JP2003253564A - 防汚性立毛布帛及びその製造方法 - Google Patents

防汚性立毛布帛及びその製造方法

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JP2003253564A
JP2003253564A JP2002057714A JP2002057714A JP2003253564A JP 2003253564 A JP2003253564 A JP 2003253564A JP 2002057714 A JP2002057714 A JP 2002057714A JP 2002057714 A JP2002057714 A JP 2002057714A JP 2003253564 A JP2003253564 A JP 2003253564A
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cut
napped fabric
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pile
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JP2002057714A
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Tamotsu Enohara
保 榎原
Seiichi Ochi
清一 越智
Hideki Kawabata
秀樹 河端
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】立毛布帛の内部まで入り込んだ埃及や油汚れに
対しても、洗濯で簡単に落とすことができ、更に、パイ
ル繊維のカット端面の汚れが落ちやすい防汚性を有した
立毛品布帛を提供する。 【解決手段】立毛布帛表面のカットパイル繊維のカット
端面及び側面の表面に、親水性SR加工剤が付与されて
なることを特徴とする防汚性立毛布帛、さらに、染色同
時吸尽法を用いて立毛布帛の表面パイル繊維表面にSR
加工剤を付与した後、表面パイル繊維をカットし、更に
スプレー法又はパッド法を用いて表面パイル繊維のカッ
ト端面にSR加工剤を付与することを特徴とする防汚性
立毛布帛の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性、特にSR
性に優れた立毛布帛に関する。更に詳しくは、汚れを洗
濯で簡単に落とせる衣料に好適な防汚性立毛布帛であ
り、更に立毛布帛カット端面の黒ずみ及び油汚れに対す
る防汚性に優れた立毛布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維の立毛布帛、例えばフリース等の起
毛布帛は、一般に軽量で保温性が高いため、ジャケット
本体及び中綿等の衣料用途に用いられている。しかしな
がら、衣料用途の場合、特にジャケット本体の表面に用
いられたとき、埃や油等の汚れがつきやすく、フリース
の内部に汚れが入り込んで洗濯してもなかなか取れない
という問題がある。また、洗濯の回数とともに洗濯液中
の汚れが再付着し、ホワイト、パステルカラー等の淡色
系の色では、その汚れが黒ずみの様になり、防汚性能の
向上が切望されていた。また、ライナー等に用いられた
ときは、汗成分中の油汚れ等が付着し、洗濯を行っても
なかなか取れないという問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
現状に鑑みてなされたものであり、立毛布帛の内部まで
入り込んで付着した埃及び油汚れに対しても、洗濯で簡
単に落とすことができ、更に、カットパイル繊維のカッ
ト端面の汚れが落ちやすく、主にジャケット本体及び中
綿等の衣料に用いることのできる、防汚性に優れた立毛
布帛を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、立毛布
帛、特にフリース等の起毛布帛表面のカットパイル繊維
のカット端面及び側面の表面に、SR加工剤が付与され
てなることを特徴とする防汚性に優れた立毛布帛及び染
色同時吸尽法を用いて立毛布帛の表面パイル繊維表面に
SR加工剤を付与した後、表面パイル繊維をカットし、
更にスプレー法又はパッド法を用いて表面パイル繊維の
カット端面にSR加工剤を付与することを特徴とする防
汚性立毛布帛の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明でいう立毛布帛は、繊維性布帛の表面に立
毛繊維を配置したものである。その中で、特にフリース
とは、繊維表面をパイル状にした後、そのパイルを切断
(カット)することにより得られる構造体である。尚、
立毛布帛であれば、本発明の趣旨である防汚性を与える
ことが可能である為、特に限定はしないが、衣料用途と
して用いる場合には、製造の容易性及びコストの点から
フリース(起毛品)がより好ましい。素材としては、特
に限定はしないが、フリースとして用いる場合は、フリ
ース表面のドライタッチ性や表面の水等を素早く乾かす
事等が要求されることから、疎水性繊維、特に、ポリエ
ステル系繊維を用いることが好ましい。
【0006】本発明の立毛布帛、特にフリースに防汚性
を持たせる為には、後加工でSR加工などの防汚加工を
する事が必要である。SR(ソイルリリース)加工をし
ないと、フリースに用いられるポリエステル系繊維その
ものが疎水性であり、埃及び油に対する除去性が良くな
いからである。SR加工をする事により、泥が見かけ上
付着していても、洗濯により脱落しやすくなるのであ
る。更に洗濯時の油汚れ等の再付着も防ぐことが出来、
繰り返し洗濯による黒ずみ等の進行を防ぐことが出来
る。
【0007】SR加工は、洗濯再汚染性や油汚れを主対
象とすることから、親水タイプを用いることが望まし
