JP2003259157A - ビート成分生成回路およびこの回路を備えた放送波受信チューナ - Google Patents

ビート成分生成回路およびこの回路を備えた放送波受信チューナ

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JP2003259157A
JP2003259157A JP2002049609A JP2002049609A JP2003259157A JP 2003259157 A JP2003259157 A JP 2003259157A JP 2002049609 A JP2002049609 A JP 2002049609A JP 2002049609 A JP2002049609 A JP 2002049609A JP 2003259157 A JP2003259157 A JP 2003259157A
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Norio Okamoto
範夫 岡本
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尚 中
Takashi Nakamura
孝 中村
Toru Kuroda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 妨害波映像信号の瞬時位相が変化した場合の
映像ビート成分を生成できるビート成分生成回路および
この回路を備えた放送波受信チューナを提供する。 【解決手段】 受信する放送波映像信号に含まれ、当該
放送波映像信号に妨害放送波映像信号が干渉して生じる
映像ビート成分を生成するビート成分生成回路であっ
て、第一および第二直交成分検波出力手段(21a、2
1b、21c)と、2系統のトランスバーサルフィルタ
(23、25、27a、27b)と、ビート成分出力手
段(29a、29b、31)とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の放送波映像
信号と放送区域外の別の放送局から同一チャンネルの搬
送波周波数を若干ずらして放送された妨害放送波映像信
号がある場合に、受信する放送波映像信号に含まれる妨
害放送波映像信号が検波時に放送波映像信号に干渉して
生じる映像ビート成分を除去するために使用されるビー
ト成分生成回路およびこの回路を備えた放送波受信チュ
ーナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のオフセットビートキャンセラー
(「ビート成分生成回路およびこの回路を備えた放送波
受信チューナ」特願2001−378206)は、放送
波映像信号に含まれている映像ビート成分を生成して、
当該放送波映像信号から除去できるものであって、放送
局の放送区域内外における混信妨害を防ぐことができる
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
オフセットビートキャンセラーでは、映像ビート成分を
生じさせる妨害波映像信号の位相が一定である場合に大
きなビート抑圧効果が得られるが、妨害波映像信号にゴ
ースト波成分が含まれている場合において、混信妨害を
与える映像信号の振幅変動によって直交波とゴースト波
との合成波成分の位相が瞬時的に変化した場合(ゴース
ト波成分を含む妨害波映像信号の瞬時位相が変化した場
合)に、従来のオフセットビートキャンセラーのPLL
がこの変化に追従できない。従って、妨害放送波映像信
号の検波時に放送波映像信号に干渉して生じる映像ビー
ト成分と同位相の映像ビート成分を従来のオフセットビ
ートキャンセラーのビート成分生成回路で生成すること
ができず、十分に映像ビート成分を除去することができ
ない。このため、更なる改良の余地が残されていた。
【0004】そこで、本発明の目的は前記した従来の技
術が有する課題を解消し、妨害波映像信号の瞬時位相が
変化した場合の映像ビート成分を高い精度で生成できる
ビート成分生成回路およびこの回路を備えた放送波受信
チューナを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ため、本発明は以下に示す構成とした。請求項1記載の
ビート成分生成回路は、受信する放送波映像信号に含ま
れ、当該放送波映像信号に妨害放送波映像信号が干渉し
て生じる映像ビート成分を生成するビート成分生成回路
であって、前記放送波映像信号を直交検波して得られた
直交成分に、発振器によって発生させたオフセット周波
数と同一周波数のsin波を乗算し、第一直交成分検波
出力信号を得る第一直交成分検波出力手段と、前記直交
成分に、前記sin波の位相をπ/2だけシフトしたオ
フセット周波数と同一周波数のcos波を乗算し、第二
直交成分検波出力信号を得る第二直交成分検波出力手段
と、前記第一直交成分検波出力手段で得られた第一直交
成分検波出力信号が入力される第一のトランスバーサル
フィルタであって1水平走査期間の単位遅延素子を複数
備え各タップ出力の荷重和を得るように構成されたトラ
ンスバーサルフィルタからなる第一瞬時位相検出手段
と、前記第二直交成分検波出力手段で得られた第二直交
成分検波出力信号が入力される第二のトランスバーサル
フィルタであって1水平走査期間の単位遅延素子を複数
備え各タップ出力の荷重和を得るように構成されたトラ
ンスバーサルフィルタからなる第二瞬時位相検出手段
と、前記第一瞬時位相検出手段による第一検出結果に前
記cos波を乗算した演算出力から前記第二瞬時位相検
出手段による第二検出結果に前記sin波を乗算した演
算出力を減算、または、前記第二検出結果に前記sin
波を乗算した演算出力から前記第一検出結果に前記co
s波を乗算した演算出力を減算して映像ビート成分とし
て出力するビート成分出力手段と、を備えることを特徴
とする。
【0006】かかる構成によれば、第一直交成分検波出
力手段と第二直交成分検波出力手段とによって得られた
第一直交成分検波出力信号と第二直交成分検波出力信号
とに、第一瞬時位相検出手段および第二瞬時位相検出手
段でトランスバーサルフィルタによる信号処理が施され
て妨害波映像信号の垂直相関を利用した瞬時位相検出が
行われ、さらに、これらの検出結果に基づいてビート成
分出力手段で映像ビート成分が出力される。
【0007】ここで、オフセット周波数とは、所望の放
送波映像信号と放送区域外の別の放送局から同一チャン
ネルの搬送波周波数を若干ずらして放送された妨害放送
波映像信号との間の、搬送波周波数の差に相当する周波
数のことであり、基準の搬送波周波数に対して現行では
±10.01kHzずらした各搬送波周波数をも基準の
搬送波周波数と同一のチャンネルとして定めていること
から、ここで述べるオフセット周波数としては、10.
01kHzおよび20.02kHzの2通りがあり得
る。また、第一瞬時位相検出手段および第二瞬時位相検
出手段をそれぞれ構成するトランスバーサルフィルタに
おいて、各タップ出力の荷重和を得るために各タップ出
力に乗算される各加算係数は、瞬時位相を検出するため
の拘束条件によって制限を受けるものである。
【0008】また、請求項2記載のビート成分生成回路
は、請求項1に記載のビート成分生成回路において、前
記第一瞬時位相検出手段および前記第二瞬時位相検出手
段をそれぞれ構成する第一および第二のトランスバーサ
ルフィルタの単位遅延素子を1水平走査期間の遅延素子
から1フィールド期間または1フレーム期間の遅延素子
に置き換えたことを特徴とする。
【0009】かかる構成によれば、オフセットキャリア
方式における基準搬送波周波数からのずれを現行の1
0.01kHzから例えば、7.5Hz(垂直周波数
(fv)の1/8)だけシフトした場合に、妨害波映像
信号のフレーム相関を利用した瞬時位相検出が可能とな
り、特に静止画において完全なビートキャンセル動作を
行わせることが可能となる。
【0010】請求項3記載のビート成分生成回路は、請
求項1または請求項2に記載のビート成分生成回路にお
いて、前記第一瞬時位相検出手段および前記第二瞬時位
相検出手段をそれぞれ構成する第一および第二のトラン
スバーサルフィルタのタップ数が3タップまたは5タッ
プであることを特徴とする。
【0011】かかる構成によれば、3タップのトランス
バーサルフィルタとした場合には回路規模を小さくする
ことができ、5タップのトランスバーサルフィルタとし
た場合には瞬時位相を検出するための拘束条件によって
制限を受ける各タップ出力に乗算される各加算係数に設
定の自由度を持たせることができる。
【0012】請求項4記載の放送波受信チューナは、放
