JP2003260370A - 可視光活性を有する光触媒及びその利用 - Google Patents

可視光活性を有する光触媒及びその利用

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JP2003260370A
JP2003260370A JP2002374858A JP2002374858A JP2003260370A JP 2003260370 A JP2003260370 A JP 2003260370A JP 2002374858 A JP2002374858 A JP 2002374858A JP 2002374858 A JP2002374858 A JP 2002374858A JP 2003260370 A JP2003260370 A JP 2003260370A
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light
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water
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JP2002374858A
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Shinichi Sugihara
愼一 杉原
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KANKYO DEVICE KENKYUSHO KK
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】可視光線も利用可能な新たな光触媒及びこの光
触媒を利用して有機物や細菌を含む種々の物質を光分解
して除去する方法の提供。 【解決手段】 酸化チタンを主成分とする光触媒であっ
て、X線光電子分光法により特定される酸素の1s電子
(但し、感度係数は0.733)に帰属されるピークと
チタンの2p電子(但し、感度係数は2.077)に帰
属されるピークの面積比(O1s/Ti2p)が2.4
0以下である触媒。少なくとも可視光線を含む光を照射
した上記の触媒に被分解物を接触させる物質の分解方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、可視光活性を有す
る光触媒層の形成方法及びこの光触媒層を用いた可視光
線を含む光を用いる光分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光触媒
を用いて脱臭や殺菌を行うことは種々検討され、実用化
されているものもある。例えば、WO94/11092
号には室内照明下における光触媒による空気処理方法が
開示されている。また特開平7−102678号には、
光触媒を用いた院内感染の防止方法が開示されている。
いずれの場合も、酸化チタン等の酸化物半導体を光触媒
として用いるものであり、励起光として400nm以下
の紫外線が必要である。
【0003】ところが、励起光源となる太陽光や人工光
には、紫外線以外に可視光線も含まれている。しかし、
上記酸化チタン等の酸化物半導体からなる光触媒では、
可視光線は利用されておらず、エネルギー変換効率とい
う観点からは、非常に非効率的であった。酸化チタンに
金属イオンをイオン注入法により注入することにより可
視光領域でも光触媒活性が得られることは知られている
が、方法が大がかりであり、実用化にはほど遠い。
【0004】ところで、酸化チタンにプラズマCVD法に
よりTiCコーティングをすることで、紫外線による触媒
活性を向上させることができることが報告されている
(特開平9-87857号公報)。しかし、TiCコーティングによ
って可視光線による光触媒活性が得られるとは記載され
ていない。
【0005】そこで本発明の第1の目的は、可視光線も
利用可能な新たな光触媒を提供することにある。
【0006】さらに本発明の第2の目的は、上記新たな
光触媒を利用して有機物や細菌を含む種々の物質を光分
解して除去する方法を提供することにある。さらに本発
明の第3の目的は、上記新たな光触媒を用いた装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化チタンを
主成分とする光触媒であって、X線光電子分光法により
特定される酸素の1s電子(但し、感度係数は0.73
3)に帰属されるピークとチタンの2p電子(但し、感
度係数は2.077)に帰属されるピークの面積比(O
1s/Ti2p)が2.40以下であることを特徴とす
る触媒に関する。
【0008】さらに本発明は、少なくとも可視光線を含
む光を照射した上記本発明の触媒に被分解物を接触させ
ることを特徴とする物質の分解方法、少なくとも可視光
線を含む光を照射した上記本発明の触媒に被分解物を含
