JP2003260546A - 鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、及び、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズル - Google Patents

鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、及び、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズル

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JP2003260546A
JP2003260546A JP2002065083A JP2002065083A JP2003260546A JP 2003260546 A JP2003260546 A JP 2003260546A JP 2002065083 A JP2002065083 A JP 2002065083A JP 2002065083 A JP2002065083 A JP 2002065083A JP 2003260546 A JP2003260546 A JP 2003260546A
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JP
Japan
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refractory
nozzle
mass
sio
steel
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JP2002065083A
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English (en)
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Masanori Ogata
昌徳 小形
Yukio Okawa
幸男 大川
Chikasuke Inoue
慎祐 井上
Toshio Horiuchi
俊男 堀内
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Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導率が低く、かつ耐溶損性及び耐スポー
リング性が優れ、鋳造中に耐火物稼動面へのアルミナ等
の酸化物あるいは地金の付着を防止し、安定操業や鋼の
品質向上に寄与し得る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、
及び、この耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルを提供
する。 【解決手段】 浸漬ノズル又はセミノズルのパウダーラ
イン部を除く本体部を構成する耐火物の組成として、カ
ーボンが5〜30質量%、SiO2成分(但し、SiC
の酸化により生成するSiO2を除く)が20質量%を
超え90質量%以下含有し、かつ該耐火物の500℃に
おける熱伝導率が10W/mK以下である鋼の連続鋳造
耐火部材用耐火物。この耐火物を、浸漬ノズル又はセミ
ノズルのパウダーライン部を除く本体部に配設した鋼の
連続鋳造用ノズル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造耐火
部材用耐火物、及び、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用
ノズルに関し、更に詳しくは、熱伝導率が低く、かつ耐
溶損性及び耐スポーリング性が優れ、鋳造中に耐火物稼
動面へのアルミナ等の酸化物あるいは地金の付着を防止
し、安定操業や鋼の品質向上に寄与し得る鋼の連続鋳造
耐火部材用耐火物、及び、この耐火物を用いた鋼の連続
鋳造用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造に用いられるノズルとして
は、浸漬ノズルやセミノズル等が知られている。これら
の連続鋳造用ノズルは、モールドパウダースラグに接し
耐蝕性が非常に要求される“パウダーライン部”と、そ
れ以外の“本体部”とからなるのが一般的である。しか
し、場合によっては、パウダーライン部より下部の完全
に溶鋼に浸漬している部分を“浸漬部”ということもあ
り、耐蝕性が問われる場合には、浸漬部専用材質を配設
