JP2003257864A - 半導体装置及び半導体装置の生産システム - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の生産システム

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JP2003257864A JP2002374702A JP2002374702A JP2003257864A JP 2003257864 A JP2003257864 A JP 2003257864A JP 2002374702 A JP2002374702 A JP 2002374702A JP 2002374702 A JP2002374702 A JP 2002374702A JP 2003257864 A JP2003257864 A JP 2003257864A
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敦生 磯部
Kouji Oriki
浩ニ 大力
Hiroshi Shibata
寛 柴田
Chiho Kokubo
千穂 小久保
Tatsuya Arao
達也 荒尾
Masahiko Hayakawa
昌彦 早川
Hidekazu Miyairi
秀和 宮入
Akihisa Shimomura
明久 下村
Koichiro Tanaka
幸一郎 田中
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Mai Akiba
麻衣 秋葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TFTのチャネル形成領域に粒界が形成され
るのを防ぎ、粒界によってTFTの移動度が著しく低下
したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増加したり
するのを防ぐことができるレーザー結晶化法を用いた、
半導体装置の生産システムの提供を課題とする。 【解決手段】 基板上に凹凸を設けた絶縁膜を形成し、
該絶縁膜上に半導体膜を形成することで、レーザー光に
よる結晶化の際に、該半導体膜に応力が集中的にかかる
部分を選択的に形成する。具体的には、該半導体膜にス
トライプ状(縞状)または矩形の凹凸を設ける。そし
て、該半導体膜に形成されたストライプの凹凸に沿っ
て、または矩形の長軸か短軸の方向に沿って、連続発振
のレーザー光を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶構造を有する半
導体膜を用いて構成される半導体装置に係り、絶縁表面
上に結晶成長させた結晶性半導体膜を用い、電界効果型
トランジスタ、特に薄膜トランジスタを用いた半導体装
置に関する。また本発明は、半導体膜をレーザ光を用い
て結晶化又はイオン注入後の活性化をする半導体装置の
生産システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスなどの基板上に形成した非晶質半
導体膜を、レーザ処理により結晶化させる技術が知られ
ている。レーザ処理とは、半導体基板又は半導体膜に形
成された損傷層や非晶質層を再結晶化する技術、絶縁表
面上に形成された非晶質半導体膜を結晶化させる技術、
又は結晶構造を有する半導体膜(結晶性半導体膜)の結
晶性を向上させる技術等を指している。このようなレー
ザ処理に使われるレーザ発振装置は、エキシマレーザに
代表される気体レーザや、YAGレーザに代表される固
体レーザが通常用いられている。
【0003】レーザビームを用いることの特徴は、輻射
加熱又は伝導加熱を利用する加熱処理と比較して、レー
ザビームが照射されそのエネルギーを吸収した領域のみ
を選択的に加熱することができる点にある。例えば、波
長400nm以下の紫外光を発振するエキシマレーザ発振
装置を用いたレーザ処理は半導体膜を選択的且つ局所的
に加熱して、ガラス基板に殆ど熱的損傷を与えずに、半
導体膜の結晶化や活性化処理を実現している。
【0004】レーザー処理は、例えば特許文献1で開示
されているように、レーザービームの走査速度をビーム
スポット径×5000/秒以上として高速走査により非
晶質半導体膜を完全な溶融状態に至らしめることなく多
結晶化するものや、例えば特許文献2に開示されている
ように、島状に形成された半導体領域に、引き延ばされ
たレーザービームを照射して実質に単結晶領域を形成す
るものがある。或いは特許文献3に開示されているよう
に、レーザー処理装置のように光学系にて線状にビーム
を加工して照射する方法が知られている。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−104117号公報(第9
2頁)
【特許文献2】米国特許第4,330,363号明細書(Fig.
4)
【特許文献3】特開平8−195357号公報(第3−
4頁、第1−5図)
【0006】さらに、Nd:YVO4レーザーなど固体
レーザー発振装置を用いた結晶化技術は、例えば特許文
献4に開示されている。同公報では、当該固体レーザー
発振装置から放射されるレーザービームの第2高調波を
使うことにより、従来に比べ結晶粒径の大きい結晶性半
導体膜が得られ、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記
す)への適用が示されている。
【0007】
【特許文献4】特開2001−144027号公報(第
4頁)
【0008】また、このような固体レーザー発振装置を
用いた結晶化技術における薄膜トランジスタ(以下、T
FTと記す)への応用は、例えば非特許文献1でも報告
されている。ここでは、ダイオード励起の固体連続発振
レーザー(YVO4)の第2高調波を用いて、非晶質珪
素膜を結晶化し、それを用いてTFTを作製した結果が
示されている。
【0009】
【非特許文献1】A. Hara, F. Takeuchi, M. Takei, K.
Yoshino, K. Suga and N. Sasaki,"Ultra-high Perfor
mance Poly-Si TFTs on a Glass by a Stable Scanning
CW LaserLateral Crystallization", AMLCD '01 Tech.
Dig.,2001,pp.227-230.
【0010】そもそも、TFTの特性を向上させるため
に、その活性層(ここではチャネル形成領域やソース及
びドレイン領域を形成する半導体膜を指していう)の結
晶性の向上が不可欠であると考えられて来た。
【0011】絶縁表面上に単結晶半導体膜を形成する試
みは古くから成され、より積極的な試みとしてグラフォ
エピタキシー(graphoepitaxy)という技術が考案され
ている。グラフォエピタキシーは石英基板の表面に段差
を形成し、この上に非晶質半導体膜又は多結晶半導体膜
を形成してから、レーザービームやヒーターで加熱さ
せ、石英基板上に形成された段差形状を核として、エピ
タキシャル的な成長層を形成するという技術である。こ
の技術は例えば非特許文献2等に開示されている。
【0012】
【非特許文献2】J. Vac. Sci. Technol.,"Grapho-epit
axy of silicon on fused silica using surface micro
patterns and laser crystallization", 16(6),1979,pp
1640-1643.
【0013】また、例えば非特許文献3にも、グラフォ
ーエピタキシーと呼ばれる半導体膜の結晶化技術につい
て開示されている。これは人為的に作られた非晶質基板
表面のレリーフ格子(surface relief grating)の誘導
によって半導体膜のエピ成長を試みるものであった。上
記非特許文献3には、グラフォーエピタキシーの技術と
は、絶縁膜の表面に段差を設け、該絶縁膜上に形成され
た半導体膜に加熱又はレーザー光の照射等の処理を施す
ことで、該半導体膜の結晶をエピタキシャル成長させる
ことが開示されている。
【0014】
【非特許文献3】M. W. Geis, et al.,"CRYSTALLINE SI
LICON ON INSULATORS BY GRAPHOEPITAXY"Technical Dig
est of International Electron Devices Meeting, 197
9, pp.210.
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、欠陥や
結晶粒界が少なく、且つ、配向の揃った高品質の結晶性
半導体膜、特に単結晶半導体膜を絶縁表面上に形成しよ
うとするには、帯域溶融法などとして知られているよう
に、半導体膜を高温に加熱して溶融状態としてから再結
晶化する方法が主流であった。
【0016】公知のグラフォエピタキシー技術にあって
は下地の段差を利用しているので、その段差に沿って結
晶が成長し、形成された単結晶半導体膜の表面にその段
差が残ることが問題であると考えられていた。また、歪
み点が比較的低い大型のガラス基板上にグラフォエピタ
キシーを用いて単結晶半導体膜を形成することは出来な
かった。
【0017】いずれにしても、結晶化によって起こる半
導体の体積収縮、下地との熱応力や格子不整合などによ
り欠陥の少ない結晶性半導体膜を形成することは出来な
かった。また、歪みが蓄積され、欠陥が生成される領域
を決めて、それを素子形成領域以外に形成されるように
位置制御をすることは出来なかった。以上のような理由
により、張り合わせSOI(Silicon on Insulator)を省
いては、絶縁表面上に形成された結晶性半導体膜をもっ
て、単結晶基板に形成されるMOSトランジスタと同等
の品質を得ることはできなかった。
【0018】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、歪み点の低いガラス基板上に均一な結晶性半導体
膜、特に好ましくは単結晶半導体膜を形成し、高速で電
流駆動能力の高い半導体素子により構成される半導体装
置を提供することを目的とする。
【0019】また近年、基板上にTFTを形成する技術
が大幅に進歩し、アクティブマトリクス型の半導体表示
装置への応用開発が進められている。特に、多結晶半導
体膜を用いたTFTは、従来の非晶質半導体膜を用いた
TFTよりも電界効果移動度(モビリティともいう)が
高いので、高速動作が可能である。そのため、従来基板
の外に設けられた駆動回路で行っていた画素の制御を、
画素と同一の基板上に形成した駆動回路で行うことが可
能である。
【0020】ところで半導体装置に用いる基板は、コス
トの面から単結晶シリコン基板よりも、ガラス基板が有
望視されている。ガラス基板は耐熱性に劣り、熱変形し
やすい。そのため、ガラス基板上にポリシリコンTFT
を形成する場合において、半導体膜の結晶化にレーザア
ニールを用いることは、ガラス基板の熱変形を避けるの
に非常に有効である。
【0021】レーザアニールの特徴は、輻射加熱或いは
伝導加熱を利用するアニール法と比較して処理時間を大
幅に短縮できることや、半導体又は半導体膜を選択的、
局所的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないこと
などが上げられている。
【0022】なお、ここでいうレーザーアニール法と
は、半導体基板又は半導体膜に形成された損傷層を再結
晶化する技術や、基板上に形成された半導体膜を結晶化
させる技術を指している。また、半導体基板又は半導体
膜の平坦化や表面改質に適用される技術も含んでいる。
適用されるレーザー発振装置は、エキシマレーザーに代
表される気体レーザー発振装置、YAGレーザーに代表
される固体レーザー発振装置であり、レーザー光の照射
によって半導体の表面層を数十ナノ〜数十マイクロ秒程
度のごく短時間加熱して結晶化させるものとして知られ
ている。
【0023】レーザはその発振方法により、パルス発振
と連続発振の2種類に大別される。パルス発振のレーザ
は出力エネルギーが比較的高いため、レーザビームの大
きさを数cm2以上として量産性を上げることができ
る。特に、レーザビームの形状を光学系を用いて加工
し、長さ10cm以上の線状にすると、基板へのレーザ
光の照射を効率的に行うことができ、量産性をさらに高
めることができる。そのため、半導体膜の結晶化には、
パルス発振のレーザを用いるのが主流となりつつあっ
た。
【0024】しかし近年では、半導体膜の結晶化におい
てパルス発振のレーザよりも連続発振のレーザを用いる
方が、半導体膜内に形成される結晶の粒径が大きくなる
ことが見出された。半導体膜内の結晶粒径が大きくなる
と、該半導体膜を用いて形成されるTFTの移動度が高
くなり、粒界によるTFTの特性のばらつきが抑えられ
る。そのため、連続発振のレーザはにわかに脚光を浴び
始めている。
【0025】パルス発振と連続発振とに大別されるレー
ザアニール法を用いて作製される結晶性半導体膜は、一
般的に複数の結晶粒が集合して形成される。その結晶粒
の位置と大きさはランダムなものであり、結晶粒の位置
や大きさを指定して結晶性半導体膜を形成する事は難し
い。そのため前記結晶質半導体を島状にパターニングす
ることで形成された活性層中には、結晶粒の界面(粒
界)が存在することがある。
【0026】結晶粒内と異なり、粒界には非晶質構造や
結晶欠陥などに起因する再結合中心や捕獲中心が無数に
存在している。この捕獲中心にキャリアがトラップされ
ると、粒界のポテンシャルが上昇し、キャリアに対して
障壁となるため、キャリアの電流輸送特性を低下するこ
とが知られている。よって、TFTの活性層、特にチャ
ネル形成領域中に粒界が存在すると、TFTの移動度が
著しく低下したり、オン電流が低減したり、また粒界に
おいて電流が流れるためにオフ電流が増加したりと、T
FTの特性に重大な影響を及ぼす。また同じ特性が得ら
れることを前提に作製された複数のTFTにおいて、活
性層中の粒界の有無によって特性がばらついたりする。
【0027】半導体膜にレーザ光を照射したときに、得
られる結晶粒の位置と大きさがランダムになるのは、以
下の理由による。レーザ光の照射によって完全溶融した
液体半導体膜中に固相核生成が発生するまでには、ある
程度の時間が掛かる。そして時間の経過と共に、完全溶
融領域において無数の結晶核が発生し、該結晶核からそ
れぞれ結晶が成長する。この結晶核の発生する位置は無
作為であるため、不均一に結晶核が分布する。そして、
互いの結晶粒がぶつかり合ったところで結晶成長が終了
するため、結晶粒の位置と大きさは、ランダムなものと
なる。
【0028】よって、TFTの特性に重大な影響を及ぼ
すチャネル形成領域を、粒界の影響を排除して単一の結
晶粒で形成することが理想的であるが、粒界の存在しな
い非晶質珪素膜をレーザアニール法で形成するのは殆ど
不可能であった。そのためレーザアニール法を用いて結
晶化された結晶質珪素膜を活性層とするTFTで、単結
晶シリコン基板に作製されるMOSトランジスタの特性
と同等なものは、今日まで得られていない。
【0029】本発明は上述した問題に鑑み、TFTのチ
ャネル形成領域に粒界が形成されるのを防ぎ、粒界によ
ってTFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低
減したり、オフ電流が増加したりするのを防ぐことがで
きるレーザ結晶化法を用いた、半導体装置の生産システ
ムの提供を課題とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、絶縁膜を複数積層させ、又は絶縁膜を蝕
刻して形成された矩形又は帯状の段差形状を有する下地
絶縁膜上に、非晶質半導体膜又は結晶性半導体膜を形成
し、レーザビームの照射により結晶化させ、少なくとも
下地絶縁膜の凸上部に形成された結晶性半導体膜を残存
させ、その結晶性半導体膜にチャネル形成領域が配設さ
れるようにTFTを形成するものである。当該チャネル
形成領域は、矩形又は帯状の段差形状の凸上部において
長手方向に延在させて設けられたものである。
【0031】段差形状を有する下地絶縁膜は、窒化珪
素、酸化珪素、窒酸化珪素又は酸窒化珪素を用いて形成
する。段差形状は、当該被膜をエッチングして形成して
も良いし、複数の被膜を積層させて形成しても良い。
尚、本発明において、窒酸化珪素は、含有する酸素濃度
が20atomic%以上30atomic%以下、窒素濃度が20
atomic%以上30atomic%以下、水素濃度が10atomic
%以上20atomic%以下のものであるとして扱う。ま
た、酸窒化珪素は、含有する酸素濃度が55atomic%以
上65atomic%以下、窒素濃度が1atomic%以上20at
omic%以下、水素濃度は0.1atomic%以上10atomic
%以下のものとして扱う。
【0032】矩形又は帯状の段差形状を形成する構成と
しては、基板全面に窒化珪素又は窒酸化珪素からなる第
