される固定挟持片と、固
定挟持片に対して近接および離反する方向へ変位自在で
あり、かつ押圧力発生部によって固定挟持片に近接する
方向へ弾発的に押圧される可動挟持片とによって、協働
して挟持し、保持することができる。このように互いに
協働して空環部分を保持する固定挟持片と可動挟持片と
は、固定挟持片が生地の通過する生地通過領域に臨んで
配置され、可動挟持片が固定挟持片に対して生地通過領
域と反対側に配置される。
【0014】このように固定挟持片と可動挟持片とが配
置されるので、変位が阻止される部材によって、可動挟
持片を支持することが可能となり、縫製動作に伴う可動
挟持片の振動を抑えることができる。さらに固定挟持片
は、生地に接触することがあっても、可動挟持片は、生
地に接触することがないので、空環保持手段が生地を変
動させてしまうことが防がれ、また逆に、生地によって
空環保持手段が変動してしまうことが防がれる。
【0015】請求項4記載の本発明は、空環保持手段
は、固定挟持片と、固定挟持片に対して近接および離反
する方向へ変位自在に設けられ、固定挟持片と協働して
空環を挟持する可動挟持片と、可動挟持片を、固定挟持
片に近接させる方向へ弾発的に押圧する押圧力発生部と
を備え、押圧力発生部は、固定挟持片に対して近接およ
び離反する方向へ位置調整自在に設けられる調整部材
と、一端部が可動挟持片に支持され、かつ他端部が調整
部材に支持され、寸法の自然長からの変化量に応じた押
圧力を発生する押圧力発生部材と、調整部材が嵌まり込
む収納凹所が形成され、調整部材を下方から受ける調整
部材受片とを有することを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、針落ち部に延びる空環部
分は、固定挟持片と、固定挟持片に対して近接および離
反する方向へ変位自在であり、かつ押圧力発生部によっ
て固定挟持片に近接する方向へ弾発的に押圧される可動
挟持片とによって、協働して挟持し、保持することがで
きる。可動挟持片を押圧する押圧力発生部は、調整部材
を、固定挟持片に対して近接および離反する方向へ変位
させて位置調整することによって、押圧力発生部材の長
手方向寸法を変化させ、押圧力発生部で発生される押圧
力を変化させることができる。これによって空環部分を
保持する保持力、すなわち固定挟持片と可動挟持片とに
よる挟持力を変化させることができ、空環部分の張力を
変化させることができる。
【0017】このように空環部分の張力を調整するため
の調整部材は、調整部材受片の凹所にはまり込んで設け
られ、この調整部材受片によって下方から受けられてい
る。これによって、万一、縫製動作に伴う振動などが調
整部材に伝達して、調整部材が不所望に変位してしまっ
たとしても、調整部材が脱落してしまうことが防がれ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
ミシン21における空環保持装置20付近を示す平面図
である。図2は、ミシン21における空環保持装置20
を含む一部を示す斜視図である。図3は、ミシン21に
よる縫製製品の一例を示す斜視図である。図2は、図1
に示す部分よりも広範囲な部分を示す。空環保持装置2
0は、一例として述べると、たとえば図3(1)に示す
男性用下着の脇部分および図3(2)に示す半袖シャツ
の袖下部分を、図3(3)に示すように、ならびに図3
(4)に示す女性用下着の脇部分を、図3(5)に示す
ように、かがり縫いするためのオーバーロックミシンな
ど、ミシン21に設けられる。
【0019】ミシン21は、布支持台34の略水平な支
持面で支持される生地を、針落ち部22が形成される針
板23と押え金24とによって挟み、送り歯(図示省
略)によって予め定める送り方向Bへ生地を送りなが
ら、針棒36に設けられる針(図示省略)を、針落ち部
22を通過するように上下の針駆動方向Cへ往復動させ
る。このようにして、針によって生地を挿通してもたら
される針糸を、ルーパー(図示省略)によって捕捉し
て、針糸とルーパー糸とを係合し、生地を縫製すること
ができる。またミシン21は、固定メス35aに対して
可動メス35bを切断方向Dへ変位駆動して生地を切断
するメス機構35を有し、生地の端部を切り揃えながら
縫製することができる。
【0020】このミシン21は、複数の生地を断続的に
縫製をする場合、先行する縫製動作で縫製される生地
(以下「先行生地」という)26の縫製動作が終了した
後、先行生地26から針落ち部22に延びて残存する空
