JP2003259797A - 冷凍骨抜き魚身及びその加工方法 - Google Patents

冷凍骨抜き魚身及びその加工方法

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JP2003259797A JP2002063665A JP2002063665A JP2003259797A JP 2003259797 A JP2003259797 A JP 2003259797A JP 2002063665 A JP2002063665 A JP 2002063665A JP 2002063665 A JP2002063665 A JP 2002063665A JP 2003259797 A JP2003259797 A JP 2003259797A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原形魚を三枚におろし、腹骨及び縦骨等も除
去して完全な骨抜き魚身にしたものでは、縦骨を除去し
た部分の魚身に骨跡凹部ができるが、このままでは骨跡
凹部が傷になって見映えが悪くなり、且つ身割れや身崩
れし易くなる。 【解決手段】 原形魚の左右両身を中骨から分離させる
三枚おろし工程21と、その各半身魚身から腹骨及び縦
骨を除去する腹骨・縦骨除去工程22と、その骨抜き半
身魚身における縦骨を除去した骨跡凹部内に、同種魚の
微細身にタンパク質架橋酵素を混合した補充身を充填す
る補充身充填工程23と、タンパク質架橋酵素を所定時
間だけ反応させて補充身を骨抜き半身魚身に結着させる
酵素反応工程と、酵素反応工程の終了後に補充身つき半
身魚身を凍結状態で保存する凍結保存工程27とを順次
行うことにより、上記課題を解決できる冷凍骨抜き魚身
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、骨抜き状態の魚
身を凍結した冷凍骨抜き魚身及びその加工方法に関する
ものである。
【0002】
【発明の背景及び発明が解決しようとする課題】例えば
サバやサワラのような魚は、魚屋(あるいはスーパーマ
ーケット)の店頭では一般に切り身の状態で販売されて
いるが、左右両身を中骨から分離させた状態(三枚にお
ろしたもの)であっても、その魚身に小さい骨が残って
いる場合が多い。即ち、三枚におろした魚身であって
も、腹部には腹骨があり、魚身の上下中央部分には短小
な縦骨が多数本残っている。尚、この縦骨は、魚身の長
さ方向に間隔をもって15本程度あり、且つ魚身の身側
の面から魚身厚さ方向に向けてかなりの深さまで埋まっ
ている。
【0003】そして、このように骨が残ったままの魚身
を調理したものでは、喫食時(口に入れる前)にその骨
を身から除去するのが面倒であるとともに、口の中に骨
が入ると食感を悪くし且つその骨を口から出す作業が面
倒であった。特に、縦骨は、短小であるので口の中で身
から骨を分離させて取り出すのが非常に面倒である。こ
のように、三枚におろした魚身であっても、骨が残って
いると食べにくく、一般家庭では骨の残っている魚は敬
遠されがちであった。
【0004】ところで、三枚におろした魚身から、腹骨
や縦骨等の骨を除去した状態で販売することは可能であ
る。即ち、腹骨は包丁で削ぎ落とし、縦骨は毛抜きで1
本づつ抜き取って、骨を除いた状態で魚身を提供するこ
とは可能である。
【0005】ところが、縦骨は、三枚におろした半身魚
身の長さ方向の全長に亘って15本程度あり、且つ魚身
のかなりの深さまで埋まっており、しかも生の魚身では
縦骨の回りに身が強固に結着しているので、該各縦骨を
引き抜くと、そこにかなり大きな骨跡凹部ができて、魚
身の見映えが悪くなるとともに、該魚身が崩れ易くなる
という問題がある。
【0006】本願発明は、上記課題に鑑み、三枚におろ
し且つ腹骨や縦骨等を除去して骨抜き魚身にすることで
調理後喫食時に骨の無い魚身を食することができ、又縦
骨を除去した魚身であっても、その縦骨を除去した骨跡
凹部にタンパク質結着機能を有する補充身を充填するこ
とで、見映えが良好で且つ保形性のある(魚身が崩れな
い)冷凍骨抜き魚身及びその加工方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。尚、
本願発明は、原形魚を三枚におろし且つ骨を除去した冷
凍骨抜き魚身及びその加工方法を対象にしている。又、
本願発明は、特に限定するものではないがサバやサワラ
のような魚身内に縦骨がある魚で、該縦骨を除去したと
きに身割れし易い魚種に適している。
【0008】本願請求項1の発明 本願請求項1の発明は、冷凍骨抜き魚身を対象にしてい
る。そして、この請求項1の発明の冷凍骨抜き魚身は、
原形魚を三枚におろした半身魚身から腹骨及び縦骨を除
去した骨抜き半身魚身に加工している。尚、縦骨は、半
身魚身の長さ方向のほぼ全長に亘って間隔をもって15