む空気を接触させることを特徴とする空気の浄化方法、
及び少なくとも可視光線を含む光を照射した上記本発明
の触媒に被分解物を含む水を接触させることを特徴とす
る水の浄化方法に関する。
【0009】また、本発明は、上記本発明の触媒を担体
に担持したことを特徴とする物品に関する。さらに本発
明は上記本発明の触媒または物品を含む装置であって、
前記装置が水清浄装置、空気清浄装置、殺菌装置、脱臭
装置、照明装置、光電池、及び水の分解装置からなる群
から選ばれることを特徴とする装置に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明についてさらに説明す
る。本発明の光触媒は、酸化チタンを主成分とする光触
媒である。酸化チタンは、光活性という観点からは、ア
ナターゼ型であることが好ましいが、一部がルチル型で
あってもよい。さらに本発明の光触媒は、X線光電子分
光法により特定される酸素の1s電子(但し、感度係数
は0.733)に帰属されるピークとチタンの2p電子
(但し、感度係数は2.077)に帰属されるピークの
面積比(O1s/Ti2p)が2.40以下であること
を特徴とする。通常の酸化チタンのピーク面積比(O1
s/Ti2p)は、約2.50である。それに対して本
発明の光触媒は、上記ピーク面積比(O1s/Ti2
p)が、2.40以下、好ましくは2.39以下であ
る。X線光電子分光法により特定されるピーク面積比
(O1s/Ti2p)は、酸化チタン表面の酸素欠陥き
程度を示す指標である。可視光に対して強い光活性を有
するためには、上記X線光電子分光法により特定される
ピーク面積比(O1s/Ti2p)が、2.40以下、
好ましくは2.39以下であることが必要である。ピー
ク面積比(O1s/Ti2p)が、2.40を超えると
可視光活性は急激に低下する。また、ピーク面積比(O
1s/Ti2p)の下限は明らかでないが、例えば、
2.00程度である。あまりに酸素欠陥が多くなると、
結晶の安定性を阻害し、酸化チタンの光活性を低下させ
る可能性がある。
【0011】上記範囲のピーク面積比(O1s/Ti2
p)を有することで、可視光活性及び紫外光活性を有す
る光触媒が得られる。特に、400nm以上の光をカッ
トしたブラックライト光照射下における光触媒活性を1
00とした場合、420nm以下の光をカットしたハロ
ゲンランプ光照射下における光触媒活性が少なくとも1
0、好ましくは20以上である高い可視光活性を有する
光触媒が得られる。尚、ここで光触媒活性とは、単位重
量の光触媒によるアセトアルデヒドの気相における分解
速度である。
【0012】また、本発明の光触媒は、酸化チタン表面
の一部に炭素系析出物を有することが好ましい。但し、
炭素系析出物が酸化チタン表面の全面を覆ってしまう
と、光触媒が得にくくなる場合がある。上記炭素系析出
物は、例えば、グラファイト、アモルファスカーボン、
ダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンド及び炭化水
素の少なくとも1種であり、通常、少なくともダイヤモ
ンドライクカーボン及び炭化水素(CH)を含むものである
ことができる。
【0013】さらに本発明の上記光触媒は、実質的に炭
化チタンの担持物を有さない。特開平9-87857号公報に
記載の酸化チタンは、炭化チタンのコーティングを有す
る光触媒であるが、本発明の光触媒はこれとは異なる。
さらに本発明の光触媒は、TOF−SIMSで測定した
Naイオン量が全陽イオン量の10%以上であることが
好ましい。より好ましくは、TOF−SIMSで測定し
たNaイオン量が全陽イオン量の20%以上である。ピ
ーク面積比(O1s/Ti2p)が小さくなり、酸素欠
陥が多くなるとNaイオン量は増加する傾向がある。
【0014】このような本発明の光触媒は、例えば、以
下の方法により製造することができる。本発明の光触媒
は、炭素源となる物質、水素源となる物質に電磁波を照
射してCHラジカル及びHラジカルを発生させ、これらの
ラジカルに酸化チタンを暴露する方法であって、上記ラ
ジカルの発生を不活性ガスの存在下で行うことで製造す
ることができる。CHラジカル及びHラジカルの発生を不
活性ガスの存在下で行うことで、電磁波の出力によって
は、例えば、400Wのマイクロ波では、CHラジカルの
385nmにおける発光ピークの強度がHラジカルの655nmに
おける発光ピークの強度より強い、プラズマを得ること
ができる。不活性ガスの存在量は、CHラジカルの385nm
における発光ピークの強度とHラジカルの655nmにおける
発光ピークの強度とを考慮して適宜決定できる。ラジカ
ルへの暴露工程は、CHラジカルの385nmにおける発光ピ
ークの強度がHラジカルの655nmにおける発光ピークの強
度より強い条件下で行うことが好ましいことから、例え
ば、CHラジカルの385nmにおける発光ピークの強度がHラ
