JP2003261505A - (メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 装置内にチタン含有触媒由来の析出物の付着
が少ない(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方
法を提供する。 【解決手段】 本発明の(メタ)アクリル酸エステル製
造装置の洗浄方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとアルコールとをチタン含有触媒の存在下でエステ
ル交換反応させることにより、(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する(メタ)アクリル酸エステル製造装置の
洗浄方法において、少なくとも前記装置のチタン含有触
媒を含む反応液に接触した部分を、水分含有率が5%以
下の洗浄溶剤を用いて洗浄する工程を有することを特徴
とする。
が少ない(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方
法を提供する。 【解決手段】 本発明の(メタ)アクリル酸エステル製
造装置の洗浄方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとアルコールとをチタン含有触媒の存在下でエステ
ル交換反応させることにより、(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する(メタ)アクリル酸エステル製造装置の
洗浄方法において、少なくとも前記装置のチタン含有触
媒を含む反応液に接触した部分を、水分含有率が5%以
下の洗浄溶剤を用いて洗浄する工程を有することを特徴
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとアルコールとをチタン含有触媒の
存在下でエステル交換反応させることにより、(メタ)
アクリル酸エステルを製造する(メタ)アクリル酸エス
テル製造装置の洗浄方法に関するものである。
酸アルキルエステルとアルコールとをチタン含有触媒の
存在下でエステル交換反応させることにより、(メタ)
アクリル酸エステルを製造する(メタ)アクリル酸エス
テル製造装置の洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステルは、過酸化
物、過硫酸塩又はアゾビス化合物等のラジカル重合開始
剤の存在下で、容易に単独重合又は他の重合性モノマー
と共重合し、機械的特性、耐熱性、耐候性、耐酸性等に
優れたポリマーを生成する。従来、(メタ)アクリル酸
エステルの製造方法として、チタン含有触媒(チタン系
触媒)を用いたエステル交換法が知られている(例え
ば、特開平1−258642号公報、特開平4−665
55号公報、特開平11−222461号公報、特公平
8−9582号公報等)。
物、過硫酸塩又はアゾビス化合物等のラジカル重合開始
剤の存在下で、容易に単独重合又は他の重合性モノマー
と共重合し、機械的特性、耐熱性、耐候性、耐酸性等に
優れたポリマーを生成する。従来、(メタ)アクリル酸
エステルの製造方法として、チタン含有触媒(チタン系
触媒)を用いたエステル交換法が知られている(例え
ば、特開平1−258642号公報、特開平4−665
55号公報、特開平11−222461号公報、特公平
8−9582号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】同一の装置で製造する
(メタ)アクリル酸エステルの種類を変更したり、装置
内部に汚れが付着した際には、装置を洗浄する必要があ
るが、チタン含有触媒を用いて(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する装置では、洗浄中にチタン含有触媒由来
の析出物が装置内に付着し、その除去に長時間を要する
ことから生産性が低下するという問題があった。そこ
で、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、
装置内にチタン含有触媒由来の析出物の付着が少ない
(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法を提供
することを目的とする。
(メタ)アクリル酸エステルの種類を変更したり、装置
内部に汚れが付着した際には、装置を洗浄する必要があ
るが、チタン含有触媒を用いて(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する装置では、洗浄中にチタン含有触媒由来
の析出物が装置内に付着し、その除去に長時間を要する
ことから生産性が低下するという問題があった。そこ
で、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、
装置内にチタン含有触媒由来の析出物の付着が少ない
(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の(メタ)アクリ
ル酸エステル製造装置の洗浄方法は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとアルコールとをチタン含有触媒の
存在下でエステル交換反応させることにより、(メタ)
アクリル酸エステルを製造する(メタ)アクリル酸エス
テル製造装置の洗浄方法において、少なくとも前記装置