環27を切断するとともに、その空環27の針落ち部2
2に延びる空環部分27aを保持する。さらにミシン2
1は、保持している空環部分27aを図3(3)および
図3(5)に示すように、後続の縫製動作で縫製される
生地(以下「後続生地」という)に縫い込んで、この後
続生地の縫い始め端部における糸の解れを防止する。
【0021】このミシン21の針板23に対して、生地
の送り方向Bに略垂直な方向に隣接して、空環保持装置
20が設けられ、空環27を切断するとともに、切断さ
れた空環27の空環部分27aを保持するために用いら
れる。この空環保持装置20は、針板23に対して、生
地の送り方向Bに略垂直な方向に隣接して設けられ、空
環27を切断する空環切断手段30と、空環切断手段3
0によって切断された空環27の針落ち部22に延びる
空環部分27aを保持する空環保持手段31とを含む。
【0022】図4は、空環保持装置20を分解して示す
斜視図である。空環保持装置20は、刃取付台40と、
カバー体41と、空環保持板42と、空環切断刃43
と、刃固定片44と、調整ねじ部材45と、調整板46
と、ばね部材47とを含む。空環保持装置20は、刃取
付台40とカバー体41とを積層し、これらの間に他の
部品42〜47を大略的に収容するように組み付けられ
て構成される。
【0023】以下理解を容易にするために、各構成部品
40〜47の説明において、各構成部品40〜47を組
み付けた状態で、相互に直行する第1方向x1,x2
(総称するときは符号をxとする)、第2方向y1,y
2(総称するときは符号をyとする)および第3方向z
1,z2(総称するときは符号をzとする)を想定し、
これら第1〜第3方向x〜zに対応させて説明する。刃
取付台40とカバー体41とを積層する方向を第3方向
zとし、空環保持装置20のミシン21への装着状態
で、送り方向Bを第1方向一方x1とし、送り方向Bと
反対方向を第1方向他方x2とし、針板23に近接する
方向を第2方向一方y1とし、針板23から離反する方
向を第2方向他方y2とし、鉛直上方を第3方向一方z
1とし、鉛直下方を第3方向他方z2とする。
【0024】布支持台34の下方には、針板23が固定
される針板取付台39が設置されており、刃取付台40
は、この針板取付台39に刃台固定ねじ部材50を用い
て固定される。刃取付台40では、長手方向が第1方向
xに相当し、幅方向が第2方向yに相当し、厚み方向が
第3方向zに相当する。
【0025】この刃取付台40は、大略的に板状の基部
51から厚み方向に相当する第3方向一方z1に突出
し、相互に間隔をあけて対向して延びる3つの隔壁部5
2,53,54を有する。各隔壁部52〜54は、長手
方向に相当する第1方向xに間隔をあけて並び、幅方向
に相当する第2方向yにほぼ沿って延びる。中央に配置
される中央隔壁部53は、残余の2つの隔壁部52,5
4のうちの一方の一端隔壁部52に対して略平行に延
び、他方の他端隔壁部54に対して、第2方向一方y1
に向かうにつれて間隔が小さくなるように、傾斜して延
びる。中央隔壁部53と一端隔壁部52との間に保持用
部材収容空間55が形成され、中央隔壁部53と他端隔
壁部54との間に切断用部材収容空間56が形成され
る。
【0026】保持用部材収容空間55に臨む基部51の
部分は、第2方向他方y2側の端部において、残余の部
分に比べて、第3方向他方z2に凹んで厚みが小さく形
成される。これによって保持用部材収容空間55は、残
余の部分に比べて凹む嵌合凹所部分62を有する。また
切断用部材収容空間56に臨む基部51の部分には、刃
固定ねじ孔63が形成されている。
【0027】また基部51の他端隔壁部54よりも他の
隔壁部52,53と反対側となる第1方向他方x2に突
出する部分には、刃台固定ねじ孔57が形成されてお
り、針板取付台39の孔を挿通した刃台固定ねじ部材5
0を螺着して、刃取付台40を針取付台39に固定する
ことができる。刃取付台40は、中央隔壁部53と他端
隔壁部54との間の間隔が小さくなる側の端部(第2方
向一方y1側端部)を、針板23に突き合わせる状態
で、固定される。
【0028】また刃取付台40は、一端隔壁部52から
他の隔壁部53,54と反対側となる第1方向一方x1
に突出するカバー固定部58を有する。カバー固定部5
8には、第2方向一方y1側の端部に、残余の部分に比
べて第3方向他方z2に凹む空環嵌合凹所60と、空環
嵌合凹所60に臨みさらに第3方向他方z2に凹むピン
嵌合凹所61とが形成される。ピン嵌合凹所61には、