ジカルの655nmにおける発光ピークの少なくとも2倍の強
度となるように設定することが好ましい。
【0015】炭素源となる物質は、例えば、炭化水素化
合物、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の物質であることができる。水素源と
なる物質は例えば、水素であることができる。不活性ガ
スは、例えば、アルゴンであることができる。さらに、
炭素源となる物質である炭化水素化合物は、例えば、メ
タン、アセチレン及びメタノールからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の化合物であることができる。また、
炭素源となる物質、水素源となる物質及び不活性ガス
は、いずれも2種以上の物質の混合物であってもよい。
不活性ガスがアルゴンである場合、アルゴンを全ガス量
の0.1〜20容量%の範囲から選択することで、電磁波の出
力によっては、CHラジカルの385nmにおける発光ピーク
の強度をHラジカルの655nmにおける発光ピークの強度よ
り大きくすることができる。
【0016】さらに、上記製造方法において、CHラジカ
ル及びHラジカルを発生させ、これらのラジカルに酸化
チタンを暴露する工程を、処理される酸化チタンの温度
が200〜1000℃の範囲となる条件で行うこと好ま
しい。前記ラジカルへの暴露工程は、より好ましくは、
酸化チタンの温度が400〜900℃の範囲となる条件
で行う。ラジカルに暴露される酸化チタンの温度によ
り、酸化チタン表面に形成される炭素系析出物の組成が
異なる。また、原料としてアナターゼ型酸化チタンを用
いた場合、700℃を超える温度がかかると、アナター
ゼ型からルチル型に変移する。但し、この変移は、瞬時
に起こるのではなく時間とともに進行することから、7
00℃を超える温度での処理であっても処理時間によっ
ては、酸化チタンの少なくとも一部がアナターゼ型を維
持し得る。従って、酸化チタンの温度が200〜100
0℃の範囲、好ましくは400〜900℃の範囲とし、
さらには、原料としてアナターゼ型酸化チタンを用い、
酸化チタンの少なくとも一部がアナターゼ型を維持し得
る条件で、前記ラジカルへの暴露工程を行うことが好ま
しい。尚、原料となる酸化チタンは、湿式法(例えば、
硫酸法)で製造された酸化チタンや乾式法(例えば、塩
化物法)で製造された、いずれも市販の酸化チタンを用
いることができる。また、例えば、チタニウムアルコキ
シドを加水分解して生成する酸化チタンを原料として用
いることもできる。
【0017】本発明は、上記本発明の触媒を担体に担持
した物品を包含する。さらに、上記本発明の光触媒また
は上記物品(光触媒ユニット)を含む装置であって、前
記装置が水清浄装置、空気清浄装置、殺菌装置、脱臭装
置、照明装置、光電池、及び水の分解装置からなる群か
ら選ばれる装置を包含する。
【0018】本発明の光触媒は、例えば、基体上に担持
したものとして利用できる。基体は、例えば、板状物
品、繊維、粒子であることができ、透明、半透明または
不透明であることができる。上記基板は、光触媒の使用
の形態により、種々の材質や形状を選択することがで
き、例えば、樹脂製、金属製、セラミックス製あるいは
ガラス製等の基板上に光触媒層を形成したユニットは、
例えば、窓ガラスや蛍光灯に付着させることで、太陽光
や蛍光灯の光を利用して光触媒として機能することがで
きる。また、基板が壁材、屋根材や床材である場合、こ
れらの部材に光触媒機能を付与することもできる。
【0019】基板上への光触媒層の形成は、前記方法で
製造した光触媒を常法によりコーティングすることで行
うことができる。例えば、光触媒を必要により適当な溶
剤(例えばメタノール等)及び/又はバインダーととも
にコーティングし、次いで加熱乾燥あるいは加熱処理す
る(バインダーや溶剤使用時にはバインダーや溶剤を除
去する)ことで、本発明の光触媒ユニットを製造するこ
とができる。或いは、基板上にTiO2層を形成し、得られ
たTiO2層を有する基板表面を前記メタンと水素とアルゴ
ン等の混合ガスを用いるプラズマCVD法で処理してTi
O2層の少なくとも一部に炭素系析出物を担持させること
で、基板上への光触媒層の形成を行うこともできる。
【0020】上記本発明の光触媒または光触媒ユニット
に少なくとも可視光線を含む光を照射し、この光触媒ま
たは光触媒ユニットに被分解物を接触させることで、被
分解物を分解することができる。照射する光は、可視光
線を含むものであり、例えば、可視光線以外に紫外線を
含んでいても支障はない。但し、本発明の光触媒は、可
視光線のみでも、光触媒作用を発揮する。さらに、光照
射に加えて、本発明の触媒又は本発明の光触媒ユニット
の触媒層を加熱することで、触媒機能を向上させること
もできる。加熱温度は、例えば、30〜80℃程度の範
囲とすることができる。
【0021】本発明の光触媒は、無機物、有機物、細