送波映像信号を受信し、この放送波映像信号に含まれて
いる、当該放送波映像信号に妨害放送波映像信号が干渉
して生じる映像ビート成分を除去して出力する放送波受
信チューナであって、前記放送波映像信号を受信し、受
信した信号を直交検波し、同相成分と直交成分とに分離
する直交検波手段と、この直交検波手段によって直交検
波された同相成分をアナログデジタル変換する同相成分
A/D変換手段と、この同相成分A/D変換手段によっ
てアナログデジタル変換された映像信号の高周波成分を
取り出して、遅延調整する高周波成分抽出遅延手段と、
前記同相成分A/D変換手段によってアナログデジタル
変換された映像信号の低周波成分を取り出して、遅延調
整する低周波成分抽出遅延手段と、前記直交検波手段に
よって直交検波された直交成分をアナログデジタル変換
する直交成分A/D変換手段と、この直交成分A/D変
換手段によってアナログデジタル変換された映像信号の
低周波成分を取り出す低周波直交成分抽出手段と、この
低周波直交成分抽出手段によって取り出された直交成分
に含まれている放送波映像信号に妨害放送波映像信号が
干渉して生じる映像ビート成分を生成する請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載したビート成分生成回路
と、前記低周波成分抽出遅延手段によって抽出された映
像信号の低周波成分から前記ビート成分生成回路によっ
て生成されたビート成分を減算し、前記高周波成分抽出
遅延手段によって抽出された映像信号の高周波成分と加
算してデジタル映像出力信号として出力する映像信号出
力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】かかる構成によれば、まず、受信した放送
波映像信号が直交検波手段によって直交検波され、同相
成分と直交成分とに分離される。一方の同相成分は同相
成分A/D変換手段によってアナログデジタル変換さ
れ、高周波成分抽出遅延手段によって高周波成分が取り
出され遅延される。また、低周波成分抽出遅延手段によ
って低周波成分が取り出され遅延される。他方の直交成
分は直交成分A/D変換手段によってアナログデジタル
変換され、低周波直交成分抽出手段によって、直交成分
の低周波成分が取り出される。そして、ビート成分生成
回路によって直交成分の低周波成分から映像ビート成分
が生成され、映像信号出力手段によって、同相成分の低
周波成分から映像ビート成分が減算され、さらに同相成
分の高周波成分と加算されデジタル映像信号として出力
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態とし
て、所望の放送波の搬送波周波数に対し不要な放送波の
搬送波周波数がプラス側に10.01kHzだけずれて
いる場合について、図面に基づいて詳細に説明する。 (放送波受信チューナの構成)図1に放送波受信チュー
ナのブロック図を示す。この図1に示すように、放送波
受信チューナ1は、直交検波部3と、同相成分A/D変
換部5と、同相成分遅延部7と、高周波成分抽出遅延部
9と、低周波成分抽出遅延部11と、直交成分A/D変
換部13と、低周波直交成分抽出部15と、ビート成分
生成部17Aと、映像信号出力部19とを備えている。
【0015】放送波受信チューナ1は、受信した放送波
映像信号に含まれている妨害放送波映像信号、特に、当
該放送波映像信号と近似する周波数を有する不要な放送
波映像信号(妨害放送波映像信号)が希望の放送波映像
信号と干渉して生じる映像ビート成分を除去して希望の
放送波映像信号の被変調信号成分である希望波映像信号
を出力する受信装置である。特に、この放送波受信チュ
ーナ1では、不要な放送波映像信号とそのゴースト波が
妨害放送波映像信号として受信した放送波映像信号に含
まれる場合に十分に映像ビート成分を除去できる。
【0016】直交検波部3は、RF入力信号(放送波映
像信号)を直交検波するものである。実際の受信回路で
はアンテナ入力端子からの入力信号は増幅された後に、
混合回路で中間周波数の信号に変換され、この中間周波
数の信号が検波されることになるが、ここでは説明を簡
略化するため、検波される信号を含めて放送波映像信号
という表現を用いている。なお、放送波受信チューナ1
のユーザが視聴を所望するチャンネルの映像信号を希望
波映像信号(被変調信号)とし、この希望波映像信号を
A(t)、このA(t)の搬送波をcos(ωt)(希
望波搬送波)とする。また、RF入力信号に混在してい
る不要な放送波の映像信号である妨害波映像信号(被変
調信号)をB(t)(Bは妨害波映像信号の振幅)、こ
のB(t)の搬送波をcos{(ω+δ)t+φ}とす
る。ここでδはオフセット周波数(+10.01kH
z)に対応している。
【0017】このとき、RF入力信号は、RF入力信号
=A(t)cos(ωt)+B(t)cos{(ω+
δ)t+φ}と表せる。なお、数式の煩雑さを避けるた
め、希望波と妨害波の比であるD/UをD/U=0dB
としている。
【0018】ここで、RF入力信号に混在している不要
な放送波の映像信号が複数ある場合、これら不要な放送
波映像信号をBk(t)、このBk(t)の搬送波をco
s{(ω+δk)t+φk}と表せば、RF入力信号は、
RF=A(t)cos(ωt)+ΣBk(t)cos
{(ω+δk)t+φk}と表せる。このように複数の不
要な放送波映像信号がある場合でも、これらが合成され
た1つの妨害放送波映像信号が混信妨害を与えているも
のと見なすことができる。ただし、合成妨害波の位相
は、各妨害波の映像信号振幅(Bk)ならびにオフセッ
ト周波数(δk)に対応して変化する時間関数となる。
【0019】現実的に最も起こりうるケースとして不要
な放送波映像信号が単一ゴーストを伴って入力される場
合を具体的に想定してみる。一般家庭における受信環境
では、不要な放送波映像信号に対してもゴーストが少な
くなるように受信アンテナを設置しているとは考えられ
ず、場合によっては、妨害放送波のゴーストD/Uが極
めて悪いことも想定されるからである。
【0020】この場合、妨害主波およびゴースト波のオ
フセット周波数は同一であるからδ 1=δ2=δとなる。
また、妨害主波とゴースト波との比を(D/
U)gohst、ゴースト遅延時間をτgohstとすると、妨害
主波の映像信号振幅B1(t)とゴースト波の映像信号
振幅B2(t)との関係はB2(t)=(D/U)gohst
×B1(t−τgohst)となり、妨害主波の位相φ1とゴ
ースト波の位相φ2との関係は、φ2=φ1−(ω+δ)
τgohstとなる。
【0021】すなわち、この場合のRF入力信号は、 RF=A(t)cos(ωt) +B1(t)cos{(ω+δ)t+φ1}+B2(t)cos{(ω+δ)t+ φ2} =A(t)cos(ωt) +B1(t){cos(ω+δ)tcosφ1−sin(ω+δ)tsinφ1} +B2(t){cos(ω+δ)tcosφ2−sin(ω+δ)tsinφ2} =A(t)cos(ωt) +cos(ω+δ)t{B1(t)cosφ1+B2(t)cosφ2} −sin(ω+δ)t{B1(t)sinφ1+B2(t)sinφ2} =A(t)cos(ωt)+R(t)cos{(ω+δ)t+β(t)} と表される。ただし、 R2(t)=B1 2(t)+B2 2(t)+2B1(t)B2
(t)cos(φ1−φ2) R(t)cosβ(t)=B1(t)cosφ1+B
2(t)cosφ2 R(t)sinβ(t)=B1(t)sinφ1+B
2(t)sinφ2 とする。
【0022】ゴーストのない場合、β(t)=φ1と定
数であるが、ゴーストのある場合には、β(t)は不要
な放送波映像信号の振幅変化に応じて変動する時間関数
となる。表記の煩雑さを避けるためにβ(t)を単にβ
で表すと、不要な放送波映像信号が単一ゴーストを伴っ
て入力される場合のRF入力信号はRF入力信号=A
(t)cos(ωt)+R(t)cos{(ω+δ)t
+β}と表せる。この式を(1)式とする。
【0023】つまり、この直交検波部3では、このA
(t)cos(ωt)+R(t)cos{(ω+δ)t
+β}で表記されるRF入力信号を直交検波している。
そして、希望波搬送波と同相の成分(同相成分)をI信
号、希望波搬送波と直交の成分(直交成分)をQ信号と
呼称すると、I信号は、I信号=A(t)+R(t)c
os(δt+β)と表記でき、Q信号は、Q信号=R
(t)sin(δt+β)と表記できる。なお、直交検
波部3で発振器出力の位相をπ/2だけ進ませた信号に
より乗算を行うと、直交成分はマイナス符号が付くこと
になるが、以後、説明を簡略にするため、Q信号を正