空環27を巻き掛けて支持するためのピン部材86の一
端部が嵌合される。さらにカバー固定部58には、カバ
ー固定ねじ孔59が形成される。
【0029】カバー体41は、刃取付台40と同様の平
面形状を有する平板状の部材である。このカバー体41
は、刃取付台41に、基部51と反対側となる第3方向
一方z1側に配置されて、第3方向zに積層され、刃取
付台41全体を覆うことができる。カバー体41では、
長手方向が第1方向xに相当し、幅方向が第2方向yに
相当し、厚み方向が第3方向zに相当する。
【0030】カバー体41には、調整ねじ係止孔65、
カバー固定ねじ係止孔66およびピン嵌合孔67が、厚
み方向に相当する第3方向に貫通してそれぞれ形成され
る。カバー体41が刃取付台40に積層される状態で、
調整ねじ係止孔65は、保持用部材収容空間55の嵌合
凹所部分62に臨む位置、カバー固定ねじ係止孔66
は、カバー固定ねじ孔59に臨む位置、ピン嵌合孔67
は、ピン嵌合凹所61に臨む位置に、それぞれ形成され
る。
【0031】調整ねじ係止孔65およびカバー固定ねじ
係止孔66は、カバー体41の刃取付台40に臨む第3
方向他方z2に向かうにつれて縮径する円錐台状に形成
され、頭部が円錐台状の皿ねじ部材を挿通させて、カバ
ー体41から第3方向一方z1側へ突出しないように、
頭部をカバー体41に係止することができる。カバー体
41は、頭部を突出しないように係止した状態で、カバ
ー固定ねじ係止孔66に、皿ねじ部材から成るカバー固
定ねじ部材68を挿通させ、カバー固定ねじ孔59を利
用して螺着し、刃取付台40に固定される。ピン嵌合孔
67には、ピン部材86の他端部が嵌合される。
【0032】またカバー体41の第3方向他方z2側の
表面部には、第2方向yにほぼ沿って延びる凹溝69が
形成されている。この凹溝69は、カバー体41が刃取
付台40に積層される状態で、切断用部材収容空間56
の中央隔壁部53寄り(第1方向一方x1)の端領域に
臨む位置に形成されている。さらにカバー体41の第2
方向一方y1側の端部70は、第3方向他方z2側の表
面が第3方向一方z1側へ傾斜して、先細状に形成され
ている。この端部は、刃取付台40に積層される状態
で、刃取付台40の空環嵌合凹所60が形成されるとと
もに、中央隔壁部53と他端隔壁部54との間隔を小さ
くなる側の端部に臨む。これによって空環27を空環嵌
合凹所60に導きやすくしている。
【0033】空環切断刃43は、一端部に刃先71が形
成される刃である。この空環切断刃43は、その厚み方
向が第1の方向xにほぼ沿う状態で、かつ刃先71を第
2方向一方y1に向けて切断用部材収容空間56に収容
して設けられる。空環切断刃43は、その刃先71によ
って空環27を切断することができる。
【0034】刃固定片44は、2組の平行な側面と、1
組のテーパ状の側面とを有する、大略的に偏平な直方体
状であり、厚み方向に見た形状が略台形状である。刃固
定片44では、厚み方向に垂直であってかつ一側面に沿
う方向が第1方向xに相当し、厚み方向に垂直であって
かつ前記一側面に連なる側面に沿う方向が第2方向yに
相当し、厚み方向が第3方向zに相当する。
【0035】刃固定片44では、第1方向両側の側面が
テーパ状であり、第2方向両側の側面が平行であるとと
もに、厚み方向両側の側面が平行である。第1方向両側
の側面は、第2方向一方y1に向かうにつれて距離が小
さくなる。
【0036】この刃固定片44には、第3方向zに貫通
し、第3方向一方z1側の部分が大径となるように段差
を有する刃固定ねじ係止孔72が形成されている。この
刃固定片44は、空環切断刃43とともに、切断用部材
収容空間56に収容して設けられる。刃固定片44は、
刃固定ねじ部材73を、刃固定ねじ係止孔72に緩やか
に挿通させ、かつその大径の領域に頭部を嵌合させて係
止し、刃固定ねじ孔63に螺着して、刃取付台40に固
定することができる。刃固定片44は、刃固定ねじ部材
73が緩やかに挿通するように、刃固定ねじ係止孔72
がばか穴に形成されており、刃取付台44に対して、第
1および第2方向x,yに位置調整することができる。
【0037】切断用部材収容空間56に臨む中央隔壁部
53の壁面75は、第2方向一方y1に向かうにつれて
第1方向他方x1へ傾斜し、切断用部材収容空間56に
臨む他方隔壁部54の壁面76は、第2方向yに平行で
ある。刃固定片44を変位調整して、第1方向他方x2
側の側面を他方隔壁部54の壁面76に当接支持させ、
第1方向一方x1側の側面と中央隔壁部53の壁面75
