JP2003257585A - ガスエンジン用スパークプラグ - Google Patents
ガスエンジン用スパークプラグInfo
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Abstract
有効に図ることができ、ひいては、コージェネレーショ
ンシステムやヒートポンプなどにおける過酷な寿命要求
にも十分適合できるガスエンジン用スパークプラグを提
供する。 【解決手段】 スパークプラグ100は、火花放電ギャ
ップとして、中心電極3の先端面13tに接地電極4が
対向して形成される第一種火花放電ギャップgtと、中
心電極3の周側面13pに接地電極5が対向して形成さ
れる第二種火花放電ギャップgpとを含む複数個が形成
される。それら火花放電ギャップgt,gpの間隔B
は、いずれも0.2mm以上0.7mm以下に調整され
る。また、火花放電ギャップgt,gpのそれぞれにつ
いて、中心電極3と接地電極4,5との、火花放電ギャ
ップgt,gpを挟んだ電極対向面積をA(単位:mm
2)とし、該電極対向面積Aと火花放電ギャップgt,
gpの間隔B(単位:mm)との間に、B≧0.1ex
p(A/4)の関係が成り立っている。
Description
パークプラグに関するものである。
ラグは、基本的には火花放電ギャップにおける飛火が不
能となった時点をもって寿命と判断される。具体的に
は、スパークプラグは、使用継続により電極が消耗して
火花放電ギャップの間隔が広がり、それに伴って放電に
必要な閾電圧も徐々に上昇する。最終的にその閾電圧
が、スパークプラグに電圧印加する電源の能力を超えて
高くなると飛火が不能となり、燃焼室内の混合気に着火
することができなくなるので、内燃機関の運転に支障を
生ずるようになる。従って、スパークプラグの長寿命化
を図るには、電極消耗を抑制することが重要である。そ
の一つの手法として、電極の火花放電ギャップに臨む部
分を、PtやIr等の貴金属あるいはその合金からなる
貴金属耐消耗部とすることが行われている。
ートポンプの普及に伴い、ガスエンジン用スパークプラ
グの需要が伸びている。これらの用途は、スパークプラ
グの使用条件がとりわけ厳しい点で際立っている。例え
ば、コージェネレーションシステムは工業用の電力ある
いは熱源として活用されることが多く、システム停止が
前提となるスパークプラグの交換は、可及的に行いたく
ないという要望がある。そのため、エンジンは基本的に
24時間稼動となり、1000〜2000時間もの間ノ
ンストップで運転継続されるのが普通である。また、工
業用の大型システムにおいては、排気量が大きいため
に、エンジン回転数は1000〜2500rpm程度と
低く抑えられる。この条件にて高出力を実現するために
は、過給による充填量の増加が必須となる。過給を行う
と点火時期における筒内圧力が上昇するため、絶縁破壊
強度がもともと高い気体燃料の放電条件はますます厳し
くなり、放電電圧が更に上昇する。その結果、限界ギャ
ップはより厳しくなる。他方、ヒートポンプは一般空調
用等のコンプレッサー動力源として使用されることが多
く、運転条件自体はコージェネレーションシステムほど
ではない。しかし、メンテナンスフリー化の傾向はより
顕著であり、連続運転の継続が10000〜20000
時間に達することも珍しくない。
クプラグは、上記のような過酷な条件での長時間連続使
用に耐える電極寿命が求められるにもかかわらず、寿命
改善の具体的対策を講ずることが、ガソリンエンジンよ
りもはるかに難しい。つまり、ガスエンジンは、液化石
油ガス(LPG)や圧縮天然ガス(CNG)など、常圧
で室温以下の沸点を有する気体燃料を使用する。気体燃
料は、ガソリン混合気等と比較して絶縁破壊電圧が高
い。それゆえ、ガスエンジン用スパークプラグにおいて
は、放電電圧が上昇するため、火花放電ギャップの間隔
がかなり小さく設定される。当然、正常な飛火に支障が
生ずるようになる限界ギャップ間隔も小さく、寿命に至
る電極消耗代(つまり、ギャップ拡大代)も制限され
る。また、ガソリンエンジンでは、ガソリンの気化潜熱
による冷却効果のため、吸入される混合気の温度は比較
的低く、温度も上昇しにくい。しかし、気体燃料を使用
するガスエンジンではこのような冷却効果は生じないの
で、電極温度が上昇しやすく消耗も進行しやすい。つま
り、ガスエンジン用スパークプラグは、電極消耗が進行
しやすい上に電極消耗代も小さいので、前述のような貴
金属耐消耗部を単に採用するだけでは、要求される寿命
レベルを実現することは事実上不可能に近い。
くし、火花放電ギャップを形成する電極対向面積を増加
させることにより、寿命向上を図ることが考えられる。
しかし、ガスエンジン用スパークプラグの場合、火花放
電ギャップの間隔が前述のように狭く設定されるため、
火花放電ギャップの電極対向面積を過度に大きく設定し
すぎると、点火性に悪影響が生じ、却って性能を低下さ
