JP2003253566A - 透湿防水素材 - Google Patents

透湿防水素材

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JP2003253566A
JP2003253566A JP2002055962A JP2002055962A JP2003253566A JP 2003253566 A JP2003253566 A JP 2003253566A JP 2002055962 A JP2002055962 A JP 2002055962A JP 2002055962 A JP2002055962 A JP 2002055962A JP 2003253566 A JP2003253566 A JP 2003253566A
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moisture
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permeable waterproof
resin
fiber structure
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JP2002055962A
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Gen Koide
現 小出
Keiji Takeda
恵司 竹田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜感がほとんどなく、かつソフトな風合いを有
する快適な透湿防水素材を提供すること。 【解決手段】繊維構造物の片側に少なくとも1層の樹脂
層が付与されており、耐水度が0.05MPa以上1.
0MPa以下である透湿防水素材において、以下の要件
を同時に満たすことを特徴とする透湿防水素材。 1.透湿防水素材の厚み断面において、樹脂部分の面積
Sと、繊維構造物を形成する経糸と緯糸の最外部に位置
する単繊維の最表面の共通接線を連続して結ぶことで形
成される線を境界線とし、該境界線より繊維構造物側に
存在する樹脂部分の面積sが下記の式を満たすこと。 80<s/S×100<100 2.透湿防水素材の厚み断面において、透湿防水素材表
面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ直線と不連
続に接すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿防水素材に関
するものである。さらに詳しくは、本発明は、素材の風
合いがソフトで、樹脂のコーティング独特の膜感がほと
んどない透湿防水素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透湿防水素材は、衣服内の発汗による水
蒸気は衣服外に排出し、衣服外の雨等の水滴は衣服内に
侵入させない機能を有する素材である。このような機能
を有する透湿防水素材は、従来、繊維構造物等の基材上
へのポリテトラフルオロエチレン樹脂やポリウレタン樹
脂等のフィルムのラミネートや、ポリウレタン樹脂等の
コーティングによって得られている。
【0003】ところが、これらの透湿防水素材は、基材
上に樹脂層を有することで素材自体の風合いが悪くな
り、また触ったときにあたかも膜がある膜感があるため
に基材本来の触感を失うばかりでなく、衣服として用い
た場合、濡れた状態で肌と接するとベッタリと張り付
き、不快感を与えるという問題があった。
【0004】これらの問題に対してこれまでに、例え
ば、基材に水を浸透させた後に樹脂をコートすること
で、樹脂の基材内部への浸透を抑制し、基材の特性を生
かして透湿防水素材の風合いをソフトにする手法(特開
2001−40583号公報)が提案されているが、こ
の手法では膜は依然として基材上に存在し膜が基材を被
覆しているため、膜感の改善には寄与しないと考えら
れ、膜感がほとんどなく、かつソフトな風合いを有する
透湿防水素材を得ることは非常に困難であるのが現状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の現状
に鑑み、膜感がほとんどなく、かつソフトな風合いを有
する快適な透湿防水素材を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の透湿防水素材
は、前記した課題を解決するために、次の構成を有する
ものである。すなわち、本発明の透湿防水素材は、繊維
構造物の片側に少なくとも1層の樹脂層が付与されてお
り、耐水度が0.05MPa以上1.0MPa以下であ
る透湿防水素材において、下記1と2の要件を同時に満
たすことを特徴とする透湿防水素材である。
【0007】1.透湿防水素材の厚み断面において、樹
脂部分の面積Sと、繊維構造物を形成する経糸と緯糸の
最外部に位置する単繊維の最表面の共通接線を連続して
結ぶことで形成される線を境界線とし、該境界線より繊
維構造物側に存在する樹脂部分の面積sが、下記の式を
満たすこと。
【0008】80<s/S×100<100 2.透湿防水素材の厚み断面において、透湿防水素材表
