JP2003261019A - センサ自己診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路 - Google Patents

センサ自己診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路

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JP2003261019A JP2002065677A JP2002065677A JP2003261019A JP 2003261019 A JP2003261019 A JP 2003261019A JP 2002065677 A JP2002065677 A JP 2002065677A JP 2002065677 A JP2002065677 A JP 2002065677A JP 2003261019 A JP2003261019 A JP 2003261019A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己診断型センサの信号に基づいて演算制御
するマイクロコンピュータを備えた車載電子制御回路に
おけるセンサの自己診断信号をタイミングのずれを調整
することによりマイクロコンピュータが正しく受信して
適正な制御動作を可能とした車載電子制御回路を得る。 【解決手段】 車載電子制御回路は、マイクロコンピュ
ータ11へ電源回路12から、自己診断機能を有するセ
ンサ14へ電源回路13から電源を送り、電源回路13
へ至る経路にはマイクロコンピュータ11からの指令信
号によりON、OFFする遅延スイッチ手段15が設
けられ、マイクロコンピュータ11の起動後に自己診断
した後に指令信号を送ってセンサ14を起動させ、セ
ンサの自己診断信号を受信可能な状態でマイクロコンピ
ュータ11へ送り、誤処理を回避して適正な処理を可能
としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のブレー
キ液圧を制御する車載電子制御回路に用いられる各種セ
ンサ入力のマイクロコンピュータでの誤処理を回避した
センサ自己診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪ブレーキのホイールシリン
ダに液圧を送るブレーキ液圧回路の制御をするための電
子制御回路には、車輪速センサ、Gセンサ、横Gセン
サ、ヨーレートセンサ、圧力センサ(Pセンサ)など各
種の制御を行うための検出信号がそれぞれのセンサから
送り込まれるように接続されている。ブレーキ液圧回路
には、複数組の電磁弁、液圧ポンプ、リザーバなどが設
けられ、電磁弁やポンプモータを電子制御回路からの制
御信号により駆動して加圧、又は減圧を行い走行時に必
要な制御が行われる。
【0003】このような制御は、上記各種センサからの
検出信号に基づいて走行時に必要な制御内容が判断さ
れ、ASC制御(Active Stability Control)、ABS
制御(Antilock Brake System )、あるいはBA制御
(Brake Assist)などが、その判断内容に基づいてそれ
ぞれの制御に応じて必要な電磁弁等の動作状態を組合わ
せて行われる。
【0004】上記各種制御を実施する場合、電子制御回
路の主制御部として用いられるマイクロコンピュータへ
は各種センサからの検出信号が送り込まれ、マイクロコ
ンピュータは起動時に自己の回路内の構成部分に故障が
生じていないかを診断する自己診断機能によって自己の
回路内の故障を診断すると共に、各種センサのセンサ自
己診断結果の信号を受入れてセンサに故障が生じていな
いかをも診断するようになっている。
【0005】但し、上記各種センサはそれぞれのセンサ
回路で測定する信号に故障が生じていないかを自己診断
する自己診断機能を有するセンサが前提である。このよ
うな自己診断機能付きセンサは、例えばPセンサ、Gセ
ンサ、横Gセンサ及び、ヨーレートセンサ又はGセンサ
とヨーレートセンサが一体に構成されたコンバインセン
サに対し1つの小さなマイクロコンピュータが付設さ
れ、各センサの起動時のチェックと起動後の常時チェッ
クとが行われる。
【0006】自己診断は、センサの素子動作のチェッ
ク、センサの断線チェック、内部診断回路のチェック、
センサの電源、GND、出力断線チェックなどである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した自