1絶縁膜を形成し、その上に矩形又は帯状のパターンで
酸化珪素又は酸窒化珪素からなる第2絶縁膜を形成す
る。或いは、窒化珪素、酸化珪素、窒酸化珪素、酸窒化
珪素から成る矩形又は帯状のパターンで形成された第1
絶縁膜の上に、酸窒化珪素膜で全面に形成される第2絶
縁膜を形成する。
【0033】本来、窒化珪素膜は不純物イオン等に対し
て良好なブロッキング性を有するが、応力が大きいので
この上に結晶性半導体膜を形成すると応力の作用により
歪みが形成され好ましくない。酸化珪素膜は内部応力が
比較して小さいので、結晶性半導体膜と界面の密接性が
良く、界面準位密度を小さくすることができるが、不純
物に対する遮蔽効果がない。窒酸化珪素膜は窒素の含有
比率を高めてブロッキング性を持たせつつ、酸素を含有
することで応力を緩和している。酸窒化珪素は酸化珪素
の特性に窒化珪素に見られる不純物のブロッキング性を
兼ね備えた性質を有し、内部応力も比較的小さく制御で
きるので半導体膜と接する下地絶縁膜として適してい
る。
【0034】段差形状は基板面上のTFTの配列に合わ
せて形成され、それは必ずしも規則的な周期パターンで
ある必要はない。本発明において、下地絶縁膜に形成さ
れる段差形状は結晶化に伴う体積収縮における応力を局
部的に集中させ、半導体素子の活性層、特にチャネル形
成領域に応力歪みがかからないようにする目的において
有効に作用する。
【0035】非晶質半導体膜の結晶化の過程において
は、原子の再配列や含有水素の離脱により体積収縮が起
こることが知られている。その割合は非晶質半導体膜の
作製条件にもよるが、0.1〜1%程度であるとされて
いる。その結果結晶性半導体膜には引張り応力が発生
し、その大きさは約1×1010dyn/cm2に及ぶこと推定
されている。これは水素を含有する非晶質珪素膜等で顕
著であり、結晶性半導体膜を再結晶化させる場合にも同
様な現象が発生することが考慮される。結晶化に伴う応
力は段差部に集中し、内部応力として蓄積されるか、或
いはクラックとして確認することができる。
【0036】勿論、この歪みが蓄積された部分が一切適
用できない訳ではなく、複数の矩形又は帯状の段差形状
を有する下地絶縁膜上の、それぞれの凸上部に形成され
た結晶性半導体にチャネル形成領域が設けられ、ソース
又はドレイン領域はそれ以外の結晶性半導体を用いて形
成された構成としても良い。このような形態により、一
つのTFTに複数のチャネル形成領域が設けられたマル
チチャネルTFTが形成される。
【0037】下地絶縁膜に形成された段差形状を利用し
た結晶化には線状に集光される連続発振レーザ発振装置
を光源とするレーザビームを照射する。そのレーザビー
ムは、強度分布が長手方向において均一なエネルギー密
度分布を有していることが望ましい。短手方向には任意
の分布で良く、例えば、ガウス分布等分布を持っていて
も良い。レーザ処理は、線状に集光される連続発振レー
ザビームの長手方向と交差する方向に走査して成される
が、この時、長手方向において均一な強度分布を有して
いることにより、走査方向と平行に延びる結晶成長を可
能にしている。つまり、長手方向に不均一なエネルギー
密度分布があると照射領域内で温度勾配が生じ、それに
依存して結晶粒界が延在する結晶が形成されてしまう。
即ち、走査方向と平行な方向に結晶粒界を延在させるこ
とができなくなる。
【0038】連続発振レーザビームの光源は、矩形ビー
ム固体レーザ発振装置であり、代表的にはスラブレーザ
発振装置を適用することができる。
【0039】レーザビームの照射により半導体膜はその
光吸収係数によっては、ほぼ選択的に加熱される。レー
ザビームの照射により溶融した半導体は、固化の過程で
結晶化するが、下地絶縁膜に段差形状があることにより
熱容量が異なり、凸上部の方が冷却速度が遅くなる。こ
れにより結晶の大粒径化を図ることができる。
【0040】チャネル形成領域が設けられる矩形状の半
導体領域の結晶は、該チャネル長方向と平行な方向に延
在するものであり、又は結晶方位が揃っているという特
徴がある。
【0041】即ち、TFTのチャネル形成領域を形成す
る領域は、下地絶縁膜の凸上部に形成されるようにする
ことで、良質な結晶を選択的に使用することができる。
或いは、段差部において最も応力が集中する歪み領域を
チャネル形成領域から除外することができる。
【0042】このような構成とし、複数の矩形状の半導
体領域を複数個並列に配設し、一対のソース及びドレイ
ン領域間に設け、一つのトランジスタを形成すること
で、素子間の特性の分散を小さくすることができる。ま
た、良質な結晶のみを使うことで、電界効果移動度を向
上させることができる。
【0043】尚、本発明でいう非晶質半導体膜とは、狭
義の意味で完全な非晶質構造を有するものだけではな
く、微細な結晶粒子が含まれた状態、又はいわゆる微結
晶半導体膜、局所的に結晶構造を含む半導体膜を含む。
代表的には非晶質シリコン膜が適用され、その他に非晶
質シリコンゲルマニウム膜、非晶質シリコンカーバイト
膜などを適用することもできる。
【0044】また本発明者らは、半導体膜がレーザ光の
照射により結晶化する過程において、半導体膜に生じる
応力の向きが粒界の位置及び向きと密接に関係すること
を発見した。図1に、200nmの非晶質半導体膜に連
続発振のレーザ光を、走査速度が5cm/secとなる
ように照射したときの、レーザ光の走査方向と垂直な方
向におけるTEMの断面像を示す。図1(A)におい
て、10a、10b、10cは結晶の粒界であり、走査
方向と垂直な方向におけるその幅はランダムである。
【0045】図1(B)に、図1(A)に示したTEM
の断面像を模式的に図示する。図1(B)に示すとお
り、粒界10aと粒界10bの間、粒界10bと粒界1
0cの間において、半導体膜102に盛り上がるが見ら
れる。本発明者らは、これは矢印に示す通り、粒界の近
傍から結晶粒の中央部分に向かって基板と平行な方向に
応力がかかっているためではないかと考えた。
【0046】そこで本発明者らは、意図的に該半導体膜
に応力が集中的にかかる部分を形成することで、粒界が
形成される位置を選択的に定めることができるのではな
いかと考えた。本発明では、基板上に凹凸を設けた絶縁
膜を形成し、該絶縁膜上に半導体膜を形成することで、
レーザ光による結晶化の際に、該半導体膜に応力が集中
的にかかる部分を選択的に形成する。具体的には、該半
導体膜にストライプ状(縞状)または矩形の凹凸を設け
る。そして、該半導体膜に形成されたストライプの凹凸
に沿って、または矩形の長軸か短軸の方向に沿って、連
続発振のレーザ光を照射する。なおこのとき、連続発振
のレーザ光を用いるのが最も好ましいが、パルス発振の
レーザ光を用いても良い。なおレーザ光の走査方向に対
して垂直な方向における断面は、矩形、三角形または台
形であっても良い。
【0047】レーザ光の照射による結晶化の際、半導体
膜の凹部のエッジ近傍または凸部のエッジ近傍において
応力集中が起こり、粒界が選択的に形成される。そして
半導体膜の凸部の中央付近または凹部の中央付近は、半
導体膜の凹部のエッジ近傍または凸部のエッジ近傍と比
べて応力が小さいため、比較的粒界が形成されにくい、
または形成されても結晶粒が大きくなるので、より優れ
た結晶性を得ることができる。
【0048】本発明では、レーザ光による結晶化の後、
半導体膜の凹部のエッジ近傍または凸部のエッジ近傍を
パターニングにより除去し、凸部の中央付近の結晶性が
優れている部分をTFTの活性層として積極的に用いる
ことで、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成される
のを防ぐことができ、粒界によってTFTの移動度が著
しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増
加したりするのを防ぐことができる。なお、どこまでを
凸部のエッジ近傍としてパターニングで除去するかは、
設計者が適宜定めることができる。
【0049】なお、レーザ光のレーザビームのエッジの
近傍は、中央付近に比べて一般的にエネルギー密度が低
く、半導体膜の結晶性も劣る場合が多い。そのためレー
ザ光を走査する際に、後にTFTのチャネル形成領域と
なる部分、より好ましくは半導体膜の凸部と、その軌跡
のエッジとが重ならないようにする必要がある。
【0050】そこで本発明の生産システムでは、まず設
計の段階で得られた、基板上面から見た絶縁膜または半
導体膜の形状のデータ(パターン情報)を記憶手段に記
憶する。そしてそのパターン情報と、レーザ光のレーザ
ビームの走査方向と垂直な方向における幅とから、少な
くともTFTのチャネル形成領域となる部分と、レーザ
光の軌跡のエッジとが重ならないように、レーザ光の走
査経路を決定する。そして、マーカーを基準として基板
の位置を合わせ、決定された走査経路にしたがってレー
ザ光を基板上の半導体膜に対して照射する。
【0051】上記構成により、基板全体にレーザ光を照
射するのではなく、少なくとも必要不可欠な部分にのみ
レーザ光を走査するようにすることができる。よって、
不必要な部分にレーザ光を照射するための時間を省くこ
とができ、よって、レーザ光照射にかかる時間を短縮化
することができ、なおかつ基板の処理速度を向上させる
ことができる。また不必要な部分にレーザ光を照射し、
基板にダメージが与えられるのを防ぐことができる。
【0052】なお、マーカーは、基板を直接レーザ光等
によりエッチングすることで形成しても良いし、凹凸を
有する絶縁膜を形成する際に、同時に絶縁膜の一部にマ
ーカーを形成するようにしても良い。また、実際に形成
された絶縁膜または半導体膜の形状をCCD等の撮像素
子を用いて読み取り、データとして第1の記憶手段に記
憶し、第2の記憶手段に設計の段階で得られた絶縁膜ま
たは半導体膜のパターン情報を記憶し、第1の記憶手段
に記憶されているデータと、第2の記憶手段に記憶され
ているパターン情報とを照合することで、基板の位置合
わせを行うようにしても良い。
【0053】半導体膜の形状を読み取る場合、半導体膜
自身が膜厚を有しているので、必ずしも半導体膜の形状
と絶縁膜のマスクとは一致しない。よって半導体膜の膜
厚を計算に入れてパターン情報との照合を行なうように
する。また必ずしもCCDを用いて形状を把握するので
はなく、例えばレーザーダイオードから発せられるレー
ザー光を絶縁膜または半導体膜に照射し、反射してきた
光をモニターすることで、形状を把握するようにしても
良い。
【0054】絶縁膜の一部にマーカーを形成したり、絶
縁膜の形状をマーカーとして用いることで、マーカー用
のマスクを1枚減らすことができ、なおかつ基板にレー
ザ光で形成するよりもよりも、正確な位置にマーカーを
形成することができ、位置合わせの精度を向上させるこ
とができる。
【0055】なお、レーザ光のエネルギー密度は、一般
的には完全に均一ではなく、レーザビーム内の位置によ
りその高さが変わる。本発明では、最低限チャネル形成
領域となる部分、より好ましくは凸部の平らな面全体
に、一定のエネルギー密度のレーザ光を照射することが
必要である。よって本発明では、レーザ光の走査によ
り、均一なエネルギー密度を有する領域が、最低限チャ
ネル形成領域となる部分、より好ましくは凸部の平らな
面全体と完全に重なるような、エネルギー密度の分布を
有するレーザビームを用いることが必要である。上記エ
ネルギー密度の条件を満たすためには、レーザビームの
形状を、矩形または線形等にすることが望ましいと考え
られる。
【0056】さらにスリットを介し、レーザビームのう
ちエネルギー密度の低い部分を遮蔽するようにしても良
い。スリットを用いることで、比較的均一なエネルギー
密度のレーザ光を凸部の平らな面全体に照射することが
でき、結晶化を均一に行うことができる。またスリット
を設けることで、絶縁膜または半導体膜のパターン情報
によって部分的にレーザビームの幅を変えることがで
き、チャネル形成領域、さらにはTFTの活性層のレイ
アウトにおける制約を小さくすることができる。なおレ
ーザビームの幅とは、走査方向と垂直な方向におけるレ
ーザビームの長さを意味する。
【0057】また複数のレーザ発振装置から発振された
レーザ光を合成することで得られた1つのレーザビーム
を、レーザ結晶化に用いても良い。上記構成により、各
レーザ光のエネルギー密度の弱い部分を補い合うことが
できる。
【0058】また半導体膜を成膜した後、大気に曝さな
いように(例えば希ガス、窒素、酸素等の特定されたガ
ス雰囲気または減圧雰囲気にする)レーザ光の照射を行
い、半導体膜を結晶化させても良い。上記構成により、
クリーンルーム内における分子レベルでの汚染物質、例
えば空気の清浄度を高めるためのフィルター内に含まれ
るボロン等が、レーザ光による結晶化の際に半導体膜に
混入するのを防ぐことができる。
【0059】なお、上記非特許文献2または非特許文献
3に記載されているグラフォーエピタキシー(graphoep
itaxy)と呼ばれる半導体膜の結晶化技術において、エ
ピタキシャル成長に必要な温度は、少なくとも700℃
程度は必要であり、ガラス基板上においてエピタキシャ
ル成長を行おうとすると、絶縁膜の凸部のエッジ近傍に
おいて半導体膜に粒界が形成されてしまう。本発明で
は、アイランドのマスクをレイアウトして、該アイラン
ドとなる部分における結晶性を高められるように、絶縁
膜の凸部の形状及びエッジの位置を、アイランドのレイ
アウトに合わせて設計する。具体的には凸部のエッジと
アイランドとが重ならないように、凸部の形状、サイズ
等を定める。そしてアイランドのレイアウトに合わせて
設計された絶縁膜を用い、敢えてエッジ近傍に粒界が形
成された半導体膜を形成する。そして該半導体膜の、エ
ッジ近傍における粒界が多く存在する部分をパターニン
グにより除去し、結晶性の比較的優れている部分をアイ
ランドとして用いる。よって本発明において開示する技
術は、従来のグラフォーエピタキシーと、段差を設けた
絶縁膜上に半導体膜を形成し、該段差を用いて半導体膜
を結晶化させる点では一致しているが、従来のグラフォ
ーエピタキシーには段差を用いて粒界の位置を制御し、
アイランド内の粒界を少なくするという概念は含まれて
おらず、本発明とは似て非なるものである。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の態様について説明する。図28において示す斜視図
は、基板9101上に下地絶縁膜として第1絶縁膜91
02と帯状にパターン形成された第2絶縁膜9103〜
9105が形成された形態を示している。ここでは、第
2絶縁膜による帯状のパターンが3本示されているが、
勿論その数に限定されることはない。基板は市販の無ア
ルカリガラス基板、石英基板、サファイア基板、単結晶
又は多結晶半導体基板の表面を絶縁膜で被覆した基板、
金属基板の表面を絶縁膜で被覆した基板を適用すること
ができる。
【0061】帯状に形成される第2絶縁膜の幅W1は1
〜10μm、隣接する第2絶縁膜の間隔W2は0.5〜
10μm、厚さdは0.05〜0.5μmとすることが適
している。この段差形状は規則的な周期パターンである
必要はなく、TFT等の半導体素子に合わせて任意に配
置すれば良いものである。第2絶縁膜の長さLもその長
さに限定はなく、例えばTFTのチャネル形成領域を形
成することができる長さがあれば良い。
【0062】第1絶縁膜の材料は、窒化珪素又は窒酸化
珪素が適用される。窒酸化珪素膜においては、含有する
酸素濃度が20atomic%以上30atomic%以下、窒素濃
度が20atomic%以上30atomic%以下、水素濃度が1
0atomic%以上20atomic%以下とする。或いは、酸素
に対する窒素の組成比を0.6以上1.5以下とする。
また、密度が8×1022/cm3以上2×1023/cm3以下と
し、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13
%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む
混合水溶液の20℃におけるエッチングレートは60〜
70nm/min(500℃、1時間+550℃、4時間の熱
処理後では、40〜50nm/min)であるものを適用す
る。このような窒酸化珪素膜はSiH4、NH3、N2
を原料として用い、プラズマCVD法で形成することが
できる。
【0063】第2絶縁膜の材料は、酸化珪素又は酸窒化
珪素が適用される。酸化珪素はオルトケイ酸テトラエチ
ル(Tetraethyl Ortho Silicate:TEOS)とO2とを
混合しプラズマCVD法で形成することができる。酸窒
化珪素膜においては、含有する酸素濃度を55atomic%
以上65atomic%以下、窒素濃度を1atomic%以上20
atomic%以下、水素濃度は0.1atomic%以上10atom
ic%以下とし、密度が6×1022/cm3以上9×1022/c
m3以下、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.
