本発明の第1態様のテープ切断装置は、キャリアテープと、キャリアテープの部品ポケットを覆うカバーテープと、を有するテープのキャリアテープを切断するためのテープ切断装置であって、キャリアテープを幅方向に切断して、カバーテープを残した状態でキャリアテープを分断する第1切断刃と、キャリアテープの切断時に第1切断刃との間にテープが位置するように、第1切断刃に対向して設けられる切断刃受け部とを備え、第1切断刃と切断刃受け部との間には、キャリアテープの切断後のテープが引き出されるときに、カバーテープが通る隙間が形成され、第1切断刃は、隙間を通じてカバーテープが引き出されるときに、テープの先端部の切断後のキャリアテープ(すなわち、キャリアテープの切れ端)と接触することで、テープの端部にカバーテープを残した状態で、テープからキャリアテープの切れ端が除去されるように構成される。
テープの引き出し動作のときに、キャリアテープの切れ端と第1切断刃とを接触させることによって、キャリアテープの切れ端をカバーテープから手作業ではがす作業を省くことができ、生産性を向上させることができる。
本発明の第2態様のテープ切断装置においては、切断刃受け部に対する第1切断刃の相対位置を変更する駆動機構をさらに備え、駆動機構は、切断するテープが第1切断刃と切断刃受け部との間に配置される第1の相対位置と、第1切断刃によりキャリアテープを切断する第2の相対位置と、第1切断刃と切断刃受け部との間の距離が第2の相対位置よりも大きく第1の相対位置よりも小さい第3の相対位置と、に相対位置を変更してもよい。
駆動機構によって、第2の相対位置から第3の相対位置に相対位置を変更することで、テープの引き出し動作のときに、第1切断刃と切断刃受け部との間の隙間を通じてカバーテープを容易に引き出すことができる。
本発明の第3態様のテープ切断装置においては、駆動機構は、第3の相対位置において、第1切断刃と切断刃受け部との間に形成される隙間を、カバーテープの厚み以上でテープの厚み以下にするように構成されていてもよい。
第1切断刃と切断刃受け部との間の隙間をカバーテープの厚み以上でテープの厚み以下にすることで、カバーテープを容易に引き出すと共に、キャリアテープの切れ端を第1切断刃に対してより確実に接触させることができる。このため、テープから、キャリアテープの切れ端をより容易に除去することができる。
本発明の第4態様のテープ切断装置においては、駆動機構は、流体により駆動する駆動シリンダと、駆動シリンダに接続されて駆動シリンダの駆動により移動し、第1の相対位置、第2の相対位置、及び第3の相対位置に相対位置を変更するスライダと、スライダの移動をガイドするガイドシャフトと、を有し、スライダ又はガイドシャフトのいずれか一方には、スライダの移動方向と交差する方向に向けて窪んだ凹部が形成され、スライダ又はガイドシャフトのいずれか他方には、凹部側に向けて付勢される可動部を有するプランジャが設けられ、可動部は、第2の相対位置のとき、凹部の軸方向中央部から偏心した位置に配置され、スライダは、駆動シリンダへの流体の供給を遮断したとき、可動部が凹部の軸方向中央部側に移動することで、第2の相対位置から第3の相対位置に相対位置を変更するように構成されていてもよい。
相対位置を変更する構成が駆動シリンダを用いた簡易な構成であっても、プランジャの可動部によって、微小な距離の位置調整を容易に行うことができ、第2の相対位置から第3の相対位置に相対位置を容易に変更することができる。
本発明の第5態様のテープ切断装置においては、切断刃受け部に対する第1切断刃の相対位置を検出する相対位置検出部をさらに備え、駆動シリンダは、第1の相対位置から第2の相対位置に相対位置が変更されたことを相対位置検出部が検出したとき、流体の供給が遮断されるように構成されていてもよい。
第2の相対位置に相対位置を変更した直後に、駆動シリンダへの流体の供給を遮断して第2の相対位置から第3の相対位置に相対位置を自動的に変更することができる。
本発明の第6態様のテープ切断装置においては、テープの延びる方向に第1切断刃から離間した位置で、切断後のキャリアテープを切断刃受け部に向けて屈曲させるように移動して、キャリアテープの姿勢を変更する姿勢変更部材をさらに備えていてもよい。
姿勢変更部材によって、キャリアテープの切れ端が延びる方向とテープの引き出し方向とを異ならせることができる。キャリアテープとカバーテープの接着面に対してテープの引き出し方向を傾斜させた状態で、テープを引き出す。これにより、テープから、キャリアテープの切れ端をより容易に除去することができる。
本発明の第7態様のテープ切断装置においては、第1切断刃が内部に設けられる筐体と、筐体に対してスライド移動可能に収容され、テープを保持する保持ユニットと、筐体に対して保持ユニットをスライド移動させる保持ユニット移動機構とをさらに備え、保持ユニットは、筐体内から引き出されてテープがセットされる開位置と、筐体内に収容されて第1切断刃によりキャリアテープを切断する閉位置と、にスライド移動可能に構成されていてもよい。
筐体内から保持ユニットを開位置に引き出してテープをセットすることで、保持ユニットにテープを容易にセットすることができ、生産性を向上させることができる。
本発明の第8態様のテープ切断装置においては、保持ユニットは、テープの幅方向両端部に設けられてテープに当接する第1部材及び第2部材を有し、テープ切断装置は、第1部材と第2部材との間隔を調整する調整機構をさらに備えていてもよい。
調整機構によって、テープの幅に応じて第1部材と第2部材との間隔を調整することで、様々な幅のテープに対応することができる。
