JP2003254923A - マイグレーション測定方法および測定装置 - Google Patents

マイグレーション測定方法および測定装置

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JP2003254923A
JP2003254923A JP2002053623A JP2002053623A JP2003254923A JP 2003254923 A JP2003254923 A JP 2003254923A JP 2002053623 A JP2002053623 A JP 2002053623A JP 2002053623 A JP2002053623 A JP 2002053623A JP 2003254923 A JP2003254923 A JP 2003254923A
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impedance
charge transfer
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transfer resistance
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Hirokazu Tanaka
浩和 田中
Sachio Yoshihara
佐知雄 吉原
Takashi Shirakashi
高史 白樫
Hiroaki Hiramatsu
洋昭 平松
Kazuhiro Kumegawa
和博 粂川
Fumitaka Ueda
文崇 植田
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N17/00Investigating resistance of materials to the weather, to corrosion, or to light
    • G01N17/02Electrochemical measuring systems for weathering, corrosion or corrosion-protection measurement

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイグレーションの発生機構のより精密な解
析を可能とし、これによってマイグレーションの発生時
期をより精確に予測することを可能としてなるマイグレ
ーション測定方法および測定装置を提供する。 【解決手段】 交流インピーダンス法によりマイグレー
ションMを測定するものであって、電極1,2間に微小
交流が重畳された直流を印加する重畳信号印加部10
と、電流測定部30と、電極1、2間のインピーダンス
を測定するインピーダンス測定部20と、前記インピー
ダンス測定部20による測定値を記録してマイグレーシ
ョンMを測定する測定データ記録処理部40とを備え、
前記測定データ記録処理部40が、インピーダンス測定
値から界面容量Cおよび電荷移動抵抗Rctを算出し、前
記算出された界面容量Cおよび電荷移動抵抗Rctの変化
に基づいて、マイグレーションMを測定するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マイグレーション
測定方法および測定装置に関する。さらに詳しくは、マ
イグレーションによる電子機器材料・部品の絶縁性劣化
に対する耐性を評価するためのマイグレーション測定方
法および測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、導体回路基板上に水分が付着
した状態で電界を印加すると、電極材料の溶出および析
出が繰り返されて、やがて電極間に短絡が発生する現
象、いわゆるイオンマイグレーション現象(以下、単に
マイグレーションという)が発生することが知られてい
る。このマイグレーションは電極間距離が狭まるほど起
こりやすく、とりわけ銀、銅、およびはんだで起こりや
すいことが知られている。 【0003】したがって、近年の電子機器の小型化、軽
量化に伴う回路の高密度、ファインピッチ化の進展に伴
ってマイグレーションが電子機器の絶縁劣化に及ぼす影
響はより重大なものとなってきており、マイグレーショ
ンの基礎的な反応機構を解明し、その評価を可能とする
ことは、電子機器の信頼性向上に繋がる重要課題となっ
てきている。 【0004】そして、従来、各種材料の耐マイグレーシ
ョン性を評価するためのマイグレーション測定方法は、
電極間短絡に起因する絶縁抵抗変化などの電気的特性に
着目してマイグレーション発生の有無を観測する手法が
一般的である(例えば特開平11−211684号公報
参照)。 【0005】ところが、このような従来のマイグレーシ
ョン測定方法は本質的には事後解析であり、電気化学的
な現象であるマイグレーションの発生過程の解析をなす
ものではなく、また、測定期間も長期(例えば1000
〜2000時間)に亘るものとなるため、製品開発期間
において大きなウエイトを占める製品評価期間を短縮す
る際の障碍となる、といった問題がある。 【0006】かかる問題を解決すべく、本発明者等は、
水晶振動子マイクロバランス法(QCM(Quartz Cryst
al Microbalance)法)をマイグレーション測定に適用
することによって、リアルタイムでマイグレーション進
行の程度を測定できるようにし、これによってマイグレ
ーションの発生予測を可能としたマイグレーション測定
方法および測定装置を既に提案している(2000年1
1月:日本信頼性学会第13回信頼性シンポジウム発表
報文集(27頁〜30頁)、特願2001−09591
3号参照)。 【0007】図16に、本発明者等の先の提案に係るマ
イグレーション測定方法・測定装置の測定原理を示す。
この測定装置100においては、水晶板101表面に形
成された電極(作用極)102と、表面に評価対象とな
る金属メッキ層(例えばはんだメッキ層)が形成された
棒状の電極(対極)103とを濾紙等の吸湿性の高い絶
縁材104を介装させて対向配置するとともに、各電極
102、103の間隙にイオン交換水105を滴下した
状態で所定の直流電圧を印加し、このときの水晶板10
1の振動数の変化を測定するようにして、作用極102