することもある。
【0003】また、浸漬ノズルの場合、浸漬ノズルの上
部にコレクターノズルを使用することがあり、このコレ
クターノズルと接する部位を“嵌合部”ともいうが、こ
の部位には、操業条件によっては酸化による脆化を防止
するため、嵌合部専用材質を配設することもある。しか
し、本体部材質をそのまま適用する場合も多い。更に、
ノズルの内管稼動面にアルミナ等の酸化物あるいは地金
が付着することが多く、これを防止するために、ノンカ
ーボン材質等の内管専用材質を配設することがあり、こ
の部位を“内管部”ともいう。
【0004】従来の浸漬ノズル,セミノズルといった連
続鋳造用ノズルについて、更に説明すると、パウダーラ
イン部を除く本体部には、一般に、アルミナ−黒鉛質,
アルミナ−シリカ−黒鉛質,ジルコニア−黒鉛質,スピ
ネル−黒鉛質などの黒鉛含有耐火物が用いられている。
しかしながら、これらの材質は、黒鉛を含有するため、
耐スポーリング特性には優れるが、黒鉛は高熱伝導特性
を有するため、耐火物を通じて溶鋼の熱が外部に放散さ
れやすい、という欠点を併せ持つ。
【0005】この高熱伝導特性のため、例えば浸漬ノズ
ルの場合、ノズル中を流下する溶鋼の熱が浸漬ノズルの
本体材質を通じて外部に放散されやすいため、ノズル内
管稼動面に地金あるいはアルミナ等の酸化物が付着しや
すい、という問題があった。また、モールド内の溶鋼の
熱が、浸漬ノズルの浸漬部からパウダーライン部,本体
部の上側へと伝わって放散されることにより、モールド
内の浸漬ノズル近傍の湯面が冷やされ、モールドパウダ
ーの滓化速度の低下,メニスカスにおける鋼の凝固特性
の不均一化を引き起こし、特に中炭素鋼では、鋳片の縦
割れにつながる場合があった。
【0006】これらの問題に対応するため、従来から主
に構造面での改良が施されてきており、(1)本体部材質
中に数mmの間隙を設けたスリット構造とすること、
(2)パウダーライン部を断熱構造とすること、または、
(3)熱伝導率の低いノンカーボン材質をノズルの内管に
配設した構造とすることが行われている。
【0007】例えば、前記(1)の具体例として、特開平
5−367号公報には、「材質として特定の粒度分布の
ジルコニア粒子を用い、浸漬ノズルの胴体部中に断熱ス
リットをほぼ全長に及んで同心状に形成すること」が開
示されている。また、同じく前記(1)の具体例として、
特開平4-294847号公報には、「ロングノズル1
軸方向全長に対してその非浸漬部の全域中の任意の部分
に、そして肉厚に対して内孔面及び外周面より夫々25
%を除いた範囲内に0.2〜8mmの厚さの断熱層を連
続または不連続で形成してなるロングノズル」が開示さ
れている。
【0008】前記(2)の具体例としては、例えば特開平
2−155546号公報には、「特定の耐火物原料から
なり、浸漬時にスラグ面と接触すると想定されるノズル
部分の少なくともスラグ上面近傍を含む領域(即ちパウ
ダーライン部)を断熱構造としたことを特徴とする連続
鋳造用浸漬ノズル」が開示されている。
【0009】また、前記(3)の“熱伝導率の低いノンカ
ーボン材質をノズルの内管に配設した構造”としては、
例えば特開2000−312952号公報には、「溶融
金属をモールド内に供給する浸漬ノズルにおいて、1.
5〜4.0W/mKの熱伝導率を持ち内孔側に配設され
た内側耐火物と、この内側耐火物の外側に配設され15
〜28W/mKの熱伝導率を持つ外側耐火物とで2層構
造にしたことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル」が開
示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)の“本体部材
質中に数mmの間隙を設けたスリット構造とすること”
では、スリットを設けない構造より多少は断熱効果があ
るが、それよりも、前記(3)の“ノンカーボン材質をノ
ズルの内管に配設した構造とすること”の方が比較的断
熱効果に優れている。しかしながら、内管にノンカーボ
ン材質を配設しても、内管材の数倍の厚みを有する外側
の本体部材質に、耐スポーリング特性を重視するあま
り、黒鉛を多量に添加しただけの従来材質を使用してい
ると、黒鉛は非常に熱伝導率が高いため、ノズル全体と
しての断熱効果が発現し難くなるという問題があった。
また、前記(2)の“パウダーライン部を断熱構造とする
こと”のみでは、ノズル全体としての断熱効果が発現し
難いという問題があった。
【0011】本発明者等は、上記問題点を解決すること