(プラス)の信号として表記することにする。
【0024】I信号=A(t)+R(t)cos(δt
+β)を(2)式とし、Q信号=R(t)sin(δt
+β)を(3)式とする。同相成分A/D変換部5は、
希望波搬送波と同相成分であるI信号をアナログデジタ
ル変換するものである。
【0025】同相成分遅延部7(図中2HDL)は、後
記するビート成分生成部17Aの構成要素である同一構
成の2系統の奇数タップトランスバーサルフィルタの中
央タップの出力信号とI信号との相対的な時間関係を合
わせるために、放送波受信チューナ1の直交検波部3で
分離されているI信号を2H遅延(2水平走査期間分シ
フト)させるものである。これにより、トランスバーサ
ルフィルタでI信号に対して相対的に2H進相したQ信
号まで取り扱うことができる。
【0026】高周波成分抽出遅延部9は、同相成分A/
D変換部5でアナログデジタル変換された信号の高周波
成分を取り出して、この高周波成分の信号を、低周波成
分抽出遅延部11およびビート成分生成部17Aから出
力される信号と同期するように遅延調整させるものであ
る。この実施の形態では、一例として、高周波成分抽出
遅延部9はハイパスフィルタ(HPF)と遅延調整回路
(図中DL調整)とによって構成されている。
【0027】低周波成分抽出遅延部11は、同相成分A
/D変換部5でアナログデジタル変換された信号の低周
波成分を取り出して、この低周波成分の信号を、高周波
成分抽出遅延部9およびビート成分生成部17Aから出
力される信号と同期するように遅延調整させるものであ
る。この実施の形態では、一例として、低周波成分抽出
遅延部11はローパスフィルタ(LPF)と遅延調整回
路(図中DL調整)とによって構成されている。
【0028】なお、I信号には希望波映像信号と妨害波
映像信号(R(t))とによる映像ビート成分が混合し
ている。このI信号に混合している映像ビート成分(ビ
ート妨害)は、映像信号の低周波成分に関して除去でき
れば、視覚上十分に良好な希望波映像信号が得られるこ
とから、ビート成分を除去する除去対象は低周波成分に
限定しても差し支えない。それゆえ、高周波成分抽出遅
延部9と低周波成分抽出遅延部11とによって、I信号
が高周波成分と低周波成分とに分離されている。
【0029】直交成分A/D変換部13は、希望波搬送
波と直交する成分であるQ信号をアナログデジタル変換
するものである。低周波直交成分抽出部15(図中LP
F)は、直交成分A/D変換部13でアナログデジタル
変換された信号の直交成分の低周波成分を抽出するもの
である。この低周波直交成分抽出部15は、この実施の
形態では、一例として、単独のローパスフィルタ(LP
F)によって構成されている。
【0030】ビート成分生成部17Aは、低周波直交成
分抽出部15で抽出された直交成分の低周波成分から映
像ビート成分を生成するものであり、詳細は後記する。
【0031】映像信号出力部19は、低周波成分抽出遅
延部11によって取り出された低周波成分からビート成
分生成部17Aで生成された映像ビート成分(詳細は後
記する)を減算し、妨害波成分を除去し、その後で、高
周波成分抽出遅延部9で抽出された高周波成分と合成す
ることによって妨害波成分が十分低減された希望波映像
信号をデジタル信号として出力するものである。
【0032】(ビート成分生成部[ビート成分生成回
路]の構成)次に、ビート成分生成部17Aについて、
詳細に説明する。ビート成分生成部17Aは、乗算器2
1aと、乗算器21bと、発振器21cと、加算係数乗
算器23(23a1・・・、23b1・・・)と、1水平
走査期間の単位遅延素子25(25a1・・・、25b1
・・・)と、加算集計器27(27a、27b)と、乗
算器29aと、乗算器29bと、減算器31とを備えて
いる。このビート成分生成部17Aでは、妨害波映像信
号の瞬時位相を検出して妨害波映像信号の瞬時位相に追
随した映像ビート成分を生成しているので、極めて大き
なビート抑圧量を得ることができるように構成されてい
る。ビート抑圧量とは、入力ビート成分に対する残差ビ
ート成分の電力比のことである。
【0033】乗算器21aは、低周波直交成分抽出部1
5で抽出されたアナログデジタル変換後のQ信号の低周
波成分に発振器21cで発振されたオフセット周波数と
同一周波数のsin波を乗算して、第一直交成分検波出
力信号を得るものである。
【0034】乗算器21bは、低周波直交成分抽出部1
5で抽出されたアナログデジタル変換後のQ信号の低周
波成分に発振器21cで発振させたオフセット周波数と
同一周波数のsin波の位相をπ/2だけ進ませたco
s波を乗算して、第二直交成分検波出力信号を得るもの
である。ここで、乗算器21aおよび乗算器21bでの
Q信号の演算処理は、Q信号を直交検波することに等し
い。
【0035】発振器21cは、オフセット周波数と同一
周波数の発振信号を生成するものであり、オフセット周
波数とは、2つの放送局から送信される電波に同一の搬
送波周波数が使用される場合に、混信が生じてもその妨
害を視覚的に見えにくくするために、一方の放送局の搬
送波周波数を10kHz程度ずらした周波数のことであ
る。この発振器21から出力されるsin波をsin
(δt+θ)と表記すれば、このsin波の位相をπ/
2だけ進ませたcos波はcos(δt+θ)と表記さ
れる。なお、乗算器21aと発振器21cとが請求項に
記載した第一直交成分検波出力手段に相当するものであ
り、乗算器21bと発振器21cとπ/2位相器(図
中、π/2)とが請求項に記載した第二直交成分検波出
力手段に相当するものである。
【0036】2系統あるトランスバーサルフィルタを構
成する加算係数乗算器23は、第一直交成分検波出力信
号および第二直交成分検波出力信号に加算係数(C2
を乗算すると共に、1水平走査期間の単位遅延素子25
の各出力信号に加算係数(C 0、C1、C2)を乗算する
ものである。この加算係数は、トランスバーサルフィル
タの各タップ出力をベクトル表示した際に得られるトラ
ンスバーサルフィルタ出力信号の瞬時位相を検出するた
めの拘束条件(後記する)によって制限を受けるもので
ある。
【0037】2系統あるトランスバーサルフィルタを構
成する1水平走査期間の単位遅延素子25(図中1HD
L)は、第一直交成分検波出力信号および第二直交成分
検波出力信号を1水平走査期間を単位として遅延させ、
トランスバーサルフィルタの中央タップの出力信号に対
して1水平走査期間(1H)前の信号(1H遅延信号
(表示される画面では画面上方に該当する))、2H前
の信号、1H先の信号(1H進相信号(表示される画面
では画面下方に該当する))、2H先の信号のタップ出
力を可能にさせるものである。なお、この実施の形態で
は、1水平走査期間の単位遅延素子としているが、遅延
単位を変更することにより、トランスバーサルフィルタ
の周波数特性を変えることができる。ただし、タップ数
および遅延単位を変更する場合には同期成分遅延部7の
遅延時間もそれに合わせて変更することが必要である。
【0038】この図1に示したように、加算係数乗算器
23a1が乗算器21aからの出力である第一直交成分
検波出力信号(2H進相信号)に加算係数C2を乗算し
ており、加算係数乗算器23a2が1水平走査期間の単
位遅延素子25a1からの出力であるタップ出力信号
(1H進相信号)に加算係数C1を乗算しており、加算
係数乗算器23a3が1水平走査期間の単位遅延素子2
5a2からの出力である中央タップ出力信号に加算係数
0を乗算している。また、加算係数乗算器23a4が1
水平走査期間の単位遅延素子25a3からの出力である
タップ出力信号(1H遅延信号)に加算係数C1を乗算
しており、加算係数乗算器23a5が1水平走査期間の
単位遅延素子25a4からの出力であるタップ出力信号
(2H遅延信号)に加算係数C2を乗算している。な
お、これら加算係数乗算器23a1〜23a5と1水平走
査期間の単位遅延素子25a1〜25a4と加算集計器2
7aとからなるトランスバーサルフィルタが請求項に記
載した第一瞬時位相検出手段に相当するものである。
【0039】同様に、加算係数乗算器23b1が乗算器
21bからの出力である第二直交成分検波出力信号(2
H進相信号)に加算係数C2を乗算しており、加算係数
乗算器23b2が1水平走査期間の単位遅延素子25b1
からの出力であるタップ出力信号(1H進相信号)に加
算係数C1を乗算しており、加算係数乗算器23b3が1
水平走査期間の単位遅延素子25b2からの出力である
中央タップ出力信号に加算係数C0を乗算している。ま
た、加算係数乗算器23b4が1水平走査期間の単位遅