13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%
含む混合水溶液の20℃におけるエッチングレートは1
10〜130nm/min(500℃、1時間+550℃、4
時間の熱処理後では、90〜100nm/min)とする。
尚、ここで定義したエッチングレートはエッチング溶液
として、NH4HF2を7.13%、NH4Fを15.4
%を含む水溶液を用い、20℃のときに得られる値であ
る。このような酸窒化珪素膜は、SiH4、N2Oを原料
として用い、プラズマCVD法で形成することができ
る。
【0064】第2絶縁膜で形成される段差部の側壁の角
度は5〜120度の範囲で適宜設定すれば良い。またそ
の断面形状において、矩形の凹凸形状のみでなく鋸刃状
の凹凸形状としても良い。
【0065】図29で示すように、この第1絶縁膜91
02と第2絶縁膜9103〜9105から成る下地絶縁
膜上に凸上部、凹底部、および段差部の側面を覆う非晶
質半導体膜9106を50〜200nmの厚さに形成す
る。非晶質半導体膜は、珪素、珪素とゲルマニウムの化
合物又は合金、珪素と炭素の化合物又は合金を適用する
ことができる。この中で最も適した材料は珪素である。
【0066】そして、この非晶質半導体膜9106に連
続発振レーザビーム9107を照射して結晶化を行う。
9108は結晶化された半導体膜である。適用されるレ
ーザビームは、光学系にて線状に集光されたものであ
り、その強度分布が長手方向において均一な領域を有
し、短手方向に分布を持っていても良く、光源として用
いるレーザ発振装置は、矩形ビーム固体レーザ発振装置
が適用され、特に好ましくは、スラブレーザ発振装置が
適用される。或いは、Nd、Tm、Hoをドープしたロ
ッドを用いた固体レーザ発振装置であり、特にYAG、
YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にNd、Tm、
Hoをドープした結晶を使った固体レーザ発振装置にス
ラブ構造増幅器を組み合わせたものでも良い。そして、
図中に矢印で示すように、線状の長手方向に対し交差す
る方向に走査する。この時、下地絶縁膜に形成される帯
状のパターンの長手方向と平行な方向に走査することが
最も望ましい。尚、ここでいう線状とは、短手方向の長
さに対し、長手方向の長さの比が1対10以上のものを
もって言う。
【0067】スラブ材料としては、Nd:YAG、N
d:GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)、
Nd:GsGG(ガドリニウム・スカンジウム・ガリウ
ム・ガーネット)等の結晶が使用される。スラブレーザ
では、この板状のレーザ媒質の中を、全反射を繰り返し
ながらジグザグ光路で進む。
【0068】また、連続発振レーザビームの波長は、非
晶質半導体膜の光吸収係数を考慮して400〜700nm
であることが望ましい。このような波長帯の光は、波長
変換素子を用いて基本波の第2高調波、第3高調波を取
り出すことで得られる。波長変換素子としてはADP
(リン酸二水素化アンモニウム)、Ba2NaNb515
(ニオブ酸バリウムナトリウム)、CdSe(セレンカ
ドミウム)、KDP(リン酸二水素カリウム)、LiN
bO3(ニオブ酸リチウム)、Se、Te、LBO、B
BO、KB5などが適用される。特にLBOを用いるこ
とが望ましい。代表的な一例は、Nd:YVO4レーザ発
振装置(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)
を用いる。また、レーザの発振モードはTEM00モード
であるシングルモードを適用する。
【0069】最も適した材料として選ばれる珪素の場
合、吸収係数が103〜104cm-1である領域はほぼ可視
光域にある。ガラスなど可視光透過率の高い基板と、珪
素により30〜200nmの厚さをもって形成される非晶
質半導体膜を結晶化する場合、波長400〜700nmの
可視光域の光を照射することで、当該半導体領域を選択
的に加熱して、下地絶縁膜にダメージを与えずに結晶化
を行うことができる。具体的には、非晶質珪素膜に対
し、波長532nmの光の侵入長は概略100nm〜100
0nmであり、膜厚30nm〜200nmで形成される非晶質
半導体膜9106の内部まで十分達することができる。
即ち、半導体膜の内側から加熱することが可能であり、
レーザビームの照射領域における半導体膜のほぼ全体を
均一に加熱することができる。
【0070】図32はこの結晶化の過程を縦断面図によ
り説明するものであり、図32(A)で示すように基板
9101上に第1絶縁膜9102、第2絶縁膜9103
〜9105、非晶質半導体膜9106が形成された後、
図32(B)で示すようにレーザビーム9107の照射
により結晶化を行う。結晶化においては、第1絶縁膜9
102と第2絶縁膜9103〜9105の側壁が接する
境界部における半導体膜が最も早く冷却し固化が始まる
と考えられる。結晶化はそこを端として始まり、凸上部
にかけて結晶成長する。凸上部では第1絶縁膜と第2絶
縁膜とが積層されているので、他の領域と比較して熱容
量が大きくなり冷却速度が遅くなり大粒径の結晶成長を
可能としている。段差部においては結晶成長方向に引っ
張られ、また、その形状的な要因により歪みが集中して
内部応力が蓄積される。
【0071】この様子は模式的に図32(C)で示して
いるが、結晶性半導体膜9108において、比較的冷却
速度が速い凹底部9502では結晶の品質が悪く、段差
部において歪みが蓄積され、ひいてはクラック等が形成
されることがある。その一方で凸上部9501に形成さ
れる結晶は歪みが緩和された結晶性半導体膜が形成され
る。この凸上部に形成される結晶性半導体膜は実質的に
単結晶又は単結晶領域が形成されたものと見なすことが
できる。
【0072】結晶化終了した後、図30で示すようにエ
ッチングにより結晶性半導体膜から成る活性層9109
を形成する。活性層9109においてチャネル形成領域
9120〜9122(概略点線で囲む領域)は下地絶縁
膜の凸上部、即ち第2絶縁膜上に設けられる。凹底部か
ら延びる結晶粒界や歪みが蓄積された段差部の領域を除
去して、結晶がチャネル形成領域にかからないようにし
ている。
【0073】図30で示す活性層9109は、並列に配
置された複数の矩形状の半導体領域と、該矩形状の半導
体領域を連接する一対の半導体領域が一体形成された形
状と見ることができる。活性層における複数の矩形状の
半導体領域のそれぞれにおいて、絶縁膜を介して重なる
電極を設けることによりチャネル形成領域をそこに形成
することができる。そして、複数の矩形状の半導体領域
は、チャネル長方向と平行な方向に延在している。或い
はチャネル形成領域において結晶方位が揃っているとい
う特徴を有している。
【0074】その他の形態として、図31(A)で示す
ように、第2絶縁膜9103〜9105上に結晶性半導
体膜9110〜9112を対応させて形成しても良い。
TFTにおいては、ゲート電極の配置により、そこにチ
ャネル形成領域9123〜9125を配設することがで
きる。また、図31(B)で示すように結晶性半導体膜
9113、9114を形成しても良い。この場合もゲー
ト電極の配置により、そこにチャネル形成領域9126
〜9131を配設することができる。
【0075】図33は、結晶化に際し適用することので
きるレーザ処理装置の構成の一例を示す。図33はレー
ザ発振装置9301、シャッター9302、高変換ミラ
ー9303〜9306、スリット9307、シリンドリ
カルレンズ9308、9309、載置台9311、載置
台9311をX方向及びY方向に変位させる駆動手段9
312、9313、当該駆動手段をコントロールする制
御手段9314、予め記憶されたプログラムに基づいて
レーザ発振装置9301や制御手段9314に信号を送
る情報処理手段9315等から成っているレーザ処理装
置の構成を正面図と側面図により示すものである。
【0076】シリンドリカルレンズ9308、9309
により照射面の断面形状において線状に集光されるレー
ザビームは、載置台9311上の基板9320表面に対
し斜めに入射させる。これは、非点収差などの収差によ
り焦点位置がずれ、照射面またはその近傍において線状
の集光面を形成することができる。シリンドリカルレン
ズ9308、9309は合成石英製とすれば、高い透過
率が得られ、レンズの表面に施されるコーティングは、
レーザビームの波長に対する透過率が99%以上を実現
するために適用される。勿論、照射面の断面形状は線状
に限定されず、矩形状、楕円形又は長円形など任意な形
状としても構わない。いずれにしても、短軸と長軸の比
が、1対10〜1対100の範囲に含まれるものを指し
ている。また、波長変換素子9310は基本波に対する
高調波を得るために備えられている。
【0077】上述の如く、レーザ発振装置は矩形ビーム
固体レーザ発振装置が適用され、特に好ましくは、スラ
ブレーザ発振装置が適用される。或いは、YAG、YV
4、YLF、YAlO3などの結晶にNd、Tm、Ho
をドープした結晶を使った固体レーザ発振装置にスラブ
構造増幅器を組み合わせたものでも良い。スラブ材料と
しては、Nd:YAG、Nd:GGG(ガドリニウム・
ガリウム・ガーネット)、Nd:GsGG(ガドリニウ
ム・スカンジウム・ガリウム・ガーネット)等の結晶が
使用される。その他にも、連続発振可能な気体レーザ発
振装置、固体レーザ発振装置を適用することもできる。
連続発振固体レーザ発振装置としてはYAG、YV
4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、E
r、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶
を使ったレーザ発振装置を適用する。発振波長の基本波
はドープする材料によっても異なるが、1μmから2μm
の波長で発振する。より高い出力を得る為には、ダイオ
ード励起の固体レーザ発振装置が適用され、カスケード
接続されていても良い。
【0078】また、載置台9311を駆動手段931
2、9313により二軸方向に動かすことにより基板9
320のレーザ処理を可能としている。一方の方向への
移動は基板9320の一辺の長さよりも長い距離を1〜
200cm/sec、好ましくは5〜50cm/secの等速度で連
続的に移動させることが可能であり、他方へは線状ビー
ムの長手方向と同程度の距離を不連続にステップ移動さ
せることが可能となっている。レーザ発振装置9301
の発振と、載置台9311は、マイクロプロセッサを搭
載した情報処理手段9315により同期して作動するよ
うになっている。
【0079】載置台9311は図中で示すX方向に直線
運動をすることにより、固定された光学系から照射され
るレーザビームで基板全面の処理を可能としている。位
置検出手段9316は基板9320におけるレーザビー
ムの照射位置を検出し、その信号を情報処理手段931
5に伝送することができる。
【0080】このような構成のレーザ照射装置により基
板9320に照射されるレーザビームは、図中に示すX
方向又はY方向に相対移動させることにより半導体膜の
所望の領域または全面を処理することができる。
【0081】このように、非晶質半導体膜に連続発振レ
ーザビームを照射する結晶化において、下地絶縁膜に段
差形状を設けることにより、その部分に結晶化に伴う歪
み又は応力を集中させることができ、活性層とする結晶
性半導体にその歪み又は応力がかからないようにするこ
とができる。歪み又は応力から開放された結晶性半導体
膜にチャネル形成領域が配設されるようにTFTを形成
することにより、高速で電流駆動能力を向上させること
が可能となり、素子の信頼性を向上させることも可能と
なる。
【0082】次に、図2を用いて、本発明で用いられる
レーザ光の照射方法について説明する。
【0083】まず、図2(A)に示すように基板100
上に絶縁膜101を形成する。絶縁膜101はストライ
プ状の凸部101aを含んでいる。なおこの凹凸の形成
の仕方については、後段において詳しく説明する。絶縁
膜101は酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜等
を用いることができる。なお、アルカリ金属などの不純
物が後に形成される半導体膜内に取り込まれるのを防ぐ
ことができ、後の処理温度に耐え得る絶縁性を有する膜
で、なおかつ凹凸を形成することができるのであれば、
これらの他の絶縁膜を用いても良い。また2つ以上の膜
の積層構造であってもよい。
【0084】このとき、絶縁膜101と同時に、絶縁膜
の一部を利用してマーカーを形成するようにしても良
い。
【0085】基板100は、後の工程の処理温度に耐え
うる材質であれば良く、例えば石英基板、シリコン基
板、バリウムホウケイ酸ガラスまたはアルミノホウケイ
酸ガラスなどのガラス基板、金属基板またはステンレス
基板の表面に絶縁膜を形成した基板を用いることができ
る。また、処理温度に耐えうる程度に耐熱性を有するプ
ラスチック基板を用いてもよい。
【0086】次に、絶縁膜101を覆うように、半導体
膜102を形成しする。半導体膜102は、公知の手段
(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)に
より成膜することができる。なお、半導体膜は非晶質半
導体膜であっても良いし、微結晶半導体膜、結晶性半導
体膜であっても良い。また珪素だけではなくシリコンゲ
ルマニウムを用いるようにしても良い。
【0087】このとき、絶縁膜101の凹凸に沿って、
半導体膜102にも凹凸が現れる。なお、絶縁膜101
の凸部101aは、後に形成される半導体膜102の表
面に凹凸が現れるように、半導体膜102の膜厚を考慮
して形成する必要がある。
【0088】次に、図2(A)に示すように、半導体膜
102にレーザ光を照射し、結晶性が高められた半導体
膜(LC後)103を形成する。レーザ光のエネルギー
密度は、レーザビーム104のエッジの近傍において低
くなっており、そのためエッジの近傍は結晶粒が小さ
く、結晶の粒界に沿って突起した部分(リッジ)が出現
する。そのため、レーザ光のレーザビーム104の軌跡
のエッジと、チャネル形成領域となる部分または半導体
膜102の凸部の平らな面とが重ならないようにする。
【0089】なおレーザ光の走査方向は、矢印に示すよ
うに、凸部101aの方向と平行になるように定める。
【0090】本発明では公知のレーザを用いることがで
きる。レーザ光は連続発振であることが望ましいが、パ
ルス発振であっても本発明の効果を得ることができると
考えられる。レーザは、気体レーザもしくは固体レーザ
を用いることができる。気体レーザとして、エキシマレ
ーザ、Arレーザ、Krレーザなどがあり、固体レーザ
として、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレー
ザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、
アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザ
ー、Y23レーザーなどが挙げられる。固体レーザとし
ては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti、Y
b又はTmがドーピングされたYAG、YVO 4、YL
F、YAlO3などの結晶を使ったレーザが適用され
る。当該レーザの基本波はドーピングする材料によって
異なり、1μm前後の基本波を有するレーザ光が得られ
る。基本波に対する高調波は、非線形光学素子を用いる
ことで得ることができる。
【0091】またさらに、固体レーザから発せられらた
赤外レーザ光を非線形光学素子でグリーンレーザ光に変
換後、さらに別の非線形光学素子によって得られる紫外
レーザ光を用いることもできる。
【0092】なお、図2(A)の、結晶化される前のA
−A’における断面図が図2(B)に相当し、結晶化さ
れた後のB−B’における断面図が図2(C)に相当す
る。レーザ光の照射によって結晶化された半導体膜(L
C後)103では、凸部のエッジ近傍または凹部のエッ
ジ近傍において応力集中が起こり、粒界105が生じや
すくなる。図2(D)に、結晶化後の半導体膜103の
凸部の拡大図を示す。矢印が内部応力の向きであり、半
導体膜の凸部のエッジ近傍106及び凹部のエッジ近傍
107において応力集中が起こり、粒界105が生じる
と考えられる。しかし、凸部101aの上部の平坦な部
分においては、凸部のエッジ近傍または凹部のエッジ近
傍に比較して応力が小さいため、粒界ができにくい、ま
たはできても比較的大きな結晶粒が得られる。
【0093】次に、図3(A)に示すように、粒界が多
く形成されていると考えられる凸部のエッジ近傍または
凹部のエッジ近傍と、凹部とを除去するように、結晶化
後の半導体膜103をパターニングし、結晶性の優れて
いる凸部101aの上部に位置する平坦な部分を用い、
島状の半導体膜(アイランド)108を形成する。
【0094】なお本実施例では、凸部のエッジ近傍また
は凹部のエッジ近傍と、凹部とを一部残す様に半導体膜
103をパターニングすることで、図3(A)に示すよ
うな、チャネル形成領域の部分のみ分離したスリット状
の活性層として用いるアイランド108を形成した。ア
イランド108のA−A’における断面図を図3(B)
に、B−B’における断面図を図3(C)に示す。ソー
ス領域またはドレイン領域となる部分はチャネル形成領
域ほど半導体膜の結晶性によるTFTの特性への影響が
大きくない。そのため、結晶性が芳しくない凸部のエッ
ジ近傍または凹部のエッジ近傍を残しておいても然程問
題にはならない。
【0095】次に図4(A)に示すように、少なくとも
アイランド108のチャネル形成領域となる部分を覆う
ように、ゲート絶縁膜110を形成する。なお図4
(A)では、ソース領域またはドレイン領域となる部分
が露出しているが、ゲート絶縁膜110でアイランド1
08全体を覆うようにしても良い。
【0096】次に、導電性を有する膜を成膜し、パター
ニングすることで、ゲート電極111を形成する。な
お、図4(A)のA−A’における断面図を図4(B)
に示す。ゲート電極111は全てのチャネル形成領域と
重なっている。
【0097】上記作製工程によって、互いに分離した複
数のチャネル形成領域を有するTFTが完成する。この
ような構成にすることで、チャネル形成領域のチャネル
幅を長くすることでオン電流を確保しつつ、TFTを駆
動させることで発生した熱を効率的に放熱することがで
きる。
【0098】各チャネル形成領域のチャネル幅をWST
各チャネル形成領域間の幅をWSOとすると、WSTとWSO
との比は設計者が適宜設定することができるが、より好
ましくは、3WST≒WSOとするのが望ましい。
【0099】次に、本発明の生産システムについて説明
する。図5に本発明の生産システムのフローチャートを
示す。まずアイランドのマスクを設計し、次に絶縁膜の
形状をストライプ状または矩形状の凹凸を有するように
設計する。このとき、該アイランドの1つまたは複数が
絶縁膜の凸部の平らな面にレイアウトされるようにす
る。そして、アイランドをTFTの活性層として用いる
場合、チャネル形成領域のキャリアが移動する方向と、
絶縁膜のストライプの向きまたは矩形の長辺か短辺方向
に揃えるようにすることが望ましいが、用途に応じて意
図的に方向を揃えない様にしても良い。
【0100】また、このとき絶縁膜の一部にマーカーが
形成されるように、絶縁膜の形状を設計するようにして
も良い。
【0101】そして、設計された絶縁膜の形状に関する
情報(パターン情報)を、レーザ照射装置が有するコン
ピューターに入力し、その記憶手段に記憶する。コンピ
ューターでは、入力された絶縁膜のパターン情報と、レ
ーザビームの走査方向に対して垂直な方向における幅と
に基づき、レーザ光の走査経路を定める。このとき、レ
ーザ光の軌跡のエッジと、絶縁膜の凸部の平らな面とが
重ならないように、走査経路を定めることが重要であ
る。なお、絶縁膜のパターン情報に加えて、アイランド
のパターン情報をコンピュータの記憶手段に記憶させ、
レーザ光の軌跡のエッジとアイランドまたはアイランド
のチャネル形成領域とが重ならないように、走査経路を
定めるようにしても良い。
【0102】なお、スリットを設けてレーザビームの幅
を制御する場合、コンピューターでは入力された絶縁膜
のパターン情報に基づき、走査方向に対して垂直方向に
おける、絶縁膜の凸部の幅を把握する。そして、絶縁膜
の凸部の幅を考慮して、レーザ光の軌跡のエッジと、絶
縁膜の凸部の平らな面とが重ならないように、走査方向
に対して垂直方向におけるスリットの幅を設定する。
【0103】一方基板上に、設計したパターン情報に従
って絶縁膜を形成し、次に、該絶縁膜上に半導体膜を成
膜する。そして、半導体膜を成膜した後、基板をレーザ
照射装置のステージに設置し、基板の位置合わせを行な
う。図5ではCCDカメラを用いてマーカーを検出し、
基板の位置合わせを行う。なおCCDカメラとは、CC
D(電荷結合素子)を撮像素子として用いたカメラを意
味する。
【0104】なお、ステージに設置された基板上の絶縁
膜または半導体膜のパターン情報をCCDカメラ等によ
り検出し、コンピュータにおいてCADによって設計さ