菌、微生物等のあらゆるものを可視光線を含む光を利用
して光分解することができる。
【0022】特に、本発明の光触媒及び光触媒ユニット
は、特に、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、たば
このヤニ、悪臭等の有機化合物の酸化・分解用として最
適である。
【0023】本発明は、本発明の触媒又は本発明の光触
媒を用いた光触媒ユニットの触媒層に可視光線を含む光
を照射しつつ被分解物を接触させることを含む被分解物
の分解方法を包含する。照射する光は、可視光線を含む
ものであり、例えば、可視光線以外に紫外線を含んでい
ても支障はない。但し、本発明の光触媒は、可視光線の
みでも、光触媒作用を発揮する。さらに、光照射に加え
て、本発明の触媒又は本発明の光触媒ユニットの触媒層
を加熱することで、被分解物の光分解触媒機能を向上さ
せることもできる。加熱温度は、例えば、30〜80℃
程度の範囲とすることができる。
【0024】本発明の空気の浄化方法は、少なくとも可
視光線を含む光を照射した本発明の光触媒または光触媒
ユニット(物品)に被分解物を含む空気を接触させるこ
とを特徴とする。空気が悪臭の原因物質を含む空気であ
る場合、触媒との接触により空気中に含まれる悪臭の原
因物質を分解し、悪臭を低減または除去することができ
る。また、空気が細菌を含む空気である場合、触媒との
接触により空気中に含まれる細菌の少なくとも一部を死
滅させることができる。空気が悪臭及び細菌を含む場合
には、上記作用が並行して得られることは勿論である。
【0025】本発明の水の浄化方法は、少なくとも可視
光線を含む光を照射した本発明の光触媒または光触媒ユ
ニット(物品)に被分解物を含む水を接触させることを
特徴とする。水が有機物を含有する場合、触媒との接触
により、水中の有機物を分解することができる。水が細
菌を含有する場合、触媒との接触により、水中の細菌を
死滅させることができる。水が有機物及び細菌を含む場
合には、上記作用が並行して得られることは勿論であ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 アナターゼ型チタニア粉末(60メッシュ以下)10g
を200mlの石英製反応管に収容した。この石英製反
応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポンプで
排気した後、400Wの電磁波(2.45GHz)を反
応管内のチタニア粉末に照射し、テスラーコイルによっ
てプラズマを発生させた。そして、CH 4 4.5%−A
r9%−H2(残部)混合ガス(流量を30ml/分)
を系内の圧力が約1トールとなるように導入した。反応
管内のチタニア粉末を攪拌しながら30分間処理した。
石英反応管に発生したプラズマの発光スペクトルをオー
シャンオプティクス社製(S−2000)マルチチャン
ネル分光システムを用いて測定した。結果を図1に示
す。比較のために、CH44.5%−Ar9%−H2(残
部)混合ガスをCH45%−H2(残部)混合ガス(流量
と圧力は同一)に変えて、同様に酸化チタンを処理し
た。そのときのプラズマの発光スペクトルを図2に示
す。図中、385nmに発光ピークを有するCHラジカル及び6
55nmに発光ピークを有するH(Hα)ラジカルが確認さ
れた。図1中、CHラジカルの385nmにおける発光ピーク
の強度は2480カウントであったのに対して、Hラジ
カルの655nmにおける発光ピークの強度は950カウン
トであった。また、図2中、CHラジカルの385nmにおけ
る発光ピークの強度は1050カウントであったのに対
して、Hラジカルの655nmにおける発光ピークの強度は1
830カウントであった。
【0027】得られた試料をX線光電子分光装置(アル
バックファイ社製 Quantum2000)を用いて
表面分析した。酸素、チタン及び炭素の状態分析結果を
図3、4及び5に示す。その結果得られた、酸素の1s
電子(但し、感度係数は0.733)に帰属されるピー
クの面積は68.71であり、チタンの2p電子(但
し、感度係数は2.077)に帰属されるピークの面積
は31.29であった。その結果、ピーク面積比(O1
s/Ti2p)は、2.20であった。
【0028】さらに上記試料をTOF−SIMS(飛行
時間型二次イオン質量分析装置)アルバックファイ社製
TRIFT IIを使用して表面分析した。その結果、
TOF−SIMSにより分析される最表面のNaイオン
量は、46.4%であった。
【0029】アセトアルデヒドの可視光による分解試験 上記実施例1で作製した光触媒をメタノールに分散しガ
ラス板に塗布した。光触媒を塗布したガラス板をガラス
製ベルジャー型反応装置(1.9リットル)内に設置し
た。反応装置はファンを有し、系内を拡散可能とした。
光源にはハロゲンランプ(東芝ライテックJDR110
V 75WN/S−EK)を用い、かつ420nm以下
