JP2003262721A - ポリマーフィルム、ならびにそれを用いた円偏光板および画像表示装置 - Google Patents

ポリマーフィルム、ならびにそれを用いた円偏光板および画像表示装置

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JP2003262721A
JP2003262721A JP2002061546A JP2002061546A JP2003262721A JP 2003262721 A JP2003262721 A JP 2003262721A JP 2002061546 A JP2002061546 A JP 2002061546A JP 2002061546 A JP2002061546 A JP 2002061546A JP 2003262721 A JP2003262721 A JP 2003262721A
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polymer
ring
liquid crystal
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JP2002061546A
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Hiroshi Hayashi
博司 林
Hiroaki Sata
博暁 佐多
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い波長領域で位相差がλ/4であり、視野
角特性に優れ、軽量化が可能なポリマーフィルムを提供
する。 【手段】 少なくとも一種のポリマーを100質量部、
および少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物
を0.01〜20質量部含有するポリマー組成物からな
り、前記少なくとも一種のポリマーの比重が1.00〜
1.23であり、且つ波長450nmで測定したレター
デーション値(Re450)が60〜135nm、波長
590nmで測定したレターデーション値(Re59
0)が100〜170nm、(Re590−Re45
0)≧2nm、及びNzファクター(=(nx−nz)
/(nx−ny))が1.2〜2.0である関係を満足
するポリマーフィルムである。nxはフィルム面内の遅
相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の
屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学補償フィルム
(特にλ/4板)として機能し得るポリマーフィルム、
ならびにそれを用いた円偏光板および画像表示装置に関
し、詳細には、軽量化された、添加物のブリードアウト
が少ない光学補償フィルムとして機能し得るポリマーフ
ィルム、ならびにそれを用いた円偏光板および液晶表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、一般に、液晶セル、偏
光板および光学補償フィルム(位相差板)を種々の順番
で配置して構成される。例えば、透過型液晶表示装置で
は、二枚の偏光板を液晶セルの両側に取り付け、一枚ま
たは二枚の光学補償フィルムを液晶セルと偏光板との間
に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セ
ル、一枚の光学補償フィルム、および一枚の偏光板をこ
の順序で配置する。
【0003】液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入
するための二枚の基板および棒状液晶性部分子に電圧を
加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性
分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(T
wisted Nematic)、IPS(In−Pl
ane Switching)、FLC(Ferroe
lectric Liquid Crystal)、O
CB(Optically Compensatory
Bend)、STN(Supper Twisted
Nematic)、VA(Vertically A
ligned)、反射型については、HAN(Hybr
id Aligned Nematic)のような様々
な表示モードが提案されている。偏光板は、一般に、偏
光膜と透明保護膜とからなっており、この偏光膜は、一
般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料
の水溶液を含浸させ、さらにこのフィルムを一軸延伸す
ることにより得られる。この偏光膜の両側に二枚の透明
保護膜を貼りつけた構成を有する。
【0004】光学補償フィルムは、画像着色を解消した
り、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用
いられている。その中でλ/4板は、液晶表示装置用の
光学補償フィルムとして、有機EL表示用の反射防止膜
としてなど多くの用途を有しており、既に実際に使用さ
れている。しかし、λ/4板と称していても、ある特定
波長でλ/4やλ/2を達成しているものが大部分であ
った。
【0005】特開平5−27118号および同5−27
119号の各公報には、レターデーションが大きい複屈
折性フィルムとレターデーションが小さい複屈折率フィ
ルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた光
学補償フィルムが開示されている。二枚のフィルムのレ
ターデーションの差が可視光域の全体にわたりλ/4で
あれば、光学補償フィルムは理論的には、可視光域の全
体にわたりλ/4板として機能する。特開平10−68
816号公報に、特定波長においてλ/4となっている
ポリマーフィルムと、それと同一材料からなり同じ波長
においてλ/2となっているポリマーフィルムとを積層
させて、広い波長領域でλ/4が得られる光学補償フィ
ルムが開示されている。特開平10−90521号公報
にも、二枚のポリマーフィルムを積層することにより広
い波長領域でλ/4を達成できる光学補償フィルムが開
示されているが、二枚の光学補償フィルムを貼り合せた
のでは膜厚が厚くなり、さらにコストが高くなるという
課題がある。
【0006】一方、画像表示装置は、携帯性の点から、
使用部材の徹底した軽量化および薄手化が検討され、光
学補償フィルムについても薄手化が検討されている。光
学補償フィルムを薄手化するには使用ポリマーの比重を
下げることが有用であるが、構造がかさ高くなることか
ら、機械的強度や添加物のブリードアウト性など悪化の
懸念があった。一枚で、あるいは軽量で広い波長領域に
わたりλ/4を実現する光学補償フィルムが望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記諸問題に
鑑みなされたものであって、広い波長領域で位相差がλ
/4であり、視野角特性に優れ、且つ薄層化および軽量
化が可能なポリマーフィルムを提供することを課題とす
る。また、本発明は、広い波長領域で位相差がλ/4で
あるとともに、材料のブリードアウトを悪化させること
なく軽量化が可能なポリマーフィルムを提供することを
課題とする。さらに、本発明は、視野角特性に優れた、
軽量化が可能な円偏光板および画像表示装置を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(10)により達成された。 (1) 少なくとも一種のポリマーおよび少なくとも二
つの芳香族環を有する芳香族化合物を前記ポリマーに対
して0.01〜20質量%含有するポリマー組成物から
なり、前記少なくとも一種のポリマーの比重が1.00
〜1.23であり、且つ波長450nmで測定したレタ
ーデーション値(Re450)が60〜135nm、波
長590nmで測定したレターデーション値(Re59
0)が100〜170nm、(Re590−Re45
0)≧2nm、及び下記式(I)で定義されるNzファ
クターが1.2〜2.0である関係を満足するポリマー
フィルム。 (I) Nzファクター=(nx−nz)/(nx−ny) [式中、nxは、ポリマーフィルム面内の遅相軸方向の
屈折率であり;nyは、ポリマーフィルム面内の進相軸
方向の屈折率であり;nzはポリマーフィルムの厚み方
向の屈折率である。] (2) 少なくとも一種のポリマーおよび少なくとも二
つの芳香族環を有する芳香族化合物を前記ポリマーに対
して0.01〜20質量%含有するポリマー組成物から
なり、前記少なくとも一種のポリマーの比重が1.00
〜1.23であり、且つ波長450nmで測定したレタ
ーデーション値(Re450)が120〜270nmで
あり、波長590nmで測定したレターデーション値
(Re590)が200〜340nmであり、および
(Re590−Re450)≧4nmの関係を満足する
ポリマーフィルム。 (3) 前記ポリマーが、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリアクリル及び環状ポリオレフィン樹脂から
選択される少なくとも一種を含有する(1)または
(2)に記載のポリマーフィルム。 (4) 前記ポリマー組成物が、環状ポリオレフィン樹
脂とセルロースエステル樹脂(好ましくはアセチルセル
ロース)を含有する(1)に記載のポリマーフィルム。 (5) 前記芳香族化合物が下記一般式(I)で表され
る化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載のポリ
マーフィルム。 一般式(I) Ar1−L1−Ar2 式(I)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立
に芳香族基を表し、L 1はアルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、−O−、−CO−およびそれらの
組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表
す。
【0009】(6) (1)〜(5)のいずれかに記載
のポリマーフィルムと、偏光子とを備えた円偏光板であ
って、前記ポリマーフィルムの遅相軸と、前記偏光子の
偏光軸との角度が45°で積層されてなる円偏光板。 (7) 前記偏光子が、ポリビニルアルコール系フィル
ムからなる(6)に記載の円偏光板。 (8) (6)または(7)に記載の円偏光板とを備え
た画像表示装置。 (9) 偏光子と、液晶セルとを備え、前記液晶セルと
偏光子との間に(1)〜(5)のいずれかに記載のポリ
マーフィルムを備えた液晶表示素子。 (10) VA型液晶表示素子である(8)または
(9)に記載の液晶表示素子。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載
される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範
囲を示す。
【0011】[ポリマーフィルム]本発明のポリマーフ
ィルムは、少なくとも一種のポリマーと少なくとも二つ
の芳香族環を有する芳香族化合物とを含むポリマー組成
物からなる。以下、本発明のポリマーフィルムに使用可
能な種々の材料およびその製造方法についてまず説明す
る。
【0012】ポリマーフィルムは、少なくとも一種のポ
リマーを含有する。前記ポリマーとしては、ポリエステ
ル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリサルフォン樹
脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、及び変性ポリカーボネート樹脂等の多くの熱可塑性
樹脂が使用される。ポリエステル樹脂としては、ポリエ
チレンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレナフタレート
などが使用できる。ポリアリレート樹脂としては、核置
換ビフェニールエーテルとテレフタル酸から構成される
NAPフィルム(鐘淵化学製)や、混合フタル酸とビスフ
ェノールAからなるU−ポリマー(商品名エンブレー
ト:ユニチカ製)などがあげることができる。環状ポリ
オレフィン樹脂としては、特公平2−9619号公報に
記載のテトラシクロドデセン類の開環重合体またはテト
ラシクロドデセン類とノルボルネン類の開環共重合体を
水素添加反応させて得られた重合体を構成成分とするポ
リマーが好ましく用いられる。商品名としては「アート
ン」(JSR製)、「ゼオネックス」および「ゼオノ
ア」(日本ゼオン製)のシリーズのポリマーが好ましく
用いられる。
【0013】本発明に使用されるポリマーは、その比重
が1.00〜1.23であり、好ましくは1.10〜
1.17であり、より好ましくは1.10〜1.15で
ある。比重が前記範囲のポリマーを用いると、ポリマー
フィルムの光学特性を維持しつつ、および併用される芳
香族性化合物のブリードアウトを悪化させることなく、
軽量化することができる。
【0014】本発明には、ポリマーを二種類以上含有す
るポリマーフィルムの態様も含まれる。ポリマーの混合
は、最適の機械的特性、最適の光学特性にするなどの目
的のために行われる。ポリマーを二種以上使用する場合
は、各ポリマーの比重が前記範囲になることは要さず、
ポリマー混合物の比重が上記範囲となればよい。上記例
示したポリマーと混合可能なポリマーとしては、ポリエ
ステル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリサルフォン
樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロースエステル、
ポリカーボネート樹脂及び変性ポリカーボネートなど一
般に使用できるポリマーを用いることができる。また低
分子ポリマーを共重合成分として添加してもよいし、主
骨格中に光学特性を変更できる成分を含有させてもよ
い。後者には、特開平13−194530号公報のポリ
マー成分などが利用可能である。
【0015】本発明のポリマーフィルムは、レターデー
ション等の光学的特性を有するとともに、用途に応じて
以下の如くの種々の特性が要求される。本発明のポリマ
ーフィルムは高い透明性を有するのが好ましく、透過度
がASTM D1003の全光線透過率で89〜100
%であるのが好ましく、90から100%であるのがよ
り好ましい。耐熱性は、円偏光板などの加工時の要求か
ら高いものが好ましく、Tgで80〜200℃が好まし
く、90〜200℃がより好ましい。吸水率は、液晶表
示装置組み込み時の光学特性の性能変化の点からは、低
いことが好ましく、ASTM D570に準じた測定
(23℃24時間浸漬)で1.5%以下であるのが好ま
しく、1.0%以下であるのがより好ましい。
【0016】また、本発明のポリマーフィルムは、機械
的強度が高いことが好ましく、具体的には、ASTM
D2794でのデュポン衝撃強さ(23℃3mm板)が
2J以上であるのが好ましく、5J以上であるのがより
好ましい。さらに、強酸や強アルカリに対する耐薬品性
が高いことが好ましい。
【0017】上記特性の観点などから、本発明に用いら
れるポリマーとしては、環状ポリオレフィン樹脂、ポリ
サルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、及び変性ポリカーボネート樹脂が好ま
しく、環状ポリオレフィン樹脂、ポリサルフォン樹脂、
及びポリカーボネート樹脂がより好ましい。また、環状
ポリオレフィン樹脂とセルロースエステル樹脂との混合
物も好ましい。
【0018】本発明のポリマーフィルムは、少なくとも
二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含有する。前記
芳香族化合物は、ポリマーフィルムの各波長におけるレ
ターデーション値を調整するレターデーション制御剤と
して機能する。レターデーション制御剤は、ポリマー1
00質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使
用することが好ましく、0.05〜25質量部の範囲で
使用することがより好ましく、0.1〜20質量部の範
囲で使用することがさらに好ましい。本発明では、二種
類以上のレターデーション制御剤を併用してもよい。
【0019】本発明において用いるレターデーション制
御剤は、210〜360nmの波長領域に最大吸収波長
を有することが好ましい。また、レターデーション制御
剤は、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好
ましい。
【0020】本発明においてレターデーション制御剤と
して用いられる芳香族化合物は、少なくとも二つの芳香
族環を有する。本明細書において、「芳香族環」には、
芳香族炭化水素環に加えて芳香族性ヘテロ環を含む意味
で用いる。芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベ
ンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテロ
環は一般に、不飽和ヘテロ環であり、5員環、6員環ま
たは7員環であることが好ましく、5員環または6員環
であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般
に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒
素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子