れた絶縁膜または半導体膜のパターン情報と、CCDカ
メラによって得られる、実際に基板上に形成された絶縁
膜または半導体膜のパターン情報とを照らし合わせ、基
板の位置合わせを行うようにしても良い。
【0105】そして、定められた走査経路にしたがって
レーザ光を照射し、半導体膜を結晶化する。
【0106】次に、レーザ光を照射した後、レーザ光照
射により結晶性が高められた半導体膜をパターニング
し、アイランドを形成する。以下、アイランドからTF
Tを作製する工程が行われる。TFTの具体的な作製工
程はTFTの形状によって異なるが、代表的にはゲート
絶縁膜を成膜し、アイランドに不純物領域を形成する。
そして、ゲート絶縁膜及びゲート電極を覆うように層間
絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜にコンタクトホールを形
成し、不純物領域の一部を露出させる。そして該コンタ
クトホールを介して不純物領域に接するように層間絶縁
膜上に配線を形成する。
【0107】次に、本発明のレーザ照射装置の構成につ
いて説明する。
【0108】次に、本発明において用いられるレーザ照
射装置の構成について、図6を用いて説明する。151
はレーザ発振装置である。図6では4つのレーザ発振装
置を用いているが、レーザ照射装置が有するレーザ発振
装置はこの数に限定されない。
【0109】なお、レーザ発振装置151は、チラー1
52を用いてその温度を一定に保つようにしても良い。
チラー152は必ずしも設ける必要はないが、レーザ発
振装置151の温度を一定に保つことで、出力されるレ
ーザ光のエネルギーが温度によってばらつくのを抑える
ことができる。
【0110】また154は光学系であり、レーザ発振装
置151から出力された光路を変更したり、そのレーザ
ビームの形状を加工したりして、レーザ光を集光するこ
とができる。さらに、図6のレーザ照射装置では、光学
系154によって、複数のレーザ発振装置151から出
力されたレーザ光のレーザビームを互いに一部を重ね合
わせることで、合成することができる。
【0111】なお、レーザー光の進行方向を極短時間で
変化させることができるAO変調器153を、被処理物
である基板156とレーザ発振装置151との間の光路
に設けても良い。また、AO変調器の代わりに、アテニ
ュエイター(光量調整フィルタ)を設けて、レーザ光の
エネルギー密度を調整するようにしても良い。
【0112】また、被処理物である基板156とレーザ
発振装置151との間の光路に、レーザ発振装置151
から出力されたレーザ光のエネルギー密度を測定する手
段(エネルギー密度測定手段)165を設け、測定した
エネルギー密度の経時変化をコンピューター160にお
いて監視するようにしても良い。この場合、レーザ光の
エネルギー密度の減衰を補うように、レーザ発振装置1
51からの出力を高めるようにしても良い。
【0113】合成されたレーザビームは、スリット15
5を介して被処理物である基板156に照射される。ス
リット155は、レーザ光を遮ることが可能であり、な
おかつレーザ光によって変形または損傷しないような材
質で形成するのが望ましい。そして、スリット155は
スリットの幅が可変であり、該スリットの幅によってレ
ーザビームの幅を変更することができる。
【0114】なお、スリット155を介さない場合の、
レーザ発振装置151から発振されるレーザ光の基板1
56におけるレーザビームの形状は、レーザの種類によ
って異なり、また光学系により成形することもできる。
【0115】基板156はステージ157上に載置され
ている。図6では、位置制御手段158、159が、被
処理物におけるレーザビームの位置を制御する手段に相
当しており、ステージ157の位置が、位置制御手段1
58、159によって制御されている。
【0116】図6では、位置制御手段158がX方向に
おけるステージ157の位置の制御を行っており、位置
制御手段159はY方向におけるステージ157の位置
制御を行う。
【0117】また図6のレーザ照射装置は、メモリ等の
記憶手段及び中央演算処理装置を兼ね備えたコンピュー
ター160を有している。コンピューター160は、レ
ーザ発振装置151の発振を制御し、レーザ光の走査経
路を定め、なおかつレーザ光のレーザビームが定められ
た走査経路にしたがって走査されるように、位置制御手
段158、159を制御し、基板を所定の位置に移動さ
せることができる。
【0118】なお図6では、レーザビームの位置を、基
板を移動させることで制御しているが、ガルバノミラー
等の光学系を用いて移動させるようにしても良いし、そ
の両方であってもよい。
【0119】さらに図6では、コンピューター160に
よって、該スリット155の幅を制御し、マスクのパタ
ーン情報に従ってレーザビームの幅を変更することがで
きる。なおスリットは必ずしも設ける必要はない。
【0120】さらにレーザ照射装置は、被処理物の温度
を調節する手段を備えていても良い。また、レーザ光は
指向性およびエネルギー密度の高い光であるため、ダン
パーを設けて、反射光が不適切な箇所に照射されるのを
防ぐようにしても良い。ダンパーは、反射光を吸収させ
る性質を有していることが望ましく、ダンパー内に冷却
水を循環させておき、反射光の吸収により隔壁の温度が
上昇するのを防ぐようにしても良い。また、ステージ1
57に基板を加熱するための手段(基板加熱手段)を設
けるようにしても良い。
【0121】なお、マーカーをレーザで形成する場合、
マーカー用のレーザ発振装置を設けるようにしても良
い。この場合、マーカー用のレーザ発振装置の発振を、
コンピューター160において制御するようにしても良
い。さらにマーカー用のレーザ発振装置を設ける場合、
マーカー用のレーザ発振装置から出力されたレーザ光を
集光するための光学系を別途設ける。なおマーカーを形
成する際に用いるレーザは、代表的にはYAGレーザ、
CO2レーザ等が挙げられるが、無論この他のレーザを
用いて形成することは可能である。
【0122】またマーカーを用いた位置合わせのため
に、CCDカメラ163を1台、場合によっては数台設
けるようにしても良い。なおCCDカメラとは、CCD
(電荷結合素子)を撮像素子として用いたカメラを意味
する。
【0123】なお、マーカーを設けずに、CCDカメラ
163によって絶縁膜または半導体膜のパターンを認識
し、基板の位置合わせを行うようにしても良い。この場
合、コンピューター160に入力されたマスクによる絶
縁膜または半導体膜のパターン情報と、CCDカメラ1
63において収集された実際の絶縁膜または半導体膜の
パターン情報とを照らし合わせて、基板の位置情報を把
握することができる。この場合マーカーを別途設ける必
要がない。
【0124】また、基板に入射したレーザ光は該基板の
表面で反射し、入射したときと同じ光路を戻る、いわゆ
る戻り光となるが、該戻り光はレーザの出力や周波数の
変動や、ロッドの破壊などの悪影響を及ぼす。そのた
め、前記戻り光を取り除きレーザの発振を安定させるた
め、アイソレータを設置するようにしても良い。
【0125】なお、図6では、レーザ発振装置を複数台
設けたレーザ照射装置の構成について示したが、レーザ
発振装置は1台であってもよい。図7にレーザ発振装置
が1台の、レーザ照射装置の構成を示す。図7におい
て、201はレーザ発振装置、202はチラーである。
また215はエネルギー密度測定装置、203はAO変
調器、204は光学系、205はスリット、213はC
CDカメラである。基板206はステージ207上に設
置し、ステージ207の位置はX方向位置制御手段20
8、Y方向位置制御手段209によって制御されてい
る。そして図6に示したものと同様に、コンピューター
210によって、レーザ照射装置が有する各手段の動作
が制御されており、図6と異なるのはレーザ発振装置が
1つであることである。また光学系204は図6の場合
と異なり、1つのレーザ光を集光する機能を有していれ
ば良い。
【0126】このように本発明では、レーザ光による結
晶化の後、半導体膜の凹部のエッジ近傍または凸部のエ
ッジ近傍をパターニングにより除去し、凸部の中央付近
の結晶性が優れている部分をTFTの活性層として積極
的に用いることで、TFTのチャネル形成領域に粒界が
形成されるのを防ぐことができ、粒界によってTFTの
移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オ
フ電流が増加したりするのを防ぐことができる。なお、
どこまでを凸部のエッジ近傍としてパターニングで除去
するかは、設計者が適宜定めることができる。
【0127】また、半導体膜全体にレーザ光を走査して
照射するのではなく、少なくとも必要不可欠な部分を最
低限結晶化できるようにレーザ光を走査することで、半
導体膜を結晶化させた後パターニングにより除去される
部分にレーザ光を照射する時間を省くことができ、基板
1枚あたりにかかる処理時間を大幅に短縮することがで
きる。
【0128】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)本実施例は、段差形状を有する下地絶縁膜
上で結晶性半導体膜を形成し、凸上部に形成された結晶
性半導体膜にチャネル形成領域が配設されるTFTを作
製する一例を示す。
【0129】図34において、ガラス基板9601上に
100nmの窒酸化珪素膜でなる第1絶縁膜9602を形
成する。その上に酸化珪素膜を形成し、写真蝕刻により
矩形状のパターンを有する第2絶縁膜9603〜960
6を形成する。酸化珪素膜はプラズマCVD法でTEO
SとO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300
〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度
0.6W/cm2で放電させ150nmの厚さに堆積し、その
後矩形状のエッチングする。
【0130】そして、第1絶縁膜9602及び第2絶縁
膜9603〜9606を覆う非晶質珪素膜9607を1
00nmの厚さで形成し、連続発振レーザビームを照射し
て結晶化させる。図36はその上面図を示すものであ
り、A−A'線に対応する縦断面図が図34(A)に対
応している。また、第2絶縁膜9603〜9606に重
ねて一点差線で示す9610〜9612はTFTの活性
層が形成される位置を示している。
【0131】長手方向に均一なエネルギー密度分布を有
する線状レーザビーム9608を走査しながら照射する
ことにより図34(B)で示すように結晶性半導体膜9
609が形成される。均一なエネルギー密度分布とは、
完全に一定であるもの以外を排除することではなく、エ
ネルギー密度分布において許容される範囲は±20%で
ある。このようなレーザビームの照射は、図33で示す
構成のレーザ処理装置を適用することができる。光学系
にて集光したレーザビームは、その強度分布が長手方向
において均一な領域を有し、短手方向に分布を持ってい
ても良い。結晶化はこの強度分布が長手方向において均
一な領域で成されるようにし、これによりレーザビーム
の走査方向と平行な方向に結晶成長する効力を高めるこ
とができる。
【0132】その後、第2絶縁膜9603〜9606上
に結晶性半導体膜9609を残存させる形でエッチング
処理を施し、活性層9610〜9612を形成する。図
37はこの状態の上面図を示している。
【0133】図34(D)で示すようにゲート絶縁膜9
613を酸化珪素膜で、ゲート電極を形成する導電膜9
614をタングステン又はタングステンを含有する合金
で形成する。そして、写真蝕刻により図34(E)に示
すようにゲート電極9615、9616を形成する。
【0134】さらに、ドーピング処理を行い各活性層に
ソース及びドレイン領域を形成し、パッシベーション膜
9617及び平坦化膜9618を形成する。コンタクト
ホールを形成した後、平坦化膜9618上に形成される
配線9619〜9623はアルミニウム、チタンなどを
適宜組み合わせて形成する。こうしてシングルチャネル
のnチャネル型TFT9630、pチャネル型TFT9
631、及びマルチチャネルのnチャネル型TFT96
32が形成される。図38はこの状態での上面図を示し
たものであり、同図に示すA−A'線に対応する縦断面
図が図34(F)に対応している。ここでは、シングル
チャネルのnチャネル型TFT9630、pチャネル型
TFT9631によりインバータ回路を構成した一例を
示している。また、図38で示すB−B'線に対応する
縦断面図は図35に示されている。
【0135】尚、図39は、シングルチャネルのnチャ
ネル型TFT9630、pチャネル型TFT9631、
及びマルチチャネルのnチャネル型TFT9632の等
価回路を示す。マルチチャネルのnチャネル型TFT9
632は、ソース及びドレイン領域の間に複数のチャネ
ルが並列して設けられ一つのトランジスタを形成してい
る。このように、チャネル形成領域を並列に設けること
により、ソース及びドレイン領域の抵抗、及び/又は低
濃度ドレイン領域の抵抗により帰還がかかり、各チャネ
ル間に流れる電流を平準化することができる。このよう
な構成のトランジスタにより、複数の素子間での特性の
バラツキを小さくすることができる。
【0136】(実施例2)本実施例は、実施例1とは異
なる方向からレーザビームを照射する一例を示すもので
あり、その態様を図40を用いて説明する。
【0137】図40(A)は、第2絶縁膜9203、9
204上に非晶質珪素膜9207が形成され、連続発振
レーザビーム9205により結晶化をする段階を示して
いる。また、第2絶縁膜9203、9204に重ねて一
点差線で示す9210〜9212はTFTの活性層が形
成される位置を示している。
【0138】活性層9210〜9212は全体が第2絶
縁膜と重なっている必要はなく、少なくともチャネル形
成領域となる領域がその上に位置するように配設する。
歪みが蓄積された結晶領域がチャネル形成領域と重なら
なければ、図40(A)で示すような配置としても構わ
ない。
【0139】TFTを完成させるには、図40(B)に
示すように活性層にソース及びドレイン領域等を形成
し、パッシベーション膜や平坦化膜の形成、配線921
9〜9225を形成すれば良い。このような第2絶縁膜
と活性層との配列によっても、実施例1と同様なTFT
を完成させることができる。
【0140】(実施例3)活性層の形成においては、実
施例1で示すように非晶質半導体膜にレーザビームを照
射して結晶化させても良いが、一旦、多結晶化した後、
さらにレーザビームを照射してその結晶性を高めても良
い。このような二段階の結晶化処理は、実施例1と比較
して比較的歪みの少ない結晶性半導体膜を形成すること
を可能にする。
【0141】図41はその工程を示す縦断面図である。
図41(A)において、ガラス基板9401上に100
nmの酸窒化珪素膜でなる第1絶縁膜9402を形成す
る。その上に酸化珪素膜を形成し、写真蝕刻により矩形
状のパターンを有する第2絶縁膜9403〜9405を
形成する。そして、その上に非晶質珪素膜9406を1
50nmの厚さで形成する。
【0142】非晶質半導体膜9406の全面に、珪素の
結晶化温度を低温化させ、配向性を向上させることが可
能な触媒元素としてNiを添加する。Niの添加法に限
定はなく、スピン塗布法、蒸着法、スパッタ法などを適
用するこができる。スピン塗布法による場合には酢酸ニ
ッケル塩が5ppmの水溶液を塗布して触媒元素含有層9
407を形成する。勿論、触媒元素はNiに限定される
ものではなく、他の公知の材料を用いても良い。
【0143】その後、図41(B)で示すように580
℃、4時間の加熱処理により非晶質珪素膜9406を結
晶化させる。こうして結晶性珪素膜9411を得ること
ができる。この結晶性珪素膜9411も同様に、棒状ま
たは針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視
的にはある特定の方向性をもって成長しているため、結
晶性が揃っている。また、特定方位の配向率が高いとい
う特徴がある。
【0144】図41(C)で示すように、加熱処理によ
り結晶化した結晶性半導体膜に対し、連続発振レーザビ
ームを照射して結晶性を向上させる。長手方向に均一な
エネルギー密度分布を有する線状レーザ9413を走査
しながら照射することにより結晶性半導体膜9411を
溶融させ、再結晶化させる。また、結晶性半導体膜94
11において残存する非晶質領域もこの処理により結晶
化させることができる。この再結晶化処理により大粒径
化及び配向の制御が成される。また、結晶化の段階で、
若干の堆積収縮は発生し、その歪みは段差部に蓄積さ
れ、第2絶縁膜上の結晶性半導体膜には作用しない形で
結晶性半導体膜9412を形成することができる。
【0145】以降は、実施例1と同様な処理によりTF
Tを完成させることができる。
【0146】(実施例4)段差形状を有する下地絶縁膜
の作製方法は、実施例1に従えば、図42(A)で示す
ようにガラス基板9701上に窒酸化珪素膜で形成され
る第1絶縁膜9702、酸化珪素膜で形成される第2絶
縁膜9703を積層形成した後、図42(B)で示す様
にマスク9704を形成して、第2絶縁膜9703を9
705〜9707で示すパターンに形成する。エッチン
グ方法の一例はウエットエッチングであり、フッ化水素
アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アン
モニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液で第1
絶縁膜9702に対して比較的選択性良くエッチングす
ることができる。
【0147】この上に非晶質半導体膜9709を形成す
る段階では、下地絶縁膜との界面の汚染の影響を避ける
ため、プラズマCVD装置の中で酸窒化珪素膜9708
と非晶質半導体膜9709を大気開放することなく連続
的に形成すると良い。このような処理方法により清浄な
界面を形成することができ、結晶化に際して、界面不純
物に起因するような制御されない結晶核の発生を防止す
ることができる。
【0148】以降は実施例1または実施例2と同様な処
理によりTFTを完成させることができる。
【0149】(実施例5)段差形状を有する下地絶縁膜
の他の作製方法として、図43(A)に示すように、ガ
ラス基板9701上に酸化珪素膜を形成した後、マスク
9710を用いた写真蝕刻により酸化珪素膜から成り、
矩形又は帯状にパターン形成された第1絶縁膜9711
〜9713を形成する。
【0150】その後、マスク9710を剥離した後、酸
窒化珪素膜を第1絶縁膜9711〜9713を覆う形で
形成し、第2絶縁膜9714とする。この第2絶縁膜上
に非晶質半導体膜9715を形成する。第2絶縁膜とし
て形成する酸窒化珪素膜は、ガラス基板9701が含有
するアルカリ金属等に対しブロッキング性があり、か
つ、内部応力が比較的低いので、半導体膜と接する下地
絶縁膜として適している。
【0151】以降は実施例1〜3のいずれか一と同様な
処理によりTFTを完成させることができる。
【0152】(実施例6)本発明は様々な半導体装置に
適用できるものであり、実施例1〜5に基づいて作製さ
れる表示パネルの形態を図44と図45を用いて説明す
る。
【0153】図44は基板9900には画素部990
2、ゲート信号側駆動回路9901a、9901b、デ
ータ信号側駆動回路9901c、入出力端子9935、
配線又は配線群9917が備えられている。シールドパ
ターン9940はゲート信号側駆動回路9901a、9
901b、データ信号側駆動回路9901c及び当該駆
動回路部と入出力端子9935とを接続する配線又は配
線群9917と一部が重なっていても良い。このように
すると、表示パネルの額縁領域(画素部の周辺領域)の
面積を縮小させることができる。入出力端子9935に
は、FPC9936が固着されている。
【0154】実施例1、2で示すTFTは画素部990
2のスイッチング素子として、さらにゲート信号側駆動
回路9901a、9901b、データ信号側駆動回路9
901cを構成する能動素子として適用することができ
る。
【0155】図45は画素部9902の一画素の構成を
示す一例であり、TFT9801〜9803が備えられ
ている。これらは、画素に備える発光素子や液晶素子を
制御するそれぞれスイッチング用、リセット用、駆動用
のTFTである。
【0156】これらのTFTの活性層9812〜981
4は、その下層に形成されている下地絶縁膜の凸上部に
配置されており、活性層を形成する結晶性半導体膜は実
施例1〜5に基づいて形成することができる。活性層9
812〜9814の上層には、ゲート配線9815〜9
817が形成され、パッシベーション膜及び平坦化膜を
介して信号線9818、電源線9819、その他各種配
線9820、9821、及び画素電極9823が形成さ
れている。
【0157】(実施例7)本発明を用いて作製されるT
FTを搭載した半導体装置は、様々な適用が可能であ
る。その一例は、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコ
ンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、デジタルカ
メラ、パーソナルコンピュータ、テレビ受像器、携帯電
話、投影型表示装置等が挙げられる。それらの一例を図