せることにつながる。従って、中心電極径を増大させて
寿命向上を図る方法には限界がある。
ことなく寿命向上を有効に図ることができ、ひいては、
コージェネレーションシステムやヒートポンプなどにお
ける過酷な寿命要求にも十分適合できるガスエンジン用
スパークプラグを提供することにある。
題を解決するために、本発明のガスエンジン用スパーク
プラグの第一は、1つの中心電極と、先端部が中心電極
の先端部に対向する形で配置され、中心電極との間に火
花放電ギャップを形成する1又は複数の接地電極とを備
え、それら中心電極と接地電極との、火花放電ギャップ
を挟んで対向する部分が少なくとも、貴金属を主成分と
する貴金属耐消耗部とされ、かつ、該火花放電ギャップ
の間隔Bが0.2mm以上0.7mm以下に調整され、
火花放電ギャップは、中心電極の先端面に接地電極が対
向して形成されるものを第一種火花放電ギャップとし、
中心電極の周側面に接地電極が対向して形成されるもの
を第二種火花放電ギャップとして、1つの第一種火花放
電ギャップと1以上の第二種火花放電ギャップとを含む
複数個、もしくは2以上の第二種火花放電ギャップを含
む複数個が形成されてなり、さらに、それら複数個の火
花放電ギャップのそれぞれについて、中心電極と接地電
極との、前記間隔Bを満たす火花放電ギャップを挟んだ
電極対向面積をA(単位:mm2)として、該電極対向
面積Aと火花放電ギャップ間隔B(単位:mm)との間
に、 B≧0.1exp(A/4) の関係が成り立っていることを特徴とする。
ラグの第二は、1つの中心電極と、先端部が中心電極の
先端部に対向する形で配置され、中心電極との間に火花
放電ギャップを形成する接地電極とを備え、それら中心
電極と接地電極との、火花放電ギャップを挟んで対向す
る部分が少なくとも、貴金属を主成分とする貴金属耐消
耗部とされ、かつ、該火花放電ギャップの間隔Bが0.
2mm以上0.7mm以下に調整され、火花放電ギャッ
プは、中心電極の周側面と接地電極に形成された穴又は
切欠きの内周面とが対向するものとして形成されてな
り、さらに、火花放電ギャップは、中心電極と接地電極
との、間隔Bを満たす火花放電ギャップを挟んだ中心電
極の電極対向面積をAとして、該電極対向面積Aと火花
放電ギャップの間隔Bとの間に、 B≧0.1exp の関係が成り立っていることを特徴とする。
ジン用スパークプラグは、点火性を損ねることなく、そ
の寿命を大幅に向上でき、ひいては、コージェネレーシ
ョンシステムやヒートポンプなどにおける過酷な寿命要
求も十分充足することができるようになる。
明のガスエンジン用スパークプラグにおいては、絶縁破
壊電圧の高いLPGやCNGなどの気体燃料に対する着
火性を高めるため、火花放電ギャップ間隔Bを、0.2
mm以上0.7mm以下の小さい値に設定する。これ
は、スパークプラグをガスエンジン用として用いるため
の一つの大きな前提でもある。火花放電ギャップ間隔B
が0.7mmを超えると、電極消耗によりギャップが拡
大するとすぐ飛火に支障が生ずるようになり、寿命確保
ができなくなる。他方、火花放電ギャップ間隔Bを0.
2mm以下に設定すると、製造時に許容されるギャップ
間隔公差が極端に狭くなり、歩留まり低下を招くことに
つながる。
ラグにおいては、過酷な条件下で連続使用を行っても火
花放電ギャップの拡大が急速に進行しないよう、中心電
極と接地電極との、火花放電ギャップを挟んで対向する
部分を少なくとも、貴金属を主成分とする貴金属耐消耗
部にて構成する。貴金属は、一般にはPt族元素(R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)にAu及びAgを
加えた元素群の総称であるが、本発明においては、特
に、Pt及びIrが耐消耗性に優れているので好適に採
用できる。なお、本明細書において「主成分とする」と
は、着目する成分が質量含有率において最も高くなって
いることを意味する。具体的には、Pt−Ni合金(例
えばPtを主成分とし、Niを2〜40質量%含有させ
た合金)、Pt−Ir合金(例えばPt又はIrを主成
分とし、Irを2〜98質量%含有させた合金)、Pt
−Ir−Ni合金(例えば、Ptを主成分とし、Irを
2〜40質量%、Niを2〜40質量%含有させた合
金)、Ir−Ni合金(Ir又はNiを主成分とし、N
iを2〜70質量%含有させた合金)等を例示できる。
いては、火花放電ギャップを2つ以上形成する。火花放
電ギャップの数を増やすことで、火花放電ギャップの電
極対向面積の合計が増加する。また、第二においては、
中心電極の周側面に対し、接地電極に形成された穴又は
切欠きの内周面を対向させて火花放電ギャップが形成さ
れるので、周方向の電極対向長さが大きくなり、火花放
電ギャップの電極対向面積が増加する。いずれも、結果
としてギャップ拡大率を抑制することができる。また、
火花放電ギャップの数が複数になれば、電極対向面積の