本程度あり、該各縦骨を除去した部分にはそれぞれかな
り深さの骨跡凹部が形成されることになる。尚、縦骨を
除去した各残跡凹部は、大きく身割れする状態のものか
ら僅かに小孔があく程度まで大小さまざまである。
【0009】そして、本願請求項1の冷凍骨抜き魚身
は、骨抜き半身魚身おける縦骨を除去した骨跡凹部内
に、同種魚の微細身にトランスグルタミナーゼ単独ある
いはトランスグルタミナーゼを含有する混合物からなる
タンパク質架橋酵素を混合した補充身を充填している。
【0010】補充身となる微細身には、同種魚の落とし
身を用い、ミジン切り状あるいはペースト状にしたもの
が使用される。
【0011】タンパク質架橋酵素としては、トランスグ
ルタミナーゼ単独のものでも、あるいはトランスグルタ
ミナーゼと例えばカゼイン類とを併用した混合物でもよ
い。このトランスグルタミナーゼは、タンパク質中にあ
るグルタミン残基のγ−カルボキシルアミド基をε−ア
ミノ基に結合させる反応を起こさせる触媒となり、結果
としてタンパク質を結着させる機能を有する酵素となる
ものである。トランスグルタミナーゼは、概ね室温から
50℃の範囲で高い活性を示し、−18℃以下の低温で
は活性が停止し、75℃で5分以内に失活する性質があ
る。尚、本願では、タンパク質架橋酵素として、例えば
味の素(株)社製の商品名「アクティバ」を使用できる。
【0012】そして、補充身は、上記微細身と上記タン
パク質架橋酵素とを適量づつ混合したものを使用してい
る。尚、この補充身は、全部の骨跡凹部内に充填しても
よいが、骨跡凹部が小さいものでは、補充身(微細身)
の代わりにタンパク質架橋酵素のみを付着させるだけで
もよい。又、この補充身は、各骨跡凹部が並んでいる方
向に帯状に若干厚さだけ盛り上げた状態で連続させても
よい。
【0013】このように、骨抜き半身魚身の骨跡凹部内
にタンパク質架橋酵素を混合した補充身を充填すれば、
該タンパク質架橋酵素が酵素反応して、微細身と骨跡凹
部のタンパク質同士を結着させるようになる。従って、
本願請求項1の冷凍骨抜き魚身では、縦骨を除去した骨
跡凹部の魚身と微細身とがタンパク質架橋酵素による結
着作用により一体化されている。
【0014】そして、本願請求項1の冷凍骨抜き魚身
は、上記タンパク質架橋酵素により補充身を骨抜き半身
魚身(各骨跡凹部内)に結着させた状態で凍結してい
る。
【0015】この請求項1の冷凍骨抜き魚身では、タン
パク質架橋酵素(トランスグルタミナーゼ)は失活して
いないが、骨抜き半身魚身を凍結状態(例えば−18℃
以下)で保存していることで酵素反応は停止しており、
該骨抜き半身魚身の温度が酵素活性温度域まで上昇しな
い限りタンパク質架橋酵素による魚身の固化は進行しな
い。尚、この凍結保存状態は、製品(冷凍骨抜き魚身)
を倉庫で保管している間はもとより、商品として店頭陳
列しているとき、及び消費者が購入して調理に供するま
では継続させる(冷凍庫内で凍結保存する)。そして、
調理前に半解凍状態まで解凍させて補充身つき半身魚身
を調理目的に応じた所定大きさに切断して、加熱調理
(例えば「煮る」「フライにする」「焼く」等)をす
る。
【0016】本願請求項2の発明 本願請求項2の発明では、上記請求項1の冷凍骨抜き魚
身において、骨抜き半身魚身における腹骨を除去した部
分にも補充身を充填している。
【0017】半身魚身から腹骨を切除すると、該腹骨と
ともに若干の魚身が削ぎ落とされ、その分、腹部の魚身
のボリュームが減少するとともに、きれいに削ぎ落とせ
なかったときには見映えが悪くなるが、該腹骨除去部分
に補充身を充填する(具体的には補充身を薄く付着させ
る)と、該腹部のボリュームを確保できるとともに、見
映えもきれいに補修できる。尚、この腹骨除去部分の補
充身も、タンパク質架橋酵素により腹部の魚身に結着さ
れており、簡単に剥がれ落ちることはない。
【0018】本願請求項3の発明 本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の冷凍骨抜
き魚身において、補充身を骨抜き半身魚身(各骨跡凹部
内)に結着させた補充身つき半身魚身を所定大きさの切
り身魚身に切断した状態で凍結している。
【0019】このように、補充身つき半身魚身を予め所
定大きさの切り身魚身に切断しておくと、そのまま目的
に応じた加熱調理をすることができる。
【0020】本願請求項4の発明 本願請求項4の発明は、冷凍骨抜き魚身の加工方法を対
象にしている。そして、本願請求項4の冷凍骨抜き魚身
の加工方法は、次の(1)〜(5)の各工程を順次行うことを
特徴としている。
【0021】(1) 三枚おろし工程 この三枚おろし工程は、原形魚の左右両身を中骨から分
離させるものである。即ち、原形魚の頭部及び尾部を切
除し、内臓を除去した状態で、左右両身をそれぞれ中骨
に沿って分離させる。このとき半身魚身に胸ヒレが残っ
ている場合には、該胸ヒレも切除する。又、鱗のある魚