が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン
環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソ
オキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イ
ミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾー
ル環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジ
ン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含
まれる。
【0021】芳香族環の具体例として、ベンゼン環、フ
ラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、
チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−
トリアジン環が好ましい。これらの芳香族環の数は、2
〜20であることが好ましく、2〜12であることがよ
り好ましく、2〜6であることが最も好ましい。このよ
うなレターデーション制御剤として、下記(イ)板状化
合物、(ロ)棒状化合物のいずれを用いてもよい。これ
らは単独で用いても、混合して用いてもよい。
【0022】(イ)板状化合物 この化合物は二以上の芳香族環を含むが、これらの二つ
の芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する結合
関係、(b)単結合で直結した結合関係および(c)連
結基を介して結合した結合関係に分類できる(芳香族環
のため、スピロ結合は形成できない)が、結合関係は
(a)〜(c)のいずれでもよい。
【0023】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。
【0024】(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素
原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で
二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪
族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。(c)
の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合すること
が好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−
S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。
組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以
下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
【0025】c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−C
O−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O
−CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0026】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シ
アノ基、アミノ基、ニトロ基、スルホ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、ウレイド基、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシ
ルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アル
キルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンア
ミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル
基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド
基および非芳香族性複素環基が含まれる。
【0027】アルキル基の炭素原子数は、1〜8である
ことが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基
の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。ア
ルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ基、カルボ
キシ基、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有し
ていてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)
例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、
2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メ
トキシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2〜8であることが
好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の
方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。ア
ルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アル
ケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセニ
ルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2〜8で
あることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状ア
ルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に
好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していて
もよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニ
ルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0028】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1〜10
であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセ
チル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂肪
族アシルオキシ基の炭素原子数は、1〜10であること
が好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキ
シが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜8で
あることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基
(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ
基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エ
トキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含まれる。
アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2〜10であ
ることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、
メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれ
る。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2
〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニルア
ミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエト
キシカルボニルアミノが含まれる。
【0029】アルキルチオ基の炭素原子数は、1〜12
であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチ
ルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。ア
ルキルスルホニル基の炭素原子数は、1〜8であること
が好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンス
ルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪族ア
ミド基の炭素原子数は、1〜10であることが好まし
い。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれ
る。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1〜8で
あることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例に
は、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドおよ
びn−オクタンスルホンアミドが含まれる。
【0030】脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1〜
10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例に
は、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび2−カルボ
キシエチルアミノが含まれる。脂肪族置換カルバモイル
基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。脂
肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル
およびジエチルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換ス
ルファモイル基の炭素原子数は、1〜8であることが好
ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチル
スルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含まれ
る。脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2〜10で
あることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、
メチルウレイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例に
は、ピペリジノおよびモルホリノが含まれる。
【0031】レターデーション制御剤の分子量は、30
0〜800であることが好ましい。このような板状のレ
ターデーション制御剤の具体例は国際特許出願公開WO
00/65384号、WO01/88574A1等に記
載されていて、本発明にも用いることができる。
【0032】(ロ)棒状化合物 本発明では、250nmよりも短波長側に吸収極大を有
する棒状化合物をレターデーション制御剤として用いる
ことも好ましい。レターデーション制御剤の機能の観点
では、棒状化合物は少なくとも一つの芳香族環を有する
ことが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有するこ
とがさらに好ましい。
【0033】棒状化合物は、直線的な分子構造を有する
ことが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最
も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的で
あることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結
晶構造解析または分子軌道計算によって求めることがで
きる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOP
AC 2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計
算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子
の構造を求めることができる。分子構造が直線的である
とは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も
安定な構造において、分子構造の角度が140度以上で
あることを意味する。
【0034】棒状化合物としては、下記一般式(I)で
表される化合物が好ましい。 一般式(I) Ar1−L1−Ar2 式(I)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立
に、芳香族基である。本明細書において、芳香族基は、
アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、
芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基を含
む。アリール基および置換アリール基の方が、芳香族性
ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好まし
い。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和
である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7
員環であることが好ましく、5員環または6員環である
ことがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多
の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、
酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫
黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例には、
フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール
環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾー
ル環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、ト
リアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、
ピリミジン環、ピラジン環、および1,3,5−トリア
ジン環が含まれる。芳香族基の芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環が好
ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0035】置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ
環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、B
r、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ
基、アミノ基、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、
エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニト
ロ基、スルホ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイ
ル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバ
モイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモ
イル基、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルス
ルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジ
メチルスルファモイル)、ウレイド基、アルキルウレイ
ド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレ
イド、N,N,N’−トリメチルウレイド)、アルキル
基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、
t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アル
ケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキ
ニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホ
ルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリ
ル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキ
シ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキ
シ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキ
シ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキ
シカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボ
ニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシ
カルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブ
トキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルア
ミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチ
ルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニ
ルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルス
ルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、
オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、
ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)お
よび非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニ
ル)が含まれる。
【0036】置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ
環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、カル
ボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル置換
アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アル
コキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基お
よびアルキル基が好ましい。アルキルアミノ基、アルコ
キシカルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基
のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有し
ていてもよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基
の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、シアノ基、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ
基、スルホ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル
基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、ウ
レイド基、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル
基、アミド基および非芳香族性複素環基が含まれる。ア
ルキル部分およびアルキル基の置換基としては、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アル
コキシカルボニル基およびアルコキシ基が好ましい。
【0037】前記一般式(I)において、L1はアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−
CO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれ
る二価の連結基を表す。L1で表されるアルキレン基
は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基と
しては、シクロヘキシレン基が好ましく、1,4−シク
ロへキシレン基が特に好ましい。鎖状アルキレン基とし
ては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレ
ン基よりも好ましい。前記アルキレン基の炭素原子数
は、1〜20であることが好ましく、1〜15であるこ
とがより好ましく、1〜10であることがさらに好まし
く、1〜8であることがさらにまた好ましく、1〜6で
あることが最も好ましい。
【0038】L1で表されるアルケニレン基およびアル
キニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが
好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有
することがさらに好ましい。前記アルケニレン基および
アルキニレン基の炭素原子数は、2〜10であることが
好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6で
あることがさらに好ましく、2〜4であることがさらに
また好ましく、2(ビニレンまたはエチニレン)である
ことが最も好ましい。
【0039】組み合わせからなる二価の連結基の例を示
す。 L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O− L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO− L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O− L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO− L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O− L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
【0040】式(I)の分子構造において、L1を挟ん
で、Ar1とAr2とが形成する角度は、140度以上で
あることが好ましい。棒状化合物としては、下記一般式
(II)で表される化合物がさらに好ましい。 一般式(II) Ar1−L2−X−L3−Ar2 前記一般式(II)において、Ar1およびAr2は、それ
ぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例
は、式(I)のAr1およびAr2と同様である。
【0041】前記一般式(II)において、L2およびL3
はそれぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−お
よびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の
連結基を表す。アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構
造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造より
も直鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルキレ
ン基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、
1〜8であることがより好ましく、1〜6であることが
さらに好ましく、1〜4であることがさらにまた好まし
く、1または2(メチレンまたはエチレン)であること
が最も好ましい。L2およびL3は、−O−CO−または
−CO−O−であることが特に好ましい。
【0042】前記一般式(II)において、Xは1,4−
シクロへキシレン、ビニレンまたはエチニレンを表す。
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の具体例を
示す。
【0043】
【化1】
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】具体例(1)〜(34)、(41)、(4
2)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉
炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜
(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子
構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何
異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例
(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−
cis)とを、以下に示す。
【0053】
【化10】
【0054】前述したように、棒状化合物は直線的な分
子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型
の方がシス型よりも好ましい。具体例(2)および
(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の
異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトラ
ンス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体につい
ては、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいず
れでもよい。具体例(43)〜(45)では、中心のビ
ニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様
の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
【0055】本発明において、レターデーション制御剤
として、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収
波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化
合物を、二種類以上併用してもよい。棒状化合物は、文
献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、M
ol. Cryst. Liq. Cryst., 5
3巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ペ
ージ(1982年)、同145巻、111ページ(19
87年)、同170巻、43ページ(1989年)、
J. Am. Chem. Soc., 113巻、1
349ページ(1991年)、同118巻、5346ペ
ージ(1996年)、同92巻、1582ページ(19
70年)、J.Org. Chem., 40巻、42
0ページ(1975年)、Tetrahedron、4
8巻16号、3437ページ(1992年)を挙げるこ
とができる。
【0056】(具体例のスペクトル測定)前記のレター
デーション制御剤(10−trans)の紫外・可視領
域(UV−vis)スペクトルを測定した。レターデー
ション制御剤(10−trans)を、テトラヒドロフ
ラン(安定剤(BHT)なし)に溶解し、濃度が10-5
mol/dm3になるように調製した。このように調製
した溶液を、測定機(日立製作所(株)製)で測定した
ところ、吸収極大を与える波長(λmax )は220
nmであり、そのときの吸光係数(ε)は15000で
あった。同様に、レターデーション制御剤(29−tr
ans)では、吸収極大を与える波長(λmax)は2
40nmであり、そのときの吸光係数(ε)は2000
0であった。同様に、レターデーション制御剤(41−
trans)では、吸収極大を与える波長(λmax)
は230nmであり、そのときの吸光係数(ε)は16
000であった。
【0057】本発明のポリマーフィルムには、前記ポリ
マーおよび前記レターデーション制御剤とともに、種々
の添加剤を含有させてもよい。例えば、機械的物性を改
良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤
を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エス
テルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エ
ステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)
およびビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、
トリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カル
ボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエ
ン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例に
は、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレー
ト(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオク
チルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(D
PP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)
が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチル
クエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチル
クエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他
のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リ
シノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々
のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステ
ル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DP
P、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびD
PPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、ポリマーの量
の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20
質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%で
あることが最も好ましい。
【0058】また、本発明のポリマーフィルムには、劣
化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル
禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加し
てもよい。劣化防止剤については、特開平3−1992
01号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載があり、本発明に用いることもできる。劣化
防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01
〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質
量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質
量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認めら
れない。添加量が1質量%を越えると、フィルム表面へ
の劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められ
