JP2003257908A - ウエーハ保持盤の作製方法及びウエーハの研磨方法 - Google Patents

ウエーハ保持盤の作製方法及びウエーハの研磨方法

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JP2003257908A JP2002054532A JP2002054532A JP2003257908A JP 2003257908 A JP2003257908 A JP 2003257908A JP 2002054532 A JP2002054532 A JP 2002054532A JP 2002054532 A JP2002054532 A JP 2002054532A JP 2003257908 A JP2003257908 A JP 2003257908A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ウエーハ保持盤のウエーハ保持面の吸着孔付近
の形状がウエーハに転写するのを防ぐとともにナノトポ
グラフィーレベルの凹凸の悪化を防止し、歩留り向上を
図ることができ、簡便にウエーハ保持面を作製すること
ができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法及び研磨
方法を提供する。 【解決手段】ウエーハを研磨する際に真空吸着保持でき
るようにしたウエーハ保持盤30の作製方法であって、
多数の吸着孔本体32aを有するウエーハ保持盤本体3
0aのウエーハ保持面本体34aを樹脂膜30bで被覆
して,該樹脂膜表面をウエーハ保持面34bとするとと
もに該吸着孔本体に連通する吸着孔部32bを該樹脂膜
に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体3
0Aを作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔
に充填材36を充填した状態で該樹脂膜の研磨加工を行
って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ
保持面の調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエーハ等
のウエーハの表面を精密研磨する際に使用する研磨装置
に使用されるウエーハ保持盤の作製方法ならびにそのウ
エーハ保持盤を備えた研磨装置を用いるウエーハの研磨
方法に関する。
【0002】
【関連技術】従来、研磨加工においては、剛性材料であ
るガラス、金属、セラミックス等の板をウエーハ保持盤
とし、その表面にワックス等の接着剤でウエーハを貼り
付けたり、通気性のある多孔質材料や表面に多数の吸着
孔を設けたウエーハ保持盤表面に真空吸着等でウエーハ
を保持する方法が行われている。
【0003】しかし、金属やセラミックス等のウエーハ
保持盤の表面に直接ウエーハを保持すると、ウエーハ裏
面に傷や汚れが発生してしまう。このようなウエーハへ
の汚染を防止するため、ウエーハ保持盤表面に数十μm
の極薄のテフロン(登録商標)、ナイロン等として知ら
れている材料や塩化ビニール等の樹脂膜を被覆したもの
や、薄いアクリル樹脂板(樹脂板)を接着剤で貼り付け
たもの、また熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等を塗布
し、それを硬化させ被覆した樹脂膜をウエーハ保持盤表
面に形成したウエーハ保持盤が提案されている。
【0004】また、ウエーハを研磨する場合、ウエーハ
保持盤の表面の平坦度を高平坦度に仕上げても、研磨布
のクリープ変形等で研磨布表面が徐々に変化するため、
加工後のウエーハが平坦になるとは限らない問題があ
る。これについては、上記ウエーハ保持盤に樹脂膜を形
成したウエーハ保持盤の樹脂表面を、予めウエーハを研
磨する研磨装置(具体的には研磨布)で研磨することで
研磨布のクリープ変形に倣ったウエーハ保持盤表面を作
り込むこと等、ウエーハ保持盤の表面の調整が行われる
(以下この加工を面出し加工ということがある)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ウエーハ
保持面に樹脂膜を被覆したウエーハ保持盤を予めウエー
ハを研磨する研磨装置(具体的には研磨布)で研磨し研
磨布の形状に合わせこみ、この形状を有するウエーハ保
持盤にウエーハを保持し研磨するとうねりや全体的な平
坦度は著しく向上するものの、ナノトポグラフィーレベ
ルの凹凸の悪化が見られることがあった。
【0006】ナノトポグラフィー(ナノトポロジーとも
言われる)は、波長が0.1mmから20mm程度で振
幅が数nmから100nm程度の凹凸のことであり、そ
の評価法としては1辺が0.1mmから10mm程度の
正方形、または直径が0.1mmから10mm程度の円
形のブロック範囲(この範囲はWINDOW SIZE
等と呼ばれる)の領域で、ウエーハ表面の凹凸の高低差
(PV;peak to valley)を評価する。
このPV値はNanotopographyHeigh
t等とも呼ばれる。ナノトポグラフィーとしては、特に
評価したウエーハ面内に存在する凹凸の最大値が小さい
ことが望まれている。通常2mmの正方形で複数のブロ
ック範囲を評価しそのPV値の最大値で評価する。この
値が小さければ小さいほど良品である。
【0007】このナノトポグラフィーレベルの凹凸は、
例えばデバイス工程で行われているCMP(Chemi
cal Mechanical Polishing)
で問題となることがある。例えば素子間に深さ1ミクロ
ン弱の溝を形成し、その溝に酸化膜を充填させ、CMP
法にて余分な酸化膜を研磨し素子分離を行いつつ素子領
域を平坦化する工程において、溝形成前のウエーハのナ
ノトポグラフィーレベルが悪いと(ウエーハ表面に大き
な凹凸が存在すると)、ウエーハ表面の凸部では研磨加
工が終了し素子分離されたとしても、凹部では未だ酸化
膜が残り、素子分離構造がうまく形成されないという研
磨不良の問題を生じる。
【0008】ナノトポグラフィーレベルの悪化は、ウエ
ーハ保持盤のウエーハ保持面を作製している間に、吸着
孔付近の形状が悪化し、この状態でウエーハをこのウエ
ーハ保持面に保持して研磨すると、その吸着孔付近の形
状がウエーハに転写しナノトポグラフィーレベルの凹凸
の悪化が見られるようになると考えられる。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、ウエーハ保持盤のウエーハ保持面の吸着孔付近の
形状がウエーハに転写するのを防ぐとともにナノトポグ
ラフィーレベルの凹凸の悪化を防止し、デバイス工程で
のCMPにおける研磨不良等の問題を改善し、高集積デ
バイスの歩留り向上を図ることができ、その上簡便にウ
エーハ保持面を作製することができるようにしたウエー
ハ保持盤の作製方法及びこのウエーハ保持盤を備えた研
磨装置を用いるウエーハの研磨方法を提供することを主
たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様
は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ
保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエ
ーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有
するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜
で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするととも
に該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿し
て多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する
工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填
した状態で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持
面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う
工程と、からなることを特徴とする。
【0011】このように充填材によって吸着孔を充填し
た状態でウエーハ保持盤のウエーハ保持面の面出し加工
を行うことにより、面出し加工時に吸着孔部分の広がり