の質量の変化を検出し、これによって作用極102にお
ける金属イオンの析出量をリアルタイムで測定するもの
とされる。 【0008】ところが、実際のマイグレーションの発生
過程には数多くの素過程(電荷移動過程、物質移動過程
など)が含まれており、QCM法により電極間の質量変
化を計測するだけではこれら素過程における情報を得る
ことができず、マイグレーションの発生機構を十分に解
明することはできない。このため、電極間短絡が発生す
る時期についての予測も精確に行えないことがあり十分
な信頼性を達成することができない。その結果、評価期
間を効果的に短縮することができないという問題が生じ
ている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる本発明
者等の先の提案に係るマイグレーション測定方法および
測定装置の課題に鑑みなされたものであって、マイグレ
ーションの発生機構のより精密な解析を可能とし、これ
によってマイグレーションの発生時期をより精確に予測
することを可能としてなるマイグレーション測定方法お
よび測定装置を提供することを主たる目的とし、またそ
の測定により得られたデータを用いてマイグレーション
による電極間の短絡を予測する短絡発生時間予測方法お
よび短絡発生時間予測装置を提供することも目的として
いる。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のマイグレーショ
ン測定方法の第1形態は、交流インピーダンス法を用い
たマイグレーション測定方法であって、電極間に微小交
流が重畳された直流を印加してそのインピーダンスを測
定し、前記インピーダンス測定値から界面容量を算出
し、前記算出された界面容量の変化に基づいてマイグレ
ーションを測定することを特徴とする。 【0011】本発明のマイグレーション測定方法の第1
形態においては、インピーダンスの測定開始から所定時
間経過後における界面容量の急低下により、マイグレー
ション発生を検出するものとされる。 【0012】本発明のマイグレーション測定方法の第2
形態は、交流インピーダンス法を用いたマイグレーショ
ン測定方法であって、電極間に微小交流が重畳された直
流を印加してそのインピーダンスを測定し、前記インピ
ーダンス測定値から電荷移動抵抗を算出し、前記算出さ
れた電荷移動抵抗の変化に基づいてマイグレーションを
測定することを特徴とする。 【0013】本発明のマイグレーション測定方法の第2
形態においては、インピーダンスの測定開始から所定時
間経過後における電荷移動抵抗の急低下により、マイグ
レーション発生を検出するものとされる。 【0014】本発明のマイグレーション測定方法の第3
形態は、交流インピーダンス法を用いたマイグレーショ
ン測定方法であって、電極間に微小交流が重畳された直
流を印加してそのインピーダンスを測定し、前記インピ
ーダンス測定値から界面容量および電荷移動抵抗を算出
し、前記算出された界面容量および電荷移動抵抗の変化
に基づいて、マイグレーションを測定することを特徴と
する。 【0015】本発明のマイグレーション測定方法の第3
形態においては、インピーダンスの測定開始から所定時
間経過後における界面容量および電荷移動抵抗の急低下
により、マイグレーション発生を検出するものとされ
る。 【0016】本発明の短絡発生時間予測方法は、交流イ
ンピーダンス法を用いたマイグレーションによる電極間
の短絡発生時間を予測する短絡発生時間予測方法であっ
て、電極間に微小交流が重畳された直流を印加してその
インピーダンスを測定し、前記インピーダンス測定値か
ら電荷移動抵抗を算出し、前記算出された電荷移動抵抗
に基づいてマイグレーションによる短絡発生時間を予測
することを特徴とする。 【0017】本発明の短絡発生時間予測方法において
は、水滴下法による場合、短絡発生予測時間が下記式に
より算出される。 【0018】 TE=TD+(RctB/(RctB−RctD))0.5xTS 【0019】 ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 RctB:変曲点検出前電荷移動抵抗値 RctD:変曲点検出時電荷移動抵抗値 TS:測定時間間隔 【0020】また、本発明の短絡発生時間予測方法にお
いては、環境試験法または湿度試験法による場合、短絡
発生予測時間が下記式により算出される。 【0021】 TE=TD+(Rcte/(Rcte-Rctd))0.5x((Rcte+Rsol)/Rcte)2xTS 【0022】ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 Rcte:変曲点検出前の電荷移動抵抗(安定期の電荷移
動抵抗) Rctd:変曲点検出時の電荷移動抵抗 Rsol:変曲点検出前の溶液抵抗 TS:測定時間間隔 【0023】しかして、本発明の方法においては、例え
ばアノードが棒状電極とされ、カソードが平板状電極と
される。 【0024】本発明のマイグレーション測定装置の第1
形態は、交流インピーダンス法を用いたマイグレーショ
ン測定装置であって、電極間に微小交流が重畳された直
流を印加する重畳信号印加部と、電流測定部と、電極間
のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部による測定値を記録してマイ
グレーションを測定する測定データ記録処理部とを備
え、前記測定データ記録処理部が、インピーダンス測定
値から界面容量を算出し、前記算出された界面容量の変
化に基づいてマイグレーションを測定することを特徴と
する。 【0025】本発明のマイグレーション測定装置の第1
形態においては測定データ記録処理部が、インピーダン
スの測定開始から所定時間経過後における界面容量の急
低下により、マイグレーション発生を検出するものとさ
れる。 【0026】本発明のマイグレーション測定装置の第2
形態は、交流インピーダンス法を用いたマイグレーショ
ン測定装置であって、電極間に微小交流が重畳された直
流を印加する重畳信号印加部と、電流測定部と、電極間
のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部による測定値を記録してマイ
グレーションを測定する測定データ記録処理部とを備
え、前記測定データ記録処理部がインピーダンス測定値
