JP2003259582A - 回転機器のコア、その製造方法及び回転機器 - Google Patents

回転機器のコア、その製造方法及び回転機器

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JP2003259582A
JP2003259582A JP2002050420A JP2002050420A JP2003259582A JP 2003259582 A JP2003259582 A JP 2003259582A JP 2002050420 A JP2002050420 A JP 2002050420A JP 2002050420 A JP2002050420 A JP 2002050420A JP 2003259582 A JP2003259582 A JP 2003259582A
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Shinji Mito
信二 三戸
Takahiro Nakayama
孝博 中山
義之 ▼高▲部
Yoshiyuki Takabe
Keiichi Kamimura
敬一 上村
Yasuhiro Toyama
靖浩 外山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動の発生を防止することができる回転機器を
提供する。 【解決手段】固定子を構成するマグネット35の数を6
に設定し、電機子33のスロット37(37a〜37
h)の数を8に設定した。電機子33への巻線巻回は、
2つのセグメントおきに結線を施すようにしている。ま
た、6個のブラシは、等角度間隔でコンミテータに摺接
するように配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動の防止を図る
ことができる回転機器のコア、その製造方法及び回転機
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭55−147964
号公報では、マグネット数を2mn個(mは1以上の整
数、nは3以上の整数)、コアのティース数をm(2n
±1)個、コンミテータのセグメント数をmn(2n±
1)個にした直流電動機が開示されている。この場合、
m=1,n=3のとき、電動機のマグネット数が6とな
り、ティース数が7又は5となり、セグメント数が21
又は15となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な直流電動機のティース数が奇数となるため、各ティー
スに作用する磁力の合力、つまり各ティースのトルクベ
クトルの合成値(合成トルクベクトル)はゼロになら
ず、ロータのラジアル方向にその合力が常に働くように
なる。
【0004】図67に、従来の6極7スロット(ティー
ス数が7個)電動機のティースにおけるトルクベクトル
の合成図を示す。図67に示すように、7個のティース
110を有するロータ111の回りに6個のマグネット
112が配置されている。ロータ111が図67(a)
で示すA位置から図67(f)で示すF位置まで反時計
回り方向に回転するときの各ティース110に作用する
磁力の大きさ及び方向は、それぞれ図67(a)〜図6
7(f)に1点鎖線矢印で示すように変化する。各ティ
ース110のトルクベクトルta〜tgを合成して得た
合成トルクベクトルTは、図67(a)〜図67(f)
に実線矢印で示すように変化する。従って、ロータ11
1は、その回転中において、径方向(ラジアル方向)に
常にゼロではない合成トルクベクトルTで表した力が働
いていることから、ロータ(つまりモータ)振動の原因
となる。
【0005】また一般に、直流電動機や発電機などの回
転機器の電機子では、インナー(巻線)ロータ及びアウ
ター(マグネット)ロータ型のインナー(巻線)ステー
タを構成する積層コアがある。それらの積層コアに集中
巻線を施すとき、図68に示すように、コア113のテ
ィース114先端の幅W1と、巻線115を整列させて
巻くためのスロット内スペースS1を確保する必要があ
る。また、図69に示すように、コア116のティース
117先端の幅W2と、巻線118を整列させて巻くた
めのスロット内スペースS2を確保する必要がある。そ
のため、巻線115,118の占積率を大きくすること
ができない。また、ティース114,117先端の幅W
1,W2が広いと、コギングトルクが大きくなることか
ら回転機器の振動が大きくなるといった問題点がある。
【0006】これらの問題点を解消するために、特開平
9−191588号公報及び特開平10−4640号公
報では、分割されたティースに巻線を巻回してからコア
に組み付けるという技術が開示されている。
【0007】上記公報の技術では、生産部品としてコア
本体と複数のティースがあるため、組み付け前の部品点
数が多くなり、生産管理上に問題点があった。また、特
開平10−4640号公報に開示された技術の場合、半
数のティースがコア本体と完全に分割されている状態か
らコア本体に嵌合することによってコアは一体に組み付
けられている。そのため、嵌合状態の前記ティース部の
嵌合部は、その磁気抵抗がコア本体と一体に形成された
ティース部の磁気抵抗より高くなり、同一コアには異な
る磁気抵抗のティース部が存在してしまう。さらに、こ
のようなコアをインナーロータに用いた場合、回転によ
る遠心力で前記嵌合部ではゆるみが発生してしまう。そ
の結果、各ティース部に作用する磁力が不均一となり、
モータ振動の原因となってしまう。
【0008】本発明は上記のような問題を鑑みなされた
ものであって、その目的は振動の発生を防止することが
できる回転機器のコア、その製造方法及び回転機器を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、リング部と、前記リン
グ部に設けられた第1の嵌合部と、前記リング部から放
射状に一体形成された一体ティースと、該一体ティース
と同一形状に形成され且つ第2の嵌合部を有し、当該一
体ティースに固着した分割ティースとからなるティース
部とを有する第1及び第2コア部を備え、前記第1コア
部の第1の嵌合部と第2コア部の第2の嵌合部を嵌合さ
せ、第2コア部の第1の嵌合部と第1コア部の第2の嵌
合部を嵌合させることによって、第1コア部と第2コア
部を積層させてなることを要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の回転機器のコアにおいて、前記分割ティースは、前記
リング部と同じ厚さにて形成されていることを要旨とす
る。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の
回転機器のコアにおいて、前記一体ティースは、等角度
間隔にて複数形成され、前記第1の嵌合部は、前記リン
グ部の相隣る前記一体ティース間に形成されていること
を要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の回転機器のコアにおいて、前記一体ティースと第1の
嵌合部は、それぞれ4個形成されていることを要旨とす
る。請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれ
か1に記載の回転機器のコアにおいて、前記各ティース
部にはインシュレータが配設され、前記第2の嵌合部
は、該第2の嵌合部に当接する前記インシュレータの嵌
合端絶縁部の周方向長さと同じ又はそれ以上の長さにて
形成されていることを要旨とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の回転機器のコアにおいて、前記第2の嵌合部は、36
0°/ティース本数となる所定角度に対応した円弧長に
て形成されていることを要旨とする。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれか1に記載の回転機器のコアにおいて、前記各
分割ティースには、インシュレータたわみ防止部が設け
られていることを要旨とする。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれか1に記載の回転機器のコアの製造方法であっ
て、前記第1及び第2コア部の各ティース部にそれぞれ
巻線を巻回してから、第1コア部と第2コア部を積層さ
せるようにしたことを特徴とすることを要旨とする。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項5乃至7
のいずれか1に記載の回転機器のコアの製造方法であっ
て、前記第1及び第2コア部の各ティース部に配設され
たインシュレータにそれぞれ巻線を巻回してから、第1
コア部と第2コア部を積層させるようにしたことを特徴
とすることを要旨とする。
【0016】請求項10に記載の発明は、複数の磁極を
有する固定子と、前記磁極と対向するよう配設され、巻
線が巻回される複数のスロットを有する回転子と、前記
回転子に固定され前記巻線に接続される整流子と、前記
整流子に摺接する複数のブラシとを備えた回転機器にお
いて、前記回転子のラジアル方向への力がゼロとなるよ
うに前記磁極及びスロットの数を設定したことを要旨と
する。
【0017】請求項11に記載の発明は、複数の磁極を
有する固定子と、前記磁極と対向するよう配設され、巻
線が巻回される複数のスロットを有する回転子と、前記
回転子に固定され前記巻線に接続される整流子と、前記
整流子に摺接する複数のブラシとを備えた回転機器にお
いて、前記各スロットにおけるトルクベクトルの合成値
がゼロとなるように前記磁極及びスロットの数を設定し
たことを要旨とする。
【0018】請求項12に記載の発明は、複数の磁極を
有する回転子と、前記磁極と対向するよう配設され、巻
線が巻回される複数のスロットを有する固定子とを備え
た回転機器において、前記回転子のラジアル方向への力
がゼロとなるように前記磁極及びスロットの数を設定し
たことを要旨とする。
【0019】請求項13に記載の発明は、複数の磁極を
有する回転子と、前記磁極と対向するよう配設され、巻
線が巻回される複数のスロットを有する固定子とを備え
た回転機器において、前記各スロットにおけるトルクベ
クトルの合成値がゼロとなるように前記磁極及びスロッ
トの数を設定したことを要旨とする。
【0020】請求項14に記載の発明は、請求項10乃
至13のいずれか1に記載の回転機器において、前記磁
極の数を6に設定し、前記スロットの数を8に設定した
ことを要旨とする。
【0021】請求項15に記載の発明は、請求項10乃
至13のいずれか1に記載の回転機器において、前記磁
極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記スロット
の数をn(nは3以上の整数)としたとき、磁極数2m
とスロット数nを、 0<2m<2n(ただし、n≠2m) (A) mod(n,2)=0 (D) に満足する組み合わせにしたことを要旨とする。
【0022】請求項16に記載の発明は、請求項10乃
至13のいずれか1に記載の回転機器において、前記磁
極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記スロット
の数をn(nは3以上の整数)とし、kを自然数とし、
nの各因数を1を除いた因数としたとき、磁極数2mと
スロット数nを、 0<2m<2n(ただし、n≠2m) (A) mod(n,2)=1且つmod((nの各因数)×k,2)=0 (E) (nの各因数)×k=2m (F) に満足する組み合わせにしたことを要旨とする。
【0023】請求項17に記載の発明は、請求項15又
は16に記載の回転機器において、前記磁極の数を2m
(mは1以上の整数)とし、前記スロットの数をn(n
は3以上の整数)とし、短節巻係数をKとしたとき、磁
極数2mとスロット数nを、 K=sin((π/2)×(2m/n)) (B) の式で表される短節巻係数Kが大きな組み合わせにした
ことを要旨とする。
【0024】請求項18に記載の発明は、請求項15又
は16に記載の回転機器において、前記磁極の数を2m
(mは1以上の整数)とし、前記スロットの数をn(n
は3以上の整数)とし、短節巻係数をKとしたとき、磁
極数2mとスロット数nを、 K=sin((π/2)×(2m/n)) (B) の式で表される短節巻係数KがK>0.9に満足する組
み合わせにしたことを要旨とする。
【0025】請求項19に記載の発明は、請求項15又
は16に記載の回転機器において、前記磁極の数を2m
(mは1以上の整数)とし、前記スロットの数をn(n
は3以上の整数)とし、コギングトルクの脈動数をHと
したとき、磁極数2mとスロット数nを、磁極数2mと
スロット数nの最小公倍数となるコギングトルクの脈 動数H H=LCM(2m,n) (C) が大きな組み合わせにしたことを要旨とする。
【0026】請求項20に記載の発明は、請求項10又
は11に記載の回転機器において、前記回転子のコア
は、第1の嵌合部を有するリング部と、第2の嵌合部を
有し前記リング部から放射状に形成されるティース部と
からなる第1及び第2コア部を備え、前記第1コア部の
第1の嵌合部と第2コア部の第2の嵌合部を嵌合させ、
第2コア部の第1の嵌合部と第1コア部の第2の嵌合部
を嵌合させることによって、第1コア部と第2コア部を
積層させてなることを要旨とする。
【0027】請求項21に記載の発明は、請求項20に
記載の回転機器において、前記ティース部は、前記リン
グ部から放射状に一体形成された一体ティースと、該一
体ティースと同一形状に形成され且つ前記第2の嵌合部
を有し、当該一体ティースに固着した分割ティースとか
らなることを要旨とする。
【0028】請求項22に記載の発明は、請求項20に