合計が増加しても、1つの火花放電ギャップ当たりの電
極対向面積は過度に増加しないから、個々の火花放電ギ
ャップの点火性が損なわれることもない。
は、火花放電ギャップは、中心電極の先端面に接地電極
を対向させた第一種火花放電ギャップと、同じく周側面
に接地電極を対向させた第二種火花放電ギャップとの2
種類が形成可能である。中心電極の先端面には1個の接
地電極のみ対向配置できるので、第一種火花放電ギャッ
プの形成可能個数は高々1個である。他方、中心電極の
周側面を利用する第二種火花放電ギャップは、中心電極
を取り囲むように複数個の接地電極を配置でき、それぞ
れ第二種火花放電ギャップを形成することができる。従
って、火花放電ギャップを複数個作るための具体的な組
合せとしては、1つの第一種火花放電ギャップと1以上
の第二種火花放電ギャップとの組合せ、もしくは(第一
種火花放電ギャップを含まない)2以上の第二種火花放
電ギャップの組合せのいずれかを採用できる。なお、1
つの接地電極と中心電極との間に、第一種火花放電ギャ
ップと第二種火花放電ギャップとの双方が形成されるこ
ともありうる。
ラグは、中心電極と接地電極との火花放電ギャップを挟
んだ電極対向面積A(単位:mm2)と、火花放電ギャ
ップ間隔B(単位:mm)との間に、 B≧0.1exp(A/4) ‥‥‥ の関係が成り立つことを必須要件とする。ここでいう電
極対向面積Aとは、個々の火花放電ギャップについての
対向面積であって、合計面積を意味するものではない。
先に説明した通り、各火花放電ギャップは電極対向面積
Aが大きくなるほど、正常に飛火が生じても点火性は悪
くなる傾向にある。そこで、本発明者ら実験により詳細
に検討したところ、電極対向面積Aの値と、点火性に難
が生じ始める閾火花放電ギャップ間隔B’とは、 B’=0.1exp(A/4) ‥‥‥ の実験式により結び付けられることがわかった。
る。実験に使用したスパークプラグは、主体金具の取付
ねじ部の呼びがM14、ねじリーチが19mmであり、
中心電極の先端面に接地電極の側面を平行に対向させて
火花放電ギャップを形成したタイプのものである。接地
電極と中心電極の双方の火花放電ギャップに対向する位
置に、Pt製の貴金属チップを溶接してあり、絶縁体の
主体金具からの突き出し長は1.5mm、中心電極の絶
縁体からの突き出し長(貴金属チップ長さを含む)は2
mmである。対向面積Aを、中心電極の先端面に溶接し
た円柱状の貴金属チップの外径を変化させ、さらに火花
放電ギャップの値も変化させて、種々のスパークプラグ
の試験品を作製した。
評価した。具体的には、スパークプラグを直列3気筒
(総排気量1642cc)のガスエンジンの、第一の気
筒に取り付け、回転数900rpm:1/2負荷の条件
で運転を開始する。運転中、空燃比を徐々に希薄側に変
化させ、失火率が1%となったときの残存酸素濃度を調
べ、その残存酸素濃度を希薄化限界残存酸素濃度として
求める。この希薄化限界残存酸素濃度が9%となるギャ
ップ間隔Bを、前記した点火性に難が生じ始める閾火花
放電ギャップ間隔みなす。図21は、このようにして求
めた各対向面積Aについての閾火花放電ギャップ間隔を
プロットしたものである。プロット点には、前記した
式が精度よくフィッティングしており、該式の妥当性
が裏付けられている。
の間隔Bがの不等式を充足することにより、個々の火
花放電ギャップは、それぞれ電極対向面積Aの値によら
ず良好な点火性を確保することができる。他方、飛火そ
のものを支障なく生じさせる観点から、前述の通り、 0.7≧B≧0.2 (単位:mm) ‥‥‥ となるように設定する必要がある。従って、本発明のガ
スエンジン用スパークプラグにおいて、採用可能な火花
放電ギャップの間隔Bの値は、図21の斜線の領域のよ
うになる。
面を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施例に係
るスパークプラグを示すものである。このスパークプラ
グ100は、例えばコージェネレーションシステムやヒ
ートポンプ用のガスエンジンに使用され、筒状の主体金
具1、先端部が突出するようにその主体金具1の内側に
嵌め込まれた絶縁体2、先端を突出させる形で絶縁体2
の内側に配置された中心電極3、及び主体金具1に一端
が溶接等により結合され、他端側が中心電極3の先端部
と対向するように配置されて、該中心電極3と間に火花
放電ギャップを形成する接地電極4,5等を備えてい
る。なお、中心電極3は、絶縁体2の軸線O方向に形成
された貫通孔6の前端側(軸線O方向において火花放電
ギャップの形成される側を前方側とする)に配置されて
いる。また、貫通孔6の後端側には端子金具23が配置
され、導電性ガラスシール層24,26及び電波吸収用
の抵抗体25を介して中心電極3に電気的に接続されて
いる。
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には軸線O方向に沿って、前述のように中心電極
