JP2003254259A - ギヤポンプ - Google Patents

ギヤポンプ

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JP2003254259A
JP2003254259A JP2002057654A JP2002057654A JP2003254259A JP 2003254259 A JP2003254259 A JP 2003254259A JP 2002057654 A JP2002057654 A JP 2002057654A JP 2002057654 A JP2002057654 A JP 2002057654A JP 2003254259 A JP2003254259 A JP 2003254259A
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gears
gear
gear pump
pair
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JP2002057654A
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English (en)
Inventor
Yoshio Miyake
良男 三宅
Eiji Tsutsui
栄治 筒井
Yasutaka Konishi
康貴 小西
Hiroshi Uchida
博 打田
Junya Kawabata
潤也 川畑
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極小水量で小出力の領域での使用に適し、耐
久性に優れ、しかも構造が比較的簡単で、かつ小型・コ
ンパクト化を図れるようにする。 【解決手段】 筒状のモータ固定子14と該モータ固定
子14の内部に配置されるモータ回転子18とを有する
モータ部10と、互いに噛み合いモータ部10の駆動に
伴って回転する一対の歯車62,64と、該一対の歯車
62,64を収容するポンプケーシング22を備えたギ
ヤポンプにおいて、一対の歯車62,64によって昇圧
された取扱液を、モータ回転子18を収容するモータ回
転子室40内を導入し、モータ固定子14とモータ回転
子18との間を通過させて機外に吐出すようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はギヤポンプに係り、
特に駆動用のモータを一体に組み込み、高機能化と高性
能化を図ったギヤポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、小流量の割に高い圧力が求めら
れる用途、特に、毎分1リットル以下の流量範囲で使用
されるポンプ用途には、ギヤポンプが多く使用されてい
る。これは、遠心式ポンプ(非容積式ポンプ)では、比
速度Nsの値が極めて小さな値となる領域であり、実際
上の設計対応が困難であることが一因である。例えば、
流量が毎分1リットル、揚程が10メートルの遠心式ポ
ンプを毎分12000回転の回転速度で設計した場合、
比速度Nsの値が67(m/min,m,mi
−1)となる。一般に比速度Nsの値が70以下にな
ると遠心式ポンプの効率は著しく低下することが知られ
ており、これでは、高い効率が期待できない。尚、この
場合の羽根車外径は、25mm程度となる。
【0003】ギヤポンプ(外歯式)は、潤滑油ポンプ、
燃料ポンプなどとして広く用いられており、互いに噛み
合う一対の歯とポンプケーシングの周壁とで作られる空
間に閉じ込められた流体が、歯車の回転によって吸込側
から吐出側に運ばれるようになっている。この空間が吐
出側から吸込側に戻るときには、この空間内に他方の歯
車の歯が侵入して流体を追出し、このため、流体は歯車
の歯と共に回転して吸込側に戻ることができず吐出口か
ら外に吐出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のギヤポンプにあ
っては、取扱液がモータ部側に漏れるのを防止するた
め、駆動軸にメカニカルシールなどの軸封装置が一般に
備えられていた。このため、例えば軸動力が10W以下
の極小容量のギヤポンプでは、軸動力の多くを軸封装置
の摺動トルクによって消費されてしまい、総合効率は必
ずしも良好ではなかった。他方、小規模の各種冷却装置