では、原形魚の状態で該鱗を除去する。尚、この三枚お
ろし工程は、原形魚を半解凍状態(内臓が凍っている状
態)で行うとよい。
【0022】このように三枚におろした各半身魚身に
は、腹骨及び多数本の縦骨が残っている。尚、縦骨は、
サバの場合、半身魚身の上下中央部分において魚身の長
さ方向に間隔をもって15本程度あり、且つ魚身の身側
の面から魚身厚さ方向に向けてかなりの深さまで埋まっ
ている。
【0023】(2) 腹骨・縦骨除去工程 この腹骨・縦骨除去工程は、各半身魚身から腹骨及び各
縦骨を除去するものである。腹骨は、若干の身とともに
包丁で削ぎ落とし、各縦骨は、毛抜き等で1本づつ抜き
取る。尚、縦骨除去時には、各縦骨に沿って包丁で1本
の切り目線を入れておくと、該縦骨の除去作業が容易と
なるが、この切り目線は必要に応じて入れることができ
る。
【0024】ところで、縦骨は、半身魚身の長さ方向の
全長に亘って多数本(サバでは15本程度)あり、且つ
魚身のかなりの深さまで埋まっており、しかも生の魚身
では縦骨の回りに身が強固に結着している。従って、縦
骨を抜き取ると該縦骨に少量の身が付着したまま抜き取
られ、その残跡部分にかなり大きな骨跡凹部ができるこ
とがある。このように、魚身に多数の骨跡凹部ができる
と、魚身の見映えが悪くなるとともに、該魚身が身割れ
して崩れ易くなる。
【0025】(3) 補充身充填工程 この補充身充填工程は、骨抜き半身魚身における縦骨を
除去した各骨跡凹部内に、同種魚の微細身にタンパク質
架橋酵素を混合した補充身を充填するものである。又、
この補充身充填工程では、骨抜き半身魚身における腹骨
を除去した部分にも補充身を充填してもよい。
【0026】補充身を構成する微細身及びタンパク質架
橋酵素は、それぞれ請求項1に記載したもの使用する。
又、補充身の製作、即ち微細身とタンパク質架橋酵素と
の混合作業は、上記三枚おろし作業あるいは腹骨・縦骨
除去作業と並行して行う。微細身に対するタンパク質架
橋酵素の混合割合は、該タンパク質架橋酵素を活性させ
る環境(例えば反応させる雰囲気温度、反応させる時間
等)や目的とする結着強度等によって、適当な範囲に設
定できる。
【0027】この補充身充填工程では、タンパク質架橋
酵素と微細身とを混合してなる補充身を骨抜き半身魚身
の骨跡凹部内に充填するが、上記縦骨除去時に該各縦骨
に沿って切り目線を入れている場合には、該切り目線で
形成される細溝内にも補充身を充填しておくとよい。こ
の場合、補充身充填部分は帯状に連続する。尚、補充身
は、全部の骨跡凹部内に充填してもよいが、骨跡凹部が
小さいものでは、補充身(微細身)の代わりにタンパク
質架橋酵素のみを付着させるだけでもよい。
【0028】(4) 酵素反応工程 この酵素反応工程は、骨抜き半身魚身(各骨跡凹部内)
に充填した補充身中のタンパク質架橋酵素を所定時間だ
け反応させて魚身と補充身(微細身)とを結着させるも
のである。尚、この酵素反応工程は、補充身つき半身魚
身を裏返しにし(魚身の面を下にして)、上(皮側)か
ら半身魚身を軽くつまんで補充身を魚身に十分に接合さ
せた状態で行うとよい。
【0029】そして、タンパク質架橋酵素が酵素反応を
起こすと、該タンパク質架橋酵素に接する補充身の微細
身と骨跡凹部の魚身とのタンパク質同士を結合させ、時
間の経過とともに該微細身と骨跡凹部の魚身とが結着さ
れていくが、反応時間が長くなるほど、魚身同士の結着
度合いが強くなる。骨跡凹部に補充身の代わりにタンパ
ク質架橋酵素のみを付着させている部分がある場合に
は、該骨跡凹部の魚身同士がタンパク質架橋酵素により
直接結着される。尚、この酵素反応工程は、例えば室温
(例えば18℃程度)にて40〜45分間程度行うとよ
い。
【0030】(5) 凍結保存工程 この凍結保存工程は、上記酵素反応工程の終了後に補充
身つき半身魚身を急速凍結して低温(例えば−18℃以
下)で保存するものである。
【0031】補充身に含まれるタンパク質架橋酵素(ト
ランスグルタミナーゼ)は、−18℃以下の低温で活性
が停止する性質があり、補充身つき半身魚身を凍結保存
している間はタンパク質架橋酵素による結着作用は進行
しない。
【0032】本願請求項4の加工方法(上記(1)〜(5)の
各工程)を行えば、各骨跡凹部内に補充身を充填した冷
凍骨抜き魚身に加工できる。そして、この冷凍骨抜き魚
身は、喫食のために加熱調理をするまでは冷凍庫で凍結
保存し、調理前に半解凍して所定大きさに切断して、目
的に応じた加熱調理(例えば「煮る」「フライにする」
「焼く」等)をする。
【0033】本願請求項5の発明 本願請求項5の発明は、上記請求項4の冷凍骨抜き魚身
の加工方法において、酵素反応工程の終了後に、補充身
つき半身魚身を半凍結状態にする半凍結工程と、その半
凍結した補充身つき半身魚身を所定大きさの切り身魚身
に切断する切断工程とを行った後に、凍結保存するよう
