JP2003264526A - 無線通信装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラム

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JP2003264526A
JP2003264526A JP2002066424A JP2002066424A JP2003264526A JP 2003264526 A JP2003264526 A JP 2003264526A JP 2002066424 A JP2002066424 A JP 2002066424A JP 2002066424 A JP2002066424 A JP 2002066424A JP 2003264526 A JP2003264526 A JP 2003264526A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 OFDM伝送方式におけるシンボル間干渉の
問題を解決する。 【解決手段】 各アンテナの周波数領域でのチャンネル
推定を求め、フーリエ変換を介してそれぞれの時間軸上
でのチャンネル応答を基に、直接波や有力な遅延波を特
定して強調したり、ガード・インターバルを越える遅延
波を特定して除去することにより、シンボル間干渉を低
減する。また、直接波又は有力な遅延波に最適化したア
ンテナ・ウェイト・ベクトル、又は他の遅延波・干渉波
をキャンセルした上で直接波・有力な遅延波に最適化し
たアンテナ・ウェイト・ベクトルを送信に用いて、関係
のない無線機に対する干渉を予防する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内などの直接波
以外に複数の反射波・遅延波が伝搬されるマルチパス環
境で適用される無線通信装置及び方法、並びにコンピュ
ータ・プログラムに係り、特に、遅延ひずみ対策のため
に送信データを周波数の異なる複数のキャリアに分配し
て伝送するマルチキャリア伝送を行なう無線通信装置及
び方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、各キャリアが
シンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周
波数を設定したOFDM(Orthogonal Frequency Divis
ionMultiplexing:直交周波数分割多重)方式の無線通
信装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに係
り、特に、シンボル間干渉を除去するために、直接波と
複数の遅延波からなる受信信号の中から特定のパスのみ
を強調し又は排除して受信する無線通信装置及び方法、
並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】コンピュータの高機能化に伴い、複数の
コンピュータを接続してLAN(Local Area Network)
を構成し、ファイルやデータなどの情報の共有化や、あ
るいはプリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電
子メールやデータの転送などの情報の交換を行うことが
盛んに行われている。
【0004】従来のLANでは、光ファイバーや同軸ケ
ーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有
線で各コンピュータが接続されている。ところが、この
ような有線によるLANでは、接続のための工事が必要
であり、手軽にLANを構築することが難しいととも
に、ケーブルが煩雑になる。また、LAN構築後も、機
器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不
便であった。
【0005】そこで、従来の有線方式によるLANの配
線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが
注目されている。この種の無線LANによれば、オフィ
スなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略
することができるので、パーソナル・コンピュータ(P
C)などの通信端末を比較的容易に移動させることがで
きる。
【0006】近年では、無線LANシステムの高速化、
低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。
特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器
間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行
なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PA
N)の導入の検討が行なわれている。
【0007】ところで、室内で無線ネットワークを構築
した場合、受信装置では直接波と複数の反射波・遅延波
の重ね合わせを受信するというマルチパス環境が形成さ
れる。マルチパスにより遅延ひずみ(又は、周波数選択
性フェージング)が生じ、通信に誤りが引き起こされ
る。そして、遅延ひずみに起因するシンボル間干渉が生
じる
【0008】遅延ひずみ対策の1つとして、マルチキャ
リア(多重搬送波)伝送方式を挙げることができる。マ
ルチキャリア伝送方式では、送信データを周波数の異な
る複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリア
の帯域が狭帯域となり、周波数選択性フェージングの影
響を受け難くなる。
【0009】例えば、無線LAN規格の1つであるIE
EE802.11aでは、マルチキャリア伝送方式の1
つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Mu
ltiplexing:直交周波数分割多重)方式を採用してい
る。OFDM方式では、各キャリアがシンボル区間内で
相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されて
いる。情報伝送時には、シリアルで送られてきた情報を
情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/パ
ラレル変換して出力される複数のデータを各キャリアに
割り当ててキャリア毎に振幅及び位相の変調を行い、そ
の複数キャリアについて逆FFTを行なうことで周波数
軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号
に変換して送信する。また、受信時はこの逆の操作、す
なわちFFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号
に変換して各キャリアについてそれぞれの変調方式に対
応した復調を行い、パラレル/シリアル変換して元のシ
リアル信号で送られた情報を再生するといったことで行
なわれる。
【0010】OFDM伝送方式では、所定のガード・イ
ンターバル・サイズ、ガード・バンド・サイズ、及びタ
イミングに従って、ガード・インターバルやガード・バ
ンドなどのガード信号を挿入する。ガード・インターバ
ル(信号の一部を繰り返し伝送する区間)は、ガード・
インターバル・サイズ以下のマルチパス(多重反射電波
伝搬)伝搬を吸収して、受信品質の致命的な劣化を防止
することができる。しかしながら、ガード・インターバ
ル・サイズを越える遅延がある場合には、シンボル間干
渉が発生する。
【0011】このような多重波除去の対策として、アダ
プティブアレイ・アンテナを用いて、アンテナの指向性
を特定の有力な直接波・遅延波に向けたり、不要な遅延
波を最小化したりすることが考えられる。しかしなが
ら、このためには、電波の到来角を求める必要がある。
【0012】また、求めたい希望波と取り除きたい干渉
波のそれぞれの最適なアンテナ合成ベクトルが接近して
いる場合、すなわちそれぞれのチャンネル・ベクトルの
ない積が大きい場合には、干渉波を除くと希望波もかな
り減衰してしまう。このとき、希望波の遅延波の中から
干渉波とそれぞれのアンテナ剛性ベクトルが相関しない
遅延を選ぶことができる。しかしながら、同じ信号で到
来角の異なる遅延波を見分けるには、電波の到来角を求
める必要がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、遅延
ひずみ対策のために送信データを周波数の異なる複数の
キャリアに分配して伝送するマルチキャリア伝送を行な
う、優れた無線通信装置及び方法、並びにコンピュータ
・プログラムを提供することにある。
【0014】本発明のさらなる目的は、各キャリアがシ
ンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波