己診断機能を有するセンサを用いて電子制御回路のマイ
クロコンピュータへセンサ信号を入力するように構成さ
れた回路では、起動時にマイクロコンピュータの自己診
断動作後にセンサの自己診断結果の信号を受入れてセン
サに異常がないかをチェックするようにしている。しか
し、図8に示すように、マイクロコンピュータの自己診
断に時間がかかる場合、同時に起動するセンサでも自己
診断が別個に並行して行われて故障診断信号が出力され
るため、マイクロコンピュータがセンサの故障診断信号
を受信できる許可を与えるタイミングでは故障診断信号
を受け取ることができないというタイミングのずれ(遅
れ)が生じることがある。
【0008】一方、自己診断機能を有するセンサは、セ
ンサ素子で測定した信号をセンサ信号として出力すると
共に、自己診断の結果を自己診断信号として異常であれ
ばL 0 、正常であればHiの信号を出力する2つの出力
ラインを有する場合があるが、このようなセンサの中に
自己診断信号として起動直後に異常信号(L0 出力)を
数秒間出力する機能を設け、自己診断信号が正常である
かを判定できるようにしたものがある。自己診断信号の
回路が正常であれば、強制的に異常信号を送っても、出
力はその指示通りの信号を出力できるはずであり、仮り
に自己診断回路が正常信号側に固着して正常信号を出し
続けるような正常側固着故障が生じている場合は、異常
信号を送ってもL0 出力状態とならないことにより自己
診断信号回路の故障を検出できるようにするためであ
る。
【0009】しかしながら、このような有用な機能を有
する自己診断型センサを用いた場合、電子制御回路内で
このようなセンサの機能を有効に作用させる対策を予め
施さずに、単にこのようなセンサの出力をマイクロコン
ピュータに接続するだけでは、次のような不都合が生じ
る。即ち、マイクロコンピュータに電源を供給するライ
ンが何らかの理由で瞬間的に電圧が低下したりするとマ
イクロコンピュータにリセット信号が入力されるように
なっているため、マイクロコンピュータはリセットされ
るが、この時マイクロコンピュータは同様にセンサにも
リセットがかかることを想定してセンサからの数秒間の
異常信号を待つ。
【0010】しかし、マイクロコンピュータがリセット
されてもセンサも必ずリセットされるとは限らずリセッ
トされない場合があり、このようなときはセンサからの
自己診断信号はHiのままである。このため、マイクロ
コンピュータはHiの自己診断信号は正常側固着信号で
あり、自己診断回路が故障していると判断して、センサ
信号を受信しなくなる。従って、マイクロコンピュータ
のリセット動作に対し何ら対策を施さないままセンサを
接続するとマイクロコンピュータが誤動作する。
【0011】この発明は、上記の第1の問題に留意し
て、故障の有無を自己診断するマイクロコンピュータに
受信可能なタイミングで自己診断型センサの自己診断結
果を表す信号を適正なタイミングを以て送り出し、自己
診断信号の誤処理の防止を簡易な手段で実施し得るよう
にしたセンサ自己診断信号適正処理機能付き車載電子制
御回路を提供することを課題とする。
【0012】又、上記課題に加えて、自己診断信号に正
常側固着故障検出信号を含む種類のセンサを用いた際
に、この検出信号によりマイクロコンピュータのリセッ
ト時や正常側固着故障状態での起動時にマイクロコンピ
ュータが誤処理しないようにしたセンサ入力誤処理回避
式車載電子制御回路を提供することをもう1つの課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記第1の
課題を解決する手段として、車載電源部から電源回路を
経て電源を供給され、制御対象のアクチュエータを制御
するための制御信号を出力し、自己診断機能を有するマ
イクロコンピュータを備えた電子制御回路において、自
己診断機能を有するセンサをマイクロコンピュータに接
続し、車載電源部からセンサへ別個に電源を供給する経
路に遅延スイッチ手段を設け、電源が供給されたマイク
ロコンピュータから指令信号を遅延スイッチ手段へ送る
と電源をセンサへ送り、センサ起動時の自己診断信号を
マイクロコンピュータ起動時の自己診断後に受入れるよ
うにしたことを特徴とするセンサ自己診断信号適正処理
機能付き車載電子制御回路としたのである。
【0014】上記の構成とした第1の発明のセンサ自己