る場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、
ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジル
アミン(TBA)を挙げることができる。
【0059】また、ポリマーフィルム中には、その他、
紫外線吸収剤、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ
土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、アルミナなどの無機微粒子、カルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電
防止剤、難燃剤、滑剤、油剤などを含有させることがで
きる。
【0060】さらに、剥離時の荷重を小さくするために
剥離促進剤を添加してもよい。それらは、界面活性剤が
有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン酸系、
ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。これら
は、例えば特開昭61−243837号などに記載され
ている。
【0061】本発明のポリマーフィルムは、ソルベント
キャスト法や、溶融押し出し法によって作製することが
できる。まず、ソルベントキャスト法では、ポリマー材
料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィル
ムを製造する。用いる有機溶媒は、炭素原子数が3〜1
2のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原
子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6の
ハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ま
しい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を
有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの
官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO
−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒と
して用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水
酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以
上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数
は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であ
ればよい。
【0062】炭素原子数が3〜12のエーテル類の例に
は、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメ
トキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソ
ラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネト
ールが含まれる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例
には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチ
ルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3〜12
のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホ
ルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エ
チルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
【0063】二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例
には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエ
タノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
【0064】ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1ま
たは2であることが好ましく、1であることが最も好ま
しい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であるこ
とが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロ
ゲンに置換されている割合は、25〜75モル%である
ことが好ましく、30〜70モル%であることがより好
ましく、35〜65モル%であることがさらに好まし
く、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチ
レンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0065】溶液の調製温度については特に制限はな
く、一般的な調製方法で調製することができる。ここ
で、一般的な調製方法とは、0℃以上の温度(例えば、
常温または高温)で調製することを意味する。溶液は、
常温(0〜40℃)でポリマーと有機溶媒とを攪拌する
ことにより調製することができる。高濃度の溶液は、加
圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、ポ
リマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下
で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない
範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常
は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であ
り、さらに好ましくは80〜110℃である。ポリマー
溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるド
ープの調製方法および装置を用いて実施することができ
る。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロ
ゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いること
が好ましい。
【0066】前記ポリマー、レターデーション制御剤お
よび所望により添加される種々の添加剤は、予め粗混合
してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入し
てもよい。溶液中のポリマーの濃度は、10〜40質量
%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。有
機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加
しておいてもよい。
【0067】調製に用いられる容器は、注入された溶液
を攪拌可能に構成されているのが好ましい。例えば、容
器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが
好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのもの
が好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新
するため、掻取翼を設けることが好ましい。調製に用い
られる容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置して
もよい。窒素ガス等の不活性気体の注入手段を備えた容
器を利用して、加圧下で調製することができる。また、
加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用して加圧すること
もできる。あるいは、容器を密閉後、前記ポリマー等の
各成分を圧力下で添加してもよい。加熱する場合、容器
の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケッ
トタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器
の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環
させることにより容器全体を加熱することもできる。
【0068】容器内で各成分を溶剤中に溶解し、ポリマ
ー溶液(ドープ)を調製する。調製したドープは冷却後
容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換
器等を用いて冷却する。
【0069】調製したドープから、ソルベントキャスト
法によりポリマーフィルムを製造する。ドープをドラム
またはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを
形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%
となるように濃度を調整することが好ましく、固形分量
が18〜35質量%となるように濃度を調整することが
好ましい。用いるドラムまたはバンドの表面は、鏡面状
態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト
法における流延および乾燥方法については、米国特許2
336310号、同2367603号、同249207
8号、同2492977号、同2492978号、同2
607704号、同2739069号、同273907
0号、英国特許640731号、同736892号の各
明細書、特公昭45−4554号、同49−614号、
特開昭60−176834号、同60−203430
号、同62−115035号の各公報に記載がある。
【0070】ドープは、表面温度が10℃以下のドラム
またはバンド上に流延することが好ましい。流延してか
ら2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られ
たフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに
100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥し
て残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、
特公平5−17844号公報に記載がある。この方法に
よると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが
可能である。この方法を実施するためには、流延時のド
ラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化す
ることが必要である。
【0071】2層以上のポリマーフィルムも、ソルベン
トキャスト法により作製することができる。複数のポリ
マー溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔を置
いて設けた複数の流延口からポリマーを含む溶液をそれ
ぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよ
く、例えば特開昭61−158414号、特開平1−1
22419号、特開平11−198285号の各公報な
どに記載の方法が適応できる。また、2つの流延口から
ポリマー溶液を流延することによってフィルム化しても
よく、例えば特公昭60−27562号、特開昭61−
94724号、特開昭61−947245号、特開昭6
1−104813号、特開昭61−158413号、特
開平6−134933号の各公報に記載の方法で実施で
きる。もしくは、2個の流延口を用いて、第一の流延口
により支持体に成型したフィルムを剥ぎ取り、支持体面
に接していた側に第二の流延を行なうことにより、フィ
ルムを作製することでもよく、例えば特公昭44−20
235号に記載されている方法である。流延するポリマ
ー溶液は同一の溶液でもよいし、異なるポリマー溶液で
もよく特に限定されない。複数のポリマー層に機能を持
たせるためにその機能に応じたポリマー溶液を、それぞ
れの流延口から押出せばよい。さらにこのポリマー溶液
は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止
層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)
を同時に流延することも実施しうる。
【0072】単層構成のポリマーフィルムを作製する場
合は、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘
度のポリマー溶液を押し出すことが必要であり、その場
合、ポリマー溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブ
ツ故障となったり、平面性が不良であったりして問題と
なることが多い。この解決として、複数のポリマー溶液
を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時
に支持体上に押出すことができ、平面性も良化し優れた
面状のフィルムが作製できるばかりでなく、濃厚なポリ
マー溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、
フィルムの生産スピードを高めることができる。
【0073】上記方法により作製したポリマーフィルム
は、レターデーション制御剤を含有しているので、その
作用により後述する所望の光学的特性を示す場合は、そ
のまま光学補償フィルム等として用いることができる。
ポリマー溶液(ドープ)を冷却溶解法により調製する
と、より光学異方性を発現し易い。また、上記方法によ
りフィルムを形成した後、延伸して、レターデーション
を所望の範囲に調整することもできる。以下、延伸方法
について説明する。延伸は残留溶剤の残っている状態で
実施してもよいし、含水率を制御した状態で延伸を行っ
てもよい。延伸時におけるフィルムの含水率を制御する
場合は、延伸前に該フィルムを水中に浸漬してもよい
し、または恒温高湿にて調湿してもよい。またこれら2
つを併用してもよい。水槽へ浸漬する場合、水の温度は
50℃〜100℃が好ましく、60℃〜95℃が更に好
ましく、70℃〜90℃が特に好ましい。浸漬時間は5
秒〜10分以内が好ましく、10秒〜8分が更に好まし
く、20秒〜6分が特に好ましい。恒温高湿で調湿する
場合、温度は50℃〜150℃が好ましく、60℃〜1
40℃が更に好ましく、70℃〜120℃が特に好まし
い。相対湿度は60%RH〜100%RHが好ましい。
【0074】これらの浸漬、水蒸気曝気に用いる水は実
質的に水であればよい。実質的に水とは60質量%以上
が水からなるものをいい、水以外に下述の有機溶剤、可
塑剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。好ましい有機
溶剤として炭素数が1〜10の水溶性有機溶剤が挙げら
れる。但し、より好ましくは90質量%以上が水であ
り、更に好ましくは95%質量%以上が水であり、最も
好ましいのは、純水を用いたものである。以下に記述で
用いられる水についても実質的に水であればよい。
【0075】延伸時の雰囲気は空気中、水蒸気中、水中
のいずれであってもよい。延伸時の雰囲気が空気中と
は、温度を制御し湿度は制御していない雰囲気中での延
伸を示している。延伸時温度は50℃〜150℃である
ことが好ましく、60℃〜130℃であることがさらに
好ましく、65℃〜110℃であることが特に好まし
い。延伸時の雰囲気が水蒸気中とは、恒温高湿であるこ
と、または水蒸気をフィルムにあてることを示してい
る。延伸時温度は50℃〜150℃が好ましく、60℃
〜140℃が更に好ましく、70℃〜130℃が特に好
ましい。相対湿度は60%RH〜100%RHが好まし
い。このようにすることで、ポリマー中の含水率を2.
0質量%〜20.0質量%に保持することができる。含
水率が2.0質量%未満であると延伸時において破断伸
度が小さく、切れ易くなり、波長550nmで測定した
時のレターデーションRe550はλ/4に到達しな
い。
【0076】延伸時の雰囲気が水中とは、フィルムを水
槽へ浸漬させながら延伸することを指している。水の温
度は50℃〜100℃が好ましく、60℃〜98℃が更
に好ましく、65℃〜95℃が特に好ましい。浸漬時間
は0.5秒〜10分が好ましく、1秒〜8分が更に好ま
しく、1秒〜7分が特に好ましい。
【0077】延伸時にフィルムを固定する固定部材間の
距離をLとし、その固定部材間と垂直な方向をWとし、
延伸時のフィルム形状のアスペクト比をL/Wとする
と、アスペクト比は0.05〜4が好ましく、0.1〜
3が更に好ましく、0.1〜2が特に好ましい。
【0078】延伸直後の含水率を2.0質量%〜20.