数を設定したOFDM(Orthogonal Frequency Divisio
n Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の優れた無
線通信装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラム
を提供することにある。
【0015】本発明のさらなる目的は、シンボル間干渉
を除去するために、直接波と複数の遅延波からなる受信
信号の中から特定のパスのみを強調し又は排除して受信
することができる、優れた無線通信装置及び方法、並び
にコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、遅延波を含んだ無線データを複数のアンテナを用い
て通信する無線通信装置又は無線通信方法であって、各
アンテナ毎に特定の遅延波に着目したチャネル特性を推
定するチャネル特性推定部又はステップと、該推定され
たチャネル特性に基づいて各アンテナからの受信信号を
合成処理する受信処理部又はステップと、を具備するこ
とを特徴とする無線通信装置又は無線通信方法である。
【0017】ここで、前記チャネル特性推定部又はステ
ップは、各アンテナでの受信信号の周波数領域でのチャ
ネル推定を求め、逆フーリエ変換を介して時間領域での
各遅延波のチャネル・レスポンスを求めることによっ
て、着目したい遅延波を特定することができる。そし
て、時間領域上で特定された遅延波のチャネル・レスポ
ンス成分のみをフーリエ変換して、特定の遅延波に着目
したチャネル特性を各アンテナ毎に取得することができ
る。
【0018】例えば、前記チャネル特性推定部又はステ
ップは、時間領域でのチャネル・レスポンスを参照し
て、シンボル区間に挿入されたガード・インターバルを
越える遅延波を除去したい遅延波として特定することが
できる。あるいは、直接波又は所定以上の強度を持つ有
力な遅延波を最大比合成したい遅延波として特定するこ
とができる。
【0019】したがって、前記受信処理部又はステップ
は、特定の遅延波に着目したチャネル特性を利用して各
アンテナ毎に受信された信号を最大比合成処理したり、
各アンテナ毎の受信信号から該特定の遅延波を除去処理
することができる。
【0020】また、無線通信装置が同じ周波数チャネル
を利用してTDD(Time DivisionDuplex)方式で送受
信を行なうような場合には、受信時における遅延波の時
間軸上のチャネル・レスポンスを利用したチャネル推定
結果を、送信処理においても有効活用することができ
る。すなわち前記チャネル推定部により着目された特定
の遅延波を強調したり、あるいは、特定の遅延波を除去
して無線データを送信することができる。
【0021】また、本発明の第2の側面は、遅延波を含
んだ無線データを複数のアンテナを用いて受信する無線
通信装置又は無線通信方法であって、各アンテナ毎の特
定の着目波についてのチャネル特性を成分とするチャネ
ル・ベクトル生成部又はステップと、該チャネル・ベク
トルを基に所望のアンテナ合成ベクトルを生成するアン
テナ合成ベクトル生成部又はステップと、該アンテナ合
成ベクトルを用いて各アンテナ毎の受信信号を合成する
受信処理部又はステップと、を具備することを特徴とす
る無線通信装置又は無線通信方法である。
【0022】ここで、前記チャネル・ベクトル生成部又
はステップは、各アンテナでの受信信号の周波数領域で
のチャネル推定を求め、次いで、周波数領域でのチャネ
ル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域での各遅延波
のチャネル・レスポンスを求め、着目したい遅延波を特
定して、該時間領域上で特定された遅延波のチャネル・
レスポンス成分のみをフーリエ変換することによって、
各アンテナ毎の特定の着目波についてのチャネル特性を
成分とするチャネル・ベクトルを取得することができ
る。
【0023】また、前記アンテナ合成ベクトル生成部又
はステップは、チャネル・ベクトルを正規化して、特定
の着目波を最大比合成するアンテナ合成ベクトルを生成
することができる。あるいは、チャネル・ベクトルの直
交補空間上から、特定の着目波を除去するアンテナ合成
ベクトルを生成することができる。
【0024】また、本発明の第2の側面に係る無線通信
装置又は無線通信方法は、前記アンテナ合成ベクトルを
適用した送信処理部又はステップをさらに備えることに
より、受信時に生成したチャネル・ベクトルを送信時に
おいても有効活用することができる。
【0025】また、本発明の第3の側面は、遅延波を含
んだ無線データを複数のアンテナを用いて受信する無線
通信装置又は無線通信方法であって、各アンテナでの受
信信号の周波数領域でのチャネル推定を求める手段又は
ステップと、周波数領域でのチャネル推定結果を逆フー
リエ変換して時間領域での各遅延波のチャネル・レスポ
ンスを求め、着目したい遅延波を特定する手段又はステ
ップと、を具備することを特徴とする無線通信装置又は
無線通信方法である。
【0026】本発明の第3の側面に係る無線通信装置又
は無線通信方法は、該時間領域上で特定された遅延波の
チャネル・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、特
定の遅延波に着目したチャネル特性を各アンテナ毎に取
得する手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0027】また、該特定の遅延波に着目したチャネル
特性を利用して各アンテナ毎の受信信号を合成処理する
手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0028】また、該特定の遅延波に着目したチャネル
特性を各アンテナに適用して無線データを送信する手段
又はステップをさらに備えていてもよい。
【0029】例えばOFDM方式の場合、ガード・イン
ターバルを越える遅延が発生するとシンボル間干渉が発
生する。本発明に係る無線通信装置又は無線通信方法に
よれば、各アンテナの周波数領域でのチャンネル推定を
求めた後、フーリエ変換を介してそれぞれの時間軸上で
のチャンネル・レスポンスを基に、直接波や有力な遅延
波、あるいはガード・インターバルを越える遅延波を特
定することができる。そして、直接波や有力な遅延波を
強調したり、あるいはガード・インターバルを越える遅
延波を除去することにより、シンボル間干渉を低減する
ことができる。
【0030】また、本発明に係る無線通信装置又は無線
通信方法によれば、直接波あるいは有力な遅延波に最適
化したアンテナ・ウェイト・ベクトル、あるいは他の遅
延波・干渉波をキャンセルした上で直接波・有力な遅延
波に最適化したアンテナ・ウェイト・ベクトルを送信に
用いることによって、関係のない無線機に対する干渉を
予防することができる。この結果、通信相手の受信機に
対しては効率よく信号を送ることができ、マルチパスを
減らすことで周波数選択性フェージングを低減すること
もできる。
【0031】また、本発明の第4の側面は、遅延波を含
んだ無線データを複数のアンテナを用いて無線通信する
ための処理をコンピュータ・システム上で実行するよう
にコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プ
ログラムであって、各アンテナ毎に特定の遅延波に着目
したチャネル特性を推定するチャネル特性推定ステップ
と、該推定されたチャネル特性に基づいて各アンテナか
らの受信信号を合成処理する受信処理ステップと、を具
備することを特徴とするコンピュータ・プログラムであ
る。
【0032】また、本発明の第5の側面は、遅延波を含
んだ無線データを複数のアンテナを用いて無線通信する
ための処理をコンピュータ・システム上で実行するよう
にコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プ
ログラムであって、各アンテナ毎の特定の着目波につい
てのチャネル特性を成分とするチャネル・ベクトル生成
ステップと、該チャネル・ベクトルを基に所望のアンテ
ナ合成ベクトルを生成するアンテナ合成ベクトル生成ス
テップと、該アンテナ合成ベクトルを用いて各アンテナ
毎の受信信号を合成する受信処理ステップと、を具備す
ることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0033】また、本発明の第6の側面は、遅延波を含
んだ無線データを複数のアンテナを用いて無線通信する
ための処理をコンピュータ・システム上で実行するよう
にコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プ
ログラムであって、各アンテナでの受信信号の周波数領
域でのチャネル推定を求めるステップと、周波数領域で
のチャネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域での
各遅延波のチャネル・レスポンスを求め、着目したい遅