診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路では、セン
サ入力のマイクロコンピュータへの入力タイミングを適
正化することによりセンサ入力の誤処理を回避して適正
な演算制御が行われる。マイクロコンピュータとセンサ
はそれぞれ自己の回路内の構成、機能について自己診断
する機能を備えていることが前提である。又、マイクロ
コンピュータへの電源と、センサへの電源とはそれぞれ
別個の電源回路を介して供給されるが、元の電源部は共
通であり、この電源部から分岐して電源が送られる。
【0015】しかし、センサへの電源供給はマイクロコ
ンピュータ内の自己診断処理後に出力される指令信号を
遅延スイッチ手段へ送ることによりスイッチをONとし
て他の電源回路を経て送られる。電源が供給されたセン
サが起動した直後にセンサ内の自己診断が行われ、その
自己診断結果の信号が正常であればセンサ信号と共にマ
イクロコンピュータはこれらの信号を読込んで適正な演
算処理をし、制御が行われる。従って、センサからの信
号がマイクロコンピュータの自己診断処理が終わってい
ないため入力されず、正常な信号として処理されないと
いう不都合は生じない。
【0016】第2の発明は、上記第2の課題を解決する
手段として採用されるものであり、第1の発明を前提と
し、かつ前記センサをセンサの起動直後に短時間だけ異
常出力となる信号を含む自己診断信号をセンサ信号とし
て出力する、又は自己診断信号をセンサ出力と別に持
ち、起動直後に短時間だけ出力L0 となる自己診断信号
を出力するセンサとし、マイクロコンピュータが起動し
た後マイクロコンピュータにリセット信号が入力される
と遅延スイッチ手段への指令信号をOFFとしてセンサ
をリセットし、マイクロコンピュータの再起動後にセン
サも再起動させてマイクロコンピュータの自己診断後
に、センサ起動時の自己診断信号を受入れることにより
本来の異常信号と誤らないようにしたセンサ自己診断信
号適正処理機能付き車載電子制御回路である。
【0017】この発明においては、第1の発明のよう
に、マイクロコンピュータの起動後にセンサを起動させ
てセンサからの信号をマイクロコンピュータの自己診断
後に適正に受信して処理することは勿論、さらにマイク
ロコンピュータにのみリセット信号がかかった時やセン
サの自己診断信号が正常固着側故障状態にある時でもそ
れぞれの信号を正しく受信し、適正な処理が行われる。
なお、この発明のセンサは、自己診断結果の信号を起動
時のみ異常信号であるL0 とすることによりその回路系
が異常時に異常と判断できるかどうかを確認できる機能
を有するものである。又、このセンサは、第3の発明に
おいても同様に用いられている。
【0018】第3の発明は、上記第2の課題を解決する
もう1つの手段として採用されるものであり、車載電源
部から電源回路を経て電源を供給され、制御対象のアク
チュエータを制御するための制御信号を出力し、その作
動の自己診断機能を有するマイクロコンピュータを備え
た電子制御回路において、自己診断機能を有し、センサ
の起動直後に短時間だけ出力L0 となる信号を含む自己
診断信号を出力するセンサをマイクロコンピュータに接
続し、車載電源部からセンサへ別個に電源を供給する経
路に他の電源回路を設け、上記センサはセンサ素子によ
る測定信号を検出する検出回路に信号付加手段を接続し
てセンサ起動時の自己診断信号の出力と同時にセンサ付
加信号を信号付加手段により出力するように構成し、マ
イクロコンピュータのみにリセット信号が入力された場
合、マイクロコンピュータはセンサの自己診断信号とセ
ンサ付加信号の両信号に基づいてセンサが異常なのか、
マイクロコンピュータ自身のみがリセットがかかったの
かを判断できるようにしたことを特徴とするセンサ自己
診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路である。
【0019】この発明では、マイクロコンピュータとセ
ンサへはそれぞれの別個の電源回路を経由して電源部か
ら電源が送られるが、第1、第2の発明のように遅延ス
イッチ手段は設けられていない。しかし、センサは第2
の発明と同じく自己診断機能を有し、かつセンサの起動
直後に短時間だけ出力OFFの信号を含む自己診断信号
を出力するものとしている。又、センサ信号に対しては
センサ付加信号を付加出力するようにしているから、マ
イクロコンピュータはこれらの信号を受信すれば、セン
サからのそれぞれの信号を識別してマイクロコンピュー