3が嵌め込まれた孔部6を有している。また、主体金具
1は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、
スパークプラグ100のハウジングを構成する。また、
その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブ
ロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
部を拡大して示すものである。接地電極4,5の合計数
は2つであり、それぞれ先端部が中心電極3の先端部に
対向する形で配置されて火花放電ギャップgt,gpを
形成している。そして、中心電極3と接地電極4,5と
の、火花放電ギャップgt,gpを挟んで対向する部分
が少なくとも、貴金属を主成分とする貴金属耐消耗部1
3,14,15とされている。貴金属耐消耗部13,1
4,15は、例えばPt,Irあるいはそれらのいずれ
かを主成分とする合金よりなる。また、各火花放電ギャ
ップgt,gpの間隔Bは、いずれも0.2mm以上
0.7mm以下に調整される。
3の先端面13tに接地電極4が対向して形成される第
一種火花放電ギャップgtと、中心電極3の周側面13
pに接地電極5が対向して形成される第二種火花放電ギ
ャップgpとの2種類がある。この実施形態のスパーク
プラグ100においては、第一種火花放電ギャップgt
と第二種火花放電ギャップgpとがそれぞれ1つずつ形
成されている。そして、それら火花放電ギャップgt,
gpのそれぞれについて、中心電極3と接地電極4,5
との、火花放電ギャップgt,gpを挟んだ電極対向面
積をA(単位:mm2)とし、該電極対向面積Aと火花
放電ギャップgt,gpの間隔B(単位:mm)との間
に、 B≧0.1exp(A/4) (前記式) の関係が成り立っている。
電極対向面積Aを以下のように定義する。すなわち、図
2の中心電極3の中心軸線Oにz軸を定め、このz軸を
通るように直交動径軸Rを定めた円柱座標系を考え、R
方向において中心電極3の周側面位置から貴金属チップ
15の先端面15pまでの距離ε(mm)を測定したと
き、0.2≦ε≦0.7を満たす中心電極3の、周側面
領域の面積を電極対向面積Aとする。
ては、電極対向面積Aを以下のように定義する。すなわ
ち、図4に示すように、中心電極3の軸線Oと平行に入
射方向PDを定める。そして、図4左に示すように、中
心電極3のみを取り出したと考えて、接地電極4の位置
する側に光源を置き、入射方向PDに沿って平行光線P
L1を投射する。そして、貴金属耐消耗部13の先端面
13tにおいて、この平行光線PL1を受光しうる領域
をS1とする。
みを取り出したと考えて、中心電極3の位置する側に光
源を置き、入射方向PDに沿って平行光線PL2を投射
する。そして、接地電極4の側面に形成された貴金属耐
消耗部14の先端面14tにおいて、この平行光線PL
1を受光しうる領域をS2とする。そして、図5に示す
ように、これら2つの領域S1及びS2を入射方向PD
において透視したとき、互いに重なって見える領域を対
向領域として定め、その面積をもって電極対向面積Aと
する。なお、互いに重なって見える領域の面積が、領域
S1と領域S2とで異なる場合は、その小さいほうの面
積をもって電極対向面積Aとする。
らかな通り、「課題を解決するための手段」の欄にて説
明した本発明のガスエンジン用スパークプラグの構成を
有してなる。すなわち、貴金属耐消耗部13,14,1
5を採用し、かつ火花放電ギャップgt,gpを複数個
に分散形成することにより、合計の電極対向面積を増加
させたから、その寿命を大幅に向上できる。また、増加
するのは電極対向面積の合計であって、1つ1つの火花
放電ギャップgt,gpの電極対向面積が過度に大きく
なることはない。そして、前記したの関係式を充足す
るようにギャップ間隔Bを定めたから点火性も良好に確
保できる。かくして、スパークプラグ100は、コージ
ェネレーションシステムやヒートポンプなどの過酷な使
用条件においても、十分満足できる性能及び耐久性を実
現できる。
おいては、複数個の火花放電ギャップgt,gpのそれ
ぞれについて、電極対向面積Aが2.7mm2以上7m
m2以下に調整されていることが望ましい。電極対向面
積Aをこの範囲に収めることにより、スパークプラグの
耐久性を一層高めることができる。以下にその理由を説
明する。
に定めたとき、燃料への点火を支障なく行うことができ
るギャップ間隔Bの範囲は、式の曲線で定められる閾
値B’を下限値とし、式の上限値0.7mmまでの値
が可能である。例えば、初期ギャップ間隔B0を、着火
性確保のために多少の余裕を見込んで、 B0=B’+α ‥‥‥ に設定すれば、ギャップ間隔Bが上限値0.7mmに到
達するまでの拡大代は、 ΔB=0.7−(B’+α) ‥‥‥ により表すことができる。図21に示すように、電極対