から電荷移動抵抗を算出し、前記算出された電荷移動抵
抗の変化に基づいてマイグレーション発生を検出するこ
とを特徴とする。 【0027】本発明のマイグレーション測定装置の第2
形態においては、測定データ記録処理部が、インピーダ
ンスの測定開始から所定時間経過後における電荷移動抵
抗の急低下により、マイグレーション発生を検出するも
のとされる。 【0028】本発明のマイグレーション測定装置の第3
形態は、交流インピーダンス法を用いたマイグレーショ
ン測定装置であって、電極間に微小交流が重畳された直
流を印加する重畳信号印加部と、電流測定部と、電極間
のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部による測定値を記録してマイ
グレーションを測定する測定データ記録処理部とを備
え、前記測定データ記録処理部が、インピーダンス測定
値から界面容量および電荷移動抵抗を算出し、前記算出
された界面容量および電荷移動抵抗の変化に基づいて、
マイグレーションを測定することを特徴とする。 【0029】本発明のマイグレーション測定装置の第3
形態においては、インピーダンスの測定開始から所定時
間経過後における界面容量および電荷移動抵抗の急低下
により、マイグレーション発生を検出するものとされ
る。 【0030】本発明の短絡発生時間予測装置は、交流イ
ンピーダンス法を用いたマイグレーションによる電極間
の短絡発生時間を予測する短絡発生時間予測装置であっ
て、電極間に微小交流が重畳された直流を印加する重畳
信号印加部と、電流測定部と、電極間のインピーダンス
を測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダン
ス測定部による測定値を記録してマイグレーションによ
る電極間の短絡時間を予測する測定データ記録・予測処
理部とを備え、前記インピーダンス測定値から電荷移動
抵抗を算出し、前記算出された電荷移動抵抗に基づい
て、マイグレーションによる短絡発生時間を予測するこ
とを特徴とする。 【0031】本発明の短絡発生時間予測装置において
は、水滴下法による場合、短絡発生予測時間が下記式に
より算出される。 【0032】 TE=TD+(RctB/(RctB−RctD))0.5xTS 【0033】 ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 RctB:変曲点検出前電荷移動抵抗値 RctD:変曲点検出時電荷移動抵抗値 TS:測定時間間隔 【0034】また、本発明の短絡発生時間予測装置にお
いては、環境試験法または湿度試験法による場合、短絡
発生予測時間が下記式により算出される。 【0035】 TE=TD+(Rcte/(Rcte-Rctd))0.5x((Rcte+Rsol)/Rcte)2xT
S 【0036】 ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 Rcte:変曲点検出前の電荷移動抵抗(安定期の電荷移
動抵抗) Rctd:変曲点検出時の電荷移動抵抗 Rsol:変曲点検出前の溶液抵抗 TS:測定時間間隔 【0037】本発明の装置においては、例えばアノード
が棒状電極とされ、カソードが平板状電極とされる。 【0038】 【作用】本発明は前記の如く構成されているので、マイ
グレーションの進行状況をリアルタイムあるいはオンラ
インで精度よく測定できる。 【0039】また、本発明の好ましい形態によれば、マ
イグレーションによる電極間の短絡を予測できるので、
耐マイグレーション性評価に要する時間を短縮できて生
産性が向上する。 【0040】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。 【0041】実施形態1 図1に、本発明の実施形態1に係るマイグレーション測
定方法が適用されてなるマイグレーション測定・短絡予
測装置(以下、単に測定装置という)の概略図を示す。 【0042】この測定装置Kは、各種金属材料の耐マイ
グレーション性を評価するマイグレーション測定に、い
わゆる交流インピーダンス法を適用してマイグレーショ
ンの発生およびそれによる電極間短絡(以下、単に短絡
ということもある)の時期についてのより精確な予測を
可能とし、これにより各種金属材料の耐マイグレーショ
ン性評価に要する期間の短縮を可能とするものとされ
る。 【0043】ここで、実施形態1のマイグレーション測
定方法の理解を容易とするために、図2を参照して交流
インピーダンス法によるマイグレーション測定の基本原
理を説明する。 【0044】図2(a)に、マイグレーションの測定を
行うために用いる電気的情報を検出する検出回路を模式
化して示す。また、同図(b)に、この検出回路の等価
回路を示す。なお、図中、符号Ceqは相当界面容量を示
し、符号Rcteqは相当電荷移動抵抗を示し、符号R
soleqは相当溶液抵抗を示す。 【0045】図2(a)に示すように、表面に金属酸化
物皮膜3が形成された各電極1´、2´をイオン交換水
4´中に浸漬し(後掲する環境試験法であれば、水蒸気
雰囲気中で保持する)、この状態で微少な交流信号を含
む直流を各電極1´、2´に印加すると、陽極(アノー
ド)1´から金属イオンが溶解し、これが陰極(カソー
ド)2´表面に析出し、この結果、マイグレーションM
が発生する。そして、このような電極反応について検出
可能な電気的な情報(インピーダンスについての情報)
に基づいて、金属イオンの溶解を抑制する金属酸化物皮
膜3などについての情報(後掲の電荷移動抵抗Rct、界
面容量C、溶液抵抗Rsol)を求めることが可能とな
り、各種金属材料における金属イオンの溶解性および析
出性の大小、すなわちマイグレーションMの発生機構の
特徴を解析し、発生時期を予測することが可能となる。 【0046】次に、測定装置Kについて詳細に説明す
る。 【0047】測定装置Kは、図1に示すように、各電極
1、2に直流成分に微少な正弦波交流信号(以下、交流
成分という)を重畳させた信号(以下、重畳信号とい
う)aを印加する重畳信号印加部10と、重畳信号aが
印加された各電極1、2間のインピーダンスを測定する
インピーダンス測定部20と、電極1、2間の電流を測
定する電流測定部30と、インピーダンス測定部20お
よび電流測定部30によって測定されたインピーダンス