とによって、空環切断刃43を挟持し得る位置に固定
し、いわゆるくさび効果を利用して空環切断刃43を刃
取付台40に固定する。
【0038】このように空環切断刃43および刃固定片
44は、刃取付台40とカバー体41とによって第3方
向zに挟まれる状態で、切断用部材収容空間56に設け
られる。この状態で、空環切断刃43は、カバー体41
の凹溝69に部分的にはまり込んで、中央隔壁部53の
壁面75に沿って設けられ、刃先71を第2方向一方y
1に向けて、刃先71に向かうにつれて第1方向他方x
2に傾斜する状態で配置される。空環切断刃43および
刃固定片44を含んで空環切断手段30が構成される。
【0039】空環保持板42は、偏平な平板状の部材で
ある。この空環保持板42では、幅方向が第1方向xに
相当し、厚み方向および幅方向に垂直な略長手方向が第
2方向yに相当し、厚み方向が第3方向に相当する。
【0040】空環保持板42は、第3方向zとなる厚み
方向に見た形状が、平行四辺形状であって、2つの辺が
第1方向xに延びるとともに、他の2つの辺が第2方向
yにほぼ沿い、第2方向一方y1に向かうにつれて第1
方向他方x2へ傾斜している。この空環保持板42は、
第2方向他方y2側の端部に、第3方向一方z1に突出
する凸部77を有するとともに、第2方向一方y1側の
端部79は、第3方向一方z1側の表面が第3方向他方
z2側へ傾斜して、先細状に形成されている。また空環
保持板42には、第2方向他方y2側の端部付近に厚み
方向に貫通する調整ねじ挿通孔78が形成される。
【0041】保持用部材収容空間55に臨む中央隔壁部
53の壁面80は、第2方向一方y1に向かうにつれて
第1方向他方x2へ傾斜し、保持用部材収容空間55に
臨む一方隔壁部52の壁面81は、中央隔壁部53の壁
面80と平行である。空環保持板42は、第1方向x両
側の側面が、中央隔壁部53の壁面80および一方隔壁
部52の壁面81によって第3方向zに案内され、第1
方向xの変位および調整ねじ挿通孔78の軸線まわりの
角変位が阻止される状態で、保持用部材収容空間55に
収容される。
【0042】調整板46は、偏平な板状の部材であり、
厚み方向に垂直でありかつ相互に平行な2つの側面を有
する。この調整板46では、一側面沿う方向が第1方向
xに相当し、前記一側面に垂直な方向が第2方向yに相
当し、厚み方向が第3方向に相当する。
【0043】調整板46の前記相互に平行な側面は、前
記第1方向に延びる一側面に連なる第1方向x両側の側
面である。調整板46には、厚み方向に貫通する調整ね
じ孔85が形成される。調整板46は、第1方向x両側
の前記相互に平行な側面が、中央隔壁部53の壁面80
および一方隔壁部52の壁面81によって第3方向zに
案内され、第1方向xの変位および調整ねじ孔65の軸
線まわりの角変位が阻止される状態で、保持用部材収容
空間55の嵌合凹所部分62に嵌合して、収容される。
調整板46は、空環保持板42よりも第3方向他方z2
に設けられる。
【0044】ばね部材47は、圧縮コイルばねである。
このばね部材47では、軸線方向が第3方向に相当す
る。このばね部材47は、調整板46と空環保持板42
との間に配置されて、保持用部材収容空間55に収容さ
れる。
【0045】調整ねじ部材45は、頭部が円錐台状に形
成される皿ねじ部材から成る。この調整ねじ部材45
は、調整ねじ係止孔65に頭部が嵌まり込ませ、頭部を
突出しないようにカバー体41に係止して設けられる。
さらに調整ねじ部材45は、空環保持板42およびばね
部材47を挿通し、調整板42に螺着される。
【0046】この状態で、空環保持板42は、カバー体
41に当接され、ばね部材47は、軸線方向一端部が空
環保持板42に支持され、軸線方向他端部が調整板46
に支持され、調整板46の調整ねじ部材45に対する位
置に応じたばね力で、空環保持板42をカバー体41に
向けて押圧する。調整ねじ部材45を、調整板46に対
して、調整ねじ部材45の軸線まわりに角変位させるこ
とによって、調整板46を調整ねじ部材45に対してそ
の軸線方向に変位調整することができ、カバー体41に
対して近接および離反する方向の位置調整をし、ばね部
材47によって空環保持板42を押圧するばね力を調整
することができる。
【0047】カバー体41と空環保持板42とによっ
て、空環27を挟持して保持することが可能である。カ
バー体41、空環保持板42、調整ねじ部材45、調整
板46およびばね部材47を含んで、空環保持手段31
が構成される。
