JP2003257741A - インダクタンス素子 - Google Patents

インダクタンス素子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラムコアとリングコアとの接触による磁気
飽和特性の低下を回避することで直流重畳特性が良好
で、インダクタンス値および直流重畳特性がばらつくこ
とがないインダクタンス素子を提供する。 【解決手段】巻線を巻芯部１４の周囲に巻回し前記巻芯
部１４の両端に第１および第２のフランジ部５、６を設
けたドラム状をなすドラムコア２と、前記ドラムコア２
を収容する収容部８を備えるとともに前記第１フランジ
部５を保持するための段部４を設けたリング状をなすリ
ングコア３とを備え、前記ドラムコア２は電気絶縁性を
有する非磁性材料によって被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般用電子機器あ
るいは産業用電子機器に使用されるインダクタンス素子
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、電子機器、装置の小型化に伴い、
これらの回路に使用されるインダクタンス素子の軽薄短
小化が要求されている。
【０００３】従来のインダクタンス素子５０を図５を参
照して説明する。図５はインダクタンス素子５０の構成
を示す断面図である。インダクタンス素子５０はドラム
コア５１と、コイル５５と、リングコア５６と電極５９
とを備えている。
【０００４】ドラムコア５１は巻芯部５２の両端に一体
形成された略円形の第１フランジ部５３および第２フラ
ンジ部５４が設けられている。第１フランジ部５３は第
２フランジ部５４よりも直径が大きく形成されている。
また、巻芯部５２の周囲には巻線が巻回されコイル５５
を形成している。ドラムコア５１は電気絶縁性を有する
Ｎｉ系フェライトにより形成されている。
【０００５】リングコア５６は略四角柱状をなし中央に
ドラムコア５１およびコイル５５を収容するための略円
形の収容部６０を有し、底面には電極５９が互いに離間
されて設けられている。また、リングコア５６の上面に
は四隅に突起５８が設けられており、この突起５８およ
びリングコア５６の上面により段部５７が形成されてい
る。そして、突起５８の内周の直径は第１フランジ部５
３より大きく形成されており、リングコア５６の内周の
直径は第１フランジ部５３より小さく、かつ、第２フラ
ンジ部５４より大きく形成されている。
【０００６】このことによりドラムコア５１をリングコ
ア５６の収容部６０に収容した場合にはリングコア５６
と第２フランジ部５４の間にギャップ６１が形成され
る。このギャップ６１によりインダクタンス素子５０の
直流重畳特性を向上させている。また、ドラムコア５１
は段部５７に第１フランジ部５３の底面外周を接着する
ことにより保持固定されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】前記したような従来の
インダクタンス素子の構成によれば、小型化に対応しよ
うとするとギャップの幅を狭くする必要がある。
【０００８】また、ドラムコアをリングコアの収容部に
収容した場合にコア間にギャップを形成するので、均一
な直流重畳特性をもつインダクタンス素子を生産するた
めにはこのギャップを均一にする必要がある。
【０００９】しかしながら、ドラムコアをリングコアに
接着する際に正確な位置決めをすることが困難なためド
ラムコアとリングコアとの間にできるギャップが不均一
となることが多い。さらに、接着をする際の固定位置に
よってはドラムコアとリングコアが部分的に接してしま
う可能性がある。この可能性は小型化を図るためにギャ
ップの幅を狭くするとより高くなる。その結果、コイル
に電流を流したとき磁気飽和特性が低下しインダクタン
ス値が低下することとなる。これらの問題により、直流
重畳特性の低下を招くこととなる。また、ギャップのば
らつきによりインダクタンス値のばらつきが生じ、同じ
直流重畳特性をもつインダクタンス素子の安定した生産
を阻害する原因となっている。
【００１０】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、直流重畳特性が良好で、インダクタンス値お
よび直流重畳特性がばらつくことなく生産可能なインダ
クタンス素子を提供することを課題としている。
【００１１】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項１に係る本発明のインダクタンス素子は、巻
線を巻芯部の周囲に巻回し前記巻芯部の両端に第１およ
び第２のフランジ部を設けたドラム状をなすドラムコア
と、前記ドラムコアを収容する収容部を備えるとともに
前記第１フランジ部を保持するための段部を設けたリン
グ状をなすリングコアとを備え、前記ドラムコアは電気
絶縁性を有する非磁性材料によって被覆されていること
を特徴としている。
【００１２】つぎに、請求項２に係る本発明のインダク
タンス素子は、前記非磁性材料がポリイミド系またはポ
リアミド系の絶縁塗料であることを特徴としている。
【００１３】つぎに、請求項３に係る本発明のインダク
タンス素子は、前記ドラムコアが導電性を有するＭｎ系
のフェライトで形成されていることを特徴としている。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインダクタンス素
