JP2003260362A - 炭化水素吸着燃焼触媒およびその製造方法 - Google Patents

炭化水素吸着燃焼触媒およびその製造方法

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JP2003260362A JP2002065790A JP2002065790A JP2003260362A JP 2003260362 A JP2003260362 A JP 2003260362A JP 2002065790 A JP2002065790 A JP 2002065790A JP 2002065790 A JP2002065790 A JP 2002065790A JP 2003260362 A JP2003260362 A JP 2003260362A
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adsorption amount
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Takeshi Ito
毅 伊藤
Shigeru Tominaga
成 冨永
Kazumi Murakami
和美 村上
Ikuhisa Hamada
幾久 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素吸着燃焼触媒の性能を向上す
る。 【解決手段】 BEA型ゼオライトにセリウムを担持さ
せ、熱時効処理をして炭化水素燃焼吸着触媒を製造す
る。これによって、エンジン不使用時、例えば50℃以下
の温度範囲における炭化水素の吸着量を減らすことがで
き、エンジン始動直後に十分な炭化水素吸着能力を確保
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの排ガス
中の炭化水素を吸着し燃焼する触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用ガソリンエンジンの排ガ
スのように、炭化水素(HC)が含まれている燃焼排ガ
スに対して、触媒を利用した後処理が行なわれている。
このような炭化水素には、例えばメタン、エタン、プロ
パンなどのパラフィン系炭化水素、エチレン、プロピレ
ン、ブテンなどのオレフィン系炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などがある。
【0003】従来、このような炭化水素を処理する触媒
として、一般的には例えば活性アルミナにパラジウム、
白金、ロジウム等の貴金属成分を担持させた吸着燃焼触
媒が用いられている。このような触媒は、炭化水素に加
え、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)をも処
理できることから三元触媒と称され、所定温度以上の活
性温度または燃焼温度において良好な触媒作用を発揮す
る。
【0004】しかしながら、近年さらなる排ガス浄化の
要求がある。例えば、アメリカ合衆国カリフォルニア州
においては、現行規制であるULEV(ウルトラ・ロウ
・エミッション・ビークル、Ultra Low Emission Vehic
le)規制よりも厳しいSULEV(スーパー・ウルトラ
・ロウ・エミッション・ビークル、Super Ultra LowEmi
ssion Vehicle)規制が2004年より適用される。このよ
うに年々厳しくなる規制に対応するためには、エンジン
の始動後、三元触媒が有効に作用する活性温度または着
火温度に至るまでの間に排出される炭化水素の処理が重
要となる。つまり、従来の三元触媒のみによる処理で
は、特に炭化水素が多く排出されるエンジンの始動直後
から、例えば1〜2分間における炭化水素の処理能力が低
いという問題点があった。
【0005】そこで、主にエンジンが始動してから三元
触媒が活性温度に達するまでに排出される炭化水素を一
時的に吸着し、その後炭化水素を燃焼処理する炭化水素
吸着燃焼触媒を、例えば既存の三元触媒の後流側に設け
ることが提案されている。このような炭化水素吸着燃焼
触媒として、ゼオライト系の吸着材を有するものを適用
することが知られている。ゼオライトは、結晶性多孔質
アルミノ珪酸塩またはその類似結晶性化合物であって、
三次元網目状の分子構造を有し、その構造の多様さから
多くの種類が開発されている。
【0006】例えば、特開平9−99217号公報は、シリカ
/アルミナ比が大きいゼオライトを用いることによっ