延波を特定するステップと、を具備することを特徴とす
るコンピュータ・プログラムである。
【0034】本発明の第4乃至第6の各側面に係るコン
ピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で
所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記
述されたコンピュータ・プログラムを定義したものであ
る。換言すれば、本発明の第4乃至第6の各側面に係る
コンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムに
インストールすることによって、コンピュータ・システ
ム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1乃至第3
の各側面に係る無線通信装置又は無線通信方法と同様の
作用効果を得ることができる。
【0035】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより
詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について詳解する。
【0037】図1には、本実施形態に係るOFDM通信
装置10のハードウェア構成を模式的に示している。
【0038】送信側では、まず、入力されたビット系列
をスクランブラ11がスクランブルして干渉の影響を最
小化する。次いで、チャンネル符号化器12により符号
化し、インターリーバ13により攪拌する。そして、変
調器14を経て、変調されたシンボルがまとめられてI
FFT(逆フーリエ変換)部15により逆フーリエ変換
され、複数キャリアについて逆FFTを行うことで周波
数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信
号に変換される。その後、さらにガード・インターバル
を付加したOFDMシンボル作られ、データ信号系列に
チャンネル同期・推定信号も付加されて、バースト組立
て部16により送信用バースト信号が作られる。データ
信号系列にチャンネル同期・推定信号も付加されて、送
信用バースト信号が作られる。最後に、D/A変換器1
7によりアナログ信号に変換され、RF送信器18によ
りアップコンバートされて、アンテナ共用機19を介し
て送出される。
【0039】一方、受信側では、アンテナ共用機19を
介して受信された信号がRF受信器21によってRF周
波数帯からベースバンド信号にダウンコンバートされ、
A/D変換器22により複素デジタル信号に変換され
る。そして、チャネル同期用信号を用いて同期をとった
後、チャネル推定用信号(プリアンブル)でチャネル推
定をする。チャネル推定は、同期によって選ばれたチャ
ネル推定用部分をフーリエ変換し、それを既知のデータ
系列と比較することで行われる。その後、それはOFD
Mシンボル切り出し部23が同期情報によってOFDM
データ・シンボルを切り出し、ガード・インターバルを
除いた後、フーリエ変換器24によりフーリエ変換する
ことにより、データ信号が復調される。ここで、等化器
25は、フーリエ変換と復調の間に推定されたチャネル
の推定値を用いて等化を行なう。また、復調器26は、
軟判定値を出力してチャネル復号器28での判定に使わ
れることもある。また、軟判定値を作るために前述のチ
ャネル推定を用いることもできる。復調器26以降は送
信の場合と逆の手順で元の送信ビット系列に戻されるの
で、説明を省略する。
【0040】OFDM方式による伝送は、同じ伝送容量
のシングルろキャリア伝送方式に比べ、1シンボル周期
が長くなるので、到来波の遅延時間差が大きなマルチパ
ス・フェージングや選択性フェージングに対する耐フェ
ージング特性が強いという特徴がある。しかしながら、
到来波の遅延時間差が比較的小さなフラット・フェージ
ングに対する耐フェージング特性は強いとは言い難い。
【0041】フラット・フェージングに対する有効な対
策としては、信号間の相関が小さくなるように配置され
た複数のアンテナで受信した信号を用いる「ダイバーシ
ティ(diversity)受信」が有効であることが知られて
いる。ダイバーシティ受信方式の1つとして、複数の受
信信号をそれぞれ復調してその最大比合成をとる「最大
比合成ダイバーシティ」が挙げられる。
【0042】図2には、無線機に2本以上のアンテナが
ありそれを、OFDMサブキャリア毎の最大比合成受信
する場合におけるアンテナ合成部分の構成例を示してい
る。これは、図1に示したOFDM通信装置10の受信
側におけるフーリエ変換器24及び等化器25の一部に
相当する。
【0043】図示の通り、アンテナAからのデータ信号
Aは、送信データxがチャネル特性HAを持つ伝搬路を
経て到来したものであり、yA=HAxが成り立つものと
する。分離器31は、この受信信号HAxを同期によっ
てチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体
に分離する。そして、各々はFFT32及び33によっ
てフーリエ変換されて、時間軸の信号が周波数軸の信号
に変換される。プリアンブルに関しては乗算器34にお
いてプリアンブル中の既知パターンPreanbleC
と乗算されて、チャネル特性HAが取り出される。その
後、複素共役部(Conj)35においてこのチャネル
特性HAの複素共役HA *がとられ、伝搬路上の歪みをキ
ャンセルする。これが乗算器36及び37においてそれ
ぞれチャネル特性HA及びデータ本体yとの乗算が行わ
れ、HAA *並びにHAA *xが得られる。
【0044】同様に、アンテナBからのデータ信号yB
は、送信データxがチャネル特性HBを持つ伝搬路を経
て到来したものであり、yB=HBxが成り立つものとす
る。分離器41は、この受信信号HBxを同期によって
チャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体に
分離する。そして、各々はFFT42及び43によって
フーリエ変換されて、時間軸の信号が周波数軸の信号に
変換される。プリアンブルに関しては乗算器44におい
てプリアンブル中の既知パターンPreanbleCと
乗算されて、チャネル特性HBが取り出される。その
後、複素共役部(Conj)45においてこのチャネル
特性HBの複素共役HB *がとられ、伝搬路上の歪みをキ
ャンセルする。これが乗算器46及び47においてそれ
ぞれチャネル特性HB及びデータ本体yとの乗算が行わ
れ、HBB *並びにHBB *xが得られる。
【0045】加算器39は、乗算器36及び46の乗算
結果を加算して、最大比合成(HAA *+HBB *)を得
る。また、加算器38は、乗算器37及び47の乗算結
果を加算して、チャネルの電力の和(HAA *x+HB
B *x)を得る。除算器40は、加算器38の出力を加算
器39の出力で除算して、元の送信データxを得る。ま
た、それぞれのチャネル特性HAA *及びHBB *に対し
て各アンテナにおける受信特性などを考慮した重み因子
WeightA及びWeightBを掛けることによ
り、最大比合成処理を行なうことができる。
【0046】マルチパス環境による遅延波が複数ある場
合にも、OFDM伝送方式はそれらを分離せずに合成さ
れた信号として取り扱う。通常はより多くの受信電力を
集める形になり好ましいが、ガード・インターバル区間
を越える遅延がある場合には、隣接する信号の成分が入
り込むインターシンボル干渉が発生する。また関係ない
別の無線機への干渉又は別の無線機からの干渉を防ぐた
めに、アンテナの指向性を絞る必要が生じることがあ
る。このような状況下では、特定の遅延波を消去あるい
は低減させたり、また、特定の遅延波や直接波の電力を
最大化させたりすることが有効であると思料される。こ
れはアダプティブアレイ・アンテナのビームやヌルを該
当する遅延波や直接波に向けることに相当する。
【0047】本実施形態に係るOFDM通信装置10で
は、各アンテナ毎に特定の遅延波に着目したチャネル特
性を推定して、この推定されたチャネル特性に基づいて
各アンテナ毎に受信された信号を最大比合成処理した
り、各アンテナ毎の受信信号から該特定の遅延波を除去
処理する。
【0048】また、本実施形態では、各アンテナでの受
信信号の周波数領域でのチャネル推定を求め、逆フーリ
エ変換を介して時間領域での各遅延波のチャネル・レス
ポンスを求めることによって、着目したい遅延波を特定
する。そして、時間領域上で特定された遅延波のチャネ
ル・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、特定の遅
延波に着目したチャネル特性を各アンテナ毎に取得する
ことができる。
【0049】例えば、時間領域でのチャネル・レスポン
スを参照して、シンボル区間に挿入されたガード・イン
ターバルを越える遅延波を除去したい遅延波として特定
することができる。あるいは、直接波又は所定以上の強
度を持つ有力な遅延波を最大比合成したい遅延波として