【0048】このように組み付けられて構成される空環
保持装置20は、刃取付台40が上述のように針板取付
台39に固定されることによって、針板23に対して送
り方向B(第1方向xと平行)に略垂直な方向に隣接し
て設けられる。この状態で、空環切断刃43は、その刃
先71が針板23の送り方向B上流側端部よりも送り方
向B下流側に配置され、かつ刃先71と針落ち部22と
の送り方向Bの距離L20が、小さくなりすぎてメス機
構35などと干渉することを避け、かつ空環部分27a
の有効な短縮化を図れるように、30mm以上40mm
以下、本実施の形態では35mm程度となる位置に設け
られる。このように空環切断手段30は、空環切断刃4
3の刃先71の位置となる空環27を切断する切断位置
と、針落ち部22との距離が、30mm以上40mm以
下となる位置に設けられる。
【0049】図5は、空環保持前の空環保持手段31を
示す断面図である。図6は、空環保持時の環保持手段3
1を示す断面図である。空環保持手段31は、空環切断
手段30よりも送り方向B下流側に隣接して設けられ
る。この空環保持手段31は、針板23に対する変位が
阻止され、送り方向Bへ送られるときに生地が通過する
生地通過領域Sに臨む固定挟持片として機能するカバー
体41と、カバー体41に対して生地通過領域Sと反対
側に、カバー体41に対して近接および離反する方向へ
変位自在に設けられ、カバー体41と協働して空環27
の空環部分27を挟持する可動挟持片としての空環保持
板42と、空環保持板42を、カバー体41に近接させ
る方向へ弾発的に押圧する押圧力発生部90とを備え
る。ここで固定挟持片としては、カバー体41全体でな
くても、空環保持板42に臨む一部だけでもよく、同様
に機能する。
【0050】押圧力発生部90は、カバー体41に対し
て近接および離反する方向へ位置調整自在に設けられる
調整部材としての調整板46と、軸線方向一端部が空環
保持板42に支持され、かつ軸線方向他端部が調整板4
6に支持され、軸線方向寸法の自然長からの変化量に応
じた押圧力を発生する押圧力発生部材であるばね部材4
7と、調整板46が嵌まり込む収納凹所である嵌合凹所
部分62が形成され、調整板46を下方から受ける調整
部材受片としての刃取付台40とを有する。ここで、調
整部材受片としては、刃取付台40全体でなくても、嵌
合凹所部分62に臨む部分だけでもよく、同様に機能す
る。
【0051】このような空環保持手段31は、カバー体
41の第2方向一方y1側の端部が、針板23との間
に、空環27の通過を許容できる間隔をあけて設けられ
ており、空環27をカバー体41よりも第3方向他方z
2側へ導くことができる。さらにカバー体41の生地通
過領域Sに臨む面が針板23の生地通過領域に臨む面よ
りも第3方向一方z1(上方)に突出しており、空環2
7を針板23に摺動させながら針板23上から空環保持
装置20に近づけるように変位させることによって、空
環27を、カバー体41の下方へ導くことができる。ま
たカバー体41の端部70が先細状に形成されることに
よっても、空環27を容易に導くことができる。
【0052】このようにカバー体41の下方に空環27
を導くことによって、空環27を空環切断刃43の刃先
71に接触させて、切断することができる。これと同時
に空環27は、カバー体41と空環保持板42との間に
導かれる。これによって空環部分27aが挟持されて保
持される。本実施の形態では、カバー体41の端部70
および空環保持板42の端部71が上述のように先細状
に形成されているので、空環27を、カバー体41と空
環保持板42との間に導きやすい。
【0053】本実施の形態の空環保持装置20によれ
ば、空環切断手段30は、針板23に対して、送り方向
B上流側ではなく、送り方向Bに略垂直な方向に隣接し
て設けられ、針落ち部22と空環切断手段30との距離
を、可及的に小さくすることができる。たとえば上述の
ような寸法位置に配置することができる。これによっ
て、空環保持手段31によって保持される空環部分27
aの長さ寸法を、たとえば切断位置と針落ち部22との
距離と同程度の30mm以上40mm以下となるよう
に、可及的に小さくすることができる。したがって後続
生地における空環部分27aの縫い込まれる領域寸法を
小さくし、見栄えを良好にすることができ、縫製製品の
品質を高くすることができる。また生地が、たとえば図
3(4)に示すような女性の下着など、寸法の小さい生
地であっても、空環部分27aを図3(5)に示すよう