て、高温の排ガスにさらされても良好な炭化水素吸着能
を維持する触媒を得ることを提案している。一方、特開
平11−138002号公報は、シリカ/アルミナ比が大きいゼ
オライトを用いると、エンジン始動直後に吸着した炭化
水素が、触媒の燃焼成分の活性温度よりも低い例えば数
十℃の温度上昇で脱離してしまう点を指摘し、これに対
処するためゼオライトに固体超強酸を共存させることを
提案している。これによれば、ゼオライトから脱離した
炭化水素を固体超強酸に吸着させて三元触媒が活性化す
るまで保持させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような炭化水素吸着燃焼触媒を実車搭載型評価試験装
置で評価したところ、満足すべき性能が得られていな
い。つまり、依然としてエンジン始動直後における炭化
水素の排出量が十分に低減できていない。
【0008】上述した問題に鑑み、本発明の課題は、炭
化水素吸着燃焼触媒の性能を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、従
来のゼオライト系炭化水素吸着燃焼触媒における問題点
として、エンジンを使用していない期間に、例えば燃料
タンクやキャブレター等の燃料系から漏洩するわずかな
炭化水素がゼオライトに吸着されて蓄積される結果、エ
ンジン始動時には既に相当量の炭化水素がゼオライトに
蓄積されており、エンジン始動後ゼオライトがすぐに飽
和してしまい、十分な炭化水素吸着能力が残されていな
いことを知見した。
【0010】そこで、エンジン不使用時、つまり触媒が
例えば50℃以下の雰囲気温度近傍にあるときの低温側の
炭化水素吸着量が小さく、かつエンジン始動直後から炭
化水素吸着燃焼触媒が燃焼温度に達する迄の例えば50℃
超の高温側の炭化水素吸着量が大きい触媒を得ることが
できれば、エンジン不使用時に炭化水素が吸着しても、
それ以上の温度範囲でのゼオライトの残存炭化水素吸着
能力が確保され、上述した問題点は解決される。
【0011】このような特性を備えた炭化水素吸着燃焼
触媒は、BEA型ゼオライトにセリウムを担持させ、熱
時効処理をすることによって得られることを見出したの
である。
【0012】すなわち、BEA型ゼオライトには、例え
ば雰囲気温度から例えば50℃程度までの低温時に機能す
る吸着サイトと、例えば50℃から180℃程度の高温時に
機能する吸着サイトとが存在することが報告されてい
る。そして、通常BEA型ゼオライトのこれら2つの吸
着サイトはいずれも耐熱性が低く、例えば850℃の空気
中で5時間程度の熱に曝されると、いずれの吸着サイト
の吸着能も低下してしまうことが報告されている。しか
しながら、BEA型ゼオライトにセリウムを担持させる
と、そのメカニズムは明らかではないが、高温時に機能
する吸着サイトのみの耐熱性を向上させることができ、
その結果熱時効処理によって低温時に機能する吸着サイ
トの能力のみを低下させられることを見出した。
【0013】このとき、熱時効処理は、発明者らの検討
結果からみて700℃ないし900℃において、3ないし50時
間、好ましくは800℃ないし900℃において約5時間ある
いは700℃ないし900℃において約50時間行なうことが好
ましい。
【0014】また、セリウムの担持量は、BEA型ゼオ
ライトに対して10ないし100重量%であるとよい。な
お、このセリウムは、ジルコニウムと共存するように担
持されるものであってもよい。この場合、セリウムとジ
ルコニウムとのモル比が実質1:1となるようにしても
よい。
【0015】また、BEA型ゼオライトは、シリカ含有
量が多い方が耐熱性に優れることがわかっているので、
シリカ対アルミナ比が10ないし500であるものを用いる
と好ましい。
【0016】また、燃焼触媒成分として、パラジウム、
白金およびロジウムのうち少なくとも1つを担持させる
ようにしてもよい。この場合、これらの貴金属の担持量
の総和が、BEA型ゼオライトに対して1ないし5重量%
となるようにするとよい。
【0017】また、燃焼触媒成分として銀を担持させて
もよいが、この場合には担持量が多くなると本発明の効
果が低下するので、その担持量はBEA型ゼオライトに
対して1重量%以下であることが好ましい。
【0018】そして、上述した製造方法を用いると、B
EA型ゼオライトにセリウムが担持されなり、50℃以下
における炭化水素吸着量が最大炭化水素吸着量の45%以
下である触媒を得ることができから、エンジン始動直後
に十分な炭化水素処理能力を確保することができる。