が少なくなり、ナノトポグラフィーの悪化が防止でき
る。
【0012】シリコンウエーハの研磨工程ではケミカル
な作用及びメカニカルな作用の組合せにより加工を行う
が、面出し加工では、アルカリ溶液にエッチングされに
くい樹脂膜を、アルカリ性の研磨剤を用い面出し加工し
ているので、メカニカルな作用が主に影響すると考えら
れ上記したように吸着孔を充填材によって充填した後に
面出し加工(特に研磨加工)を行うことが好ましい。
【0013】特にその充填材が前記樹脂膜と同等の性質
を持つ材料であるのが好ましい。つまり、充填材として
はアルカリ溶液にエッチングされにくく、また吸着孔に
充填しやすい材質を選定する。
【0014】また、本発明のウエーハ保持盤の作製方法
の第2の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエー
ハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよ
うにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸
着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面
本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面
とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹
脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基
体を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力
より低い圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ
保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を
行う工程と、からなることを特徴とする。
【0015】ウエーハ保持面の研磨圧力は通常、ウエー
ハの研磨圧力と同じにすることが好ましいと考えられる
が、本発明ではウエーハ保持面の研磨圧力をウエーハの
研磨圧力より低く設定して研磨を行う。このように、ウ
エーハ保持面を研磨する時にウエーハを研磨する時の圧
力より低く設定して加工することにより、ウエーハを研
磨するときに影響する程の吸着孔の悪化は見られずナノ
トポグラフィーが良くなる。ウエーハ保持面を研磨する
時の研磨圧力を、ウエーハを研磨する時の研磨圧力の9
0%〜10%程度の圧力で処理することが好ましい。
【0016】特に、吸着孔に充填材を充填しない本発明
のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様においては、
ウエーハ保持面の研磨(面出し研磨)の時の研磨圧力そ
のものを300g/cm2以下、好ましくは200g/
cm2以下とすることが良い。
【0017】ウエーハを研磨する圧力が低い場合、例え
ば200g/cm2程度であれば、ウエーハ保持面を研
磨する時の研磨圧力もウエーハを研磨する時の圧力より
若干低く設定すればよい。一方、ウエーハの研磨圧が高
い場合、ウエーハを研磨する時の圧力とほぼ同等にする
と、面出し研磨時の圧力が大きくなり機械的作用が働き
すぎ吸着孔付近を過剰に削ってしまう可能性がある。何
故ならば、この削られたものがウエーハ研磨時に影響す
る程度の吸着孔の悪化につながるためである。従って、
例えば400g/cm2程度の圧力でウエーハを研磨す
る場合等は、面出し研磨は300g/cm2以下程度に
するのが好ましい。
【0018】更に、本発明のウエーハ保持盤の作製方法
の第3の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエー
ハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよ
うにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸
着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面
本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面
とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹
脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基
体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に
充填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨す
る時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行っ
て該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保
持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とする。
【0019】つまり、充填材及びウエーハ保持面を研磨
する時にウエーハを研磨する時の圧力以下にして加工す
ることにより、吸着孔部分の広がりが少なくなり、また
ウエーハ保持面を処理する条件と、ウエーハを処理する
条件の関係が良好となり、ナノトポグラフィーが良くな
る。この場合、ウエーハを研磨する研磨圧力が高い場合
(例えば400g/cm2程度)でも、面出し研磨の研
磨圧力を高くする(ウエーハの研磨圧力と同じ400g
/cm2程度及びそれ以下)にすることができる。
【0020】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4
の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウ
エーハ保持面に真空吸着保持することができるようにし
たウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本
体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を
樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とする
とともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に
開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作
成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の
圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の
面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程
と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工す
るにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて研磨
加工することを特徴とする。
【0021】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5
の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウ
エーハ保持面に真空吸着保持することができるようにし
たウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本
体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を
樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とする
とともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に
開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作
成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材
を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する時の