向面積Aが増加すると、式に従いB’は単調に増加す
るから、式の拡大代ΔBは、電極対向面積Aの増加に
伴い単調に減少することとなる。
部)が消耗する体積(以下、飛火単位消耗体積という)
が一定であれば、電極対向面積Aが大きいほど、ギャッ
プ間隔Bの拡大率は小さくなる、しかし、本発明者らが
検討したところ、この飛火消耗体積は、電極対向面積A
の値に依存して変化することがわかった。このことを、
以下の実験により確かめた。すなわち、図21の実験に
用いたのと同タイプであって、電極対向面積Aを種々の
値に設定したスパークプラグを用い、放電電圧15k
V、1放電当たりのエネルギーが60mJ、周波数75
Hzにて1000時間放電を継続したときの総電極消耗
体積を求めた。そして、この総電極消耗体積を総放電回
数にて除することにより、飛火単位消耗体積を算出し
た。図22は、この算出された飛火単位消耗体積を、電
極対向面積Aの値に対してプロットしたものである。こ
のグラフによると、電極対向面積Aがある値以下に小さ
くなると、飛火単位消耗体積が急速に増加していること
がわかる。これは、電極対向面積Aが小さくなると電極
先端の熱引きが損なわれ、温度上昇しやすくなることが
原因している。
面積Aとの関係に適当な実験式Fを回帰し、 VE=F(A) ‥‥‥ にて表す。他方、式において計算の便宜のためα=0
とすれば、ギャップの拡大代ΔBは、式も用いて、 ΔB=0.7−B’=0.7−0.1exp(A/4) ‥‥‥ により表すことができる。そして、ギャップの拡大代Δ
Bに電極対向面積Aを乗ずれば、電極の総消耗代体積G
Vを算出することができる。すなわち、 GV=A・ΔB=A・{0.7−0.1exp(A/4)} ‥‥‥ この総消耗代体積GVを飛火単位消耗体積VEにて除し
た値は、火花放電ギャップ間隔が上限に到達するまでに
可能な総飛火回数Q、つまりスパークプラグの寿命値を
表すことになる。及びから、 Q=GV/VE =A・{0.7−0.1exp(A/4)}/F(A) ‥‥‥
して寿命値Qを算出し、Aの値にしてプロットしたもの
である。ただし、グラフの縦軸は、A=1.12mm2
のQ値を1として、相対寿命値Q’により表してある。
この結果を見ると、電極対向面積Aが2.7mm2以上
7mm2以下の範囲において相対寿命値Q’が特に高く
なり、耐久性を向上できることがわかる。
てさらに詳細に説明する。図2に示すように、スパーク
プラグ100においては、中心電極3の、先端面13t
と該先端面13tに連なる周側面先端部13pとを含む
部分が、一体の貴金属耐消耗部13として形成されてい
る。また、接地電極4,5として、側面14tを貴金属
耐消耗部13の先端面13tと対向させることにより第
一種火花放電ギャップgtを形成する第一種接地電極4
と、該第一種接地電極4とは別体であり、先端面15p
を貴金属耐消耗部13の周側面と対向させることにより
第二種火花放電ギャップgpを形成する第二種接地電極
5とが設けられている。このように、第一種火花放電ギ
ャップgtと第二種火花放電ギャップgpとを、個別の
接地電極4,5を用いて形成することにより、個々の火
花放電ギャップgt,gpの形成位置を自由に設定・調
整できるので、設計上の自由度が増す利点がある。
貴金属耐消耗部13の先端面13tが位置する側を前方
側としたとき、該貴金属耐消耗部13に周側面13pに
対向する第二種接地電極5の先端面15pの、軸線O方
向における前端縁位置X1が、貴金属耐消耗部13の先
端面位置Y1よりも後方側に位置してなる。このような
位置関係にて第二種接地電極5を配置すると、貴金属耐
消耗部13は、第一種火花放電ギャップgtでの飛火に
伴う先端面13t側からの消耗代と、第二種火花放電ギ
ャップgpでの飛火に伴う周側面13pからの消耗代と
が重ならない。その結果、周側面13pが消耗しても、
先端面13tの面積が縮小しにくくなるので、図22の
関係により第一種火花放電ギャップgt側でのギャップ
拡大が急速化する心配がない。すなわち、スパークプラ
グの更なる長寿命化を図ることができる。
主成分とした金属(例えば、Inconel 600等のNi基耐
熱合金:Inconelは英国Inco社の商標名)よりなる軸状
の電極本体3mを有する(ただし、その内部には、熱引
き促進のためのCu系金属かならる芯材3cが組み込ま
れている)。そして、その電極本体3mの先端面に貴金
属部材を重ね合わせ、その重ね合わせ面の周方向に沿っ
て環状の溶接部Wを形成することにより貴金属耐消耗部
13が形成されている。環状の溶接部Wは、全周レーザ
ー溶接により簡単かつ確実に形成できる。
13の先端面13tは、軸線O方向における後端縁位置
X2が、溶接部Wの前端縁位置Y2よりも前方側に位置
している。X2がY2よりも後方側にあると、第二種火
花放電ギャップgpの一部が溶接部Wと重なり、溶接部
Wにて飛火することになる。溶接部Wは、電極母材の金