0質量%に保つことは、フィルムが均一に延伸なされる
ためには必須である。延伸直前のゾーンでフィルムの含
水率を2.0質量%〜20.0質量%に制御しているた
め、含水率が2.0質量%以下だと破断伸度は小さくな
り、所望の厚みで正面レターデーションをλ/4領域ま
で出すことができない。ここで、延伸直後の含水率と
は、延伸工程を終えた直後のフィルムの含水率を指して
いる。また、延伸工程を経た後、巻き取り部位に至るま
でにフィルムに付着している水分を除去してもよい。エ
アナイフ方式、ブレード方式など公知の方法を用いるこ
とができる。
【0079】延伸は、縦、横いずれの方向に行ってもよ
く、これらを組み合わせてもよい。縦とはフィルム製造
時の流延方向を、横とはその流延方向に対して垂直の方
向を指している。なかでも好ましいのが縦あるいは横の
1軸延伸であり、さらに好ましいのが縦の1軸延伸であ
る。延伸方法はゾーン法、ロール法、テンター法、など
公知の方法で行なうことができる。クリップ間延伸法で
行なってもよい。クリップ間延伸法とは、長方形のフィ
ルムの両端をクリップのような固定部材で滑らないよう
に固定し、フィルムを延伸する方法である。また、ロー
ル法延伸も好ましい。ロール延伸は1段でも多段でもよ
い。パラレル配置でもよいしクロス配置でもよい。ロー
ルは特に制限はないが、ジャケットロール、エキスパン
ダロールが好ましく用いられる。
【0080】好ましい延伸倍率は1.1倍〜3.0倍、
より好ましくは1.15倍〜2.8倍、さらに好ましく
は1.2倍〜2.6倍である。延伸は1段で行ってもよ
く、多段で行ってもよい。多段で行なう場合は各延伸倍
率の積がこの範囲にはいるようにすればよい。延伸速度
は10%/分〜1000%/分、より好ましくは20%
/分〜800%/分、さらに好ましくは30%/分〜7
00%/分である。延伸している時間は1〜30秒、よ
り好ましくは2〜25秒、さらに好ましくは3〜20秒
である。
【0081】本発明のフィルムの延伸前の厚みは40μ
m〜300μmが好ましく、より好ましくは45μm〜
280μm、さらに好ましくは50μm〜250μmで
ある。延伸前の好ましいフィルム幅は5cm〜3mであ
り、より好ましくは8cm〜2.5m、さらに好ましく
は10cm〜2mである。
【0082】本発明のポリマーフィルムは、1層で以下
に示す光学的特性を発現することができる。但し、本発
明のポリマーフイルムを2層以上の構成とするのを妨げ
るものではない。ポリマーフィルムのレターデーション
値(Re)は、下記式に従って算出する。レターデーシ
ョン値(Re)=(nx−ny)×d式中、nxは、光
学補償フィルムの面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最
大屈折率)であり;nyは、光学補償フィルムの面内の
遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、dは、光
学補償フィルムの厚さ(nm)である。本発明のポリマ
ーフィルムは、波長550nmで測定したレターデーシ
ョンRe550が20nm〜2000nmであり、40
nm〜500nmが好ましく、80nm〜300nmが
より好ましい。
【0083】特に、本発明のポリマーフィルムをλ/4
板として使用する場合は、波長450nmで測定したレ
ターデーション値(Re450)が60〜135nmで
あるのが好ましく、かつ波長590nmで測定したレタ
ーデーション値(Re590)が100〜170nmで
あり、且つRe590−Re450≧2nmの関係を満
足するのが好ましい。Re590−Re450≧5nm
であることがさらに好ましく、Re590−Re450
≧10nmであることが最も好ましい。
【0084】また、本発明のポリマーフィルムをλ/2
板として使用する場合は、波長450nmで測定したレ
ターデーション値(Re450)が120〜270nm
であり、かつ波長590nmで測定したレターデーショ
ン値(Re590)が200〜340nmであり、そし
て、Re590−Re450≧4nmの関係を満足する
のが好ましい。Re590−Re450≧10nmであ
ることがさらに好ましく、Re590−Re450≧2
0nmであることが最も好ましい。
【0085】本発明のポリマーフィルムのNzファクタ
ーは、下記式(I)で定義される。 (I) Nzファクター=(nx−nz)/(nx−ny) 式中、nxはポリマーフィルム面内の遅相軸方向の屈折
率であり;nyはポリマーフィルム面内の進相軸方向の
屈折率であり;nzはポリマーフィルムの厚み方向の屈
折率である。本発明のポリマーフィルムは、Nzファク
ターが1.2〜2.0であり、好ましくは1.1〜2.
8、より好ましくは1.2〜2.7、特に好ましくは
1.5〜2.5である。
【0086】本発明のポリマーフィルムを光学補償フィ
ルムとして用いる場合、下記の式にしたがって算出され
るヘイズ値は、2.0%以下が好ましく、1.0%以下
がさらに好ましく、0.6%以下が最も好ましい。 ヘイズ(HZ)=拡散(D)/全透過率(T)×100 (%)
【0087】本発明のポリマーフィルムには、ハンドリ
ング性向上のために、片面または両面にマット剤とポリ
マーとを含有するマット層を設けてもよい。マット剤お
よびポリマーについては特開平10−44327号公報
に記載されている素材を好適に用いることができる。ま
た、マット剤はドープに混合して用いてもよい。また、
用途に応じて、ポリマーフィルム上には、特開2001
−166144号公報中に記載の光学異方層(ディスコ
ティック液晶、棒状化合物)を設けてもよい。
【0088】本発明のポリマーフィルムには、他の層と
の接着性を改善すること等を目的として、表面処理を施
してもよい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グ
ロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または
紫外線照射処理を実施する。フィルムの平面性を保持す
る観点から、これら処理温度は、ポリマーフィルムに使
用しているポリマーのTg以下とすることが好ましい。
【0089】本発明のポリマーフィルムを偏光板の透明
保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点か
ら、酸処理またはアルカリ処理を実施することが特に好
ましく、さらに好ましくはアルカリ処理である。アルカ
リ処理では、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した
後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行
われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化
カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸
化イオンの規定濃度は0.1N〜3.0Nであることが
好ましく、0.5N〜2.0Nであることがさらに好ま
しい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲が好ま
しく、40℃〜70℃がさらに好ましい。これらのアル
カリ溶液は水溶液でもよく、有機溶剤でもよい。有機溶
剤の場合、低級アルコールが好ましく、より好ましくは
炭素数が1から5のアルコールあるいはグリコールであ
り、さらに好ましくはエタノール、n−プロパノール、
iso−プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールである。特に好ましくはis
o−プロパノール、プロピレングリコールである。これ
らは混合して使用してもよい。さらに、水や界面活性剤
を添加してもよい。
【0090】アルカリ処理に用いる処理液の好ましい例
として、下記溶液にアルカリを溶解したものを挙げるこ
とができる。 iso−プロパノール/プロピレングリコール/水(7
0/15/15:体積比) iso−プロパノール/水(85/15:体積比) iso−プロパノール/プロピレングリコール(85/
15:体積比) iso−プロパノール これらのアルカリ溶液に浸漬してもよく、塗布(バー塗
布、カーテン塗布等)してもよい。
【0091】本発明では、ポリマーフィルムとその上に
設けられる層(接着層、配向膜、あるいは光学異方性
層)との接着を改善するために、特開平7−33343
3号公報に記載のような接着層(下塗り層)を設けても
よい。接着層の厚みは0.1〜2μであることが好まし
く、0.2μ〜1μであることがさらに好ましい。
【0092】本発明のポリマーフィルムは、光学補償フ
ィルムとして、種々の偏光板、および種々の画像表示装
置(反射型または半透過型液晶表示装置、有機エレクト
ロルミネッセンス(EL)素子を用いた表示装置)の部
材として用いることができる。以下、本発明のポリマー
フィルムを円偏光板および画像表示装置に適用した実施
の形態について説明する。
【0093】[円偏光板]本発明の円偏光板は、本発明
のポリマーフィルムと偏光膜とを備えた円偏光板であっ
て、前記ポリマーフィルムの遅相軸と、前記偏光膜の偏
光軸との角度が45°で積層されてなる。本発明の円偏
光板において、前記ポリマーフィルムはλ/4板として
の光学的特性を有し、光学補償性フィルムとして機能す
るとともに、偏光膜の保護膜としても機能する。前記ポ
リマーフィルムは、偏光膜の両側に積層してもよいし、
片側にのみに積層してもよい。本発明のポリマーフィル
ムを偏光膜の片側のみに積層する場合は、他方の側に積
層する保護膜は、通常の透明フィルムを用いることがで
きる。
【0094】偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料