記載の回転機器において、前記第1及び第2コア部は、
磁性粉体を圧縮成形することで前記リング部とティース
部とが一体に形成されることを要旨とする。
【0029】請求項23に記載の発明は、請求項20〜
22のいずれか1に記載の回転機器において、前記磁極
の数を6に設定し、前記スロットの数を8に設定し、該
スロットには前記巻線が集中巻にて巻回されたことを要
旨とする。
【0030】請求項24に記載の発明は、請求項20〜
23のいずれか1に記載の回転機器において、前記整流
子は、略円筒状に形成された絶縁体と、その絶縁体の外
周面に複数配置されるセグメントとを有し、前記ティー
ス部に巻回した巻線の端部を前記セグメントに接続し、
該巻線が接続された2つのセグメントと前記巻線が非接
続となる1つのセグメントとを短絡線を介して短絡する
ようにしたことを要旨とする。
【0031】請求項25に記載の発明は、請求項24に
記載の回転機器において、前記短絡線を、前記絶縁体の
外周面に略V字状となるよう配置し、該短絡線における
V字の中央部を前記巻線が非接続となるセグメントに接
続し、該短絡線について、その中央部の接続は3つのセ
グメントおきに行われることを要旨とする。
【0032】請求項26に記載の発明は、請求項25に
記載の回転機器において、前記短絡線の中央部を前記セ
グメントに接合した後、該短絡線の端部を前記巻線の端
部とともにセグメントに接合することを要旨とする。
【0033】(作用)請求項1,3及び4に記載の発明
によれば、第1及び第2コア部は、それぞれ一体ティー
スと第2の嵌合部を有する分割ティースとからなるティ
ース部と、リング部に形成された第1の嵌合部を備えて
いる。そして、分割ティースの第2の嵌合部とリング部
の第1の嵌合部を嵌合し、第1コア部と第2コア部を積
層することによってコアは形成される。この場合、ティ
ース先端の幅を狭くすることが可能となり、コギングト
ルクによる回転機器の振動を抑制することができる。ま
た、コアを組み付けるための組み付け前の部品は、第1
コア部と第2コア部の2部品しかないため、従来技術に
比べ、部品点数の低減と組付けの簡素化を図ることがで
きる。さらに、第1及び第2コア部のティース部は、リ
ング部と一体に形成された一体ティースと、該一体ティ
ース上に固着した分割ティースとから構成されているた
め、コアをインナーロータに用いた場合においても、回
転による遠心力で分割ティースのゆるみが発生しない。
よって、このようなコアを用いた回転機器の性能向上を
図ることができる。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、分割ティ
ースは、リング部と同じ厚さにて形成されている。従っ
て、各ティース部はすべて同じに形成され、各ティース
部の磁気抵抗が同じとなる。その結果、特開平10−4
640号公報の回転機器のように各ティース部の磁気抵
抗が異なるものに比べ、このようなコアを用いた回転機
器の性能向上を図ることができる。
【0035】請求項5〜7に記載の発明によれば、巻線
の巻装によるインシュレータのたわみが防止されること
によって、第1コア部と第2コア部との組付性を向上す
ることができる。
【0036】請求項8及び9に記載の発明によれば、コ
アの組み付けにおいて、第1及び第2コア部の各ティー
ス部(請求項9に記載の発明の場合、各ティース部に配
設されたインシュレータ)にそれぞれ巻線を巻回してか
ら、第1コア部と第2コア部を積層させるようにした。
従って、第1コア部と第2コア部を組み付けてから各テ
ィース部(請求項9に記載の発明の場合、各ティース部
に配設されたインシュレータ)にそれぞれ巻線を巻回す
る方法に比べ巻線を容易に巻回することができる。この
場合、各ティース部の先端部間の幅を小さくすることが
できる。その結果、このようなコアを用いた回転機器の
コギングトルクを低減することができ、回転機器の振動
を低減することができる。また、スロット内スペースを
有効に利用できることから、巻線の占積率を大きくする
ことができ、回転機器の小型化を図ることができる。
【0037】請求項10〜14に記載の発明によれば、
各スロットで生じるトルクベクトルは軸対称のスロット
間において大きさが等しく方向が相反するため、各スロ
ットのトルクベクトルを合成した結果、その合成トルク
ベクトルは常にゼロとなる。従って、従来技術に比べ、
回転子がラジアル方向への力の作用によって振動するこ
とが防止される。
【0038】請求項15及び16に記載の発明によれ
ば、電機子に作用される軸接線力及び軸法線力がゼロと
なる磁極数2mとティース数nの組み合わせは容易に選
ばれる。
【0039】請求項17及び18に記載の発明によれ
ば、出力の大きな回転機器の短節巻係数Kに対応する磁
極数2mとティース数nの組み合わせは容易に選ばれ
る。請求項19に記載の発明によれば、コギングトルク
の小さい回転機器のコギングトルク脈動数Hに対応する
磁極数2mとティース数nの組み合わせは容易に選ばれ
る。
【0040】請求項20〜23に記載の発明によれば、
回転機器において、径方向及び軸方向ともにコンパクト
にすることができ、かつ振動及び騒音を抑制することが
できる。
【0041】請求項22に記載の発明によれば、第1及
び第2コア部は、磁性粉体を圧縮成形することで1部品
として形成されるので、部品点数を低減する上で好まし
いものとなる。
【0042】請求項24に記載の発明によれば、ティー
ス部を巻回した巻線が接続された2つのセグメントと、
巻線が非接続となる1つのセグメントとが短絡線を介し
て短絡されるので、回転機器の駆動時に全てのセグメン
トを通電させることが可能となる。従って、通電の有無
によってセグメントの磨耗度合が異なりセグメント間に
段差が生じることが回避される。これにより、振動及び
騒音を抑制できる。
【0043】請求項25に記載の発明によれば、短絡線
が絶縁体の外周面に略V字状となるよう配置され、該短
絡線におけるV字の中央部は巻線が非接続となるセグメ
ントに接続される。また、各短絡線について、V字の中
央部の接続が3つのセグメントおきに行われる。このよ
うにすれば、短絡線を設けたことによる重量バランスの
悪化が防止される。
【0044】請求項26に記載の発明によれば、整流子
の各セグメントに短絡線及び巻線が容易に接合される。
【0045】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を6極8スロットの回転機器としての直流電動機に具体
化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
【0046】図1に示すように、本実施形態の直流電動
機31は、固定子32と回転子としての電機子33を備
えている。固定子32は、ヨーク34と該ヨーク34内
に配設された複数の磁極としてのマグネット35から構
成されている。本実施形態では、6個のマグネット35
は、ヨーク34の内周面に等角度間隔にて配置固定され
ている。
【0047】前記電機子33のコア33cには、図2に
示すように、複数のティース36が設けられている。本
実施形態では、8個のティース36が等角度間隔にて設
けられている。各ティース36間には、8個のスロット
37が形成されている。なお、図3において、8個のテ
ィース36及びスロット37をそれぞれ区別するために
番号「36」と「37」に「a」〜「h」の符号を付
し、第1〜第8ティース36a〜36h及び第1〜第8
スロット37a〜37hとする。
【0048】また、図1に示すように、電機子33の一
端には、整流子としてのコンミテータ38がブラシ39
と摺接するように配置されている。コンミテータ38は
複数のセグメント40を有し、本実施形態では、24個
のセグメント40が等角度間隔にて設けられ、説明の便
宜上、図3及び図4において第1セグメント1〜第24
セグメント24にてセグメント40の順番を示す。
【0049】そして、上記のように形成された電機子3
3は、前記マグネット35に囲まれるように回転軸33
aを介して回転可能にヨーク34内に支持収容されてい
る。なお、本実施形態では、6個のブラシ39は、その
電機子径方向における中心線がそれぞれ前記6個のマグ
ネット35の径方向中心線と一致するよう設定され、等
角度間隔でコンミテータ38に摺接するように配設され
ている。
【0050】図3は、本実施形態の電機子33への巻線
結線を示す説明図であり、図4は、同じく電機子33へ
の巻線結線を示す展開図である。本実施形態では、図3
及び図4に示すように、電機子33への巻線巻回は、2
つのセグメント40おきに結線を施すようにしている。
以下、電機子33への巻線巻回について詳述する。
【0051】図3及び図4に示すように、第1セグメン
ト1に結線した巻線41(図3において破線で示す)
を、第3スロット37cと第2スロット37b間の第6
ティース36fに所定ターン数にて巻回した後、第10
セグメント10に結線させる。次に、第10セグメント
10に結線した巻線41を、第6スロット37fと第5
スロット37e間の第1ティース36aに所定ターン数
にて巻回した後、第19セグメント19に結線させる。
第19セグメント19に結線した巻線41を、第1スロ
ット37aと第8スロット37h間の第4ティース36
dに所定ターン数にて巻回した後、第4セグメント4に
結線させる。
【0052】また、前記第4セグメント4に結線した巻
線41(図3において実線で示す)を、第4スロット3
7dと第3スロット37c間の第7ティース36gに所
定ターン数にて巻回した後、第13セグメント13に結
線させる。次に、第13セグメント13に結線した巻線
41を、第7スロット37gと第6スロット37f間の
第2ティース36bに所定ターン数にて巻回した後、第
22セグメント22に結線させる。第22セグメント2
2に結線した巻線41を、第2スロット37bと第1ス
ロット37a間の第5ティース36eに所定ターン数に
て巻回した後、第7セグメント7に結線させる。
【0053】さらに、前記第7セグメント7に結線した
巻線41(図3において2点鎖線で示す)を、第5スロ
ット37eと第4スロット37d間の第8ティース36
hに所定ターン数にて巻回した後、第16セグメント1
6に結線させる。次に、第16セグメント16に結線し
た巻線41を、第8スロット37hと第7スロット37
g間の第3ティース36cに所定ターン数にて巻回した
後、第1セグメント1に結線させる。そして、電機子3
3には巻線41が巻回される。
【0054】図5に、上記のように形成された直流電動
機31の各ティース36a〜36hに作用する磁力及び
合成トルクベクトルを示している。電機子33が図5
(a)で示すA位置から図5(f)で示すF位置まで反
時計回り方向に回転するときの各ティース36a〜36
hに作用する磁力の大きさ及び方向は、それぞれ1点鎖
線矢印で示すトルクベクトルta〜thとなるように変
化する。例えば図5(a)に示す状態でのトルクベクト
ルta〜thを説明すると、S極に磁化された第6ティ
ース36fにおけるトルクベクトルtcは、軸対称に位
置しN極に磁化された第2ティース36bにおけるトル
クベクトルtgとは、大きさが等しく方向が相反するよ
うになっている。つまり、各ティース36a〜36hで
生じるトルクベクトルta〜thは軸対称のティース間
において大きさが等しく方向が相反する。そのため、各
ティース36a〜36hのトルクベクトルta〜thを
合成した結果、その合成トルクベクトルは、常にゼロと
なる。
【0055】次に、本実施形態の直流電動機31の特徴
について説明する。 (1)本実施形態では、固定子32を構成するマグネッ
ト35の数を6にし、電機子33のスロット37の数を
8に設定した。従って、電機子33の各ティース36
(つまりスロット37)の合成トルクベクトルがゼロと
なり、電機子33のラジアル方向への力がゼロとなる。
その結果、従来技術に比べ、ラジアル方向への力の作用
によって回転子は振動することが防止される。
【0056】(2)本実施形態では、電機子33への巻
線巻回は、2つのセグメント40おきに結線を施すよう
にしている。また、6個のブラシ39は、等角度間隔で
コンミテータ38に摺接するように配設されている。従
って、2個の同電位のブラシ39間で順番に整流か行わ
れることから、ブラシ2個使用の場合に比べ、各ブラシ
39の寿命を向上することができる。
【0057】(第2の実施形態)本発明を任意偶数個の
磁極(マグネット)と任意個のティース(スロット)を
有する直流電動機に具体化した第2の実施形態を図面に
従って説明する。なお、本実施形態の直流電動機は第1
の実施形態の直流電動機とは構造がほぼ同じであり、磁
極(マグネット)の数を任意偶数個とし、ティース(ス
ロット)の数を任意個として一般化にした応用例であ
る。
【0058】本実施形態では、直流電動機の磁極数を2
m個(mは1以上の整数)とし、電機子のティース数を
n個(nは3以上の整数)とする。つまり、直流電動機
は、2m個のマグネットが360/2m度の角度ごとに
N極とS極が交互に配置され、その内径側にn個のティ
ースを360/n度の角度ごとに配置されている。その
ため、磁極数2mとティース数nとの対応関係は次の式
(A)に満足するとき、直流電動機として成立する。言
い換えれば、磁極数2mとティース数nとの対応関係は
次の式(A)に満足しないとき、直流電動機として成立
しない。
【0059】 0<2m<2n(ただし、n≠2m) (A) また、本実施形態では、直流電動機の回転子としての電
機子への巻線は短節巻方式にて行われており、直流電動
機の短節巻係数Kは磁極数2m及びティース数nとの関
係は次の式(B)に示されている。なお、短節巻係数K
とは、磁極ピッチに対して巻線辺の間隔を考慮した係数