などでは、長寿命化及びメンテナンスフリー化のニーズ
が高まってきており、このため、このような装置に搭載
されるギヤポンプにあっても、メカニカルシールなどの
消耗部品の無い、長寿命な製品であることが望まれるよ
うになってきた。更に、このような用途では、ポンプが
常時連続で運転される場合が多く、このため、省エネル
ギー化の観点から高効率なギヤポンプが求められてい
る。
【0005】また、潤滑油や燃料用として使用されるギ
ヤポンプは、水に比較して取扱液の粘性が高く、且つ、
電気絶縁性も良好なため、各部の耐久性を確保しやすい
が、最近増えている純水や超純水用として使用されるギ
ヤポンプにあっては、特に各部の耐久性の確保が難しい
のが現状であった。
【0006】本発明は上記に鑑みてなされたもので、極
小水量で小出力の領域での使用に適し、耐久性に優れ、
しかも構造が比較的簡単で、かつ小型・コンパクト化が
図れるようにしたギヤポンプを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、筒状のモータ固定子と該モータ固定子の内部に配置
されるモータ回転子とを有するモータ部と、互いに噛み
合い前記モータ部の駆動に伴って回転する一対の歯車
と、該一対の歯車を収容するポンプケーシングを備えた
ギヤポンプにおいて、前記一対の歯車によって昇圧され
た取扱液を、前記モータ回転子を収容するモータ回転子
室内に導入し、該モータ固定子と前記モータ回転子との
間を通過させて機外に吐出すようにしたことを特徴とす
るギヤポンプである。
【0008】このように、一対の歯車によって昇圧され
た取扱液を、モータ回転子を収容するモータ回転子室内
に導入し、モータ固定子とモータ回転子との間を通過さ
せて機外に吐出すようにすることで、メカニカルシール
などの軸封装置を使用することがなく、従って、軸封装
置による機械ロスが無く、且つ耐久性にも優れたギヤポ
ンプを実現できる。しかも、モータ回転子室内に取扱液
が満たされる構造とすることで、モータ回転子を支承す
る滑り軸受等の軸受を取扱液によって効果的に潤滑して
耐久性を確保することができる。更に、運転時にモータ
回転子室内に空気などの気体が残っていると、遠心分離
作用によって気体が軸心に集まり、軸受摺動部の潤滑が
阻害されるが、取扱液がモータ回転子室内を通過して機
外に吐出するようにすることで、気体がモータ回転子室
内に残留することをなくして、軸受を常に良好な潤滑状
態に維持することができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記モータ固定
子の内周面を密閉する固定子キャンと、前記モータ回転
子の外周面を密閉する回転子キャンの少なくとも一方を
有することを特徴とする請求項1記載のギヤポンプであ
る。
【0010】モータ部は、例えばモータ回転子にネオジ
ウム製の永久磁石を使用したDCブラシレスモータであ
り、回転子キャン及び固定子キャンをポリカーボネード
などの樹脂製とすることで、回転子キャン及び固定子キ
ャンに渦電流が生じることを防止して、モータの効率を
高めることができる。ここで、回転子キャンは、取扱液
によって永久磁石等のモータ回転子が錆びないようにす
るためのものであり、固定子キャンは、取扱液がモータ
固定子の巻線部分に浸入しないようにするためのもので
ある。このように構成することで、電気絶縁性の低い液
体、例えば純水での使用が可能となる。尚、モータ固定
子の内側では、取扱液との間で熱の授受が行なわれる。
即ち、取扱液が常温レベルの場合、モータ固定子は、取
扱液によって良好に冷却される。
【0011】請求項3に記載の発明は、前記取扱液の吐
出口を、前記モータ部の軸心から偏心した位置に設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載のギヤポンプで
ある。このように、取扱流路の吐出口を、モータ部の軸
心から偏心した位置に設けることで、ギヤポンプを立置
または横置のいずれの向きに設置しても、モータ回転子
室内の気体が容易に抜けるようにすることができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、互いに噛み合う
一対の歯車と、該一対の歯車を収容するポンプケーシン
グを備えたギヤポンプにおいて、前記一対の歯車の端面
に該歯車と摺動するように設けたサイドプレートを前記