【0019】なお、このような触媒は、温度を上げなが
ら炭化水素含有ガスを流通し、触媒の入口側HC濃度と
出口側HC濃度との差の積分、つまり炭化水素吸着量を
求めると、炭化水素吸着量を温度で微分した値が50℃近
傍で極小値をとる特性を有する。換言すると、入口側H
C濃度と出口側HC濃度との差が、50℃近傍で極小とな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなる燃焼
ガス用触媒の実施形態について説明する。以下述べる実
施例1ないし7は本発明を適用してなる触媒である。ま
た、比較例1ないし3は、従来技術に係る触媒である。
【0021】(実施例1)本実施例に係る触媒は、ガス
流に対向する面積1平方インチあたりのセル数が400(4
00cpsiつまり400セル/in)のコージェライト
製ハニカム担体を用いて形成したものである。はじめ
に、シリカ/アルミナ比が480であるBEA型ゼオライ
トの粉末と、無機バインダとを、固形分の重量比で10
0:10の割合となるように混合する。本実施例において
は、BEA型ゼオライトには、東ソー株式会社から「HS
Z980HOA」という商品名で市販されているものを使用し
た。また、無機バインダには、日産化学工業株式会社か
ら「アルミナゾル−200」という商品名で市販されてい
るものを使用した。これにBEA型ゼオライトが全体の
35重量%となるように精製水を加えて混練し、その後磁
性ボールミルを用いて粉砕し、整粒した。その後、必要
に応じてポリビニルアルコールからなる有機バインダお
よび精製水を添加して粘度を調節することによってウォ
ッシュコート用のスラリを調製した。そして、このスラ
リを、ウォッシュコート法によって、ハニカム担体の容
積1リッターあたり120g(120g/L)となるように塗
布後乾燥させた後、600℃の空気中で1時間の焼成処理
を行なった。
【0022】次に、このハニカム担体を硝酸セリウム溶
液に含浸して、セリウムを担持させた。このとき、ハニ
カム担体の容積1リッターあたりのセリウムの担持量が
40g(40g/L)となるようにした。さらに、その後こ
のハニカムを、パラジウム、白金、ロジウムおよびショ
糖の重量比が6:3:1:50である金属塩及びショ糖から
なる溶液に含浸し、その後600℃の空気中で1時間の焼成
処理を行なった。このとき、パラジウム、白金およびロ
ジウムの3成分からなる貴金属の担持量は、ハニカム担
体の容積1リッターあたり3g(3g/l)となるように
した。最後に、このハニカムに、750℃の空気中で50時
間の熱時効処理を施して触媒を得た。
【0023】(実施例2)上述した実施例1と同様の工
程において、ハニカム担体にウォッシュコートするスラ
リの塗布量を180g/lとし、熱時効処理を850℃の空気
中で5時間としたことのみ変更して触媒を得た。
【0024】(実施例3)はじめに、上述した実施例1
と同様にしてコージェライト製ハニカム担体にBEA型
ゼオライトをウォッシュコート法によって塗布後乾燥
し、600℃の空気中で1時間の焼成処理を行なった。
【0025】次に、このハニカムを、銀を含む溶液に含
浸し、銀の担持量がBEA型ゼオライトの重量に対して
0.5重量%となるように担持させ、600℃空気中で1時間
の焼成処理を行なった。その後、さらに実施例1と同様
にしてセリウムの担持、パラジウム、白金およびロジウ
ムの担持及び熱時効処理を行なって触媒を得た。
【0026】(実施例4)セリウムの担持量を20g/l
としたこと以外は実施例2と同様の方法によって触媒を
得た。
【0027】(実施例5)セリウムの担持量を65g/l
としたこと以外は実施例2と同様の方法によって触媒を
得た。
【0028】(実施例6)セリウムにジルコニウムを共
存させ、その担持量がセリウムについては40g/lであ
り、ジルコニウムについては26g/lとした以外は実施
例2と同様の方法によって触媒を得た。
【0029】(実施例7)実施例1と同様の工程におい
て、パラジウム、白金、ロジウムおよびショ糖の重量比
を6:2.8:0.13:50とし、パラジウム、白金およびロジ
ウムの3成分からなる貴金属の担持量がハニカム担体の
容積1リッターあたり9g(9g/l)となるようにし、
熱時効処理を850℃空気中で5時間としたこと以外は実施
例1と同様の方法によって触媒を得た。
【0030】(比較例1)時効処理を行なわなかったこ
と以外は実施例1と同様の方法によって触媒を得た。
【0031】(比較例2)実施例3と同様の工程におい
て、銀の担持量をBEA型ゼオライトの重量に対して2.