に完全に縫い込むことが可能になり、空環部分の生地か
ら延出する部分を除去する作業が不要となり、製造効率
を高くすることができる。
【0054】またカバー体41と空環保持板42とが上
述のように配置されるので、針板23に対する変位が阻
止されたカバー体41に設けられる調整ねじ部材45に
よって、空環保持板42を支持することができる。さら
に空環保持板42は、上述のように中央隔壁部53およ
び一端隔壁部52によって変位が阻止されており、縫製
動作に伴う空環保持板42の振動を抑えることができ
る。
【0055】したがって空環保持板42の振動によっ
て、空環部分27aを保持する保持力である挟持力が変
動することを防止し、空環部分27aの張力の変動を抑
制して、縫製品質を安定させることができる。さらに可
動する空環保持板42は、生地に接触することがないの
で、空環保持手段31が生地を変動させてしまうことが
防がれ、また逆に、生地によって空環保持手段31が変
動してしまうことが防がれる。これによっても、安定し
た縫製品質を維持することができる。
【0056】また空環保持板42から押圧力発生部90
に振動が伝達されることがなく、たとえば振動によって
調整板46が不所望に変位して、発生される押圧力の変
化すことおよび調整板46などの構成部品の脱落するこ
となど、不具合の原因になることを防ぐことができる。
【0057】また押圧力発生部90は、調整板46を、
カバー体41に対して近接および離反する方向へ変位さ
せて位置調整することによって、ばね部材47の軸線寸
法を変化させ、押圧力発生部90で発生される押圧力を
変化させることができる。これによって空環部分27a
を保持する保持力を変化させることができ、空環部分2
7aの張力を変化させることができる。
【0058】本実施の形態では、調整ねじ部材45を調
整板46に対して軸線まわりに角変位させることによっ
て、調整板46をねじ部材45の軸線方向に変位、した
がってカバー体41に対して近接および離反する方向へ
変位させることができる。調整板46は、刃取付台40
に対して回り止めされた状態で保持されており、カバー
体41に対しても回り止めされている。したがって調整
ねじ部材45をカバー体41に対して角変位させること
によって、調整板46の位置調整をすることができる。
【0059】これによって調整ねじ部材45と調整板4
6との両方を操作する必要がなく、調整作業が容易にな
る。しかも調整ねじ部材45の頭部は、生地通過領域に
臨んでおり、調整ねじ部材45の角変位操作のための広
い作業領域を確保することができ、作業を容易にするこ
とができる。
【0060】さらに調整板46は、刃取付台40の嵌合
凹所部分62に嵌まり込んで設けられ、この刃取付台4
0によって下方から受けられている。これによって、万
一、縫製動作に伴う振動などが調整板46に伝達して、
調整板46が不所望に変位してしまったとしても、調整
板46が脱落してしまうことが防がれる。
【0061】またカバー体41および空環保持板42
は、空環保持板42が、カバー体41に対して、ばね部
材47で押圧される部分を中心にして、第2方向一方y
1側の端部を近接および離反するように角変位して、開
閉する構成となる。この構成において、カバー体41お
よび空環保持板42は、空環27を挟持した状態で、空
環27を挟持する部分よりもばね部材47で押圧される
部分から離反する部分の間隔が、空環27を挟持する部
分の間隔と同一または小さくなるように形成される。本
実施の形態では、空環保持板42に凸部77を形成す
る。これによって、保持している空環部分27aが、不
所望にカバー体41および空環保持板42間から抜け出
てしまうことを防ぐことができる。
【0062】また空環保持板42が上述のように第2方
向yに対して傾斜して配置されるので、空環27に対し
て略垂直に空環保持板42が延びるように配置し、空環
27をカバー体41および空環保持板42間に導きやす
くすることができる。また空環切断刃43が上述のよう
に第2方向yに対して傾斜して配置されるので、空環2
7に対して略垂直に空環切断刃43が延びるように配置
し、空環27を容易に切断できるようにすることができ
る。
【0063】図7は、本発明の実施の他の形態における
空環保持前の空環保持手段31を示す断面図である。図
8は、本発明の実施の他の形態における空環保持時の空
環保持手段31を示す断面図である。本実施の形態の空
環保持手段31は、図1〜図6に示す実施の形態の空環
保持手段31と類似しており、対応する部分に同一の符