のチタン含有触媒を含む反応液に接触した部分を、水分
含有率が5%以下の洗浄溶剤を用いて洗浄する工程を有
することを特徴とする。また、前記洗浄溶剤としては、
非水溶性溶剤を含むものが好適であり、非水溶性溶剤と
水溶性溶剤の双方を含むものがより好適である。
ル酸エステル製造装置の洗浄方法は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとアルコールとをチタン含有触媒の
存在下でエステル交換反応させることにより、(メタ)
アクリル酸エステルを製造する(メタ)アクリル酸エス
テル製造装置の洗浄方法において、少なくとも前記装置
のチタン含有触媒を含む反応液に接触した部分を、水分
含有率が5%以下の洗浄溶剤を用いて洗浄する工程を有
することを特徴とする。また、前記洗浄溶剤としては、
非水溶性溶剤を含むものが好適であり、非水溶性溶剤と
水溶性溶剤の双方を含むものがより好適である。
【0005】また、原料のアルコールとしては、下記式
(1)で表されるものが好適であり、製造する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、下記式(2)で表される
ものが好適である。 R1 OH (1) CH2 =CR2 COOR1 (2) (但し、式(1)、(2)中、R1 は、炭素数3〜24
のアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル
基、アミノアルキル基のうちいずれかを示し、R 2 は、
水素原子又はメチル基を示す。)
(1)で表されるものが好適であり、製造する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、下記式(2)で表される
ものが好適である。 R1 OH (1) CH2 =CR2 COOR1 (2) (但し、式(1)、(2)中、R1 は、炭素数3〜24
のアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル
基、アミノアルキル基のうちいずれかを示し、R 2 は、
水素原子又はメチル基を示す。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 [(メタ)アクリル酸エステルの製造方法]はじめに、
チタン含有触媒(チタン系触媒)を用いたエステル交換
法による(メタ)アクリル酸エステルの製造方法につい
て説明する。この方法では、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとアルコールとをチタン含有触媒の存在下で
エステル交換反応させることにより、(メタ)アクリル
酸エステルを製造する。
する。 [(メタ)アクリル酸エステルの製造方法]はじめに、
チタン含有触媒(チタン系触媒)を用いたエステル交換
法による(メタ)アクリル酸エステルの製造方法につい
て説明する。この方法では、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとアルコールとをチタン含有触媒の存在下で
エステル交換反応させることにより、(メタ)アクリル
酸エステルを製造する。
【0007】ここで、原料として用いる(メタ)アクリ
ル酸アルキスエステルとしては、特に限定されるもので
はないが、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アク
リル酸エチルを用いることが好ましく、中でも(メタ)
アクリル酸メチルを用いることがより好ましい。
ル酸アルキスエステルとしては、特に限定されるもので
はないが、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アク
リル酸エチルを用いることが好ましく、中でも(メタ)
アクリル酸メチルを用いることがより好ましい。
【0008】また、原料として用いるアルコールとして
は、特に限定されるものではないが、下記式(1)で表
されるものが好適である。 R1 OH (1) (但し、式(1)中、R1 は、炭素数3〜24のアルキ
ル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アミ
ノアルキル基のうちいずれかを示す。) ここで、式(1)で表されるアルコールとしては、n−
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イ
ソブタノール、ターシャリーブタノール、n−ペンタノ
ール、n−ヘキサノール、ラウリルアルコ−ル、ステア
リルアルコール等のアルコール類、メトキシエタノー
ル、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアル
コキシアルコール類、シクロヘキサノール等のシクロア
ルコール類、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミ
ノエタノール等のアミノアルコール類等を挙げることが
できる。
は、特に限定されるものではないが、下記式(1)で表
されるものが好適である。 R1 OH (1) (但し、式(1)中、R1 は、炭素数3〜24のアルキ
ル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アミ
ノアルキル基のうちいずれかを示す。) ここで、式(1)で表されるアルコールとしては、n−
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イ