研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウ
エーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の
調整を行う工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂
膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段
階に変えて研磨加工することを特徴とする。
【0022】上記した本発明のウエーハ保持盤の作製方
法の第4及び第5の態様のように、ウエーハ保持盤基体
の吸着孔が充填材で充填されていてもいなくても、ウエ
ーハ保持面の樹脂膜を面出し加工するにあたり、研磨圧
力を少なくとも2段階に変えて研磨加工することによっ
てさらに良好な面状態を形成することができる。例え
ば、初段の研磨圧力はウエーハの研磨圧力と同等にし、
ウエーハ保持面全体の形状を作りこみ、2段目の研磨圧
力は特に限定するものではないが初段の約半分程度の研
磨圧力にし、吸着孔周辺の形状を作りこむようにする。
この時研磨圧力は連続的に変化させても、段階的に変化
させても良い。
【0023】このように、初めは、製品を研磨する時の
研磨条件と同様にして、ウエーハ保持面を研磨し、研磨
布に倣ったウエーハ保持盤とし、次に圧力をさげ、軽く
ウエーハ保持盤を研磨することで、吸着孔部分の広がり
が少なくなりナノトポグラフィーが良くなる。
【0024】また、本発明のウエーハ保持盤の作製方法
においては、ウエーハを研磨する研磨装置を用いて樹脂
膜の研磨加工を行うことによって前記ウエーハ保持面の
面出し加工を行うことが好ましい。このようにすれば、
研磨布の形状にあった正確な倣い研磨ができる。
【0025】さらに、本発明のウエーハ保持盤の作製方
法においては、ウエーハを研磨する研磨装置と同等の装
置を用い、外段取りであらかじめ樹脂膜の研磨加工を行
うことによって、前記ウエーハ保持面の面出し加工を行
うことができる。ここでいう外段取りとは、ウエーハを
研磨するための研磨装置とは別な研磨装置であらかじめ
ワーク保持盤の面出し研磨を実施しておくことである。
これはウエーハを研磨する装置と同様の仕様、例えばウ
エーハ保持面への影響が大きい研磨布の硬度などを揃え
て、実際のウエーハを研磨するための研磨装置と同じ状
態の保持面となるようにあらかじめ加工しておくことで
ある。このように外段取りでウエーハ保持盤を加工すれ
ば、ウエーハを研磨する装置の稼働率を向上することが
できる。
【0026】前記ウエーハ保持面の面出し加工は、遊離
砥粒を用いたラッピング加工を行い、次いで前記樹脂面
の研磨加工を行うことによって行うのが好適である。
【0027】ウエーハ保持盤の表面、即ち樹脂膜表面
は、先ずラッピング加工によって面修正し、次いで研磨
装置の定盤上で研磨加工修正することでより高精度なウ
エーハ保持盤のウエーハ保持面を形成することができ
る。このウエーハ保持盤を使用することによって平坦度
の高いウエーハ研磨加工が可能となる。
【0028】前記樹脂膜を構成する樹脂としては、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、及
びフェノール樹脂からなる群から選択される1種とする
ことができる。樹脂膜の材質を上記した樹脂類の中から
選択すれば、本発明のウエーハ保持盤の作製方法で要求
される膜物性である硬度、機械的強度、線膨張係数等を
満足することができるが、特にエポキシ樹脂が好まし
い。
【0029】前記ウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面
本体を被覆する樹脂膜の厚さとしては、0.1〜3mm
が好適である。このように、樹脂膜の厚さを3mm以下
にするとウエーハ保持盤本体の剛性を低下させることが
ないので、より高精度なウエーハ研磨加工を行うことが
でき、0.1mm以上にすると高い平坦度が得られる。
【0030】前記ウエーハ保持盤本体の吸着孔本体の孔
径は、吸着力等を考慮すると0.1mm〜0.3mm程
度にするのが好ましい。特にウエーハの口径が大きいほ
ど、吸着孔の広がりが大きくなる傾向がある。これは研
磨布の当たりが特に問題と考えられるからである。従っ
て、吸着孔は小さいほうが好ましいが、反対に吸着孔が
小さすぎると、ウエーハ保持力が低下し、研磨中にウエ
ーハが外れる虞れもある。他にも吸着孔が詰まりやすい
等の問題もあり、吸着孔の孔径は、特に0.15mm以
上0.25mm以下が好ましい。
【0031】前記ウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面
本体に熱硬化性樹脂膜を形成し、その後該樹脂膜に機械
的に吸着孔部を形成することによって、吸着孔部を有す
る樹脂膜を作成するのが好適である。
【0032】ウエーハ保持盤本体を被覆する樹脂膜の形
成方法は特に限定するものではないが、例えばウエーハ
保持盤本体のウエーハ保持面本体に熱硬化性樹脂を塗布
し、これを熱硬化させた皮膜で被覆し、かつ上述したよ
うな樹脂膜表面の研磨を行えば均一な樹脂膜が形成でき
る。その結果、樹脂膜の厚さムラ等がウエーハの表面へ
転写するといった問題がなくなり、樹脂膜によって高精
度に形成されたウエーハ保持面によって所望の高い平坦
度とうねりのない高精度なウエーハ研磨加工が可能とな
る。また、樹脂膜の吸着孔部を機械的に形成することに
より吸着孔部の大きさを揃えることができる。但し、ウ
エーハ保持盤本体を被覆する樹脂膜の形成方法はこれに
限定するものではない。
【0033】また、本発明のウエーハの研磨方法は、上
記したような方法で作製したウエーハ保持盤と研磨布を
備えた研磨装置を用い該ウエーハ保持盤のウエーハ保持
面にウエーハの裏面を真空吸着保持せしめ、次いで該ウ
エーハを該研磨布に接触させて該ウエーハの表面を研磨
することを特徴とする。
【0034】本発明のウエーハ研磨方法によれば、吸着
孔付近の形状の悪化が無いウエーハ保持盤を用い研磨す
ることができ、高平坦度でうねりのないウエーハの研磨
加工が可能となり、特にウエーハ研磨後のナノトポグラ
フィーレベルの凹凸の発生を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示される
もので本発明はこれらの実施の形態に限定されるもので
はないことはいうまでもない。
【0036】図1は本発明のウエーハ保持盤の作製方法
の第1の態様の工程順を模式的に示す説明図であり、図
2は同上の工程順を示すフローチャートである。最初
に、吸着孔を有するウエーハ保持盤基体30Aを作成す
る(図2のステップ100)。具体的には、まず、吸着
孔本体32aを有するウエーハ保持盤本体30aを準備
する〔図1(a)、図2のサブステップ100a〕。
【0037】ウエーハ保持盤本体30aの材質は特に限
定するものではないが、高剛性で研磨加工液等にも腐食
されにくい耐食性の高い材料が好ましい。また、ウエー
ハ保持盤本体30aが低熱膨張係数をもつ材料で形成さ
れていれば、研磨装置定盤上で後述するウエーハ保持盤
基体30Aのウエーハ保持面34bを研磨加工する場合
〔図1(e)〕とウエーハを研磨加工する場合のウエー
ハ保持盤本体30aの熱変形量の差を小さくできるの
で、後述する高精度なウエーハ保持盤30のウエーハ保
持面34b〔図1(g)〕の形状を維持することがで
き、高平坦度のウエーハ研磨加工が可能となる。このよ
うにウエーハ保持盤本体30aの材料の線熱膨張係数は
1×10-5/℃以下であることが望ましく、さらにウエ
ーハ保持盤本体30aの材質としては、例えば、炭化け
い素(SiC)の焼結体(セラミックス)であることが
好ましい。以下、ウエーハ保持盤本体30aの材質とし
て炭化けい素を用いた例を説明する。
【0038】上記ウエーハ保持盤本体30aには真空吸
着するための吸着孔本体32aが設けられているが、こ
の吸着孔本体32aの孔径は0.1〜0.3mm程度が
好ましい。
【0039】次に、上記したウエーハ保持盤本体30a
のウエーハ保持面本体34aに樹脂膜30bを被覆する
〔図1(b)、図2のサブステップ100b〕。本発明
で使用する樹脂膜30bは特に限定するものではない
が、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂から
なる群から選択される1種を用いることができる。上記
した樹脂の中でもエポキシ樹脂が、本発明のウエーハ保
持盤の作製方法で要求される熱硬化後の皮膜物性である
硬度、機械的強度、線膨張係数等の要求を充分に満足す