および電流を示すデータ(以下、測定データという)を
記録するとともに、この測定データに基づいて、マイグ
レーションMによる電極間の短絡時期を予測するための
予測処理を行う測定データ記録・予測処理部40とを主
要構成要素として備えてなるものとされる。なお、単に
マイグレーションの測定を行う場合には、測定データ記
録・予測処理部40を測定データ記録処理部とすること
もできる。 【0048】各電極1、2は、一方の電極(金属溶解
側、以下アノードという)1が例えば丸棒状とされ、他
方の電極(金属析出側、以下カソードという)2が例え
ば平板状とされ、各表面にはマイグレーション評価の対
象となる所定厚の金属層(不図示である)が形成されて
いる。 【0049】アノード1は、長手方向を鉛直方向に位置
させるようにしてカソード2の上方でマイクロメータ5
を介して支持されており、これによってカソード2の上
面に滴下されるイオン交換水4にアノード1の先端部を
漬からせるように電極1、2の間隙を調整することが可
能となる。 【0050】次に、図3を参照して、重畳信号印加部1
0を説明する。同図に示すように、重畳信号印加部10
は、直流電源(例えばポテンシオスタット(定電位電解
装置))11および発振器12から構成される。 【0051】直流電源11は、重畳信号aの直流成分
(例えば1.5V(ボルト)の直流)を出力する。ま
た、直流電源11は、ポテンシオスタットのように外部
から信号可変可能な安定化電源であればどのようなもの
を用いてもよい。 【0052】発振器12は、重畳信号aの交流成分(例
えば電圧:10mV(ミリ・ボルト)〜50mV、周波
数:0.1Hz(ヘルツ)〜100KHz(キロ・ヘル
ツ)の交流)を出力する。なお、発振器12は、実際の
機器構成においては後掲のインピーダンス測定部20と
して用いられるインピーダンス・メータに通常内蔵され
る発振器とすることが可能である。 【0053】インピーダンス測定部20は、例えば位相
差計とされ、重畳信号印加部10と接続されて重畳信号
印加部10が出力する重畳信号aの電圧を表す電圧信号
bと電流を表す電流信号cとを検出し、各信号b、cの
位相差に基づいて所定時間毎に実数インピーダンスおよ
び虚数インピーダンスを測定する。 【0054】また、インピーダンス測定部20は、各イ
ンピーダンスの測定結果を表す実数インピーダンス測定
データdおよび虚数インピーダンス測定データeを測定
データ記録・予測処理部40に出力する。なお、インピ
ーダンス測定部20としていわゆるインピーダンス・メ
ータを用いることが可能である。 【0055】電流測定部30は、重畳信号印加部10と
接続され、重畳信号印加部10からの電流信号cに基づ
いて所定時間毎に各電極1、2の間に流れる電流を測定
し、この測定結果を表す電流測定データfを測定データ
記録・予測処理部40に出力する。 【0056】測定データ記録・予測処理部40は、例え
ばパーソナルコンピュータからなり、インピーダンス測
定部20からの各インピーダンス測定データd,eおよ
び電流測定部30からの電流測定データfを記録保存
し、各データに後掲する演算処理を実施するようにし
て、金属層表面に形成される酸化物皮膜における電荷移
動抵抗Rctおよび界面容量Cと、溶液抵抗Rsolとを算
出し、この算出結果に基づいてマイグレーションによる
短絡の発生時期を予測する。 【0057】次に、図1および図4を参照して、測定デ
ータ記録・予測処理部40が実施する予測処理を詳細に
説明する。 【0058】なお、図1中の破線は測定データ記録・予
測処理部40からの制御信号を示し、図4中の符号S1
〜S10はステップ番号を示す。 【0059】ステップ1:重畳信号印加部10が出力す
る重畳信号aを各電極1、2に印加する。 【0060】ステップ2:実数インピーダンス測定デー
タd、虚数インピーダンス測定データeおよび電流測定
データfを所定の時間間隔、例えば100秒間隔でサン
プリングする。 【0061】ステップ3:前記ステップ2でサンプリン
グされたデータを記録保存する。 【0062】ステップ4:各測定データd、e、fから
電荷移動抵抗Rct、界面容量Cおよび溶液抵抗Rsol
算出する。 【0063】以下、図5を参照して、電荷移動抵抗
ct、界面容量Cおよび溶液抵抗Rsolの算出方法を説
明する。 【0064】図5は、マイグレーション進行の各段階に
おいて100kHz(キロ・ヘルツ)から0.1Hz
(ヘルツ)まで対数掃引するようにして重畳信号aの交
流成分の周波数を変化させ、各周波数に対応する実数イ
ンピーダンス測定データd(各図の横軸)および虚数イ
ンピーダンス測定データe(各図の縦軸)をプロットし
た複素平面図である。 【0065】同図において、測定開始直後(同図(a)
参照)は、プロットされた点(d,e)は、半円弧R1
と直線とが組み合わされた軌跡を描き、また測定開始か
ら所定時間経過後(例えば300秒後、同図(b)参
照)には半円弧R2だけとなった軌跡を描き、さらにマ
イグレーションが発生した時点(例えば500秒後、同
図(c)参照)では、半円弧R2より小さな半円弧R3
軌跡を描く。そして、電極間の短絡が発生すると(例え
ば600秒後)、実数インピーダンス(約100Ω)お
よび虚数インピーダンスはともに一定値に収束する。 【0066】ここで、電荷移動抵抗Rctは、各円弧
1、R2、R3の直径として示され、また、溶液抵抗R
solは、各半円R1、R2、R3と横軸との2つの交点のう
ち値0に近い側の値として示される。 【0067】また、界面容量Cは、下記式(1)にした
がって算出される。 【0068】 C=1/(2π・Fmax・Rct) (1) 【0069】ここで、Fmaxは各半円R1、R2、R3の頂
点にプロットされたデータの最大周波数とされる。 【0070】ステップ5:電荷移動抵抗Rct値の変化率
εRを求める。この変化率εR(%)は下記式(2)によ
り算出される。 【0071】 εR=((測定値−前回の測定値)/前回の測定値)x100 (2) 【0072】ここに、 前回の測定値:測定時間毎に測定されたデータの1回前
のデータ 【0073】ステップ6:インピーダンスの測定開始か
ら所定時間経過した後に、電荷移動抵抗Rct値が低下し
ているか否か判定する。そして、電荷移動抵抗Rct値が
急激に低下していれば、つまり電荷移動抵抗Rct値の低