属成分が合金化することにより低融点化しているため、
この位置で飛火すると消耗が急速に進んで溶接部Wがえ
ぐり取られ、貴金属耐消耗部13が剥離したりする不具
合につながる。そこで、X2をY2よりも前方側に位置
させることによりこのような不具合を解消できる。
のいずれかを主成分とした金属よりなる軸状の電極本体
4m,5mをそれぞれ有する。電極本体4m,5mは、
基端側が主体金具1の端面に溶接され、先端側が中心電
極3に向けて側方に曲げ返されている。このうち、第一
種接地電極4は、曲げ返された電極本体4mの先端部側
面が中心電極3の先端面13tと平行に対向している。
その対向位置には、貴金属部材が抵抗溶接等により接合
されて貴金属耐消耗部14が形成され、第一種火花放電
ギャップgtが形成されている。また、第二種接地電極
5は、曲げ返された電極本体5mの先端面に貴金属部材
が抵抗溶接等により接合され、貴金属耐消耗部15が形
成されている。そして、該貴金属耐消耗部15の先端面
15pが貴金属耐消耗部13の周側面13pと対向し
て、第二種火花放電ギャップgpが形成されている。
ラグの種々の変形例について説明する。図6に示すスパ
ークプラグ101は、第二種接地電極5が、中心電極3
の周囲に2個(つまり、複数個)配置されている。第二
種接地電極5を複数個配置することにより、第二種火花
放電ギャップgpの数を増やすことができ、電極対向面
積Aの合計が増大してより長寿命のスパークプラグを実
現できる。第二種接地電極5の数を除き、他は図2のス
パークプラグ100と同様に構成されている。また、図
10は、第二種接地電極5を3個配置した例である。
耐消耗部13は円柱状に形成され、第二種接地電極5の
貴金属耐消耗部15の先端面15pの形状は、貴金属耐
消耗部13の周側面13pの形状に対応した部分円筒面
とされている。このように構成すると、貴金属耐消耗部
13の周側面13pの周方向において、第二種火花放電
ギャップ15pの間隔が一様となり、電極対向面の消耗
を均一化することができる。また、貴金属耐消耗部15
の先端面15pを部分円筒面とすることで電極対向面積
が増大し、スパークプラグの寿命向上にも寄与する。こ
の構成は、第二種接地電極5を1つのみ有する図2のス
パークプラグ100にも当然適用できる。
15の先端面15pを平面状に形成することもできる。
この場合、貴金属耐消耗部13の周側面13pは、少な
くとも第二種火花放電ギャップ15pの対向面13fを
平面状に形成するようにする。この態様は、貴金属耐消
耗部15を形成するための貴金属部材が単純な板状形態
となり、製造が容易である。なお、貴金属耐消耗部13
は、図9に示すように、円柱状の貴金属部材13’の周
側面を、軸線と交差する向きに圧縮成型することによ
り、平面状の対向面13fを形成すると製造が容易であ
る。この場合、貴金属部材13’の、電極母材3m(図
6)への溶接側端部には、円筒状の周側面13bを一部
残留させておくと、全周レーザー溶接を行う際に、レー
ザービームの周側面13bへの合焦位置を一定にでき、
溶接ムラ等を生じにくい利点がある。
クプラグ102は、第一種接地電極を省略し、第二種接
地電極5(及び第二種火花放電ギャップgp)のみを複
数個設けた例である。この実施形態においては、中心電
極3側の貴金属耐消耗部13が四角柱状に形成され、周
側面をなす4つの平面のそれぞれに、第二種接地電極5
の先端に設けられた貴金属耐消耗部15の平面状の先端
面15pが対向している。ただし、図11Bに一点鎖線
にて示すように、図2と同様の第一種接地電極4を追加
して、合計五極のスパークプラグとして構成することも
可能である。
のスパークプラグの第二の実施形態を示すものである。
接地電極125は横長の板状に形成され、両端が主体金
具1に溶接される一方、その長手方向中央に板厚方向の
貫通孔26が形成されている。中心電極3側の貴金属発
火部13の先端部が軸線方向に該貫通孔26内に挿入さ
れ、貴金属発火部13の周側面13pと、貫通孔26の
内周面との間に、1個の火花放電ギャップgpが連続環
状形態に形成されている。この場合の電極対向面積A
も、図2の第二種火花放電ギャップgpの対向面積と全
く同様に定義する。接地電極125は、全体を貴金属の
ムク材として構成してある。従って、貫通孔26の内周
面を含む部分が貴金属耐消耗部として機能することは明
らかである。なお、図中一点鎖線で示すように、図2の
スパークプラグ100と同様の第一種接地電極4を追加
することもできる。また、図13に示すように、接地電
極125に貫通孔ではなく、板幅方向の一方に開放する
切欠26’を形成してもよい。
スパークプラグ100と同様、第一種接地電極4と第二
種接地電極5を有している。ただし、電極母材4m,5
mをそれぞれ主体金具1の端面から軸線O方向に立設配
置されている。そして、貴金属耐消耗部14及び15
は、いずれも棒状の貴金属部材の一端を電極母材4m,