ることができる。以下、樹脂膜30bとしてエポキシ樹
脂を用いた例を説明する。
【0040】また、このような樹脂膜30bをウエーハ
保持盤本体30aに被覆する方法は、種々の方法が考え
られるが、以下の例では、ウエーハ保持盤本体30aの
表面に樹脂を塗布する場合を説明する。
【0041】先ず、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を攪
拌混合槽に仕込み、真空下充分脱泡して空気を除去す
る。樹脂塗布用治具の上にウエーハ保持盤本体30aを
ウエーハ保持面本体34aを上にして載置し、塗布量調
整板をセットした後、ウエーハ保持面本体34aの上に
熱硬化性樹脂を流し込む。
【0042】塗布量調整板の上にバーを滑らせて余分な
樹脂を掻き取り、厚さの均一な樹脂膜30bを形成す
る。ウエーハ保持盤本体30aのウエーハ保持面本体3
4aを被覆する樹脂膜30bの厚さは0.1〜3mmで
あることが望ましい。このように、樹脂膜30bの厚さ
を3mm以下にするとウエーハ保持盤本体30aの剛性
を低下させることがないので、より高精度なウエーハ研
磨加工を行うことができ、0.1mm以上にすると高い
平坦度が得られる。
【0043】上記した樹脂を塗布したウエーハ保持盤本
体30aを樹脂塗布用治具と共に電気加熱炉に設置し、
樹脂膜30bの全体を熱硬化させる。
【0044】次いで、該樹脂膜30bにおける上記ウエ
ーハ保持盤本体30aの吸着孔本体32aに対応する部
分を、ドリルを用い機械的に開穿し、吸着孔部32bを
形成する〔図1(c)、図2のサブステップ100
c〕。
【0045】上記した手順により、ウエーハ保持面本体
34aを樹脂膜30bで被覆し、ウエーハ保持面34b
を形成したウエーハ保持盤基体30Aが作成される(図
2のステップ100)。なお、上記樹脂膜30bの形成
は、一例であり他の方法により形成しても良い。
【0046】本発明のウエーハ保持盤の作製方法では、
このように形成されたウエーハ保持面34bを後述する
研磨装置の研磨布に倣わせる時の処理(面出し加工)に
特徴があるが、その処理の態様についてさらに説明す
る。
【0047】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1
の態様においては、図1(d)に示すように上記樹脂膜
30bが形成されたウエーハ保持盤基体30Aの吸着孔
32に充填材36を充填して、ウエーハ保持面34bの
処理(面出し加工)を行う(図2のステップ102)点
に特徴がある。
【0048】つまり、上述したようにウエーハ保持盤基
体30Aを作成した後、吸着孔32に充填材36を充填
する〔図1(d)、図2のサブステップ102a〕。充
填材36の材質は特に限定するものではないが、樹脂膜
30bと同等の性質を持つ材料が好ましい。樹脂膜30
bがエポキシ樹脂の場合、針状に成形したエポキシ樹脂
や熱硬化させる前のエポキシ樹脂を吸着孔32に詰め、
自然乾燥させる等して吸着孔32に充填材36を挿入
し、吸着孔32を塞いだ状態でウエーハ保持面34bの
面出し加工を行う〔図1(e)、図2のサブステップ1
02c〕。
【0049】面出し加工は、ウエーハを研磨する研磨装
置又はウエーハを研磨する装置と同等の装置を用い外段
取りで加工を行い最終的にウエーハ保持面34bの研磨
加工をすればよいが、はじめに樹脂膜30bで被覆した
ウエーハ保持盤本体30aをラッピングマシンにセット
し、定盤を回転させながらノズルからラップ液を滴下し
て樹脂膜30bの表面を研削し面修正を行う工程を入れ
ても良い(図2のサブステップ102b)。またその後
洗浄工程を入れても良い。
【0050】ラッピング条件としては、特に限定するも
のではないが、片面ラップ装置を用い、ラッピング装置
のウエーハ保持盤部分に、上記樹脂膜を形成したウエー
ハ保持盤をセットし、その保持面をラッピングする。
【0051】このようにラッピング修正を終わったウエ
ーハ保持盤本体を、例えば、ウエーハを研磨する研磨装
置にセットし、定盤を回転させながらノズルから研磨剤
を滴下して樹脂膜の表面を研磨し面修正を行う。この
時、ウエーハを研磨する装置と同等の装置を用い外段取
りで加工しても良い。
【0052】この時用いるウエーハ研磨装置は特に限定
するものではないが、例えば、図9に示すような装置を
用いることができる。図9は本発明のウエーハの研磨方
法で用いるウエーハ研磨装置の一例を示す概略説明図で
ある。
【0053】図9において、研磨装置10は、回転する
定盤(回転テーブル)12と研磨ヘッド14に装着した
ウエーハ保持盤30と研磨剤供給管16から成ってい
る。
【0054】定盤12の上面には研磨布12aが貼付し
てある。定盤12は回転軸18により所定の回転速度で
回転される。該研磨布12a上に研磨剤供給管16から
研磨剤16aが供給される。
【0055】そして、ウエーハ保持盤30は、図11に
示すようにウエーハ保持面34bに穿設された多数の吸
着孔32を介して真空吸着等によりそのウエーハ保持面
34bにウエーハWを保持し研磨することができるよう
になっている。
【0056】なお、研磨ヘッド14は裏板20及び外カ
バー22を有しており、裏板20とウエーハ保持盤30
とによって真空部24が形成されている。26は該真空
部24を密封するように裏板20及び外カバー22の下
端部に設けられた弾性シート(ゴムシート)である。該
真空部24には吸引路28が挿通されている。裏板20
と外カバー22とによって加圧部31が形成され、該加
圧部31には加圧空気供給路33が挿通されている。
【0057】本発明のウエーハ保持盤の作製方法(特に
面出し加工)では、図10に示すように、図9に示した
研磨装置10でウエーハWを保持しない状態で予めウエ
ーハ保持盤基体30Aのウエーハ保持面34bを加工す
る。なお、図10において図9と同一部材は同一符号で
示されている。
【0058】ウエーハ保持盤基体30Aを、回転軸14
aをもつ研磨ヘッド14に装着し、研磨ヘッド14によ
り回転させると同時に所定の荷重で研磨布12aにウエ
ーハ保持盤基体30Aを押し付ける。研磨剤供給管16
から所定の流量(ウエーハを研磨する時と同条件が好ま
しい)で研磨布12a上に研磨剤16aを供給し、この
研磨剤16aがウエーハ保持盤30のウエーハ保持面3
4bと研磨布12aの間に供給されることによりウエー
ハ保持面34bを形成する樹脂膜30bが研磨される。
【0059】このような研磨後、ウエーハ保持面34b
を充分洗浄してウエーハ保持盤30を完成させ、吸着孔
32から充填材36を取り除く〔図1(f)、図2のサ
ブステップ102d〕。充填材36は、例えば、ウエー
ハ保持盤30の裏側からエアブローしたり、水ブローし
たりすることにより除去できる。
【0060】以上のように、ウエーハ保持盤30の樹脂
膜30bの表面、即ちウエーハ保持面34bを、吸着孔
32に充填材36を充填した状態で、先ずラッピング加
工によって面修正し(図2のステップ102b)、次い
で研磨装置の定盤上で研磨加工修正すること(図2のス
テップ102c)で、より高精度な保持盤本体の保持面
形状を形成することができる〔図1(g)、図2のステ
ップ104〕。この研磨用ウエーハ保持盤30を使用す
ることによって平坦度の高いウエーハ研磨加工が可能と
なる。
【0061】上記した本発明のウエーハ保持盤の作製方
法の第1の態様においては、ウエーハ保持面34bの面
出し加工時の研磨圧力について特別の限定はなく、樹脂
膜30bの研磨量等により若干の研磨条件を工夫する必
要があるが、通常はウエーハを研磨する時の研磨圧力
(研磨条件)と同等の研磨圧力(研磨条件)を適用すれ
ばよい。
【0062】続いて、本発明のウエーハ保持盤の作製方
法の第2の態様について述べる。図3は本発明のウエー
ハ保持盤の作製方法の第2の態様の工程順を模式的に示
す説明図であり、図4は同上の工程順を示すフローチャ
ートである。本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2
の態様は、上述した第1の態様とはウエーハ保持面34
bの面出し加工の手法が異なる(図4のステップ102
A)が、ウエーハ保持盤基体30Aの作成手順(図4の
ステップ100)は同一であるので、相違する手順につ
いてのみ説明し、同一手順についての再度の説明は省略
する。
【0063】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2
の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工に
おいて、充填材36を吸着孔32に充填することなく、