を意図して鋭意検討した結果、本発明を完成したもので
あって、本発明の目的は、内管部材質のみならず、本体
部材質を低熱伝導化することにより、ノズルを介しての
抜熱を大幅に抑制し、ノズル内管部へのアルミナ等の酸
化物や地金の付着を防止し、しかも、耐溶損性及び耐ス
ポーリング性に優れ、安定操業や鋳片品質の向上に寄与
する鋼の連続鋳造用耐火部材用耐火物、及び、この耐火
物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルを提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等の研究によれ
ば、耐スポーリング特性の確保のため、カーボン原料を
5〜30質量%配合しても、SiO2−Al23系耐火
物原料の種類および配合量を選択し、SiO2成分を適
正な範囲にすることで、従来のカーボン含有系材質と比
較して、著しく低熱伝導化し得ることを見出した。すな
わち、本発明に係る鋼の連続鋳造用耐火部材用耐火物
は、 ・浸漬ノズルまたはセミノズルのパウダーライン部を除
く本体部を構成する耐火物の組成として、カーボンが5
〜30質量%、SiO2成分(但し、SiCが酸化するこ
とにより生成するSiO2を除く)が20質量%を超え9
0質量%以下含有し、かつ、該耐火物の500℃におけ
る熱伝導率が10W/mK以下であること(請求項1)、 ・前記SiO2成分を含む原料が、SiO2成分を10質
量%以上含み、かつSiO2成分とAl23成分の合計
量が80質量%以上である耐火物原料を含み、該耐火物
原料の1種または2種以上を組み合わせて、合計で5〜
95質量%配合してなること(請求項2)、 ・前記SiO2成分を含む原料が、嵩比重が3.0以下
の耐火物原料を含み、該耐火物原料の1種または2種以
上を組み合わせて、合計で5〜95質量%配合してなる
こと(請求項3)、 を特徴とし、これにより前記目的とする鋼の連続鋳造用
耐火部材用耐火物を提供するものである。
【0013】一方、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズル
は、 ・上記請求項1〜3のいずれかに記載の鋼の連続鋳造耐
火部材用耐火物を、浸漬ノズルまたはセミノズルのパウ
ダーライン部を除く本体部に配設してなること(請求項
4)、 を特徴とし、これにより前記目的とする鋼の連続鋳造用
ノズルを提供するものである。
【0014】なお、本発明において、“本体部”とは、
前記した浸漬部,嵌合部,内管部にそれぞれ専用材質を
配設する必要がない場合、パウダーライン部を除くすべ
ての部位を指すものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明すると、本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐
火物は、前記したとおり、カーボン及びSiO2成分を
特定量含有し、500℃における熱伝導率が10W/m
K以下であることを特徴とする。すなわち、本発明に係
る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、高熱伝導特性を有
するカーボン原料の添加量が一般的な範囲にありながら
も、SiO2−Al23系耐火物原料の種類および配合
量を選択し、SiO2成分を適正な範囲にすることで、
低熱伝導特性を具備させたものである。
【0016】また、本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材
用耐火物の低熱伝導特性は、前記した“SiO2成分を
適正な範囲にすること”に加えて、嵩比重が3.0以下
の軽量耐火物原料(SiO2−Al23系耐火物原料)を
適量配合することで、より一層発現させることができ
る。すなわち、嵩比重が小さい原料を配合することによ
り熱伝導率を低下させ、かつ、この低嵩比重の原料に、
耐火物として必要な耐溶損特性や耐磨耗性,適正熱膨張
特性を有する原料を選択することにより、新たな低熱伝
導性耐火物を開発したものである。
【0017】本発明に係る連続鋳造耐火部材用耐火物に
おいて、カーボン原料の配合量は、5〜30質量%の範
囲内である。カーボン原料が5質量%未満では、耐スポ
ーリング特性が低下し、また30質量%を超えると、耐
溶損特性が低下するため、好ましくない。なお、予熱が
不充分な操業条件が現実に存在することを考慮すると、
耐スポーリング特性及び耐溶損特性の面から、より好ま
しくは10〜25質量%の範囲である。また、カーボン