面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ直線と不連
続に接すること。
【0009】ここでいう樹脂層を構成する樹脂として
は、ポリウレタンを主成分とする樹脂であることが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の透湿防水素材につ
いて詳細に説明する。
【0011】本発明の透湿防水素材は、繊維構造物の片
側に少なくとも1層の樹脂層が付与された透湿防水素材
である。
【0012】ここでいう繊維構造物とは、合成繊維およ
び/または天然繊維・再生繊維の単繊維(長繊維(フィ
ラメント)、短繊維)からなる集合体であり、その形態
としては織物、編物等の布帛が例示される。ここでいう
天然繊維としては、例えば、綿、羊毛、絹などが挙げら
れる。また、合成繊維としては、ポリエステル系繊維、
ポリアミド系繊維、アクリル系繊維などが挙げられる。
【0013】これらの繊維構造物は予め片面をカレンダ
ー加工されていてもよい。また、風合いのソフト化のた
めには撥水加工してある必要がある。
【0014】本発明において、繊維構造物の片側に少な
くとも1層の樹脂層が付与されているとは、繊維構造物
上に樹脂層が接着されている状態をいう。ここでいう接
着とは、該樹脂層自体が直接繊維構造物に接着されてい
ることをいう。
【0015】また、本発明の透湿防水素材は、繊維構造
物の片側に少なくとも1層の樹脂層が付与されているこ
とで、JIS1092に記載の耐水度試験高水圧法によ
る耐水度が0.05MPa以上1.0MPa以下である
透湿防水素材である。樹脂層の膜厚は薄いほど耐水度は
低くなるが、本発明の透湿防水素材は樹脂を主に繊維構
造物の内部に有することから、膜感がほとんどないにも
かかわらず、高い耐水度を発現できるのである。
【0016】樹脂が繊維構造物内部に多く存在すると、
素材の風合いはソフトになりにくいが耐水度は向上し、
逆に樹脂が少なく存在すると、風合いはソフトだが耐水
度は低下する。膜感がほとんどなく、ソフトな風合いを
発現するためには耐水度が0.1MPa以上1.0MP
a以下となる樹脂量が好ましい。
【0017】さらに本発明の透湿防水素材は、下記の1
と2の要件を同時に満たすことが必要である。
【0018】1.透湿防水素材の厚み断面において、樹
脂部分の面積Sと、繊維構造物を形成する経糸と緯糸の
最外部に位置する単繊維の最表面の共通接線を連続して
結ぶことで形成される線を境界線とし、境界線より繊維
構造物側に存在する樹脂部分の面積sが下記の式を満た
すこと。
【0019】80<s/S×100<100 2.透湿防水素材の厚み断面において、透湿防水素材表
面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ直線と不連
続に接すること。
【0020】上記要件のどちらか片方、または両方とも
満たさない場合は膜感が発現する。ここでいう膜感と
は、触感が繊維構造物としての基材本来の触感ではな
く、樹脂膜を触ったときの樹脂膜特有の触感のことをい
う。
【0021】まず、本発明の透湿防水素材が満たす要件
1について説明する。
【0022】本発明において透湿防水素材の厚み断面と
は、透湿防水素材を構成する繊維構造物の経糸または緯
糸と平行かつ透湿防水素材に対して垂直方向に切ったと
きの透湿防水素材の横断面のことである。
【0023】また、繊維構造物を形成する経糸と緯糸の
最外部に位置する単繊維とは、経糸と緯糸を構成する単
繊維の中で最も透湿防水素材の外側に存在する単繊維の
ことをいう。
【0024】また、経糸と緯糸の最外部に位置する単繊
維の最表面の共通接線とは、経糸と緯糸の最外部に位置
する単繊維の単繊維断面の外接円同士の共通接線のこと
をいう。
【0025】樹脂部分の面積Sと境界線より繊維構造物
側に存在する樹脂部分の面積sは、次式を満たしている
ことが重要である。
【0026】80<s/S×100<100 これは、透湿防水素材において繊維構造物の内側に存在
する樹脂の割合を示した式であり、この式の範囲外で
は、透湿防水素材表面の樹脂量が多くなるため触感とし
て膜感が感じられる。さらに膜感を感じないためには、
次式を満たしていることがより好ましい。
【0027】90<s/S×100<100 樹脂部分の面積Sと境界線より繊維構造物側に存在する
樹脂部分の面積sの比は、素材の断面を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察して、断面写真の樹脂部分と境界線
より繊維構造物側に存在する樹脂部分を切り抜いて秤量
することで、重さの比として確認することができる。
【0028】図1(a)は、本発明の透湿防水素材の厚
み断面を例示する断面図である。図1(a)において、
透湿防水素材は、単繊維3からなる繊維構造物と樹脂層
1とで構成されている。また、図1(a)には、経糸と
緯糸の最外部に位置する単繊維の最表面の共通接線2が
示されている。
【0029】次に、本発明の透湿防水素材が満たす要件
2について説明する。
【0030】本発明において透湿防水素材最表面とは、
厚み断面における透湿防水素材と空気層の界面の線のこ
とをいう。