歯車側に押圧する弾性を有するガスケットを有すること
を特徴とするギヤポンプである。
【0013】このように構成することによって、ポンプ
ケーシングとサイドプレートの隙間からの取扱液の漏れ
を防止すると同時に、弾性を有するガスケットを圧縮し
た際の反発力によって歯車とサイドプレートの接触面圧
を適正化し、歯車とサイドプレートの接触部における取
扱液の漏れ量及び摺動トルクを極小にして、ポンプの効
率を最適なものにできる。また、部品寸法や組立精度に
多少のバラツキがあっても、弾性を有するガスケットの
締め代によって誤差を吸収して、性能や効率に与える影
響を少なく抑えることができる。尚、弾性を有するガス
ケットとしては、各種ゴムやエラストマ等のゴム製ガス
ケットまたは液状ガスケット等が挙げられる。
【0014】請求項5に記載の発明は、反モータ側に位
置する前記ガスケットの反歯車側にモータ部の軸心方向
に沿って移動自在に配置されたピストンと、該ピストン
を歯車側に押圧する押圧機構を有することを特徴とする
請求項4記載のギヤポンプである。
【0015】このように構成することによって、歯車と
サイドプレートの接触面において、例えばサイドプレー
トが摩耗した場合であっても、歯車とサイドプレートと
の接触部における接触面圧を適正化して、歯車とサイド
プレートとの接触部における取扱液の漏れ量及び摺動ト
ルクを長期間に亘って極小に維持することができる。こ
の押圧機構としては、機械式のばねを用いる方式、
永久磁石の磁力(反発力)を用いる方式、ポンプの吐
出圧力をピストンの反歯車側に導き圧力差によって機能
させる方式などが考えられる。好ましくは、例えばと
を併用する。この場合、比較的低圧で運転する場合に
は主にが機能し、比較的高圧で運転する場合には主に
が機能するようにすることで、全圧力域に亘って良好
なポンプ効率を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施の様
態のギヤポンプを示す。このギヤポンプは、モータ部1
0とポンプ部12を有し、このモータ部10は、筒状の
モータ固定子14と、例えばネオジウム製の永久磁石1
6を備え、モータ固定子14の内部に配置されるモータ
回転子18とを有するDCブラシレスモータからなり、
図示しない駆動用ドライバ(インバータ)から電力供給
用のリード線を介してモータ固定子巻線に電力が供給さ
れる。モータ固定子14の外周部には、例えばステンレ
ス合金製の筒状のモータフレーム20が嵌着されてお
り、このモータフレーム20の両開放端には、共にステ
ンレス合金製のポンプケーシング22とステータ側板2
4が取付けられている。このステータ側板24には、例
えばステンレス合金製の軸受ブラケット26が固定され
ている。
【0017】モータ回転子18の永久磁石16の内周側
には、例えばステンレス合金からなる軸スリーブ28が
接着剤で固定されている。この軸スリーブ28は、例え
ばセラミック製のモータ軸30に焼嵌めまたは圧入等に
よって固定されている。そして、このモータ軸30は、
モータ回転子18を挟んだ両側において、ポンプケーシ
ング22に取付けた負荷側軸受32と、ステータ側板2
4に取付けた反負荷側軸受34で回転自在に支承されて
いる。この負荷側軸受32と反負荷側軸受34は、例え
ば滑り軸受であり、PEEK(ポリエーテルエーテルケ
トン)もしくはPPS(ポリフェニレンサルファイド)
などの樹脂材料によって製作されている。そして、ポン
プケーシング22から軸受ブラケット26までの部品
は、通しボルト36によって締め上げられて固定されて
いる。
【0018】モータ回転子18は、モータ固定子14の
内周側に区画形成されたモータ回転子室40内に収納さ
れており、このモータ回転子室40は、そのポンプケー
シング22側において、この内部に形成した、下記のギ
ヤハウジング60と取扱液導入路68を介して連通し、
軸受ブラケット26側において、該軸受ブラケット26
に形成した吐出口42を介して、機外に連通している。
これによって、下記の一対の歯車62,64の回転によ
って昇圧された取扱液がモータ回転子室40内に導入さ
れ、吐出口42から吐出されるようになっている。
【0019】これにより、モータ回転子室40内は取扱
液で満たされ、モータ回転子室40と摺動部が連通する
ように配置された軸受32,34は、取扱液によって効
果的に潤滑されて耐久性が確保される。この時、モータ