であり、直流電動機の出力に比例する。つまり、短節巻
係数Kが大きければ大きいほど直流電動機の出力は大き
くなる。
【0060】 K=sin((π/2)×(2m/n)) (B) さらに、一般的に、直流電動機のコギングトルクの値は
コギングトルクの脈動数(コギングトルク山数とも言
う)Hに反比例し、電機子の回転一周当たりのコギング
トルクの脈動数Hは磁極数2mとティース数nの最小公
倍数となっている。コギングトルクの脈動数Hを次の式
(C)で表す。
【0061】 H=LCM(2m,n) (C) つまり、磁極数2mとティース数nの最小公倍数が大き
ければコギングトルク脈動数が大きくなり、コギングト
ルクの値は小さくなる。
【0062】そして、本出願人は直流電動機の磁極数2
mとティース数nの組み合わせと、電機子に作用される
軸接線力及び軸法線力との関係を調べ、その一部分のデ
ータを図9〜図32に示す。図9〜図16は6極7ティ
ース(磁極数2m=6、ティース数n=7)、電機子回
転角が0°〜70°間の電動直流機における電機子に作
用される軸接線力及び軸法線力を測定したデータを示す
グラフである。図17〜図24は6極8ティース(磁極
数2m=6、ティース数n=8)、電機子回転角が0°
〜70°間の電動直流機における電機子に作用される軸
接線力及び軸法線力を測定したデータを示すグラフであ
る。図25〜図32は6極9ティース(磁極数2m=
6、ティース数n=9)、電機子回転角が0°〜70°
間の電動直流機における電機子に作用される軸接線力及
び軸法線力を測定したデータを示すグラフである。な
お、図9〜図32の各図(a)は電機子に作用される軸
接線力のデータを示し、各図(b)は電機子に作用され
る軸法線力のデータを示している。また、図9〜図32
の中において、破線の矢印が各ティースでの作用力を表
し、細実線の矢印が各ティースのトルクベクトルを表
し、太実線の矢印が合成トルクベクトル(軸接線力又は
軸方線力)を表している。各図面中の数字の単位はニュ
ートン(N)である。
【0063】図9〜図16に示すように、0°〜70°
間のいずれの電機子回転角においても、電機子に作用さ
れる合成トルクベクトル(軸接線力又は軸方線力)はゼ
ロにならない。従って、この6極7ティース(スロッ
ト)の電動直流機は従来技術で説明したように、回転中
の電機子が常にラジアル方向の力の作用を受けて振動す
る。
【0064】図17〜図24に示すように、0°〜70
°間のいずれの電機子回転角においても、電機子に作用
される合成トルクベクトル(軸接線力又は軸方線力)は
ゼロになっている。従って、この6極8ティース(スロ
ット)の電動直流機は第1の実施形態で説明したよう
に、回転中の電機子がラジアル方向の力の作用を受けず
振動しない。
【0065】図25〜図32に示すように、0°〜70
°間のいずれの電機子回転角においても、電機子に作用
される合成トルクベクトル(軸接線力又は軸方線力)は
ゼロになっている。従って、この6極9ティース(スロ
ット)の電動直流機は、その回転中の電機子がラジアル
方向の力の作用を受けず振動しない。
【0066】そして、本出願人は、直流電動機の磁極数
2m(=2〜24)及びティース数n(=3〜25)
と、直流電動機の短節巻係数K、電機子に作用される軸
接線力及び軸法線力、コギングトルク山数との対応関係
を表すデータを図6〜図8に示している。
【0067】図6〜図8に示すように、直流電動機の磁
極数2m及びティース数nは前記式(A)に満足すると
ともに、ティース数nは次の式(D)に満足するとき、
電機子に作用される軸接線力及び軸法線力はゼロとな
る。
【0068】 mod(n,2)=0 (D) つまり、式(D)によれば、ティース数nが偶数である
場合、電機子に作用される軸接線力及び軸法線力はゼロ
となる。
【0069】また、図6〜図8に示すように、直流電動
機の磁極数2m及びティース数nは前記式(A)に満足
するとともに、ティース数nは次の式(E)(F)に満
足するとき、電機子に作用される軸接線力及び軸法線力
はゼロとなる。
【0070】 mod(n,2)=1且つmod((nの各因数)×k,2)=0 (E) (nの各因数)×k=2m (F) ここで、kは自然数である。nの各因数は1を除いた因
数である。
【0071】つまり、式(E)(F)によれば、ティー
ス数nが奇数である場合、ティース数nの各因数(1を
除く)と自然数kとの積は偶数であり、且つティース数
nの各因数(1を除く)と自然数kとの積が磁極数2m
に等しいとき、電機子に作用される軸接線力及び軸法線
力はゼロとなる。
【0072】例を挙げて説明すると、前記6極7ティー
スの直流電動機の場合、ティース数nが7(奇数)であ
り、ティース数nの因数(1を除く)は7しかない。そ
して、(nの各因数)×k(=7,14,21,28・
・・・・)の中に式(A)に満足する偶数はないため、
電機子に作用される軸接線力及び軸法線力はゼロとなる
磁極数2mとティース数nの組み合わせはない。
【0073】また、前記6極9ティースの直流電動機の
場合、ティース数nが9(奇数)であり、ティース数n
の因数(1を除く)は3,9がある。例えばティース数
nの因数(1を除く)は3である場合、3×k(=3,
6,9,12・・・・・)の中に式(A)に満足する偶
数は6(=2m)があるため、磁極数2mとティース数
nの組み合わせは6極9ティースの場合において電機子
に作用される軸接線力及び軸法線力はゼロとなる。
【0074】従って、ティース数nが偶数である場合、
式(A)に満足する直流電動機の磁極数2mとティース
数nの組み合わせを選べば、電機子に作用される軸接線
力及び軸法線力はゼロになり、電機子の振動のない直流
電動機を得ることができる。
【0075】また、図6〜図8では、磁極数2m(=2
〜24)及びティース数n(=3〜25)に対応した直
流電動機の短節巻係数Kを示している。そして、電機子
に作用される軸接線力及び軸法線力がゼロとなる磁極数
2mとティース数nの組み合わせの中に短節巻係数Kが
大きな(例えばK>0.9)組み合わせを選べば、出力
の大きな直流電動機を得ることができる。
【0076】さらに、図6〜図8では、磁極数2m(=
2〜24)及びティース数n(=3〜25)に対応した
直流電動機のコギングトルクの脈動数(コギングトルク
山数)Hを示している。そして、電機子に作用される軸
接線力及び軸法線力がゼロとなる磁極数2mとティース
数nの組み合わせの中にコギングトルク山数Hが大きな
組み合わせを選べば、コギングトルクの値が小さい直流
電動機を得ることができる。
【0077】次に、本実施形態の効果を記載する。 (1) 電機子に作用される軸接線力及び軸法線力がゼ
ロとなる磁極数2mとティース数nを、式(A)及び式
(D)に満足した組み合わせ又は式(A)及び(E)
(F)に満足した組み合わせにした。従って、それらの
式に基づいて電機子に作用される軸接線力及び軸法線力
がゼロとなる磁極数2mとティース数nの組み合わせを
容易に選ぶことができる。
【0078】(2) 磁極数2mとティース数nの組み
合わせに対応して直流電動機の短節巻係数Kを式(B)
で表した。従って、その式(B)に基づいて短節巻係数
Kの大きな磁極数2mとティース数nの組み合わせを選
ぶことによって、出力の大きな直流電動機を得ることが
できる。
【0079】(3) 磁極数2mとティース数nの組み
合わせに対応して直流電動機のコギングトルクの脈動数
(コギングトルク山数)Hを式(C)で表した。従っ
て、その式(C)に基づいてコギングトルクの脈動数H
の大きな磁極数2mとティース数nの組み合わせを選ぶ
ことによって、コギングトルクの値が小さい直流電動機
を得ることができる。
【0080】なお、上記各実施形態は次のように変更し
てもよい。 ○第1の実施形態において、電機子33への巻線は1周
目と2周目を分けて並列巻回するように実施してもよ
い。詳述すると、1周目の巻線巻回において、図33及
び図34に示すように、まず、第2セグメント2に結線
した巻線42(図33において実線で示す)を、第3ス
ロット37cと第2スロット37b間の第6ティース3
6fに所定ターン数にて巻回した後、第8セグメント8
に結線させる。次に、第8セグメント8に結線した巻線
42を、第5スロット37eと第4スロット37d間の
第8ティース36hに所定ターン数にて巻回した後、第
14セグメント14に結線させる。第14セグメント1
4に結線した巻線42を、第7スロット37gと第6ス
ロット37f間の第2ティース36bに所定ターン数に
て巻回した後、第20セグメント20に結線させる。最
後に、第20セグメント20に結線した巻線42を、第
1スロット37aと第8スロット37h間の第4ティー
ス36dに所定ターン数にて巻回した後、第2セグメン
ト2に結線させることによって1周目の巻線巻回が終了
する。
【0081】また、2周目の巻線巻回において、図33
及び図35に示すように、まず、第5セグメント5に結
線した巻線43(図33において破線で示す)を、第4
スロット37dと第3スロット37c間の第7ティース
36gに所定ターン数にて巻回した後、第11セグメン
ト11に結線させる。次に、第11セグメント11に結
線した巻線43を、第6スロット37fと第5スロット
37e間の第1ティース36aに所定ターン数にて巻回
した後、第17セグメント17に結線させる。第17セ
グメント17に結線した巻線43を、第8スロット37
hと第7スロット37g間の第3ティース36cに所定
ターン数にて巻回した後、第23セグメント23に結線
させる。最後に、第23セグメント23に結線した巻線
43を、第2スロット37bと第1スロット37a間の
第5ティース36eに所定ターン数にて巻回した後、第
5セグメント5に結線させることによって2周目の巻線
巻回が終了する。
【0082】上記の構成によれば、6個のブラシ39に
よる給電の並列回路数が2個となり、並列回路数が1個
のものに比べ各巻線42,43に流れる電流が半分とな
る。従って、各巻線42,43に流れる電流の密度が並
列回路数が1個の場合と同じにすれば、巻線断面積を半
分にすることができ、巻線42,43の線径を小さくす
ることができることから、スロット面積を有効に利用す
ることができる。尚、この場合、コンミテータ38に摺
接するブラシ39の摺接幅はセグメント40の幅より大
きくする必要がある。つまり、ブラシ39は常に相隣る
2つのセグメント40を跨るようにセグメント40に摺
接する必要がある。
【0083】○また、第1の実施形態において、電機子
33への巻線は巻線間に渡り線を設けるように実施して
もよい。詳述すると、図36及び図37に示すように、
第1セグメント1に結線した巻線44を、第9セグメン
ト9に渡って結線させてから、第4スロット37dと第
3スロット37c間の第7ティース36gに所定ターン
数にて巻回し、第8セグメント8に結線させる。次に、
第8セグメント8に結線した巻線44を、第24セグメ
ント24に渡って結線させてから、第1スロット37a
と第8スロット37h間の第4ティース36dに所定タ
ーン数にて巻回し、第23セグメント23に結線させ
る。そして、第23セグメント23に結線した巻線44
を、第7セグメント7に渡って結線させてから、第15
セグメント15に渡って結線させる。
【0084】第15セグメント15に結線した巻線44
を、第6スロット37fと第5スロット37e間の第1
ティース36aに所定ターン数にて巻回し、第14セグ
メント14に結線させる。第14セグメント14に結線
した巻線44を、第6セグメント6に渡って結線させて
から、第3スロット37cと第2スロット37b間の第
6ティース36fに所定ターン数にて巻回し、第5セグ
メント5に結線させる。第5セグメント5に結線した巻
線44を、第13セグメント13に渡って結線させてか
ら、第21セグメント21に渡って結線させる。
【0085】第21セグメント21に結線した巻線44
を、第8スロット37hと第7スロット37g間の第3
ティース36cに所定ターン数にて巻回し、第20セグ
メント20に結線させる。第20セグメント20に結線
した巻線44を、第12セグメント12に渡って結線さ
せてから、第5スロット37eと第4スロット37d間
の第8ティース36hに所定ターン数にて巻回し、第1
1セグメント11に結線させる。第11セグメント11
に結線した巻線44を、第3セグメント3に渡って結線
させてから、第2スロット37bと第1スロット37a
間の第5ティース36eに所定ターン数にて巻回し、第
2セグメント2に結線させる。第2セグメント2に結線
した巻線44を、第10セグメント10に渡って結線さ
せてから、第18セグメント18に渡って結線させる。
【0086】第18セグメント18に結線した巻線44
を、第7スロット37gと第6スロット37f間の第2
ティース36bに所定ターン数にて巻回し、第17セグ
メント17に結線させてから、第9セグメントに渡って
結線させる。
【0087】その後、第16セグメント16と第8セグ
メント8を渡り線45で連結させ、第19セグメント1
9と第11セグメント11を渡り線45で連結させる。
また、第22セグメント22と第6セグメント6を渡り
線45で連結させ、第4セグメント4と第12セグメン
ト12を渡り線45で連結させる。
【0088】上記の構成によれば、渡り線45を設けた
ため、すべての同位相のセグメント間が短絡されること
から、ブラシ39を図37に示すような2個にすること
ができる。その結果、部品点数の低減によるコストダウ
ンを図ることができる。
【0089】○上記各実施形態では、固定子側に磁極を
設け、回転子側にスロットを設けた直流電動機に具体化
して実施したが、回転子側に磁極を設け、固定子側にス
ロットを設けた回転機器に具体化して実施してもよい。
【0090】(第3の実施形態)以下、本発明を回転機