5mの先端に溶接することにより接合され、主体金具1
の中心軸線Oに向けて半径方向内向きに直線状に伸びて
いる。そして、第一種接地電極4の貴金属耐消耗部14
の先端部側面は、中心電極3側の貴金属耐消耗部13の
先端面13tと対向して第一種火花放電ギャップgtを
形成している。また、第二種接地電極5の貴金属耐消耗
部15の先端面は、貴金属耐消耗部13の周側面13p
と対向して第二種火花放電ギャップgpを形成してい
る。この構造のスパークプラグは、以下の理由により製
造が容易である利点がある。 ・電極母材4m,5mの曲げ加工が不要である。 ・貴金属耐消耗部14及び15の溶接端が火花放電ギャ
ップgt,gpから離れているために、抵抗溶接でも十
分な接合強度が確保できる。 ・貴金属耐消耗部14及び15は、貴金属線材を切断す
ることにより容易に形成できる。
4は、いずれも第一種火花放電ギャップgtと第二種火
花放電ギャップgpが、別体の第一種接地電極4と第二
種接地電極5とにより形成されていたが、図15に示す
スパークプラグ105のように、1つの接地電極8によ
り2種の火花放電ギャップgt,gpを一括形成するこ
ともできる。
先端部を貴金属耐消耗部18として形成する。該貴金属
耐消耗部18の側面を中心電極3の先端面と対向する位
置関係にて配置する。その側面に、中心電極3の軸線O
方向を深さ方向とする有底の凹部を形成し、その凹部に
中心電極3の先端部を挿入配置する。そして、該凹部の
底面18tと中心電極3の先端面13tとの間に第一種
火花放電ギャップgtを形成し、同じ凹部の内側面18
pと中心電極3の先端部周側面13pとの間に第二種火
花放電ギャップgpを形成する。2つの火花放電ギャッ
プgt,gpが形成されるにもかかわらず、接地電極8
の数が1つで済むので、材料コスト及び組立てコストの
双方の観点から経済的である。図15の実施形態におい
ては、軸状の電極母材8mの先端面に棒状の貴金属耐消
耗部18を、溶接部Wを介して接合し、貴金属耐消耗部
18の先端面に開放する凹部を形成している。従って、
第二種火花放電ギャップgpは、凹部の非開放側の内側
面との間に1個のみ形成されている。
は、既に説明済みのスパークプラグ100〜104と同
様に形成される。なお、図16に示すように、電極母材
3mの先端に縮径部3qを形成し、その縮径部にカップ
状の貴金属部材を被せて溶接部Wにより固定すれば、貴
金属使用量を削減できるので経済的である。この形態
は、スパークプラグ100〜104にも同様に適用でき
る。
17に示すように、第一種火花放電ギャップgtと第二
種火花放電ギャップgpとが空間的に一体不可分に形成
されることとなる。しかし、図3〜図5を用いて説明し
た定義によれば、各火花放電ギャップgt,gpの電極
対向面積Aは、互いに分離した形で一義的に決定するこ
とができる。
すように、貴金属耐消耗部18に形成する凹部は、貴金
属耐消耗部18の先端面側にも内側面18pを形成し
て、当該先端面側を非開放とすることもできる。このよ
うにすると、接地電極8の長手方向において、第二種火
花放電ギャップgpを2箇所に形成することができ、ス
パークプラグの寿命向上を図る上でより有利となる。図
18においては、貴金属耐消耗部18の長手方向中間部
を、プレス加工等により曲げ変形させることにより凹部
を形成している。従って、貴金属耐消耗部18の凹部開
口側と反対側の面には、凹部形成位置に対応して凸部1
8vが形成されている。他方、図19に示すように、該
凸部18vが形成されないように凹部を形成してもよ
い。このような凹部は、切削、据え込みあるいはコイニ
ング加工により形成できる。
は、全体が貴金属耐消耗部18とされた(つまり、貴金
属ムク材にて構成された)接地電極8により、第一種火
花放電ギャップgtと第二種火花放電ギャップgpとを
一括形成した例である。
パークプラグの縦半断面図。
パークプラグの要部縦半断面図。
用スパークプラグの要部斜視図及び平面模式図。
スパークプラグの要部斜視図。
スパークプラグの要部側面図。
スパークプラグの要部側面図。
形例を示す断面図。
積の概念を説明する図。
スパークプラグの要部側面図。
スパークプラグの要部側面図。
た実験結果を示すグラフ。
調べた実験結果を示すグラフ。
を調べた実験結果を示すグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 1つの中心電極(3)と、先端部が前記
中心電極(3)の先端部に対向する形で配置され、前記
中心電極(3)との間に火花放電ギャップ(gt,g
p)を形成する1又は複数の接地電極(4,5,8)と
を備え、それら中心電極(3)と接地電極(4,5,
8)との、前記火花放電ギャップ(gt,gp)を挟ん
で対向する部分が少なくとも、貴金属を主成分とする貴
金属耐消耗部(13,14,15,18)とされ、か
つ、該火花放電ギャップ(gt,gp)の間隔Bが0.