46、図47に示す。
【0158】図46(A)は本発明を適用してテレビ受像
器を完成させる一例であり、筐体3001、支持台30
02、表示部3003等により構成されている。本発明
により作製されるTFTは表示部3003に適用され、
本発明によりテレビ受像器を完成させることができる。
【0159】図46(B)は本発明を適用してビデオカメ
ラを完成させた一例であり、本体3011、表示部30
12、音声入力部3013、操作スイッチ3014、バ
ッテリー3015、受像部3016等により構成されて
いる。本発明により作製されるTFTは表示部3012
に適用され、本発明によりビデオカメラを完成させるこ
とができる。
【0160】図46(C)は本発明を適用してノート型の
パーソナルコンピュータを完成させた一例であり、本体
3021、筐体3022、表示部3023、キーボード
3024等により構成されている。本発明により作製さ
れるTFTは表示部3023に適用され、本発明により
パーソナルコンピュータを完成させることができる。
【0161】図46(D)は本発明を適用してPDA(Per
sonal Digital Assistant)を完成させた一例であり、本
体3031、スタイラス3032、表示部3033、操
作ボタン3034、外部インターフェース3035等に
より構成されている。本発明により作製されるTFTは
表示部3033に適用され、本発明によりPDAを完成
させることができる。
【0162】図46(E)は本発明を適用して音響再生装
置を完成させた一例であり、具体的には車載用のオーデ
ィオ装置であり、本体3041、表示部3042、操作
スイッチ3043、3044等により構成されている。
本発明により作製されるTFTは表示部3042に適用
され、本発明によりオーディオ装置を完成させることが
できる。
【0163】図46(F)は本発明を適用してデジタルカ
メラを完成させた一例であり、本体3051、表示部
(A)3052、接眼部3053、操作スイッチ305
4、表示部(B)3055、バッテリー3056等により
構成されている。本発明により作製されるTFTは表示
部(A)3052および表示部(B)3055に適用され、
本発明によりデジタルカメラを完成させることができ
る。
【0164】図46(G)は本発明を適用して携帯電話を
完成させた一例であり、本体3061、音声出力部30
62、音声入力部3063、表示部3064、操作スイ
ッチ3065、アンテナ3066等により構成されてい
る。本発明により作製されるTFTは表示部3064に
適用され、本発明により携帯電話を完成させることがで
きる。
【0165】図47(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置2601、スクリーン2602等を含
む。図47(B)はリア型プロジェクターであり、本体
2701、投射装置2702、ミラー2703、スクリ
ーン2704等を含む。
【0166】尚、図47(C)は、図47(A)及び図
47(B)中における投射装置2601、2702の構
造の一例を示した図である。投射装置2601、270
2は、光源光学系2801、ミラー2802、2804
〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズム
2807、液晶表示装置2808、位相差板2809、
投射光学系2810で構成される。投射光学系2810
は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は
三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式
であってもよい。また、図47(C)中において矢印で
示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を
有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、
IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0167】また、図47(D)は、図47(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、レンズアレイ2813、2
814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で
構成される。なお、図47(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0168】尚、ここで示す装置はごく一例であり、こ
れらの用途に限定するものではない。
【0169】(実施例8)本実施例では、凹凸を有する
絶縁膜の形成の仕方について説明する。
【0170】まず、図8(A)に示すように、基板25
0上に第1の絶縁膜251を成膜する。第1の絶縁膜2
51は本実施例では酸化窒化珪素を用いるがこれに限定
されず、第2の絶縁膜とエッチングにおける選択比が大
きい絶縁膜であれば良い。本実施例では第1の絶縁膜2
51をCVD装置でSiH4とN2Oを用いて50〜20
0nmの厚さになるように形成した。なお第1の絶縁膜は
単層であっても、複数の絶縁膜を積層した構造であって
もよい。
【0171】次に、図8(B)に示すように、第1の絶
縁膜251に接するように第2の絶縁膜252を形成す
る。第2の絶縁膜252は後の工程においてパターニン
グし、凹凸を形成したときに、その後に成膜される半導
体膜の表面に凹凸が現れる程度の膜厚にする必要があ
る。本実施例では第2の絶縁膜252として、プラズマ
CVD法を用いて30nm〜300nmの酸化珪素を形
成する。
【0172】次に、図8(C)に示すようにマスク25
3を形成し、第2の絶縁膜252をエッチングする。な
お本実施例では、フッ化水素アンモニウム(NH4
2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を
15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名
LAL500)をエッチャントとし、20℃においてウ
エットエッチングを行う。このエッチングにより、矩形
状またはストライプ状の凸部254が形成される。本明
細書では、第1の絶縁膜251と凸部254とを合わせ
て1つの絶縁膜とみなす。
【0173】次に、第1の絶縁膜251と凸部254を
覆うように半導体膜を形成する。本実施例では凸部の厚
さが30nm〜300nmであるので、半導体膜の膜厚
を50〜200nmとするのが望ましく、ここでは60
nmとする。なお、半導体膜と絶縁膜との間に不純物が
混入すると、半導体膜の結晶性に悪影響を与え、作製す
るTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を増大さ
せる可能性があるため、絶縁膜と半導体膜とは連続して
成膜するのが望ましい。そこで本実施例では、第1の絶
縁膜251と凸部253とからなる絶縁膜を形成した後
は、酸化珪素膜255を薄く該絶縁膜上に成膜し、その
後大気にさらさないように連続して半導体膜256を成
膜する。酸化珪素膜の厚さは設計者が適宜設定すること
ができるが、本実施例では5nm〜30nm程度とし
た。
【0174】なお、第2の絶縁膜252をエッチングす
る際に、凸部をテーパー状にエッチングするようにして
も良い。凸部をテーパー状にすることで、絶縁膜状に形
成される半導体膜、ゲート絶縁膜、ゲート電極などが凸
部のエッジにおいて膜切れするのを防ぐことができる。
【0175】次に、図8とは異なる絶縁膜の形成の仕方
について説明する。まず図9(A)に示すように基板2
60上に第1の絶縁膜261を形成する。第1の絶縁膜
は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などで形
成する。
【0176】酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマC
VD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Or
thosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力4
0Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.
56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形
成することができる。酸化窒化珪素膜を用いる場合に
は、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作
製される酸化窒化珪素膜、またはSiH4、N2Oから作
製される酸化窒化珪素膜で形成すれば良い。この場合の
作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜
400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜
1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4
2O、H2から作製される酸化窒化水素化珪素膜を適用
しても良い。窒化珪素膜も同様にプラズマCVD法でS
iH4、NH3から作製することが可能である。
【0177】第1の絶縁膜は20〜200nm(好ましく
は30〜60nm)の厚さに基板の全面に形成した後、図
9(B)に示すように、フォトリソグラフィーの技術を
用いマスク262を形成する。そして、エッチングによ
り不要な部分を除去して、ストライプ状または矩形状の
凸部263を形成する。第1の絶縁膜261に対しては
フッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても
良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング
法を用いても良い。後者の方法を選択する場合には、例
えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.1
3%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含
む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL50
0)でエッチングすると良い。
【0178】次いで、凸部263及び基板260を覆う
ように、第2の絶縁膜264を形成する。この層は第1
の絶縁膜261と同様に酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化
窒化珪素膜などで50〜300nm(好ましくは100〜
200nm)の厚さに形成する。
【0179】上記作製工程によって、凸部263及び第
2の絶縁膜264からなる絶縁膜が形成される。なお、
第2の絶縁膜264を形成した後、大気に曝さないよう
に連続して半導体膜を成膜するようにすることで、半導
体膜と絶縁膜の間に大気中の不純物が混入するのを防ぐ
ことができる。
【0180】次に、レーザ光の走査方向に対して垂直な
方向における断面において、三角形状の凸部を有する絶
縁膜について説明する。図10(A)と(B)に、絶縁
膜の凸部のエッジの角度が異なる絶縁膜の断面図を示
す。図10(A)では絶縁膜270の凸部のエッジの角
度θAが70.5°であり、図10(B)では絶縁膜2
71の凸部のエッジの角度θBが109.5°である。
図10(A)では、半導体膜の基板と平行な面において
(100)面の比率が高くなり、図10(B)では(1
10)面の比率が高くなる。
【0181】図10に示した三角形状の絶縁膜は、ドラ
イエッチング法を用いてエッチングする際に、半導体膜
と共にマスクをエッチングすることで得られる。
【0182】図11を用いて図10に示した絶縁膜の作
製方法について説明する。図11(A)に示すように、
基板272上に絶縁膜273を成膜する。そして絶縁膜
273上にマスク274を形成する。次に、マスク27
4を用いてドライエッチング法によりエッチングするこ
とで、図11(B)に示すように絶縁膜273がエッチ
ングされ、絶縁膜テーパー形状を有する絶縁膜276と
なる。このとき、マスク274もエッチングされ、ひと
まわり小さいマスク275となる。
【0183】そしてドライエッチングを続行するにつ
れ、図11(C)に示すように絶縁膜276がエッチン
グされ、基板に対するテーパーの角度が小さくなり、絶
縁膜279となる。このとき、マスク275もエッチン
グされ、ひとまわり小さいマスク278となる。
【0184】そして、マスク278がエッチングにより
完全に除去されるまでエッチングを進めることで、図1
1(C)に示すような三角形状の断面を有する絶縁膜2
80を形成することができる。なお、凸部のエッジの角
度は、エッチング前の絶縁膜の膜厚と、エッチング前の
マスク274の、レーザ光の走査方向に対してと垂直な
方向における幅と、エッチングにおける絶縁膜とマスク
との選択比によって調整することが可能である。
【0185】なお、図10に示した絶縁膜上に形成され
た半導体膜を、レーザ光により結晶化することで、絶縁
膜の平坦な部分に接している領域よりも、凸部のエッジ
及び凹部のエッジの近傍に粒界が形成されやすいため、
凸部のエッジ及び凹部のエッジの近傍の半導体膜をパタ
ーニングにより除去し、残りの結晶性の比較的優れてい
る部分を活性層として用いるのが望ましい。
【0186】(実施例9)本実施例では、ストライプ状
の絶縁膜上に形成された半導体膜を、レーザ光照射によ
り結晶化した後、凸部の基板と平行な面上に、互いに分
離されたアイランドを形成し、該アイランドを用いてT
FTを作製する例について説明する。
【0187】図12(A)に、本実施例のTFTの構造
を示す。図12(A)では、基板150状にストライプ
状の凸部151を有する絶縁膜152が形成されてい
る。そして、凸部151の上面に、互いに分離された複
数のアイランド153が形成されている。そして、アイ
ランド153に接するようにゲート絶縁膜154が形成
されている。なお、ゲート絶縁膜154は、図12
(A)ではアイランドの不純物領域となる部分を露出す
るように形成されているが、アイランド154全体を覆
うように形成されていても良い。
【0188】そして、ゲート絶縁膜154上に、複数の
各アイランド153と重なるように複数のゲート電極1
55が形成されている。複数のゲート電極155は、回
路構成によっては互いに接続されていても良い。
【0189】なお、図12(A)のA−A’における断
面図が図12(B)に相当し、図12(A)のB−B’
における断面図が図12(C)に相当する。図12
(C)に示すように、各ゲート電極155は、ゲート絶
縁膜154を間に挟んでアイランド153のチャネル形
成領域156と重なっている。チャネル形成領域156
は同じくアイランド153に含まれる2つの不純物領域
157に挟まれている。
【0190】本実施例は実施例8と組み合わせて実施す
ることが可能である。
【0191】(実施例10)本実施例では、絶縁膜の形
状のバリエーションについて説明する。
【0192】図13(A)に、本発明の絶縁膜の形状
の、一実施例を示す。図13(A)では、基板170上
に絶縁膜171が形成されており、該絶縁膜171は複
数の凸部172を有している。各凸部172は上面から
見た形状が矩形である。そして全ての凸部は、その矩形
の長辺方向または短辺方向が、矢印で示したレーザ光の
走査方向と平行である。
【0193】また、各凸部172はレーザ光の走査方向
における幅と、走査方向に対して垂直な方向における幅
が、互いに全て同じになっているわけではない。所望の
アイランドの形状に合わせて絶縁膜の形状を設計するこ
とが望ましい。
【0194】図13(B)に、本発明の絶縁膜の形状
の、一実施例を示す。図13(B)では、基板180上
に絶縁膜181が形成されており、該絶縁膜181は上
面から見てスリット状の開口部を有する矩形状の凸部1
82が形成されている。凸部182は、そのスリットの
長辺方向または短辺方向が、矢印で示したレーザ光の走
査方向と平行である。
【0195】次に、図13(B)に示したスリット状の
開口部を有する絶縁膜を用いて形成された、TFTの構
成の一例について説明する。
【0196】図14(A)に本実施例のTFTの上面図
を示す。図14(A)に示すように、本実施例では内部
にスリット状の開口部を有した矩形状の凸部160を有
する絶縁膜を用いた。凸部160を覆うように半導体膜
を成膜し、該スリット状の開口部の長軸方向に沿ってレ
ーザ光を矢印に示す方向に走査し、該半導体膜を結晶化
させる。そして、該半導体膜をパターニングし、凸部の
上面に形成された開口部を有するアイランド161を形
成する。
【0197】そして、該アイランド161に接するよう
にゲート絶縁膜162を形成する。なお、図14(A)
のA−A’における断面図を図14(B)に、B−B’
における断面図を図14(C)に、C−C’における断
面図を図14(D)に示す。
【0198】そしてゲート絶縁膜162上に導電性を有
する膜を成膜し、該導電膜をパターニングすることでゲ
ート電極163が形成されている。なおゲート電極16
3は、ゲート絶縁膜162を間に挟んで、アイランド1
61のチャネル形成領域164と重なっており、チャネ
ル形成領域164はアイランド161に含まれる2つの
不純物領域165に挟まれている。
【0199】そしてゲート電極163、アイランド16
1及びゲート絶縁膜162を覆うように、第1の層間絶
縁膜166が形成されている。第1の層間絶縁膜166
は無機絶縁膜からなり、アイランド161にアルカリ金
属などのTFTの特性に悪影響を与える物質が混入する
のを防ぐ効果がある。
【0200】そして、第1の層間絶縁膜166上に有機
樹脂からなる第2の層間絶縁膜167が形成されてい
る。そして第2の層間絶縁膜167、第1の層間絶縁膜
166及びゲート絶縁膜162は、エッチングにより開
口部が形成されており、該開口部を介して2つの不純物
領域165と、ゲート電極163とにそれぞれ接続され
た配線168から169が第2の層間絶縁膜167上に
形成されている。
【0201】本実施例においては、チャネル形成領域1
64が複数形成されており、かつ複数のチャネル形成領
域が互いに分離しているので、チャネル形成領域のチャ
ネル幅を長くすることでオン電流を確保しつつ、TFT
を駆動させることで発生した熱を効率的に放熱すること
ができる。
【0202】(実施例11)本実施例では、本発明のレ
ーザ結晶化法を用いた、アクティブマトリクス基板の作
製方法について、図15〜図18を用いて説明する。本
明細書ではCMOS回路、及び駆動回路と、画素TF
T、保持容量とを有する画素部を同一基板上に形成され
た基板を、便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0203】まず、本実施例ではバリウムホウケイ酸ガ
ラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスか
らなる基板600を用いる。なお、基板600として
は、石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレ
ス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。
また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性が有するプ
ラスチック基板を用いてもよい。
【0204】次いで、基板600上に酸化珪素膜、窒化
珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜から成る絶縁
膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマ
CVD法等)により、100〜300nmの厚さで形成す
る。
【0205】次に、この絶縁膜に膜厚の厚い部分と薄い
部分を形成するために、本実施例では写真蝕刻(フォト
リソグラフィー)技術によりレジストのマスク693を
形成し、エッチング処理を施す。エッチング量によって
段差が決まるが、本実施例では概ね50〜100nmとす
る。例えば、150nm酸化窒化シリコン膜を75nmエッ
チングするには、フッ酸を含む溶液を用いたウエットエ
ッチングを用いても良いし、CF4を用いたドライエッ
チングなどを適用することができる。このよう、凸形状
が形成された絶縁膜601を形成する。このとき凸領域
のレーザ光の走査方向に対して垂直な方向における幅
は、作製するTFTの大きさを考慮して適宣決めれば良
いが、結晶核の生成数を制御する目的においては2〜6
μm程度の大きさ(直径若しくは対角線長さ)が好まし
い(図15(A))。
【0206】次いで、絶縁膜601上に、公知の手段
(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)に
より25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚
さで非晶質半導体膜692を形成する(図15