器としての電動モータのコアに具体化した第3の実施形
態について説明する。図38は本実施形態のコアの斜視
図である。図39は、本実施形態のコアの分解斜視図で
ある。
【0091】図38及び図39に示すように、本実施形
態のコア50は、第1コア部51と第2コア部52を備
え、第1コア部51と第2コア部52を互いに組み付け
ることにより形成されている。第1コア部51と第2コ
ア部52は、同じ構成にて形成されている。詳述する
と、第1及び第2コア部51,52は、図40及び図4
1に示すように、中心孔53aを有するリング部53
と、該リング部53の外周から外方へ等角度間隔(90
°)で放射状に延設された複数(4個)の一体ティース
54と、各一体ティース54上に設けた分割ティース5
5とを備えている。リング部53と一体ティース54
は、図42に示すコア粗材56を構成する。
【0092】図40及び図42に示すように、前記リン
グ部53の外周面においては、相隣る一体ティース54
間の中間位置に第1の嵌合部としての分割ティース嵌合
凹部57が設けられている。つまり、第1及び第2コア
部51,52には、それぞれ4つの分割ティース嵌合凹
部57が設けられている。この分割ティース嵌合凹部5
7は、断面楔状に形成されている。
【0093】前記分割ティース55は、図43に示すよ
うに、巻線巻回部55aと、該巻線巻回部55aの一端
(先端)に形成される先端部55bと、前記巻線巻回部
55aの他端(基端)に形成される第2の嵌合部として
の嵌合突部55cとを備えている。前記巻線巻回部55
aは前記一体ティース54の巻線巻回部54aと同じ形
状に形成され、前記先端部55bは前記一体ティース5
4の先端部54bと同じ形状に形成されている。前記嵌
合突部55cは、前記分割ティース嵌合凹部57と同じ
断面楔状に形成されている。また、各分割ティース55
は、前記各一体ティース54と同じ軸線方向厚さにて形
成されている。つまり、分割ティース55は、前記リン
グ部53と同じ厚さにて形成されている。
【0094】そして、図40及び図41に示すように、
4つの分割ティース55は、その巻線巻回部55a及び
先端部55bがそれぞれ各一体ティース54の巻線巻回
部54a及び先端部54bと合わせながら、嵌合突部5
5cが前記リング部53上に配置されるようにコア粗材
56に固着される。これにより、第1及び第2コア部5
1,52は形成される。その後、積層された一体ティー
ス54と分割ティース55からなるティース部58に対
して絶縁処理を施す。なお、本実施形態では、前記分割
ティース55は、かしめにてコア粗材56に固着されて
いる。また、第1及び第2コア部51,52のティース
部58に対する絶縁処理は、樹脂成形にて行う。
【0095】以下、上記のように形成された第1コア部
51と第2コア部52への巻線巻回、組み付けによるコ
ア50の製造方法を説明する。図40に示すように、ま
ず、第1及び第2コア部51,52の各ティース部58
に集中巻線にて巻線(コイル)59を巻回する(図40
において1つのティース部58への巻線59のみを示し
ている)。このとき、各巻線端部(図示せず)の引き出
し方向は、第1及び第2コア部51,52の軸線方向に
し、第1コア部51においては一体ティース54側から
(図39では上向き)引き出され、第2コア部52にお
いては分割ティース55側から(図39では上向き)引
き出されるようにしている。
【0096】そして、図39に示すように、第1コア部
51の分割ティース55と第2コア部52の分割ティー
ス55を互いに対向させ、第1コア部51の分割ティー
ス55と第2コア部52の分割ティース嵌合凹部57、
第1コア部51の分割ティース嵌合凹部57と第2コア
部52の分割ティース55との軸方向位置を一致させ
る。つまり、第1コア部51と第2コア部52は、円周
方向に互いに45°ずらした状態となる。この状態か
ら、第1及び第2コア部51,52の分割ティース55
を第2及び第1コア部52,51の分割ティース嵌合凹
部57に嵌合させることによって、図38に示すような
8スロットを有するコア50は形成される。このとき、
前記各巻線端部は軸線方向において同じ向き(図38及
び図39では共に矢印Aで示す上向き)にて引き出され
る。
【0097】最後に、一体となったコア50のリング部
53の中心孔53aに電動モータの回転軸(シャフト)
を嵌挿させる(図示せず)。次に、上記のように構成し
た本実施形態のコア50の特徴について説明する。
【0098】(1)本実施形態では、第1及び第2コア
部51,52は、それぞれ一体ティース54と嵌合突部
55cを有する分割ティース55とからなるティース部
58と、リング部53の外周に形成された分割ティース
嵌合凹部57を備えている。そして、分割ティース55
の嵌合突部55cと分割ティース嵌合凹部57を嵌合
し、第1コア部51と第2コア部52を積層することに
よってコア50は形成される。従って、コア50を組み
付けるための組み付け前の部品は、第1コア部51と第
2コア部52の2部品しかないため、部品点数の低減と
組付けの簡素化を図ることができる。
【0099】(2)本実施形態では、第1及び第2コア
部51,52のティース部58は、リング部53と一体
に形成された一体ティース54と、該一体ティース54
上に固着した分割ティース55とから構成されている。
従って、コア50をインナーロータに用いた場合におい
ても、回転による遠心力で分割ティース55のゆるみが
発生しないことから、コア50を用いた電動モータ性能
向上を図ることができる。
【0100】(3)本実施形態では、分割ティース55
は、リング部53と同じ厚さにて形成され、第1コア部
51と第2コア部52は同じものに形成されている。従
って、各ティース部58はすべて同じに形成され、各テ
ィース部58の磁気抵抗が同じとなる。その結果、特開
平10−4640号公報のように各ティース部の磁気抵
抗が異なるモータに比べ、コア50を用いた電動モータ
の性能向上を図ることができる。
【0101】(4)本実施形態では、コア50の組み付
けにおいて、第1及び第2コア部51,52の各ティー
ス部58にそれぞれ巻線59を巻回してから、第1コア
部51と第2コア部52を積層させるようにした。従っ
て、第1コア部51と第2コア部52を組み付けてから
各ティース部58にそれぞれ巻線59を巻回することよ
り巻線59を容易に巻回することができる。この場合、
各ティース部58の先端部間の幅(図38で示す幅B)
を小さくすることができる。その結果、コア50を用い
た電動モータのコギングトルクを低減することができ、
電動モータの振動を低減することができる。また、スロ
ット内スペースを有効に利用できることから、巻線59
の占積率を大きくすることができ、電動モータの小型化
を図ることができる。
【0102】(5)本実施形態では、第1コア部51の
各ティース部58に巻回される巻線59の引き出し端と
第2コア部52の各ティース部58に巻回される巻線5
9の引き出し端を逆方向にした。従って、第1コア部5
1と第2コア部52が積層されたときそれぞれの巻線5
9の引き出し端が同一方向に引き出される。その結果、
巻線59を容易に取扱うことができる。
【0103】(第4の実施形態)以下、本発明を回転機
器としての電動モータのコアに具体化した第4の実施形
態について説明する。図44は本実施形態のコアの斜視
図である。図45は、本実施形態のコアの分解斜視図で
ある。
【0104】本実施形態のコア70は、第1コア部71
と第2コア部72を備え、第1コア部71と第2コア部
72を互いに組み付けることにより形成されている。第
1コア部71と第2コア部72は、同じ構成にて形成さ
れている。詳述すると、第1及び第2コア部71,72
は、図45に示すように、リング部73と、該リング部
73の内周から内方へ等角度間隔(120°)で放射状
に延設された複数(3個)の一体ティース74と、各一
体ティース74上に設けた分割ティース75とを備えて
いる。リング部73と一体ティース74は、図47に示
すコア粗材76を構成する。
【0105】図46及び図47に示すように、前記リン
グ部73の内周面73aにおいては、相隣る一体ティー
ス74間の中間位置に第1の嵌合部としての分割ティー
ス嵌合凹部77が設けられている。つまり、第1及び第
2コア部71,72には、それぞれ3つの分割ティース
嵌合凹部77が設けられている。この分割ティース嵌合
凹部77は、断面楔状に形成されている。
【0106】前記分割ティース75は、図48に示すよ
うに、巻線巻回部75aと、該巻線巻回部75aの一端
(先端)に形成される先端部75bと、前記巻線巻回部
75aの他端(基端)に形成される第2の嵌合部として
の嵌合突部75cとを備えている。前記巻線巻回部75
aは前記一体ティース74の巻線巻回部74aと同じ形
状に形成され、前記先端部75bは前記一体ティース7
4の先端部74bと同じ形状に形成されている。前記嵌
合突部75cは、前記分割ティース嵌合凹部77と同じ
断面楔状に形成されている。また、各分割ティース75
は、前記各一体ティース74と同じ軸線方向厚さにて形
成されている。つまり、分割ティース75は、前記リン
グ部73と同じ厚さにて形成されている。
【0107】そして、図46に示すように、3つの分割
ティース75は、その巻線巻回部75a及び先端部75
bがそれぞれ各一体ティース74の巻線巻回部74a及
び先端部74bと合わせながら、嵌合突部75cが前記
リング部73上に配置されるようにコア粗材76に固着
される。これにより、第1及び第2コア部71,72は
形成される。その後、積層された一体ティース74と分
割ティース75からなるティース部78に対して絶縁処
理を施す。なお、本実施形態では、前記分割ティース7
5は、かしめにてコア粗材76に固着されている。ま
た、第1及び第2コア部71,72のティース部78に
対する絶縁処理は、樹脂成形にて行う。
【0108】以下、上記のように形成された第1コア部
71と第2コア部72への巻線巻回、組み付けによるコ
ア70の製造方法を説明する。図46に示すように、ま
ず、第1及び第2コア部71,72の各ティース部78
に集中巻線にて巻線(コイル)79を巻回する(図46
において1つのティース部78への巻線79のみを示し
ている)。このとき、各巻線端部(図示せず)の引き出
し方向は、第1及び第2コア部71,72の軸線方向に
し、第1コア部71においては一体ティース74側から
(図45では上向き)引き出され、第2コア部72にお
いては分割ティース75側から(図45では上向き)引
き出されるようにしている。
【0109】そして、図45に示すように、第1コア部
71の分割ティース75と第2コア部72の分割ティー
ス75を互いに対向させ、第1コア部71の分割ティー
ス75と第2コア部72の分割ティース嵌合凹部77、
第1コア部71の分割ティース嵌合凹部77と第2コア
部72の分割ティース75との軸方向位置を一致させ
る。つまり、第1コア部71と第2コア部72は、円周
方向に互いに60°ずらした状態となる。この状態か
ら、第1及び第2コア部71,72の分割ティース75
を第2及び第1コア部72,71の分割ティース嵌合凹
部77に嵌合させることによって、図44に示すような
6スロットを有するコア70は形成される。このとき、
前記各巻線端部は軸線方向において同じ向き(図44及
び図45では共に矢印Cで示す上向き)にて引き出され
る。
【0110】従って、本実施形態のコア70によれば、
第3の実施形態の特徴に記載の効果とほぼ同様な効果を
得ることができる。 (第5の実施形態)以下、本発明を回転機器としての電
動モータのコアに具体化した第5の実施形態について図
面に従って説明する。なお、本実施形態は、第3の実施
形態に比べ、前記巻線59が各ティース部58に配設さ
れたインシュレータに巻回されることと、第1の嵌合部
としての分割ティース嵌合凹部57及び第2の嵌合部と
しての嵌合突部55cの構造が異なる。説明の便宜上、
第3の実施形態と同じの部分に対して同じ符号を付しそ
の説明を省略し、第3の実施形態と異なる部分について
詳しく説明する。
【0111】図50及び図51に示すように、本実施形
態では、各ティース部58(ティース54,55)に
は、インシュレータ80が配設されている。前記インシ
ュレータ80は、巻線巻回部80a、先端絶縁部80b
及び嵌合端絶縁部80cを備えている。前記巻線巻回部
80aには、巻線59が巻装されている。前記嵌合端絶
縁部80cは、周方向において所定長さ(図50及び図
51で示す所定角度αに対応した円弧長)にて円弧状に
形成されている。
【0112】また、本実施形態の分割ティース55の嵌
合突部55cは、周方向において前記嵌合端絶縁部80
cとほぼ同じ長さ(つまり前記所定角度αに対応した円
弧長)にて形成されている。前記分割ティース嵌合凹部
57は、周方向において前記嵌合突部55cと同じ長さ
(つまり前記所定角度αに対応した円弧長)にて形成さ
れている。嵌合突部55cの周方向両端には凹部55d
が設けられ、分割ティース嵌合凹部57の周方向両端に
は前記凹部55dに嵌合する凸部57aが設けられてい
る。本実施形態では、前記所定角度αは、360°/
(ティース本数又はスロット数)、つまりα=360°
/8=45°となるように設定されている。
【0113】そして、前記嵌合端絶縁部80cが前記嵌
合突部55cの外周面に当接するようインシュレータ8
0を各ティース部58に配設し、前記巻線巻回部80a
に巻線59を巻装する。各分割ティース55の嵌合突部
55cを前記分割ティース嵌合凹部57に嵌合すること
によって、第1コア部51と第2コア部52は組付けら
れる。
【0114】従って、この構成によれば、前記嵌合突部
55cが前記所定角度αに対応した円弧長にて形成され