子の実施の形態の構成例を図１乃至図４を参照して説明
する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を
付して重複説明を省略する。図１は本発明の実施の形態
に係るインダクタンス素子の構成斜視図である。図２は
本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子の上面図
である。図３は本発明の実施の形態に係るインダクタン
ス素子の下面図である。図４は本発明の実施の形態に係
るインダクタンス素子の断面図である。
【００１５】図１乃至図３よりインダクタンス素子１は
ドラムコア２と、コイル７と、リングコア３と電極１５
とを備えている。ドラムコア２は巻芯部１４の両端に一
体形成された略円形の第１フランジ部５および第２フラ
ンジ部６が設けられている。第１フランジ部５は第２フ
ランジ部６よりも直径が大きく形成されている。また、
ドラムコア２は導電性をもつＭｎ−Ｚｎフェライトによ
り形成されており、このドラムコア２の表面に電気絶縁
性をもつ非磁性材料であるポリイミド系の絶縁塗料を塗
布して非磁性絶縁層１３を形成している。
【００１６】また、ドラムコア２の巻芯部１４の周囲に
は巻線が巻回されコイル７を形成している。第２フラン
ジ部６にはコイル７の始端および終端を引き出すための
リード線引き出し溝９が２個所に設けられており、ここ
から引き出されたリード線は後述する電極１５に接続さ
れている。
【００１７】リングコア３は略四角柱をなし電気絶縁性
をもつＮｉフェライトにより形成されている。また、中
央にドラムコア２およびコイル７を収容するための略円
形の収容部８を有している。リングコア３の底面には電
極１５が互いに離間されて設けられおり、コイルの始端
または終端がそれぞれ接続されている。また、リングコ
ア３の上面には四隅に突起１０が設けられており、この
突起１０およびリングコア３の上面により段部４が形成
されている。そして、突起１０の内周の直径は第１フラ
ンジ部５より大きく形成されており、リングコア３の内
周の直径は第１フランジ部５より小さく、かつ、第２フ
ランジ部６より大きく形成されている。また、突起１０
の内周面および第２フランジ部６の外周面はドラムコア
２の収容部８への収容を容易にするためにテーパ状とな
っている。
【００１８】前記構成によりドラムコア２とリングコア
３のコア間は非磁性絶縁層１３が形成されているために
互いに直接接触することない。この実施形態によればド
ラムコア２とリングコア３の固定位置に左右されること
なく非磁性絶縁層１３による磁気ギャップが形成される
ので、一定のインダクタンス値および直流重畳特性をも
つインダクタンス素子の生産が可能となる。また、ギャ
ップ１１の幅を狭くしてもドラムコア２およびリングコ
ア３が直接接することがなく小型化に対応できる。さら
に、ドラムコア２には電気絶縁性を有するポリイミド系
の絶縁塗料を塗布するので、磁気飽和特性の良いＭｎ−
Ｚｎフェライトの使用が可能となる。
【００１９】なお、本発明に係るインダクタンス素子は
前記実施の形態に限定するものではなく、その要旨の範
囲内で種々に変更することができることは勿論である。
【００２０】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、直
流重畳特性が良好で、インダクタンス値および直流重畳
特性がばらつくことなく生産可能なインダクタンス素子
を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子
の構成斜視図。
【図２】本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子
の上面図。
【図３】本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子
の下面図。
【図４】本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子
の断面図。
【図５】従来のインダクタンス素子の断面図。
【符号の説明】
１ インダクタンス素子 ２ ドラムコア ３ リングコア ４ 段部 ５ 第１フランジ部 ６ 第２フランジ部 ７ コイル ８ 収容部 １０ 突起 １１ ギャップ １３ 非磁性絶縁層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】巻線を巻芯部の周囲に巻回し前記巻芯部の
    両端に第１および第２フランジ部を設けたドラム状をな
    すドラムコアと、前記ドラムコアを収容する収容部を備
    えるとともに前記第１フランジ部を保持するための段部
    を設けたリング状をなすリングコアとを備え、前記ドラ
    ムコアは電気絶縁性を有する非磁性材料によって被覆さ
    れていることを特徴とするインダクタンス素子。
  2. 【請求項２】前記非磁性材料はポリイミド系またはポリ
    アミド系の絶縁塗料であることを特徴とする請求項１に
    記載のインダクタンス素子。
  3. 【請求項３】前記ドラムコアは導電性を有するＭｎ系の
    フェライトで形成されていることを特徴とする請求項１
    または請求項２に記載のインダクタンス素子。
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