(B))。なお、本実施例では非晶質半導体膜を成膜し
ているが、微結晶半導体膜、結晶性半導体膜であっても
良い。また、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構
造を有する化合物半導体膜を用いても良い。
【0207】次に、非晶質半導体膜692をレーザ結晶
化法により結晶化させる。レーザ光の走査方向は、絶縁
膜601におけるストライプ状の凸部の延長方向に平行
になるようにする。なお、絶縁膜601における凸部
が、基板上から見たとき矩形である場合は、該矩形の長
辺方向または短辺方向と平行になるように、レーザ光の
走査方向を定める。具体的には、レーザ照射装置のコン
ピューターに入力されたマスクの情報に従って、選択的
にレーザ光を照射する。もちろん、レーザ結晶化法だけ
でなく、他の公知の結晶化法(RTAやファーネスアニ
ール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素
を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。
なお本実施例では、スリットを用いてレーザビームの幅
を、絶縁膜の走査方向に対して垂直な方向における幅に
合わせて変える例を示すが、本発明はこれに限定され
ず、スリットは必ずしも用いる必要はない。
【0208】非晶質半導体膜の結晶化に際し、連続発振
が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4
高調波を用いることで、大粒径の結晶を得ることができ
る。代表的には、Nd:YVO4レーザ(基本波1064
nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355n
m)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のY
VO4レーザーから射出されたレーザー光を非線形光学
素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザー光を
得る。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素
子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好
ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状
のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このとき
のエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度
(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要であ
る。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレー
ザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射する。
【0209】なおレーザ照射は、パルス発振または連続
発振の気体レーザもしくは固体レーザを用いることがで
きる。気体レーザとして、エキシマレーザ、Arレー
ザ、Krレーザなどがあり、固体レーザとして、YAG
レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レー
ザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライド
レーザ、Ti:サファイアレーザ、Y23レーザーなど
が挙げられる。固体レーザとしては、Cr、Nd、E
r、Ho、Ce、Co、Ti、Yb又はTmがドーピン
グされたYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結
晶を使ったレーザ等も使用可能である。またスラブレー
ザも用いることができる。当該レーザの基本波はドーピ
ングする材料によって異なり、1μm前後の基本波を有
するレーザ光が得られる。基本波に対する高調波は、非
線形光学素子を用いることで得ることができる。
【0210】上述したレーザ結晶化によって、結晶性が
高められた結晶性半導体膜694が形成される(図15
(C))。結晶性半導体膜は、凸部のエッジ近傍または
凹部のエッジ近傍において、粒界が発生しやすい。
【0211】次に、結晶性が高められた結晶性半導体膜
694を所望の形状にパターニングして、結晶化された
アイランド602〜606を形成する(図15
(D))。
【0212】また、アイランド602〜606を形成し
た後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物
元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよ
い。
【0213】次いで、アイランド602〜606を覆う
ゲート絶縁膜607を形成する。ゲート絶縁膜607は
プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40
〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実
施例では、プラズマCVD法により110nmの厚さで
酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N
=7%、H=2%)で形成した。勿論、ゲート絶縁膜は
酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含
む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0214】また、酸化珪素膜を用いる場合には、プラ
ズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)
とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜
400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.
5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。
このようにして作製される酸化珪素膜は、その後400
〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好
な特性を得ることができる。
【0215】次いで、ゲート絶縁膜607上に膜厚20
〜100nmの第1の導電膜608と、膜厚100〜4
00nmの第2の導電膜609とを積層形成する(図1
6(A))。本実施例では、膜厚30nmのTaN膜か
らなる第1の導電膜608と、膜厚370nmのW膜か
らなる第2の導電膜609を積層形成した。TaN膜は
スパッタ法で形成し、Taのターゲットを用い、窒素を
含む雰囲気内でスパッタする。また、W膜は、Wのター
ゲットを用いたスパッタ法で形成した。その他に6フッ
化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成す
ることもできる。いずれにしてもゲート電極として使用
するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率
は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶
粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができる
が、W膜中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶
化が阻害され高抵抗化する。従って、本実施例では、高
純度のW(純度99.9999%)のターゲットを用い
たスパッタ法で、さらに成膜時に気相中からの不純物の
混入がないように十分配慮してW膜を形成することによ
り、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0216】なお、本実施例では、第1の導電膜608
をTaN、第2の導電膜609をWとしたが、特に限定
されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、
Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分
とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。
また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素
膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgP
dCu合金を用いてもよい。また、第1の導電膜をタン
タル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組
み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(TiN)膜で形
成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導
電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜
をWとする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル
(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をAl膜とする組
み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で
形成し、第2の導電膜をCu膜とする組み合わせとして
もよい。
【0217】また、2層構造に限定されず、例えば、タ
ングステン膜、アルミニウムとシリコンの合金(Al−
Si)膜、窒化チタン膜を順次積層した3層構造として
もよい。また、3層構造とする場合、タングステンに代
えて窒化タングステンを用いてもよいし、アルミニウム
とシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウ
ムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、
窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
【0218】なお、導電膜の材料によって、適宜最適な
エッチングの方法や、エッチャントの種類を選択するこ
とが重要である。
【0219】次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジ
ストからなるマスク610〜615を形成し、電極及び
配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第
1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件
で行う(図16(B))。本実施例では第1のエッチン
グ条件として、ICP(Inductively Coupled Plasma:
誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング
用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス
流量比を25:25:10(sccm)とし、1Paの圧
力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力
を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。基板
側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電
力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加す
る。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチング
して第1の導電層の端部をテーパー形状とする。
【0220】この後、レジストからなるマスク610〜
615を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッ
チング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス
流量比を30:30(sccm)とし、1Paの圧力でコ
イル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入
してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行
った。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56
MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を
印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条
件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされ
る。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチ
ングするためには、10〜20%程度の割合でエッチン
グ時間を増加させると良い。
【0221】上記第1のエッチング処理では、レジスト
からなるマスクの形状を適したものとすることにより、
基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電
層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。この
テーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第
1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層
から成る第1の形状の導電層617〜622(第1の導
電層617a〜622aと第2の導電層617b〜62
2b)を形成する。616はゲート絶縁膜であり、第1
の形状の導電層617〜622で覆われない領域は20
〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成され
る。
【0222】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行う(図16(C))。こ
こでは、エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用
い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエ
ッチング処理により第2の導電層628b〜633bを
形成する。一方、第1の導電層617a〜622aは、
ほとんどエッチングされず、第2の形状の導電層628
〜633を形成する。
【0223】そして、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第1のドーピング処理を行い、アイランドにn型を
付与する不純物元素を低濃度に添加する。ドーピング処
理はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行えば良
い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5
×1014atoms/cm2とし、加速電圧を40〜80kVと
して行う。本実施例ではドーズ量を1.5×1013atom
s/cm2とし、加速電圧を60kVとして行う。n型を付
与する不純物元素として15族に属する元素、典型的に
はリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここでは
リン(P)を用いる。この場合、導電層628〜633
がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自
己整合的に不純物領域623〜627が形成される。不
純物領域623〜627には1×1018〜1×1020/c
m3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
【0224】レジストからなるマスクを除去した後、新
たにレジストからなるマスク634a〜634cを形成
して第1のドーピング処理よりも高い加速電圧で第2の
ドーピング処理を行う。イオンドープ法の条件はドーズ
量を1×1013〜1×1015 atoms/cm2とし、加速電圧
を60〜120kVとして行う。ドーピング処理は第2
の導電層628b〜632bを不純物元素に対するマス
クとして用い、第1の導電層のテーパー部の下方のアイ
ランドに不純物元素が添加されるようにドーピングす
る。続いて、第2のドーピング処理より加速電圧を下げ
て第3のドーピング処理を行って図17(A)の状態を
得る。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1015
1×1017 atoms/cm2とし、加速電圧を50〜100k
Vとして行う。第2のドーピング処理および第3のドー
ピング処理により、第1の導電層と重なる低濃度不純物
領域636、642、648には1×1018〜5×10
19/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加さ
れ、高濃度不純物領域635、641、644、647
には1×1019〜5×1021/cm3の濃度範囲でn型を付
与する不純物元素を添加される。
【0225】もちろん、適当な加速電圧にすることで、
第2のドーピング処理および第3のドーピング処理は1
回のドーピング処理で、低濃度不純物領域および高濃度
不純物領域を形成することも可能である。
【0226】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、新たにレジストからなるマスク650a〜650
cを形成して第4のドーピング処理を行う。この第4の
ドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層と
なるアイランドに前記一導電型とは逆の導電型を付与す
る不純物元素が添加された不純物領域653、654、
659、660を形成する。第2の導電層628a〜6
32aを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を
付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域
を形成する。本実施例では、不純物領域653、65
4、659、660はジボラン(B26)を用いたイオ
ンドープ法で形成する(図17(B))。この第4のド
ーピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する
アイランドはレジストからなるマスク650a〜650
cで覆われている。第1乃至第3のドーピング処理によ
って、不純物領域653と654、また659と660
にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、そ
のいずれの領域においてもp型を付与する不純物元素の
濃度を1×1019〜5×1021atoms/cm3となるように
ドーピング処理することにより、pチャネル型TFTの
ソース領域およびドレイン領域として機能するために何
ら問題は生じない。
【0227】以上までの工程で、それぞれのアイランド
に不純物領域が形成される。
【0228】次いで、レジストからなるマスク650a
〜650cを除去して第1の層間絶縁膜661を形成す
る。この第1の層間絶縁膜661としては、プラズマC
VD法またはスパッタ法を用い、厚さを50〜200n
mとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、
プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化窒化珪素
膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜661は酸化窒
化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁
膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0229】次いで、図17(C)に示すように、活性
化処理としてレーザ照射方法を用いる。レーザアニール
法を用いる場合、結晶化の際に用いたレーザを使用する
ことが可能である。活性化の場合は、移動速度は結晶化
と同じにし、0.01〜100MW/cm2程度(好ま