た前記インシュレータ80の嵌合端絶縁部80cより短
い円弧長(例えば図49で示す所定角度β(<α)に対
応した円弧長)にて形成された場合に比べ、巻線59の
巻装による前記嵌合端絶縁部80cのたわみが防止され
る。詳述すると、前記インシュレータ80は外力により
変形されない硬質の絶縁材(樹脂)から形成される場合
と、外力により変形される軟質の絶縁材(樹脂)から形
成される場合がある。図49に示すように、第3の実施
形態の各ティース部58に軟質(巻線59の巻装圧力に
より変形する材質)の絶縁材(樹脂)からなるインシュ
レータ80が配設される場合、前記嵌合突部55cの両
端から突出した嵌合端絶縁部80cの両端が巻線59の
巻装圧力によりたわんでしまい、分割ティース55が分
割ティース嵌合凹部57に嵌合するときの邪魔となる。
つまり、分割ティース55が分割ティース嵌合凹部57
に嵌合するとき、たわんでいる嵌合端絶縁部80cの両
端はリング部53と干渉し、第1コア部51と第2コア
部52との組み付けを行いにくくなる。そして、前記嵌
合突部55c(又はインシュレータ当接部55e)を嵌
合端絶縁部80cとほぼ同じ円弧長にて形成することに
よって、第1コア部51と第2コア部52との組付性を
向上することができる。
【0115】なお、上記各実施形態は次のように変更し
てもよい。 ○上記第3の実施形態では、第1及び第2コア部51,
52には、それぞれ4個のティース部58を形成し、第
1及び第2コア部51,52からなるコア50は8スロ
ットとなるようにしたが、第1及び第2コア部51,5
2には、それぞれ4個以外の個数(例えば3個、5個以
上)のティース部58を形成し、第1及び第2コア部5
1,52からなるコア50は8スロット以外のスロット
数(例えば6スロット、10スロット以上)となるよう
にしてもよい。
【0116】○上記第4の実施形態では、第1及び第2
コア部71,72には、それぞれ3個のティース部78
を形成し、第1及び第2コア部71,72からなるコア
70は6スロットとなるようにしたが、第1及び第2コ
ア部71,72には、それぞれ3個以外の個数(例えば
4個以上)のティース部78を形成し、第1及び第2コ
ア部71,72からなるコア70は6スロット以外のス
ロット数(例えば8スロット以上)となるようにしても
よい。
【0117】○上記第3及び第4の実施形態では、第1
の嵌合部(分割ティース嵌合凹部57,77)を凹状に
形成し、第2の嵌合部(嵌合突部55c,75c)を凸
状に形成したが、第1の嵌合部を凸状に形成し、第2の
嵌合部を凹状に形成してもよい。第1及び第2の嵌合部
を楔状以外の断面形状にて形成してもよい。
【0118】○上記第3及び第4の実施形態では、分割
ティース55,75はそれぞれ一体ティース54,74
と合わせながらコア粗材56,76にかしめにて固着し
たが、固着方法として、溶接又は接着剤による接着等に
て実施してもよい。
【0119】○上記第3の実施形態では、一体となった
コア50のリング部53の中心孔53aに電動モータの
回転軸(シャフト)を嵌挿させるようにしたが、第1及
び第2コア部51,52のどちらか一方のリング部中心
孔53aに電動モータの回転軸を嵌挿させてから、他方
の第1及び第2コア部と嵌合するようにしてもよい。
【0120】○上記第3の実施形態では、各ティース部
の磁気抵抗が変わらないようにするために、電動モータ
のコアを次のような形態にて実施してもよい。図52に
示すように、コア60は、複数(8つ)のティース嵌合
凹部61を設けたリング部62と、巻線63が巻回され
前記各ティース嵌合凹部61に嵌合されるティース部6
4を備えている。
【0121】前記ティース嵌合凹部61は、図53に示
すように、リング部62の外周面に等角度間隔にて設け
られている。前記ティース部64は、図54に示すよう
に、巻線巻回部64aと、該巻線巻回部64aの一端
(先端)に形成される先端部64bと、前記巻線巻回部
64aの他端(基端)に形成される嵌合突部64cから
構成されている。そして、絶縁処理された各ティース部
64の巻線巻回部64aに巻線63を巻回させてから、
前記嵌合突部64cを前記リング部62のティース嵌合
凹部61に嵌合させることによってコア60は形成され
る。
【0122】この場合、各ティース部64の磁気抵抗が
均一となり、特開平10−4640号公報の回転機器の
ように各ティース部の磁気抵抗が異なるモータに比べ、
コア60を用いた電動モータの性能向上を図ることがで
きる。
【0123】○上記第3及び第4の実施形態では、第1
及び第2コア部51,52,71,72の各ティース部
58,78に対する絶縁処理は樹脂成形にて行ったが、
第1及び第2コア部51,52,71,72の各ティー
ス部58,78に対する絶縁処理はインシュレータにて
実施してもよい。
【0124】○上記第5の実施形態を次のような形態に
て実施してもよい。図55及び図56に示すように、各
分割ティース55には、インシュレータたわみ防止部を
設ける。詳述すると、前記各分割ティース55は、巻線
巻回部55aと、該巻線巻回部55aの一端(先端)に
形成される先端部55bと、前記巻線巻回部55aの他
端(基端)に形成されるインシュレータたわみ防止部と
しての薄板部55eと、該薄板部55eの中央から延設
される第2の嵌合部としての嵌合突部55fとを備えて
いる。前記薄板部55eは、周方向において前記インシ
ュレータ80の嵌合端絶縁部80cとほぼ同じ長さ(つ
まり前記所定角度αに対応した円弧長)にて円弧状に形
成されている。前記嵌合突部55fは、断面楔状に形成
されている。
【0125】また、前記リング部53の外周面には、相
隣る一体ティース54間に凹部57bが設けられてい
る。この凹部57bは、前記嵌合突部55fが嵌合する
ための第1の嵌合部としての分割ティース嵌合凹部57
cと、前記薄板部55eを収容するための収容凹部57
dとを備えている。前記分割ティース嵌合凹部57cは
前記嵌合突部55fと同じ断面形状にて形成されてい
る。前記収容凹部57dは、周方向において前記薄板部
55eとほぼ同じ長さ(つまり前記所定角度αに対応し
た円弧長)にて形成され、径方向において前記薄板部5
5eの厚さとほぼ同じ深さにて形成されている。
【0126】そして、前記嵌合端絶縁部80cが前記薄
板部55eの外周面に当接するようインシュレータ80
を各ティース部58に配設し、前記巻線巻回部80aに
巻線59を巻装する。各分割ティース55の嵌合突部5
5cを前記分割ティース嵌合凹部57に嵌合するととも
に前記薄板部55eを前記収容凹部57dに収容するこ
とによって、第1コア部51と第2コア部52は組付け
られる。従って、この構成によれば、前記第5の実施形
態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0127】なお、第5の実施形態及び本別例の構成を
第4の実施形態のコア70及び前記別例のコア60に具
体化して実施してもよい。また、第5の実施形態の嵌合
突部55c(又は本別例の薄板部55e)の周方向長さ
が前記インシュレータ80の嵌合端絶縁部80cの周方
向長さと同じ又はそれより長く形成されれば、前記所定
角度αを360°/(ティース本数又はスロット数)よ
り小さく設定してもよい。
【0128】○上記第3の実施形態のコア50を第1の
実施形態の直流電動機における電機子(回転子)コアと
して用いてもよい。このコア50を用いた電機子への巻
線の結線は、上述したように、図4の結線方法、図33
及び図34の結線方法、図37の結線方法のいずれかの
方法により行うようにする。このようにすれば、直流電
動機における径方向及び軸方向ともにコンパクトにする
ことができ、かつ振動及び騒音を抑制することができ
る。勿論、6極8スロットの直流電動機に限るものでは
なく、スロット数が偶数であれば磁極数及びスロット数
は適宜変更してもよい。但し、第2実施形態で説明した
ように、電機子に作用される合成トルクベクトルが0と
なり、電機子のラジアル方向への力がゼロとなる直流電
動機に具体化する。そして、その直流電動機におけるコ
アとして、第3の実施形態におけるコア(回転子のコ
ア)50や第4の実施形態におけるコア(固定子のコ
ア)70のように、第1コア部と第2コア部とからなる
分割コアを用いるようにする。
【0129】(第6の実施形態)本発明を具体化した第
6の実施形態を図面に従って説明する。図57及び図5
8には、6極8スロットの直流電動機における電機子
(回転子)91の概略構成を示している。なお、図57
は電機子91の断面図であり、図58は電機子91を軸
方向から見た図である。
【0130】図57及び図58に示すように、電機子9
1は、回転軸92と、回転軸92の中央部に固定される
コア93と、回転軸92の一端に固定されるコンミテー
タ94とを備えている。
【0131】コア93は、第1コア部95と第2コア部
96とを備え、第1コア部95と第2コア部96を互い
に組み付けることにより形成されている。図59には第
1コア部95の構成を示し、図60には第2コア部96
の構成を示している。なお、図59(a)及び図60
(a)は、第1コア部95及び第2コア部96をコンミ
テータ94側から見た図であり、図59(b)及び図6
0(b)は、第1コア部95及び第2コア部96の断面
図である。
【0132】詳述すると、図59に示すように、第1コ
ア部95は、中心孔97aを有するリング部97と、該
リング部97の外周から外方へ等角度間隔(90°)で
放射状に延設された4個のティース部98とを備えてい
る。図60に示すように、第2コア部96も、第1コア
部95と同様に、中心孔97aを有するリング部97
と、該リング部97の外周から外方へ等角度間隔(90
°)で放射状に延設された4個のティース部98とを備
えている。第1コア部95及び第2コア部96におい
て、各ティース部98は、リング部97の2倍以上の厚
さ(軸方向の長さ)を有して形成されている。そして、
図59(b)に示すように、第1コア部95において、
その軸方向中心より下方側にリング部97が設けられ、
図60(b)に示すように、第2コア部96において、
その軸方向中心より上方側にリング部97が設けられて
いる。
【0133】なお、本実施形態において、図60の第2
コア部96を上下逆に配置すると、その構成(リング部
97及びティース部98の形状等)は、図59の第1コ
ア部95と同一となる。これら第1コア部95及び第2
コア部96は、磁性粉体を圧縮成形することでリング部
97とティース部98とが一体に形成されている。
【0134】図59及び図60に示すように、第1コア
部95及び第2コア部96におけるティース部98は、
巻線巻回部98xと、該巻線巻回部98xの一端(先
端)に形成される先端部98yとを備える。巻線巻回部
98xには、その形状に合わせて成形されたインシュレ
ータ99が配設され、同インシュレータ99を介して巻
線100が巻回されている。ここで、巻線100は各テ
ィース部98に集中巻にて巻回され、その巻線100の
両端は、コンミテータ94側となる図の上側から引き出
されている。具体的には、インシュレータ99におい
て、リング部97側には、巻線100を引っ掛ける係止
部99aが形成されており、同係止部99aを通して巻
線100を引き出すようにしている。
【0135】そして、上記のように各ティース部98に
巻線100を巻回した第1コア部95と第2コア部96
とを互いに対向させて、各リング部97が重なるように
軸線方向の位置を一致させる。さらに、ティース部98
の位置を円周方向に45°ずらした状態で、第1コア部
95と第2コア部96とを互いに組み付ける。このと
き、第1コア部95におけるリング部97が第2コア部
96におけるティース部98の内側に嵌め込まれ、第2
コア部96におけるリング部97が第1コア部95にお
けるティース部98の内側に嵌め込まれる。
【0136】より詳しくは、第1コア部95におけるリ
ング部97の外周面97bと第2コア部96におけるテ
ィース部98の内側面(図60(b)ではティース部下
側の内側面)98zとが当接され、その当接部位が接着
剤等により固着されている。一方、第2コア部96にお
けるリング部97の外周面97bと第1コア部95にお
けるティース部98の内側面(図59(b)ではティー
ス部上側の内側面)98zとが当接され、その当接部位
が接着剤等により固着されている。これにより、図61
に示すように、8個のティース部98が等角度間隔に配
設されたコア93が製造される。このコア93では、合
計16本の巻線端部が図61の上方に引き出された状態
となる。なお、本実施形態では、第1及び第2コア部9
5,96において、リング部97の外周面97bが第1
の嵌合部に相当し、ティース部98の内側面98zが第
2の嵌合部に相当する。
【0137】図62に示すように、コンミテータ94
は、略円筒状に形成された絶縁体101と、その絶縁体
101の外周面に複数配置されるセグメント102とを
備える。同コンミテータ94は、上記第1実施形態と同
様に24個のセグメント102を有する。各セグメント
102は、ブラシ39が摺接する本体部102aと、本
体部102aの一端に設けれ、巻線100を結線する巻
線接合部102bとからなる。また、絶縁体101は、
大径部101aと、該大径部101aよりも径が小さな
小径部101bとを有し、大径部101aの外周面に各
セグメント102が固定されている。
【0138】上記第1実施形態では、図4に示すよう
に、電機子33への巻線巻回は、2つのセグメント40
おきに結線を施すようにしていた。この場合、結線され
ていないセグメント40は永久に通電されることがな
い。そのため、通電されるセグメント40と通電されな
いセグメント40とが混在し、直流電動機31を長時間
駆動する場合には、その通電の有無によって、セグメン