本発明の第9態様のテープ切断装置においては、第1部材及び第2部材は、それぞれ、テープの幅方向端部の下面を支持する第1面と、テープの側面に当接する第2面と、を有していてもよい。
第1部材及び第2部材の第1面でテープを支持し、第1部材及び第2部材の第2面でテープを挟んで保持することができ、テープをより確実に保持することができる。
本発明の第10態様のテープ切断装置においては、第1部材及び第2部材の少なくとも一方は、テープにおいて厚み方向に貫通した貫通孔に挿入されるピン状部材を有していてもよい。
ピン状部材をテープの貫通孔に挿入して保持することで、テープの面方向への移動を規制することができ、テープをより確実に保持することができる。
本発明の第11態様のテープ切断装置においては、第1部材及び第2部材の少なくとも一方は、テープの幅方向端部の上面の少なくとも一部を覆うように設けられてテープの厚み方向への移動を規制する規制部材を有していてもよい。
規制部材によって、テープの厚み方向への移動を規制することができ、テープをより確実に保持することができる。
本発明の第12態様のテープ切断装置においては、キャリアテープの切断時に第1切断刃との間にテープが位置するように、第1切断刃に対向して設けられる切断刃受け部と、保持ユニットの開閉状態を検出する開閉検出部と、保持ユニットが閉位置から開位置に向けて移動したことを開閉検出部が検出したとき、切断刃受け部に対する第1切断刃の相対位置を、第1切断刃によりキャリアテープを切断する相対位置に変更することを規制するように構成される駆動機構とをさらに備えていてもよい。
保持ユニットが開位置に位置するときに、第1切断刃と切断刃受け部との間に作業者の体の一部が入った状態で、切断刃受け部に対する第1切断刃の相対位置が、第1切断刃によりキャリアテープを切断する相対位置に変更されることを防止することができる。
本発明の第13態様のテープ切断装置においては、第1切断刃の側方の空間において幅方向に移動して、第1切断刃によってテープから分離されたキャリアテープを除去する除去部材と、除去部材を幅方向に移動させる除去部材移動機構とをさらに備えていてもよい。
除去部材によって、第1切断刃付近に位置するキャリアテープを除去することで、キャリアテープの切れ端の手作業による除去作業を省くことができる。これにより、第1切断刃によるキャリアテープの切断を繰り返し行うことができ、生産性を向上させることができる。
本発明の第14態様のテープ切断装置においては、除去部材移動機構は、筐体に対して保持ユニットを幅方向にスライド移動させ、除去部材は、保持ユニットに設けられて、保持ユニットと共に幅方向にスライド移動可能に構成されていてもよい。
除去部材を保持ユニットと共にスライド移動可能に構成することで、保持ユニットを筐体から引き出すときに、除去部材によりキャリアテープの切れ端を除去することができる。
本発明の第15態様のテープ切断装置においては、テープの延びる方向に第1切断刃から間隔を空けて配置されてキャリアテープ及びカバーテープを幅方向に切断する第2切断刃をさらに備え、除去部材は、第1切断刃と第2切断刃との間の空間において幅方向にスライド移動可能に構成されていてもよい。
第1切断刃と第2切断刃との間の空間で除去部材を幅方向にスライド移動可能に構成することで、当該空間に位置するキャリアテープを容易に除去することができる。
本発明の第16態様のテープ切断装置においては、第1切断刃の一方の側方において第1切断刃に沿って延びて形成され、除去部材によって除去されるキャリアテープが通る通路と、第1切断刃の他方の側方に設けられ、除去部材によって除去されたキャリアテープを収容する収容部と、通路を通るキャリアテープを収容部に案内するガイドとをさらに備えていてもよい。
ガイドによってキャリアテープを収容部に案内して収容部を第1切断刃の側方に設けることで、第1切断刃が延びる方向に収容部を設けた構成よりも、テープ切断装置を小型化することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものにするため、適宜、各要素を省略又は誇張して示している。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
まず、本実施の形態のテープ切断装置1の概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るテープ切断装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、テープ切断装置1の一部を取り外した状態を示す斜視図である。以下、図において、X方向及びY方向は、水平面内で互いに直交する方向であって、Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(上下方向)である。
図1又は図2に示すように、テープ切断装置1は、筐体10と、テープ3(図3)を切断する切断ユニット30と、切断するテープ3を保持する保持ユニット50とを備える。本実施の形態のテープ切断装置1は、例えば特許文献2に開示されているテープフィーダに補充するテープ3の端部処理を行うために用いられる。
筐体10は、テープ切断装置1の外表面を構成している。筐体10は、例えば、切断ユニット30を覆うカバーである。切断ユニット30(図7の切断刃31)は、作業者の体の一部に当接しないように筐体10の内部に設けられる。本実施の形態の切断ユニット30は、筐体10に対して固定配置される。保持ユニット50は、筐体10(切断ユニット30)に対してスライド移動可能に収容される。本実施の形態の保持ユニット50は、筐体10に対して所定の直線方向(X方向)にスライド移動可能に収容される。