の紫外線をカットするガラスフィルターを用いた。
【0030】系内を十分に排気した後、アセトアルデヒ
ドを反応器内に注入して、所定濃度(1000ppm )の反応
ガスとした。アセトアルデヒドが吸着平衡に達した後、
光照射を開始した。反応ガスは、メタナイザーに通して
からガスクロマトグラフィー(FID)で分析した。光
照射60分後のアセトアルデヒド濃度は、440ppm
であった。上記アセトアルデヒド分解実験を光源として
ブラックライト(岩崎電気社製H100BL)を用い、
かつ400nm以上の光はカットして行った。その結
果、光照射60分後のアセトアルデヒド濃度は、80p
pmであった。
【0031】実施例2 CH4 4.5%−Ar9%−H2(残部)混合ガスをC
4 4.7%−Ar6%−H2(残部)混合ガスとした
以外は実施例1と同様にしてチタニア粉末を処理した。
得られるプラズマのCHラジカルの385nmにおける発光ピ
ークの強度は約1240カウントであったのに対して、
Hラジカルの655nmにおける発光ピークの強度は1140
カウントであった。
【0032】得られた試料をX線光電子分光装置(アル
バックファイ社製 Quantum2000)を用いて
表面分析した。酸素、チタン及び酸素のスペクトルが観
測された。その結果得られた、酸素の1s電子(但し、
感度係数は0.733)に帰属されるピークの面積は7
0.40であり、チタンの2p電子(但し、感度係数は
2.077)に帰属されるピークの面積は29.60で
あった。その結果、ピーク面積比(O1s/Ti2p)
は、2.38であった。
【0033】さらに上記試料をTOF−SIMS(飛行
時間型二次イオン質量分析装置)アルバックファイ社製
TRIFT IIを使用して表面分析した。 その結
果、TOF−SIMSにより分析される最表面のNaイ
オン量は、37.2%であった。
【0034】アセトアルデヒドの可視光による分解試験 実施例1と同様に光触媒を塗布したガラス板を作成し、
アセトアルデヒドの分解試験を行った。その結果、光源
にハロゲンランプ(東芝ライテックJDR110V 7
5WN/S−EK)を用い、かつ420nm以下の紫外
線をカットするガラスフィルターを用いた場合、光照射
60分後のアセトアルデヒド濃度は、510ppmであ
った。光源としてブラックライト(岩崎電気社製H10
0BL)を用い、かつ400nm以上の光はカットして
行った場合、光照射60分後のアセトアルデヒド濃度
は、85ppmであった。上記結果から、本発明の光触
媒は、紫外線のみならず、可視光によってもアセトアル
デヒドに対する高い光分解特性を有することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CH44.5%−Ar9%−H2(残部)混合
ガスを用いた場合のプラズマの発光スペクトル。
【図2】 CH45%−H2(残部)混合ガスを用いた場
合のプラズマの発光スペクトル。
【図3】 実施例1で得られた試料のX線光電子分光法
による表面分析結果(酸素)。
【図4】 実施例1で得られた試料のX線光電子分光法
による表面分析結果(チタン)。
【図5】 実施例1で得られた試料のX線光電子分光法
による表面分析結果(炭素)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 33/00 C01B 3/04 A 4G075 C01B 3/04 C02F 1/30 C02F 1/30 1/72 101 1/72 101 B01D 53/36 J H Fターム(参考) 4C080 AA03 AA07 BB02 BB05 BB06 CC01 CC12 HH05 JJ03 KK08 LL02 LL04 MM01 MM02 NN12 NN22 QQ11 4D037 AA01 AA11 AB02 AB03 BA16 CA11 4D048 AA19 AA22 AB03 BA05X BA07X BA41X BB01 CC40 EA01 4D050 AA01 AA12 AB04 AB06 AB11 BB01 BC04 BC09 CA07 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA08A BA08B BA21A CA01 CA05 CA10 CA17 CC33 CD10 DA06 EA01Y EC22X EC22Y EC27 EE01 FA01 FA03 FB03 FB15 FB29 FB57 4G075 AA03 AA15 CA32 CA33 CA54 EB31

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナターゼ型酸化チタンを主成分とする
    光触媒であって、X線光電子分光法により特定される酸
    素の1s電子(但し、感度係数は0.733)に帰属さ
    れるピークとチタンの2p電子(但し、感度係数は2.