原料としては、特に限定されるものではないが、各種黒
鉛やカーボンブラック等を使用することができる。
【0018】本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火
物において、SiO2成分は20質量%を超え90質量
%以下の範囲である。但し、この範囲からは、SiCを
添加しこれが酸化することにより生成するSiO2の量
を除く。その理由は、SiCの酸化生成物であるSiO
2は、低熱伝導特性に何ら寄与しないからである。(し
かし、本発明において、SiCの添加は、必要がないと
しているわけではなく、酸化防止剤あるいは強度向上剤
として、適量添加することは勿論可能である。) 本発明において、SiO2成分が20質量%以下では、
低熱伝導特性が発現し難く、また、90質量%を超える
と、耐溶損特性が低下するため好ましくない。なお、低
熱伝導特性及び耐溶損特性の面から、より好ましくは2
0質量%を超え75質量%以下の範囲である。
【0019】上記SiO2成分を含む原料としては、S
iO2成分を10質量%以上含み、かつSiO2成分とA
23成分の合計量が80質量%以上であるSiO2
Al23系耐火物原料、例えばバンケツ,ボーキサイ
ト,シャモット,コーディエライト,ムライト,電融シ
リカ等の内の1種または2種以上組み合わせて適用し、
これを合計で5〜95質量%配合するのが好ましい。S
iO2成分とAl23成分の合計量が80質量%未満の
SiO2−Al23系耐火物原料では、耐火物として必
要な耐溶損特性や耐磨耗性,適正熱膨張特性を有し、か
つ低熱伝導特性を有するものが得られ難い傾向があるの
で、好ましくない。また、配合割合としては、5質量%
未満では、低熱伝導特性が発現し難い傾向があり、一
方、95質量%を超えると、耐溶損特性および耐スポー
リング特性が低下する傾向があるため好ましくない。よ
り好ましくは“10〜90質量%”である。
【0020】さらに、上記SiO2成分を含む原料(Si
2−Al23系耐火物原料)としては、その嵩比重が
3.0以下の耐火物原料の1種又は2種以上を合計で5
〜95質量%配合するのが好ましい。嵩比重が3.0を
超える原料を用いると、低熱伝導特性を発現し得ない傾
向がある。また、配合量としては、前記と同様、5質量
%未満では、低熱伝導特性が発現し難い傾向があり、一
方、95質量%を超えると、耐溶損特性および耐スポー
リング特性が低下する傾向があるため好ましくない。よ
り好ましくは“10〜90質量%”である。
【0021】本発明に係る連続鋳造耐火部材用耐火物の
好ましい実施形態としては、前記した「SiO2成分を
10質量%以上含み、かつSiO2成分とAl23成分
の合計量が80質量%以上であるSiO2−Al23
耐火物原料」を適量配合し、しかも、この耐火物原料と
して「嵩比重が3.0以下の軽量耐火物原料」を用いる
ことである。
【0022】本発明の耐火物は、例えば浸漬ノズルの場
合、パウダーライン部を除く本体部に用いるのが好まし
い。なお、内管部には、本体部材質とは別材質の例えば
ノンカーボン材質を配材することが可能であり、公知の
断熱スリット構造とすることも可能である。また、浸漬
部の耐蝕性が問われる場合には、浸漬部専用材質を配材
することができ、コレクターノズルと接する嵌合部に
も、嵌合部専用材質を配設することが可能である。
【0023】ここで、前記“従来の技術”の項で挙げた
先行技術と本発明とを対比することで、本発明をさらに
詳細に説明する。
【0024】本発明に関連する、ノズルを介しての抜熱
を抑制する先行技術としては、前掲の特開平5−367
号公報があり、これには、「浸漬ノズルの胴体部中に断
熱スリットをほぼ全長に及んで同心状に形成する構造」
が開示されている。しかし、これは、材質的には、浸漬
ノズルのパウダーライン部における耐蝕性向上のため、
主にジルコニア粒子の粒度分布を規定したものであり、
これと断熱スリット構造とを組み合わせたものである。
従って、パウダーライン部を除く本体部にSiO2−A
23−C系の新低熱伝導材質を適用する本発明とは、
異なるものである。
【0025】また、前掲の特開平4−294847号公
報には、「ロングノズル1軸方向全長に対してその非浸
漬部の全域中の任意の部分に、そして肉厚に対して内孔
面及び外周面より夫々25%を除いた範囲内に0.2〜
8mmの厚さの断熱層を連続または不連続で形成してな
るロングノズル」が開示されている。上記公報では、主
として断熱スリット構造について示されているが、材質
例としては、Al2O3:43.1%,SiO2:25.7%,黒鉛:31.