下速度が閾値を超えていれば、次のステップ7に進み、
その逆に電荷移動抵抗Rct値が急激に低下していなけれ
ば、ステップ2に戻る。なお、この所定時間は電極金属
の材質、つまり試験体に応じて適宜設定される。 【0074】ステップ7:インピーダンスの測定開始か
ら所定時間経過した後に、界面容量C値が低下している
か否か判定する。そして、界面容量C値が急激に低下し
ていれば、つまり界面容量C値の低下速度が閾値を超え
ていれば、次のステップ8に進み、その逆に界面容量C
値が低下していなければ、ステップ2に戻る。なお、こ
の所定時間は電極金属の材質に応じて適宜設定される。 【0075】ステップ8:電荷移動抵抗Rct値の変化率
εRが、変曲点検出用の閾値γ(γ<0)よりも小さい
か否かを判定する。電荷移動抵抗Rct値の変化率εR
閾値γよりも小さければ、つまり電荷移動抵抗Rct値の
変化率εRが閾値γを超えていれば(つまり変曲点が検
出されれば)、所定時間後に電極間短絡が発生するもの
として、次のステップ9に進み、その逆に変曲点が検出
されなければ、ステップ2に戻る。 【0076】すなわち、マイグレーションの発生は、金
属層表面に通常形成される酸化皮膜の安定性と大きく関
係しており、酸化皮膜が破壊されるとマイグレーション
も加速度的に進展する。このため、マイグレーションの
急激な進行が開始されるときの電荷移動抵抗Rctの変化
率εRを実験的に予め求めておき、これを参照して変曲
点検出用閾値γを設定するものとされる。なお、変曲点
検出用閾値γの設定についての詳細は後の実施例で説明
する。 【0077】ステップ9:マイグレーションによる電極
間短絡が発生するまでの時間を予測するための短絡発生
時間予測演算処理を実施し、短絡発生予測時間TE(秒
または時間)を下記式(3)により算出する。 【0078】 TE=TD+(RctB/(RctB−RctD))0.5xTS (3) 【0079】ここに、 TD:ステップ8における変曲点検出までの時間 〔秒または時間〕 RctB:変曲点検出前電荷移動抵抗値 〔kΩ〕 RctD:変曲点検出時電荷移動抵抗値 〔kΩ〕 TS:測定時間間隔 〔秒または時間〕 【0080】ステップ10:予測結果、つまり短絡発生
予測時間TEを出力する。 【0081】このように、この実施形態1によれば、界
面容量Cの低下および電荷移動抵抗Rct値の低下を用い
てマイグレーションを測定しているので、マイグレーシ
ョンの進行状況をリアルタイムあるいはオンラインで精
確に把握することができる。また、この実施形態1によ
れば、前記式(3)により短絡発生予測時間TEも知る
ことができるので、製品評価期間を短縮できて生産性の
向上が図られる。 【0082】実施形態2 図6および図7を参照して、本発明の実施形態2を説明
する。実施形態2においては、実施形態1のイオン交換
水4を用いた測定方法(以下、水滴下法という)に代え
て、水蒸気雰囲気中でマイグレーションを測定するもの
とされる。いわゆる、環境試験法(あるいは湿度試験
法)によりマイグレーションを測定するものとされる。 【0083】図6(a)は、実施形態2の環境試験法に
おける各電極1、2間の電圧の分布状況を示し、図7
(a)は、比較対象として実施形態1の水滴下法におけ
る各電極1、2間の電圧の分布状況を示す。また、各図
中、(b)は等価回路を示す。なお、同図中、符号C1
eq、C2eqはそれぞれアノードおよびカソードの相当界
面容量を示し、Rct1eq、Rct2eqはそれぞれアノードお
よびカソードの相当電荷移動抵抗を示し、Rsoleqは相
当溶液抵抗を示す。 【0084】図7に示すように、イオン交換水4を用い
たマイグレーション測定では水分量が十分であるため、
溶液抵抗成分Rsolは測定開始後速やか(10秒以内)
に一定になり、その値(2kΩ程度)も電荷移動抵抗R
ctおよび界面容量成分C(C1,C2)と比較して十分
に小さい。このため、マイグレーション評価においてR
sol値を考慮する必要性は小さい。 【0085】ところが、環境試験法においては水分が水
蒸気で与えられるため、図6に示すように、試験体が吸
湿するまでに100時間以上かかり、また、その水分量
も小さいため溶液抵抗Rsol値は比較的大きな値(30
kΩ程度)となり、その上その値も時間の経過とともに
変化する。そのため、環境試験法によるマイグレーショ
ンの測定は、界面容量C、電荷移動抵抗Rct、溶液抵抗
solおよび電流の時間変化のパターンを把握してなす
必要がある。 【0086】図8に、環境試験法おける界面容量C(同
図(a))、電荷移動抵抗Rct(同図(b))、溶液抵
抗Rsol(同図(c))および電流(同図(d))の時
間変化を模式的に示す。 【0087】図8に示すように、試験体吸湿期間(具体
的には測定開始後100時間程度)においては、試験体
における吸湿が進行して溶液抵抗Rsolが低下する。ま
た、この溶液抵抗Rsolの低下により電極界面に印加さ
れる電圧が増加するので、界面容量Cおよび電荷移動抵
抗Rctが増加する。 【0088】試験体吸湿期間が経過すると、界面容量
C、電荷移動抵抗Rct、溶液抵抗Rso lの値は一定で推
移する。つまり、安定期に入る。 【0089】この安定期の末期においては、電極界面の
皮膜が破壊されて界面容量C、電荷移動抵抗Rctが低下
し始める。つまり、変曲点が発生する。この場合、溶液
抵抗Rsolは水滴下法に比して大きいため、金属イオン
の移行反応は迅速には進行しない。そのため、界面容量
C、電荷移動抵抗Rctの低下速度は緩やかである。 【0090】また、マイグレーションにより電極間の短
絡が発生するまでの予測時間(短絡発生予測時間)TE
(秒または時間)は下記式(4)により算出される。 【0091】 TE=TD+(Rcte/(Rcte-Rctd))0.5x((Rcte+Rsol)/Rcte)2xTS (4) 【0092】ここに、 TD:変曲点検出までの時間 〔秒または時間〕 Rcte:変曲点検出前の電荷移動抵抗(安定期の電荷移動抵抗) 〔kΩ〕 Rctd:変曲点検出時の電荷移動抵抗 〔kΩ〕 Rsol:変曲点検出前の溶液抵抗 〔kΩ〕 TS:測定時間間隔 〔秒または時間〕 【0093】前記式(4)により、ある試験体の短絡発
生予測時間TEを算出したところ、2800時間であっ
た。また、その試験体における実際の短絡発生時間は約