2mm以上0.7mm以下に調整され、 前記火花放電ギャップ(gt,gp)は、前記中心電極
(3)の先端面(13t)に前記接地電極(4,8)が
対向して形成されるものを第一種火花放電ギャップ(g
t)とし、前記中心電極(3)の周側面(13p)に前
記接地電極(5,8)が対向して形成されるものを第二
種火花放電ギャップ(gp)として、1つの第一種火花
放電ギャップ(gt)と1以上の第二種火花放電ギャッ
プ(gp)とを含む複数個、もしくは2以上の第二種火
花放電ギャップ(gp)を含む複数個が形成されてな
り、さらに、 それら複数個の火花放電ギャップ(gt,gp)のそれ
ぞれについて、前記中心電極(3)と前記接地電極
(4,5,8)との、前記間隔Bを満たす前記火花放電
ギャップ(gt,gp)を挟んだ電極対向面積をA(単
位:mm2)として、該電極対向面積Aと前記火花放電
ギャップ(gt,gp)の間隔B(単位:mm)との間
に、 B≧0.1exp(A/4) の関係が成り立っていることを特徴とするガスエンジン
用スパークプラグ。 - 【請求項2】 複数個の火花放電ギャップ(gt,g
p)のそれぞれについて、前記電極対向面積Aが2.7
mm2以上7mm2以下に調整されてなる請求項1記載
のガスエンジン用スパークプラグ。 - 【請求項3】 前記中心電極(3)の、先端面(13
t)と該先端面(13t)に連なる周側面先端部(13
p)とを含む部分が、一体の貴金属耐消耗部(13)と
して形成され、 また、前記接地電極として、側面(14t)を前記貴金
属耐消耗部(13)の先端面(13t)と対向させるこ
とにより前記第一種火花放電ギャップ(gt)を形成す
る第一種接地電極(4)と、該第一種接地電極(4)と
は別体であり、先端面(15p)を前記貴金属耐消耗部
(13)の周側面と対向させることにより前記第二種火
花放電ギャップ(gp)を形成する第二種接地電極
(5)とが設けられてなる請求項1又は2に記載のガス
エンジン用スパークプラグ。 - 【請求項4】 前記中心電極(3)の軸線(O)方向に
おいて、前記貴金属耐消耗部(13)の先端面(13
t)が位置する側を前方側としたとき、該貴金属耐消耗
部(13)の周側面(13p)に対向する、前記第二種
接地電極(5)の先端面(15p)の、前記軸線(O)
方向における前端縁位置(X1)が、前記貴金属耐消耗
部(13)の先端面位置(Y1)よりも後方側に位置し
てなる請求項3記載のガスエンジン用スパークプラグ。 - 【請求項5】 前記中心電極(3)は、Ni又はFeの
いずれかを主成分とした金属よりなる軸状の電極本体
(3m)の先端面に貴金属部材を重ね合わせ、その重ね
合わせ面の周方向に沿って環状の溶接部(W)を形成す
ることにより前記貴金属耐消耗部(13)を形成したも
のであり、 また、前記接地電極として、先端面(15p)を前記貴
金属耐消耗部(13)の周側面と対向させることにより
前記第二種火花放電ギャップ(gp)を形成する第二種
接地電極(5)が設けられ、前記中心電極(3)の軸線
(O)方向において、前記貴金属耐消耗部(13)の先
端面(13t)が位置する側を前方側としたとき、該貴
金属耐消耗部(13)の周側面(13p)に対向する前
記第二種接地電極(5)の先端面(15p)の、前記軸
線(O)方向における後端縁位置(X2)が、前記溶接
部(W)の前端縁位置(Y2)よりも前方側に位置して
なる請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガスエン
ジン用スパークプラグ。 - 【請求項6】 前記第二種接地電極(5)が、前記中心
電極(3)の周囲に複数個配置されている請求項1ない
し5のいずれか1項に記載のガスエンジン用スパークプ
ラグ。 - 【請求項7】 前記接地電極として、1つの接地電極
(8)の少なくとも先端部を前記貴金属耐消耗部(1
8)として形成し、かつ、該貴金属耐消耗部(18)の
側面に、前記中心電極(3)の軸線(O)方向を深さ方
向とする有底の凹部を形成し、その凹部に前記中心電極
(3)の先端部を挿入配置して、該凹部の底面(18
t)と前記中心電極(3)の先端面(13t)との間に
前記第一種火花放電ギャップ(gt)を形成し、同じ凹
部の内側面(18p)と前記中心電極(3)の先端部周
側面(13p)との間に前記第二種火花放電ギャップ
(gp)を形成した請求項1又は2に記載のガスエンジ
ン用スパークプラグ。 - 【請求項8】 1つの中心電極(3)と、先端部が前記
中心電極(3)の先端部に対向する形で配置され、前記
中心電極(3)との間に火花放電ギャップ(gp)を形
成する接地電極(5)とを備え、それら中心電極(3)
と接地電極(5)との、前記火花放電ギャップ(gp)
を挟んで対向する部分が少なくとも、貴金属を主成分と
する貴金属耐消耗部(5)とされ、かつ、該火花放電ギ
ャップ(gp)の間隔Bが0.2mm以上0.7mm以
下に調整され、 前記火花放電ギャップ(gp)は、前記中心電極(3)
の周側面(13p)と前記接地電極(5)に形成された
穴又は切欠きの内周面とが対向するものとして形成され
てなり、さらに、 前記火花放電ギャップ(gp)は、前記中心電極(3)
と前記接地電極(5)との、前記間隔Bを満たす前記火
花放電ギャップ(gp)を挟んだ前記中心電極の電極対
向面積をA(単位:mm2)として、該電極対向面積A
と前記火花放電ギャップ(gp)の間隔B(単位:m
m)との間に、 B≧0.1exp(A/4) の関係が成り立っていることを特徴とするガスエンジン
用スパークプラグ。
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