0重量%としたこと以外は実施例3と同様の方法によっ
て触媒を得た。
【0032】(比較例3)実施例3と同様の工程におい
て、BEA型ゼオライトに代えてモルデナイト型(MO
R型)ゼオライトを使用したこと以外は実施例3と同様
の方法によって触媒を得た。
【0033】以下、上述した実施例1ないし7および、
比較例1ないし3についての、性能評価結果について説
明する。まず性能評価の方法についてであるが、各実施
例または比較例の触媒を、ダイアモンドソーを用いて、
17mm×17mm×21mmの直方体に切り出した。そし
て、触媒に600ppmのプロピレンを含有するガスを毎
分3リッター(3L/min)で流通させながら、触媒
を加熱して触媒温度を雰囲気温度から毎分30℃(30℃/
min)の割合で昇温させた。そして、触媒の出口、ま
たは下流側のガス中のHC濃度を測定することによって
吸着性能または浄化性能を調べた。
【0034】ここで、図1は、本実施例の触媒を上述し
た方法によって評価したときの触媒温度、入口HC濃度
及び排出HC濃度の履歴を示すグラフである。上述した
ように、入口HC濃度1はプロピレン600ppmで一定
に保たれ、また触媒温度3は30℃/minで上昇する。
そして、出口HC濃度5は、本実施例の場合には、評価
開始後所定の期間はゼロであり、その後2次曲線的に増
加し、触媒温度が50℃となる時間近傍において増加がな
だらかとなり、ピークとなった後低下する。つまり、こ
のとき出口HC濃度は極大値をとる。その後、さらに温
度を上げると、出口HC濃度は再び増加に転じる。つま
り、このとき出口HC濃度は極小値をとる。そして、触
媒温度がさらに上昇すると、燃焼成分の働きによって出
口HC濃度の増加が抑えられ、再び極大となるピークを
とった後低減し、最終的には略ゼロとなる。
【0035】ここで、図1において斜線を記して表わし
た触媒入口HC濃度と触媒出口HC濃度とに挟まれた部
分の面積は、炭化水素吸着燃焼触媒によるHCの吸着量
を表わしていると考えることができる。本試験において
は、単位時間あたりの触媒温度上昇率は一定であるか
ら、換言すれば、出口HC濃度は、炭化水素吸着燃焼触
媒の炭化水素吸着量を触媒温度によって微分したもので
あるとも考えられる。そして、本評価にあたっては、雰
囲気温度から50℃以下の吸着量を低温側吸着量、50℃
を超えてから触媒出口HC濃度が極大値となり低下に転
じるピーク温度までの部分の吸着量を高温吸着量と定義
して、これらをそれぞれの触媒について測定した。そし
て、低温吸着量と高温吸着量との和を、全吸着量として
定義した。
【0036】なお、ここで50℃を低温と高温との分かれ
目としたのは、夏季における雰囲気温度が最高50℃程度
であると考え、エンジン始動前の状態として想定し得る
触媒の最高温度と考えたからである。
【0037】以下、表1に各触媒についての低温吸着量
(mmolC/L)、高温吸着量(mmolC/L)および全吸
着量、すなわち低温吸着量と高温吸着量の和に対する低
温吸着量の割合(%)を示す。表1に示すように、実施
例1においては、低温吸着量68mmolC/Lに対し高温吸
着量127mmolC/Lであり、低温吸着量の割合は35%で
あった。実施例2においては、低温吸着量80mmolC/L
に対し高温吸着量101mmolC/Lであり、低温吸着量の
割合は44%であった。実施例3においては、低温吸着量
80mmolC/Lに対し高温吸着量104mmolC/Lであり、
低温吸着量の割合は43%であった。実施例4において
は、低温吸着量72mmolC/Lに対し高温吸着量105mmol
C/Lであり、低温吸着量の割合は41%であった。実施
例5においては、低温吸着量79mmolC/Lに対し高温吸
着量116mmolC/Lであり、低温吸着量の割合は41%で
あった。実施例6においては、低温吸着量78mmolC/L
に対し高温吸着量127mmolC/Lであり、低温吸着量の
割合は38%であった。実施例7においては、低温吸着量
73mmolC/Lに対し高温吸着量114mmolC/Lであり、
低温吸着量の割合は39%であった。
【0038】一方、比較例1は、炭化水素吸着能力が低
温側、高温側に分かれなかった。したがって、上述した
各実施形態のように熱時効処理を施さなければ、本発明
の効果は得られないことがわかった。
【0039】比較例2は低温吸着量91mmolC/Lに対し
高温吸着量89mmolC/Lであり、低温吸着量の割合は51
%であった。この比較例2は、上述したように実施例3
に対し、銀の担持量をBEA型ゼオライトに対し0.5重