3000時間であった。それ故、前記式(4)により算
出されたは短絡発生予測時間TEは、実際の短絡発生時
間とほどよく整合しているのがわかる。また、この試験
体における変曲点検出時間は、測定開始から1000時
間経過後であった。それ故、前記例においては約200
0時間前に短絡の予想をなし得ることになる。 【0094】その他の試験体についても同様な予測を行
ったところ、多少のバラツキはあるものの同様な結果が
得られた。 【0095】したがって、前記式(4)によれば、環境
試験法におけるマイグレーションによる電極間の短絡発
生時期を数千時間前に知ることができる。その結果、製
品の耐マイグレーション評価期間が著しく短縮されて生
産性が著しく向上する。 【0096】 【実施例】以下、本発明をより具体的な実施例に基づい
て説明する。 【0097】実施例1〜実施例3および比較例1〜比較
例3 実施形態1の測定装置Kにおいて、アノード1をはんだ
メッキを施した直径3.0ミリ・メートルのスズ棒(純
度99.0%)とし、カソード2をATカットクリスタ
ル(共振周波数:5MHz)にAuを蒸着して電極(電
極面積:1.37平方センチ・メートル)を形成したも
のとした。そして、各電極1、2の表面に各種金属層を
形成し、下記条件でマイグレーション評価試験を実施し
た(実施例1〜実施例3)。 【0098】また、実施例1〜実施例3に付随してQC
M法によるマイグレーション評価試験を実施したものを
比較例1〜比較例3として示す。試験条件は、以下の通
りである。 【0099】 電極間隙:0.3mm、イオン交換水容積:1mL、交流信号直流成分:1. 5V、交流信号電圧:50mV。 実施例1,比較例1:Sn−3.5Ag(融点:221℃) 実施例2,比較例2:Sn−9Zn(融点:198.5℃) 実施例3,比較例3:Sn−37Pb(融点:183.3℃) 【0100】図9に実施例1〜実施例3における界面容
量C(同図(a))、電荷移動抵抗Rct(同図(b))
および電流値(電流測定データf、同図(c))の測定
開始時点からの変化の様子を示す。図10に、横軸を経
過時間の平方根としたときの、図9と同様の図を示す。
図11に比較例1〜比較例3におけるATカットクリス
タルの共振周波数変化の様子(同図(a))を実施例1
〜実施例3における電荷移動抵抗Rctの変化の様子(同
図(b))と対比して示す。 【0101】また、図12に実施例1のカソード表面の
走査電子顕微鏡による試験開始前の観察結果を示し、図
13に実施例1のカソード表面の走査電子顕微鏡による
電極間短絡以前の観察結果を示し、図14に実施例1の
カソード表面の走査電子顕微鏡による電極間短絡直後の
観察結果を示し、図15実施例1のカソード表面の走査
電子顕微鏡による試験開始から1000秒後の観察結果
を示す。 【0102】図9および図10から、実施例1〜実施例
3において、電極間短絡発生時(各図(c))の時刻t
1、t2、t3の直前に、まず、界面容量Cが急激に低下
し(各図(a)参照)、次いで、電荷移動抵抗Rctが急
激に低下し(各図(b))、電極間短絡に至ることが確
認された。ここで、実施形態1の変曲点検出用閾値γ
は、図10における傾き(−1)と一致する変化率に設
定するのが好適である。 【0103】また、図11から、QCM法によるマイグ
レーション評価試験(比較例1〜比較例3、同図
(a))では、交流インピーダンス法による実施例1〜
実施例3(同図(b))と比較して、共振周波数の変化
に基づいて変化電極間短絡発生時刻t1、t2、t3を精
確に検出することは困難であることが分かる。 【0104】また、図12〜図15より、電極間短絡開
始以前(図13参照)においては電極表面に微細なマイ
グレーションが全面を覆っているのが確認でき、短絡直
後(図14参照)においては対極に向かって樹枝状マイ
グレーションが発生しているのが確認でき、試験開始1
000秒後(図15参照)においては多数の樹枝状マイ
グレーションが成長しているのが確認できる。 【0105】さらに、実施例1〜実施例3について、前
記式(3)により短絡発生予測時間を算出した。その結
果、実施例1では1100秒であり、実施例2では16
15秒であり、実施例3では275秒であった。これら
の結果は、図9に示す測定結果と整合しているところか
ら、前記式(3)により短絡発生を精度よく予測できる
といえる。 【0106】以上、本発明を実施形態および実施例に基
づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態および
実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能であ
る。例えば、実施形態では界面容量および電荷移動抵抗
を用いてマイグレーションの進行状況を把握するように
しているが、界面容量あるいは電荷移動抵抗の一方のみ
によりマイグレーションの進行状況を把握するようにし
てもよい。また、電極の形状も種々とでき、例えば平行
電極とすることもできる。 【0107】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
マイグレーションの進行状況をリアルタイムあるいはオ
ンラインで精度よく測定できるという優れた効果が得ら
れる。 【0108】また、本発明の好ましい形態によれば、マ
イグレーションによる電極間の短絡までの時間を予測で
きるので、耐マイグレーション性評価に要する時間を著
しく短縮できて生産性の著しい向上が図られるという優
れた効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る測定装置のブロック
図である。
【図2】同測定装置によるマイグレーション測定の原理
を示す模式図であって、同(a)は測定回路図を示し、
同(b)はその等価回路を示す。
【図3】同測定装置の重畳信号印加部の詳細を示すブロ
ック図である。
【図4】同測定装置の測定データ記録・予測処理部が実
施する予測処理の手順を示す流れ図である。
【図5】電荷移動抵抗および界面容量の算出原理を示す
複素平面図であって、同(a)は測定開始直後のものを
示し、同(b)は測定開始からマイグレーション発生ま
での中間時点におけるものを示し、同(c)はマイグレ
ーション発生直後のものを示し、同(d)は電極間短絡
発生時点のものを示す。