筐体10に対して保持ユニット50が収容された状態(図2)において、筐体10と保持ユニット50との間には、テープ3が配置される空間12(図1)が形成される。本実施の空間12は、テープ切断装置1をY方向に貫通して形成される。具体的には、空間12は、筐体10と、筐体10に収容された状態の保持ユニット50との間に形成される。
図3は、保持ユニット50が筐体10に対して開いた状態を示す斜視図である。保持ユニット50は、筐体10に対して閉じた位置P1(図2)と、筐体10に対して開いた位置P2(図3)との間でスライド移動可能に構成される。保持ユニット50は、テープ3に当接してテープ3を保持する。図3に示す状態(開位置)において、テープ3を上方から保持ユニット50にセットすることができるように、保持ユニット50の上方は開放した状態となっている。保持ユニット50によりテープ3を保持した状態で図2に示す状態(閉位置)に移動させて、切断ユニット30によるテープ切断が行われる。
図3に示すように、テープ3は、部品を収納する部品ポケット4が形成されたキャリアテープ5と、部品ポケット4を覆うカバーテープ6とを有する。本実施の形態のキャリアテープ5及びカバーテープ6は、帯状に形成される。キャリアテープ5の幅方向端部には、テープ3の延びる方向に所定の間隔を空けてテープ送り穴7が形成される。カバーテープ6は、例えば、キャリアテープ5に貼り付けられることで、部品を挿入するために部品ポケット4に形成された開口を覆う。部品ポケット4は、キャリアテープ5において、テープ3の延びる方向に所定の間隔を空けて形成される。
本実施の形態では、テープ切断装置1は、カバーテープ6を残した状態でキャリアテープ5のみを切断する。すなわち、テープ切断装置1は、テープ3において、カバーテープ6を切断せずにキャリアテープ5のみを切断する。さらに、テープ3の先端部の切断後のキャリアテープ5(すなわち、キャリアテープ5の切れ端)をテープ3から取り除き、テープ3の端部においてカバーテープ6がキャリアテープ5を超えて延びた状態にすることで、テープ3の端部処理を行う。具体的には、テープ3の長手方向端部において、キャリアテープ5は、カバーテープ6よりも短くなっており、テープ3は、厚み方向に均一ではなく段状になっている。
次に、保持ユニット50の構成について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態の保持ユニット50は、保持ユニット移動機構52によって筐体10に対してスライド移動可能に構成される。本実施の形態の保持ユニット移動機構52は、レール機構である。保持ユニット移動機構52は、保持ユニット50を(X方向に)スライド移動可能に支持するガイドレールを有する。
図4は、保持ユニット50の概略構成を示す斜視図である。図5は、保持ユニット50の概略構成を示す側面図である。図6は、保持ユニット50の概略構成を示す平面図である。
図4に示すように、保持ユニット50は、テープ3を保持する第1部材55及び第2部材56を有する。第1部材55及び第2部材56は、テープ3の幅方向(X方向)両端部に設けられる。第1部材55と第2部材56との間には、テープ3を配置するための空間が形成される。第1部材55及び第2部材56は、テープ3が幅方向に移動するのを規制する。第1部材55は、テープ3の幅方向一端部(-X方向側の端部)においてテープ3に当接し、第2部材56は、テープ3の幅方向他端部(+X方向側の端部)においてテープ3に当接する。
第1部材55及び第2部材56は、保持ユニット50のベース53に取り付けられてベース53と共にスライド移動する。ベース53は、保持ユニット移動機構52に沿ってスライド移動可能に接続される。ベース53は、例えば、水平方向に延びる板状部材である。ベース53の中央部には、切断ユニット30の切断刃31(図7)が通る開口57が形成される。本実施の形態では、第1部材55及び第2部材56は、開口57のY方向両端部に設けられる。
図5に示すように、本実施の形態の第1部材55及び第2部材56は、調整機構58によって、互いの間隔を調整可能に設けられる。本実施の形態の調整機構58は、第1部材55と第2部材56とが互いに近づく方向に付勢する弾性部材(例えば、ばね等)である。第1部材55はベース53に固定されており、第2部材56は第1部材55に対して相対移動可能にベース53に取り付けられる。第2部材56において調整機構58が設けられており、調整機構58によって、第2部材56が第1部材55に近づく方向に移動する。これにより、第1部材55及び第2部材56の間隔を調整する。
第1部材55及び第2部材56は、それぞれ、第1面59及び第2面60を有する。第1面59は、テープ3の幅方向端部の下面S1を支持する。これにより、テープ3の下方(-Z方向)への移動を規制する。第2面60は、テープ3の側面S2に当接する。本実施の形態では、第1部材55及び第2部材56の第2面60でテープ3を挟んで保持する。具体的には、第1部材55の第2面60がテープ3の一方の側面S2に当接して第2部材56の第2面60がテープ3の他方の側面S2に当接することで、テープ3を保持する。これにより、テープ3の幅方向(X方向)への移動を規制する。
図5及び図6に示すように、第1部材55及び第2部材56の少なくとも一方(本実施の形態では第1部材55)には、ピン状部材61が設けられる。ピン状部材61は、テープ3がY方向(テープ3の延びる方向)に水平移動するのを規制する。本実施の形態では、図6に示すように、ピン状部材61は、テープ3において厚み方向に貫通した貫通孔(テープ送り穴7)に挿入されることで、テープ3の水平移動を規制する。ピン状部材61は、テープ3が延びる方向にテープ送り穴7の間隔で複数個設けられてもよい。ピン状部材61は、テープ3を支持する第1面59から上方に延びて形成される。