換言すれば吸着孔32を開口したままの状態でウエーハ
保持面34bの面出し加工(研磨)を行い、その面出し
研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力よ
り低くする点にある〔図3(e1)、図4のサブステッ
プ102c1〕。
【0064】具体的に言えば、ウエーハを研磨する時の
研磨圧力が、例えば、400g/cm2(40kPa)
であれば、面出し加工時の研磨圧力は400g/cm2
より低くし、また前者が200g/cm2(20kP
a)であれば、後者は200g/cm2より低くすれば
よい。
【0065】上記面出し加工(研磨)時の研磨圧力をウ
エーハの研磨加工時の研磨圧力の90%〜10%で実施
すると良く、300g/cm2以下にすることが好まし
い。このような研磨圧力範囲で面出し研磨を行えば、研
磨効率が良く、吸着孔32付近の形状の悪化が防止で
き、ウエーハ保持面34bの面状態も良好となる。
【0066】さらに、本発明のウエーハ保持盤の作製方
法の第3の態様について述べる。図5は本発明のウエー
ハ保持盤の作製方法の第3の態様の工程順を示すフロー
チャートである。本発明のウエーハ保持盤の作製方法の
第3の態様は、前述した第1の態様とはウエーハ保持面
34bの面出し加工における研磨圧力が限定されている
点で異なる(図5のステップ102B)のみであり、そ
の相違点についてのみ説明し、同一手順についての説明
は省略する。
【0067】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3
の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工に
おいて、第1の態様と同様に、充填材36を吸着孔32
に充填して面出し加工(研磨)を行うが、その面出し研
磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力以下
に限定した点にある(図5のサブステップ102c
2)。
【0068】具体的に言えば、ウエーハを研磨する時の
研磨圧力が、例えば、400g/cm2(40kPa)
であれば、面出し加工時の研磨圧力は400g/cm2
以下とし、また前者が200g/cm2(20kPa)
であれば、後者は200g/cm2以下とすればよい。
【0069】次いで、本発明のウエーハ保持盤の作製方
法の第4及び第5の態様について述べる。図6は本発明
のウエーハ保持盤の作製方法の第4の態様の工程順を示
すフローチャートである。本発明のウエーハ保持盤の作
製方法の第4の態様は、前述した第2の態様とはウエー
ハ保持面34bの面出し加工における研磨圧力を複数段
階に変化させる点で異なる(図6のステップ102C)
のみであり、その相違点についてのみ説明する。
【0070】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4
の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工に
おいて、第2の態様と同様に、充填材36を吸着孔32
に充填することなく、吸着孔32を開口したままでウエ
ーハ保持面34bの面出し加工(研磨)を行うが、その
面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨
圧力以下とするとともに少なくとも2段階に変えて研磨
加工を行う点にある(図6のサブステップ102c
3)。
【0071】図7は本発明のウエーハ保持盤の作製方法
の第5の態様の工程順を示すフローチャートである。本
発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の態様は、前述
した第3の態様とはウエーハ保持面34bの面出し加工
における研磨圧力を複数段階に変化させる点で異なる
(図7のステップ102D)のみであり、その相違点に
ついてのみ説明する。
【0072】本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5
の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工に
おいて、第3の態様と同様に、充填材36を吸着孔32
に充填して面出し加工(研磨)を行うが、その面出し研
磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力以下
とするとともに少なくとも2段階に変えて研磨加工を行
う点にある(図7のサブステップ102c4)。
【0073】上述した第4及び第5の態様に示すよう
に、研磨圧力を2段階以上に変化させて処理することに
よって、ウエーハ保持面をさらに良好な面状態とするこ
とができる。例えば、ウエーハを研磨する時の研磨圧力
が400g/cm2(40kPa)であれば、面出し加
工時の研磨圧力ははじめに400g/cm2とウエーハ
を研磨する時と同じ研磨圧力で吸着面全体の形状を作り
こみ、次に、例えば200g/cm2程度(約半分)の
研磨圧力に変え、吸着孔付近の形状の作りこみを行うよ
うに面出し研磨を行えば良い。このように、研磨圧力を
2段階以上に変化させる場合、最終的に面出し研磨の研
磨圧力をウエーハの研磨圧力より低くすることが必要で
ある。
【0074】上記した第1〜第5の態様において説明し
たように、ウエーハ保持面の樹脂膜を研磨処理すること
によって、研磨布に倣わせたウエーハ保持盤を作製する
ことができる。
【0075】引き続いて、本発明のウエーハの研磨方法
について説明する。図8は本発明のウエーハの研磨方法
の工程順を示すフローチャートである。まず、上述した
本発明のウエーハの保持盤の作製方法によって作製した
ウエーハ保持盤を準備する(ステップ200)。次い
で、そのウエーハ保持盤を研磨装置にセットし(ステッ
プ202)、ウエーハを研磨する(ステップ204)。
この研磨装置としては、前述したウエーハ保持盤の樹脂
膜を研磨する際に用いられる研磨装置または同等の装置
が適用可能である。
【0076】つまり、本発明のウエーハの研磨方法で用
いる研磨装置は、前述した図9に示したような装置を用
いる。ウエーハの研磨では、回転軸14aをもつ研磨ヘ
ッド14に装着されたウエーハ保持盤30のウエーハ保
持面34bにウエーハWを真空吸着等により保持する。
このウエーハWは、研磨ヘッド14により回転させられ
ると同時に所定の荷重で研磨布12aに押し付けられ
る。研磨剤16aの供給は研磨剤供給管16から所定の
流量で研磨布12a上に供給し、この研磨剤16aがウ
エーハWと研磨布12aの間に供給されることによりウ
エーハWが研磨される。
【0077】本発明のウエーハ保持盤の作製方法によっ
て作製した本発明のウエーハ保持盤30には裏板20が
セットされ、吸着孔32はウエーハ保持盤本体30aと
裏板20の間にある真空部24を経て吸引路28から不
図示の真空装置につながり、真空の発生によってウエー
ハ保持面34bにウエーハWを吸着保持するようになっ
ている。
【0078】研磨ヘッド14は、その外カバー22の内
部に加圧部31を設け、弾性シート(ゴムシート)26
を介してウエーハ保持盤30を気密に保持している。加
圧部31は加圧空気供給路33を経て空気圧縮機(不図
示)につながっている。そしてウエーハWをウエーハ保
持面34b上の樹脂膜30bの表面に真空吸着保持して
いるウエーハ保持盤30に回転あるいは揺動を与えると
同時にウエーハ保持盤30の背面を空気により加圧し
て、ウエーハ保持盤30に吸着保持されたウエーハWを
研磨布12aに押し付けてウエーハWの研磨を行う。
【0079】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】なお、以下の実施例及び比較例で用いる研
磨装置は図9に示す形態のもので、特にウエーハ保持盤
本体は、厚さ30mmの炭化けい素(SiC)盤(熱膨
張係数4×10-6/℃)を用い、これに樹脂膜を被覆
し、ウエーハ保持盤基体を作成した。樹脂膜は熱硬化性
エポキシ樹脂を用い、上記実施の形態で説明した方法で
作製した。作製した樹脂膜の厚さは1.5mmである。
このウエーハ保持盤基体には、直径0.25mmの吸着
孔が8mm間隔でワーク保持面の全体に形成されてい
る。この条件はすべての実施例及び比較例で共通であ
る。
【0081】(実施例1及び比較例1) (ウエーハ保持面の面出し加工)上記したウエーハ保持
盤基体を用い、そのウエーハ保持面の処理を行った。ま
ず、ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した。