2%よりなる骨材配合物を用いて検討している。これに
対して、本発明では、「カーボン:5〜30質量%」と
するものであるから、上記公報に記載のものとは、カー
ボンの範囲が異なるものである。また、上記公報では、
母材の素材として、熱伝導率の低い例えばアルミナ,シ
リカ,ムライトなども使用できると記載されている。確
かに、これらのみのノンカーボン材質あるいは極低カー
ボン材質であれば、低熱伝導材質となる。しかし、現段
階では、ロングノズルの本体部材質として、ノンカーボ
ンあるいは極低カーボン材質は確立されておらず、故に
一般的な範囲のカーボンを配合した材質であるはずであ
り、本体部材質の熱伝導率が具体的に記載されていない
ところからみても、材質的には何ら新規な点は考慮され
ていないとみられる。すなわち、上記公報では、ロング
ノズルにおける断熱スリット構造についてのみの発明が
開示されていると解されるから、新規な低熱伝導材質を
見出した本発明とは、異なるものである。
【0026】前掲の特開平2−155546号公報に
は、「浸漬時にスラグ面と接触すると想定されるノズル
部分の少なくともスラグ上面近傍を含む領域を断熱構造
とした連続鋳造用浸漬ノズル」が開示されている。そし
て、この公報で開示されている耐火物の材質は、ZrO2
0〜60%,Al2O3:0〜60%,SiO2:0〜20%,SiC:0〜20
%,C:0〜20%であり、ZrO2とAl2O3を合せて40%以上
とし、SiCとCを合せて5〜30%としている。これは、SiC
が酸化することにより生成するSiO2を除くSiO2成分が2
0質量%を超え90質量%以下である本発明とは、異な
るものである。更に、上記公報での断熱構造領域は、ス
ラグ上面近傍であり、これは、パウダーライン部に相当
する領域であり、本発明が主としてパウダーライン部を
除く本体部に新規な低熱伝導材質を配設する点において
も、部位的に異なるものである。
【0027】また、前掲の特開2000−312952
号公報には、「溶融金属をモールド内に供給する浸漬ノ
ズルにおいて、1.5〜4.0W/mKの熱伝導率を持
ち内孔側に配設された内側耐火物と、この内側耐火物の
外側に配設され15〜28W/mKの熱伝導率を持つ外
側耐火物とで2層構造にしたことを特徴とする連続鋳造
用浸漬ノズル」が開示されている。すなわち、この公報
には、従来からの高熱伝導材質を本体部に適用し、内管
部に熱伝導率の低いノンカーボン材質を配設した構造を
示しており、新規な低熱伝導材質を本体部に適用した本
発明とは、異なるものである。
【0028】次に、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズル
の実施形態(本発明の耐火物のノズルへの適用例)につ
いて、図1〜4を参照しながら説明する。
【0029】図1は、本発明の耐火物を浸漬ノズルの本
体部に適用した例であって、適用部位を、(3)のパウダ
ーライン部を除き、(1)の本体部(嵌合部),(2)の本体
部,(4)の本体部(浸漬部)としたものである。図2は、
図1と同様、本発明の耐火物を浸漬ノズルの本体部に適
用した例であるが、(5)で示す内管部にノンカーボン材
質を配材し、これと組み合わせた例である。図3は、本
発明の耐火物をセミノズルの本体部(2)に適用した例で
ある。図4は、図3と同様、本発明の耐火物をセミノズ
ルの本体部(2)に適用した例であるが、(5)で示す内管部
にノンカーボン材質を配材し、これと組み合わせた例で
ある。なお、図1〜4は、本発明の耐火物の“鋼の連続
鋳造耐火部材への好適な適用例”を示したものであり、
本発明の耐火物の配設の組み合わせは、これらに限定さ
れるものではない。
【0030】ここで、本発明のノズルを使用した鋼の連
続鋳造を図5,図6に示す。図5は、前記図1に示す浸
漬ノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図であり、図6
は、前記図3に示すセミノズルを使用した鋼の連続鋳造
の概念図である。図中、(2)は本体部,(3)はパウダーラ
イン部,(4)は本体部(浸漬部),(6)はモールドパウダ
ー,(7)はモールド,(8)は溶鋼である。溶鋼(8)は、図
5,図6に示すように、ノズルを通って、モールド(7)