号を付し、異なる構成についてだけ説明する。図1〜図
6に示す実施の形態では、凸部77を有する空環保持板
42が設けられたけれども、図7および図8に示す実施
の形態では、凸部77を有さない空環保持板42が設け
られる。その他の構成は、同様である。このような構成
では、カバー体41および空環保持板42は、空環27
を挟持した状態で、空環27を挟持する部分よりもばね
部材47で押圧される部分から離反する部分の間隔が、
空環27を挟持する部分の間隔と同一または小さくなる
ように形成されることによる効果を除いて、同様の効果
を達成することができる。
【0064】上述の各実施の形態は、本発明の例示に過
ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することがで
きる。たとえば形状などは、適宜変更してもよい。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、針落ち
部と空環切断手段との距離を、可及的に小さくすること
ができ、空環保持手段によって保持される空環部分の長
さ寸法を、可及的に小さくすることができる。したがっ
て後続生地における空環部分の縫い込まれる領域寸法を
小さくし、見栄えを良好にすることができ、縫製製品の
品質を高くすることができる。また生地が、たとえば女
性の下着など、寸法の小さい生地であっても、空環部分
を完全に縫い込むことが可能になり、空環部分の生地か
ら延出する部分を除去する作業が不要となり、製造効率
を高くすることができる。
【0066】請求項2記載の本発明によれば、空環保持
手段によって保持される空環部分の長さ寸法を、前記針
落ち部と空環切断手段との距離と同程度である30mm
以上40mm以下程度と、小さくすることができる。し
たがって後続生地における空環部分の縫い込まれる領域
寸法を小さくし、見栄えを良好にすることができ、縫製
製品の品質を高くすることができる。また生地が、たと
えば女性の下着など、寸法の小さい生地であっても、空
環部分を完全に縫い込むことが可能になり、空環部分の
生地から延出する部分を除去する作業が不要となり、製
造効率を高くすることができる。
【0067】請求項3記載の本発明によれば、固定挟持
片が生地の通過する生地通過領域に臨んで配置され、可
動挟持片が固定挟持片に対して生地通過領域と反対側に
配置される。したがって変位が阻止される部材によっ
て、可動挟持片を支持することが可能となり、縫製動作
に伴う可動挟持片の振動を抑えることができるので、空
環部分を保持する保持力である挟持力の変動を防止し、
空環部分の張力の変動を抑制して、縫製品質を安定させ
ることができる。さらに保持手段が生地を変動させてし
まうことが防がれ、また逆に、生地によって保持手段が
変動して空環部分の張力が変動してしまうことが防がれ
るので、これによっても、安定した縫製品質を維持する
ことができる。
【0068】また可動挟持片から押圧力発生部に振動が
伝達されることがなく、たとえば押圧力発生部によって
発生される押圧力の変化および押圧力発生部の構成部品
の脱落など、不具合の原因になることを防ぐことができ
る。
【0069】請求項4記載の本発明によれば、万一、縫
製動作に伴う振動などが調整部材に伝達して、調整部材
が不所望に変位してしまったとしても、調整部材が脱落
してしまうことが防がれる。したがって空環保持手段に
よる空環保持を達成できなくなるなどの極めて重大な不
具合を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のミシン21における空
環保持装置20付近を示す平面図である。
【図2】ミシン21における空環保持装置20を含む一
部を示す斜視図である。
【図3】ミシン21による縫製製品の一例を示す斜視図
である。
【図4】空環保持装置20を分解して示す斜視図であ
る。
【図5】空環保持前の空環保持手段31を示す断面図で
ある。
【図6】空環保持時の空環保持手段31を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の実施の他の形態における空環保持前の
空環保持手段31を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の他の形態における空環保持時の
空環保持手段31を示す断面図である。
【図9】従来の技術の空環保持装置1を備えるミシン2
の一部を示す平面図である。
【図10】ミシン2の一部を示す正面図である。