【0031】透湿防水素材断面を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察した断面写真において、透湿防水素材最表
面の凹凸の頂点を結ぶ直線とは、隣り合う凹凸同士の共
通接線のことであり、共通接線と素材の間に空間が存在
すれば、素材と直線は不連続に接することになる。不連
続でない場合は、透湿防水素材表面が平坦であることを
示しており、触感に膜感を感じるようになる。
【0032】図1(b)も、本発明の透湿防水素材の厚
み断面を例示する断面図である。図1(b)において、
透湿防水素材は、単繊維3からなる繊維構造物と樹脂層
1とで構成されており、そして、透湿防水素材最表面の
凹凸の頂点を結ぶ直線4が示されている。
【0033】本発明で用いられる樹脂層を構成する樹脂
の膜構造は、無孔膜でも多孔膜でもよい。樹脂層を構成
する樹脂は、例えば、無孔膜では透湿性向上の観点から
親水性の水膨潤性樹脂が好ましく、また、多孔膜では疎
水性樹脂が好ましい。
【0034】本発明で用いられる樹脂としては、例え
ば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、
シリコーン系などを主成分とする樹脂単独、あるいはこ
れらの混合物等が挙げられる。これらの中でも耐候性と
耐加水分解性から、ポリウレタン系樹脂およびシリコー
ン系樹脂が好ましく、また膜強度等の物性発現のための
分子設計がより容易なポリウレタン系樹脂が特に好まし
く用いられる。
【0035】本発明で好適に用いるポリウレタン樹脂と
は、ポリイソシアネートとポリオールを反応せしめて得
られる共重合体を主成分とする樹脂のことをいう。
【0036】ポリイソシアネート成分としては、芳香族
ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環
族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等の2官
能ジイソシアネート、3官能以上のポリイソシアネート
が挙げられ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせ
て使用することができる。黄変の問題、および樹脂膜の
膜強度の観点から、無黄変型で剛直な分子構造を有する
脂環族ジイソシアネート、例えば、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0037】ポリオール成分としては、エーテル系、エ
ステル系、シリコーン系、エーテル/エステル系、アミ
ド系、カーボネート系等のポリオールを用いることがで
きるが、タック感を減少させ、膜感をほとんどなくすた
めには、シリコーン系、カーボネート系のポリオールが
より好ましい。また、これらのポリオール成分は、単独
または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0038】本発明で好ましく用いられるポリウレタン
系樹脂は、有機溶媒溶液または水溶液の形態であっても
よく、またはポリウレタン樹脂の水性分散体の形態であ
ってもよい。
【0039】有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメ
チレンホスホンアミド、トルエン、メチルセルソルブ、
イソプロパノール等が挙げられる。
【0040】水性分散体は、ポリウレタンプレポリマー
を乳化分散させ、ジアミン成分などの鎖伸長剤で鎖伸長
させることにより調製することができる。ポリウレタン
プレポリマーが親水性基を有していない場合には、通
常、ポリウレタンプレポリマーを乳化剤で乳化させ、鎖
伸長剤で鎖伸長することにより、水性分散体を調製する
ことができる。
【0041】ポリウレタンプレポリマーが親水性基を有
する場合は、例えば、ジオール成分の少なくとも一部と
して親水性化合物を用い、イソシアネート化合物と反応
させてポリウレタンプレポリマーに親水性基を導入し、
このポリウレタンプレポリマーを水中で分散させて、ジ
アミン成分などの鎖伸長剤を用いて鎖伸長することによ
り、水性分散体を調製することができる。
【0042】樹脂膜の透湿性と膜強度を両立させるため
に、複数の樹脂をブレンドしたり、架橋剤等を添加して
用いてもよい。
【0043】また、樹脂膜を着色する場合においては、
樹脂に無機系顔料あるいは有機系顔料等を公知の方法に
より適宜添加して用いてもよい。
【0044】以上のように、膜感がほとんどなく、ソフ
トな風合いを有する本発明の透湿防水素材は、フィッシ
ングや登山衣等のアウトドアウェア、スキー関連ウェ
ア、ウィンドブレーカー、アスレチックウェア、ゴルフ
ウェア、テニスウェア、レインウェア、カジュアルコー
ト等のほか、屋外作業着、手袋や靴等にも好適に用いる
ことができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の透湿防水素材
をその製造方法とともにさらに具体的に説明する。
【0046】本発明に用いた繊維構造物(基布)と評価
方法について、以下に示す。