延素子25b3からの出力であるタップ出力信号(1H
遅延信号)に加算係数C1を乗算しており、加算係数乗
算器23b5が1水平走査期間の単位遅延素子25b4
らの出力であるタップ出力信号(2H遅延信号)に加算
係数C2を乗算している。なお、これら加算係数乗算器
23b1〜23b5と1水平走査期間の単位遅延素子25
1〜25b4と加算集計器27bとからなるトランスバ
ーサルフィルタが請求項に記載した第二瞬時位相検出手
段に相当するものである。
【0040】加算集計器27(図中27a、27b
[Σ:シグマ])は、加算係数が乗算された第一および
第二のトランスバーサルフィルタの各タップ出力信号を
加算集計するものであり、加算集計器27aが第一直交
成分検波出力信号を入力信号とする第一のトランスバー
サルフィルタの各タップ出力信号を加算集計するもので
あり、加算集計器27bが第二直交成分検波出力信号を
入力信号とする第二のトランスバーサルフィルタの各タ
ップ出力信号を加算集計するものである。後記するよう
に加算係数C0、C1、C2を一定の関係を満足するよう
に設定すると、この図1に示したように、加算集計器2
7aの出力をR(t)cos(β−θ)、加算集計器2
7bの出力をR(t)sin(β−θ)とすることがで
き、これによりQ信号の瞬時位相が検出できる。
【0041】乗算器29aは、加算集計器27aからの
出力R(t)cos(β−θ)とcos波(cos(δ
t+θ))とを乗算するものである。乗算器29bは、
加算集計器27bからの出力R(t)sin(β−θ)
とsin波(sin(δt+θ))とを乗算するもので
ある。減算器31は、乗算器29aの出力から乗算器2
9bの出力を減算するものであり、この減算器31の出
力がR(t)cos(δt+β)、すなわち映像ビート
成分となる。なお、図1の場合、乗算器29a、29b
と減算器31とが請求項に記載したビート成分出力手段
に相当するものである。
【0042】(ビート成分生成部[ビート成分生成回
路]における瞬時位相検出)これより、図1に示したビ
ート成分生成部17Aの瞬時位相検出について説明す
る。ここでは、まず、ビート成分生成部17Aよりも回
路構成がより簡略な2系統の3タップトランスバーサル
フィルタをその構成要素として備えるビート成分生成部
17B(図2参照)の瞬時位相の検出について説明して
から、ビート成分生成部17Aの瞬時位相の検出につい
て説明する。図2に示したように、ビート成分生成回路
17Bは、乗算器21aと、乗算器21bと、発振器2
1cと、加算係数乗算器23と、1水平走査期間の単位
遅延素子25と、加算集計器27と、乗算器29aと、
乗算器29bと、減算器31とを備えている。なお、図
1に示したビート成分生成部17Aと比較した場合、各
構成において、差違がないものに関しては、同じ符号を
付してその説明を省略する。
【0043】ところで、この図2に示したビート成分生
成部17Bと図1に示したビート成分生成部17Aとの
違いは加算係数乗算器23の数と1水平走査期間の単位
遅延素子25との数である。つまり、乗算器21aから
の出力である第一直交成分検波出力信号の出力ラインに
3個の加算係数乗算器23a1、23a2、23a3と、
2個の1水平走査期間の単位遅延素子25a1、25a2
とが備えられており、乗算器21bからの出力である第
二直交成分検波出力信号の出力ラインに3個の加算係数
乗算器23b1、23b2、23b3と、2個の1水平走
査期間の単位遅延素子25b1、25b2とが備えられて
いる。つまり、このビート成分生成部17Bでは、第一
直交成分検波出力信号および第二直交成分検波出力信号
の出力ラインに、2個の1水平走査期間の単位遅延素子
25と3個の加算係数乗算器23が備えられており、こ
れによって、各タップ出力として、各3つのサンプル値
(加算係数が乗算された数値)が得られる。また、ビー
ト成分生成部17Aでは各5つのサンプル値が得られ
る。
【0044】(ビート成分生成部17Bにおける瞬時位
相検出)このビート成分生成部17Bでは、映像ビート
成分を生成する際に妨害波映像信号の瞬時位相が検出さ
れる。ここで、Q信号にオフセット周波数と同一周波数
のsin波を乗算したものをX、オフセット周波数と同
一周波数のcos波を乗算したものをYとし、妨害波映
像信号にはゴースト波が含まれているものとすると、Q
は前記した(3)式、R(t)sin(δt+β)であ
り、 X=Qsin(δt+θ)=R(t)sin(δt+β)×sin(δt+θ) =1/2R(t)[cos(β−θ)−cos(2δt+β+θ)] Y=Qcos(δt+θ)=R(t)sin(δt+β)×cos(δt+θ) =1/2R(t)[sin(β−θ)+sin(2δt+β+θ)] と表記でき、これらを(4)式とする。
【0045】この(4)式で表記できる信号を1H遅延
線(図中、1HDL)に通した信号をXk、Yk(図2
中、1HDL25a1、25b1の遅延線出力をk=0と
する)とし、1Hの遅延時間をτとし、(tk=t−k
τ)とすると、 X0=1/2R(t0)[cos(β−θ)−cos(2δt+β+θ)] Xk=1/2R(tk)[cos(β−θ)−cos{2δ(t−kτ)+β+θ }] =1/2R(tk)[cos(β−θ)−cos(2δt+β+θ)cos(2 kδτ)−sin(2δt+β+θ)sin(2kδτ)] X-k=1/2R(t-k)[cos(β−θ)−cos{2δ(t+kτ)+β+ θ}] =1/2R(t-k)[cos(β−θ)−cos(2δt+β+θ)cos(2 kδτ)+sin(2δt+β+θ)sin(2kδτ)] ・・・(5)式 と表記でき、同様にYkも Y0=1/2R(t0)[sin(β−θ)+sin(2δt+β+θ)] Yk=1/2R(tk)[sin(β−θ)+sin{2δ(t−kτ)+β+θ }] =1/2R(tk)[sin(β−θ)+sin(2δt+β+θ)cos(2 kδτ)−cos(2δt+β+θ)sin(2kδτ)] Y-k=1/2R(t-k)[sin(β−θ)+sin{2δ(t+kτ)+β+ θ}] =1/2R(t-k)[sin(β−θ)+sin(2δt+β+θ)cos(2 kδτ)+cos(2δt+β+θ)sin(2kδτ)] ・・・(6)式 と表記できる。
【0046】図3に(5)(6)式で表記される信号を
ベクトルとして図示する。各遅延線出力(Xk、Yk
は、(1/2Rcos(β−θ)、1/2Rsin(β
−θ))を中心に半径1/2R、角速度2δで回転して
いるベクトルである。つまり、図3において、v1はP
1(X0、Y0)を指すものであり、v2はP2(X1
1)を指すものであり、v3はP3(X-1、Y-1)を
指すものである。ここで、R、βなどが各サンプル時刻
(tk)で同一の値を取るものと仮定すると、+1H信
号のベクトルと、−1H信号のベクトルと、0H信号の
0.28倍(=−2cos(2δτ)=−2cos(9
8.06度))のベクトルの和は、各ベクトルが時間と
ともに回転しても、一定点P4に留まる。このため、こ
の点P4の座標位置から位相(β)と振幅(R)とを知
ることができる。
【0047】図3を用いて行った説明を数式で表記する
と、下記のようになる。 Xk+X-k=1/2[R(tk)+R(t-k)]cos(β−θ) −1/2[R(tk)+R(t-k)]cos(2δt+β+θ)cos(2kδ τ)−1/2[R(tk)−R(t-k)]sin(2δt+β+θ)sin(2 kδτ) Yk+Y-k=1/2[R(tk)+R(t-k)]sin(β−θ) +1/2[R(tk)+R(t-k)]sin(2δt+β+θ)cos(2kδ τ)−1/2[R(tk)−R(t-k)]cos(2δt+β+θ)sin(2 kδτ) ・・・(7)式
【0048】ここで、R(t1)=R(t-1)=R
(t0)(=R)、β(t1)=β(t-1)=β(t0
(=β)と仮定しており、各遅延線出力を加算した信号
Uおよび信号Vとすると、次式に示すようになる。 U=C00+C1(X1+X-1) =R[{1/2C0+C1}cos(β−θ)−{1/2C0+C1cos(2δτ )}cos(2δt+β+θ)] V=C00+C1(Y1+Y-1) =R[{1/2C0+C1}sin(β−θ)+{1/2C0+C1cos(2δτ )}sin(2δt+β+θ)] ・・・(8)式
【0049】この(8)式において、係数C1、C2が次
式を満たすような値を取ると、位相(β−θ)および振
幅(R)を求めることができる。 1/2C0+C1=1 1/2C0+C1cos(2δτ)=0 ・・・(9)式
【0050】すなわち、(9)式よりC0=−2C1co
s(2δτ)=−2C1cos(98.06度)=0.