ソブタノール、ターシャリーブタノール、n−ペンタノ
ール、n−ヘキサノール、ラウリルアルコ−ル、ステア
リルアルコール等のアルコール類、メトキシエタノー
ル、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアル
コキシアルコール類、シクロヘキサノール等のシクロア
ルコール類、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミ
ノエタノール等のアミノアルコール類等を挙げることが
できる。
【0009】(メタ)アクリル酸アルキスエステルとし
て、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸
エチルを用い、アルコールとして、上記式(1)で表さ
れるものを用いた場合、下記式(2)で表される(メ
タ)アクリル酸エステルが製造される。 CH2 =CR2 COOR1 (2) (但し、式(2)中、R2 は、水素原子又はメチル基を
示す。)
て、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸
エチルを用い、アルコールとして、上記式(1)で表さ
れるものを用いた場合、下記式(2)で表される(メ
タ)アクリル酸エステルが製造される。 CH2 =CR2 COOR1 (2) (但し、式(2)中、R2 は、水素原子又はメチル基を
示す。)
【0010】また、用いて好適なチタン含有触媒として
は、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネー
ト、テトラプロピルチタネート、テトラブトキシチタネ
ート等が挙げられる。チタン含有触媒の使用量は、原料
アルコール1モルに対して、0.0001〜0.1モ
ル、好ましくは0.0003〜0.03モルとする。触
媒の使用量が0.0001モル未満では反応時間が長く
なることがあり、また、0.1モル超では釜残が増加し
たり、触媒コストが高くなるという問題が生じる。
は、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネー
ト、テトラプロピルチタネート、テトラブトキシチタネ
ート等が挙げられる。チタン含有触媒の使用量は、原料
アルコール1モルに対して、0.0001〜0.1モ
ル、好ましくは0.0003〜0.03モルとする。触
媒の使用量が0.0001モル未満では反応時間が長く
なることがあり、また、0.1モル超では釜残が増加し
たり、触媒コストが高くなるという問題が生じる。
【0011】なお、原料として、(メタ)アクリル酸メ
チル又は(メタ)アクリル酸エチルを用いた場合、エス
テル交換反応の進行とともにメタノール又はエタノール
が副成するが、これら副生アルコールは、未反応の(メ
タ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルとの
共沸混合物として反応系外に容易に取り出すことができ
る。また、n−ヘキサンなどの溶媒を用い、その共沸混
合物として反応系外に取り出すこともできる。
チル又は(メタ)アクリル酸エチルを用いた場合、エス
テル交換反応の進行とともにメタノール又はエタノール
が副成するが、これら副生アルコールは、未反応の(メ
タ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルとの
共沸混合物として反応系外に容易に取り出すことができ
る。また、n−ヘキサンなどの溶媒を用い、その共沸混
合物として反応系外に取り出すこともできる。
【0012】また、エステル交換反応に際しては、原料
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルあるいは生成す
る(メタ)アクリル酸エステルの重合を抑制するため
に、あらかじめ重合防止剤を添加しておくことが好まし
い。重合防止剤としては特に限定されるものではない
が、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p
−フェニレンジアミン(以下、「NF」と略す。)等を
例示することができる。重合防止剤の添加量は、反応液
の質量に対して0.001〜2%とすることが好まし
い。重合防止剤の添加量が0.001%未満では、重合
抑制の効果が十分でなく、2%超では、重合防止剤を目
的生成物である(メタ)アクリル酸エステルから十分に
分離することができず、得られた(メタ)アクリル酸エ
ステルを重合させる際に、反応が阻害される恐れがあ
る。また、エステル交換反応中に、酸素又は酸素と不活
性気体との混合物、例えば、空気や、酸素とアルゴンと
の混合気体等を、反応液及び/又は反応液面上に導入す
ると、原料や生成物の重合抑制効果がさらに向上するた
め、好適である。
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルあるいは生成す
る(メタ)アクリル酸エステルの重合を抑制するため
に、あらかじめ重合防止剤を添加しておくことが好まし
い。重合防止剤としては特に限定されるものではない
が、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p
−フェニレンジアミン(以下、「NF」と略す。)等を
例示することができる。重合防止剤の添加量は、反応液
の質量に対して0.001〜2%とすることが好まし
い。重合防止剤の添加量が0.001%未満では、重合