【0047】 [基布] (1)ナイロン平織物の変化組織(ミニリップ) 糸使い 44デシテックス−34フィラメント(タテ、ヨコ) 織り密度 181×140本/インチ 目付 62g/m2 (2)ナイロン平織物の変化組織(オックスフォード) 糸使い 235デシテックス−34フィラメント(タテ) 310デシテックス−160フィラメント、2本引揃え(ヨコ) 織り密度 92×36本/インチ 目付 206g/m2 (3)ナイロンタフタ 糸使い 77デシテックス−68フィラメント(タテ、ヨコ) 織り密度 116×88本/インチ 目付 72g/m2 [厚み断面の樹脂面積比s/S]樹脂部分の面積Sと境
界線より繊維構造物側に存在する樹脂部分の面積sの比
は、透湿防水素材の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察して、断面写真の樹脂部分と境界線より繊維構造
物側に存在する樹脂部分を切り抜いて秤量することで、
重さの比として確認する。
【0048】これを透湿防水素材に対して垂直方向かつ
透湿防水素材を構成する繊維構造物の経糸と平行、また
は緯糸と平行にそれぞれ3ヶ所ずつの切断面で行う。
【0049】[透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と素材の接点]透湿防水素材断面を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察した断面写真において、透湿防水素
材最表面の隣り合う凹凸同士で共通接線を引き、共通接
線と素材の間の空間の有無を確認する。
【0050】これを透湿防水素材に対して垂直方向かつ
透湿防水素材を構成する繊維構造物の経糸と平行、また
は緯糸と平行にそれぞれ3ヶ所ずつの切断面で行う。
【0051】[膜感]エーテル系ポリオールを用いたポ
リウレタンであるラックスキンU2599−2(セイコ
ー化成(株)製商品名)原液を塗工液とし、フッ素系撥
水撥油剤であるAG925(旭硝子(株)製商品名)5
重量%水分散液で処理したナイロンタフタに、ナイフオ
ンロールコータを用いてクリアランス80μm、塗布量
26.8g/m2で塗布し、120℃2分間乾燥、被膜
化を行った透湿防水素材の膜感を1点、ナイロンタフタ
表面の触感を10点として、10人の健康な被験者に判
定してもらい、その平均値を算出して5点以上を膜感が
ほとんどない、と評価した。
【0052】[透湿性] (1)気体汗の透湿性 JIS L 1099 塩化カルシウム法に準じて測定
した。
【0053】(2)液体汗の透湿性 JIS L 1099 酢酸カリウム法に準じて測定し
た。
【0054】[耐水圧]JIS L 1092 高水圧法
に準じて測定した。
【0055】[実施例1]シリコーン系ポリオールを用
いたポリウレタンであるクリスボンNYT−20(大日
本インキ化学工業(株)製商品名)原液を塗工液として
用いた。フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭硝子
(株)製商品名)5重量%水分散液で処理したミニリッ
プに、フローティングナイフコータを用いて、クリアラ
ンスなし、塗布量17.9g/m2で塗工液を塗布し、
120℃2分間乾燥し被膜化を行うことで、本発明の透
湿防水素材を作製した。
【0056】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=94<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定9.5の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな透湿防水素材であって、水蒸気の
透湿性が3,400g/m2・24hr、液体の水の透
湿性が8,200g/m2・24hr、耐水圧が0.2
2MPaと透湿性を具備すると同時に、防水性の高い透
湿防水素材であった。
【0057】[実施例2]エーテル系ポリオールを用い
たポリウレタンであるサンプレンHMP−17A(三洋
化成工業(株)製商品名)原液を塗工液として用いた。
フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭硝子(株)製
商品名)5重量%水分散液で処理したミニリップに、フ
ローティングナイフコータを用いて、クリアランスな
し、塗布量26.4g/m2で塗工液を塗布し、120
℃2分間乾燥し、被膜化を行うことで、本発明の透湿防
水素材を作製した。
【0058】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=92<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定8.2の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな素材であって、水蒸気の透湿性が
4,000g/m 2・24hr、液体の水の透湿性が1
4,000g/m2・24hr、耐水圧が0.24MP
aと透湿性を具備すると同時に、防水性の高い透湿防水
素材であった。
【0059】[実施例3]エーテル系ポリオールを用い
たポリウレタンであるラックスキンU2599−2(セ
イコー化成(株)製商品名)原液を塗工液として用い
た。フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭硝子