回転子室40内に空気などの気体が残っていると、遠心
分離作用によって気体が軸心に集まり、軸受32,34
の摺動部の潤滑が阻害されるが、この例は、取扱液がモ
ータ回転子室40を通過する構造のため、気体がモータ
回転子室40内に残留することが無く、軸受32,34
は、常に良好な潤滑状態に維持される。また、吐出口4
2を、ポンプ部10の軸心から偏心した位置に設けるこ
とで、ポンプを立置・横置のいずれの向きに設置して
も、モータ回転子室40から気体が容易に抜けるように
することができる。
【0020】ここに、モータ回転子18の外周面には、
モータ回転子18を密閉する回転子キャン44が、モー
タ固定子14の内周面には、モータ固定子14を密閉す
る固定子キャン46がそれぞれ設けられており、モータ
回転子室40内に導入された取扱液は、回転子キャン4
4と固定子キャン46の間の隙間を流れて、吐出口42
から機外に吐出されるようになっている。
【0021】この回転子キャン44と固定子キャン46
は、例えばポリカーボネードなどの樹脂材料で構成され
ており、このように、非金属製とすることで、回転子キ
ャン44と固定子キャン46に渦電流が生じることを防
止し、従ってその分モータの効率を高めることができ
る。回転子キャン44は、取扱液によって永久磁石16
が錆びないようにするためのものであり、固定子キャン
46は、取扱液がモータ固定子14の巻線部分に浸入し
ないようにするためのものである。このように構成する
ことで、電気絶縁性の低い液体、例えば純水での使用が
可能となる。尚、モータ固定子14の内側では、取扱液
との間で熱の授受が行なわれる。即ち、取扱液が常温レ
ベルの場合、モータ固定子14は、取扱液によって、良
好に冷却される。
【0022】なお、取扱液の外部漏洩、モータ固定子1
4への取扱液の浸入、及びモータ回転子18の永久磁石
16への取扱液の浸入を防止するため、ステータ側板2
4と軸受ブラケット26との当接部、ステータ側板24
と固定子キャン46との当接部、ポンプケーシング22
と固定子キャン46との当接部、軸スリーブと回転子キ
ャン44との当接部、及び永久磁石16のポンプケーシ
ング22側端面の外周部及び内周部を塞ぐ位置には、O
リング48,50,52,54,56,58がそれぞれ
設けられている。
【0023】次に、ポンプ部12の構成について説明す
る。ポンプ部12は、ポンプケーシング22を有し、こ
のポンプケーシング22の反モータ側には、「8の字」
状のギヤハウジング60が設けられており、このギヤハ
ウジング60の内部に、前述のモータ軸30に直結した
駆動歯車62と、該駆動歯車62と噛み合うことで回転
する従動歯車64からなる一対の歯車62,64が収容
されている。この一対の歯車62,64は、例えばPE
EKなどの樹脂材料やジルコニアなどのセラミック材料
で製作される。更に、ポンプケーシング22には、半径
方向に延びてギヤハウジング60に連通する吸込口66
と、モータ部10の方向に延びてギヤハウジング60と
モータ回転子室40とを連通する取扱液導入路68が設
けられている。
【0024】これによって、モータ部10の駆動に伴う
モータ軸30の回転に伴って、一対の歯車62,64が
互いに噛み合いながら回転し、この一対の歯車62,6
4の回転によって、取扱液が吸込口66からギヤハウジ
ング60の内部に吸込まれ、一対の歯車62,64とギ
ヤハウジング60の内壁で作られる空間に閉じ込められ
た取扱液は、取扱液導入路68からモータ回転子室40
内に導入されるようになっている。
【0025】一対の歯車62,64の軸方向に沿った両
端部には、ギヤハウジング60内に位置して、PEEK
などの樹脂材料から成るサイドプレート70,72が歯
車62,64の端面に摺動するように設けられている。
そして、この例では、反モータ側に位置する一方のサイ
ドプレート70の反歯車側端面に、例えば弾性を有する
フッ素ゴム製等のゴム製ガスケット74が配置され、モ
ータ側に位置する他方のサイドプレート72の反歯車側
端面には、例えばポリウレタン、ポリスルフィド、シリ
コン等のペースト体を塗布した弾性を有する液状ガスケ
ット(シーラント)76が配置され、更に、ギヤハウジ
ング60の開口部は、塞板78で閉塞されている。尚、
弾性を有するガスケットを構成する材料には、各種ゴム
の他に樹脂エラストマや液状ガスケットの類も含まれ
る。
【0026】これによって、反モータ側に位置する一方