にしている。尚、ここでいう半凍結状態とは、魚身に包
丁が入る程度の凍結状態のことである。
【0034】上記切断工程において補充身つき半身魚身
を所定大きさの切り身魚身に切断する場合、補充身つき
の半身魚身の品温が高い状態(例えば品温が室温程度で
身が柔らかい状態)で切断すると、補充身がバラけ易く
なる(補充身が魚身から分離する)が、補充身つき半身
魚身を半凍結状態にしておくと、補充身が魚身に固く結
合した状態を維持し、その半凍結状態で補充身つき半身
魚身を切断すると補充身がバラけることがない。
【0035】尚、この請求項5の半凍結工程は、酵素反
応工程を終えた室温程度の補充身つき半身魚身を半凍結
状態まで凍結する場合と、一旦完全凍結させた状態から
半凍結状態まで解凍する場合の2通りがある。
【0036】本願請求項6の発明 本願請求項6の発明は、上記請求項4又は5の冷凍骨抜
き魚身の加工方法において、凍結保存する前に、凍結状
態の骨抜き魚身に所定量の水を付着させるグレーズがけ
工程を行うものである。
【0037】このように、凍結状態の骨抜き魚身に水を
付着させると、その水が氷となって補充身つき半身魚身
の外表面を被覆するようになり、凍結保存状態で補充身
つき半身魚身からの水分の放出を阻止できる。
【0038】
【発明の効果】本願各発明は、それぞれ次のような効果
がある。
【0039】本願請求項1の発明の効果 本願請求項1の発明の冷凍骨抜き魚身は、原形魚を三枚
におろした半身魚身から腹骨及び縦骨を除去した骨抜き
半身魚身における縦骨を除去した骨跡凹部内に、同種魚
の微細身にタンパク質架橋酵素(トランスグルタミナー
ゼ)を混合した補充身を充填して、タンパク質架橋酵素
により補充身を骨抜き半身魚身に結着させた状態で凍結
している。
【0040】従って、この請求項1の冷凍骨抜き魚身
は、縦骨を除去したものであっても、その骨跡凹部内に
補充身を充填しているので、見映えがよくなる。又、補
充身は、タンパク質架橋酵素により骨跡凹部内で魚身と
適度に結着しているので、調理時や喫食時に補充身がバ
ラつかない。さらに、該骨跡凹部内は、補充身で結着さ
れているので、縦骨除去により骨跡凹部のある魚身であ
っても該魚身が崩れにくくなる、等の効果がある。
【0041】本願請求項2の発明の効果 本願請求項2の発明は、上記請求項1の冷凍骨抜き魚身
において、骨抜き半身魚身における腹骨を除去した部分
にも補充身を充填している。
【0042】このように、腹骨除去部分に補充身を充填
すると、上記請求項1の効果に加えて、該腹部のボリュ
ームを補充身で確保できるとともに、腹骨除去状態で腹
部が見苦しくなっていても、該補充身できれいに補修で
きるという効果がある。
【0043】本願請求項3の発明の効果 本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の冷凍骨抜
き魚身において、補充身つき半身魚身を所定大きさの切
り身魚身に切断した状態で凍結している。
【0044】この請求項3のように、補充身つき半身魚
身を予め所定大きさの切り身魚身に切断した状態で凍結
しておくと、上記請求項1又は2の効果に加えて、切断
のための解凍(又は半解凍)時間が不要となり、そのま
ま(凍結状態のまま)目的に応じた加熱調理をすること
ができるという効果がある。
【0045】本願請求項4の発明の効果 本願請求項4の発明の冷凍骨抜き魚身の加工方法は、原
形魚を三枚におろし(三枚おろし工程)、その各半身魚
身から腹骨及び縦骨を除去し(腹骨・縦骨除去工程)、
その骨抜き半身魚身における縦骨を除去した骨跡凹部内
に、微細身にタンパク質架橋酵素(トランスグルタミナ
ーゼ)を混合した補充身を充填し(補充身充填工程)、
タンパク質架橋酵素を所定時間だけ反応させて補充身を
骨抜き半身魚身に結着させ(酵素反応工程)、その酵素
反応終了後に補充身つき半身魚身を凍結状態で保存する
(凍結保存工程)、という各工程を行うことで、冷凍骨
抜き魚身に加工するようにしている。
【0046】従って、この請求項4の発明では、上記請
求項1の冷凍骨抜き魚身に容易に加工できる。尚、この
請求項4の加工方法で加工された冷凍骨抜き魚身は、縦
骨を除去した骨跡凹部内に補充身を充填しているので、
見映えがよくなり、タンパク質架橋酵素により補充身が
骨跡凹部内で魚身と適度に結着しているので、調理時や
喫食時に補充身がバラつかず、縦骨除去により骨跡凹部
のある魚身であってもそこに補充身が結着しているので
魚身が身割れしにくく(崩れにくく)なる、等の効果が
ある。
【0047】本願請求項5の発明の効果 本願請求項5の発明は、上記請求項4の冷凍骨抜き魚身
の加工方法において、酵素反応工程の終了後に、補充身
つき半身魚身を半凍結状態まで凍結し(半凍結工程)、
その半凍結した補充身つき半身魚身を所定大きさの切り
身魚身に切断(切断工程)した後に、凍結保存するよう
にしている。