特定することができる。
【0050】まず、特定の複数のアンテナを使いある特
定の遅延波又は直接波に着目してそれを最大化するため
の方法について説明する。図3には、複数のアンテナを
使いある特定の遅延波又は直接波に着目してそれを最大
化する受信器のアンテナ合成部分の構成を図解してい
る。
【0051】図示の通り、アンテナAからのデータ信号
Aは、送信データxがチャネル特性HAを持つ伝搬路を
経て到来したものであり、yA=HAxが成り立つものと
する。分離器51は、この受信信号HAxを同期によっ
てチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体
に分離する。そして、各々はフーリエ変換器(FFT)
52及び53によってフーリエ変換されて、時間軸の信
号が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに関し
ては乗算器54においてプリアンブル中の既知パターン
PreanbleCと乗算されて、チャネル特性HA
取り出される。
【0052】ここで、逆フーリエ変換器(IFFT)5
5は、チャネル特性HAを逆フーリエ変換して、時間領
域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求める。そし
て、着目波抽出部56は、時間領域でのチャネル・レス
ポンスを参照して、着目したい遅延波を特定する。この
場合、直接波又は所定以上の強度を持つ有力な遅延波を
最大比合成したい遅延波として特定する。
【0053】時間領域上でのチャネル・レスポンスhが
直接波h0と、それ以外の複数の遅延波h1〜h63で構成
され、d番目の遅延波hdに着目したい場合には、着目
波特定部56は、着目波のみからなるチャネル・レスポ
ンスh"と、残りの成分からなるチャネル・レスポンス
h'に分解する。
【0054】
【数1】
【0055】そして、時間領域上で特定された遅延波の
チャネル・レスポンス成分h"のみをフーリエ変換器
(FFT)57でフーリエ変換して、特定の遅延波に着
目したチャネル特性HA"を取得することができる。
【0056】その後、複素共役部(Conj)58にお
いてこのチャネル特性HAの複素共役HA"*がとられ、伝
搬路上の歪みをキャンセルする。これが乗算器59及び
60においてそれぞれチャネル特性HA及びデータ本体
yとの乗算が行われ、HA A"*並びにHAA"*xが得ら
れる。
【0057】同様に、アンテナBからのデータ信号yB
は、送信データxがチャネル特性HBを持つ伝搬路を経
て到来したものであり、yB=HBxが成り立つものとす
る。分離器61は、この受信信号HBxを同期によって
チャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体に
分離する。そして、各々はフーリエ変換器(FFT)6
2及び63によってフーリエ変換されて、時間軸の信号
が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに関して
は乗算器64においてプリアンブル中の既知パターンP
reanbleCと乗算されて、チャネル特性HBが取
り出される。
【0058】逆フーリエ変換器(IFFT)65は、チ
ャネル特性HAを逆フーリエ変換して、時間領域での各
遅延波のチャネル・レスポンスを求める。そして、着目
波抽出部66は、時間領域でのチャネル・レスポンスを
参照して、着目したい遅延波を特定する。この場合、直
接波又は所定以上の強度を持つ有力な遅延波を最大比合
成したい遅延波として特定する。
【0059】時間領域上でのチャネル・レスポンスhが
直接波h0と、それ以外の複数の遅延波h1〜h63で構成
され、d番目の遅延波hdに着目したい場合には、着目
波特定部66は、着目波のみからなるチャネル・レスポ
ンスh"と、残りの成分からなるチャネル・レスポンス
h'に分解する。そして、時間領域上で特定された遅延
波のチャネル・レスポンス成分h"のみをフーリエ変換
器(FFT)67でフーリエ変換して、特定の遅延波に
着目したチャネル特性HB"を取得することができる。
【0060】その後、複素共役部(Conj)68にお
いてこのチャネル特性HBの複素共役HB"*がとられ、伝
搬路上の歪みをキャンセルする。これが乗算器69及び
70においてそれぞれチャネル特性HB及びデータ本体
yとの乗算が行われ、HB B"*並びにHBB"*xが得ら
れる。
【0061】加算器71は、乗算器59及び69の乗算
結果を加算して、所望の遅延波に着目した最大比合成
(HAA"*+HBB"*)を得る。また、加算器72は、
乗算器60及び70の乗算結果を加算して、所望の遅延
波に着目したチャネルの電力の和(HAA"*+H
BB"*)xを得る。すなわち、アンテナ・ベクトル[H
A,HB]の最大比合成を行なうために、各アンテナA及
びBにおいて特定の遅延波のチャネル特性に着目された
アンテナ合成ベクトル[HA"*,HB"*]が得られたこと
になる。
【0062】そして、除算器73は、加算器72の出力
を加算器73の出力で除算することにより等化して、元
の送信データxを得る。また、それぞれのチャネルから
のデータ信号HA及びHBに対して各アンテナにおける受
信特性などを考慮した重み因子WeightA及びWe
ightBを掛けることにより、最大比合成処理を行な
うことができる。
【0063】このようにして、各アンテナ毎に特定の遅
延波に着目したチャネル特性を推定して、この推定され
たチャネル特性に基づいて各アンテナ毎に受信された信
号を最大比合成処理することができる。
【0064】次に、特定の複数のアンテナを使いある特
定の遅延波又は直接波に着目してそれを除去するための
方法について、図4を参照しながら説明する。同図に
は、複数のアンテナを使いガード・インターバルを越え
る遅延波に着目してこれを除去する受信器のアンテナ合
成部分の構成を図解している。
【0065】図示の通り、アンテナAからのデータ信号
Aは、送信データxがチャネル特性HAを持つ伝搬路を
経て到来したものであり、yA=HAxが成り立つものと
する。分離器81は、この受信信号HAxを同期によっ
てチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体
に分離する。そして、各々はフーリエ変換器(FFT)
82及び83によってフーリエ変換されて、時間軸の信
号が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに関し
ては乗算器84においてプリアンブル中の既知パターン
PreanbleCと乗算されて、チャネル特性HA
取り出される。
【0066】ここで、逆フーリエ変換器(IFFT)8
5は、チャネル特性HAを逆フーリエ変換して、時間領
域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求める。そし
て、着目波抽出部86は、時間領域でのチャネル・レス
ポンスを参照して、着目したい遅延波を特定する。この
場合、ガード・インターバルを越える遅延波やインパル
スの強度が所定値を下回る遅延波を除去したい遅延波と
して特定する。
【0067】時間領域上でのチャネル・レスポンスhが
直接波h0と、それ以外の複数の遅延波h1〜h63で構成
され、d番目の遅延波hdに着目したい場合には、着目
波特定部86は、着目波のみからなるチャネル・レスポ
ンスh"と、残りの成分からなるチャネル・レスポンス
h'に分解する。そして、時間領域上で着目した遅延波
を除去したチャネル・レスポンス成分h"のみをフーリ
エ変換器(FFT)87でフーリエ変換して、特定の遅
延波を除去したチャネル特性HA"を取得することができ
る。
【0068】その後、複素共役部(Conj)88にお
いてこのチャネル特性HAの複素共役HA"*がとられ、伝
搬路上の歪みをキャンセルする。乗算器88は、このチ
ャネル特性HA *に1を乗算する。
【0069】同様に、アンテナBからのデータ信号yB
は、送信データxがチャネル特性HBを持つ伝搬路を経
て到来したものであり、yB=HBxが成り立つものとす
る。分離器91は、この受信信号HBxを同期によって
チャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体に
分離する。そして、各々はフーリエ変換器(FFT)9
2及び93によってフーリエ変換されて、時間軸の信号
が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに関して
は乗算器94においてプリアンブル中の既知パターンP
reanbleCと乗算されて、チャネル特性HBが取
り出される。
【0070】ここで、逆フーリエ変換器(IFFT)9
5は、チャネル特性HBを逆フーリエ変換して、時間領
域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求める。そし
て、着目波抽出部96は、時間領域でのチャネル・レス