を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ
素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルア
ルコール系フィルムを用いて製造する。
【0095】このような偏光膜として用いるポリマーフ
ィルムは、その一方端の実質的な保持開始点から実質的
な保持解除点までの保持手段の軌跡L1及びポリマーフ
ィルムのもう一端の実質的な保持開始点から実質的な保
持解除点までの保持手段の軌跡L2と、二つの実質的な
保持解除点の距離Wが、下記式(1)を満たし、かつポ
リマーフィルムの支持性を保ち、揮発分率が5%以上の
状態を存在させて延伸したのち、収縮させながら揮発分
率を低下させることで製造することができる。 式(1) |L2−L1|>0.4W
【0096】図1に斜め延伸により45°に配向が傾斜
した偏光膜を作製する装置の概略平面図を示す。(a)
が原反フィルムを矢印(イ)方向に導入する工程、
(b)が幅方向延伸工程、(c)が延伸フィルムを次工
程に(ハ)方向に送る工程である。フィルムは(イ)の
方向から連続的に導入され、上流側から見て左側の保持
手段にB1点で初めて保持される。この時点ではいま一
方のフィルム端は保持されておらず、幅方向に張力は発
生しない。つまり、B1点は実質保持開始点にはあたら
ない。実質保持開始点はフィルム両端が初めて保持され
る点で定義し、これはより下流側の保持開始点A1と、
A1から導入側フィルムの中心線21に略垂直に引いた
直線が、反対側の保持手段の軌跡23と交わる点C1の
2点で示される。この点を起点とし、両端の保持手段を
実質的に等速度で搬送すると、単位時間ごとにA1はA
2,A3…Anと移動し、C1は同様にC2,C3…C
nに移動する。つまり同時点に基準となる保持手段が通
過する点AnとCnを結ぶ直線が、その時点での延伸方
向となる。図2のようにAnはCnに対し次第に遅れて
ゆくため、延伸方向は、搬送方向垂直から徐々に傾斜し
ていく。実質保持解除点は、より上流で保持手段から離
脱するCx点と、Cxから次工程へ送られるフィルムの
中心線22に略垂直に引いた直線が、反対側の保持手段
の軌跡14または24と交わる点Ayの2点で定義され
る。最終的な延伸方向の角度は、実質的な延伸工程の終
点での左右保持手段の行程差Ay−Ax(すなわち|L
1−L2|)と、実質出口幅Ay−Cx(すなわちW)
の比率で決まる。ここで、延伸方向が次工程への搬送方
向に対しなす傾斜角θは tanθ=(Ay−Cx)/( Ay−Ax) すなわち tanθ=|L1−L2| /W で表される。図の上側のフィルム端は、Ay点の後も2
8まで保持されるが、もう一端が保持されていないため
新たな幅方向延伸は発生せず、28は実質保持解除点で
はない。
【0097】以上のように、実質保持開始点とは左右各
々の保持手段への単純な噛み込み点ではなく、より下流
側の噛み込み点を一点とし、いま一点は左右の実質保持
開始点を結ぶ直線が、保持工程に導入されるフィルムの
中心線と略直交するものとして定義されるものである。
同様に実質保持解除点とは、より上流側の離脱点を一点
とし、いま一点は左右の実質保持解除点を結ぶ直線が、
次工程に送り出されるフィルムの中心線と略直交するも
のとして定義されるものである。略直交とは、フィルム
の中心線と左右の実質保持開始点、あるいは実質保持解
除点を結ぶ直線が、90±0.5゜であることを表す。
【0098】テンター方式の延伸機を用いて左右の行程
差を付けようとする場合、レール長などの機械的制約に
より、しばしば導入側からみて左右保持手段に初めて保
持される位置、あるいは次工程側から見て左右保持手段
から離脱する位置に前後差が生ずるが、上で定義する実
質保持開始点〜実質保持解除点間の行程が上記式(1)
の関係を満たしていれば、任意の前後差を付けることが
できる。
【0099】上記において、得られる延伸フィルムにお
ける配向軸の傾斜角度は、(c)工程の出口幅Wと、実
質的左右保持手段の行程差|L1−L2|の比率で制
御、調整することができる。偏光板、位相差膜ではしば
しば長手方向に対し45゜配向したフィルムが求められ
るが、45゜に近い配向角を得るためには、0.9W<
|L1−L2|<1.1Wで有ることが望ましく、0.
97W<|L1−L2|<1.03Wであることがさら
に好ましい。
【0100】[画像表示装置]本発明のポリマーフィル
ムからなる光学補償フィルム、および本発明の円偏光板
は、画像表示装置、特に液晶表示装置に有利に用いられ
る。液晶表示装置としては、透過型、反射型、半透過型
のいずれで用いても構わないが、特に反射型、半透過型
が好ましい。
【0101】図2は、本発明の反射型液晶表示装置の基
本的な構成を示す模式図である。図2に示す反射型液晶
表示装置は、下から順に、下基板(1)、反射電極
(2)、下配向膜(3)、液晶層(4)、上配向膜
(5)、透明電極(6)、上基板(7)、本発明のポリ
マーフィルムであるλ/4板(8)、そして偏光膜
(9)からなる。下基板(1)と反射電極(2)が反射
板を構成する。下配向膜(3)〜上配向膜(5)が液晶
セルを構成する。λ/4板(8)は、反射板と偏光膜
(9)との間の任意の位置に配置することができる。カ
ラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を設け
る。カラーフィルター層は、反射電極(2)と下配向膜
(3)との間、または上配向膜(5)と透明電極(6)
との間に設けることが好ましい。
【0102】図2に示す反射電極(2)の代わりに透明
電極を用いて、別に反射板を取り付けてもよい。透明電
極と組み合わせて用いる反射板としては、金属板が好ま
しい。反射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが
反射されて視野角が狭くなる場合がある。そのため、反
射板の表面に凹凸構造(特許275620号公報記載)
を導入することが好ましい。反射板の表面が平坦である
場合は(表面に凹凸構造を導入する代わりに)、偏光膜
の片側(セル側あるいは外側)に光拡散フイルムを取り
付けてもよい。
【0103】液晶セルは特に限定されない。用いられる
液晶表示モードは何を用いても構わないが、好ましくは
TN(twisted nematic )型、STN
(Supper Twisted Nematic)型
またはHAN(HybridAligned Nema
tic)型、VA(Vertically Allig
nment)型、ECB型(Electricaly
Controlled Birefrigence)
、OCB(Optically Compensat
ory Bend)型であることが好ましい。
【0104】TN型液晶セルのツイスト角は、40〜1
00゜であることが好ましく、50〜90゜であること
がさらに好ましく、60〜80゜であることが最も好ま
しい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み
(d)との積(Δnd)の値は、0.1〜0.5μmで
あることが好ましく、0.2〜0.4μmであることが
さらに好ましい。STN型液晶セルのツイスト角は、1
80〜360゜であることが好ましく、220〜270
゜であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性
(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値
は、0.3〜1.2μmであることが好ましく、0.5
〜1.0μmであることがさらに好ましい。
【0105】HAN型液晶セルは、片方の基板上では液
晶が実質的に垂直に配向しており、他方の基板上のプレ
チルト角が0〜45゜であることが好ましい。液晶層の
屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δ
nd)の値は、0.1〜1.0μmであることが好まし
く、0.3〜0.8μmであることがさらに好ましい。
液晶を垂直配向させる側の基板は、反射板側の基板であ
ってもよいし、透明電極側の基板であってもよい。
【0106】VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時
に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VA
モードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無
印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的
に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開
平2−176625および特公平7−69536号公報
記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモード
をマルチドメイン化した液晶セルが含まれる。具体的に
は、MVA(SID97、Digest oftec
h. Papers(予稿集)28(1997)84
5、SID99、Digest of tech. P
apers(予稿集)30(1999)206及び特開
平11−258605号公報記載)、SURVAIVA
L(月刊ディスプレイ、第6巻、第3号(1999)1
4記載)、PVA(Asia Display98、P
roc.of the 18th Inter. Di
splay res. Conf.(予稿集)(199
8)383記載)、Para−A(LCD/PDP I
nternational’99で発表)、DDVA
(SID98、Digest of tech. Pa
pers(予稿集)29(1998)838記載)、E
OC(SID98、Digest of tech.