この充填処理は、熱硬化させる前のエポキシ樹脂を吸着
孔に詰め、自然乾燥させることによって行った。
【0082】面出し加工として、ラッピング加工及び研
磨加工を行った。ラッピング処理は、片面ラッピング装
置に上記ウエーハ保持盤基体をセットし、緑色炭化けい
素系のラップ剤(株式会社フジミインコーポレーテッド
社製GC#240)を用いウエーハ保持面(樹脂膜)を
200μm除去した。この条件は以下のすべての実施例
及び比較例で共通である。
【0083】次にウエーハ保持面の研磨処理を行い、ウ
エーハ保持面(樹脂膜)を40μm研磨した。面出し加
工の研磨条件は、研磨圧力を400g/cm2、研磨相
対速度を50m/min、研磨布として不織布系研磨布
(アスカーC硬度90)を、研磨剤としてコロイダルシ
リカ及びクリスタルシリカを含有するアルカリ溶液(p
H11.0)を用いた。研磨終了後、充填材をエアブロ
ーにより吸着孔から除去し、ウエーハ保持盤を作製した
(実施例1)。。
【0084】ウエーハ保持盤基体の吸着孔にエポキシ樹
脂の充填材を充填しないこと以外は実施例1と同様にし
てウエーハ保持盤を作製した(比較例1)。
【0085】実施例1及び比較例1で作製したウエーハ
保持盤について、吸着孔付近の形状を触針式の粗さ測定
器(例えばPerphen社製Perthometer
S6P)を用いて測定し、その結果を図12に示し
た。
【0086】図12から明らかなように、比較例1で
は、吸着孔の周り約0.5から1mmの範囲でだれてい
ることがわかる。これは吸着孔(直径0.25mm)の
大きさが、ウエーハ保持部分で直径1.25〜2.25
mm程度に広がっていることを意味する。これに対し、
本発明の方法(実施例1)ではほとんど平らであり、吸
着孔(直径0.25mm)をそのまま維持していること
がわかる。
【0087】(ウエーハの研磨)実施例1及び比較例1
によって作製したウエーハ保持盤を図9に示した構造の
研磨装置のウエーハ保持盤としてそれぞれセットし使用
した。ウエーハはシリコンウエーハ、直径 200m
m、厚さ735μmのものを用いた。
【0088】ウエーハの研磨は、研磨圧力を400g/
cm2、研磨相対速度を100m/min、研磨加工代
を9μm、研磨布として不織布系研磨布(アスカーC硬
度90)を、研磨剤としてコロイダルシリカ含有アルカ
リ溶液(pH10.8)を用いて行った。
【0089】研磨した後、ウエーハ表面のナノトポグラ
フィーについて評価した。ナノトポグラフィーは、AD
E PhaseShift社製Nanomapper
(2mm×2mm角のエリア)で測定し、その結果を図
13に示す。
【0090】図13において、横軸は2mm×2mmの
各エリアで評価した時のウエーハ表面の凹凸の高低差
(PV値)であり、縦軸はそのPV値以上のエリアの存
在率(%)である。
【0091】図13から明らかなように、実施例1のウ
エーハ保持盤で研磨したウエーハは比較例1のウエーハ
保持盤を用い研磨したウエーハに比べナノトポグラフィ
ーが改善されていることがわかる。実施例1のウエーハ
保持盤で研磨した場合、ウエーハ面内のほとんどのエリ
アのPV値が20nm以下であり、好ましいウエーハで
あることが判明した。
【0092】なお、表1に示したように、本発明の研磨
条件ではナノトポグラフィーのPV値の最大値は実施例
1のウエーハ保持盤で研磨した場合、約28nmであ
り、比較例1のウエーハ保持盤で研磨した場合の約51
nmと比較して半減している。
【0093】
【表1】
【0094】(比較例2)面出し研磨の研磨圧力を20
0g/cm2、ウエーハの研磨圧力を200g/cm2
した以外は比較例1と同様にウエーハ保持盤を作製し、
またウエーハの研磨も同様に行った。
【0095】本比較例のウエーハ保持盤においては、比
較例1のウエーハ保持盤よりは吸着孔の周りのだれは小
さくなっていた。しかし、本比較例のウエーハ保持盤で
ウエーハを研磨したところ、表1に示したごとく、ナノ
トポグラフィーのPV値の最大値は42nmとあまり改
善されていなかった。
【0096】本比較例の結果から、面出し研磨の研磨圧
力を低くするほど、ナノトポグラフィーは改善される傾
向にあるが、面出し研磨の圧力を制御しただけでは不十
分であることが判明した。
【0097】(実施例2)ウエーハ保持盤基体の吸着孔に
充填材を充填しない状態で、面出し研磨の研磨圧力を2
00g/cm2とした以外は実施例1と同様にしてウエ
ーハ保持盤を作製した。
【0098】作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形
状を観察した結果、わずかにだれは見られるものの吸着
孔の周りはほとんど平らであった。
【0099】また、この作製したウエーハ保持盤を用
い、ウエーハを研磨した。ウエーハの研磨条件は実施例
1のウエーハ保持盤を用いウエーハを研磨したときと同
様(ウエーハの研磨圧力=400g/cm2)とした。
【0100】つまり、本実施例は、面出し研磨の研磨圧
力をウエーハの研磨圧力(400g/cm2)の半分
(200g/cm2)にした例である。
【0101】このような条件でウエーハ保持盤を作製
し、これを用いて研磨した場合、表1に示したごとく、
ウエーハのナノトポグラフィーのPV値の最大値は29
nmと、面出し研磨の研磨圧力を200g/cm2、ウ
エーハの研磨圧力を200g/cm2とした比較例2に
比べ改善されていることが判明した。
【0102】通常、面出し研磨の絶対的な研磨圧力を低
下させれば、吸着孔付近の悪化が防止されると考えられ
るが、それだけでは不十分でナノトポグラフィーを改善
するには面出し研磨時の研磨圧力と、ウエーハの研磨圧
力の関係が重要であることがわかる。
【0103】(比較例3)面出し研磨の研磨圧力を40
0g/cm2、ウエーハの研磨圧力を200g/cm2
した以外は比較例1と同様にしてウエーハ保持盤を作製
し、ウエーハの研磨も同様に行った。つまり、面出し研
磨の研磨圧力(400g/cm2)をウエーハ研磨圧力
(200g/cm2)の倍にして処理した。
【0104】作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形
状を観察した結果、比較例1と同様に吸着孔の周りが約
0.5から1mm程度の範囲でだれていた。
【0105】この作製したウエーハ保持盤を用い、ウエ
ーハを研磨した後、そのウエーハ表面のナノトポグラフ
ィーについて評価した。本比較例のウエーハ保持盤を用
いて研磨した場合、表1に示したごとく、ウエーハのナ
ノトポグラフィーのPV値の最大値は39nmであっ
た。
【0106】この測定結果からウエーハの研磨圧力が低
いのでナノトポグラフィーの悪化は若干は改善されるも
のの十分ではないことがわかった。
【0107】(実施例3)ウエーハ保持盤基体の吸着孔
に充填材を充填しない状態で、面出し研磨の研磨圧力を
2段階に変化させて面出し加工を実施した。つまり、ウ
エーハ保持盤基体の面出し研磨を、はじめにウエーハ研
磨圧力と同等の研磨圧力(本実施例では400g/cm
2)で実施し、次いで研磨圧力を200g/cm2に低下
させて研磨し、ウエーハ保持盤を作製した。
【0108】次に、この作製したウエーハ保持盤を用
い、ウエーハの研磨処理を行った。ウエーハの研磨条件
は、実施例1と同様(研磨圧力400g/cm2)とし
た。
【0109】作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形
状を観察した結果、わずかにだれは見られるものの吸着
孔の周りはほとんど平らであった。
【0110】この作製したウエーハ保持盤を用いてウエ
ーハを研磨した場合、表1に示したごとく、ウエーハの
ナノトポグラフィーのPV値の最大値は27nmと良好
であった。
【0111】この測定結果から、ウエーハ保持盤基体の
面出し研磨を行う場合、面出し研磨の最終的な研磨圧力
がウエーハのナノトポグラフィーに特に影響しているこ
とが考えられる。
【0112】このように吸着孔に充填材を充填しなくて
も、面出し研磨時の研磨圧力と、ウエーハの研磨圧力の
関係を考慮することである程度のナノトポグラフィーの
改善は可能である。この場合、面出し研磨時の研磨圧力
及びウエーハの研磨圧力のみで制御する場合、工程とし
ては少ないため簡便に実施できるという利点がある。
【0113】(実施例4)吸着孔に充填材を充填した状
態で、面出し研磨の研磨圧力をウエーハ研磨圧力より低
くした例を示す。
【0114】あらかじめウエーハ保持盤基体の吸着孔に
実施例1と同様の充填材を充填して、更に実施例3と同
様に面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨圧力より