【図6】本発明の実施形態2に係るマイグレーション測
定方法における測定原理を示す模式図であって、同
(a)は各電極間における電圧分布を示し、同(b)は
等価回路を示す。
【図7】同マイグレーション測定方法に対する比較例と
しての水滴下法による測定原理を示す模式図であって、
同(a)は各電極間における電圧分布を示し、同(b)
は等価回路を示す。
【図8】本発明の実施形態2における特性変化を模式的
に示すグラフであって、同(a)は界面容量の時間変化
を示し、同(b)は電荷移動抵抗の時間変化を示し、同
(c)は溶液抵抗の時間変化を示し、同(d)は電流の
時間変化を示す。
【図9】実施例1〜実施例3の各種電気的情報の変化の
様子を示すグラフ図であって、同(a)は界面容量の変
化を示し、同(b)は電荷移動抵抗の変化を示し、同
(c)は電流値の変化を示す。
【図10】横軸を経過時間の平方根に代えた図9と同様
のグラフ図であって、同(a)は界面容量の変化を示
し、同(b)は電荷移動抵抗の変化を示し、同(c)は
電流値の変化を示す。
【図11】比較例1〜比較例3の共振周波数変化の様子
を実施例1〜実施例3の電荷移動抵抗変化の様子と対比
して示すグラフ図であって、同(a)は比較例1〜比較
例3における共振周波数の変化を示し、同(b)は実施
例1〜実施例3における電荷移動抵抗の変化を示す。
【図12】実施例1のカソード表面の走査電子顕微鏡写
真であって、測定開始前の状態を示す。
【図13】実施例1のカソード表面の走査電子顕微鏡写
真であって、電極間短絡以前の状態を示す。
【図14】実施例1のカソード表面の走査電子顕微鏡写
真であって、電極間短絡直後の状態を示す。
【図15】実施例1のカソード表面の走査電子顕微鏡写
真であって、試験開始から1000秒後の状態を示す。
【図16】本発明者等の先の提案に係る測定装置の図1
相当図である。
【符号の説明】
K マイグレーション測定・短絡予測装置 M マイグレーション Rct 電荷移動抵抗 C,C1,C2 界面容量 1 アノード 2 カソード 3 金属酸化皮膜 4 イオン交換水 10 重畳信号印加部 20 インピーダンス測定部 30 電流測定部 40 測定データ記録・予測処理部
フロントページの続き (72)発明者 平松 洋昭 栃木県宇都宮市陽東8−12−7−北123 (72)発明者 粂川 和博 栃木県下都賀郡石橋町大字下古山342 (72)発明者 植田 文崇 栃木県矢板市片岡1137−11 Fターム(参考) 2G014 AA03 AA15 AB55 AB59 2G028 AA01 AA02 CG08 DH03 DH05 DH11 DH14 DH16 FK01 FK02 GL09 LR07 2G060 AA09 AD04 AE40 AF07 AF10 AG01 AG08 AG11 GA01 HA01 HA02 HC07 HC10 HC13 HC19 HC21 HE01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流インピーダンス法を用いたマイグレ
    ーション測定方法であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加してそのイン
    ピーダンスを測定し、前記インピーダンス測定値から界
    面容量を算出し、前記算出された界面容量の変化に基づ
    いてマイグレーションを測定することを特徴とするマイ
    グレーション測定方法。
  2. 【請求項2】 インピーダンスの測定開始から所定時間
    経過後における界面容量の急低下により、マイグレーシ
    ョン発生を検出することを特徴とする請求項1記載のマ
    イグレーション測定方法。
  3. 【請求項3】 交流インピーダンス法を用いたマイグレ
    ーション測定方法であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加してそのイン
    ピーダンスを測定し、前記インピーダンス測定値から電
    荷移動抵抗を算出し、前記算出された電荷移動抵抗の変
    化に基づいてマイグレーションを測定することを特徴と
    するマイグレーション測定方法。
  4. 【請求項4】 インピーダンスの測定開始から所定時間
    経過後における電荷移動抵抗の急低下により、マイグレ
    ーション発生を検出することを特徴とする請求項3記載
    のマイグレーション測定方法。
  5. 【請求項5】 交流インピーダンス法を用いたマイグレ
    ーション測定方法であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加してそのイン
    ピーダンスを測定し、前記インピーダンス測定値から界
    面容量および電荷移動抵抗を算出し、前記算出された界
    面容量および電荷移動抵抗の変化に基づいて、マイグレ
    ーションを測定することを特徴とするマイグレーション
    測定方法。
  6. 【請求項6】 インピーダンスの測定開始から所定時間
    経過後における界面容量および電荷移動抵抗の急低下に
    より、マイグレーション発生を検出することを特徴とす
    る請求項5記載のマイグレーション測定方法。
  7. 【請求項7】 交流インピーダンス法を用いたマイグレ
    ーションによる電極間の短絡発生時間を予測する短絡発
    生時間予測方法であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加してそのイン
    ピーダンスを測定し、前記インピーダンス測定値から電
    荷移動抵抗を算出し、前記算出された電荷移動抵抗に基
    づいてマイグレーションによる短絡発生時間を予測する
    ことを特徴とする短絡発生時間予測方法。
  8. 【請求項8】 水滴下法による場合、短絡発生予測時間
    が下記式により算出されることを特徴とする請求項7記
    載の短絡発生時間予測方法。 TE=TD+(RctB/(RctB−RctD))0.5xTS ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 RctB:変曲点検出前電荷移動抵抗値 RctD:変曲点検出時電荷移動抵抗値 TS:測定時間間隔