【0048】この請求項5のように、補充身つき半身魚
身を半凍結状態で切断すると、補充身が魚身に固く結合
した状態を維持しているので、補充身がバラける(補充
身が魚身から分離する)ことがなくなる。従って、この
請求項5の発明では、上記請求項4の効果に加えて、切
断作業が容易となり且つきれいに切断できるという効果
がある。又、このように、予め所定大きさの切り身魚身
に切断しておくと、調理前に切断のために解凍(半解
凍)させる手間が不要となり、凍結状態のままで直接加
熱調理することができるという効果もある。
【0049】本願請求項6の発明の効果 本願請求項6の発明は、上記請求項4又は5の冷凍骨抜
き魚身の加工方法において、凍結保存する前に、凍結状
態の骨抜き魚身に所定量の水を付着させるグレーズがけ
工程を行っている。
【0050】このように、凍結状態の骨抜き魚身に水を
付着させると、その水が氷となって補充身つき半身魚身
の外周全面を被覆するようになり、上記請求項4又は5
の効果に加えて、凍結保存状態において補充身つき半身
魚身の冷凍乾燥(いわゆる冷凍焼け)を防止できるとい
う効果がある。
【0051】
【発明の実施の形態】図1〜図4を参照して本願実施形
態を説明すると、図1は本願第1実施形態の冷凍骨抜き
魚身の加工方法の工程図を示し、図2は本願第2実施形
態の冷凍骨抜き魚身の加工方法の工程図を示している。
又、図3は、第1実施形態と第2実施形態に共通するも
のであって、対象魚としてサバを採用した場合の加工工
程図を示し、図4は、図3(D)に示す骨抜き魚身の拡
大断面図を示している。
【0052】第1実施形態 図1に示す第1実施形態は、最終の加工形態として、原
形魚1から半身魚身状態の冷凍骨抜き魚身7に加工する
ものである。そして、この第1実施形態の加工方法で
は、生の原形魚1に対して、三枚おろし工程21、腹骨
・縦骨除去工程22、補充身充填工程23、酵素反応工
程24、凍結工程25、液体付着工程26、凍結保存工
程27を順次行うものである。以下、上記各工程21〜
27について図3及び図4を併用しながら説明する。
尚、原形魚1は、大量購入して冷凍保存しておき、加工
予定数量に見合う数量づつチルドルームで半解凍させな
がら使用する。
【0053】三枚おろし工程21 この三枚おろし工程21では、図3(A)に示す原形魚
(サバ)1を三枚におろして、図3(B)に示すように
左右両身(各半身魚身)2,2を中骨から分離させる。
即ち、原形魚1の頭部及び尾部を切除し、内臓を除去し
た状態で、左右両身をそれぞれ中骨に沿って分離させ
る。このとき半身魚身2,2に胸ヒレが残っている場合
には、該胸ヒレも切除する。尚、鱗のある魚では、原形
魚1の状態で該鱗を除去する。
【0054】この三枚おろし工程21は、原形魚1を半
解凍状態(内臓が凍っている状態)で行うとよい。この
ように、原形魚1を半解凍させたものでは、魚身に適度
の固さ(保形性)があり、魚身が崩れにくくなって包丁
作業がし易くなる。
【0055】図3(B)に示すように、三枚おろしにし
た各半身魚身2,2には、腹骨11及び多数の縦骨1
2,12・・が残っている。縦骨12は、サバの場合、
半身魚身2の上下中央部分において魚身の長さ方向に間
隔をもって15本程度あり、魚身の身側面から魚身厚さ
方向に向けてかなりの深さまで埋まっている。
【0056】腹骨・縦骨除去工程22 この腹骨・縦骨除去工程22は、図3(B)の各半身魚
身2,2から腹骨11及び各縦骨12,12・・を除去
して、図3(C)の骨抜き半身魚身3に加工するもので
ある。
【0057】腹骨11は、包丁で削ぎ落とすが、この腹
骨11には若干の身(魚肉)がついたまま除去されるの
で、その分、半身魚身2の腹部のボリュームが減少する
ようになる。
【0058】各縦骨12,12・・は、毛抜き等で1本
づつ抜き取る。この縦骨除去時には、図3(B)に示す
ように、各縦骨12,12・・に沿って包丁で1本の切
り目線13を入れておくと、該縦骨12の除去作業が容
易となる。
【0059】ところで、縦骨12は、半身魚身2の長さ
方向のほぼ全長に亘って多数本(サバでは15本程度)
あり、且つ魚身のかなりの深さまで埋まっており、しか
も生の魚身では縦骨12の回りに身が強固に結着してい
る。従って、各縦骨12,12・・を抜き取ると該縦骨
12に少量の身が付着したまま引き抜かれ、そこにかな
り大きな骨跡凹部14,14・・(図3(C)参照)が
できる。そして、該骨跡凹部14,14・・がこのまま
であると、魚身の見映えが悪くなるとともに、該魚身が
身割れし易く(崩れ易く)なる。尚、縦骨12を除去し
た各骨跡凹部14,14・・は、大きく身割れしたもの
や小さな小孔程度のもの等の大小さまざまである。
【0060】補充身充填工程23 この補充身充填工程23では、図3(C)に示す骨抜き
半身魚身3における縦骨を除去した各骨跡凹部14,1
4・・内及び腹骨を除去した腹骨除去部15上に、それ