ト40の摩耗度合に差が生じコンミテータ38の外周面
に段差が発生することが懸念される。
【0139】これに対し、本実施形態では、ティース部
98に巻回した巻線(コア巻線)100に加え、短絡線
103を各セグメント102に結線することにより、直
流電動機の駆動時に、全てのセグメント102が通電さ
れるよう構成している。
【0140】図63は、本実施形態の電機子91への巻
線結線を示す展開図である。なお、図63では、セグメ
ント102の順番を第1セグメント1〜第24セグメン
ト24にて示している。また、8個のティース部98、
コア巻線100、短絡線103をそれぞれ区別するため
に番号「98」、「100」、「103」に「a」〜
「h」の符号を付し、第1ティース98a〜第8ティー
ス98h、第1コア巻線100a〜第8コア巻線100
h、第1短絡線103a〜第8短絡線103hとして示
している。
【0141】本実施形態では、1本の短絡線103によ
って同位相となる3つのセグメント102が短絡されて
いる。なお、本実施形態の直流電動機は6極8スロット
であるので、24個のセグメント102において8個お
きに配置されるセグメント102が同位相となる。
【0142】より詳しくは、第1短絡線103aは、第
1セグメント1と、第9セグメント9と、第17セグメ
ント17とを短絡し、第2短絡線103bは、第4セグ
メント4と、第12セグメント12と、第20セグメン
ト20とを短絡している。また、第3短絡線103c
は、第7セグメント7と、第15セグメント15と、第
23セグメント23とを短絡し、第4短絡線103d
は、第10セグメント10と、第18セグメント18
と、第2セグメント2とを短絡している。さらに、第5
短絡線103eは、第13セグメント13と、第21セ
グメント21と、第5セグメント5とを短絡し、第6短
絡線103fは、第16セグメント16と、第24セグ
メント24と、第8セグメント8とを短絡している。ま
た、第7短絡線103gは、第19セグメント19と、
第3セグメント3と、第11セグメント11とを短絡
し、第8短絡線103hは、第22セグメント22と、
第6セグメント6と、第14セグメント14とを短絡し
ている。
【0143】第1ティース98aに巻回した第1コア巻
線100aは、第2セグメント2と第3セグメント3と
に結線され、第2ティース98bに巻回した第2コア巻
線100bは、第5セグメント5と第6セグメント6と
に結線される。第3ティース98cに巻回した第3コア
巻線100cは、第8セグメント8と第9セグメント9
とに結線され、第4ティース98dに巻回した第4コア
巻線100dは、第11セグメント11と第12セグメ
ント12とに結線される。第5ティース98eに巻回し
た第5コア巻線100eは、第14セグメント14と第
15セグメント15とに結線され、第6ティース98f
に巻回した第6コア巻線100fは、第17セグメント
17と第18セグメント18とに結線される。第7ティ
ース98gに巻回した第7コア巻線100gは、第20
セグメント20と第21セグメント21とに結線され、
第8ティース98hに巻回した第8コア巻線100h
は、第23セグメント23と第24セグメント24とに
結線される。このように、各ティース部98を巻回した
コア巻線100の両端は、隣接する2つのセグメント1
02にそれぞれ接続されている。
【0144】また、セグメント102において、第1セ
グメント1、第4セグメント4、第7セグメント7、第
10セグメント10、第13セグメント13、第16セ
グメント16、第19セグメント19、第22セグメン
ト22は、コア巻線100が非接続となっている。そし
て、これらコア巻線100が結線されないセグメント1
02には、各短絡線103の中央部分が結線されてい
る。
【0145】次に、コア巻線100及び短絡線103を
コンミテータ94に結線する際の手順を説明する。先
ず、コンミテータ94における各セグメント102に短
絡線103のみを結線する。具体的には、図64に示す
ように、短絡線103a〜103hの中央部を折り曲
げ、その中央部をコア巻線100が結線されないセグメ
ント102の巻線接合部(2つの爪の間)102bに挟
み込む。この短絡線103a〜103hは、略V字状と
なるように絶縁体101の外周面に沿って配置され、そ
の両端は、中央部を固定したセグメント102に対し、
8つのセグメント102をおいた位置にあるセグメント
102の巻線接合部102bに挟み込まれる。
【0146】例えば、第1短絡線103aが短絡する第
1セグメント1、第9セグメント9、第17セグメント
17において、第1短絡線103aの中央部が2つに折
り曲げられて第1セグメント1の巻線接合部102bに
挟み込まれる。また、第1短絡線103aの一端が第9
セグメント9の巻線接合部102bに挟み込まれ、第1
短絡線103aの他端が第17セグメント17の巻線接
合部102bに挟み込まれる。他の短絡線103b〜1
03hも同様に略V字状となるよう各セグメントに挟み
込まれる。そして、V字の中央となるセグメント102
の巻線接合部102bがヒュージングにより接合され
る。これにより、短絡線103における中央部が各セグ
メント102(第1セグメント1、第4セグメント4、
第7セグメント7、第10セグメント10、第13セグ
メント13、第16セグメント16、第19セグメント
19、第22セグメント22)に電気的に接続され固定
される。なお、図64は、V字中央となるセグメント1
02についてヒュージングを実施した状態を示してい
る。同図に示されるように、本実施形態では、V字中央
のセグメント102は3つのセグメント102おきに配
置される。
【0147】その後、V字の端部となるセグメント(図
64におけるヒュージングの未実施のセグメント)10
2の巻線接合部102bに、各ティース部98に巻回し
たコア巻線100の端部が挟み込まれる。つまり、V字
の端部となるセグメント102の巻線接合部102bに
は、短絡線103の端部に加えてコア巻線100の端部
が挟み込まれる。例えば、第9セグメント9の巻線接合
部102bには第1短絡線103aと第3コア巻線10
0cの端部が挟み込まれ、第17セグメント17には第
1短絡線103aと第6コア巻線100fの端部が挟み
込まれる。他のセグメントにおける巻線接合部102b
にも同様に短絡線103とコア巻線100の端部が挟み
込まれる。その状態で同巻線接合部102bがヒュージ
ングにより接合される。これにより、短絡線103の端
部とコア巻線100の端部がセグメント102に電気的
に接続され固定される。
【0148】本実施形態のコンミテータ94において、
V字中央となるセグメント102には、短絡線103が
折り曲げられて結線され、V字端部となるセグメント1
02には、短絡線103とコア巻線100が各1本ずつ
結線される。従って、各セグメント102には、2本の
線が接続されることとなるため、接合(ヒュージング)
条件が等しくなり、機械的・電気的に安定した接合が可
能となる。
【0149】また、本実施形態では、上述したように、
6極、8スロット、24セグメント、集中巻の直流電動
機に具体化しており、同位相となる3つのセグメント1
02を短絡する短絡線103には、2つのコア巻線10
0が接続されている。従って、短絡線103により短絡
される3つのセグメント102のいずれに対してブラシ
39が当接したとしても、短絡線103に流れる電流
は、ブラシ39の当接位置に関係なく、コア巻線100
に流れる電流と等しくなる。
【0150】ここで、図65を用いて短絡線103に流
れる電流とコア巻線100に流れる電流との関係を説明
する。図65では、短絡線103により短絡される3つ
のセグメント102を「A」,「B」,「C」として示
している。セグメント102のA,B,Cのいずれかに
ブラシ39が摺接して電流(=2i)が供給される場
合、セグメント102のAからコア巻線100に流れる
電流iaとセグメント102のCからコア巻線100に
流れる電流icと、短絡線103に流れる電流iとが等
しくなる(i=ia=ic)。
【0151】因みに、6極、24スロット、24セグメ
ント、重ね巻の直流電動機の場合では、図66に示すよ
うに、各セグメント(「A」,「B」,「C」)にコア
巻線100が接続される。そのため、例えば、セグメン
トのAにブラシ39が当接する場合には、短絡線103
のA−B間には、セグメントのBからコア巻線100に
流れる電流ibとセグメントのCからコア巻線100に
流れる電流icとが加算された電流(ib+ic)が流
れる。つまり、短絡線103にはコア巻線100の2倍
の電流が流れるため、短絡線103を太くしたり、セグ
メントのA−C間にも短絡線103を追加しV字型では
なくΔ型の結線としたりする必要がある。
【0152】これに対し、本実施形態では、図65に示
すように、短絡線103に流れる電流iがコア巻線10
0に流れる電流ia,icと等しくなるため、短絡線1
03を太くしたり、Δ型の結線としたりする必要がな
い。よって、短絡線103の長さを短くすることがで
き、短絡線103を配置するスペースが低減される。
【0153】上記のように構成した本実施形態の特徴に
ついて説明する。 (1)コア93は、各ティース部98に巻線100を巻
回した第1及び第2コア部95,96を積層してなる。
この場合、巻線100の巻回時には隣接するティース部
98が存在しないため、上記第3実施形態と同様に巻線
100の占積率を大きくすることができる。従って、直
流電動機における径方向及び軸方向ともにコンパクトに
することができ、かつ振動及び騒音を抑制することがで
きる。
【0154】(2)第1及び第2コア部95,96は、
磁性粉体を圧縮成形することで1部品として形成される
ので、直流電動機における部品点数を低減する上で好ま
しいものとなる。
【0155】(3)コア巻線100が接続された2つの
セグメント102と、コア巻線100が非接続となる1
つのセグメント102とが短絡線103を介して短絡さ
れ、直流電動機の駆動時には、24個の全セグメント1
02が通電される。従って、通電の有無によってセグメ
ント102の磨耗度合が異なりセグメント102間に段
差が生じることが回避される。これにより、振動及び騒
音を抑制できる。
【0156】また、短絡線103により全ての同位相の
セグメント102間が接続されるので、ブラシ39の個
数を2個にすることができる。つまり、6個のブラシ3
9が必要である第1実施形態の直流電動機31と比較し
てブラシ39の個数を低減でき、直流電動機のコストダ
ウンを図ることができる。
【0157】(4)短絡線103が絶縁体101の外周
面に略V字状となるよう配置され、該短絡線103にお
けるV字の中央部はコア巻線100が非接続となるセグ
メント102に接続される。また、各短絡線103につ
いて、そのV字の中央部の接続が3つのセグメント10
2おきに行われている。この場合、短絡線103を設け
たことによる重量バランスの悪化を防止でき、電機子9
1における重量バランスを良好に保つことができる。
【0158】(5)短絡線103の中央部をセグメント
102に接合した後、該短絡線103の端部をコア巻線
100の端部とともにセグメント102に接合するよう
にした。このようにすれば、コンミテータ94の各セグ
メント102に短絡線103及びコア巻線100を容易
に接合することができる。
【0159】なお、上記各実施形態は次のように変更し
てもよい。 ○上記第3実施形態において、第1コア部51と第2コ
ア部52は、分割ティース55を一体ティース54に固
着することによりティース部58が形成されていたがこ
れに限定されるものではない。具体的には、第1コア部
51及び第2コア部52を、上記第6実施形態のように
磁性粉体を圧縮成形することでそれぞれ1部品として形
成してもよい。このようにすれば、直流電動機における
部品点数を低減することができる。
【0160】○上記各実施形態及び別例では、本発明を
直流電動機(電動モータ)に具体化して実施したが、本
発明を電動モータ以外の回転機器に具体化して実施して
もよい。
【0161】次に上記各実施形態及び別例から把握でき
る技術的思想について以下に追記する。 (1)請求項8及び9に記載の回転機器のコアの製造方
法において、第1コア部(51,71)の各ティース部
(58,78)に巻回される巻線(59,79)の引き
出し端と第2コア部(52,72)の各ティース部(5
8,78)に巻回される巻線(59,79)の引き出し
端を逆方向にしたことを特徴とする回転機器のコアの製
造方法。
【0162】(2)請求項12又は13に記載の回転機
器において、前記固定子のコアは、リング部(73)
と、前記リング部(73)に設けられた第1の嵌合部
(77)と、前記リング部(73)から放射状に一体形
成された一体ティース(74)と、該一体ティース(7
4)と同一形状に形成され且つ第2の嵌合部(75c)
を有し、当該一体ティース(74)に固着した分割ティ
ース(75)とからなるティース部(78)とを有する
第1及び第2コア部(71,72)を備え、前記第1コ
ア部(71)の第1の嵌合部(77)と第2コア部(7
2)の第2の嵌合部(75c)を嵌合させ、第2コア部
(72)の第1の嵌合部(77)と第1コア部(71)
の第2の嵌合部(75c)を嵌合させることによって、
第1コア部(71)と第2コア部(72)を積層させて
なることを特徴とする回転機器。
【0163】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜4に記
載の発明によれば、部品点数の低減と組付けの簡素化を
図ることができるとともに、回転機器の振動低減を図る
ことができる。
【0164】請求項5〜7に記載の発明によれば、回転
機器のコアの組付性を向上することができる。請求項8