タの起動直後であれ、リセット時であれセンサからの信
号が正常な信号であるか、正常側固着故障の自己診断信
号を含む信号であるかを識別して正しい処理が行われ
る。
【0020】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1は第1実施形態のセンサ自
己診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路の全体概
略ブロック図である。図示の電子制御回路10に用いら
れているマイクロコンピュータ11は制御対象のアクチ
ュエータ(図示せず)を制御するための制御信号を出力
するが、この実施形態では自動車の車輪ブレーキを制御
する液圧回路内に備えられた主として複数の電磁弁を制
御対象のアクチュエータとするものである。複数の電磁
弁のそれぞれの開、閉状態を組合わせて、例えばASC
制御(Active Stability Control, 車両走行安定制
御)、ABS制御(Antilock Brake System )、BA制
御(Brake Assist)など種々の制御をセンサ14からの
検出信号に基づいて行う装置の電子制御回路10であ
る。
【0021】図示のように、車載電源部であるバッテリ
Bからの電源は、電源回路12を経てマイクロコンピュ
ータ11へ供給され、又電源回路13を経てセンサ14
へ供給されるようそれぞれ別個に経路が設けられてい
る。電源回路12、13は、マイクロコンピュータ11
とセンサ14の動作電圧が異なるため、あるいはマイク
ロコンピュータの電源をノイズから保護するためセンサ
電源と分けてそれぞれ別個に設けられているが、その機
能は安定化電源を供給するための回路であり、基本的に
は同じ機能部材である。電源回路12からは、マイクロ
コンピュータ11への電源電圧が何らかの原因により瞬
間的に低電圧になった場合にマイクロコンピュータの誤
動作を防止するためにの符号で示すラインからリセッ
ト信号を入力するように接続されている。
【0022】電源回路13からセンサ14へ電源を供給
するラインには、図示のように、遅延スイッチ手段1
5が挿置され、マイクロコンピュータ11からの指令信
号の入力によって遅延スイッチ手段15をONとし、
これにより電源を供給するようにしている。センサ14
は、自己診断機能を有する型式のものが用いられてお
り、センサ素子14aによる測定信号はセンサ回路14
bに入力され、その測定信号から測定対象の状態量を小
さなマイクロコンピュータを用いた検出回路14cで検
出してその検出信号をセンサ信号として制御用のマイ
クロコンピュータ11へ送ると共に、センサ素子を含む
検出回路14cの自己診断をする自己診断回路14dを
備え、その自己診断信号もセンサ信号と同一経路を
経てマイクロコンピュータ11へ送るように構成されて
いる。
【0023】なお、上記センサ14のセンサ素子14a
はこの実施形態では圧力センサであり、その自己診断信
号はセンサ素子14aや検出回路14c自体の動作電圧
が正常であることを表すHiの信号の組合わせより成
り、センサ14の起動直後に出力され、これらの自己診
断信号が出力されなければ(L0 信号)、いずれかに故
障があることとなる。
【0024】以上のように構成したこの実施形態のセン
サ自己診断信号適正処理機能付き車載電子制御回路によ
れば、マイクロコンピュータ11の起動時に自己診断動
作に時間が長くかかったとしてもセンサからの自己診断
信号を無視することなく受信して、センサの自己診断信
号が示す状態に対応してセンサ信号に基づく適正な演算
処理が行われる。
【0025】電源部から電源が送られると電源回路12
を介してマイクロコンピュータは直ちに起動し、まず内
部回路の動作電圧が正常であるかなどの自己診断動作を
する。そして、自己診断の結果異常がなければセンサ1
4からのセンサ自己診断信号やセンサ信号に対する
信号受信許可を入力ラインに対し与えると共に、指令信
号を出力して遅延スイッチ手段15をONにする。こ
れにより電源部からの電源が電源回路13からセンサ1
4に供給される。
【0026】電源が供給されたセンサ14も、起動直後
にセンサ素子14aやセンサ回路14bの動作電圧、断
線、ショートなどの異常がないかについて自己診断回路
14dによりチェックし、その自己診断信号をセンサ
信号と同じラインに出力する。従って、このような動
作順序で起動し、信号を出力するセンサ14からの信号
は、マイクロコンピュータ11が外部からの入力信号の