ポンスを参照して、着目したい遅延波を特定する。この
場合、ガード・インターバルを越える遅延波やインパル
スの強度が所定値を下回る遅延波を除去したい遅延波と
して特定する。
【0071】時間領域上でのチャネル・レスポンスhが
直接波h0と、それ以外の複数の遅延波h1〜h63で構成
され、d番目の遅延波hdに着目したい場合には、着目
波特定部96は、着目波のみからなるチャネル・レスポ
ンスh"と、残りの成分からなるチャネル・レスポンス
h'に分解する。そして、時間領域上で着目した遅延波
を除去したチャネル・レスポンス成分h"のみをフーリ
エ変換器(FFT)97でフーリエ変換して、特定の遅
延波を除去したチャネル特性HB"を取得することができ
る。
【0072】その後、複素共役部(Conj)98にお
いてこのチャネル特性HBの複素共役HB"*がとられ、伝
搬路上の歪みをキャンセルする。乗算器88は、このチ
ャネル特性HB *に−1を乗算する。
【0073】乗算器89は、アンテナAにおけるチャネ
ル特性HAに、符号反転されたチャネル特性HBの複素共
役HB"*を掛け算して−HAB"*を得る。また、乗算器
99は、アンテナBにおけるチャネル特性HBにチャネ
ル特性HAの複素共役HA"*を掛け算して、HA"*Bを得
る。そして、加算器102は、これら乗算器89及び9
9の出力を加算して、(HA"*B−HAB"*)を得る。
これは、特定の遅延波を除去するためのアンテナ合成ベ
クトルとして、最大比合成ベクトル[HA"*,HB"*]に
直交するベクトル[−HB"*, HA"*]を選んだことに
相当する。最大比合成ベクトルに直交するベクトルは、
最大比合成ベクトルの直交補空間から任意に選ぶことが
できる。
【0074】一方、乗算器100は、アンテナAからの
データHAxに、符号反転されたチャネル特性HBの複素
共役HB"*を掛け算して−HAB"*xを得る。また、乗
算器101は、アンテナからのデータHBxにチャネル
特性HAの複素共役HA"*を掛け算して、HA"*Bxを得
る。そして、加算器103は、これら乗算器89及び9
9の出力を加算して、(HA"*B−HAB"*)xを得
る。
【0075】そして、除算器104は、加算器103の
出力を加算器102の出力で除算することにより等化し
て、元の送信データxを得る。また、それぞれのチャネ
ルからのデータ信号HA及びHBに対して各アンテナにお
ける受信特性などを考慮した重み因子WeightA及
びWeightBを掛けるようにしてもよい。
【0076】このようにして、各アンテナ毎に特定の遅
延波に着目したチャネル特性を推定して、この推定され
たチャネル特性に基づいてある特定の遅延波又は直接波
に着目してそれを除去することができる。
【0077】また、無線通信装置が同じ周波数チャネル
を用いて利用してTDD(Time Division Duplex)方式
で送受信を行なうような場合には、受信時に得られたア
ンテナ合成ベクトルを送信時にも利用することができ
る。(チャネル特性Hは、周波数の依存性が強いため、
送受信で周波数が異なれば、同じアンテナ合成ベクトル
を使用する効果が低下する。)このような場合、同じア
ンテナ合成ベクトルを使用することにより、受信時にお
いて強調した特定の遅延波を送信時には強調して送った
り、あるいは、受信時において除去した特定の遅延波を
送信時には除去するようにして送ったりすることができ
る。
【0078】図5には、受信時には複数のアンテナを使
いある特定の遅延波又は直接波に着目してそれを最大比
合成するために生成された最大比合成ベクトルを送信側
にも適用した無線通信装置の構成を示している。
【0079】まず、受信側では、アンテナAでの受信信
号の周波数領域でのチャネル推定H Aを求め、周波数領
域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域
での各遅延波のチャネル・レスポンスを求めることによ
り着目したい遅延波を特定してから、特定された遅延波
のチャネル・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、
周波数領域での特定の遅延波に着目したチャネル特性H
A"*を得る。
【0080】同様に、アンテナBでの受信信号の周波数
領域でのチャネル推定HBを求め、周波数領域でのチャ
ネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域での各遅延
波のチャネル・レスポンスを求めることにより着目した
い遅延波を特定してから、特定された遅延波のチャネル
・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、周波数領域
での特定の遅延波に着目したチャネル特性HB"*を得
る。但し、受信側の構成は図3に示したものと略同一な
ので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0081】一方、送信側では、入力されたビット系列
をスクランブルして干渉の影響を最小化し、チャンネル
符号化し、インターリーバにより攪拌してから、変調処
理する。そして、アンテナAの送信処理部においては、
変調されたシンボルがまとめられて、特定の遅延波に着
目したチャネル特性HA"*を乗算してから、逆フーリエ
変換される。その後、さらにガード・インターバルを付
加したOFDMシンボル作られてそれが並べられる。次
いで、データ信号系列にチャンネル同期・推定信号もさ
れて送信用バースト信号が作られる。最後に、D/A変
換器17によりアナログ信号に変換され、RF送信器1
8によりアップコンバートされて、アンテナ共用機19
を介して送出される。
【0082】アンテナBの送信処理部においても、同様
に、特定の遅延波に着目したチャネル特性HB"*を乗算
してから、逆フーリエ変換され、さらにガード・インタ
ーバルを付加したOFDMシンボルが作られてそれが並
べられチャンネル同期・推定信号も挿入されて送信用バ
ースト信号が作られる。
【0083】この結果、最大比合成ベクトル[HA"*
B"*]を用いてデータ送信を行なうこととなり、各ア
ンテナA及びBからは、受信時において強調した特定の
遅延波を強調してデータ送出することができる。このよ
う送信方法は、受信時に推定したチャネル・レスポンス
の有力な直接・遅延波の到来方向に向かって送信するこ
とに相当する。
【0084】図6には、受信時には複数のアンテナを使
いある特定の遅延波又は直接波に着目してそれを除去す
るために生成されたアンテナ合成ベクトルを送信側にも
適用した無線通信装置の構成を示している。
【0085】まず、受信側では、アンテナAでの受信信
号の周波数領域でのチャネル推定H Aを求め、周波数領
域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域
での各遅延波のチャネル・レスポンスを求めることによ
り着目したい遅延波を特定してから、特定された遅延波
のチャネル・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、
周波数領域での特定の遅延波に着目したチャネル特性H
A"*を得る。同様に、アンテナBでの受信信号の周波数
領域でのチャネル推定HBを求め、周波数領域でのチャ
ネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域での各遅延
波のチャネル・レスポンスを求めることにより着目した
い遅延波を特定してから、特定された遅延波のチャネル
・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、周波数領域
での特定の遅延波に着目したチャネル特性HB"*を得て
さらに、これに−1を掛けて符合を反転する。但し、受
信側の構成は図4に示したものと略同一なので、ここで
は詳細な説明を省略する。
【0086】一方、送信側では、入力されたビット系列
をスクランブルして干渉の影響を最小化し、チャンネル
符号化し、インターリーバにより攪拌してから、変調処
理する。そして、アンテナAの送信処理部においては、
変調されたシンボルがまとめられて、アンテナBからの
受信時において特定の遅延波に着目したチャネル特性−
B"*を乗算してから、逆フーリエ変換される。その
後、さらにガード・インターバルを付加したOFDMシ
ンボル作られてそれが並べられる。次いで、データ信号
系列にチャンネル同期・推定信号もされて送信用バース
ト信号が作られる。最後に、D/A変換器17によりア
ナログ信号に変換され、RF送信器18によりアップコ
ンバートされて、アンテナ共用機19を介して送出され
る。アンテナBの送信処理部においても、同様に、アン
テナAからの受信時において特定の遅延波に着目したチ
ャネル特性HA"*を乗算してから、逆フーリエ変換さ
れ、さらにガード・インターバルを付加したOFDMシ
ンボルが作られてそれが並べられチャンネル同期・推定
信号も挿入されて送信用バースト信号が作られる。