    077)に帰属されるピークの面積比(O1s/Ti2
    p)が2.40以下であり、かつ炭化チタンの担持物を
    有さないこと、及び400nm以上の光をカットしたブ
    ラックライト(115V、100W)光照射下における
    光触媒活性を100とした場合、420nm以下の光を
    カットしたハロゲンランプ(110V、75W)光照射
    下における光触媒活性が10以上である光触媒を溶剤及
    び/又はバインダーとともに基体上にコーティングする
    ことを特徴とする光触媒層の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記光触媒は、酸化チタン表面の少なく
    とも一部にグラファイト、アモルファスカーボン、ダイ
    ヤモンドライクカーボン、ダイヤモンド及び炭化水素か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の炭素系析出物を
    有する請求項1に記載の光触媒層の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記光触媒は、TOF−SIMSで測定
    したNaイオン量が全陽イオン量の10%以上である請
    求項1または2に記載の光触媒層の形成方法。
  4. 【請求項4】 TOF−SIMSで測定したNaイオン
    量が全陽イオン量の20%以上である請求項1または2
    に記載の光触媒層の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記光触媒は、可視光活性及び紫外光活
    性を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒
    層の形成方法。
  6. 【請求項6】 コーティング後、加熱乾燥又は加熱処理
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光触媒層の形
    成方法。
  7. 【請求項7】 基板が、樹脂製、金属製、セラミックス
    製又はガラス製である請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の光触媒層の形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方
    法により形成された光触媒層を有する物品。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の物品を含む装置であっ
    て、前記装置が水清浄装置であることを特徴とする装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の物品を含む装置であ
    って、前記装置が空気清浄装置であることを特徴とする
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の物品を含む装置であ
    って、前記装置が殺菌装置であることを特徴とする装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載の物品を含む装置であ
    って、前記装置が脱臭装置であることを特徴とする装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載の物品を含む装置であ
    って、前記装置が照明装置であることを特徴とする装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項8に記載の物品を含む装置であ
    って、前記装置が光電池であることを特徴とする装置。
  15. 【請求項15】 請求項8に記載の物品を含む装置であ
    って、前記装置が水の分解装置であることを特徴とする
    装置。
  16. 【請求項16】 少なくとも可視光線を含む光を照射し
    た請求項8に記載の物品に被分解物を接触させることを
    特徴とする物質の分解方法。
  17. 【請求項17】 被分解物が、無機物、有機物、細菌ま
    たは微生物である請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも可視光線を含む光を照射し
    た請求項8に記載の物品に被分解物を含む空気を接触さ
    せることを特徴とする空気の浄化方法。
  19. 【請求項19】 空気が悪臭を含む空気であり、光触媒
    との接触により悪臭を低減または除去する請求項18に
    記載の空気の浄化方法。
  20. 【請求項20】 空気が細菌を含む空気であり、光触媒
    との接触により細菌の少なくとも一部を死滅させる請求
    項18に記載の空気の浄化方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも可視光線を含む光を照射し
    た請求項8に記載の物品に被分解物を含む水を接触させ
    ることを特徴とする水の浄化方法。
  22. 【請求項22】 水が有機物を含有し、光触媒との接触
    により、水中の有機物を分解する請求項21に記載の水
    の浄化方法。
  23. 【請求項23】 水が細菌を含有し、光触媒との接触に
    より、水中の細菌の少なくとも一部を死滅させる請求項
    21に記載の水の浄化方法。
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