低く(本実施例では300g/cm2)し、ウエーハ保
持盤の作製を行った。この場合も吸着孔の周りはほとん
ど平らであり、吸着孔(直径0.25mm)をそのまま
維持しており同じ効果が得られた。
【0115】作製したウエーハ保持盤を用い、実施例1
と同様の条件でウエーハを研磨したところ、表1に示し
たごとく、ウエーハのナノトポグラフィーのPV値の最
大値は約25nmと良好な面状態であった。
【0116】面出し研磨時の研磨圧力及びウエーハの研
磨圧力のみで制御する場合、工程としては少ないため簡
便に実施できるという利点はあるものの、それぞれの研
磨圧力をどの程度にすればよいか等の予備実験等が必要
な場合もある。またウエーハ又はウエーハ保持盤の保持
面を研磨する場合、研磨圧力が高ければ研磨能力も高い
ため好ましい場合もあり、このような高圧力条件、また
はその他の研磨条件に影響されず確実にナノトポグラフ
ィーを改善するには充填材の充填を併用することが好ま
しい。充填材の充填を行い面出し研磨を行えば、研磨条
件等の影響も少なく簡便に良好なウエーハ保持盤のウエ
ーハ保持面を形成できる。
【0117】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0118】例えば、本実施例では製品を研磨する研磨
圧力を400g/cm2の条件を中心に説明したが、研
磨圧力やその他の研磨条件等は任意である。現状用いら
れている研磨装置及び研磨剤等の条件では、面出し加工
の研磨圧力は100〜300g/cm2程度、ウエーハ
の研磨圧力は200〜500g/cm2程度が好まし
い。また、面出し加工のラッピング工程は必ずしも入れ
る必要が無い。なお、本実施例の形態で充填材を充填す
る場合、ラッピング処理(例えば図2のサブステップ1
02b)の前に実施していたが、これはラッピング処理
後、研磨前(例えば図2のサブステップ102cの前)
に実施しても良い。
【0119】さらに、上記のようなウエーハ保持盤の面
出し加工は、ウエーハを研磨する前に行うのが通常であ
るが、ウエーハを研磨するにつれ、研磨布の経時変化が
起こることもあるので、これに対応させ、面出し加工を
やり直す等しても良い。この場合も本発明のウエーハ保
持盤の作製方法を適用して行うと良い。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高精度のウエーハ保持面を有する研磨用ウエーハ保持盤
が提供される。従って、このウエーハ保持盤を備えた研
磨装置を用いてウエーハの研磨加工を行えば、優れた平
坦度とうねりのない表面を持ったウエーハを作製するこ
とが出来る。特に、ウエーハが、本発明の研磨用ウエー
ハ保持盤を用いて研磨加工された半導体ウエーハの場合
は、ナノトポグラフィーも改善され、高集積デバイス工
程でのCMPにおける研磨不良を低減することが可能で
あり、高集積デバイスの歩留り向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の
態様の工程順を模式的に示す説明図である。
【図2】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の
態様の工程順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の
態様の工程順を模式的に示す説明図である。
【図4】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の
態様の工程順を示すフローチャートである。
【図5】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の
態様の工程順を示すフローチャートである。
【図6】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4の
態様の工程順を示すフローチャートである。
【図7】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の
態様の工程順を示すフローチャートである。
【図8】 本発明のウエーハの研磨方法の工程順を示す
フローチャートである。
【図9】 本発明のウエーハの研磨方法で用いるウエー
ハ研磨装置の一例を示す概略説明図である。
【図10】 図9に示したウエーハ研磨装置でウエーハ
を保持しない状態を示す概略説明図である。
【図11】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法によっ
て作製したウエーハ保持盤のウエーハ保持面の1例を示
す平面図である。
【図12】 実施例1及び比較例1において作製したウ
エーハ保持盤の吸着孔付近の形状変化を示すグラフであ
る。
【図13】 実施例1及び比較例1において研磨したウ
エーハのナノトポグラフィーを示すグラフである。
【符号の説明】
10:研磨装置、12:定盤、12a:研磨布、14:
研磨ヘッド、14a:回転軸、16:研磨剤供給管、1
6a:研磨剤、18:回転軸、20:裏板、22:外カ
バー、24:真空部、28:吸引路、30:ウエーハ保
持盤、30A:ウエーハ保持盤基体、30a:ウエーハ
保持盤本体、30b:樹脂膜、31:加圧部、32:吸
着孔、32a:吸着孔本体、32b:吸着孔部、33:
加圧空気供給路、34a:ウエーハ保持面本体、34
b:ウエーハ保持面、36:充填材、W:ウエーハ。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハ
    をウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよう
    にしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着
    孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本
    体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面と
    するとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂
    膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体
    を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充
    填材を充填した状態で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウ
    エーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の
    調整を行う工程と、からなることを特徴とするウエーハ
    保持盤の作製方法。
  2. 【請求項2】 ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハ
    をウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよう
    にしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着
    孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本
    体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面と
    するとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂
    膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体
    を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力よ
    り低い圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保
    持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行
    う工程と、からなることを特徴とするウエーハ保持盤の
    作製方法。
  3. 【請求項3】 前記ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工
    するにあたり、研磨圧力を300g/cm2(30kP