のサイドプレート70は、ゴム製ガスケット74で歯車
62,64側に押圧され、モータ側に位置する他方のサ
イドプレート72は、液状ガスケット76で歯車62,
64側に押圧されている。塞板78とポンプケーシング
22との当接部には、取扱液の外部への漏洩を防止する
Oリング80が介装されている。
【0027】このように構成することによって、ポンプ
ケーシング22とサイドプレート70,72の隙間から
の取扱液の漏れを防止すると同時に、弾性を有するガス
ケット74,76を圧縮した際の反発力によって、歯車
62,64とサイドプレート70,72の接触面圧を適
正化し、歯車62,64とサイドプレート70,72の
接触部における取扱液の漏れ量及び摺動トルクを極小に
して、ポンプの効率を最適なものにできる。また、部品
寸法や組立精度に多少のバラツキがあっても、弾性を有
するガスケット74,76の締め代によって寸法や組立
精度の誤差を吸収して、性能や効率に与える影響を少な
く抑えることができる。
【0028】この例によれば、モータ部10の駆動に伴
うモータ軸30の回転に伴って、一対の歯車62,64
が互いに噛み合いながら回転し、この一対の歯車62,
64の回転によって、取扱液は取扱液導入路68からモ
ータ回転子室40内に導入される。そして、このモータ
回転子室40内に導入された取扱液は、モータ固定子1
4とモータ回転子18との間の隙間を流れ、モータ回転
子室40内を取扱液で満たした後、吐出口42から機外
に吐出される。
【0029】このように、一対の歯車62,64によっ
て昇圧された取扱液を、モータ回転子18を収容するモ
ータ回転子室内40に導入し、モータ固定子14とモー
タ回転子18との間を通過させて機外に吐出すようにす
ることで、メカニカルシールなどの軸封装置を使用しな
い、従って、軸封装置による機械ロスが無く、且つ耐久
性にも優れたギヤポンプを実現できる。
【0030】図3は、本発明の他の実施の形態のギヤポ
ンプを示す。このギヤポンプは、一対の歯車62,64
の軸方向に沿った両端部に設けたサイドプレート70,
72を共にフッ素ゴム等のゴム製ガスケット82,84
の弾性力で歯車62,64の方向に向けて押圧するよう
に構成するとともに、反モータ側に位置するガスケット
82の反歯車側にモータ部10の軸心方向に沿って移動
自在にピストン86を配置し、更にこのピストン86を
歯車62,64側に押圧する押圧機構を備えたものであ
る。その他の構成は、前述の例とほぼ同様である。
【0031】ここで、この例では、ピストン86を歯車
62,64側に押圧する押圧機構として、機械式のばね
を用いる方式と、ポンプの吐出圧力をピストン86の反
歯車側に導き圧力差によって機能させる方式を併用した
ものを使用している。
【0032】つまり、塞板78とピストン86との間に
圧縮コイルばね88を配置して、この圧縮コイルばね8
8の弾性力でピストン86を歯車62,64側に押圧
し、しかも圧縮コイルばね88と塞板78との間にばね
調整用シム90を介在させ、このばね調整用シム90を
差し変えることで、この圧縮コイルばね88の弾性力を
調整できるようにしている。更に、ギヤハウジング60
の内部にピストン86と塞板78で区画された圧力室9
2を形成し、この圧力室92にポンプの吐出圧力を導入
し、これによって、ピストン86側のサイドプレート7
0に、ポンプ部側からほぼ「吸込圧力と吐出圧力の中間
の圧力」にサイドプレートの平面積(=ピストンの平面
積)を乗じた値の力が、ピストン86の反ポンプ側から
吐出圧力にピストンの平面積を乗じた値の力がそれぞれ
作用し、後者の力が前者の値を上回るために、ピストン
86をポンプ側へ押付ける方向に働くようになってい
る。
【0033】これにより、比較的低圧で運転する場合に
は、主に圧縮コイルばね88を利用した押圧機構が機能
し、比較的高圧で運転する場合には、主にポンプの吐出
圧力をピストン86の反歯車側に導くようにした押圧機
構が機能し、これによって、全圧力域で良好なポンプ効
率を実現できるようになっている。
【0034】尚、ピストン86には、例えばPPSなど
の樹脂材料を用いており、機械式ばね(圧縮コイルば
ね)88には、ステンレス合金製のコイルばねを使用し
ている。その他の構成は、前記の例とほぼ同様である。
【0035】このように構成することによって、歯車6
2,64とサイドプレート70,72の接触面におい