内に連続注入される。
【0031】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物及びこの耐
火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルについて、具体的に
説明する。
【0032】(実施例1〜6,比較例1〜6)表1に示
す原料を使用し、表2(実施例)および表3(比較例)に示
す配合割合を有する耐火原料配合物に、バインダーとし
てフェノール樹脂を外掛けで、同じく表2および表3に
示す量加え、混練後200℃で10時間乾燥し、ノズル
形状に成形した。成形後、還元雰囲気中1100℃で3
時間焼成することにより、実施例1〜6および比較例1
〜6のノズルを得た。
【0033】得られた各ノズルについて、「500℃で
の熱伝導率(W/mK)」「耐スポーリング性」「耐溶損
性」を以下に記載する方法で測定し、表2および表3に
示した。また、それら結果から以下に記載する評価基準
により「総合評価」を行い、同じく表2および表3に示
した。
【0034】「500℃での熱伝導率(W/mK)」の測
定 熱流法により測定したものであり、具体的には、円柱状
の試料の一端に取り付けたヒーターより熱流を流し、こ
の時、試料に生じた温度勾配より求める方法である。 「耐スポーリング性」の測定 高周波誘導炉での溶鋼中への浸漬試験で測定したもので
あり、具体的には、ノズル形状に成形したものを、16
00℃の溶鋼中に5分間浸漬して、割れが発生するか否
かを調べる方法である。なお、測定の結果、割れが生じ
なかったものを“○”とし、割れが生じたものを“割
れ”として、表2,表3に表示した。 「耐溶損性」の測定 高周波誘導炉での溶銑中への浸漬試験で測定したもので
あり、具体的には、角柱状に成形したものを1600℃
の溶銑中に1時間浸漬して、溶損の有無を調べる方法で
ある。なお、測定の結果、全く溶損しなかったものを
“○”、若干溶損したものを“若干溶損”、溶損したも
のを“溶損”として、表2,表3に表示した。
【0035】「総合評価」の評価基準「 ◎」:熱伝導率が10W/mK以下で、かつ耐溶損性及
び耐スポーリング性が実用レベルを満足するもの。「 ○」:熱伝導率が10W/mK以下で、かつ耐スポーリ
ング性が実用レべルを満足しており、一方、実用レベル
には問題ないけれども、若干の溶損が認められるもの。「 ×」:熱伝導率が10W/m・Kを超えるか、耐溶損性
及び/又は耐スポーリング性が実用レベルを満足しない
もの。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】上記表2から、本発明の実施例1〜6で
は、500℃での熱伝導率が10W/mK以下の低熱伝
導率を示し、かつ耐溶損性及び耐スポーリング性が実用
レベルを満足するものが得られた。これに対して、表3
から明らかなように、比較例1〜6では、熱伝導率が高
いか、耐溶損性及び/又は耐スポーリング性が実用レベ
ルを満足しないものであり、総合評価は全て“×”であ
った。
【0040】(中炭素鋼の鋳造試験)更に、実施例3の
組成からなる耐火物を浸漬ノズルの本体部及び浸漬部に
適用して、中炭素鋼の鋳造を行った。また、比較のた
め、比較例5の組成からなる耐火物を、同様に、浸漬ノ
ズルの本体部及び浸漬部に適用して中炭素鋼の鋳造を行
った。その結果、実施例3のノズルでは、ノズル本体外
周面温度が比較例5のノズルより“160℃”低下して
いることが確認され、また、耐溶損性や耐スポーリング
性にも問題がなく、内管へのアルミナ系酸化物及び地金
の付着も、比較例5のノズルの“23mm”に対して
“2mm”と激減し、鋳片縦割れ指数も、比較例5のノ
ズルの“1/8”に減少することが確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、浸漬ノ
ズルまたはセミノズルのパウダーライン部を除く本体部
を構成する耐火物の組成として、カーボンが5〜30質
量%、SiO2成分(但し、SiCが酸化することにより
生成するSiO2を除く)が20質量%を超え90質量%
以下含有し、かつ、該耐火物の500℃における熱伝導
率が10W/mK以下であることを特徴とする。そし