  9. 【請求項9】 環境試験法または湿度試験法による場
    合、短絡発生予測時間が下記式により算出されることを
    特徴とする請求項7記載の短絡発生時間予測方法。 TE=TD+(Rcte/(Rcte-Rctd))0.5x((Rcte+Rsol)/Rcte)2xTS ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 Rcte:変曲点検出前の電荷移動抵抗 Rctd:変曲点検出時の電荷移動抵抗 Rsol:変曲点検出前の溶液抵抗 TS:測定時間間隔
  10. 【請求項10】 アノードが棒状電極とされ、カソード
    が平板状電極とされることを特徴とする請求項1ないし
    請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 交流インピーダンス法を用いたマイグ
    レーション測定装置であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加する重畳信号
    印加部と、電流測定部と、電極間のインピーダンスを測
    定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測
    定部による測定値を記録してマイグレーションを測定す
    る測定データ記録処理部とを備え、 前記測定データ記録処理部が、インピーダンス測定値か
    ら界面容量を算出し、前記算出された界面容量の変化に
    基づいてマイグレーションを測定することを特徴とする
    マイグレーション測定装置。
  12. 【請求項12】 測定データ記録処理部が、インピーダ
    ンスの測定開始から所定時間経過後における界面容量の
    急低下により、マイグレーション発生を検出することを
    特徴とする請求項11記載のマイグレーション測定装
    置。
  13. 【請求項13】 交流インピーダンス法を用いたマイグ
    レーション測定装置であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加する重畳信号
    印加部と、電流測定部と、電極間のインピーダンスを測
    定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測
    定部による測定値を記録してマイグレーションを測定す
    る測定データ記録処理部とを備え、 前記測定データ記録処理部が、インピーダンス測定値か
    ら電荷移動抵抗を算出し、前記算出された電荷移動抵抗
    の変化に基づいてマイグレーション発生を検出すること
    を特徴とするマイグレーション測定装置。
  14. 【請求項14】 測定データ記録処理部が、インピーダ
    ンスの測定開始から所定時間経過後における電荷移動抵
    抗の急低下により、マイグレーション発生を検出するこ
    とを特徴とする請求項13記載のマイグレーション測定
    装置。
  15. 【請求項15】 交流インピーダンス法を用いたマイグ
    レーション測定装置であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加する重畳信号
    印加部と、電流測定部と、電極間のインピーダンスを測
    定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測
    定部による測定値を記録してマイグレーションを測定す
    る測定データ記録処理部とを備え、 前記測定データ記録処理部が、インピーダンス測定値か
    ら界面容量および電荷移動抵抗を算出し、前記算出され
    た界面容量および電荷移動抵抗の変化に基づいて、マイ
    グレーションを測定することを特徴とするマイグレーシ
    ョン測定装置。
  16. 【請求項16】 インピーダンスの測定開始から所定時
    間経過後における界面容量および電荷移動抵抗の急低下
    により、マイグレーション発生を検出することを特徴と
    する請求項15記載のマイグレーション測定装置。
  17. 【請求項17】 交流インピーダンス法を用いたマイグ
    レーションによる電極間の短絡発生時間を予測する短絡
    発生時間予測装置であって、 電極間に微小交流が重畳された直流を印加する重畳信号
    印加部と、電流測定部と、電極間のインピーダンスを測
    定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測
    定部による測定値を記録してマイグレーションによる電
    極間の短絡時間を予測する測定データ記録・予測処理部
    とを備え、 前記インピーダンス測定値から電荷移動抵抗を算出し、
    前記算出された電荷移動抵抗に基づいて、マイグレーシ
    ョンによる短絡発生時間を予測することを特徴とする短
    絡発生時間予測装置。
  18. 【請求項18】 水滴下法による場合、短絡発生予測時
    間が下記式により算出されることを特徴とする請求項1
    7記載の短絡発生時間予測装置。 TE=TD+(RctB/(RctB−RctD))0.5xTS ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 RctB:変曲点検出前電荷移動抵抗値 RctD:変曲点検出時電荷移動抵抗値 TS:測定時間間隔
  19. 【請求項19】 環境試験法または湿度試験法による場
    合、短絡発生予測時間が下記式により算出されることを
    特徴とする請求項17記載の短絡発生時間予測装置。 TE=TD+(Rcte/(Rcte-Rctd))0.5x((Rcte+Rsol)/Rcte)2xTS
    ここに、 TE:短絡発生予測時間 TD:変曲点検出までの時間 Rcte:変曲点検出前の電荷移動抵抗 Rctd:変曲点検出時の電荷移動抵抗 Rsol:変曲点検出前の溶液抵抗 TS:測定時間間隔
  20. 【請求項20】 アノードが棒状電極とされ、カソード
    が平板状電極とされてなることを特徴とする請求項11
    ないし請求項19のいずれか一項に記載の装置。
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