ぞれ同種魚の微細身にタンパク質架橋酵素を混合した補
充身4,4を充填する(図3(D)の補充身つき半身魚
身5の状態となる)。
【0061】補充身4となる微細身には、同種魚の落と
し身を用い、ミジン切り状あるいはペースト状にしたも
のが使用される。タンパク質架橋酵素としては、例えば
味の素(株)社製の商品名「アクティバ」(粉末状で、ト
ランスグルタミナーゼを主成分とする)を使用できる。
この「アクティバ」(トランスグルタミナーゼ)は、概
ね室温から50℃の範囲で高い活性を示し、−18℃以
下の低温では活性が停止し、75℃で5分以内に失活す
る性質がある。
【0062】この補充身4は、微細身に対してタンパク
質架橋酵素(上記「アクティバ」)を重量比で0.4%
程度均一に混合したものを使用する。この微細身とタン
パク質架橋酵素との混合比(0.4%程度)は、特に限
定するものではなく、タンパク質架橋酵素を活性させる
環境(例えば反応させる雰囲気温度、反応させる時間
等)や目的とする結着強度等によって、適当な範囲に設
定できる。尚、本願実施形態で用いた「アクティバ」
は、0.2gで酵素量にして10ユニット程度に相当す
る。
【0063】この微細身に対するタンパク質架橋酵素の
混合時期は、上記三枚おろし工程21あるいは腹骨・縦
骨除去工程22と並行して行う。即ち、タンパク質架橋
酵素は微細身に混合させた時点から、タンパク質結着作
用が始まり、早くから補充身4(微細身とタンパク質架
橋酵素との混合物)を作り置きしておくと、酵素による
結着作用が進行して微細身同士のみが固く結着してしま
うので、微細身に対するタンパク質架橋酵素の混合時期
は、補充身4を骨抜き半身魚身3に充填する直前(例え
ば数分程度前)に行うのが好ましい。
【0064】この補充身充填工程23では、タンパク質
架橋酵素を補充身4に混合したものとは別に、骨抜き半
身魚身3における補充身4を充填すべき部分(各骨跡凹
部14,14・・及び腹骨除去部分15)に適宜微量づ
つ付着させておいてもよい。又、補充身4は、全部の骨
跡凹部14,14・・内に充填してもよいが、骨跡凹部
が小さいものでは、補充身(微細身)4の代わりにタン
パク質架橋酵素のみを付着させるだけでもよい。
【0065】そして、この補充身充填工程23では、図
3(C)における各骨跡凹部14,14・・内に補充身
4を充填する(詰め込む)とともに、腹骨除去部分15
上にも必要に応じて補充身4を適宜小厚さだけ均して載
せる。尚、各骨跡凹部14,14・・部分に包丁による
切り目線13を入れているものでは、該切り目線13に
よって魚身に形成される細溝部分にも補充身4を充填す
るとよい。この場合、各骨跡凹部14,14・・部分へ
の補充身4の充填形状は、図3(D)に示すように連続
する帯状になる。
【0066】酵素反応工程24 この酵素反応工程24では、骨抜き半身魚身3の各骨跡
凹部14,14・・及び腹骨除去部分15に充填した補
充身4中のタンパク質架橋酵素を所定時間だけ反応させ
て魚身3と補充身4とを結着させる。
【0067】この酵素反応工程24は、例えば室温(例
えば18℃程度)にて40〜45分間程度行うとよい。
この酵素反応工程24では、骨抜き半身魚身3の品温が
酵素高活性温度域(例えば室温)に近い温度まで上昇し
ていることが望ましいが、品温が低い場合は反応時間を
延長するなどの調整をする。
【0068】そして、タンパク質架橋酵素が酵素反応を
起こすと、該タンパク質架橋酵素に接する補充身4の微
細身と骨抜き半身魚身3とのタンパク質同士を結合さ
せ、時間の経過とともに該微細身と各骨跡凹部14,1
4・・及び腹骨除去部分15の各魚身とが順次結着され
ていくが、反応時間が長くなるほど、魚身同士の結着度
合いが強くなる。尚、骨跡凹部14内にタンパク質架橋
酵素のみを付着させた部分では、該骨跡凹部14の魚身
同士が結着されて小孔が塞がれる。
【0069】凍結工程25 この凍結工程25は、次のグレーズがけ工程26におい
て、補充身つき半身魚身5の外表面に付着させる水を凍
結させるためのもので、酵素反応工程24を終了した補
充身つき半身魚身5を急速凍結する。この凍結工程25
では、例えば−35℃〜−40℃で約45分間急速凍結
し、補充身つき半身魚身5の品温が−18℃以下になる
まで冷却する。尚、このように、補充身つき半身魚身5
を−18℃以下まで凍結すると、補充身中のタンパク質
架橋酵素(トランスグルタミナーゼ)の酵素反応は停止
し、補充身つき半身魚身5が凍結状態にある間は、その
以上、酵素による固化の進行は起こらない。
【0070】グレーズがけ工程26 このグレーズがけ工程26は、凍結状態の骨抜き魚身
(第1実施形態では補充身つき半身魚身5)に所定量の
水を付着させるものである。
【0071】このように、凍結状態の補充身つき半身魚
身5に水を付着させると、その水が氷となって補充身つ
き半身魚身5の外周全面を被覆するようになり、凍結保