    a)以下とすることを特徴とする請求項2記載のウエー
    ハ保持盤の作製方法。
  4. 【請求項4】 ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハ
    をウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよう
    にしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着
    孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本
    体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面と
    するとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂
    膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体
    を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充
    填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する
    時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って
    該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持
    面の調整を行う工程と、からなることを特徴とするウエ
    ーハ保持盤の作製方法。
  5. 【請求項5】 ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハ
    をウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよう
    にしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着
    孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本
    体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面と
    するとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂
    膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体
    を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力以
    下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持
    面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う
    工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加
    工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて
    研磨加工することを特徴とするウエーハ保持盤の作製方
    法。
  6. 【請求項6】 ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハ
    をウエーハ保持面に真空吸着保持することができるよう
    にしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着
    孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本
    体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面と
    するとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂
    膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体
    を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充
    填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する
    時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って
    該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持
    面の調整を行う工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の
    樹脂膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも
    2段階に変えて研磨加工することを特徴とするウエーハ
    保持盤の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記充填材が前記樹脂膜と同等の性質を
    持つ材料から構成されることを特徴とする請求項1、4
    及び6記載のウエーハ保持盤の作製方法。
  8. 【請求項8】 ウエーハを研磨する研磨装置を用いて前
    記樹脂膜の研磨加工を行うことによって前記ウエーハ保
    持面の面出し加工を行うことを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
  9. 【請求項9】 ウエーハを研磨する研磨装置と同等の装
    置を用い、外段取りであらかじめ前記樹脂膜の研磨加工
    を行うことによって前記ウエーハ保持面の面出し加工を
    行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載
    のウエーハ保持盤の作製方法。
  10. 【請求項10】 遊離砥粒を用いたラッピング加工を行
    い、次いで前記樹脂膜の研磨加工を行うことによって前
    記ウエーハ保持面の面出し加工を行うことを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作
    製方法。
  11. 【請求項11】 前記樹脂膜を構成する樹脂が、エポキ
    シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、及び
    フェノール樹脂からなる群から選択される1種であるこ
    とを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のウ
    エーハ保持盤の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記樹脂膜の厚さが0.1〜3mmで
    あることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記
    載のウエーハ保持盤の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記吸着孔本体の孔径が、0.1〜
    0.3mmであることを特徴とする請求項1〜12のい
    ずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記ウエーハ保持盤本体のウエーハ保
    持面本体に熱硬化性樹脂膜を形成し、その後該樹脂膜に
    機械的に吸着孔部を形成することによって、前記吸着孔
    部を有する樹脂膜を作成することを特徴とする請求項1
    〜13のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
    したウエーハ保持盤の作製方法によって作製されたウエ
    ーハ保持盤と研磨布とを備えた研磨装置を用い、該ウエ
    ーハ保持盤のウエーハ保持面にウエーハの裏面を真空吸
    着保持せしめ、次いで該ウエーハを該研磨布に接触させ
    て該ウエーハの表面を研磨することを特徴とするウエー
    ハの研磨方法。
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