第1部材55及び第2部材56の少なくとも一方(本実施の形態では両方)には、爪部62(規制部材)が設けられる。爪部62は、テープ3の上方(+Z方向)への移動を規制する。爪部62は、テープ3の幅方向端部の上面S3の少なくとも一部を覆うように設けられる。具体的には、爪部62の端部は、第1部材55及び第2部材56によって保持されるテープ3の幅方向両端部よりもテープ3の中央部側に向けて延びて形成される。例えば、爪部62は、第1面59の上方において水平方向に延びる板状部材である。
ここで、テープ3を保持ユニット50にセットする一例の動作について説明する。調整機構58により第1部材55及び第2部材56の間隔を(例えば、テープ3の幅よりも大きくなるように)広げて、ピン状部材61にテープ3のテープ送り穴7を挿入する。このとき、テープ3の幅方向一端部(テープ送り穴7が設けられる側の端部)は、第1部材55の第1面59と爪部62との間の空間に配置される。さらに、テープ3の幅方向他端部を第2部材56の第1面59と爪部62との間の空間に配置して、調整機構58により第1部材55及び第2部材56の間隔を狭め、第1部材55及び第2部材56の第2面60をテープ3の側面に当接させる。
テープ3は、ピン状部材61によってY方向への移動が規制され、第2面60によってX方向への移動が規制され、爪部62によって、+Z方向への移動が規制され、第1面59によって-Z方向への移動が規制される。このようにして、テープ3は保持ユニット50によって保持される。
次に、切断ユニット30について、詳細に説明する。
図7は、切断ユニット30の概略構成を示す斜視図である。図8~図10は、切断ユニット30の概略構成を示す側面図である。
図7~図10に示すように、切断ユニット30は、テープ3を切断する切断刃31と、切断刃31に上下方向に対向して設けられる切断刃受け部32とを有する。切断刃受け部32は、テープ切断時に切断刃31との間にテープ3が位置するように配置される。具体的には、切断刃受け部32は、切断刃31の上方に配置される。切断刃31及び切断刃受け部32は、駆動機構40によって、切断刃受け部32に対する切断刃31の相対位置を変更可能に構成される。本実施の形態では、切断刃受け部32はフレーム44に対して固定して配置されており、切断刃31が切断刃受け部32に対して上下方向に移動することで、相対位置が変更される。
本実施の形態の切断刃31は、第1切断刃31a(図8)と、第2切断刃31b(図9)とを有する。第1切断刃31aは、キャリアテープ5を切断する。具体的には、第1切断刃31aは、キャリアテープ5を幅方向に切断して、カバーテープ6を残した状態でキャリアテープ5を分断する。第2切断刃31bは、キャリアテープ5及びカバーテープ6を幅方向に切断する。第2切断刃31bは、テープ3の延びる方向(Y方向)に第1切断刃31aから間隔を空けて配置される。第1切断刃31a及び第2切断刃31bは、テープ3が延びる方向に交差する幅方向(X方向)に延びて形成される。
テープ3が切断ユニット30から後述する図14のW1方向に引き出されるときに、キャリアテープ5の切れ端は、第1切断刃31に接触することで、テープ3から分離される。本実施の形態では、第1切断刃31aによって、キャリアテープ5の切れ端をテープ3から除去する。これにより、テープ3の端部において、カバーテープ6のみが残った状態となる。
切断ユニット30からのテープ3の引き出し(テープ3の端部にけるキャリアテープ5の分離)は、保持ユニット50が筐体10に収容された状態で行われる。具体的には、筐体10と保持ユニット50との間に形成された空間12(図1)を通じて、Y方向のテープ3の引き出し動作が行われる。このとき、作業者の体の一部が切断刃31及び切断刃受け部32に当接しないように、切断刃31及び切断刃受け部32が筐体10によって覆われた状態となっている。
切断刃31は、固定部材33に固定される。固定部材33は、例えば、上下方向に延びる板状部材である。図10に示されるように、第1切断刃31aは、固定部材33の一方(-Y方向側)の側面に取り付けられ、第2切断刃31bは、固定部材33の他方(+Y方向側)の側面に取り付けられる。本実施の形態の第2切断刃31bは、第2切断刃31bの上端部が第1切断刃31aの上端部よりも高い位置に配置されるように、固定部材33に対して固定される。これにより、駆動機構40を駆動させたとき、キャリアテープ5及びカバーテープ6の両方を第2切断刃31bにより切断するとともに、キャリアテープ5のみを第1切断刃31aにより切断することができる。また、第2切断刃31bの上端部(刃先)は、テープ3の厚み方向に対して傾斜して形成される。これにより、第2切断刃31bと切断刃受け部32との間でテープ3を挟んで切断するときに、より容易にテープ3を切断することができる。
第1切断刃31a及び第2切断刃31bに対応して、第1切断刃受け部32a及び固定刃32bが設けられる。第1切断刃受け部32aは、第1切断刃31aの上方に配置されて、キャリアテープ5の切断時にテープ3(カバーテープ6)の上面に当接する。固定刃32bは、第2切断刃31bの上方で刃状に形成される。
図11~図13は、切断刃31及び切断刃受け部32の概略構成を示す側面図である。図14は、テープ3からキャリアテープ5が除去された状態を示す側面図である。なお、図11~図14において、説明の便宜上、一部の寸法を誇張して図示している。