Papers(予稿集)29(1998)319記
載)、PSHA(SID98、Digest of t
ech. Papers(予稿集)29(1998)1
081記載)、RFFMH(Asia Display
98、Proc.of the 18th Inte
r. Display res. Conf.(予稿
集)(1998)375記載)、HMD(SID98、
Digestof tech. Papers(予稿
集)29(1998)702記載)が含まれる。その他
に(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直
配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させ
るモード(n−ASMモード)の液晶セル(IWD’9
8、Proc.of the 5th Inter.D
isplay Workshop.(予稿集)(199
8)143記載))も含まれる。
【0107】OCBモードでは棒状液晶性分子を液晶セ
ルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配
向させる配向モードの液晶セルを用いたものである。こ
の結果自己光学補償能を有する。詳細は米国特許458
3825,同5410422号に記載されている。EC
Bモードでは水平に液晶を配向させていることが特徴で
あり、特開平5−203946号に詳細が記載されてい
る。反射型および半透過型液晶表示装置は、印加電圧が
低い時に明表示、高い時に暗表示であるノーマリーホワ
イトモードでも、印加電圧が低い時に暗表示、高い時に
明表示であるノーマリーブラックモードでも、用いるこ
とができる。ノーマリーホワイトモードの方が好まし
い。
【0108】本発明のポリマーフィルムおよび円偏光板
は、タッチパネル・有機EL表示装置にも適用すること
ができる。タッチパネルへの適用については、特開平5
−127822号公報、特願2000−236797号
明細書等に記載のものに適用することができる。また、
有機EL表示素子への適用については、特開平11−3
05729号、同11−307250号、特開2000
ー267097号等の各公報に記載のものに適用するこ
とができる。
【0109】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。
【0110】(レターデーション、NZファクターの測
定)光学補償フィルムのレターデーションおよびNZフ
ァクターは、以下のように測定した。 Re450、Re550、Re590 自動複屈折計(KOBRA−21ADH/PR:王子計
測器(株)製)を用いて、サンプルフィルム表面に対し
垂直方向から波長450nm、550nmおよび590
nmにおけるレターデーション値を測定した。 NZファクター((nx−nz)/(nx−ny)) 自動複屈折計(KOBRA−21ADH/PR:王子計
測器(株)製)を用い、フィルム面に対し垂直方向、4
0度、−40度傾斜した方向から波長550nmでレタ
ーデーションを測定し、各々Re(0)、Re(4
0)、Re(−40)を求めた。これから、遅相軸方向
の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率ny
および厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−nz)/
(nx−ny)の値を計算した。
【0111】[実施例1] (光学補償フィルム11の作製)下記の組成でポリマー
溶液を調製した。
【0112】
【表1】
【0113】レターデーション制御剤としては下記化合
物を用いた。
【0114】
【化11】
【0115】このレターデーション制御剤の紫外・可視
領域(UV−vis)スペクトルを前述の測定に準じて
行ったところ、吸収極大を与える波長(λmax)は2
30nmであり、そのときの吸光係数(ε)は1600
0であった。
【0116】得られたドープを、製膜バンド上に流延
し、室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。
乾燥後の溶剤残留量は30質量%であった。透明フィル
ムをバンドから剥離し、33.4%延伸した。延伸はク
リップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は0.
8、延伸時間は9秒であった。100℃で10分間乾燥
した後、130℃で20分間乾燥し、透明フィルム1を
得た。溶剤残留量は0.1質量%であった。膜厚は13
0μmであった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥し、
25℃60%RHで2時間以上調湿し、光学特性を測定
した結果を表1に示す。
【0117】(光学補償フィルム12〜20および11
1の作製)光学補償フィルム11の製造において、ポリ
マーのみを変更した以外は同様にして光学補償フィルム
12〜20および111を作製した。
【0118】作製された光学補償フィルムを、上述した
測定法を用いて、Re450、Re590、及びRe5
90−Re450、さらにNzファクターを表2に記載
した。同時に50cm×50cmの大きさに切断したフ
ィルムの質量を測定した。さらに温度85℃、相対湿度
80%で7日間経時させ、その後のブリードアウトの程
度を目視で評価した。5(ブリードアウトなし)〜1
(全面)まで5段階で評価した。
【0119】
【表2】
【0120】表2に示す結果から、本発明のポリマーが
優れた光学特性と軽量性が両立しており、さらに、ブリ
ードアウト性については、当初膜中の移動には不利と予
測した低比重のポリマーが優れた結果であることがわか
る。
【0121】[実施例2]実施例1の光学補償フィルム
から、レターデーション制御剤の種類と量を、表3のご
とく変更した以外は同様にして光学補償フィルムを作製
した。光学補償フィルム21〜28とする。実施例1と
同様に、Re450、Re590、及びRe590−R
e450、さらにNzファクター、質量及びブリードア
ウトを測定し、結果を表3に記載した。
【0122】
【表3】
【0123】表3に示す結果から、本発明の光学補償フ
ィルムは、光学特性とブリードアウトとを両立させつ
つ、軽量化が図られていることがわかる。さらに、この
特性はレターデーション制御剤との組み合わせで達成さ
れていることがわかる。
【0124】[実施例3] (円偏光板の作製)PVAフィルムをヨウ素2.0g/
L、ヨウ化カリウム4.0g/Lの水溶液に25℃にて
240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に2
5℃にて60秒浸漬後、図2の形態のテンター延伸機に
導入し、5.3倍に延伸して、テンターを延伸方向に対
し図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保った。80℃
雰囲気で乾燥させた後、テンターから離脱した。左右の
テンタークリップの搬送速度差は0.05%未満であ
り、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフ
ィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで|
L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1
−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実
質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの
中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口に
おいてフィルムにはシワおよび変形は観察されなかっ
た。さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117
H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真
フィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテー
ト、レターデーション値3.0nm)、同様に片側ケン
化処理した実施例1の光学補償フィルム12を、それぞ
れ上記偏光膜に接着面を向け、ロールtoロールで積層
して円偏光板を得た。光学補償フィルム12を、同様に
片面ケン化処理した実施例1の光学補償フィルム16に
変更した以外は、同様にして円偏光板を得た。得られた
円偏光板の光学的性質を調べたところ、いずれも広い波
長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全な円
偏光が達成されていた。
【0125】[実施例4] (TN型反射型液晶表示装置の作製)ITO透明電極を
設けたガラス基板と、微細な凹凸が形成されたアルミニ
ウム反射電極を設けたガラス基板とを用意した。二枚の
ガラス基板の電極側に、それぞれポリイミド配向膜(S
E−7992、日産化学(株)製)を形成し、ラビング
処理を行った。1.7μmのスペーサを介して、二枚の
基板を配向膜が向かい合うように重ねた。二つの配向膜
のラビング方向は、110゜の角度で交差するように、
基板の向きを調節した。基板の間隙に、液晶(MLC−
6252、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。
このようにして、ツイスト角が70゜、Δndの値が2
69nmのTN型液晶セルを作製した。
【0126】ITO透明電極を設けたガラス基板の側
に、実施例3で作製した2種の円偏光板をそれぞれ光学
補償フィルム側から貼り付けた。作製した反射型液晶表
示装置に、1kHzの矩形波電圧を印加した。白表示
1.5V、黒表示4.5Vとして目視で評価を行ったと
ころ、白表示においても、黒表示においても、色味がな
く、ニュートラルグレイが表示されていることが確認で
きた。次に、測定機(EZcontrast160D、
Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を
測定したところ、正面からのコントラスト比が25であ
り、コントラスト比10となる視野角は、いずれも上下
120゜以上、左右120゜以上であった。また、60
℃90%RHで500時間の耐久テストでも表示上、何
の問題も発生しなかった。
【0127】[実施例5] (STN型反射型液晶表示装置の作製)ITO透明電極
を設けたガラス板と、平坦なアルミニウム反射電極を設
けたガラス基板とを用意した。二枚のガラス基板の電極
側に、それぞれポリイミド配向膜(SE−150、日産
化学(株)製)を形成し、ラビング処理を行った。6.