抑制の効果が十分でなく、2%超では、重合防止剤を目
的生成物である(メタ)アクリル酸エステルから十分に
分離することができず、得られた(メタ)アクリル酸エ
ステルを重合させる際に、反応が阻害される恐れがあ
る。また、エステル交換反応中に、酸素又は酸素と不活
性気体との混合物、例えば、空気や、酸素とアルゴンと
の混合気体等を、反応液及び/又は反応液面上に導入す
ると、原料や生成物の重合抑制効果がさらに向上するた
め、好適である。
【0013】[(メタ)アクリル酸エステル製造装置の
洗浄方法]次に、以上のようにして(メタ)アクリル酸
エステルを製造した製造装置の洗浄方法について説明す
る。本発明では、少なくとも装置のチタン含有触媒を含
む反応液に接触した部分を、所定の水分含有率の洗浄溶
剤を用いて洗浄する。ここで、洗浄溶剤としては、非水
溶性溶剤を含むものが好適である。また、非水溶性の汚
れと水溶性の汚れを同時に落とし、より高い洗浄効率が
得られることから、非水溶性溶剤と水溶性溶剤の双方を
含むものがより好適である。
洗浄方法]次に、以上のようにして(メタ)アクリル酸
エステルを製造した製造装置の洗浄方法について説明す
る。本発明では、少なくとも装置のチタン含有触媒を含
む反応液に接触した部分を、所定の水分含有率の洗浄溶
剤を用いて洗浄する。ここで、洗浄溶剤としては、非水
溶性溶剤を含むものが好適である。また、非水溶性の汚
れと水溶性の汚れを同時に落とし、より高い洗浄効率が
得られることから、非水溶性溶剤と水溶性溶剤の双方を
含むものがより好適である。
【0014】非水溶性溶剤としては、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソ
ブチルケトン等を例示することができる。これらは1種
を単独で、又は2種以上を併用することができる。ま
た、水溶性溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸
メチル、(メタ)アクリル酸エステル等を例示すること
ができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用
することができる。
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソ
ブチルケトン等を例示することができる。これらは1種
を単独で、又は2種以上を併用することができる。ま
た、水溶性溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸
メチル、(メタ)アクリル酸エステル等を例示すること
ができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用
することができる。
【0015】また、洗浄溶剤の水分含有率は5%以下、
好ましくは3%以下、より好ましくは1.5%以下とす
る。本発明者は、このように洗浄溶剤の水分含有率を5
%以下とすることにより、装置内にチタン含有触媒由来
の析出物の付着が少なくなることを見出した。なお、洗
浄溶剤の水分含有率が5%超では、洗浄溶剤中の水分と
チタン含有触媒とが反応して、析出物(スケール)を生
成しやすくなり、その除去に長時間を要することから生
産性が低下する。
好ましくは3%以下、より好ましくは1.5%以下とす
る。本発明者は、このように洗浄溶剤の水分含有率を5
%以下とすることにより、装置内にチタン含有触媒由来
の析出物の付着が少なくなることを見出した。なお、洗
浄溶剤の水分含有率が5%超では、洗浄溶剤中の水分と
チタン含有触媒とが反応して、析出物(スケール)を生
成しやすくなり、その除去に長時間を要することから生
産性が低下する。
【0016】洗浄方法としては特に限定されるものでは
ないが、装置内に洗浄溶剤を充填する、洗浄溶剤を充填
した装置を加熱する、洗浄溶剤を装置内に噴霧するなど
が挙げられる。洗浄時の洗浄溶剤の温度や洗浄時間は、
汚れ具合、洗浄溶剤の種類等の条件によって異なるため
一概には言えないが、例えば、洗浄溶剤の温度は10〜
200℃、洗浄時間は0.1〜50時間に設定すれば良
い。また、洗浄に使用した洗浄溶剤は、回収して再利用
しても良い。但し、この場合、蒸留や抽出などの方法に
より、洗浄溶剤中に含まれる汚れ成分を除去してから再
利用することが好ましい。
ないが、装置内に洗浄溶剤を充填する、洗浄溶剤を充填
した装置を加熱する、洗浄溶剤を装置内に噴霧するなど
が挙げられる。洗浄時の洗浄溶剤の温度や洗浄時間は、
汚れ具合、洗浄溶剤の種類等の条件によって異なるため
一概には言えないが、例えば、洗浄溶剤の温度は10〜
200℃、洗浄時間は0.1〜50時間に設定すれば良
い。また、洗浄に使用した洗浄溶剤は、回収して再利用
しても良い。但し、この場合、蒸留や抽出などの方法に
より、洗浄溶剤中に含まれる汚れ成分を除去してから再
利用することが好ましい。
【0017】以上のようにしてチタン含有触媒を含む反
応液を洗浄した後は、装置内にチタン含有触媒は存在し
ないか、存在しても極めて微量であるため、チタン含有
触媒と水との反応による析出物の生成は起こらない。し
たがって、さらに水を5%以上含む洗浄溶剤を用いて装
置を洗浄しても良い。
応液を洗浄した後は、装置内にチタン含有触媒は存在し
ないか、存在しても極めて微量であるため、チタン含有
触媒と水との反応による析出物の生成は起こらない。し
たがって、さらに水を5%以上含む洗浄溶剤を用いて装
置を洗浄しても良い。
【0018】本発明の洗浄方法によれば、チタン含有触
媒と高濃度の水とを装置内で共存させないので、チタン