図11~図14に示すように、切断ユニット30は、第1切断刃31aによって除去されるキャリアテープ5の姿勢を変更する姿勢変更部材37を有する。姿勢変更部材37は、キャリアテープ5が延びる方向を変更する。具体的には、姿勢変更部材37は、キャリアテープ5の延びる方向がXY平面に対して傾斜した方向となるように、キャリアテープ5の姿勢を変更する。本実施の形態では、姿勢変更部材37は、キャリアテープ5の延びる方向がXY平面に対して上方に傾斜するように姿勢変更する。
姿勢変更部材37は、固定部材33の一方(第2切断刃31b側)の側面に取り付けられる。姿勢変更部材37は、例えば、上下方向に延びる板状部材である。姿勢変更部材37の上端部は、テープ3の幅方向(X方向)に延びて形成される。これにより、キャリアテープ5の姿勢をより容易に変更することができる。
さらに、姿勢変更部材37の上端部は、テープ3の延びる方向(Y方向)において、第1切断刃31aと第2切断刃31bとの間に配置される。本実施の形態では、姿勢変更部材37の上端部は、第1切断刃受け部32a側に向けて延びて形成される。これにより、姿勢変更部材37によって、キャリアテープ5の切れ端の延びる方向をXY平面に対してより大きく傾斜させることができる。キャリアテープ5の切れ端の延びる方向をXY平面に対して傾斜させることで、キャリアテープ5の切れ端が延びる方向とテープ3の引き出し方向W1とを異ならせることができる。キャリアテープ5とカバーテープ6の接着面に対してテープ3の引き出し方向W1を傾斜させた状態で、テープ3を引き出す。これにより、テープ3からキャリアテープ5を第1切断刃31aによってより容易に除去することができる。
図13に示すように、姿勢変更部材37により、キャリアテープ5の延びる方向がXY平面に対して傾斜した状態で、テープ3を切断ユニット30から引き出し方向W1(図14)に引き出すことで、キャリアテープ5が第1切断刃31aと接触する。これにより、図14に示すように、テープ3からキャリアテープ5が除去される。本実施の形態のテープ3の引き出し方向W1は、XY平面に対して上方に傾斜した方向である。テープ3の引き出し方向W1を傾斜させることで、テープ送り穴7がピン状部材61から外れる。この後、キャリアテープ5が第1切断刃31aと接触した状態でテープ3を引き出し方向W1に引き出すことで、テープ3からキャリアテープ5をより容易に除去することができる。
次に、駆動機構40の構成について詳細に説明する。
駆動機構40は、切断刃受け部32に対する切断刃31の相対位置を、第1の相対位置R1(図10)、第2の相対位置R2(図12)、及び第3の相対位置R3(図13)に変更する。第1の相対位置R1は、切断するテープ3が切断刃31と切断刃受け部32との間に配置されるときの相対位置(後述の駆動シリンダ41の駆動前の相対位置)である。具体的には、第1の相対位置R1は、切断刃31が切断刃受け部32から退避した位置である。第2の相対位置R2は、第1切断刃31aによりキャリアテープ5を切断するときの相対位置である。第3の相対位置R3は、第2の相対位置R2よりも、第1切断刃31aが第1切断刃受け部32aから離れた相対位置である。具体的には、第3の相対位置R3において、第1切断刃31aと第1切断刃受け部32aとの間の距離D3(図13)は、第2の相対位置R2における距離D2(図12)よりも大きく、第1の相対位置R1における距離D1(図10)よりも小さい。
本実施の形態の駆動機構40は、流体により駆動する駆動シリンダ41(図1)と、駆動シリンダ41に接続されるスライダ42(図7)と、スライダ42の移動をガイドするガイドシャフト43(図7)とを有する。
駆動シリンダ41は、例えば、複動型シリンダである。具体的には、駆動シリンダ41は、第1の向き(例えば、上方)に流体が供給されることでスライダ42を第1の向きに移動させ、第1の向きとは反対の第2の向き(例えば、下方)に流体が供給されることでスライダ42を第2の向きに移動させる。駆動シリンダ41に対して第1の向きに流体が供給されると、スライダ42を介して、切断刃受け部32に対する切断刃31の相対位置が、第1の相対位置R1(図10)から第2の相対位置R2(図12)に変更される。駆動シリンダ41に対して第2の向きに流体が供給されると、スライダ42を介して、相対位置は、第2の相対位置R2(図12)又は第3の相対位置R3(図13)から第1の相対位置R1(図10)に変更される。
本実施の形態では、筐体10内における保持ユニット50の位置(開閉状態)を検出する開閉検出部70(図2)が設けられる。保持ユニット50が閉位置から開位置に向けて移動したことを開閉検出部70が検出したとき、駆動機構40は、切断刃受け部32に対する切断刃31の相対位置を、第2の相対位置R2に変更することを規制するように構成される。具体的には、開閉検出部70の検出によって、駆動機構40の駆動シリンダ41において、第1の向きへの流体の供給が遮断され、切断刃31が上方に移動するのを規制する。このとき、切断刃31が下方に移動するように、駆動シリンダ41に対して第2の向きに流体を供給してもよい。これにより、保持ユニット50が開位置に位置するときに、誤動作で切断刃31が上方に移動するのを防止することができる。
本実施の形態の開閉検出部70(例えば、センサ等)は、保持ユニット50が、筐体10に対して収容された位置(閉位置)又は筐体10から引き出された位置(開位置)のいずれの位置に位置しているかを検出する。例えば、開閉検出部70は、閉状態のときに保持ユニット50に当接し開状態のときに保持ユニット50から離間することで、保持ユニット50の開閉状態を検出する。具体的には、ベース53の後端部(-X方向端部)において形成されるドグ54(図2)が、閉状態のときに開閉検出部70に当接して開状態のときに開閉検出部70から離間することで、保持ユニット50の開閉状態が検出される。