(株)製商品名)5重量%水分散液で処理したミニリッ
プに、フローティングナイフコータを用いて、クリアラ
ンスなし、塗布量26.9g/m2で塗工液を塗布し、
120℃2分間乾燥し、被膜化を行うことで、本発明の
透湿防水素材を作製した。
【0060】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=91<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定7.9の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな素材であって、水蒸気の透湿性が
4,200g/m 2・24hr、液体の水の透湿性が1
8,000g/m2・24hr、耐水圧が0.22MP
aと透湿性を具備すると同時に、防水性の高い透湿防水
素材であった。
【0061】[実施例4]カーボネート系ポリオールを
用いたポリウレタンであるパーマリンUA−310(三
洋化成工業(株)製商品名)原液98重量部に増粘剤で
あるM−2005(第一工業製薬(株)製商品名)2重
量部を調製して塗工液として用いた。フッ素系撥水撥油
剤であるAG925(旭硝子(株)製商品名)5重量%
水分散液で処理したミニリップに、フローティングナイ
フコータを用いて、クリアランスなし、塗布量35.8
g/m2で塗工液を塗布し、120℃2分間乾燥し、被
膜化を行うことで、本発明の透湿防水素材を作製した。
【0062】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=98<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定9.2の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな素材であって、水蒸気の透湿性が
2,800g/m2・24hr、液体の水の透湿性が8,000g
/m2・24hr、耐水圧が0.21MPaと透湿性を具備すると
同時に、防水性の高い透湿防水素材であった。
【0063】[実施例5]シリコーン系ポリオールを用
いたポリウレタンであるクリスボンNYT−20(大日
本インキ化学工業(株)製商品名)原液を塗工液として
用いた。フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭硝子
(株)製商品名)5重量%水分散液で処理したオックス
フォードに、フローティングナイフコータを用いて、ク
リアランスなし、塗布量27.5g/m2で塗工液を塗
布し、120℃2分間乾燥し、被膜化を行うことで、本
発明の透湿防水素材を作製した。
【0064】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=94<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定9.4の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな素材であって、水蒸気の透湿性が
3,200g/m 2・24hr、液体の水の透湿性が
7,900g/m2・24hr、耐水圧が0.20MP
aと透湿性を具備すると同時に、防水性の高い透湿防水
素材であった。
【0065】[実施例6]エステル系ポリオールを用い
たポリウレタンであるクリスボンMP−829(大日本
インキ化学工業(株)製商品名)原液100重量部に製
膜助剤であるクリスボンアシスターSD−17B(大日
本インキ化学工業(株)製商品名)5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド30重量部を調製して塗工液とし
て用いた。
【0066】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)5重量%水分散液で処理したオッ
クスフォードに、フローティングナイフコータを用い
て、クリアランスなし、塗布量30.6g/m2で塗工
液を塗布し、N,N−ジメチルホルムアミドを10重量
%含有した水溶液を凝固液とする浴槽中に20℃にて5
分間浸漬してポリウレタンを湿式ゲル化させ、ついで5
0℃の温湯にて5分間水洗し、110℃にて3分間熱風
乾燥を行うことで、本発明の透湿防水素材を作製した。
【0067】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=89<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定8.3の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな素材であって、水蒸気の透湿性が
5,600g/m 2・24hr、液体の水の透湿性が
7,300g/m2・24hr、耐水圧が0.05MP
aと高度な透湿性を具備すると同時に、防水性のある透
湿防水素材であった。
【0068】[実施例7]エーテル系ポリオールを用い
たポリウレタンであるラックスキンU2599−2(セ
イコー化成(株)製商品名)原液100重量部にメチル
エチルケトン30重量部、架橋剤であるCL4803