及び9に記載の発明によれば、回転機器のコギングトル
クを低減することができ、回転機器の振動を低減するこ
とができるとともに、巻線の占積率を大きくすることが
でき、回転機器の小型化を図ることができる。
【0165】請求項10〜14に記載の発明によれば、
合成トルクベクトルの作用による振動の発生を防止する
ことができる回転機器を提供することができる。請求項
15及び16に記載の発明によれば、電機子に作用され
る軸接線力及び軸法線力がゼロとなる回転機器を得るこ
とができる。
【0166】請求項17及び18に記載の発明によれ
ば、出力の大きな回転機器を得ることができる。請求項
19に記載の発明によれば、コギングトルクの小さい回
転機器を得ることができる。
【0167】請求項20〜24に記載の発明によれば、
コンパクトで振動、騒音が小さい回転機器を得ることが
できる。請求項25に記載の発明によれば、短絡線を設
けたことによる重量バランスの悪化を防止することがで
きる。
【0168】請求項26に記載の発明によれば、整流子
の各セグメントに短絡線及び巻線を容易に接合すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の直流電動機の断面図。
【図2】 同じく直流電動機の要部平面図。
【図3】 同じく直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す説明図。
【図4】 同じく直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す展開図。
【図5】 同じく直流電動機の合成トルクベクトルを示
す説明図。
【図6】 第2の実施形態の磁極数とティース数の組み
合わせと、短節巻係数K、軸接線力及び軸法線力、コギ
ングトルク山数との関係を示す表。
【図7】 第2の実施形態の磁極数とティース数の組み
合わせと、短節巻係数K、軸接線力及び軸法線力、コギ
ングトルク山数との関係を示す表。
【図8】 第2の実施形態の磁極数とティース数の組み
合わせと、短節巻係数K、軸接線力及び軸法線力、コギ
ングトルク山数との関係を示す表。
【図9】 6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が0°であるときの軸接線力及び軸法線力を示す
グラフ。
【図10】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が10°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図11】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が20°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図12】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が30°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図13】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が40°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図14】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が50°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図15】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が60°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図16】6極7ティース直流電動機において、電機子
回転角が70°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図17】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が0°であるときの軸接線力及び軸法線力を示す
グラフ。
【図18】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が10°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図19】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が20°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図20】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が30°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図21】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が40°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図22】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が50°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図23】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が60°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図24】6極8ティース直流電動機において、電機子
回転角が70°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図25】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が0°であるときの軸接線力及び軸法線力を示す
グラフ。
【図26】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が10°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図27】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が20°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図28】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が30°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図29】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が40°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図30】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が50°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図31】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が60°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図32】6極9ティース直流電動機において、電機子
回転角が70°であるときの軸接線力及び軸法線力を示
すグラフ。
【図33】別例の直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す説明図。
【図34】別例の直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す展開図。
【図35】別例の直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す展開図。
【図36】別例の直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す説明図。
【図37】別例の直流電動機の電機子への巻線巻回を示
す展開図。
【図38】第3の実施形態のコアの斜視図。
【図39】第3の実施形態のコアの分解斜視図。
【図40】第3の実施形態のコアを構成する第1及び第
2コア部の平面図。
【図41】第3の実施形態のコアを構成する第1及び第
2コア部の正面図。
【図42】同じく第1及び第2コア部を構成するコア粗
材の平面図。
【図43】同じく分割ティースの平面図。
【図44】第4の実施形態のコアの斜視図。
【図45】第4の実施形態のコアの分解斜視図。
【図46】第4の実施形態のコアを構成する第1及び第
2コア部の平面図。
【図47】同じく第1及び第2コア部を構成するコア粗
材の平面図。
【図48】同じく分割ティースの平面図。
【図49】インシュレータが配設されたコアの組付けを
示す要部分解平面図。
【図50】第5の実施形態のコアの要部平面図。
【図51】第5の実施形態のコアの要部分解平面図。
【図52】別例のコアの平面図。
【図53】別例のコアの構成するリング部の平面図。
【図54】別例のコアの構成するティース部の平面図。
【図55】別例のコアの要部平面図。
【図56】別例のコアの要部分解平面図。
【図57】第6実施形態における電機子の断面図。
【図58】第6実施形態における電機子の平面図。
【図59】(a)は第1コア部の平面図、(b)は第1
コア部の断面図。
【図60】(a)は第2コア部の平面図、(b)は第2
コア部の断面図。
【図61】(a)はコアの平面図、(b)はコアの断面
図。
【図62】コンミテータの断面図。
【図63】電機子への巻線巻回を示す展開図。
【図64】短絡線のセグメントへの結線を説明するため
の説明図。
【図65】短絡線及びコア巻線を流れる電流を説明する
ための説明図。
【図66】短絡線及びコア巻線を流れる電流を説明する
ための説明図。
【図67】従来の直流電動機の合成トルクベクトルを示
す説明図。
【図68】従来のコアの平面図。
【図69】従来のコアの平面図。
【符号の説明】
31…回転機器としての直流電動機、32…固定子、3
3…回転子としての電機子、35…磁極としてのマグネ
ット、37…スロット、38…整流子としてのコンミテ
ータ、39…ブラシ、41〜45…巻線、50,60,
70…回転機器としての電動モータのコア、51,71
…第1コア部、52,72…第2コア部、53,73…
リング部、54,74…一体ティース、55,75…分
割ティース、55c,55f,75c…第2の嵌合部と
しての嵌合突部、55e…インシュレータたわみ防止部
としての薄板部、57,57c,77…第1の嵌合部と
しての分割ティース嵌合凹部、58,78…ティース
部、59,79…巻線、80…インシュレータ、80c
…嵌合端絶縁部、91…回転子としての電機子、93…
コア、94…整流子としてのコンミテータ、95…第1
コア部、96…第2コア部、97…リング部、97b…
第1の嵌合部としての外周面、98…ティース部、98
z…第2の嵌合部としての内側面、100…巻線、10
1…絶縁体、102…セグメント、103…短絡線。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 15/095 H02K 15/095 23/32 23/32 23/38 23/38 (31)優先権主張番号 特願2001−305421(P2001−305421) (32)優先日 平成13年10月1日(2001.10.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2001−392482(P2001−392482) (32)優先日 平成13年12月25日(2001.12.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 三戸 信二 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 (72)発明者 中山 孝博 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 (72)発明者 ▼高▲部 義之 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 (72)発明者 上村 敬一 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 (72)発明者 外山 靖浩 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 Fターム(参考) 5H002 AA04 AA07 AA08 AB01 AB07 AC01 AC06 AC08 AE08 5H603 AA01 AA09 BB01 BB04 BB12 CA02 CA05 CA06 CA10 CB01 CB02 CB03 CB04 CC11 CC17 CD01 CD04 CD06 CD13 CD22 CD32 CD33 CE01 5H604 AA05 AA08 BB01 BB07 BB14 CC02 CC05 CC16 PB03 QB01 QB14 5H615 AA01 BB01 BB04 BB14 BB16 PP01 PP02 PP06 PP13 PP14 PP15 QQ02 QQ08 QQ12 QQ26 RR02 SS05 SS09 SS10 SS11 SS19 5H623 AA02 AA10 BB07 HH03