しくは0.01〜10MW/cm2)のエネルギー密度
が必要となる。また結晶化の際には連続発振のレーザを
用い、活性化の際にはパルス発振のレーザを用いるよう
にしても良い。
【0230】また、第1の層間絶縁膜を形成する前に活
性化処理を行っても良い。
【0231】そして、加熱処理(300〜550℃で1
〜12時間の熱処理)を行うと水素化を行うことができ
る。この工程は第1の層間絶縁膜661に含まれる水素
によりアイランドのダングリングボンドを終端する工程
である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プ
ラズマにより励起された水素を用いる)や、3〜100
%の水素を含む雰囲気中で300〜650℃で1〜12
時間の加熱処理を行っても良い。この場合は、第1の層
間絶縁膜の存在に関係なく半導体層を水素化することが
できる。
【0232】次いで、第1の層間絶縁膜661上に無機
絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第2の層間絶
縁膜662を形成する。本実施例では、膜厚1.6μm
のアクリル樹脂膜を形成した。次に、第2の層間絶縁膜
662を形成した後、第2の層間絶縁膜662に接する
ように、第3の層間絶縁膜672を形成する。本実施例
では第3の層間絶縁膜672として、窒化珪素膜を用い
た。
【0233】そして、駆動回路686において、各不純
物領域とそれぞれ電気的に接続する配線663〜667
を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのT
i膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金
膜)との積層膜をパターニングして形成する。もちろ
ん、二層構造に限らず、単層構造でもよいし、三層以上
の積層構造にしてもよい。また、配線の材料としては、
AlとTiに限らない。例えば、TaN膜上にAlやC
uを形成し、さらにTi膜を形成した積層膜をパターニ
ングして配線を形成してもよい(図18)。
【0234】また、画素部687においては、画素電極
670、ゲート配線669、接続電極668を形成す
る。この接続電極668によりソース配線(633aと
633bの積層)は、画素TFTと電気的な接続が形成
される。また、ゲート配線669は、画素TFTのゲー
ト電極と電気的な接続が形成される。また、画素電極6
70は、画素TFTのドレイン領域644と電気的な接
続が形成され、さらに保持容量を形成する一方の電極と
して機能するアイランド606と電気的な接続が形成さ
れる。また本願では画素電極と接続電極とを同じ材料で
形成しているが、画素電極670としてAlまたはAg
を主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性の
優れた材料を用いることが望ましい。
【0235】以上の様にして、nチャネル型TFT68
1とpチャネル型TFT682からなるCMOS回路、
及びnチャネル型TFT683を有する駆動回路686
と、画素TFT684、保持容量685とを有する画素
部687を同一基板上に形成することができる。こうし
て、アクティブマトリクス基板が完成する。
【0236】駆動回路686のnチャネル型TFT68
1はチャネル形成領域637、ゲート電極の一部を構成
する第1の導電層628aと重なる低濃度不純物領域6
36(GOLD(Gate Overlapped LDD)領域)、ソー
ス領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物
領域652を有している。このnチャネル型TFT68
1と電極666で接続してCMOS回路を形成するpチ
ャネル型TFT682にはチャネル形成領域640、ソ
ース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純
物領域653と、p型を付与する不純物元素が導入され
た不純物領域654を有している。また、nチャネル型
TFT683にはチャネル形成領域643、ゲート電極
の一部を構成する第1の導電層630aと重なる低濃度
不純物領域642(GOLD領域)、ソース領域または
ドレイン領域として機能する高濃度不純物領域656を
有している。
【0237】画素部の画素TFT684にはチャネル形
成領域646、ゲート電極の外側に形成される低濃度不
純物領域645(LDD領域)、ソース領域またはドレ
イン領域として機能する高濃度不純物領域644を有し
ている。また、保持容量685の一方の電極として機能
するアイランドには、n型を付与する不純物元素および
p型を付与する不純物元素が添加されている。保持容量
685は、絶縁膜616を誘電体として、電極(632
aと632bの積層)と、アイランド606とで形成し
ている。
【0238】本実施例の画素構造は、ブラックマトリク
スを用いることなく、画素電極間の隙間が遮光されるよ
うに、画素電極の端部をソース配線と重なるように配置
形成する。
【0239】なお本実施例では液晶表示装置に用いられ
るアクティブマトリクス基板の構成について説明した
が、本実施例の作成工程を用いて発光装置を作製するこ
ともできる。発光装置とは、基板上に形成された発光素
子を該基板とカバー材の間に封入した表示用パネルおよ
び該表示用パネルにTFT等を実装した表示用モジュー
ルを総称したものである。なお、発光素子は、電場を加
えることで発生するルミネッセンス(Electro Luminesc
ence)が得られる有機化合物を含む層(発光層)と陽極
層と、陰極層とを有する。
【0240】なお本実施例で用いられる発光素子は、正
孔注入層、電子注入層、正孔輸送層または電子輸送層等
が、無機化合物単独で、または有機化合物に無機化合物
が混合されている材料で形成されている形態をも取り得
る。また、これらの層どうしが互いに一部混合していて
も良い。
【0241】(実施例12)本実施例では、半導体膜の
結晶化に際し、レーザ光の照射の工程と、触媒を用いて
半導体膜を結晶化させる工程とを組み合わせた例につい
て説明する。触媒元素を用いる場合、特開平7−130
652号公報、特開平8−78329号公報で開示され
た技術を用いることが望ましい。
【0242】まず、図19(A)に示すように基板50
0上に、凸部502を有する絶縁膜501を形成する。
そして該絶縁膜501上に半導体膜503を形成する。
【0243】次に触媒元素を用いて半導体膜503を結
晶化させる(図19(B))。例えば特開平7−130
652号公報に開示されている技術を用いる場合、重量
換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液
を半導体膜503に塗布してニッケル含有層504を形
成し、500℃、1時間の脱水素工程の後、500〜6
50℃で4〜12時間、例えば550℃、8時間の熱処
理を行い、結晶性が高められた半導体膜505を形成す
る。尚、使用可能な触媒元素は、ニッケル(Ni)の以
外にも、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウ
ム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(C
o)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、といっ
た元素を用いても良い。
【0244】そして、レーザ光照射により、NiSPC
により結晶化された半導体膜505から、結晶性がさら
に高められた半導体膜506が形成される。レーザ光照
射により得られた半導体膜506は触媒元素を含んでお
り、レーザ光照射後にその触媒元素を半導体膜506か
ら除去する工程(ゲッタリング)を行う。ゲッタリング
は特開平10−135468号公報または特開平10−
135469号公報等に記載された技術を用いることが
できる。
【0245】具体的には、レーザ照射後に得られる半導
体膜506の一部にリンを添加した領域507を形成す
る。、窒素雰囲気中で550〜800℃、5〜24時
間、例えば600℃、12時間の熱処理を行う。すると
半導体膜506のリンが添加された領域507がゲッタ
リングサイトとして働き、半導体膜506中に存在する
触媒元素を、リンが添加された507領域に偏析させる
ことができる(図19(D))。
【0246】その後、半導体膜506のリンが添加され
た507領域をパターニングにより除去することで、触
媒元素の濃度を1×1017atoms/cm3以下好ましくは1
×1016atoms/cm3程度にまで低減されたアイランド5
08を得ることができる(図19(E))。
【0247】なお、結晶化前の半導体膜に触媒元素を含
む溶液を塗布した後に、SPCではなく、レーザ光の照
射により結晶成長を行うようにしても良い。
【0248】本実施例は実施例8〜11と組み合わせて
実施することが可能である。
【0249】(実施例13)本実施例では、複数のレー
ザビームを重ね合わせることで合成される、レーザビー
ムの形状について説明する。
【0250】図20(A)に、複数のレーザ発振装置か
らそれぞれ発振されるレーザ光の、スリットを介さない
場合の被処理物におけるレーザビームの形状の一例を示
す。図20(A)に示したレーザビームは楕円形状を有
している。なお本発明において、レーザ発振装置から発
振されるレーザ光のレーザビームの形状は、楕円に限定
されない。レーザビームの形状はレーザの種類によって
異なり、また光学系により成形することもできる。例え
ば、ラムダ社製のXeClエキシマレーザ(波長308
nm、パルス幅30ns)L3308から射出されたレ
ーザ光の形状は、10mm×30mm(共にビームプロ
ファイルにおける半値幅)の矩形状である。また、YA
Gレーザから射出されたレーザ光の形状は、ロッド形状
が円筒形であれば円状となり、スラブ型であれば矩形状
となる。このようなレーザ光を光学系により、さらに成
形することにより、所望の大きさのレーザ光をつくるこ
ともできる。
【0251】楕円形状のレーザビームのエネルギー密度
の分布は、楕円の中心Oに向かうほど高くなっている。
このように図20(A)に示したレーザビームは、中心
軸方向におけるエネルギー密度がガウス分布に従ってお
り、エネルギー密度が均一だと判断できる領域が狭くな
る。
【0252】次に、図20(A)に示したレーザビーム
を有するレーザ光を合成したときの、レーザビームの形
状を、図20(C)に示す。なお図20(C)では4つ
のレーザ光のレーザビームを重ね合わせることで1つの
線状のレーザビームを形成した場合について示している
が、重ね合わせるレーザビームの数はこれに限定されな
い。
【0253】図20(C)に示すように、各レーザビー
ムは、各楕円の長軸が一致し、なおかつ互いにレーザビ
ームの一部が重なることで合成され、1つのレーザビー
ム360が形成されている。なお以下、各楕円の中心O
を結ぶことで得られる直線をレーザビーム360の中心
軸とする。
【0254】なお、図20(C)に示すレーザビーム
は、図20(B)におけるエネルギー密度のピーク値の
1/e2のエネルギー密度を満たしている領域に相当す
る。合成前の各レーザビームが重なり合っている部分に
おいて、エネルギー密度が加算される。例えば図示した
ように重なり合ったビームのエネルギー密度E1とE2
を加算すると、ビームのエネルギー密度のピーク値E3
とほぼ等しくなり、各楕円の中心Oの間においてエネル
ギー密度が平坦化される。
【0255】なお、E1とE2を加算するとE3と等し
くなるのが理想的だが、現実的には必ずしも等しい値に
はならない。E1とE2を加算した値とE3との値のず
れの許容範囲は、設計者が適宜設定することが可能であ
る。
【0256】レーザビームを単独で用いると、エネルギ
ー密度の分布がガウス分布に従っているので、絶縁膜の
平坦な部分に接している半導体膜またはアイランドとな
る部分全体に均一なエネルギー密度のレーザ光を照射す
ることが難しい。しかし、図20(D)からわかるよう
に、複数のレーザ光を重ね合わせてエネルギー密度の低
い部分を互いに補い合うようにすることで、複数のレー
ザ光を重ね合わせないで単独で用いるよりも、エネルギ
ー密度が均一とみなせる領域が拡大され、半導体膜の結
晶性を効率良く高めることができる。
【0257】なお、計算によって求めた図20(C)の
B−B’、C−C’におけるエネルギー密度の分布を、
図21に示す。なお、図21は、合成前のレーザビーム
の、ピーク値の1/e2のエネルギー密度を満たしてい
る領域を基準としている。合成前のレーザビームの短軸
方向の長さを37μm、長軸方向の長さを410μmと
し、中心間の距離を192μmとしたときの、B−
B’、C−C’におけるエネルギー密度は、それぞれ図
21(A)、図21(B)に示すような分布を有してい
る。B−B’の方がC−C’よりも弱冠小さくなってい
るが、ほぼ同じ大きさとみなすことができ、合成前のレ
ーザビームのピーク値の1/e2のエネルギー密度を満
たしている領域における、合成されたレーザビームの形
状は、線状と言い表すことができる。
【0258】図22(A)は、合成されたレーザビーム
のエネルギー分布を示す図である。361で示した領域
はエネルギー密度が均一とみなせる領域であり、362
で示した領域はエネルギー密度が低い領域である。図2
2において、レーザビームの中心軸方向の長さをWTBW
とし、エネルギー密度が均一とみなせる領域361にお
ける中心軸方向の長さをWmaxとする。WTBWがWmax
比べて大きくなればなるほど、結晶化に用いることがで
きるエネルギー密度が均一な領域361に対する、半導
体膜の結晶化に用いることができないエネルギー密度が
均一ではない領域362の割合が大きくなる。エネルギ
ー密度が均一ではない領域362のみが照射された半導
体膜は、微結晶が生成し結晶性が芳しくない。よって半
導体膜のアイランドとなる領域と、領域362のみを重
ねないように、走査経路及び絶縁膜の凹凸のレイアウト
を定める必要が生じ、領域361に対する領域362の
比率が高くなるとその制約はさらに大きくなる。よって
スリットを用いて、エネルギー密度が均一ではない領域
362のみが絶縁膜の凸部上に形成された半導体膜に照
射されるのを防ぐことは、走査経路及び絶縁膜の凹凸の
レイアウトの際に生じる制約を小さくするのに有効であ
る。
【0259】本実施例は実施例1〜12と組み合わせて
実施することが可能である。
【0260】(実施例14)本実施例では、本発明に用
いられるレーザ照射装置の光学系と、各光学系とスリッ
トとの位置関係について説明する。
【0261】図23は、レーザビームを4つ合成して1
つのレーザビームにする場合の光学系を示している。図
23に示す光学系は、6つのシリンドリカルレンズ41
7〜422を有している。矢印の方向から入射した4つ
のレーザ光は、4つのシリンドリカルレンズ419〜4
22のそれぞれに入射する。そしてシリンドリカルレン
ズ419、421において成形された2つのレーザ光
は、シリンドリカルレンズ417において再びそのレー
ザビームの形状が成形されて、スリット424を通って
被処理物423に照射される。一方シリンドリカルレン
ズ420、422において成形された2つのレーザ光
は、シリンドリカルレンズ418において再びそのレー
ザビームの形状が成形されて、スリット424を通って
被処理物423に照射される。
【0262】被処理物423における各レーザ光のレー
ザビームは、互いに一部重なることで合成されて1つの
レーザビームを形成している。
【0263】各レンズの焦点距離及び入射角は設計者が
適宜設定することが可能であるが、被処理物423に最
も近いシリンドリカルレンズ417、418の焦点距離
は、シリンドリカルレンズ419〜422の焦点距離よ
りも小さくする。例えば、被処理物423に最も近いシ
リンドリカルレンズ417、418の焦点距離を20m
mとし、シリンドリカルレンズ419〜422の焦点距
離を150mmとする。そしてシリンドリカルレンズ4
17、418から被処理物400へのレーザー光の入射
角は、本実施例では25°とし、シリンドリカルレンズ
419〜422からシリンドリカルレンズ417、41
8へのレーザー光の入射角を10°とするように各レン
ズを設置する。なお、戻り光を防ぎ、また均一な照射を
行なうために、レーザー光の基板への入射角度を0°よ
り大きく、望ましくは5〜30°に保つのが望ましい。
【0264】図23では、4つのレーザビームを合成す
る例について示しており、この場合4つのレーザ発振装
置にそれぞれ対応するシリンドリカルレンズを4つと、
該4つのシリンドリカルレンズに対応する2つのシリン
ドリカルレンズとを有している。合成するレーザビーム
の数はこれに限定されず、合成するレーザビームの数は
2以上8以下であれば良い。n(n=2、4、6、8)
のレーザビームを合成する場合、nのレーザ発振装置に
それぞれ対応するnのシリンドリカルレンズと、該nの
シリンドリカルレンズに対応するn/2のシリンドリカ
ルレンズとを有している。n(n=3、5、7)のレー
ザビームを合成する場合、nのレーザ発振装置にそれぞ
れ対応するnのシリンドリカルレンズと、該nのシリン
ドリカルレンズに対応する(n+1)/2のシリンドリ
カルレンズとを有している。
【0265】そして、レーザビームを5つ以上重ね合わ
せるとき、光学系を配置する場所及び干渉等を考慮する
と、5つ目以降のレーザ光は基板の反対側から照射する
のが望ましく、その場合スリットを基板の反対側にも設
ける必要がある。また、基板は透過性を有していること
が必要である。
【0266】なお、戻り光がもときた光路をたどって戻
るのを防ぐために、基板に対する入射角は、0より大き
く90°より小さくなるように保つようにするのが望ま
しい。
【0267】また、均一なレーザー光の照射を実現する
ためには、照射面に垂直な平面であって、かつ合成前の
各ビームの形状をそれぞれ長方形と見立てたときの短辺
を含む面または長辺を含む面のいずれか一方を入射面と
定義すると、前記レーザー光の入射角度θは、入射面に
含まれる前記短辺または前記長辺の長さがW、前記照射
面に設置され、かつ、前記レーザー光に対して透光性を
有する基板の厚さがdであるとき、θ≧arctan(W/2d)
を満たすのが望ましい。この議論は合成前の個々のレー
ザー光について成り立つ必要がある。なお、レーザー光
の軌跡が、前記入射面上にないときは、該軌跡を該入射
面に射影したものの入射角度をθとする。この入射角度
θでレーザー光が入射されれば、基板の表面での反射光
と、前記基板の裏面からの反射光とが干渉せず、一様な
レーザー光の照射を行うことができる。以上の議論は、
基板の屈折率を1として考えた。実際は、基板の屈折率
が1.5前後のものが多く、この数値を考慮に入れると
上記議論で算出した角度よりも大きな計算値が得られ
る。しかしながら、ビームスポットの長手方向の両端の
エネルギーは減衰があるため、この部分での干渉の影響
は少なく、上記の算出値で十分に干渉減衰の効果が得ら
れる。
【0268】なお本発明に用いられるレーザ照射装置が
有する光学系は、本実施例で示した構成に限定されな
い。
【0269】本実施例は実施例1〜13と組み合わせて
実施することが可能である。
【0270】(実施例15)楕円形状のレーザビーム
は、走査方向と垂直な方向におけるエネルギー密度の分
布がガウス分布に従っているので、エネルギー密度の低
い領域の全体に占める割合が、矩形または線形のレーザ
ビームを有するレーザ光に比べて高い。そのため本発明
では、レーザ光のレーザビームが、エネルギー密度の分
布が比較的均一な矩形または線形であることが望まし
い。
【0271】矩形または線形のレーザビームを得られる
ガスレーザとして代表的なのはエキシマレーザであり、
固体レーザとして代表的なのはスラブレーザである。本
実施例では、スラブレーザについて説明する。
【0272】図24(A)にスラブ型のレーザ発振装置
の構成を一例として示す。図24(A)に示すスラブ型
のレーザ発振装置は、ロッド7500と、反射ミラー7
501と、出力ミラー7502と、シリンドリカルレン
ズ7503を有している。
【0273】ロッド7500に励起光を照射すると、ロ
ッド7500内のジグザグの光路をたどって、反射ミラ
ー7501または出射ミラー7502側にレーザ光が出
射する。反射ミラー7501側に出射したレーザ光は、
反射されて再びロッド7500内に入射し、出射ミラー
7502側に出射する。ロッド7500は板状のスラブ
媒質を用いたスラブ式であり、出射段階で比較的長い矩
形または線形のレーザビームを形成することができる。
そして、出射したレーザ光はシリンドリカルレンズ75
03においそのレーザビームの形状がより細くなるよう
加工され、レーザ発振装置から出射される。
【0274】次に、スラブ型のレーザ発振装置の、図2
4(A)に示したものとは異なる構成を、図24(B)
に示す。図24(B)では、図24(A)に示したレー
ザ発振装置に、シリンドリカルレンズ7504を追加し
たものであり、シリンドリカルレンズ7504によっ
て、レーザビームの長さを制御することができる。
【0275】なおコヒーレント長を10cm以上、好ま
しくは1m以上であると、レーザビームをより細くする
ことができる。
【0276】また、ロッド7500の温度が過剰に上昇