0μmのスペーサを介して二枚の基板を配向膜が向かい
合うように重ねた。二つの配向膜のラビング方向は、6
0゜の角度で交差するように、基板の向きを調節した。
基板の隙間に、液晶(ZLI−2977、メルク社製)
を注入し、液晶層を形成した。このようにしてツイスト
角が240゜、Δndの値が791nmのSTN型液晶
セルを作製した。
【0128】ITO透明電極を設けたガラス基板の側
に、内部拡散シート(IDS、大日本印刷(株)製)
と、実施例3で作製した円偏光板を、この順序でそれぞ
れ粘着を介して、偏光板が最外層となるように貼り付け
た。作製した反射型液晶表示装置に、55Hzの矩形波
電圧を印加した。黒表示2.0V、白表示2.5Vとし
て目視で評価を行ったところ、白表示においても黒表示
においても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示さ
れていることが確認できた。次に測定器(EZcont
rast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度
のコントラスト比を測定したところ、正面からのコント
ラスト比が8であり、コントラスト比3となる視野角
は、上下95゜、左右110゜であった。
【0129】[実施例6] (VA型液晶表示装置)図3は、VA型液晶表示装置の
基本的構成を示す断面図である。図3に示すように、V
A型液晶表示装置は下から順に、下側ガラス基板(4
1)、絶縁膜(39)、薄膜トランジスタ(38)、反
射板(36)、下側配向膜(35)、液晶(40)、上
側配向膜(34)、ITO透明電極(33)、オーバー
コート層(32)、カラーフィルター(31)、上側ガ
ラス基板(30)からなる。
【0130】ITO透明電極(33)を設けたガラス基
板(30)と、微細な凹凸が形成されたアルミニウム反
射電極(35)〜(39)を設けたガラス基板(41)
とを用意した。上側配向膜(34)、下側配向膜(3
5)にはそれぞれ垂直配向膜(RN783、日産化学
(株)製)を用いて、ラビング処理を行った。1.7μ
mのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向かい
合うように重ねた。二つの配向膜のラビング方向は、1
10゜の角度で交差するように、基板の向きを調節し
た。基板の間隙に、Δn=0.08、Δε=−4の液晶
(メルク社製)を真空注入法により注入し、液晶層(4
0)を形成した。このようにして、ツイスト角が45
゜、Δndの値が135nmのVA型液晶セルを作製し
た。
【0131】ITO透明電極を設けたガラス基板の側
に、ガラス基板側から、実施例4で作製した光学補償フ
ィルム、市販の偏光板(HLC2−5618HCS、
(株)サンリッツ製)をこの順で粘着剤を介して積層し
た。光学補償フィルムと偏光膜を貼り合わせる際、偏光
膜の吸収軸と光学補償フィルムの遅相軸とが45度にな
るように貼り合わせた。実施例1の光学補償フィルム1
2を用いたものは、全て上下視野角160度以上、左右
視野角160度以上の良好な視野角を得た。また、実施
例1で作製した光学補償フィルム12の代わりに実施例
1の光学補償フィルム16を用いても同様に、上下視野
角160度以上、左右視野角160度以上の良好な視野
角を得た。
【0132】同様に、VA型液晶セルを作製し、ITO
透明電極を設けたガラス基板の側に、実施例6で作製し
た円偏光板を光学補償フィルムがガラス基板側になるよ
うに、粘着剤を介して貼り付けた。上下視野角160度
以上、左右視野角160度以上の良好な視野角を得た。
【0133】[実施例7] (ECB型液晶表示装置)特開平11−316378の
実施例1に従い、第2透明支持体を実施例1で作製した
光学補償フィルム12とした。但し、これと偏光膜を貼
り合わせる際、偏光膜の吸収軸と光学補償フィルムの遅
相軸とが45度になるように貼り合わせた。これを用い
て特開平11−316378号公報の実施例6に従いE
CB型液晶表示素子を作成した。本発明を用いたもの
は、全て上下視野角120度以上、左右視野角115度
以上の良好な視野角を得た。
【0134】[実施例8] (有機ELを用いた表示装置)実施例1で作製した光学
補償フィルム12を特開2000−267097号公報
に従い、観察者側から順に保護タック(最表面に反射防
止機能層付き)/偏光膜/光学補償フィルム/有機EL
素子/反射電極の構成とした。偏光膜の透過軸と光学補
償フィルムの遅相軸との角度は45°となるように配置
した。目視にてその色味の評価を実施したところ、特に
黒表示時における着色が少なく、それによりコントラス
トが高く、視認性に優れることが確認できた。
【0135】[実施例9] (反透過型製品への実装)サイバーショット(Sony
社製)の液晶表示部の液晶セルの上側部分の偏光板、λ
/2板、λ/4板を剥がし、ガラス基板側から、実施例
4、5で作製した光学補償フィルム4、5(λ/4
板)、市販の偏光板(HLC2−5618HCS、
(株)サンリッツ製)をこの順で粘着剤を介して積層し
た。光学補償フィルムと偏光膜を貼り合わせる際、偏光
膜の吸収軸と光学補償フィルムの遅相軸とが45度にな
るように貼り合わせた。実施例4、5で作製した光学補
償フィルム4、5を用いたものは、全て上下視野角12
0度以上、左右視野角115度以上の良好な視野角を得
た。
【0136】[実施例13] (反射型液晶表示装置への実装)タッチパネル付き反射
型液晶表示装置(シャープ社製、ザウルス)でタッチパ
ネル/偏光板/光学補償フィルム/液晶セルの偏光板と
光学補償フィルム部分を剥がして、実施例1で作製した
光学補償フィルム12、市販の偏光板(HLC2−56
18HCS、(株)サンリッツ製)に置き換えた。この
際、偏光膜の吸収軸と光学補償フィルムの遅相軸とが4
5度になるように貼り合わせ、コントラストが最大とな
るように貼り合わせた。作製した液晶表示装置にて、実
施例1の光学補償フィルム12を用いたものは上下視野
角120度以上、左右視野角115度以上の良好な視野
角を得た。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、広い波長領域で位相差
がλ/4であり、視野角特性に優れ、且つ薄層化および
軽量化が可能なポリマーフィルムを提供することができ
る。また、本発明によれば、視野角特性に優れた、軽量
化が可能な円偏光板および液晶表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3で使用のポリマーフィルムの斜め延
伸装置を示す概略平面図である。
【図2】 本発明の反射型液晶表示装置の構成を示す模
式図である。
【図3】 実施例6で使用のVA型液晶表示装置の構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
(イ) フィルム導入方向 (ロ) 次工程へのフィルム搬送方向 (a) フィルムを導入する工程 (b) フィルムを延伸する工程 (c) 延伸フィルムを次工程へ送る工程 A1 フィルムの保持手段への噛み込み位置とフィルム
延伸の起点位置(右) B1 フィルムの保持手段への噛み込み位置(左) C1 フィルム延伸の起点位置(左) Cx フィルム離脱位置とフィルム延伸の終点基準位置
(左) Ay フィルム延伸の終点基準位置(右) |L1−L2| 左右のフィルム保持手段の行程差 W フィルムの延伸工程終端における実質幅 θ 延伸方向とフィルム進行方向のなす角 21 導入側フィルムの中央線 22 次工程に送られるフィルムの中央線 23 フィルム保持手段の軌跡(左) 24 フィルム保持手段の軌跡(右) 25 導入側フィルム 26 次工程に送られるフィルム 27’、27 左右のフィルム保持開始(噛み込み)点 28’、28 左右のフィルム保持解除点 1 下基板 2 反射電極 3 下配向膜 4 液晶層 5 上配向膜 6 透明電極 7 上基板 8 λ/4板 9 偏光膜 30 ガラス基板 31 カラーフィルター 32 オーバーコート層 33 透明電極(ITO) 34 上側配向膜 35 下側配向膜 36 反射板 38 TFT(薄膜トランジスタ) 39 絶縁膜(SHA膜) 40 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA07 BA27 BA42 BB03 BB42 BB43 BC03 BC10 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FD10 LA19 4F071 AA33 AA39 AA48 AA50 AA73 AF30 BA01 BB06 BB07 BC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種のポリマーおよび少なく
    とも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を前記ポリマ
    ーに対して0.01〜20質量%含有するポリマー組成
    物からなり、前記少なくとも一種のポリマーの比重が
    1.00〜1.23であり、且つ波長450nmで測定
    したレターデーション値(Re450)が60〜135
    nm、波長590nmで測定したレターデーション値
    (Re590)が100〜170nm、(Re590−
    Re450)≧2nm、及び下記式(I)で定義される
    Nzファクターが1.2〜2.0である関係を満足する
    ポリマーフィルム。 (I) Nzファクター=(nx−nz)/(nx−ny) [式中、nxは、ポリマーフィルム面内の遅相軸方向の
    屈折率であり;nyは、ポリマーフィルム面内の進相軸
    方向の屈折率であり;nzは、ポリマーフィルムの厚み
    方向の屈折率である。]
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリマーフィルムと、
    偏光子とを備えた円偏光板であって、前記ポリマーフィ
    ルムの遅相軸と、前記偏光子の偏光軸との角度が45°
    で積層されてなる円偏光板。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の円偏光板とを備えた画
    像表示装置。
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