【0087】この結果、最大比合成ベクトル[HA"*
B"*]に直交するベクトル[−HB" *, HA"*]を用い
てデータ送信を行なうこととなり、各アンテナA及びB
からは、受信時において除去した特定の遅延波を抑制し
てデータ送出することができる。このよう送信方法は、
受信時に推定したチャネル・レスポンスの不要な遅延波
の到来方向には送信しないようにすることに相当する。
【0088】本発明に係る無線通信装置は、要するに、
各アンテナ毎の特定の着目波についてのチャネル特性を
成分とするチャネル・ベクトルを生成して、このチャネ
ル・ベクトルを基に所望のアンテナ合成ベクトルを生成
し、このアンテナ合成ベクトルを用いて各アンテナ毎の
受信信号を合成するものである。
【0089】この場合、チャネル・ベクトルは、各アン
テナでの受信信号の周波数領域でのチャネル推定を求
め、この周波数領域でのチャネル推定結果を逆フーリエ
変換して時間領域での各遅延波のチャネル・レスポンス
を求めることにより着目したい遅延波を特定し、特定さ
れた遅延波のチャネル・レスポンス成分のみをフーリエ
変換して、各アンテナ毎に特定の遅延波に着目したチャ
ネル特性を取得することによって得られる。
【0090】また、ここで言う受信信号の合成には、特
定の着目波を最大比合成すること、あるいは、特定の着
目波を除去することなどが含まれる。
【0091】図7には、チャネル・ベクトルを基に所望
のアンテナ合成ベクトルを求めることにより、各アンテ
ナ毎の受信信号を合成して受信処理を行なう無線通信装
置の構成例を示している。同図に示す無線通信装置は、
図3及び図4の各々に示した無線通信装置を一般化した
ものに相当する。
【0092】図示の通り、アンテナAからのデータ信号
Aは、送信データxがチャネル特性HAを持つ伝搬路を
経て到来したものであり、yA=HAxが成り立つものと
する。分離器111は、この受信信号HAxを同期によ
ってチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本
体に分離する。そして、各々はフーリエ変換器(FF
T)112及び113によってフーリエ変換されて、時
間軸の信号が周波数軸の信号に変換される。プリアンブ
ルに関しては乗算器114においてプリアンブル中の既
知パターンPreanbleCと乗算されて、チャネル
特性HAが取り出される。
【0093】逆フーリエ変換器(IFFT)115は、
チャネル特性HAを逆フーリエ変換して、時間領域での
各遅延波のチャネル・レスポンスを求める。そして、着
目波抽出部116は、時間領域でのチャネル・レスポン
スを参照して、着目したい遅延波を特定する。そして、
時間領域上で特定された遅延波のチャネル・レスポンス
成分のみをフーリエ変換器(FFT)117でフーリエ
変換して、特定の遅延波に着目したチャネル特性HA"を
取得し、これをチャネル・ベクトルとしてアンテナ・ベ
クトル演算部130に入力する。
【0094】同様に、アンテナBからのデータ信号yB
は、送信データxがチャネル特性HBを持つ伝搬路を経
て到来したものであり、yB=HBxが成り立つものとす
る。分離器121は、この受信信号HBxを同期によっ
てチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体
に分離する。そして、各々はフーリエ変換器(FFT)
122及び123によってフーリエ変換されて、時間軸
の信号が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに
関しては乗算器124においてプリアンブル中の既知パ
ターンPreanbleCと乗算されて、チャネル特性
Bが取り出される。
【0095】逆フーリエ変換器(IFFT)125は、
チャネル特性HBを逆フーリエ変換して、時間領域での
各遅延波のチャネル・レスポンスを求める。そして、着
目波抽出部126は、時間領域でのチャネル・レスポン
スを参照して、着目したい遅延波を特定する。そして、
時間領域上で特定された遅延波のチャネル・レスポンス
成分のみをフーリエ変換器(FFT)127でフーリエ
変換して、特定の遅延波に着目したチャネル特性HB"を
取得し、これをチャネル・ベクトルとしてアンテナ・ベ
クトル演算部130に入力する。
【0096】アンテナ・ベクトル演算部130は、特定
の着目波を最大比合成したり、あるいは特定の着目波を
除去するためのアンテナ合成ベクトルを求めるための演
算を行なう。アンテナ・ベクトル演算の詳細については
後述する。
【0097】アンテナ・ベクトル演算部130の出力
は、各乗算器131〜134に入力されて、アンテナA
からのデータ信号HAx、アンテナAのチャネル特性
A、アンテナBからのデータ信号HBx、アンテナBの
チャネル特性HBとそれぞれ乗算される。
【0098】加算器135は、乗算器131及び133
の乗算結果を加算する。また、加算器136は、乗算器
132及び134の乗算結果を加算する。そして、除算
器137は、加算器135による加算結果を加算器13
6による加算結果で除算して、元のデータ信号xを等化
する。
【0099】次に、アンテナ・ベクトル演算部130に
おける処理について説明する。アンテナ・ベクトル演算
部130は、特定の着目波を最大比合成したり、あるい
は特定の着目波を除去するためのアンテナ合成ベクトル
を求めるための演算を行なう。まず、最大比合成の場合
について述べる。
【0100】ここでは、無線通信装置はM本のアンテナ
を備えているものとし、Hkはアンテナkに関する複素
伝播チャネルとする(但し、0<k≦M)。またwk
アンテナkの重み、つまりアンテナ・ベクトルのk番目
の要素とする。*印は共役複素数を示す。さてM本のア
ンテナに関する和は下式のように表わされる。
【0101】
【数2】
【0102】上式はアンテナ・ベクトルで合成された伝
播チャネルを示すが、これをベクトルで表記すると、チ
ャネル・ベクトルHkとアンテナ合成ベクトルwkの積と
なる。
【0103】
【数3】
【0104】この合成伝播チャネルのパワーは次の式で
表わされる。
【0105】
【数4】
【0106】上式中のAは、以下に示すように伝播チャ
ネル・ベクトルから作られたエルミート行列Eとなる。
【0107】
【数5】
【0108】ところで、一般にエルミート行列Eは、下
式のように固有値λと固有ベクトルvに分解することが
できる。(行列Aの複素共役行列の転置行列をAの共役
転置行列(conjugate transposed matrix)といい、A*
で表す。また、A*=A となる正方行列をエルミート
行列(Hermitian matrix)という。)
【0109】
【数6】
【0110】このことから逆に考えると、つまり式
(5)から(4)を見ると、行列Aには固有値が1つ存
在し、値は内積(HE,H)で、対応する固有ベクトルは
H/(H E,H)1/2となる。但し、共役・複素の演算子
をEとする。
【0111】合成伝播チャネルのパワーを最大にするた
めには、アンテナ・ベクトルを行列Aの最大固有値に対
応する固有ベクトルに選べばよい。この場合、行列Aに
は固有値が1つあるだけなので、自動的に最大固有値と
なる。
【0112】さらに、最大固有値に対応する固有ベクト
ルはチャネル・ベクトルそのものを正規化したものとい
うことになる。これは最大比合成の処理と一致する(図
3を参照のこと)。まず、チャネル・ベクトルHそのも
のをアンテナ・ベクトルとして、正規化の部分を後に使
用することも実際には可能である。
【0113】次いで、アンテナ・ベクトル演算部130
により特定の着目波を除去する処理について説明する。
この場合、伝播チャネルH、つまりこのチャネルを経て
きた信号を、アンテナの合成によりキャンセルする。
【0114】チャネル・ベクトルHの影響を最小にする
には、行列Aの最小固有値に対応する固有ベクトルをア
ンテナ・ベクトルに選べばよい。行列Aには固有値は1
つあるだけで他の(M−1)個の固有値は0と考えられ
る。
【0115】これらの固有値0に対応する(M−1)個
の固有ベクトルは、M次元ベクトル空間のチャネルベク
トルHの直交補空間を張っている。この行列Aのヌル・
スペース、つまりベクトルHの直交補空間から何であ
れ、ベクトルを選び出しアンテナベクトルにすれば、伝
播チャネルHはキャンセルされる(図9を参照のこ
と)。
【0116】図10には、アンテナが2本、すなわち2
次元の複素ベクトル空間の場合を図解している。2次元
空間なので、チャンネル・ベクトルの直交補空間は1次
元となる。図4に示した無線通信装置の構成例では、2
本のアンテナのチャネル推定を交換して片方に−1を掛
けているが、これは図10では実線の場合に相当する。
【0117】また、図11には、ある伝播チャネルを最
小化した上で、他の伝播チャネルを極大化させる方法を
図解している。この場合、図示の通り、キャンセルした
い伝播チャネル・ベクトルの直交補空間において、他の
極大化させたい伝搬ベクトルを射影したものをアンテナ
・ベクトルとすればよい。