本実施の形態では、開閉検出部70が検出した情報に基づいて、制御部(図示略)が、駆動機構40の駆動を制御する。制御部は、例えば、メモリと、プログラムを実行するCPUなどのプロセッサに対応する処理回路と、記憶装置(記憶部)とを備える。
スライダ42は、駆動シリンダ41の駆動により移動し、切断刃受け部32に対する切断刃31の相対位置を変更する。スライダ42は、駆動シリンダ41のピストンロッド41aに接続される。スライダ42は、ピストンロッド41aと上下方向に係合することで、駆動シリンダ41の駆動により移動する。スライダ42は、切断刃31を固定する固定部材33に取り付けられる。
ガイドシャフト43は、スライダ42がスライド移動できる状態で、スライダ42に接続される。本実施の形態のガイドシャフト43は、スライダ42の上下方向の移動をガイドする。ガイドシャフト43は、例えば、上下方向に延びる棒状部材である。ガイドシャフト43は、スライダ42において上下方向に貫通した貫通孔42a(図7)に挿入される。ガイドシャフト43は、固定部材33のX方向両端部において複数本(例えば、2本)設けられる。ガイドシャフト43は、例えば、フレーム44に対して固定される。
図15及び図16は、ガイドシャフト43及びプランジャ45の概略構成を示す側面図である。なお、図15及び図16において、説明の便宜上、プランジャ45の一部の部材(プランジャ本体等)を省略して図示している。
スライダ42又はガイドシャフト43のいずれか一方には、スライダ42の移動方向と交差する方向に向けて窪んだ凹部43aが形成される。図15及び図16に示すように、本実施の形態の凹部43aは、ガイドシャフト43に形成される。凹部43aは、ガイドシャフト43の軸心に向けて窪んで形成される。例えば、凹部43aは、ガイドシャフト43の一端部と他端部との間の位置において全周が溝状に形成される。これにより、凹部43aと後述のプランジャ45との位置合わせを容易に行うことができる。
凹部43aには、軸方向(Z方向)に対して傾斜した傾斜面S4が形成される。傾斜面S4は、例えば、曲面状に形成される。本実施の形態では、凹部43a(傾斜面S4)は、軸方向に直交する方向を中心に上下に対称に形成される。
スライダ42又はガイドシャフト43のいずれか他方には、プランジャ45が設けられる。本実施の形態では、プランジャ45は、スライダ42(図10)に設けられる。プランジャ45はスライダ42と共に軸方向にスライド移動する。プランジャ45は、凹部43a側に向けて付勢される可動部45aを有する。可動部45aは、弾性部材45b(例えば、ばね等)によって付勢される。可動部45aには、軸方向に対して傾斜した傾斜面S5が形成される。傾斜面S5は、例えば、曲面状に形成される。本実施の形態では、可動部45a(傾斜面S5)は、軸方向に直交する方向を中心に上下に対称に形成される。例えば、プランジャ45はボールプランジャであって、可動部45aはボールプランジャのボールである。
このような駆動機構40の構成により、駆動シリンダ41を駆動したとき、ピストンロッド41aが移動し、スライダ42及び固定部材33を通じて、第1切断刃31aが図10に示す状態(R1)から上方に移動して図12に示す位置(R2)に配置される。
本実施の形態では、図9に示すように、姿勢変更部材37の上端部が、第2切断刃31bの上端部よりも高い位置に配置される。このため、固定部材33(図10)が上方に移動したとき、まず、姿勢変更部材37がテープ3に当接する(図11参照)。このとき、テープ3は、姿勢変更部材37によって、固定刃32bに押し当てられた状態となる。この状態から固定部材33がさらに上方に移動したとき、第2切断刃31b及び固定刃32bによってテープ3が切断され、図12に示す第2の相対位置R2の状態となる。姿勢変更部材37でテープ3が持ち上げられることによって、テープ3を固定刃32bに押し当てた状態にすることができるため、テープ3の切断をより容易に行うことができる。
このとき、第1切断刃31aによって、キャリアテープ5が切断されて分断された状態となる。本実施の形態では、第1切断刃31aがカバーテープ6に対して微小距離入り込んだ状態となっている。すなわち、第1切断刃31aと第1切断刃受け部32aとの距離D2は、カバーテープ6の厚みよりも小さい距離となっている。
第1切断刃31aが第2の相対位置R2(図12)に位置するとき、プランジャ45は、図15に示す状態となっている。具体的には、プランジャ45の可動部45aは、凹部43aの軸方向中央部43aaから偏心した位置に配置されている。本実施の形態では、可動部45aは、凹部43aの軸方向中央部43aaから上側に偏心した位置に配置されている。より具体的には、可動部45aの中心高さC3は、凹部43aの軸方向中央部43aaの高さC1よりも高く、凹部43aの軸方向端部43ab(本実施の形態では上端部)の高さC2よりも低くなっている。
ここで、軸方向中央部43aaは、軸方向(Z方向)において凹部43aの中央に位置する部分である。本実施の形態では、凹部43aの軸方向中央部43aaは、凹部43aの対称軸上に位置する部分である。凹部43aが上下方向に対称に形成されていない場合、凹部43aの軸方向中央部43aaは、可動部45aと凹部43aが上下方向(Z方向)に係合した係合状態における可動部45aの高さに位置する部分である。