含有触媒由来の析出物の生成を防止し、安定して洗浄作
業を行うことができる。
媒と高濃度の水とを装置内で共存させないので、チタン
含有触媒由来の析出物の生成を防止し、安定して洗浄作
業を行うことができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る実施例及び比較例につい
て説明する。 (実施例1)攪拌翼、温度計を備えたガラス製3Lフラ
スコ内に、原料としてイソブチルアルコール370.6
g及びメタクリル酸メチル1001.2gを仕込み、触
媒としてテトラメトキシチタン0.86g、重合防止剤
としてNF0.071gを添加した。次いで、フラスコ
に、蒸留塔、冷却装置、液分配器を備えた蒸留装置を取
り付けた。蒸留塔としては、内径35mmのガラス製2
0段オールダーショウ蒸留塔を用いた。オイルバスによ
りフラスコを加熱し反応を開始した。反応開始後2時間
でイソブチルアルコールの転化率が97%となった。な
お、反応で副生したメタノールは、蒸留装置によりメタ
クリル酸メチルとの共沸物として系外へ抜き出した。反
応終了後、反応液をフラスコから抜き出した。以上のよ
うにしてメタクリル酸エステルを製造した後、反応液を
抜き出したフラスコを、洗浄溶剤として水分含有率80
ppmのメタクリル酸メチル100gを用いて洗浄した
ところ、フラスコは綺麗に洗浄され、フラスコ内に析出
物は確認されなかった。
て説明する。 (実施例1)攪拌翼、温度計を備えたガラス製3Lフラ
スコ内に、原料としてイソブチルアルコール370.6
g及びメタクリル酸メチル1001.2gを仕込み、触
媒としてテトラメトキシチタン0.86g、重合防止剤
としてNF0.071gを添加した。次いで、フラスコ
に、蒸留塔、冷却装置、液分配器を備えた蒸留装置を取
り付けた。蒸留塔としては、内径35mmのガラス製2
0段オールダーショウ蒸留塔を用いた。オイルバスによ
りフラスコを加熱し反応を開始した。反応開始後2時間
でイソブチルアルコールの転化率が97%となった。な
お、反応で副生したメタノールは、蒸留装置によりメタ
クリル酸メチルとの共沸物として系外へ抜き出した。反
応終了後、反応液をフラスコから抜き出した。以上のよ
うにしてメタクリル酸エステルを製造した後、反応液を
抜き出したフラスコを、洗浄溶剤として水分含有率80
ppmのメタクリル酸メチル100gを用いて洗浄した
ところ、フラスコは綺麗に洗浄され、フラスコ内に析出
物は確認されなかった。
【0020】(比較例1)実施例1と同様にしてメタク
リル酸エステルを製造した後、反応液を抜き出したフラ
スコを純水で洗浄したところ、フラスコ内壁に白色の析
出物が確認された。
リル酸エステルを製造した後、反応液を抜き出したフラ
スコを純水で洗浄したところ、フラスコ内壁に白色の析
出物が確認された。
【0021】(実施例2)原料アルコールとしてイソブ
チルアルコールの代わりに2−エチルヘキシルアルコー
ル650gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。反応開始後2時間30分後には2−エチルヘキシル
アルコールの転化率が98%となった。反応終了後、反
応液をフラスコから抜き出し、洗浄することなく、同じ
操作を10バッチ繰り返した。その後、フラスコ内壁に
は重合物と思われる白色の付着物が確認された。以上の
ようにしてメタクリル酸エステルを10バッチ製造した
後、反応液を抜き出したフラスコ内に、トルエン及びア
セトンを質量比で1対1に混合した、水分含有率1.3
%の洗浄溶剤を投入し、攪拌しつつ60℃で1時間加熱
した。次いで加熱を停止し、洗浄溶剤を抜き出したとこ
ろ、フラスコ内壁は綺麗に洗浄されており、析出物は確
認されなかった。
チルアルコールの代わりに2−エチルヘキシルアルコー
ル650gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。反応開始後2時間30分後には2−エチルヘキシル
アルコールの転化率が98%となった。反応終了後、反
応液をフラスコから抜き出し、洗浄することなく、同じ
操作を10バッチ繰り返した。その後、フラスコ内壁に
は重合物と思われる白色の付着物が確認された。以上の
ようにしてメタクリル酸エステルを10バッチ製造した
後、反応液を抜き出したフラスコ内に、トルエン及びア
セトンを質量比で1対1に混合した、水分含有率1.3
%の洗浄溶剤を投入し、攪拌しつつ60℃で1時間加熱
した。次いで加熱を停止し、洗浄溶剤を抜き出したとこ
ろ、フラスコ内壁は綺麗に洗浄されており、析出物は確
認されなかった。
【0022】(比較例2)実施例2と同様にしてメタク
リル酸エステルを10バッチ製造した後、白色の重合物
が付着したフラスコ内に、アセトン及び純水を質量比で
1対1に混合した洗浄溶剤を投入し、攪拌しつつ60℃
で1時間加熱した。次いで加熱を停止し、洗浄溶剤を抜
き出したところ、フラスコ内壁には白色のチタン含有触
媒由来の析出物が新たに観察された。
リル酸エステルを10バッチ製造した後、白色の重合物
が付着したフラスコ内に、アセトン及び純水を質量比で
1対1に混合した洗浄溶剤を投入し、攪拌しつつ60℃
で1時間加熱した。次いで加熱を停止し、洗浄溶剤を抜
き出したところ、フラスコ内壁には白色のチタン含有触
媒由来の析出物が新たに観察された。
【0023】実施例1、2、比較例1、2の結果から、
水分含有率の低い洗浄溶剤を用いることにより、チタン
含有触媒由来の析出物が生成することを防止できること
が判明した。