28C1となることから、+1H信号のベクトルと、−
1H信号のベクトルと、0H信号の0.28倍のベクト
ルの和は各ベクトルが時間とともに回転しても図3の一
定点P4に留まり、位相(β−θ)が検出できる。
【0051】この(9)式を解いて C0=−2cos(2δτ)/(1−cos(2δ
τ))=0.24586 C1=1/(1−cos(2δτ))=0.87707
・・・(10)式が得られ、この場合のβおよびRは次
式から求められる。 U=Rcos(β−θ)、V=Rsin(β−θ)、
【数1】 ・・・(11)式
【0052】なお、この実施の形態では、所望の放送波
の搬送波周波数に対して不要な放送波の搬送波周波数が
プラス側に10.01kHzだけずれている場合を想定
しているが、不要な放送波の搬送波周波数がマイナス側
に10.01kHzだけずれている場合には、B(t)
の搬送波はcos{(ω−δ)t+φ}となるため、R
F入力信号を表す(1)式はRF入力信号=A(t)c
os(ωt)+R(t)cos{(ω−δ)t+β}と
なる。この場合には、I信号=A(t)+R(t)co
s(−δt+β)、Q信号=R(t)sin(−δt+
β)となり、(11)式は、 U=−Rcos(β+θ)、V=Rsin(β+θ)、
【数1】 ・・・(11′)式となる。
【0053】以上の(4)式から(11′)式では、β
およびRが、各サンプル時刻(tk)で同一の値をとる
ものと仮定したが、通常の映像信号では、大きな垂直相
関を持っているので、この仮定は、高い精度で成立して
いると想定でき、ビート成分生成部17Bでは、正確な
映像ビート成分が生成できるといえる。
【0054】(ビート成分生成部17Aにおける瞬時位
相検出)次に、ビート成分生成部17Aにおける瞬時位
相検出について説明する。ビート成分生成部17Bの瞬
時位相検出の説明において記載した(11)式で求めら
れる瞬時位相β(t)を用いて、従来の技術で説明した
PLLを用いたオフセットビートキャンセラーのPLL
発振波の位相を瞬時瞬時に制御することにより、課題を
解決することもできるが、妨害波映像信号の瞬時位相に
追随した映像ビート成分はPLLを用いなくても図1ま
たは図3に示す回路により直接生成することができる。
次にこのことを説明する。
【0055】ビート成分生成部17Aで説明した加算集
計器27aおよび加算集計器27bの出力信号が、(1
1)式で得られた信号に相当し、U信号にオフセット周
波数と同一周波数のcos波(cos(δt+θ))を
乗算器29aで乗算し、V信号にオフセット周波数と同
一周波数のsin波(sin(δt+θ))を乗算器2
9bで乗算し、減算器31で減算すると、 U×cos(δt+θ)−V×sin(δt+θ)=R
(t)cos{(β−θ)+(δt+θ)}=R(t)
cos(δt+β)・・・(12)式となる。つまり、
極めて簡単に映像ビート成分が生成できることになる。
【0056】ここで、所望の放送波の搬送波周波数に対
し不要な放送波の搬送波周波数がマイナス側にずれてい
る場合には、V×sin(δt+θ)−U×cos(δ
t+θ)=R(t)cos{(β+θ)−(δt+
θ)}=R(t)cos(−δt+β)・・・(1
2′)式となって、極めて簡単に映像ビート成分が生成
できる。つまり、所望の放送波の搬送波周波数に対して
不要な放送波の搬送波周波数がプラス側にずれているか
マイナス側にずれているかによって、減算器31で乗算
器29aの出力から乗算器29bの出力を減算するか、
乗算器29bの出力から乗算器29aの出力を減算する
かを決めてやれば、ビート成分生成部17Aから映像ビ
ート成分を出力することができる。
【0057】この(12)式および(12′)式による
と、発振器21cの発振位相(θ)は最終的に生成され
る映像ビート成分に影響を及ぼしていないので、任意の
値でよいことになる。従って、発振器21cで発生する
10.01kHzについては、従来のビート成分生成回
路(図示せず)のPLL(Phase LockedL
oop)手段のように、入力波に位相ロックする必要が
なくなり、フリーランの発振器でよいことになる。PL
Lのようなフィードバック系が不要であることは、ハー
ドウエアの安定性や応答速度の観点からメリットが大き
いと言える。
【0058】また、ビート成分生成部17Bは、3サン
プル加算(−1H、0H、+1H)であるのに対し、ビ
ート成分生成部17Aでは、5サンプル加算(−2H、
−1H、0H、1H、2H)であり、各サンプル加算処
理は、垂直周波数領域でのフィルタ処理であって、この
特性は前記した加算係数で決定される。
【0059】ビート成分生成部17Bの場合では、3サ
ンプル加算であり、加算係数C0、C1は(9)式の拘束
条件で一意的に決まってしまうので、図4(a)に示す
周波数応答以外の特性をとることができない。しかし、
ビート成分生成部17Aの場合では、5サンプル加算で
あり、拘束条件に対して加算係数の数が一つ多い。この
ため、各係数に自由度を持たせることができ、周波数特
性を図4(b)に示すように、ある程度自由に設定でき
る。なお、2M個の遅延線(1水平走査期間の単位遅延
素子25)を使用して2M+1個のタップ出力の荷重和
をトランスバーサルフィルタ出力とする場合の係数の拘
束条件は、
【0060】
【数2】
【0061】(13)式となり、加算処理による雑音の
増加は次式の(14)式で与られる。
【0062】
【数3】 (14)式 なお、トランスバーサルフィルタの各加算係数は理論
上、前記の拘束条件により制限を受けるが、現実的には
総合的なビートキャンセル動作を見ながらの調整となる
ため、実用上は一定の範囲内に設定されていればよいと
いう性質のものである。
【0063】(トランスバーサルフィルタを偶数タップ
で構成した場合について)以上では、トランスバーサル
フィルタを奇数タップで構成した場合を例にビート成分
生成部17Aの動作を説明したが、トランスバーサルフ
ィルタを偶数タップで構成しても奇数タップのトランス
バーサルフィルタの場合と同様の効果を得ることが可能
であることを次に補足的に説明する。
【0064】図5に偶数タップのトランスバーサルフィ
ルタでビート成分生成部17Cを構成した場合の放送波
受信チューナ1Aのブロック図を示す。この図5に示し
たように、ビート成分生成部17Cは、乗算器21a
と、乗算器21bと、発振器21cと、加算係数乗算器
23と、1水平走査期間の単位遅延素子25(図5中、
1HDL)と、加算集計器27と、乗算器29aと、乗
算器29bと、減算器31とを備えている。加算係数乗
算器23は、第一直交成分検波出力信号および第二直交
成分検波出力信号に加算係数(C1.5)を乗算すると共
に、1水平走査期間の単位遅延素子25の各出力信号に
加算係数(C0.5、C1.5)を乗算するものである。な
お、図5に示した放送波受信チューナ1Aのビート成分
生成部17Cと、図1に示した放送波受信チューナ1の
ビート成分生成部17Aとを比較した場合、各構成にお
いて、差違がないものに関しては、同じ符号を付してそ
の説明を省略する。
【0065】図5に示したビート成分生成部17Cと図
1に示したビート成分生成部17Aとの違いは、加算係
数乗算器23の個数と1水平走査期間の単位遅延素子2
5の個数である。つまり、乗算器21aからの出力であ
る第一直交成分検波出力信号の出力ラインに4個の加算
係数乗算器23a1、23a2、23a3、23a4と、3
個の1水平走査期間の単位遅延素子25a1、25a2
25a3とが備えられており、乗算器21bからの出力
である第二直交成分検波出力信号の出力ラインに4個の
加算係数乗算器23b1、23b2、23b3、23b
4と、3個の1水平走査期間の単位遅延素子25b1、2
5b2、25b3とが備えられている。つまり、このビー
ト成分生成部17Cでは、第一直交成分検波出力信号お
よび第二直交成分検波出力信号の出力ラインに3個の1
水平走査期間の単位遅延素子25と4個の加算係数乗算
器23が備えられており、これによって、各タップ出力
として、各4つのサンプル値(加算係数が乗算された数
値)が得られる。
【0066】具体的には、図5に示したように、加算係
数乗算器23a1が乗算器21aからの出力信号である
第一直交成分検波出力信号(1.5H進相信号)に加算
係数C1.5を乗算しており、加算係数乗算器23a2が1
水平走査期間の単位遅延素子25a1からの出力である
タップ出力信号(0.5H進相信号)に加算係数C0.5
を乗算しており、加算係数乗算器23a3が1水平走査
期間の単位遅延素子25a2からの出力であるタップ出
力信号(0.5H遅延信号)に加算係数C0.5を乗算し
ており、加算係数乗算器23a4が1水平走査期間の単
位遅延素子25a3からの出力であるタップ出力信号
(1.5H遅延信号)に加算係数C1.5を乗算してい
る。
【0067】同様に加算係数乗算器23b1が乗算器2
1bからの出力信号である第二直交成分検波出力信号
(1.5H進相信号)に加算係数C1.5を乗算してお
り、加算係数乗算器23b2が1水平走査期間の単位遅
延素子25b1からの出力であるタップ出力信号(0.