(セイコー化成(株)製商品名)3部を調製し、塗工液
として用いた。ポリプロピレンフィルムをラミネートし
た離型紙上に塗工液をナイフオーバーロールコーティン
グ法によってクリアランス80μm、塗布量27.7g
/m2で塗行し、120℃で2分間乾燥して被膜化し
た。次に、オックスフォードと被膜化した樹脂フィルム
を積層し、金属ロールとゴムロール間の線圧が8.9k
gf/cm、金属ロール温度が120℃、速度5.7m
/minである熱ロールを通すことで、本発明の透湿防
水素材を作製した。
【0069】表1に示すように、素材の厚み断面の樹脂
面積比s/Sは、 80<s/S×100=84<100 を満たし、かつ透湿防水素材の厚み断面において、透湿
防水素材表面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ
直線と不連続に接して膜感判定6.4の膜感のほとんど
ない風合いのソフトな素材であって、水蒸気の透湿性が
3,500g/m 2・24hr、液体の水の透湿性が1
8,000g/m2・24hr、耐水圧が0.83MP
aと透湿性を具備すると同時に、防水性の高い透湿防水
素材であった。
【0070】[比較例1]塗工時のクリアランスを80
μm、塗布量29.4g/m2としたこと以外は、実施
例1と同様にして比較素材を作製した。表1に示すよう
に、素材の厚み断面の樹脂面積比s/Sは、 s/S×100=45<80 となり、膜感判定1.2の明らかに膜感を感じる素材で
あった。
【0071】[比較例2]塗工時のクリアランスを80
μm、塗布量を36.2g/m2としたこと以外は、実
施例5と同様にして比較素材を作製した。表1に示すよ
うに、素材の厚み断面の樹脂面積比s/Sは、 s/S×100=51<80 となり、膜感判定1.3の明らかに膜感を感じる素材で
あった。
【0072】[比較例3]塗工時のクリアランスを80
μm、塗布量を40.1g/m2としたこと以外は、実
施例6と同様にして比較素材を作製した。表1に示すよ
うに、素材の厚み断面の樹脂面積比s/Sは、 s/S×100=28<80 となり、膜感判定1.4の明らかに膜感を感じる素材で
あった。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、膜感がほとんどなく、
かつソフトな風合いを有する快適な透湿防水素材を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)と(b)は、本発明の透湿防水素
材の厚み断面を例示する断面図である。
【符号の説明】
1:樹脂層 2:経糸と緯糸の最外部に位置する単繊維の最表面の共
通接線 3:単繊維 4:透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ直線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA27 BA12 CA14 EA05 EA22 FA16 FA39 GA03 4F100 AK01B AK01C AK48 AK51B AK51C BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA13 DD01B DD01C DG01A DG12 EH46 EJ64 GB72 JB07 JD04 JD05 JK13 YY00 4L033 AA01 AA04 AB05 AC15 CA50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維構造物の片側に少なくとも1層の樹
    脂層が付与されており、耐水度が0.05MPa以上
    1.0MPa以下である透湿防水素材において、下記1
    と2の要件を同時に満たすことを特徴とする透湿防水素
    材。 1.透湿防水素材の厚み断面において、樹脂部分の面積
    Sと、繊維構造物を形成する経糸と緯糸の最外部に位置
    する単繊維の最表面の共通接線を連続して結ぶことで形
    成される線を境界線とし、該境界線より繊維構造物側に
    存在する樹脂部分の面積sが、下記の式を満たすこと。 80<s/S×100<100 2.透湿防水素材の厚み断面において、透湿防水素材表
    面が透湿防水素材最表面の凹凸の頂点を結ぶ直線と不連
    続に接すること。
  2. 【請求項2】 透湿防水素材の耐水度が0.1MPa以
    上1.0MPa以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の透湿防水素材。
  3. 【請求項3】 樹脂層を構成する樹脂がポリウレタンを
    主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項1記載
    の透湿防水素材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101928867B1 (ko) 2017-05-18 2018-12-13 효성첨단소재 주식회사 건설폐기물 수집운반 차량 덮개용 방수 직물 및 그 제조방법

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