水分含有率の低い洗浄溶剤を用いることにより、チタン
含有触媒由来の析出物が生成することを防止できること
が判明した。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の(メタ)
アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法によれば、装置
内にチタン含有触媒由来の析出物が付着することを防止
することができる。
アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法によれば、装置
内にチタン含有触媒由来の析出物が付着することを防止
することができる。
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(72)発明者 佐藤 義彦
広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ
ン株式会社大竹事業所内
Fターム(参考) 3B201 AA47 BB95
4H003 DA12 DB01 DC03 ED03 ED28
ED30 ED32
4H006 AA02 AC48 AD10 BB17 BC40
BT12 BU32 KA03
Claims (4)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルと
アルコールとをチタン含有触媒の存在下でエステル交換
反応させることにより、(メタ)アクリル酸エステルを
製造する(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方
法において、 少なくとも前記装置のチタン含有触媒を含む反応液に接
触した部分を、水分含有率が5%以下の洗浄溶剤を用い
て洗浄する工程を有することを特徴とする(メタ)アク
リル酸エステル製造装置の洗浄方法。 - 【請求項2】 前記洗浄溶剤が、非水溶性溶剤を含むこ
とを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エ
ステル製造装置の洗浄方法。 - 【請求項3】 前記洗浄溶剤が、非水溶性溶剤と水溶性
溶剤の双方を含むことを特徴とする請求項1又は請求項
2に記載の(メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄
方法。 - 【請求項4】 前記装置が、下記式(1)で表されるア
ルコールを用い、下記式(2)で表される(メタ)アク
リル酸エステルを製造する装置であることを特徴とする
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の(メ
タ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法。 R1 OH (1) CH2 =CR2 COOR1 (2) (但し、式(1)、(2)中、R1 は、炭素数3〜24
のアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル
基、アミノアルキル基のうちいずれかを示し、R 2 は、
水素原子又はメチル基を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002061114A JP2003261505A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | (メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003261505A true JP2003261505A (ja) | 2003-09-19 |
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ID=29195660
Family Applications (1)
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JP2002061114A Pending JP2003261505A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | (メタ)アクリル酸エステル製造装置の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003261505A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100635284B1 (ko) * | 2004-05-18 | 2006-10-17 | 주식회사 엘지화학 | (메타)아크릴산 및/또는 (메타)아크릴산 에스테르의제조를 위한 공장장치부용 세척액 및 이를 이용한 세척방법 |
-
2002
- 2002-03-06 JP JP2002061114A patent/JP2003261505A/ja active Pending
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KR100635284B1 (ko) * | 2004-05-18 | 2006-10-17 | 주식회사 엘지화학 | (메타)아크릴산 및/또는 (메타)아크릴산 에스테르의제조를 위한 공장장치부용 세척액 및 이를 이용한 세척방법 |
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