するのを防ぐために、例えば冷却水を循環させるなど、
温度の制御をする手段を設けるようにしても良い。
【0277】図24(C)に、シリンドリカルレンズの
形状の、一実施例を示す。7509は本実施例のシリン
ドリカルレンズであり、ホルダー7510により固定さ
れている。そしてシリンドリカルレンズ7509は、円
柱面と矩形の平面とが互いに向き合った形状を有してお
り、円柱面の2本の母線と、向かい合った矩形の2本の
辺とが互いに全て平行である。そして、円柱面の2つの
母線と、平行な該2つの辺とでそれぞれ形成される2つ
の面は、該矩形の平面と0より大きく90°よりも小さ
い角度で交わっている。このように平行な該2つの辺と
でそれぞれ形成される2つの面は、該矩形の平面と90
°未満の角度で交わることで、90°以上のときと比べ
て焦点距離を短くすることができ、よりレーザビームの
形状を細くし、線形に近づけることができる。
【0278】本実施例は、実施例1〜14と組み合わせ
て実施することが可能である。
【0279】(実施例16)本実施例では、レーザビー
ムを重ね合わせたときの、各レーザビームの中心間の距
離と、エネルギー密度との関係について説明する。
【0280】図25に、各レーザビームの中心軸方向に
おけるエネルギー密度の分布を実線で、合成されたレー
ザビームのエネルギー密度の分布を破線で示す。レーザ
ビームの中心軸方向におけるエネルギー密度の値は、一
般的にガウス分布に従っている。
【0281】合成前のレーザービームにおいて、ピーク
値の1/e2以上のエネルギー密度を満たしている中心
軸方向の距離を1としたときの、各ピーク間の距離をX
とする。また、合成されたレーザービームにおいて、合
成後のピーク値と、バレー値の平均値に対するピーク値
の割増分をYとする。シミュレーションで求めたXとY
の関係を、図26に示す。なお図26では、Yを百分率
で表した。
【0282】図26において、エネルギー差Yは以下の
式1の近似式で表される。
【0283】
【式1】Y=60−293X+340X2(Xは2つの
解のうち大きい方とする)
【0284】式1に従えば、例えばエネルギー差を5%
程度にしたい場合、X≒0.584となるようにすれば
良いということがわかる。なお、Y=0となるのが理想
的だが、実際には実現するが難しく、エネルギー差Yの
許容範囲を設計者が適宜設定する必要がある。Y=0と
なるのが理想的だが、それではビームスポットの長さが
短くなるので、スループットとのバランスでXを決定す
ると良い。
【0285】次に、Yの許容範囲について説明する。図
27に、レーザービームが楕円形状を有している場合
の、中心軸方向におけるビーム幅に対するYVO4レー
ザーの出力(W)の分布を示す。斜線で示す領域は、良
好な結晶性を得るために必要な出力エネルギーの範囲で
あり、3.5〜6Wの範囲内に合成したレーザー光の出
力エネルギーが納まっていれば良いことがわかる。
【0286】合成後のビームスポットの出力エネルギー
の最大値と最小値が、良好な結晶性を得るために必要な
出力エネルギー範囲にぎりぎりに入るとき、良好な結晶
性が得られるエネルギー差Yが最大になる。よって図2
7の場合は、エネルギー差Yが±26.3%となり、上
記範囲にエネルギー差Yが納まっていれば良好な結晶性
が得られることがわかる。
【0287】なお、良好な結晶性を得るために必要な出
力エネルギーの範囲は、どこまでを結晶性が良好だと判
断するかによって変わり、また出力エネルギーの分布も
レーザビームの形状によって変わってくるので、エネル
ギー差Yの許容範囲は必ずしも上記値に限定されない。
設計者が、良好な結晶性を得るために必要な出力エネル
ギーの範囲を適宜定め、用いるレーザの出力エネルギー
の分布からエネルギー差Yの許容範囲を設定する必要が
ある。
【0288】本実施例は、実施例1〜8と組み合わせて
実施することが可能である。
【0289】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、段差形状を有する下地絶縁膜のパターンに従って、
その凸上部に結晶性半導体膜を残存させ、それをTFT
の活性層とすることにより、良質な結晶を選択的に使用
することができる。即ち、段差部に集中する歪み領域を
チャネル形成領域から除外することができる。
【0290】即ち、非晶質半導体膜に連続発振レーザビ
ームを照射する結晶化において、下地絶縁膜に段差形状
を設けることにより、その部分に結晶化に伴う歪み又は
応力を集中させることができ、活性層とする結晶性半導
体にその歪み又は応力がかからないようにすることがで
きる。歪み又は応力から開放された結晶性半導体膜にチ
ャネル形成領域が配設されるようにTFTを形成するこ
とにより、高速で電流駆動能力を向上させることが可能
となり、素子の信頼性を向上させることも可能となる。
【0291】また本発明では、レーザ光による結晶化の
後、半導体膜の凹部のエッジ近傍または凸部のエッジ近
傍をパターニングにより除去し、凸部の中央付近の結晶
性が優れている部分をTFTの活性層として積極的に用
いることで、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成さ
れるのを防ぐことができ、粒界によってTFTの移動度
が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流
が増加したりするのを防ぐことができる。なお、どこま
でを凸部のエッジ近傍としてパターニングで除去するか
は、設計者が適宜定めることができる。
【0292】また、半導体膜全体にレーザ光を走査して
照射するのではなく、少なくとも必要不可欠な部分を最
低限結晶化できるようにレーザ光を走査する。上記構成
により、半導体膜を結晶化させた後パターニングにより
除去される部分にレーザ光を照射する時間を省くことが
でき、基板1枚あたりにかかる処理時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0293】また、複数のレーザ光を重ね合わせてエネ
ルギー密度の低い部分を互いに補い合うようにすること
で、複数のレーザ光を重ね合わせないで単独で用いるよ
りも、半導体膜の結晶性を効率良く高めることができ
る。
【0294】なお、絶縁膜に凹凸を形成するのではな
く、エッチングにより基板自体に凹凸を設けることで、
その上に形成される半導体膜に凹凸を設けて、応力集中
が起こる部分を意図的に形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 結晶化された半導体膜のTEMの断面像
と、断面図を模式的に示した図。
【図2】 半導体膜にレーザ光を照射している様子を
示す図
【図3】 結晶化された半導体膜をパターニングする
ことで形成されたアイランドの図。
【図4】 図3に示したアイランドを用いて形成され
たTFTの構造を示す図。
【図5】 本発明の生産システムのフローチャートを
示す図。
【図6】 レーザ照射装置の図。
【図7】 レーザ照射装置の図。
【図8】 凹凸を有する絶縁膜の作製方法を示す図。
【図9】 凹凸を有する絶縁膜の作製方法を示す図。
【図10】 凹凸を有する絶縁膜の形状を示す図。
【図11】 凹凸を有する絶縁膜の作製方法を示す図。
【図12】 結晶化された半導体膜をパターニングする
ことで形成されたアイランドの図。
【図13】 凹凸を有する絶縁膜の形状を示す図。
【図14】 図13(B)に示した絶縁膜を用いて形成
されたTFTの上面図及び断面図。
【図15】 本発明を用いた半導体装置の作製方法を示
す図。
【図16】 本発明を用いた半導体装置の作製方法を示
す図。
【図17】 本発明を用いた半導体装置の作製方法を示
す図。
【図18】 本発明を用いた半導体装置の作製方法を示
す図。
【図19】 半導体膜の結晶化の方法を示す図。
【図20】 レーザビームのエネルギー密度の分布を
示す図。
【図21】 レーザビームのエネルギー密度の分布を
示す図。
【図22】 レーザビームのエネルギー密度の分布を
示す図。
【図23】 光学系の図。
【図24】 光学系の図。
【図25】 重ね合わせたレーザビームの中心軸方向に
おけるエネルギー密度の分布を示す図。
【図26】 レーザビームの中心間の距離とエネルギー
差の関係を示す図。
【図27】 レーザビームの中心軸方向における出力エ
ネルギーの分布を示す図。
【図28】 本発明の半導体装置の構成とその作製方法
について説明する斜視図。
【図29】 本発明の半導体装置の構成とその作製方法
について説明する斜視図。
【図30】 本発明の半導体装置の構成とその作製方法
について説明する斜視図。
【図31】 本発明の半導体装置の構成とその作製方法
について説明する斜視図。
【図32】 本発明に係る結晶化工程の詳細を説明する
縦断面図。
【図33】 本発明に適用するレーザ照射装置の一態様
を示す配置図。
【図34】 本発明の半導体装置の作製方法について説
明する縦断面図。
【図35】 本発明の半導体装置の作製方法について説
明する縦断面図。
【図36】 本発明に係る結晶化工程の詳細を説明する
上面図。
【図37】 本発明の半導体装置の作製方法について説
明する上面図。
【図38】 本発明の半導体装置の作製方法について説
明する上面図。
【図39】 図38に示すTFTの上面図に対応する等
価回路図。
【図40】 本発明の半導体装置の作製方法について説
明する上面図。
【図41】 本発明に係る結晶化工程の詳細を説明する
縦断面図。
【図42】 本発明に係る下地絶縁膜と非晶質半導体膜
の作製方法を説明する縦断面図。
【図43】 本発明に係る下地絶縁膜と非晶質半導体膜
の作製方法を説明する縦断面図
【図44】 表示パネルの外観図。
【図45】 表示パネルの画素部の構造を説明する上面
図。
【図46】 半導体装置の一例を示す図。
【図47】 プロジェクターの一例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 29/78 618C 616T 627G (72)発明者 小久保 千穂 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 荒尾 達也 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 早川 昌彦 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 宮入 秀和 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 下村 明久 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 田中 幸一郎 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 山崎 舜平 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 秋葉 麻衣 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 Fターム(参考) 2H092 JA25 JA28 MA30 MA35 NA21 5F052 AA02 AA17 AA24 BA04 BA07 BA11 BA12 BA18 BB01 BB03 BB04 BB05 BB07 CA01 CA04 CA05 CA10 DA01 DA02 DA03 DB02 DB03 DB07 EA11 EA12 EA16 FA04 FA06 FA13 FA14 FA19 FA26 JA04 5F110 AA01 AA06 AA16 BB02 BB04 CC02 DD01 DD02 DD03 DD04 DD05 DD13 DD14 DD15 DD17 DD21 DD30 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EE06 EE09 EE14 EE15 EE23 EE44 EE45 FF02 FF04 FF09 FF28 FF30 FF36 GG01 GG02 GG13 GG17 GG23 GG25 GG30 GG32 GG43 GG45 GG47 GG51 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL01 HL02 HL03 HL04 HL06 HL11 HM13 HM15 NN03 NN04 NN22 NN24 NN27 NN34 NN35 NN71 NN72 NN73 PP01 PP02 PP03 PP04 PP05 PP06 PP07 PP10 PP24 PP29 PP34 PP35 PP40 QQ04 QQ05 QQ09 QQ11 QQ23 QQ24 QQ25 QQ28

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】矩形又は帯状の段差形状を有する下地絶縁
    膜上の凸上部に形成された結晶性半導体膜にチャネル形
    成領域が配設される薄膜トランジスタを有し、当該チャ
    ネル形成領域は、前記矩形又は帯状の段差形状の長手方
    向に沿って延在していることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】窒化珪素又は窒酸化珪素上に矩形又は帯状
    に形成された酸化珪素又は酸窒化珪素により段差が形成
    され、前記酸化珪素又は酸窒化珪素上に形成された結晶
    性半導体膜にチャネル形成領域が配設される薄膜トラン
    ジスタを有し、当該チャネル形成領域は、前記矩形又は
    帯状に形成された酸化珪素の長手方向に沿って延在して
    いることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】複数の矩形又は帯状の段差形状を有する下
    地絶縁膜上の、それぞれの凸上部に形成された結晶性半
    導体膜に複数のチャネル形成領域が並列に配設される薄
    膜トランジスタを有し、当該チャネル形成領域のそれぞ
    れは、前記矩形又は帯状の段差形状の長手方向に沿って
    延在し、前記複数のチャネル形成領域と連結し、かつ、
    該結晶性半導体膜と連続的に形成された結晶性半導体膜
    にソース又はドレイン領域が形成されていることを特徴
    とする半導体装置。
  4. 【請求項4】複数の矩形又は帯状の段差形状を有する下
    地絶縁膜上の、それぞれの凸上部に形成された結晶性半
    導体膜に複数のチャネル形成領域が並列に配設される薄
    膜トランジスタを有し、当該チャネル形成領域のそれぞ
    れは、前記矩形又は帯状の段差形状の長手方向に沿って
    延在し、前記複数のチャネル形成領域と連結し、かつ、
    該結晶性半導体膜と連続的に形成され、前記複数の矩形
    又は帯状の段差形状の凸上部から凹底部にかけて延在す
    る結晶性半導体膜にソース又はドレイン領域が形成され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】非周期的に形成された複数の矩形又は帯状
    の段差形状を有する下地絶縁膜上の、それぞれの凸上部
    に形成された結晶性半導体膜に複数のチャネル形成領域
    が並列に配設される薄膜トランジスタを有し、当該チャ
    ネル形成領域のそれぞれは、前記矩形又は帯状の段差形
    状の長手方向に沿って延在し、前記複数のチャネル形成
    領域と連結し、かつ、該結晶性半導体膜と連続的に形成
    され、前記複数の矩形又は帯状の段差形状の凸上部から
    凹底部にかけて延在する結晶性半導体膜にソース又はド
    レイン領域が形成されていることを特徴とする半導体装
    置。
  6. 【請求項6】請求項3乃至5のいずれか一項において、
    前記下地絶縁膜は、窒化珪素又は窒酸化珪素から成る第
    1絶縁膜と、その上に形成され、矩形又は帯状のパター
    ンに形成された酸化珪素又は酸窒化珪素から成る第2絶
    縁膜とで段差形状が形成されていることを特徴とする半
    導体装置。
  7. 【請求項7】レーザ発振装置と、 前記レーザ発振装置から発振されたレーザ光を、そのレ
    ーザビームが線状になるように集光する光学系と、 前記集光されたレーザ光の照射位置を移動させる第1の
    手段と、 基板上に縞状の凹凸を有する絶縁膜を形成する第2の手
    段と、 前記絶縁膜上に半導体膜を形成する第3の手段と、 前記絶縁膜のパターン情報を記憶する第4の手段と、 基板上に形成されたマーカーを基準として、前記パター
    ン情報から、前記半導体膜の凸部を含むように前記レー
    ザビームの走査経路を定め、なおかつ前記第1の手段を
    制御して前記走査経路に従い前記レーザビームを移動さ
    せることで、前記半導体膜の結晶性を高める第5の手段
    と、 前記結晶性が高められた半導体膜をパターニングして、
    前記絶縁膜の凸部上にアイランドを形成する第6の手段
    と、を有することを特徴とする半導体装置の生産システ
    ム。
  8. 【請求項8】レーザ発振装置と、 前記レーザ発振装置から発振されたレーザ光を、そのレ
    ーザビームが線状になるように集光する光学系と、 前記集光されたレーザ光の照射位置を移動させる第1の
    手段と、 基板上に縞状の凹凸を有する絶縁膜を形成する第2の手
    段と、 前記絶縁膜上に半導体膜を形成する第3の手段と、 前記絶縁膜のパターン情報を記憶する第4の手段と、 基板上に形成されたマーカーを基準として、前記パター
    ン情報と、前記レーザビームの走査方向に対して垂直な
    方向における幅とから、前記半導体膜の凸部を含むよう
    に前記レーザビームの走査経路を定め、なおかつ前記第
    1の手段を制御して前記走査経路に従い前記レーザビー
    ムを移動させることで、前記半導体膜の結晶性を高める
    第5の手段と、 前記結晶性が高められた半導体膜をパターニングして、
    前記絶縁膜の凸部上にアイランドを形成する第6の手段
    と、を有することを特徴とする半導体装置の生産システ
    ム。
  9. 【請求項9】レーザ発振装置と、 前記レーザ発振装置から発振されたレーザ光を、そのレ
    ーザビームが線状になるように集光する光学系と、 前記集光されたレーザ光の照射位置を移動させる第1の
    手段と、 入力されたパターン情報を記憶する第2の手段と、 前記パターン情報に従って、基板上に縞状の凹凸を有す
    る絶縁膜を形成する第3の手段と、 前記絶縁膜上に半導体膜を形成する第4の手段と、 前記形成された半導体膜のパターン情報を読み取る第5
    の手段と、 前記読み取ったパターン情報を記憶する第6の手段と、 前記第2の手段に記憶されたパターン情報と、前記第6
    の手段に記憶されたパターン情報と、前記形成された半
    導体膜の厚さとから得られた基板の位置情報を基準とし
    て、前記第2の手段に記憶されたパターン情報または前
    記第6の手段に記憶されたパターン情報から、前記半導
    体膜の凸部を含むように前記レーザビームの走査経路を
    定め、なおかつ前記第1の手段を制御して前記走査経路
    に従い前記レーザビームを移動させることで、前記半導
    体膜の結晶性を高める第7の手段と、 前記結晶性が高められた半導体膜をパターニングして、
    前記絶縁膜の凸部上にアイランドを形成する第8の手段
    と、を有することを特徴とする半導体装置の生産システ
    ム。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記第5の手段は電
    荷結合素子を用いていることを特徴とする半導体装置の
    生産システム。
  11. 【請求項11】請求項7乃至請求項10のいずれか1項
    において、 前記レーザ光の照射が減圧雰囲気下または不活性ガス雰
    囲気下において行われることを特徴とする半導体装置の
    生産システム。
  12. 【請求項12】請求項7乃至請求項11のいずれか一項
    において、前記レーザ光は、YAGレーザ、YVO4
    ーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレー
    ザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:
    サファイアレーザまたはNd:YVO4レーザから選ばれ
    た一種または複数種を用いて出力されていることを特徴
    とする半導体装置の生産システム。
  13. 【請求項13】請求項7乃至請求項12のいずれか一項
    において、前記レーザ光は、スラブレーザを用いて出力
    されていることを特徴とする半導体装置の生産システ
    ム。
  14. 【請求項14】請求項7乃至請求項13のいずれか1項
    において、前記レーザ光は連続発振であることを特徴と
    する半導体装置の生産システム。
  15. 【請求項15】請求項7乃至請求項14のいずれか一項
    において、前記レーザ光は第2高調波であることを特徴
    とする半導体装置の生産システム。
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