量%から2重量%に増やした点でのみ相違するものであ
るが、このことによって低温吸着量よりも高温吸着量の
減少のほうが顕著となり、本発明の効果が低減された。
【0040】比較例3は、低温吸着量は68mmolC/Lに
対し、高温吸着量56mmolC/Lであり、低温吸着量の割
合は55%であった。本比較例は、実施例3と、ゼオライ
トの種類をBEA型からMOR型に変更したことのみ相
違するものであるが、このことによって低温吸着量より
も高温吸着量の低下が顕著となり、本発明の効果は得ら
れないことがわかった。
【0041】
【表1】 以上のように、本発明の各実施形態によれば、セリウム
を担持するBEA型ゼオライトを有する触媒基質を、75
0℃空気中で50時間または850℃空気中で5時間熱時効処
理することによって、低温吸着量の割合が炭素Cのモル
数ベースで45%以下である触媒を得ることができる。こ
れらの触媒は、炭化水素吸着量を温度で微分した値が50
℃近傍で極小値をとるものである。これにより、エンジ
ン始動直後に十分なHC吸着能力を発揮できるから、エ
ンジン始動直後におけるHCの排出量を低減することが
できる効果がある。
【0042】ここで、セリウムの担持量は、BEA型ゼ
オライトに対する重量%において、実施例1、3および
7では33%、実施例2では17%、実施例4では11%、実
施例5では36%、実施例6では22%としているが、いず
れも本発明の効果を奏することができた。
【0043】また、炭化水素吸着燃焼触媒の燃焼成分と
して、パラジウム、白金、ロジウム等の白金族貴金属あ
るいは銀を担持させてもよいが、銀を担持させる場合に
は、比較例2のように銀の担持量が多くなると本発明の
効果が得られなくなるので、BEA型ゼオライトに対し
て1重量%以下の担持量にすることが好ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、炭化水素吸着燃焼触媒
の性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゼオライト系炭化水素吸着燃焼触媒における触
媒温度、入口HC濃度および出口HC濃度の履歴を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 入口HC濃度 3 触媒温度 5 出口HC温度
フロントページの続き (72)発明者 村上 和美 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 浜田 幾久 東京都港区浜松町二丁目4番1号 バブコ ック日立株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA17 AB02 AB10 BA01 BA15 BA39 FC07 GA06 GB04W GB05W GB06W GB07W GB09X GB17X 4D048 AA18 AB01 BA03X BA10X BA11X BA19X BA30X BA31X BA33X BA41X BB02 EA04 4G069 AA02 AA03 AA08 BA01B BA07A BA07B BA13B BB02B BC43A BC43B BC71B BC72B BC75B CA02 CA03 CA07 CA15 EA19 EB12Y EC27 FA02 FB14 FB29 FC07 ZA19A ZA19B ZF05A ZF05B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BEA型ゼオライトにセリウムを担持さ
    せ、熱時効処理をする炭化水素吸着燃焼触媒の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記熱時効処理は、700℃ないし900℃に
    おいて3ないし50時間ことを特徴とする請求項1に記載
    の炭化水素吸着燃焼触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 BEA型ゼオライトにセリウムが担持さ
    れなり、50℃以下における炭化水素吸着量が最大炭化水
    素吸着量の45%以下である炭化水素吸着燃焼触媒。
  4. 【請求項4】 BEA型ゼオライトにセリウムが担持さ
    れなり、炭化水素吸着量を温度で微分した値が50℃近傍
    で極小値をとる炭化水素吸着燃焼触媒。
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