受入れ準備が完了して受信されるため、無視されること
なくマイクロコンピュータ11に確実に受入れられ、そ
の後の演算処理を適正に確実に実行できることとなる。
【0027】図2に以上の動作タイミングをタイムチャ
ートとして示す。この図からマイクロコンピュータ11
が自己診断終了後に指令信号により外部信号の受入れ
許可を与え、センサの自己診断信号及びセンサ信号
を受入れるようになっていることが分かる。
【0028】図3は第2実施形態のセンサ自己診断信号
適性処理機能付き車載電子制御回路の全体概略ブロック
図を示す。この第2実施形態のセンサ自己診断信号適性
処理機能付き車載電子制御回路は、ハード構成としては
全く第1実施形態と同じであるが、センサ14はその機
能が若干異なる。このセンサ14も第1実施形態と同様
に、センサ素子14a、検出回路14c、自己診断回路
14dを有し、従って自己診断機能を持ち、自己診断回
路14dは正常の場合はHi信号、異常の場合はL0
号を出力するが、その出力信号について正常側固着(H
i固着)の故障がないかの判断をするために起動直後に
異常信号(L0 )を数秒間出力する機能を有する点で異
なっている。これによって、自己診断信号が正常か異常
かを判断することができる。
【0029】なお、上記の自己診断機能を有するセンサ
14の対象は、この実施形態ではGセンサ、横Gセンサ
及びヨーレートセンサを一体型(コンバイン型)に設け
たコンバインセンサであり、前述したように正常側固着
故障検知信号を起動直後に出力する機能を有する。これ
は、正常側固着信号のような誤った信号が出力され続け
ると、各センサによる信号に基づいて行われる演算制御
内容に大きな狂いが生じ、重大な事故に直結する可能性
があるため、センサの信号の信頼性を高めておく必要が
あるからである。従って、自己診断機能を有するセンサ
が全て上記のような正常側固着故障検知信号を有する訳
ではない。
【0030】この実施形態では、マイクロコンピュータ
11の自己診断後にセンサ14を起動させ、センサ14
からの自己診断信号及びセンサ信号をマイクロコン
ピュータ11が受信可能になった状態で受信するように
指令信号によりセンサ14への電源供給タイミングを遅
らせてセンサからの信号の入力タイミングの適正化を図
ることについては第1実施形態と同様である(図4の
(a)のタイムチャート参照)。しかし、この実施形態
では走行中にマイクロコンピュータ11のみに何らかの
原因でリセット信号が入力されたときに、センサの自己
診断信号が異常信号であると誤認されないようにして
センサ信号を正常な信号として適正な処理ができるよ
うにしている(図4の(b)のタイムチャート参照)。
【0031】図4の(b)に示すように、マイクロコン
ピュータ11にリセット信号が入力されると、指令信
号が一定時間L0 となり、同時にセンサ14への電源
供給が遮断されるためセンサ14の自己診断信号、セ
ンサ信号も出力がOFFとなるが、リセット信号がH
iになれば、指令信号、自己診断信号、センサ信号
も直ちにHiに復帰し、かつ自己診断信号は起動時
と同様に一定時間L0になり、これによりマイクロコン
ピュータ11はセンサ14が正常動作していると認識
し、その後の制御動作が適正に行われる。
【0032】仮りに従来のように、指令信号のライ
ン、遅延スイッチ手段15を設けることなく、従って指
令信号によりセンサ14への電源供給を停止しないま
まとすると、マイクロコンピュータ11へリセット信号
が入力されても、センサ14への電源供給は遮断され
ないから、センサ14の自己診断信号はHiのままと
なり、センサ信号もHiのままマイクロコンピュータ
11へ送られるが、マイクロコンピュータ11では自己
診断信号がHiであるため、センサ14の自己診断信
号は正常側固着の異常状態にあると判断し、センサ信
号を受信せず、従ってセンサ14からのセンサ信号
はHiであるに拘らずマイクロコンピュータ11内では
0 の状態として処理が行われることとなる。以上か
ら、この実施形態では起動時及び走行中にセンサ14か
らの信号を確実に受信して適正な処理が行われることが
分かる。
【0033】図5は第3実施形態のセンサ自己診断信号
適性処理機能付き車載電子制御回路の全体概略ブロック
図である。この実施形態では、電子制御回路10は従来
と同じである(遅延スイッチ手段は設けられていない)
が、センサ14の構成、機能が従来と異なる。第1実施
形態と同じ部材については同じ符号を付し、重複説明は