存状態において補充身つき半身魚身5の冷凍乾燥を防止
できる。
【0072】凍結保存工程27 この凍結保存工程27は、上記グレーズがけ工程26に
続いて、そのまま低温(例えば−18℃以下)で保存す
るものである。尚、この凍結保存工程27では、冷凍骨
抜き魚身(半身魚身)7を1袋に所定個数だけ重ならな
いように収容し、且つ真空包装した状態で凍結保存する
とよい。
【0073】図1に示す実施形態の加工方法で加工され
た冷凍骨抜き魚身7は、図3(D)の補充身つき半身魚
身の状態で凍結保存している。そして、この冷凍骨抜き
魚身7は、喫食のために加熱調理をするまでは冷凍庫で
凍結保存し、調理前に包丁が入る半解凍状態まで解凍
し、所定大きさの切り身魚身(例えば図3(E)の符号
6の状態)に切断した後、目的に応じた加熱調理(例え
ば「煮る」「フライにする」「焼く」等の調理)で食す
ることができる。この場合、魚身から骨を除去している
ので、食するときの口触りが良好でおいしく食べられ
る。
【0074】この冷凍骨抜き魚身7は、各縦骨12,1
2・・を除去していることにより、本来なら各骨跡凹部
14,14・・があることで見映えが悪くなるが、該各
骨跡凹部14,14・・内に補充身4を充填しているの
で、補充身4で各骨跡凹部14,14・・が見えなくな
り、縦骨12を除去したものであっても骨跡凹部14に
よる見映えが悪くならない。又、各縦骨12,12・・
を除去する(抜き取る)と、そこにかなり大きに骨跡凹
部14ができて身割れしたり魚身全体の保形性が悪くな
る(身が崩れ易い)が、この補充身4には、タンパク質
架橋酵素を混合しているので、各骨跡凹部14,14・
・の魚身と補充身4とが適度に結着しており、魚身全体
の保形性が良好となる。
【0075】又、この第1実施形態では、腹骨除去部分
15にも補充身4を充填しているので、腹骨11を削ぎ
落とした部分の魚身が補充されており、該腹骨除去部分
15のボリュームが確保されている。従って、腹骨除去
部分15(通常は魚身が薄くて食感が良くない)もおい
しく食べられる。尚、この腹骨除去部分15の補充身4
も該腹骨除去部分15の魚身に適度に結着しており、該
補充身4が簡単に剥がれない。
【0076】第2実施形態 図2に示す第2実施形態は、最終の加工形態として、原
形魚1から所定大きさの切り身魚身状態の冷凍骨抜き魚
身7に加工するものである。そして、この第2実施形態
の加工方法では、生の原形魚1に対して、三枚おろし工
程21、腹骨・縦骨除去工程22、補充身充填工程2
3、酵素反応工程24、半凍結工程28、切断工程2
9、凍結工程30、グレーズがけ工程31、凍結保存工
程32を順次行うものである。尚、図2に示す第2実施
形態の各工程のうち、三枚おろし工程21、腹骨・縦骨
除去工程22、補充身充填工程23、酵素反応工程2
4、凍結工程30(図1の凍結工程25に相当する)、
グレーズがけ工程31(図1のグレーズがけ工程26に
相当する)、凍結保存工程32(図1の凍結保存工程2
7に相当する)は、それぞれ図1の第1実施形態のもの
と同じなので、それらの工程については第1実施形態の
説明を援用する。
【0077】この第2実施形態では、酵素反応工程24
の終了後に、図3(D)の補充身つき半身魚身5を半凍
結状態まで凍結させ、その半凍結状態で補充身つき半身
魚身5を図3(E)に示すように所定大きさの切り身魚
身6に切断する。尚、ここでいう半凍結状態とは、魚身
に包丁が入る程度の凍結状態のことである。
【0078】このように、補充身つき半身魚身5を切り
身魚身6に切断する前に半凍結させる理由は、次の通り
である。即ち、補充身つきの半身魚身5の品温が高い状
態(例えば品温が室温程度で身が柔らかい状態)では、
補充身4がタンパク質架橋酵素により適度に結着してい
ても、その結着力はさほど強力ではなく(あまり強力に
結着させると固くなって食感が悪くなる)、従って補充
身つき半身魚身5が柔らかい状態で切断すると、補充身
4がバラけ易くなる(補充身が魚身から分離する)。と
ころが、補充身つき半身魚身5を半凍結状態にしておく
と、補充身4が魚身に固く結合した状態を維持し、その
半凍結状態で補充身つき半身魚身5を切断すると補充身
4がバラけることがなく、きれいに切断することができ
る(補充身4の屑が出ない)。
【0079】尚、この第2実施形態の半凍結工程28
は、酵素反応工程24を終えた室温程度の補充身つき半
身魚身5を半凍結状態まで凍結する場合と、一旦完全凍
結させた状態から半凍結状態まで解凍する場合の2通り
がある。
【0080】そして、この第2実施形態では、切断工程
29を終えた各切り身魚身6を凍結し(凍結工程3
0)、その凍結状態の切り身魚身6に水を付着(瞬時に
氷になる)させて該切り身魚身6の外表面を氷で被覆し
(グレーズがけ工程31)、その状態で凍結保存する
(凍結保存工程32)。尚、このようにして加工された