て、このように、浸漬ノズルまたはセミノズルのパウダ
ーライン部を除く本体部材質を低熱伝導化することによ
り、ノズルを介しての抜熱を大幅に抑制し、ノズル内管
部へのアルミナ等の酸化物や地金の付着を防止し、しか
も、耐溶損性及び耐スポーリング性に優れ、安定操業や
鋳片品質の向上に寄与する鋼の連続鋳造用耐火部材用耐
火物、及び、この耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズル
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火物を浸漬ノズルの本体部に適用し
た例である。
【図2】本発明の耐火物を浸漬ノズルの本体部に適用
し、内管材にノンカーボン材質を組み合わせた例であ
る。
【図3】本発明の耐火物をセミノズルの本体部に適用し
た例である。
【図4】本発明の耐火物をセミノズルの本体部に適用
し、内管材にノンカーボン材質を組み合わせた例であ
る。
【図5】浸漬ノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図で
ある。
【図6】セミノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図で
ある。
【符号の説明】
(1) 本体部(嵌合部) (2) 本体部 (3) パウダーライン部 (4) 本体部(浸漬部) (5) 内管部 (6) モールドパウダー (7) モールド (8) 溶鋼
フロントページの続き (72)発明者 井上 慎祐 東京都千代田区九段北四丁目1番7号 品 川白煉瓦株式会社内 (72)発明者 堀内 俊男 東京都千代田区九段北四丁目1番7号 品 川白煉瓦株式会社内 Fターム(参考) 4E014 DA01 DA02 EA01 4G030 AA36 AA37 AA60 BA21 BA23 BA30 BA33 GA14 HA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸漬ノズルまたはセミノズルのパウダー
    ライン部を除く本体部を構成する耐火物の組成として、
    カーボンが5〜30質量%、SiO2成分(但し、SiC
    が酸化することにより生成するSiO2を除く)が20質
    量%を超え90質量%以下含有し、かつ、該耐火物の5
    00℃における熱伝導率が10W/mK以下であること
    を特徴とする鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物。
  2. 【請求項2】 前記SiO2成分を含む原料が、SiO2
    成分を10質量%以上含み、かつSiO2成分とAl2
    3成分の合計量が80質量%以上である耐火物原料を含
    み、該耐火物原料の1種または2種以上を組み合わせ
    て、合計で5〜95質量%配合してなる請求項1に記載
    の鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物。
  3. 【請求項3】 前記SiO2成分を含む原料が、嵩比重
    が3.0以下の耐火物原料を含み、該耐火物原料の1種
    または2種以上を組み合わせて、合計で5〜95質量%
    配合してなる、請求項1または請求項2に記載の鋼の連
    続鋳造耐火部材用耐火物。
  4. 【請求項4】 浸漬ノズルまたはセミノズルのパウダー
    ライン部を除く本体部に、請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物を配設してなる
    ことを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008000809A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Nisshin Steel Co Ltd ストッパー制御型浸漬ノズル
JP4519109B2 (ja) * 2006-06-26 2010-08-04 日新製鋼株式会社 ストッパー制御型浸漬ノズル

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