て、例えばサイドプレート70,72が摩耗した場合で
あっても、歯車62,64とサイドプレート70,72
との接触部における接触面圧を適正化して、歯車62,
64とサイドプレート70,72との接触部における取
扱液の漏れ量及び摺動トルクを長期間に亘って極小に維
持することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
極小水量・小出力の領域での使用に適し、耐久性に優
れ、構造が簡単で、小型・コンパクトであり、且つ生産
性の良好なギヤポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のギヤポンプを示す縦断正
面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態のギヤポンプを示す縦
断正面図である。
【符号の説明】
10 モータ部 12 ポンプ部 14 モータ固定子 16 永久磁石 18 モータ回転子 22 ポンプケーシング 24 ステータ側板 26 軸受ブラケット 28 軸スリーブ 30 モータ軸 32,34 軸受 40 モータ回転子室 42 吐出口 44 回転子キャン 46 固定子キャン 60 ギヤハウジング 62 駆動歯車 64 従動歯車 66 吸込口 68 取扱液導入路 70,72 サイドプレート 74,76,82,84 ガスケット 78 塞板 82,84 ゴム製ガスケット 86 ピストン 90 調整用シム 92 圧力室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 康貴 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 打田 博 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 川畑 潤也 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3H041 AA01 AA02 BB02 CC05 CC06 CC07 CC13 CC20 DD13 DD18 3H044 AA01 AA02 BB02 CC05 CC06 CC07 CC12 CC19 DD08 DD09 DD13 DD16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のモータ固定子と該モータ固定子の
    内部に配置されるモータ回転子とを有するモータ部と、
    互いに噛み合い前記モータ部の駆動に伴って回転する一
    対の歯車と、該一対の歯車を収容するポンプケーシング
    を備えたギヤポンプにおいて、 前記一対の歯車によって昇圧された取扱液を、前記モー
    タ回転子を収容するモータ回転子室内に導入し、該モー
    タ固定子と前記モータ回転子との間を通過させて機外に
    吐出すようにしたことを特徴とするギヤポンプ。
  2. 【請求項2】 前記モータ固定子の内周面を密閉する固
    定子キャンと、前記モータ回転子の外周面を密閉する回
    転子キャンの少なくとも一方を有することを特徴とする
    請求項1記載のギヤポンプ。
  3. 【請求項3】 前記取扱液の吐出口を、前記モータ部の
    軸心から偏心した位置に設けたことを特徴とする請求項
    1または2記載のギヤポンプ。
  4. 【請求項4】 互いに噛み合う一対の歯車と、該一対の
    歯車を収容するポンプケーシングを備えたギヤポンプに
    おいて、 前記一対の歯車の端面に該歯車と摺動するように設けた
    サイドプレートを前記歯車側に押圧する弾性を有するガ
    スケットを有することを特徴とするギヤポンプ。
  5. 【請求項5】 反モータ側に位置する前記ガスケットの
    反歯車側にモータ部の軸心方向に沿って移動自在に配置
    されたピストンと、該ピストンを歯車側に押圧する押圧
    機構を有することを特徴とする請求項4記載のギヤポン
    プ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2013186839A1 (ja) * 2012-06-11 2016-02-01 株式会社島津製作所 歯車ポンプ又はモータ

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