省略する。センサ14は第2実施形態と同じ基本構成、
機能であるが、信号付加回路14eを設けた点が異な
る。
【0034】上記信号付加回路14eは、検出回路14
cからのセンサ信号のラインに付加されており、セン
サ14の起動時にセンサ信号の送信の前に付加信号をセ
ンサ信号について付加するために設けられている。こ
の付加信号は、後で説明するように、センサ14の自己
診断回路14dに異常が生じている場合を識別するため
である。又、センサ14の基本機能は、第2実施形態と
同じであるから、図6の(a)に示すように、起動時に
はマイクロコンピュータ11にリセット信号が入力さ
れると同時にセンサ14から自己診断信号、センサ信
号が出力される。自己診断信号は自己診断について
の異常がないことをある一定時間出力して示すL0
号、センサ信号についてもその信号が正常であること
をある一定時間出力して示すL0 信号が含まれているた
め、それぞれの信号からセンサ14に異常がないとマイ
クロコンピュータ11は判断し、その後の処理はセンサ
信号を正常信号として行われる。
【0035】図6の(b)に示すように、走行中にマイ
クロコンピュータ11にのみリセット信号が入力され
ると、その時のセンサ14からの信号がHiであった
場合のみの信号がHiであることを確認することで、
マイクロコンピュータ11のみリセットが作用したとマ
イクロコンピュータ11は判断し、その後の処理に影響
は生じない。
【0036】図6の(c)に示すように、自己診断信号
に正常側固着故障が生じている場合に起動すると、こ
の正常側固着故障の状態が識別される。この場合、起動
直後にリセット信号が立上がると殆ど同時に自己診断信
号、センサ信号が起動するが、自己診断信号が正
常側固着故障していると、センサ14の起動後もHiの
ままで変化しないが、センサ信号はセンサ14の測定
動作そのものが正常である限り、その正常であることを
示す付加信号が出力される。従って、信号がHiのま
まで信号が付加信号であることをマイクロコンピュー
タ11が受信すると、自己診断信号が正常側固着故障
しているとマイクロコンピュータ11は判断し、これに
よりセンサ故障を判断して以後のセンサ情報を制御に使
用せず、場合によってはシステムダウンさせる。
【0037】図7に第1実施形態の車載電子制御回路の
変形例の全体概略ブロック図を示す。この変形例では電
源回路13を省略し、電源回路12をマイクロコンピュ
ータ11とセンサ14に対し同一電源回路として共通に
設けているが、この点以外では第1実施形態と基本的な
構成、作用は同じである。なお、電源回路13を省略
し、電源回路12を共通としてマイクロコンピュータ1
1とセンサ14へ電源を供給する回路構成は図3の第2
実施形態、図5の第3実施形態に共通に適用できること
は明らかであり、詳細な説明は省略するが同様に適用さ
れる。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この出願の
第1の発明の車載電子制御回路は自己診断するマイクロ
コンピュータに自己診断機能を有するセンサの信号を入
力する際にセンサへの電源供給のタイミングをマイクロ
コンピュータからの指令を遅延スイッチ手段に与えるこ
とにより遅らせてセンサの信号の入力をマイクロコンピ
ュータが誤処理しないようにタイミングを図って送るよ
うにしたから、センサの自己診断信号をマイクロコンピ
ュータが自己診断をしているため受信せず、受信可能な
タイミングになったときでは自己診断でない信号を自己
診断信号としてマイクロコンピュータが誤処理するよう
な不都合が回避され、従って適正なセンサ信号に基づく
適正な処理ができるという効果が得られる。
【0039】第2の発明の車載電子制御回路は、第1の
発明の車載電子制御回路を前提とし、かつセンサは自己
診断機能を有し、センサの起動直後に短時間出力OFF
となる信号を含む自己診断信号を出力するセンサとした
から、マイクロコンピュータのみのリセット時に遅延ス
イッチ手段を利用してセンサもリセットされるため、起
動直後は勿論、リセット時にも自己診断信号を正しく受
信してマイクロコンピュータは適正な処理が可能となる
効果が得られる。
【0040】第3の発明の車載電子制御回路は、マイク
ロコンピュータとセンサへはそれぞれ別個の電源回路を
経て電源を供給し、センサは自己診断機能を有しかつセ
ンサの起動直後に短時間出力L0 となる信号を含む自己
診断信号を出力するセンサとし、又センサ信号に対しセ