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング部(53,73)と、 前記リング部(53,73)に設けられた第1の嵌合部
    (57,57c,77)と、 前記リング部(53,73)から放射状に一体形成され
    た一体ティース(54,74)と、該一体ティース(5
    4,74)と同一形状に形成され且つ第2の嵌合部(5
    5c,75c)を有し、当該一体ティース(54,7
    4)に固着した分割ティース(55,75)とからなる
    ティース部(58,78)とを有する第1及び第2コア
    部(51,52,71,72)を備え、 前記第1コア部(51,71)の第1の嵌合部(57,
    57c,77)と第2コア部(52,72)の第2の嵌
    合部(55c,55f,75c)を嵌合させ、第2コア
    部(52,72)の第1の嵌合部(57,57c,7
    7)と第1コア部(51,71)の第2の嵌合部(55
    c,55f,75c)を嵌合させることによって、第1
    コア部(51,71)と第2コア部(52,72)を積
    層させてなることを特徴とする回転機器のコア。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回転機器のコアにおい
    て、 前記分割ティース(55,75)は、前記リング部(5
    3,73)と同じ厚さにて形成されていることを特徴と
    する回転機器のコア。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の回転機器のコア
    において、 前記一体ティース(54,74)は、等角度間隔にて複
    数形成され、前記第1の嵌合部(57,57c,77)
    は、前記リング部(53,73)の相隣る前記一体ティ
    ース(54,74)間に形成されていることを特徴とす
    る回転機器のコア。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の回転機器のコアにおい
    て、 前記一体ティース(54)と第1の嵌合部(57,77
    c)は、それぞれ4個形成されていることを特徴とする
    回転機器のコア。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1に記載の回
    転機器のコアにおいて、 前記各ティース部(58)にはインシュレータ(80)
    が配設され、前記第2の嵌合部(55c)は、該第2の
    嵌合部(55c)に当接する前記インシュレータ(8
    0)の嵌合端絶縁部(80c)の周方向長さと同じ又は
    それ以上の長さにて形成されていることを特徴とする回
    転機器のコア。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の回転機器のコアにおい
    て、 前記第2の嵌合部(55c)は、360°/ティース本
    数となる所定角度(α)に対応した円弧長にて形成され
    ていることを特徴とする回転機器のコア。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか1に記載の回
    転機器のコアにおいて、 前記各分割ティース(55)には、インシュレータたわ
    み防止部(55e)が設けられていることを特徴とする
    回転機器のコア。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか1に記載の回
    転機器のコアの製造方法であって、 前記第1及び第2コア部(51,52,71,72)の
    各ティース部(58,78)にそれぞれ巻線(59,7
    9)を巻回してから、第1コア部(51,71)と第2
    コア部(52,72)を積層させるようにしたことを特
    徴とする回転機器のコアの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至7のいずれか1に記載の回
    転機器のコアの製造方法であって、 前記第1及び第2コア部(51,52)の各ティース部
    (58)に配設されたインシュレータ(80)にそれぞ
    れ巻線(59)を巻回してから、第1コア部(51)と
    第2コア部(52)を積層させるようにしたことを特徴
    とする回転機器のコアの製造方法。
  10. 【請求項10】 複数の磁極(35)を有する固定子
    (32)と、 前記磁極(35)と対向するよう配設され、巻線(41
    〜45)が巻回される複数のスロット(37)を有する
    回転子(33)と、 前記回転子(33)に固定され前記巻線(41〜45)
    に接続される整流子(38)と、 前記整流子(38)に摺接する複数のブラシ(39)と
    を備えた回転機器において、 前記回転子(33)のラジアル方向への力がゼロとなる
    ように前記磁極(35)及びスロット(37)の数を設
    定したことを特徴とする回転機器。
  11. 【請求項11】 複数の磁極(35)を有する固定子
    (32)と、 前記磁極(35)と対向するよう配設され、巻線(41
    〜45)が巻回される複数のスロット(37)を有する
    回転子(33)と、 前記回転子(33)に固定され前記巻線(41〜45)
    に接続される整流子(38)と、 前記整流子(38)に摺接する複数のブラシ(39)と
    を備えた回転機器において、 前記各スロット(37)におけるトルクベクトルの合成
    値がゼロとなるように前記磁極(35)及びスロット
    (37)の数を設定したことを特徴とする回転機器。
  12. 【請求項12】 複数の磁極を有する回転子と、 前記磁極と対向するよう配設され、巻線が巻回される複
    数のスロットを有する固定子とを備えた回転機器におい
    て、 前記回転子のラジアル方向への力がゼロとなるように前
    記磁極及びスロットの数を設定したことを特徴とする回
    転機器。
  13. 【請求項13】 複数の磁極を有する回転子と、 前記磁極と対向するよう配設され、巻線が巻回される複
    数のスロットを有する固定子とを備えた回転機器におい
    て、 前記各スロットにおけるトルクベクトルの合成値がゼロ
    となるように前記磁極及びスロットの数を設定したこと
    を特徴とする回転機器。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至13のいずれか1に記
    載の回転機器において、 前記磁極の数を6に設定し、前記スロットの数を8に設
    定したことを特徴とする回転機器。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至13のいずれか1に記
    載の回転機器において、 前記磁極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記ス
    ロットの数をn(nは3以上の整数)としたとき、磁極
    数2mとスロット数nを、 0<2m<2n(ただし、n≠2m) (A) mod(n,2)=0 (D) に満足する組み合わせにしたことを特徴とする回転機
    器。
  16. 【請求項16】 請求項10乃至13のいずれか1に記
    載の回転機器において、 前記磁極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記ス
    ロットの数をn(nは3以上の整数)とし、kを自然数
    とし、nの各因数を1を除いた因数としたとき、磁極数
    2mとスロット数nを、 0<2m<2n(ただし、n≠2m) (A) mod(n,2)=1且つmod((nの各因数)×k,2)=0 (E) (nの各因数)×k=2m (F) に満足する組み合わせにしたことを特徴とする回転機
    器。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16に記載の回転機器
    において、 前記磁極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記ス
    ロットの数をn(nは3以上の整数)とし、短節巻係数
    をKとしたとき、磁極数2mとスロット数nを、 K=sin((π/2)×(2m/n)) (B) の式で表される短節巻係数Kが大きな組み合わせにした
    ことを特徴とする回転機器。
  18. 【請求項18】 請求項15又は16に記載の回転機器
    において、 前記磁極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記ス
    ロットの数をn(nは3以上の整数)とし、短節巻係数
    をKとしたとき、磁極数2mとスロット数nを、 K=sin((π/2)×(2m/n)) (B) の式で表される短節巻係数KがK>0.9に満足する組
    み合わせにしたことを特徴とする回転機器。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至18のいずれか1に記
    載の回転機器において、 前記磁極の数を2m(mは1以上の整数)とし、前記ス
    ロットの数をn(nは3以上の整数)とし、コギングト
    ルクの脈動数をHとしたとき、磁極数2mとスロット数
    nを、磁極数2mとスロット数nの最小公倍数となるコ
    ギングトルクの脈動数H H=LCM(2m,n) (C) が大きな組み合わせにしたことを特徴とする回転機器。
  20. 【請求項20】 請求項10又は11に記載の回転機器
    において、 前記回転子(33,91)のコア(50,93)は、 第1の嵌合部(57,57c,97b)を有するリング
    部(53,97)と、第2の嵌合部(55c,98z)
    を有し前記リング部(53,97)から放射状に形成さ
    れるティース部(58,98)とからなる第1及び第2
    コア部(51,52,95,96)を備え、前記第1コ
    ア部(51,95)の第1の嵌合部(57,57c,9
    7b)と第2コア部(52,96)の第2の嵌合部(5
    5c,55f,98z)を嵌合させ、第2コア部(5
    2,96)の第1の嵌合部(57,57c,97b)と
    第1コア部(51,95)の第2の嵌合部(55c,5
    5f,98z)を嵌合させることによって、第1コア部
    (51,95)と第2コア部(52,96)を積層させ
    てなることを特徴とする回転機器。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の回転機器におい
    て、 前記ティース部(58)は、前記リング部(53)から
    放射状に一体形成された一体ティース(54)と、該一
    体ティース(54)と同一形状に形成され且つ前記第2
    の嵌合部(55c)を有し、当該一体ティース(54)
    に固着した分割ティース(55)とからなることを特徴
    とする回転機器。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の回転機器におい
    て、 前記第1及び第2コア部(95,96)は、磁性粉体を
    圧縮成形することで前記リング部(97)とティース部
    (98)とが一体に形成されることを特徴とする回転機
    器。
  23. 【請求項23】 請求項20〜22のいずれか1に記載
    の回転機器において、 前記磁極の数を6に設定し、前記スロットの数を8に設
    定し、該スロットには前記巻線(59,100)が集中
    巻にて巻回されたことを特徴とする回転機器。
  24. 【請求項24】 請求項20〜23のいずれか1に記載
    の回転機器において、 前記整流子(94)は、略円筒状に形成された絶縁体
    (101)と、その絶縁体(101)の外周面に複数配
    置されるセグメント(102)とを有し、 前記ティース部(98)に巻回した巻線(100)の端
    部を前記セグメント(102)に接続し、該巻線(10
    0)が接続された2つのセグメント(102)と前記巻
    線(100)が非接続となる1つのセグメント(10
    2)とを短絡線(103)を介して短絡するようにした
    ことを特徴とする回転機器。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の回転機器におい
    て、 前記短絡線(103)を、前記絶縁体(101)の外周
    面に略V字状となるよう配置し、該短絡線(103)に
    おけるV字の中央部を前記巻線(100)が非接続とな
    るセグメント(102)に接続し、該短絡線(103)
    について、その中央部の接続は3つのセグメント(10
    2)おきに行われることを特徴とする回転機器。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の回転機器におい
    て、 前記短絡線(103)の中央部を前記セグメント(10
    2)に接合した後、該短絡線(103)の端部を前記巻
    線(100)の端部とともにセグメント(102)に接
    合することを特徴とする回転機器。
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