【図11】ミシン2の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 空環保持装置 21 ミシン 22 針落ち部 23 針板 24 押え金 25 送り歯 30 空環切断手段 31 空環保持手段 40 刃取付台 41 カバー体 42 空環保持板 43 空環切断刃 44 刃固定片 45 調整ねじ部材 46 調整板 47 ばね部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA08 BA03 BA04 BA10 CB06 CB15 CB20 CD07 CD08 CE23 CE27 FH04 FH05 FH14 FH19 FH20 GA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針落ち部が形成される針板と押え金とに
    よって生地を挟み、送り歯で予め定める送り方向へ生地
    を送りながら、針落ち部を通過するように針を往復動さ
    せて縫製するミシンに設けられ、空環を切断して保持す
    るための空環保持装置であって、 針板に対して、生地の送り方向に略垂直な方向に隣接し
    て設けられ、空環を切断する空環切断手段と、 空環切断手段によって切断された空環の針落ち部に延び
    る空環部分を保持する空環保持手段とを含むことを特徴
    とするミシンの空環保持装置。
  2. 【請求項2】 針落ち部が形成される針板と押え金とに
    よって生地を挟み、送り歯で予め定める送り方向へ生地
    を送りながら、針落ち部を通過するように針を往復動さ
    せて縫製するミシンに設けられ、空環を切断して保持す
    るための空環保持装置であって、 針落ち部から切断位置までの距離が、30mm以上40
    mm以下となる位置に設けられ、空環を切断する空環切
    断手段と、 空環切断手段によって切断された空環の針落ち部に延び
    る空環部分を保持する空環保持手段とを含むことを特徴
    とするミシンの空環保持装置。
  3. 【請求項3】 空環保持手段は、 針板に対する変位が阻止され、生地が通過する生地通過
    領域に臨む固定挟持片と、 固定挟持片に対して、生地通過領域と反対側に、固定挟
    持片に対して近接および離反する方向へ変位自在に設け
    られ、固定挟持片と協働して空環を挟持する可動挟持片
    と、 可動挟持片を、固定挟持片に近接させる方向へ弾発的に
    押圧する押圧力発生部とを備えることを特徴とする請求
    項1または2記載のミシンの空環保持装置。
  4. 【請求項4】 空環保持手段は、 固定挟持片と、 固定挟持片に対して近接および離反する方向へ変位自在
    に設けられ、固定挟持片と協働して空環を挟持する可動
    挟持片と、 可動挟持片を、固定挟持片に近接させる方向へ弾発的に
    押圧する押圧力発生部とを備え、 押圧力発生部は、 固定挟持片に対して近接および離反する方向へ位置調整
    自在に設けられる調整部材と、 一端部が可動挟持片に支持され、かつ他端部が調整部材
    に支持され、寸法の自然長からの変化量に応じた押圧力
    を発生する押圧力発生部材と、 調整部材が嵌まり込む収納凹所が形成され、調整部材を
    下方から受ける調整部材受片とを有することを特徴とす
    る請求項1〜3いずれかに記載のミシンの空環保持装
    置。
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KR20100082726A (ko) * 2009-01-09 2010-07-19 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 실 절단 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100082726A (ko) * 2009-01-09 2010-07-19 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 실 절단 장치
KR101677285B1 (ko) * 2009-01-09 2016-11-17 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 실 절단 장치

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