【0118】図7に示すように、チャネル・ベクトルを
基に所望のアンテナ合成ベクトルを求めることにより、
各アンテナ毎の受信信号を合成して受信処理を行なう場
合にも、図5及び図6を参照しながら既に説明したもの
と同様に、アンテナ合成ベクトルを送信側にも適用する
ことができる。
【0119】図12には、アンテナ合成ベクトルを送信
側にも適用する無線通信装置の構成例を示している。
【0120】まず、受信側では、アンテナAでの受信信
号の周波数領域でのチャネル推定H Aを求め、周波数領
域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域
での各遅延波のチャネル・レスポンスを求めることによ
り着目したい遅延波を特定してから、特定された遅延波
のチャネル・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、
周波数領域での特定の遅延波に着目したチャネル特性H
A"を得て、これをチャネル・ベクトルとしてアンテナ・
ベクトル演算部130に入力する。
【0121】同様に、アンテナBでの受信信号の周波数
領域でのチャネル推定HBを求め、周波数領域でのチャ
ネル推定結果を逆フーリエ変換して時間領域での各遅延
波のチャネル・レスポンスを求めることにより着目した
い遅延波を特定してから、特定された遅延波のチャネル
・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、周波数領域
での特定の遅延波に着目したチャネル特性HB"を得て、
これをチャネル・ベクトルとしてアンテナ・ベクトル演
算部130に入力する。
【0122】アンテナ・ベクトル演算部130は、特定
の着目波を最大比合成したり、あるいは特定の着目波を
除去するためのアンテナ合成ベクトルを求めるための演
算を行なう(前述、並びに図9〜図11を参照のこ
と)。
【0123】一方、送信側では、入力されたビット系列
をスクランブルして干渉の影響を最小化し、チャンネル
符号化し、インターリーバにより攪拌してから、変調処
理する。そして、アンテナAの送信処理部においては、
変調されたシンボルがまとめられて、特定の遅延波に着
目して得た所望のアンテナ合成ベクトルを乗算してか
ら、逆フーリエ変換される。その後、さらにガード・イ
ンターバルを付加したOFDMシンボル作られてそれが
並べられる。次いで、データ信号系列にチャンネル同期
・推定信号もされて送信用バースト信号が作られる。最
後に、D/A変換器17によりアナログ信号に変換さ
れ、RF送信器18によりアップコンバートされて、ア
ンテナ共用機19を介して送出される。
【0124】アンテナBの送信処理部においても、同様
に、特定の遅延波に着目して得た所望のアンテナ合成ベ
クトルを乗算してから、逆フーリエ変換され、さらにガ
ード・インターバルを付加したOFDMシンボルが作ら
れてそれが並べられチャンネル同期・推定信号も挿入さ
れて送信用バースト信号が作られる。
【0125】この結果、所望のアンテナ合成ベクトルを
適用してデータ送信を行なうこととなり、各アンテナA
及びBからは、受信時において強調した特定の遅延波を
強調してデータ送出したり、あるいは、受信時において
除去した特定の遅延波を抑制してデータ送出することが
できる。
【0126】[追補]以上、特定の実施形態を参照しな
がら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修
正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示
という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書
の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の
要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範
囲の欄を参酌すべきである。
【0127】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
シンボル間干渉を除去するために、直接波と複数の遅延
波からなる受信信号の中から特定のパスのみを強調し又
は排除して受信することができる、優れた無線通信装置
及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供する
ことができる。
【0128】OFDM方式の場合、ガード・インターバ
ルを越える遅延が発生するとシンボル間干渉が発生す
る。本発明によれば、各アンテナの周波数領域でのチャ
ンネル推定を求めた後、フーリエ変換を介してそれぞれ
の時間軸上でのチャンネル応答を基に、直接波や有力な
遅延波、あるいはガード・インターバルを越える遅延波
を特定することができる。そして、直接波や有力な遅延
波を強調したり、あるいはガード・インターバルを越え
る遅延波を除去することにより、シンボル間干渉を低減
することができる。
【0129】また、本発明によれば、直接波又は有力な
遅延波に最適化したアンテナ・ウェイト・ベクトル、又
は他の遅延波・干渉波をキャンセルした上で直接波・有
力な遅延波に最適化したアンテナ・ウェイト・ベクトル
を送信に用いることによって、関係のない無線機に対す
る干渉を予防することができる。この結果、通信相手の
受信機に対しては効率よく信号を送ることができ、マル
チパスを減らすことで周波数選択性フェージングを低減
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るOFDM通信装置のハードウ
ェア構成を模式的に示した図である。
【図2】無線機に2本以上のアンテナがありそれを、O
FDMサブキャリア毎の最大比合成受信する場合におけ
るアンテナ合成部分の構成例を示した図である。
【図3】複数のアンテナを使いある特定の遅延波又は直
接波に着目してそれを最大化するための受信器のアンテ
ナ合成部分の構成を示した図である。
【図4】特定の複数のアンテナを使いある特定の遅延波
又は直接波に着目してそれを除去するための受信器のア
ンテナ合成部分の構成を示した図である。
【図5】受信時に生成された最大比合成ベクトルを送信
側にも適用した無線通信装置の構成を示した図である。
【図6】受信時にある特定の遅延波又は直接波に着目し
てそれを除去するために生成されたアンテナ合成ベクト
ルを送信側にも適用した無線通信装置の構成を示した図
である。
【図7】チャネル・ベクトルを基に所望のアンテナ合成
ベクトルを求めることにより、各アンテナ毎の受信信号
を合成して受信処理を行なう無線通信装置の構成例を示
した図である。
【図8】アンテナ・ベクトル演算部130により特定の
着目波を最大比合成するための原理を示した図である。
【図9】アンテナ・ベクトル演算部130により特定の
着目波を除去するための原理を示した図である。
【図10】アンテナ・ベクトル演算部130により特定
の着目波を除去するための原理を示した図である。
【図11】アンテナ・ベクトル演算部130により特定
の着目波を除去するための原理を示した図である。
【図12】アンテナ合成ベクトルを送信側にも適用する
無線通信装置の構成例を示した図である。
【符号の説明】
51,61…分離器 52,53,62,63,57,67…フーリエ変換器 54,64,59,60,69,70…乗算器 55,65…逆フーリエ変換器 56,66…着目波抽出部 58,68…複素共役部 71,72…加算器 73…除算器

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遅延波を含んだ無線データを複数のアンテ
    ナを用いて通信する無線通信装置であって、 各アンテナ毎に特定の遅延波に着目したチャネル特性を
    推定するチャネル特性推定部と、 該推定されたチャネル特性に基づいて各アンテナからの
    受信信号を合成処理する受信処理部と、を具備すること
    を特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】前記チャネル特性推定部は、 各アンテナでの受信信号の周波数領域でのチャネル推定
    を求め、逆フーリエ変換を介して時間領域での各遅延波
    のチャネル・レスポンスを求めて着目したい遅延波を特
    定する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装
    置。
  3. 【請求項3】前記チャネル特性推定部は、時間領域での
    チャネル・レスポンスを参照して、シンボル区間に挿入
    されたガード・インターバルを越える遅延波を除去した
    い遅延波として特定する、ことを特徴とする請求項4に
    記載の無線通信装置。
  4. 【請求項4】前記チャネル特性推定部は、時間領域での
    チャネル・レスポンスを参照して、直接波又は有力な遅
    延波を最大比合成したい遅延波として特定する、ことを