5H進相信号)に加算係数C0.5を乗算しており、加算
係数乗算器23b3が1水平走査期間の単位遅延素子2
5b2からの出力であるタップ出力信号(0.5H遅延
信号)に加算係数C0.5を乗算しており、加算係数乗算
器23b4が1水平走査期間の単位遅延素子25b3から
の出力であるタップ出力信号(1.5H遅延信号)に加
算係数C1.5を乗算している。
【0068】ここで、図5のトランスバーサルフィルタ
の入力信号は、Q信号にオフセット周波数と同一周波数
のsin波を乗算したXおよびオフセット周波数と同一
周波数のcos波を乗算したYであり、これらの信号は
前記(4)式で表記される。この(4)式で表記される
信号を1H遅延線(図5中、1HDL)に通した信号X
k、Ykもまた(5)式および(6)式の通りになる。
【0069】図5中、1HDL25a1、25b1の遅延
線出力をそれぞれX-0.5、Y-0.5と表し、1HDL25
2、25b2の遅延線出力をそれぞれX0.5、Y0.5と表
すと、各遅延線出力を加算した信号UおよびVは次のよ
うに表される。 U=C0.5(X0.5+X-0.5)+C1.5(X1.5+X-1.5) =R[{C0.5+C1.5}cos(β−θ)−{C0.5cos(δτ)+C1.5c os(3δτ)}cos(2δt+β+θ)] V=C0.5(Y0.5+Y-0.5)+C1.5(Y1.5+Y-1.5) =R[{C0.5+C1.5}sin(β−θ)+{C0.5cos(δτ)+C1.5c os(3δτ)}sin(2δt+β+θ)]・・・(15)式
【0070】この(15)式において、係数C0.5、C
1.5が次式を満たすような数値をとると、位相(β−
θ)および振幅(R)を求めることができる。 C0.5+C1.5=1 C0.5cos(δτ)+C1.5cos(3δτ)=0 ・・・(16)式 このようにトランスバーサルフィルタを偶数タップで構
成した場合、トランスバーサルフィルタを奇数で構成し
た場合と比較して瞬時位相を検出するための各加算係数
の拘束条件に差違は生じるが、その基本的な動作に差違
が生じるものではない。
【0071】(放送波受信チューナの動作)次に、図6
に示すフローチャートを参照して、放送波受信チューナ
1の動作を説明する(適宜図1を参照)。まず、放送波
受信チューナ1では、受信アンテナ(図示せず)から直
交検波部3にRF入力信号A(t)cos(ωt)+R
(t)cos{(ω+δ)t+β}が入力されたかどう
か判断される(S1)。このRF入力信号が入力される
まで(No)待機され、RF入力信号が入力されたと判
断された場合(Yes)、直交検波部3でRF入力信号
が直交検波され、希望波搬送波と同相成分であるI信
号、直交成分であるQ信号とに分離される。直交検波部
3で分離された同相成分であるI信号の場合(S2、Y
es)、分離されたI信号は同相成分A/D変換部5で
アナログデジタル変換される(S3)。
【0072】そして、この同相成分A/D変換部5でア
ナログデジタル変換されたI信号は、ビート成分生成部
17Aの出力信号との相対的な時間関係を合わせるため
に同相成分遅延部7(図1中2HDL)で2H分遅延さ
れる(S4)。この同相成分遅延部7で遅延された信号
は分岐され、高周波成分である場合(S5、Yes)、
高周波成分抽出遅延部9で当該高周波成分が抽出され、
遅延調整される(S6)。また、低周波成分である場合
(S5、No)、低周波成分抽出遅延部11で当該低周
波成分が抽出され、遅延調整される(S7)。
【0073】また、直交検波部3で分離された直交成分
であるQ信号の場合(S2、No)、分離されたQ信号
は、直交成分A/D変換部13でアナログデジタル変換
される(S8)。そして、低周波直交成分抽出部15
(図1中LPF)で直交成分の低周波成分が抽出される
(S9)。その後、この直交成分の低周波成分がビート
成分生成部17Aに入力され、このビート成分生成部1
7Aで映像ビート成分R(t)cos(δt+β)が生
成される(S10)。
【0074】そして、映像信号出力部19で、低周波成
分抽出遅延部11にて遅延調整されている低周波成分か
らビート成分生成部17Aにて生成された映像ビート成
分が減算される(S11)。さらに、この映像信号出力
部19で、低周波成分から映像ビート成分が減算された
信号と、高周波成分抽出遅延部9にて遅延調整されてい
る高周波成分とが加算され、デジタル映像出力A(t)
として出力される(S12)。
【0075】(ビート成分生成部[ビート成分生成回
路]の動作)次に、図7に示すフローチャートを参照し
て、ビート成分生成部17Aにおいて映像ビート成分
(オフセットビート成分)を生成する動作を説明する
(適宜図1参照)。まず、ビート成分生成部17Aで
は、Q信号R(t)sin(δt+β)の入力があるか
どうかが判断される(S21)。このQ信号の入力があ
るまで待機(No)され、Q信号の入力があると判断さ
れた場合(Yes)には、乗算器21aでオフセット周
波数と同一周波数のsin波が、乗算器21bでオフセ
ット周波数と同一周波数のcos波がそれぞれQ信号に
乗算され、第一直交成分検波出力信号、第二直交成分検
波出力信号とされる(S22)。
【0076】これら第一直交成分検波出力信号、第二直
交成分検波出力信号がそれぞれ加算係数乗算器23
1、23b1と、1水平走査期間の単位遅延素子25a
1、25b1に入力される(S23)。加算係数乗算器2
3a1、23b1では、加算係数C2が乗算され、1水平
走査期間の単位遅延素子25a1、25b1では、第一直
交成分検波出力信号、第二直交成分検波出力信号が1水
平走査期間だけ遅延される。
【0077】そして、これら1Hだけ遅延された第一直
交成分検波出力信号、1Hだけ遅延された第二直交成分
検波出力信号がそれぞれ加算係数乗算器23a2、23
2と、1水平走査期間の単位遅延素子25a2、25b
2に入力される(S24)。さらに、1水平走査期間の
単位遅延素子25a2からの出力信号は、加算係数乗算
器23a3、1水平走査期間の単位遅延素子25a3に、
続いて、1水平走査期間の単位遅延素子25a3からの
出力信号は、加算係数乗算器23a4、1水平走査期間
の単位遅延素子25a4に入力され、1水平走査期間の
単位遅延素子25a4からの出力信号は加算係数乗算器
23a5に入力される。また、1水平走査期間の単位遅
延素子25b2からの出力信号は、加算係数乗算器23
3、1水平走査期間の単位遅延素子25b3に、続い
て、1水平走査期間の単位遅延素子25b3からの出力
信号は、加算係数乗算器23b4、1水平走査期間の単
位遅延素子25b4に入力され、1水平走査期間の単位
遅延素子25b4からの出力信号は加算係数乗算器23
5に入力される。
【0078】その後、加算集計器27aにおいて、加算
係数乗算器23a1、23a2、23a3、23a4、23
5で加算係数が乗算された各タップ出力信号が集計さ
れ、加算集計器27bにおいて、加算係数乗算器23b
1、23b2、23b3、23b4、23b5で加算係数が
乗算された各タップ出力信号が集計される(S25)。
さらに、乗算器29aにおいて加算集計器27aの出力
信号である第一トランスバーサルフィルタ出力信号とオ
フセット周波数と同一周波数のcos波とが乗算され、
乗算器29bにおいて加算集計器27bの出力信号であ
る第二トランスバーサルフィルタ出力信号とオフセット
周波数と同一周波数のsin波とが乗算される(S2
6)。それらの結果である乗算器29aおよび乗算器2
9bの出力信号が減算され、映像ビート成分として映像
信号出力部19に出力される(S27)。
【0079】ここで、所望の放送波の搬送波周波数に対
して不要な放送波の搬送波周波数がプラス側にずれてい
る場合は乗算器29aの出力から乗算器29bの出力が
減算され、所望の放送波の搬送波周波数に対して不要な
放送波の搬送波周波数がマイナス側にずれている場合は
乗算器29bの出力から乗算器29aの出力が減算され
る。なお、所望の放送波の搬送波周波数に対して不要な
放送波の搬送波周波数がプラス側にずれているかマイナ
ス側にずれているかは、これらの放送波を送信する放送
局の設定により定まるものであるので、本発明の一実施
の形態である放送波受信チューナ1、1Aを設置しよう
とする受信点が決定すれば自ずと定まり、これらの関係
を既知のものとして取り扱うことができる。
【0080】(ビート成分生成部における加算係数(サ
ンプル加算)について)ここで、ビート成分生成部17
A、17Bにおける加算係数乗算器23で乗算される加
算係数(サンプル加算)について補足説明しておく。
(4)式に示した式(Q信号にオフセット周波数と同一
周波数のsin波、オフセット周波数と同一周波数のc
os波を乗算したもの)は、直交検波の一般形式を与え
ている。つまり、入力信号であるQ信号は周波数δの搬
送波がR(t)という信号で振幅変調され、さらにβ
(t)という信号で位相変調されたものであるとみなす
ことができる。そして、この変調された信号(Q信号)
に搬送波と同一周波数のキャリアを乗じたものが(4)
式に示したXおよびYである。
【0081】通常の信号復調では、搬送波の2倍の周波
数成分である(4)式の各式第2項がフィルタ(図示せ
ず)で除去されて復調成分(第1項)が抽出されてい
る。この動作を図3に示したベクトル図で説明すると以
下の通りになる。すなわち、キャリア(オフセット周波
数と同一周波数のsin波、オフセット周波数と同一周
波数のcos波)を乗算した信号は、図3の0H信号で
表される回転ベクトルであるが、これをフィルタ(図示
せず)に通して第2項の高周波成分を除去することは回
転ベクトルを1回転期間(2δの1周期)に亘って積分
することと等価である。つまり、積分によりベクトルの
回転成分が平均化されてゼロとなり、回転中心である第
1項を復調出力として取り出すことができる。
【0082】これに対し、サンプル加算は、回転ベクト
ルを1周期に亘って(連続)積分する代わりに、ベクト
ルを定期的にサンプリングし、各サンプル値の重み付け
和(weighted sum)を求めるものである。
1水平走査期間の単位遅延素子25(図1参照)により
トランスバーサルフィルタを構成し、サンプリング周波
数として水平走査周波数(fh=15.73kHz)を
用いているため、重み付け和の周波数特性は、fhで繰
り返す櫛型フィルタ特性をとることになる。
【0083】一例として、±2H遅延線を用いた場合の
特性を図8に示す。この櫛型フィルタにおいて、サンプ
ル加算の拘束条件(13)式が成立することは、オフセ
ット周波数の2倍の周波数(高周波キャリア=20.0
2kHz)でのレスポンスがゼロ(図8中ほぼ中央の黒