図12に示す位置(第2の相対位置R2)から、駆動シリンダ41への流体の供給を遮断したとき、第1切断刃31aは、図13に示す第3の相対位置R3に移動する。本実施の形態では、第2の相対位置R2から第3の相対位置R3への移動は、プランジャ45によって行われる。具体的には、図15に示す状態から図16に示す状態への可動部45aの軸方向(下方へ)の移動に伴って、プランジャ45が設けられるスライダ42も同様に軸方向(下方)に移動する。
図15に示すように、可動部45aの中心高さC3が軸方向端部43abの高さC2よりも低い状態で、可動部45aが弾性部材45bにより+X方向に付勢されていることで、可動部45aは、凹部43aの軸方向中央部43aa側に移動する。傾斜面S4,S5及び弾性部材45bの付勢力によって、プランジャ45に、上下方向(本実施の形態では下方向)へ付勢する成分を有する力が負荷されることで、可動部45aは、凹部43aの軸方向中央部43aa側に移動する。本実施の形態では、プランジャ45に発生する下方向への力よりも駆動シリンダ41の駆動力の方が大きく、可動部45aが凹部43aを超えて上方に移動するため、第1の相対位置R1から第2の相対位置R2に移動する。駆動シリンダ41の駆動を停止させたとき、傾斜面S4,S5及び弾性部材45bの付勢力で発生する可動部45aへの下方向の力によって、可動部45aが下方に移動して、第2の相対位置R2から第3の相対位置R3に移動する。
第3の相対位置R3において、図16に示すように、可動部45aは、可動部45aの中心高さC3と凹部43aの軸方向中央部43aaの高さC1とが同じになるように配置される。プランジャ45が設けられるスライダ42は、ガイドシャフト43に対して下方に移動するため、固定部材33を通じてスライダ42に接続される第1切断刃31aも同様に下方に移動する。この結果、第1切断刃31aは、第2の相対位置R2から第3の相対位置R3に移動する。
第2の相対位置R2におけるプランジャ45の可動部45aの高さC3と、第3の相対位置R3における可動部45aの高さC1との差(図15に示すD4)が、第1切断刃31aの移動距離となっている。第1切断刃31aの移動距離は、例えば、D4を変更することによって調整可能となっている。第3の相対位置R3(図13)において、第1切断刃31aと第1切断刃受け部32aとの間に形成される隙間の大きさD3は、例えば、カバーテープ6の厚み以上であって、テープ3全体の厚み以下となっている。
本実施の形態では、切断刃受け部32に対する切断刃31の相対位置を検出する相対位置検出部46(例えば、センサ等)が設けられる。駆動機構40の駆動シリンダ41は、第1の相対位置R1から第2の相対位置R2に相対位置が変更されたことを相対位置検出部46が検出したとき、流体の供給が遮断されるように構成される。すなわち、相対位置検出部46(図9)が切断刃31の位置を検出することによって、図12の状態から流体の供給を遮断する。制御部は、相対位置検出部46が検出した情報に基づいて、駆動機構40の駆動を制御する。
例えば、相対位置検出部46は、上下移動するスライダ42に取り付けられるドグ47と当接しているかどうかによって、切断刃31の位置を検出する。具体的には、図10に示す第1の相対位置R1のとき、ドグ47(図9)は相対位置検出部46から離間した位置にあり、図12に示す第2の相対位置R2に移動したとき、ドグ47が相対位置検出部46に当接する。ドグ47が相対位置検出部46に当接したときに、相対位置検出部46が、第1切断刃31aが第2の相対位置R2に位置していることを検出することで、駆動シリンダ41への流体の供給が遮断される。これにより、キャリアテープ5の切断直後に、プランジャ45によって相対位置を第2の相対位置R2から第3の相対位置R3(図13)に変更することができるため、キャリアテープ5の切断動作の直後に切断ユニット30からテープ3の引き出し動作を行うことができる。
次に、第1切断刃31aによってテープ3から分離されたキャリアテープ5を第1切断刃31aの側方の空間から除去する除去部材65の構成について説明する。
図17は、キャリアテープ5が除去部材65により除去される動作を示す斜視図である。図14及び図17に示すように、第1切断刃31aによってテープ3から除去されたキャリアテープ5(切れ端)は、例えば、第1切断刃31aの周辺に位置している。本実施の形態では、キャリアテープ5を第1切断刃31aの側方の空間(通路35)から除去するための除去部材65(図17)が設けられる。除去部材65によって除去される前のキャリアテープ5は、通路35内に位置している。通路35は、例えば、第1切断刃31a、第2切断刃31b、及び固定部材33の上面S6で囲まれて形成される。
通路35は、第1切断刃31aの一方の側方(+Y方向側の側方)において、第1切断刃31aに沿って延びて形成される。通路35内では、除去部材65によって除去されるキャリアテープ5が通る。第1切断刃31aの他方の側方(-Y方向側の側方)には、除去されたキャリアテープ5が収容される収容部80(図17)が設けられる。また、通路35を通じて除去されるキャリアテープ5を、通路35から収容部80へ案内する第1ガイド81が設けられる。例えば、第1ガイド81は、通路35の前端部(+X方向端部)の下方において収容部80の方向に延びる傾斜面81aを有する。
本実施の形態では、第1切断刃31aの他方の側方(-Y方向側の側方)において、第2ガイド82がさらに設けられる。第2ガイド82は、キャリアテープ5を第1切断刃31aから収容部80に案内するように形成される。これにより、テープ3から除去されたキャリアテープ5が第1切断刃31aの通路35側と反対側に落ちた場合でも、キャリアテープ5を収容部80に収容することができる。