冷凍骨抜き魚身(切り身魚身)8は、1袋に所定個数だ
け重ならないように収容し、且つ真空包装した状態で凍
結保存するとよい。
【0081】このように、予め所定大きさの切り身魚身
6に切断した状態で凍結しておくと、調理前に切断のた
めに解凍(半解凍)させる手間が不要となり、凍結状態
のままで直接加熱調理(例えば「煮る」「フライにす
る」「焼く」等の調理)をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1実施形態の冷凍骨抜き魚身の加工方法
の工程ブロック図である。
【図2】本願第2実施形態の冷凍骨抜き魚身の加工方法
の工程ブロック図である。
【図3】本願の第1及び第2実施形態に共通する冷凍骨
抜き魚身の加工方法の一部工程図である。
【図4】図3(D)のIV−IV拡大断面図である。
【符号の説明】
1は原形魚、2は開き身、3は骨抜き半身魚身、4は補
充身、5は補充身つき半身魚身、6は切り身魚身、7は
冷凍骨抜き魚身(半身魚身)、8は冷凍骨抜き魚身(切
り身魚身)、11は腹骨、12は縦骨、13は切り目
線、14は骨跡凹部、15は腹骨除去部分、21は三枚
おろし工程、22は腹骨・縦骨除去工程、23は補充身
充填工程、24は酵素反応工程、25は凍結工程、26
はグレーズがけ工程、27は凍結保存工程、28は半凍
結工程、29は切断工程、30は凍結工程、31はグレ
ーズがけ工程、32は凍結保存工程である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原形魚(1)を三枚におろした半身魚身
    (2)から腹骨(11)及び縦骨(12,12・・)を
    除去した骨抜き半身魚身(3)における前記縦骨(1
    2)を除去した骨跡凹部(14,14・・)内に、同種
    魚の微細身にトランスグルタミナーゼ単独あるいはトラ
    ンスグルタミナーゼを含有する混合物からなるタンパク
    質架橋酵素を混合した補充身(4)を充填して、前記タ
    ンパク質架橋酵素により前記補充身(4)を前記骨抜き
    半身魚身(3)に結着させた状態で凍結している、 ことを特徴とする冷凍骨抜き魚身。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 骨抜き半身魚身(3)における腹骨(11)を除去した
    部分(15)にも補充身(4)を充填している、 ことを特徴とする冷凍骨抜き魚身。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 補充身(4)を骨抜き半身魚身(3)に結着させた補充
    身つき半身魚身(5)を所定大きさの切り身魚身(6)
    に切断した状態で凍結している、 ことを特徴とする冷凍骨抜き魚身。
  4. 【請求項4】 原形魚(1)の左右両身を中骨から分離
    させる三枚おろし工程(21)と、 その各半身魚身(2)から腹骨(11)及び縦骨(1
    2,12・・)を除去する腹骨・縦骨除去工程(22)
    と、 その骨抜き半身魚身(3)における縦骨(12,12・
    ・)を除去した骨跡凹部(14,14・・)内に、同種
    魚の微細身にトランスグルタミナーゼ単独あるいはトラ
    ンスグルタミナーゼを含有する混合物からなるタンパク
    質架橋酵素を混合した補充身(4)を充填する補充身充
    填工程(23)と、 前記タンパク質架橋酵素を所定時間だけ反応させて補充
    身(4)を骨抜き半身魚身(3)に結着させる酵素反応
    工程(24)と、 該酵素反応工程(24)の終了後に補充身つき半身魚身
    (5)を凍結状態で保存する凍結保存工程(27)、 とを順次行うことを特徴とする冷凍骨抜き魚身の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 酵素反応工程(24)の終了後に、補充身つき半身魚身
    (5)を半凍結状態にする半凍結工程(28)と、その
    半凍結した補充身つき半身魚身(5)を所定大きさの切
    り身魚身(6)に切断する切断工程(29)とを行った
    後に、凍結保存することを特徴とする冷凍骨抜き魚身の
    加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、 凍結保存する前に、凍結状態の骨抜き魚身(5,6)に
    所定量の水を付着させるグレーズがけ工程(26,3
    1)を行うことを特徴とする冷凍骨抜き魚身の加工方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011032351A1 (zh) * 2009-09-20 2011-03-24 Zeng Weifu 去除鱼刺法

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