点、周波数20kHz付近)となることである。またこ
の時、櫛型フィルタの特性に基づいて、高周波キャリア
からfhの整数倍離れた周波数に対するレスポンスもゼ
ロ(図8中、周波数2δ+fhおよび2δ−fh)とな
る。
【0084】ところで、垂直相関が100%である映像
信号とは、周波数成分がfhの整数倍にのみ存在する信
号であるが、妨害波映像信号がこのような垂直相関10
0%の信号である場合、映像信号成分((4)式第1
項)は、fhの整数倍の周波数にのみ成分を持ち、高周
波成分((4)式第2項)については、高周波キャリア
からfhの整数倍離れた周波数にのみ成分を持つ信号と
なる。このような信号を図8に示した特性を有するフィ
ルタに通過させると映像信号成分は100%(無歪で)
通過し、高周波成分は完全に遮断され、所望の映像信号
成分のみを取り出すことができる。
【0085】また、逆に、垂直相関が100%でない映
像信号は、fhの整数倍以外の周波数にも成分を持って
おり、このような映像信号の場合、映像信号成分がフィ
ルタの周波数特性の影響を受けて歪む(線形歪)と共
に、高周波成分はフィルタの通過域に成分を持つように
なる。このため、映像信号成分と高周波成分との混ざり
合ったものがフィルタ出力となり、映像信号成分と高周
波成分との分離が不十分なものとなってしまう。
【0086】つまり、映像信号成分が歪んだり、映像信
号成分と高周波成分との分離が不十分であることは、妨
害波映像信号の振幅および位相(Rとβ)の検出が不完
全であることであり、従って、これらから生成される映
像ビート成分には誤差が含まれることになり、放送波受
信チューナ1では正確なビートキャンセル動作が行えな
くなる。
【0087】そこで、映像信号成分の歪みや高周波成分
分離の問題を緩和する1つの方法として、オフセット周
波数の変更がある。このオフセット周波数を変更した例
を図9に示す。この図9(b)は、現行のオフセット周
波数10.01kHzの場合であり、図9(a)は、オ
フセット周波数をfhの3/4倍にした場合、すなわ
ち、高周波成分がfhの整数倍(この周波数に信号のエ
ネルギーが集中している)の中間になるようにした場合
である。図9(b)と比較すると、明らかなように、信
号の通過帯域が広く(信号歪みが少ない)、また、高周
波キャリアがfhの整数倍の周波数から最も離れている
ため、映像信号成分と高周波成分との分離も比較的優れ
ている。なお、オフセット周波数を変更するには、既存
設備の設定変更が必要であることは言うまでもない。
【0088】(フレーム相関を利用したビート成分生成
部について)これまでは、映像信号の垂直相関が高いと
いう性質を利用したビート成分生成部17A、17Bに
ついて説明してきた。これより、映像信号のフレーム相
関を利用したビート成分生成部(図示せず)について説
明する。通常の映像信号はフレーム相関も高く、例え
ば、静止画ではフレーム相関は100%となる。この静
止画の場合、映像信号成分はフレーム周波数(29.9
7Hz:以下30Hzと略記する)の整数倍にのみ存在
する。
【0089】このフレーム相関を利用する場合につい
て、図10を参照して説明する。フレーム相関を利用す
る場合は、垂直相関を利用する場合に用いた1水平走査
期間の単位遅延素子の代わりに、1フィールドまたは1
フレーム期間の単位遅延素子を利用する。具体的には図
1に示したビート成分生成部17Aの「1HDL」を
「1フィールド遅延線(1VDL)または1フレーム遅
延線(1FDL)」(図示せず)に置き換えたものであ
る。なお、図1の放送波受信チューナ1でビートキャン
セル動作を行わせるには、単位遅延素子の変更に合わせ
同期成分遅延部7の「2HDL」を「1FDL」または
「2FDL」に変更することが必要である。図10は、
ビート成分生成部17Aの「1HDL」を「1フィール
ド遅延線(1VDL)」に置き換えた場合の動作説明図
である。
【0090】現行のオフセット周波数10.01kHz
は、フィールド周波数の167倍(またはフレーム周波
数の334倍)であるため、フィールド遅延しても回転
ベクトルは現信号ベクトルと同一になってしまう。その
結果、これらの信号をどのように加算しても回転ベクト
ル成分を相殺することができない。つまり、現行オフセ
ット周波数のままでは、フレーム相関を利用することが
できない。このため、オフセット周波数を7.5Hz
(垂直周波数(fv)の1/8)だけシフトさせる。こ
のオフセット周波数の場合、図10(a)に示すよう
に、1フレーム遅延信号および1フレーム進相信号の回
転ベクトルvr2、vr3は現信号の回転ベクトルvr
1と逆相関係となり、これらを一定の加算係数で重み付
け加算することにより回転ベクトルの相殺が可能にな
る。
【0091】すなわち、オフセット周波数を7.5Hz
だけシフトさせた場合には、1フィールド期間の単位遅
延素子を構成要素とする5タップのトランスバーサルフ
ィルタまたは1フレーム期間の単位遅延素子を構成要素
とする3タップまたは5タップのトランスバーサルフィ
ルタを用いれば、1水平走査期間の単位遅延素子を構成
要素とするトランスバーサルフィルタを用いた場合と同
様に映像ビート成分を生成することができる。同様に、
オフセット周波数を15Hzだけシフトさせた場合に
は、1フィールド遅延信号および1フィールド進相信号
の回転ベクトルは現信号の回転ベクトルと逆相関係にな
るため、1フィールド期間の単位遅延素子を構成要素と
する3タップまたは5タップのトランスバーサルフィル
タを用いれば、映像ビート成分を生成することができ
る。ただし、いずれの場合も既存設備の設定変更が必要
である。
【0092】この実施の形態では以下の効果を奏す。放
送波受信チューナ1では、受信した放送波映像信号が直
交検波部3によって直交検波され、同相成分と直交成分
とに分離される。一方の同相成分は同相成分A/D変換
部5によってアナログデジタル変換され、同相成分遅延
部7で遅延され、高周波成分抽出遅延部9によって高周
波成分が取り出され、遅延される。また、低周波成分抽
出遅延部11によって低周波成分が取り出され、遅延さ
れる。他方の直交成分は直交成分A/D変換部13によ
ってアナログデジタル変換され、低周波直交成分抽出部
15によって、直交成分の低周波成分が取り出される。
そして、ビート成分生成部17Aによって直交成分の低
周波成分から妨害波映像信号の瞬時位相の変化に追随し
た映像ビート成分が生成され、映像信号出力部19によ
って、同相成分の低周波成分から映像ビート成分が減算
され、さらに同相成分の高周波成分と加算されデジタル
映像信号として出力される。このため、妨害波映像信号
の瞬時位相が変化した場合でも映像ビート成分が除去さ
れた希望波映像信号が得られ、放送波受信チューナ1の
ユーザは放送局から放送される所望の放送番組を良好な
状態で視聴することができる。
【0093】また、ビート成分生成部17A、17B
(ビート成分生成回路)では、乗算器21aと乗算器2
1bと発振器21cとによって得られた第一直交成分検
波出力信号と第二直交成分検波出力信号とに、加算係数
乗算器23で加算係数が乗算されつつ、1水平走査期間
の単位遅延素子25で順次遅延され、他の加算係数が乗
算され集計される。そして、これらの検出結果に基づい
て加算集計器27a、27bと乗算器29a、29bと
減算器31とにより、妨害波映像信号の瞬時位相の変化
に対応した映像ビート成分を出力することができる。
【0094】さらに、オフセット周波数を現行周波数か
ら若干ずらすことを前提とした場合、トランスバーサル
フィルタを構成する単位遅延素子を1水平走査期間の遅
延素子から1フィールド期間または1フレーム期間の遅
延素子に置き換えることにより、フレーム相関を利用し
た映像ビート成分の生成が可能となる。例えば、オフセ
ット周波数を7.5Hz(垂直周波数(fv)の1/
8)だけシフトさせれば、1フレーム遅延信号および1
フレーム進相信号を用いた瞬時位相検出が可能となり、
特に静止画において完全なビートキャンセル動作を行わ
せることができる。
【0095】3個ずつの加算係数乗算器23が備えられ
た場合(ビート成分生成部17Bの場合)、乗算結果と
して加算される値(サンプル値)は3個とされ、回路を
より簡略に構成することができる。5個ずつの加算係数
乗算器23が備えられた場合(ビート成分生成部17A
の場合)、乗算結果として加算される値(サンプル値)
は5個とされ、加算係数に自由度を持たすことができ
る。なお、このサンプル値の増加に伴い、加算係数の自
由度も増加する。
【0096】さらに、不要な放送波が複数存在する場合
は、それぞれのオフセット周波数が同一とならないよ
う、各放送局のオフセット周波数をシフトさせておけ
ば、本発明の一実施の形態であるビート成分生成部17
A、17B、17C(ビート成分生成回路)を不要な放
送波に対応して複数用意することにより、別々に映像ビ
ート成分を生成することが可能になり、それらを線形演
算することによって、ビートキャンセル動作を実行する
ことができる。
【0097】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。ビー
ト成分生成部17A、17B、放送波受信チューナ1の
各構成の処理を各過程(ステップ)とみなしたビート成
分生成方法、放送波受信方法と捉えることも可能であ
る。この場合、ビート成分生成部17A、17B、放送
波受信チューナ1のそれぞれの効果と同様の効果が得ら
れる。また、前記したように、トランスバーサルフィル
タを偶数タップで構成しても図8、図9、図10(b)
と同等の周波数特性を得ることができるため、本発明の
トランスバーサルフィルタは、この実施の形態で詳細に
説明した奇数タップのトランスバーサルフィルタに限定
されるものではない。
【0098】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第一直交
成分検波出力手段と第二直交成分検波出力手段とによっ
て得られた第一直交成分検波出力信号と第二直交成分検
波出力信号とに、第一瞬時位相検出手段および第二瞬時
位相検出手段でトランスバーサルフィルタによる信号処
理がそれぞれ施されて妨害波映像信号の垂直相関を利用
した瞬時位相検出が行われ、さらに、これらの検出結果
に基づいてビート成分出力手段で映像ビート成分が出力
される。このため、この映像ビート成分を同相成分の映
像信号から減算すれば、妨害波映像信号の瞬時位相が変
化した場合でも映像ビート成分が除去された、つまり妨
害映像のない良好な希望波映像信号を得ることができ
る。
【0099】請求項2記載の発明によれば、オフセット
キャリア方式におけるオフセット周波数を現行の10.