図4に示すように、本実施の形態の除去部材65は、保持ユニット50に設けられる。具体的には、除去部材65は、保持ユニット50のベース53から下方に延びて形成される。除去部材65は、例えば、上下方向に延びる板状(柱状)部材である。ベース53は、保持ユニット50によってテープ3が保持される位置よりも後方(-X方向)に設けられる。
除去部材65は、第1切断刃31aの側方の空間において幅方向に移動することで、第1切断刃31aによりテープ3から分離されたキャリアテープ5を除去する。具体的には、除去部材65が移動して、通路35に位置するキャリアテープ5と当接することで、キャリアテープ5は通路35の外側に押し出される。通路35の外側に押し出されたキャリアテープ5は、第1ガイド81を経由して収容部80に収容される。
除去部材65は、除去部材移動機構によってテープ3の幅方向(X方向)に移動可能に構成される。本実施の形態では、除去部材65を移動させる除去部材移動機構は、保持ユニット50を幅方向に移動させる保持ユニット移動機構52(図2)である。すなわち、保持ユニット50が筐体10に対して幅方向にスライド移動することによって、除去部材65も同様に保持ユニット50と共に幅方向にスライド移動する。これにより、テープ3からキャリアテープ5の除去する作業が終了した後、保持ユニット50を筐体10から引き出したときに、除去部材65によって、キャリアテープ5を第1切断刃31aの側方の空間から除去することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。上記実施の形態では、切断刃受け部32はフレーム44に対して固定して配置されており、切断刃31が切断刃受け部32に対して上下方向に移動することで、相対位置が変更されるとしたが、これに限定されない。例えば、切断刃31が固定されており、切断刃受け部32が移動することで相対位置を変更する構成であってもよい。また、切断刃31及び切断刃受け部32の双方が移動することで相対位置を変更する構成であってもよい。
また、凹部43aは、ガイドシャフト43の軸心に向けて窪んで形成されるとしたが、これに限定されない。凹部43aは、例えば、ガイドシャフト43において水平方向に貫通した貫通孔であってもよい。
また、テープ3の引き出し方向W1は、XY平面に対して上方に傾斜した方向であるとしたが、これに限定されない。テープ3の引きさし方向は、例えばXY平面に対して下方に傾斜した方向やXY平面に沿った方向等であってもよい。
また、駆動機構40は、流体により駆動する駆動シリンダ41を有するとしたが、駆動機構40は、駆動シリンダ41以外の構成で切断ユニット30を駆動してもよい。駆動機構40は、例えばモータを用いた機構等であってもよい。これによって、第1切断刃31aの微小な位置調整を行うことができる。
また、テープ切断装置1は、テープ3を切断ユニット30から引き出すためのテープ引き出し機構を備えていてもよい。
また、保持ユニット移動機構52は、保持ユニット移動機構52によって、保持ユニット50をスライド移動させるとしたが、これに限定されない。例えば、保持ユニット移動機構52は、動力源を有して保持ユニット50を自動的に開閉する機構であってもよい。また、保持ユニット移動機構52は、保持ユニット50を(X方向に)スライド移動可能に支持するガイドレールを有するとしたが、ガイドレール以外の機構によって保持ユニット50を移動させてもよい。
また、除去部材65を移動させる除去部材移動機構は、保持ユニット50を幅方向に移動させる保持ユニット移動機構(レール機構)52であるとしたが、これに限定されない。除去部材移動機構は、第1切断刃31aの側方の空間において幅方向に移動して、第1切断刃31aによってテープ3から分離されたキャリアテープ5を除去する機構であれば、他の機構であってもよい。例えば、除去部材移動機構及び保持ユニット移動機構52は、独立した移動機構であってもよい。
また、第1部材55及び第2部材56は、調整機構58によって、互いの間隔を調整可能に設けられるとしたが、保持ユニット50がテープ3を保持することができれば、これに限定されない。例えば、切断するテープ3の幅が1種類の場合、第1部材55及び第2部材56を1つの部材として一体的に構成してもよい。
また、第1部材55はベース53に固定されており、第2部材56は第1部材55に対して相対移動可能にベース53に取り付けられるとしたが、これに限定されない。例えば、第2部材56はベース53に固定され、第1部材55が第2部材56に対して相対移動可能にベース53に取り付けられてもよい。また、第1部材55及び第2部材56の両方が、相対移動可能にベース53に取り付けられてもよい。
また、切断刃受け部32はフレーム44に対して固定して配置されており、切断刃31が切断刃受け部32に対して上下方向に移動することで、相対位置が変更されるとしたが、これに限定されない。例えば、切断刃31がフレーム44に対して固定して配置され、切断刃受け部32が切断刃31に対して移動する構成であってもよい。また、切断刃31及び切断刃受け部32の両方がフレーム44に対して移動する構成であってもよい。
また、凹部43aは、軸方向に直交する方向を中心に上下に対称に形成されるとしたが、凹部43aは、軸方向に直交する方向を中心に上下に非対称に形成されていてもよい。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、実施の形態における要素の組み合わせや順序の変化は、本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。