ンサ付加信号を出力するセンサとしたから、マイクロコ
ンピュータは起動時、リセット時、あるいはセンサの自
己診断信号の正常側固着故障時の起動時であっても、セ
ンサの自己診断信号とセンサ信号をそれぞれ識別できる
ため、センサの信号を誤処理することが回避され、適正
な処理ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のセンサ自己診断信号適性処理機
能付き車載電子制御回路の全体概略ブロック図
【図2】同上の作用の説明図
【図3】第2実施形態のセンサ自己診断信号適性処理機
能付き車載電子制御回路の全体概略ブロック図
【図4】第2実施形態のセンサ自己診断信号適性処理機
能付き車載電子制御回路の作用の説明図
【図5】第3実施形態のセンサ自己診断信号適性処理機
能付き車載電子制御回路の全体概略ブロック図
【図6】同上の作用の説明図
【図7】第1実施形態のセンサ自己診断信号適性処理機
能付き車載電子制御回路の変形例の全体概略ブロック図
【図8】従来例のセンサ入力を有する車載電子制御回路
の(a)全体概略ブロック図、(b)作用の説明図
【符号の説明】
10 電子制御回路 11 マイクロコンピュータ 12、13 電源回路 14 センサ 15 遅延スイッチ 14a センサ素子 14b センサ回路 14c 検出回路 14d 自己診断回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載電源部から電源回路を経て電源を供
    給され、制御対象のアクチュエータを制御するための制
    御信号を出力し、自己診断機能を有するマイクロコンピ
    ュータを備えた電子制御回路において、自己診断機能を
    有するセンサをマイクロコンピュータに接続し、車載電
    源部からセンサへ別個に電源を供給する経路に遅延スイ
    ッチ手段を設け、電源が供給されたマイクロコンピュー
    タから指令信号を遅延スイッチ手段へ送ると電源をセン
    サへ送り、センサ起動時の自己診断信号をマイクロコン
    ピュータ起動時の自己診断後に受入れるようにしたこと
    を特徴とするセンサ自己診断信号適正処理機能付き車載
    電子制御回路。
  2. 【請求項2】 前記センサをセンサの起動直後に短時間
    だけ異常出力となる信号を含む自己診断信号をセンサ信
    号として出力する、又は自己診断信号をセンサ出力と別
    に持ち、起動直後に短時間だけ出力L0 となる自己診断
    信号を出力するセンサとし、マイクロコンピュータが起
    動した後マイクロコンピュータにリセット信号が入力さ
    れると遅延スイッチ手段への指令信号をOFFとしてセ
    ンサをリセットし、マイクロコンピュータの再起動後に
    センサも再起動させてマイクロコンピュータの自己診断
    後に、センサ起動時の自己診断信号を受入れることによ
    り本来の異常信号と誤らないようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載のセンサ自己診断信号適正処理機能付
    き車載電子制御回路。
  3. 【請求項3】 車載電源部から電源回路を経て電源を供
    給され、制御対象のアクチュエータを制御するための制
    御信号を出力し、自己診断機能を有するマイクロコンピ
    ュータを備えた電子制御回路において、自己診断機能を
    有し、センサの起動直後に短時間だけ出力L0 となる信
    号を含む自己診断信号を出力するセンサをマイクロコン
    ピュータに接続し、車載電源部からセンサへ別個に電源
    を供給する経路に他の電源回路を設け、上記センサはセ
    ンサ素子による測定信号を検出する検出回路に信号付加
    手段を接続してセンサ起動時の自己診断信号L0 の出力
    と同時にセンサ付加信号を信号付加手段により出力する
    ように構成し、マイクロコンピュータのみにリセット信
    号が入力された場合、マイクロコンピュータはセンサの
    自己診断信号とセンサ付加信号の両信号に基づいてセン
    サが異常なのか、マイクロコンピュータ自身のみがリセ
    ットがかかったのかを判断できるようにしたことを特徴
    とするセンサ自己診断信号適正処理機能付き車載電子制
    御回路。
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