01kHzから例えば、7.5Hz(垂直周波数
(fv)の1/8)だけシフトした場合に、妨害波映像
信号のフレーム相関を利用した瞬時位相検出が可能とな
り、特に静止画において完全なビートキャンセル動作を
行わせることができる。
【0100】請求項3記載の発明によれば、3タップの
トランスバーサルフィルタとした場合には回路規模を小
さくすることができ、5タップのトランスバーサルフィ
ルタとした場合には瞬時位相を検出するための拘束条件
によって制限を受ける各タップ出力に乗算される各加算
係数に設定の自由度を持たせることができる。
【0101】請求項4記載の発明によれば、直交検波手
段によって分離された同相成分は、高周波成分抽出遅延
手段によって高周波成分が取り出され、低周波成分抽出
遅延手段によって低周波成分が取り出され、遅延され
る。他方の直交成分は直交成分低周波抽出手段によっ
て、直交成分の低周波成分が取り出される。そして、ビ
ート成分生成回路によって直交成分の低周波成分から映
像ビート成分が生成され、映像信号出力手段によって、
同相成分の低周波成分から映像ビート成分が減算され、
さらに同相成分の高周波成分と加算され出力される。こ
のため、放送局の放送区域内外における混信妨害を防ぐ
ことができ、特に妨害波映像信号がゴースト波成分を伴
っている場合に直接妨害波とゴースト妨害波との合成波
である妨害波映像信号の瞬時位相が混信妨害を与える映
像信号の振幅変動に伴い変化するオフセットビート(映
像ビート成分)を除去することができ、放送波受信チュ
ーナのユーザは放送局から放送される所望の放送番組を
良好な状態で視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態である放送波受信チ
ューナのブロック図である。
【図2】ビート成分生成部の他の構成を示すのブロック
図である。
【図3】図2に示したビート成分生成部によるサンプル
加算処理を説明するベクトル図である。
【図4】図1および図2に示したビート成分生成部の周
波数特性を説明した図である。
【図5】図1に示したビート成分生成部を偶数タップの
トランスバーサルフィルタにより構成した場合の放送波
受信チューナのブロック図である。
【図6】図1に示した放送波受信チューナの動作を説明
したフローチャートである。
【図7】図1に示したビート成分生成部の動作を説明し
たフローチャートである。
【図8】図2に示したビート成分生成部によるサンプル
加算処理の周波数特性を説明した図である。
【図9】図2に示したビート成分生成部によるサンプル
加算処理の周波数特性およびオフセット周波数をシフト
した場合の周波数特性を説明した図である。
【図10】(a) オフセット周波数を現行周波数から
7.5Hzシフトさせた上で、ビート成分生成部の5タ
ップのトランスバーサルフィルタを1フィールド期間の
単位遅延素子により構成した場合のベクトル図である。 (b) オフセット周波数を現行周波数から7.5Hz
シフトさせた上で、ビート成分生成部の5タップのトラ
ンスバーサルフィルタを1フィールド期間の単位遅延素
子により構成した場合の周波数特性を説明した図であ
る。
【符号の説明】
1、1A 放送波受信チューナ 3 直交検波部(直交検波手段) 5 同相成分A/D変換部(同相成分A/D変換手段) 7 同相成分遅延部 9 高周波成分抽出遅延部(高周波成分抽出遅延手段) 11 低周波成分抽出遅延部(低周波成分抽出遅延手
段) 13 直交成分A/D変換部(直交成分A/D変換手
段) 15 低周波直交成分抽出部(低周波直交成分抽出手
段) 17A、17B、17C ビート成分生成部(ビート成
分生成回路) 19 映像信号出力部 21a、21b 乗算器(第一および第二直交成分検波
出力手段) 21c 発振器(第一および第二直交成分検波出力手
段) 23 加算係数乗算器(第一および第二瞬時位相検出手
段) 25 1水平走査期間の単位遅延素子 27a、27b 加算集計器(第一および第二瞬時位相
検出手段) 29a、29b 乗算器(ビート成分出力手段) 31 減算器(ビート成分出力手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 範夫 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 中 尚 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 中村 孝 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 黒田 徹 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 今村 雅彦 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 Fターム(参考) 5C021 PA36 PA42 PA66 PA67 PA79 PA85 SA22 SA23 SA24 XB13 YA03 5K052 BB03 DD04 EE17 FF02 FF32 GG19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信する放送波映像信号に含まれ、当該
    放送波映像信号に妨害放送波映像信号が干渉して生じる
    映像ビート成分を生成するビート成分生成回路であっ
    て、 前記放送波映像信号を直交検波して得られた直交成分
    に、発振器によって発生させたオフセット周波数と同一
    周波数のsin波を乗算し、第一直交成分検波出力信号
    を得る第一直交成分検波出力手段と、 前記直交成分に、前記sin波の位相をπ/2だけシフ
    トしたオフセット周波数と同一周波数のcos波を乗算
    し、第二直交成分検波出力信号を得る第二直交成分検波
    出力手段と、 前記第一直交成分検波出力手段で得られた第一直交成分
    検波出力信号が入力される第一のトランスバーサルフィ
    ルタであって1水平走査期間の単位遅延素子を複数備え
    各タップ出力の荷重和を得るように構成されたトランス
    バーサルフィルタからなる第一瞬時位相検出手段と、 前記第二直交成分検波出力手段で得られた第二直交成分
    検波出力信号が入力される第二のトランスバーサルフィ
    ルタであって1水平走査期間の単位遅延素子を複数備え
    各タップ出力の荷重和を得るように構成されたトランス
    バーサルフィルタからなる第二瞬時位相検出手段と、 前記第一瞬時位相検出手段による第一検出結果に前記c
    os波を乗算した演算出力から前記第二瞬時位相検出手
    段による第二検出結果に前記sin波を乗算した演算出
    力を減算、または、前記第二検出結果に前記sin波を
    乗算した演算出力から前記第一検出結果に前記cos波
    を乗算した演算出力を減算して映像ビート成分として出
    力するビート成分出力手段と、を備えることを特徴とす
    るビート成分生成回路。
  2. 【請求項2】 前記第一瞬時位相検出手段および前記第
    二瞬時位相検出手段をそれぞれ構成する第一および第二
    のトランスバーサルフィルタの単位遅延素子を1水平走
    査期間の遅延素子から1フィールド期間または1フレー
    ム期間の遅延素子に置き換えたことを特徴とする請求項
    1に記載のビート成分生成回路。
  3. 【請求項3】 前記第一瞬時位相検出手段および前記第
    二瞬時位相検出手段をそれぞれ構成する第一および第二
    のトランスバーサルフィルタのタップ数が3タップまた
    は5タップであることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のビート成分生成回路。
  4. 【請求項4】 放送波映像信号を受信し、この放送波映
    像信号に含まれている、当該放送波映像信号に妨害放送
    波映像信号が干渉して生じる映像ビート成分を除去して
    出力する放送波受信チューナであって、 前記放送波映像信号を受信し、受信した信号を直交検波
    し、同相成分と直交成分とに分離する直交検波手段と、 この直交検波手段によって直交検波された同相成分をア
    ナログデジタル変換する同相成分A/D変換手段と、 この同相成分A/D変換手段によってアナログデジタル
    変換された映像信号の高周波成分を取り出して、遅延調
    整する高周波成分抽出遅延手段と、 前記同相成分A/D変換手段によってアナログデジタル
    変換された映像信号の低周波成分を取り出して、遅延調
    整する低周波成分抽出遅延手段と、 前記直交検波手段によって直交検波された直交成分をア
    ナログデジタル変換する直交成分A/D変換手段と、 この直交成分A/D変換手段によってアナログデジタル
    変換された映像信号の低周波成分を取り出す低周波直交
    成分抽出手段と、 この低周波直交成分抽出手段によって取り出された直交
    成分に含まれている放送波映像信号に妨害放送波映像信
    号が干渉して生じる映像ビート成分を生成する請求項1
    から請求項3のいずれか1項に記載したビート成分生成
    回路と、 前記低周波成分抽出遅延手段によって抽出された映像信
    号の低周波成分から前記ビート成分生成回路によって生
    成されたビート成分を減算し、前記高周波成分抽出遅延
    手段によって抽出された映像信号の高周波成分と加算し
    てデジタル映像出力信号として出力する映像信号出力手
    段と、を備えたことを特徴とする放送波受信チューナ。
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