    特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  5. 【請求項5】前記受信処理部は特定の遅延波に着目した
    チャネル特性を利用して各アンテナ毎の受信信号を最大
    比合成処理する、ことを特徴とする請求項1に記載の無
    線通信装置。
  6. 【請求項6】前記受信処理部は特定の遅延波に着目した
    チャネル特性を利用して各アンテナ毎の受信信号から該
    特定の遅延波を除去処理する、ことを特徴とする請求項
    1に記載の無線通信装置。
  7. 【請求項7】前記チャネル推定部により着目された特定
    の遅延波を強調して無線データを送信する送信処理部を
    さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の無線
    通信装置。
  8. 【請求項8】前記チャネル推定部により着目された特定
    の遅延波を除去して無線データを送信する送信処理部を
    さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の無線
    通信装置。
  9. 【請求項9】遅延波を含んだ無線データを複数のアンテ
    ナを用いて受信する無線通信装置であって、 各アンテナ毎の特定の着目波についてのチャネル特性を
    成分とするチャネル・ベクトル生成部と、 該チャネル・ベクトルを基に所望のアンテナ合成ベクト
    ルを生成するアンテナ合成ベクトル生成部と、 該アンテナ合成ベクトルを用いて各アンテナ毎の受信信
    号を合成する受信処理部と、を具備することを特徴とす
    る無線通信装置。
  10. 【請求項10】前記チャネル・ベクトル生成部は、 各アンテナでの受信信号の周波数領域でのチャネル推定
    を求める手段と、 周波数領域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して
    時間領域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求め、
    着目したい遅延波を特定する手段と、 該時間領域上で特定された遅延波のチャネル・レスポン
    ス成分のみをフーリエ変換して、各アンテナ毎に特定の
    遅延波に着目したチャネル特性を取得する手段を備え
    る、ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
  11. 【請求項11】前記アンテナ合成ベクトル生成部は、チ
    ャネル・ベクトルを正規化して、特定の着目波を最大比
    合成するアンテナ合成ベクトルを生成する、ことを特徴
    とする請求項9に記載の無線通信装置。
  12. 【請求項12】前記アンテナ合成ベクトル生成部は、チ
    ャネル・ベクトルの直交補空間上から、特定の着目波を
    除去するアンテナ合成ベクトルを生成する、ことを特徴
    とする請求項9に記載の無線通信装置。
  13. 【請求項13】前記アンテナ合成ベクトルを適用した送
    信処理部をさらに備える、ことを特徴とする請求項9に
    記載の無線通信装置。
  14. 【請求項14】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて受信する無線通信装置であって、 各アンテナでの受信信号の周波数領域でのチャネル推定
    を求める手段と、 周波数領域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して
    時間領域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求め、
    着目したい遅延波を特定する手段と、を具備することを
    特徴とする無線通信装置。
  15. 【請求項15】該時間領域上で特定された遅延波のチャ
    ネル・レスポンス成分のみをフーリエ変換して、各アン
    テナ毎に特定の遅延波に着目したチャネル特性を取得す
    る手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項14に
    記載の無線通信装置。
  16. 【請求項16】該特定の遅延波に着目したチャネル特性
    を利用して各アンテナ毎の受信信号を合成処理する手段
    をさらに備える、ことを特徴とする請求項14に記載の
    無線通信装置。
  17. 【請求項17】該特定の遅延波に着目したチャネル特性
    を各アンテナに適用して無線データを送信する手段をさ
    らに備える、ことを特徴とする請求項14に記載の無線
    通信装置。
  18. 【請求項18】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて通信する無線通信方法であって、 各アンテナ毎に特定の遅延波に着目したチャネル特性を
    推定するチャネル特性推定ステップと、 該推定されたチャネル特性に基づいて各アンテナからの
    受信信号を合成処理する受信処理ステップと、を具備す
    ることを特徴とする無線通信方法。
  19. 【請求項19】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて受信する無線通信方法であって、 各アンテナ毎の特定の着目波についてのチャネル特性を
    成分とするチャネル・ベクトル生成ステップと、 該チャネル・ベクトルを基に所望のアンテナ合成ベクト
    ルを生成するアンテナ合成ベクトル生成ステップと、 該アンテナ合成ベクトルを用いて各アンテナ毎の受信信
    号を合成する受信処理ステップと、を具備することを特
    徴とする無線通信方法。
  20. 【請求項20】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて受信する無線通信方法であって、 各アンテナでの受信信号の周波数領域でのチャネル推定
    を求めるステップと、 周波数領域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して
    時間領域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求め、
    着目したい遅延波を特定するステップと、を具備するこ
    とを特徴とする無線通信方法。
  21. 【請求項21】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて無線通信するための処理をコンピュータ・
    システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記
    述されたコンピュータ・プログラムであって、 各アンテナ毎に特定の遅延波に着目したチャネル特性を
    推定するチャネル特性推定ステップと、 該推定されたチャネル特性に基づいて各アンテナからの
    受信信号を合成処理する受信処理ステップと、を具備す
    ることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  22. 【請求項22】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて無線通信するための処理をコンピュータ・
    システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記
    述されたコンピュータ・プログラムであって、 各アンテナ毎の特定の着目波についてのチャネル特性を
    成分とするチャネル・ベクトル生成ステップと、 該チャネル・ベクトルを基に所望のアンテナ合成ベクト
    ルを生成するアンテナ合成ベクトル生成ステップと、 該アンテナ合成ベクトルを用いて各アンテナ毎の受信信
    号を合成する受信処理ステップと、を具備することを特
    徴とするコンピュータ・プログラム。
  23. 【請求項23】遅延波を含んだ無線データを複数のアン
    テナを用いて無線通信するための処理をコンピュータ・
    システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記
    述されたコンピュータ・プログラムであって、 各アンテナでの受信信号の周波数領域でのチャネル推定
    を求めるステップと、 周波数領域でのチャネル推定結果を逆フーリエ変換して
    時間領域での各遅延波のチャネル・レスポンスを求め、
    着目したい遅延波を特定するステップと、を具備するこ
    とを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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