い。付与量としては、繊維質量に対し0.1〜6.0質
量%程度が加工コスト及び性能のバランスの点から好ま
しい。
【0008】親水タイプのSR加工として、ポリエステ
ルの表面部分の改質、繊維自身を改質する方法がある。
表面部分を親水化して改質する方法としては、吸水加工
剤、具体的には、例えばポリエチレングリコールとポリ
エチレンテレフタレートのブロック共重合物である親水
性ポリエステル樹脂の表面処理が一般的である。吸水S
R加工剤として一般的なものは、ICI社のPermalose
TM、高松油脂社のSR剤シリーズなどである。かかる
吸水SR加工法としては、染色同時吸尽法や染色後、仕
上げ加工の際のパディング法があげられるが、基本的に
は、SR剤が所定量以上付着していれば、どちらでも差
し支えない。しかしながら、高度な耐久性を求められる
場合、特に、染色同時吸尽法によるSR加工とパディン
グ法又はスプレー法によるSR加工のダブルSR加工が
好ましい。
【0009】また、前記のポリエステル樹脂系SR加工
剤と同様にポリアルキレングリコール付加型フッ素系S
R加工剤や同シリコン系SR加工剤が知られており、か
かるSR剤を併用することも可能である。なお、カット
パイル繊維のカット端面へのSR加工剤の付着状態は、
電子顕微鏡写真などによって容易に確認できる。
【0010】カット繊維の側面の汚れについては、SR
加工剤により充分洗濯により除去可能であり、洗濯再汚
染性も良好であるが、カット端面に加工剤が付着してい
ないと、カット端面には汚れが付着しやすく、なおかつ
洗濯しても汚れが落ちにくい。更に、洗濯再汚染性も悪
く、黒ずみ等も発生しやすい。フリースのような立毛布
帛では、カット端面の汚れの方が目立ちやすいので、カ
ット端面に加工剤が付着し、カット端面がSR加工剤で
被覆されていることが好ましい。
【0011】従って、具体的には、原糸の状態又はカッ
ト前の布帛の状態で、染色同時吸尽法SR加工を実施
し、その後布帛のパイルをカットし、フリース状とした
後、パディング法又はスプレー法によるSR加工を実施
することが好ましい。該加工により、カット端面にSR
加工剤が充分に付着するため、カット端面の防汚性が格
段に向上するばかりでなく、カット側面及びカット端面
両者の相互作用、具体的には、吸尽加工時に作成された
皮膜とパッド加工時に作成された皮膜の二層に積層され
た皮膜により、全体の防汚性、特に、耐洗濯性が更に向
上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明は何らこれらに限定されるものではない。実施例にお
ける各性能の評価法は以下の通りである。なお、以下
に、単に部又は%と記載の場合は、質量に基づく値を意
味する。
【0013】(1)SRD(洗濯再汚染性試験);試料
(5cm×10cm)をカーボンブラック1部、牛脂硬
化脂肪酸15部、石鹸(JIS K3302−U)10
部及び水74部を混合したものの1%水溶液(洗濯液に
相当)に入れ、JIS−L−0844 A-1法の条件
で処理する。水洗及び風乾を実施した後、汚染用グレー
スケール(JIS−L−0805)を用い、1〜5級判
定を実施した。 (2)SRM(油性、水性汚れ想定試験);試料(5c
m×10cm)上にスポイトで墨汁(水性汚れ)及びB
重油(油性汚れ)を一滴滴下、2kgの荷重を30秒掛
けた後、濾紙を介して再度2kgの荷重を30秒掛け
る、2時間後、(3)洗濯を実施、風乾後、汚染用グレ
ースケール(JIS−L−0805)を用い、1〜5級
判定を実施した。 (3)洗濯方法;JIS−L−0217 No.103
に準ずる 洗剤トップ(ライオン油脂社製)使用 浴比 1:30 (1)(2)いずれも、未洗濯及び(3)洗濯10回
後、30回後の評価を実施した。
【0014】実施例1 ポリエステル製フリース(表面パイル未カット品)を、
染色時に以下の条件でSR剤処理を同時に実施した。 浴比 1:10 130℃×45分 (pH=6調整) 高松油脂 社製 SR1000 2.0g/l 明成化学社製 ディスパーN 700 0.7g/l 分散染料 必要量 染色後、脱水、乾燥(120℃×3分)を行い、ここで
フリースの表面パイルをカットし、以下の条件でSR剤
を付与した。ピックアップは100%であった。 120℃×2分 高松油脂社製 SR1000 1.5%omf その後、最終セットを160℃×2分の条件下、テンタ
ーにて行い、正量調整し、最終生地を得た。
【0015】実施例2 ポリエステル製フリース(表面パイル未カット品)を、
以下の条件で染色/仕上げ加工を実施した。 浴比 1:10 130℃×45分 (pH=6調整) 明成化学社製 ディスパーN 700 0.5g/l 分散染料 必要量 染色後、脱水、乾燥(120℃×3分)を行い、以下の
条件で仕上げ剤を付与した。仕上げ剤のピックアップは
100%であった。 120℃×2分 高松油脂社製 SR1000 3.0%omf その後、最終セットを160℃×2分の条件下、テンタ
ーにて行い、正量調整し、その後、表面パイルをカット
し最終生地を得た。
【0016】実施例3 ポリエステル製フリース(表面パイル未カット品)を、
染色時に以下の条件でSR剤処理を同時に実施した。 浴比 1:10 130℃×45分 (pH=6調整) 高松油脂社製 SR1000 4.0g/l 明成化学社製 ディスパーN 700 0.7g/l 分散染料 必要量 染色後、脱水、乾燥(120℃×3分)を行い、その
後、最終セットを160℃×2分の条件下、テンターに
て行い、正量調整し、その後、表面パイルをカットし最
終生地を得た。
【0017】実施例4 ポリエステル製フリース(表面パイル未カット品)を、
以下の条件で染色/仕上げ加工を実施した。 浴比 1:10 130℃×45分 (pH=6調整) 明成化学社製 ディスパーN 700 0.5g/l 分散染料 必要量 染色後、脱水、乾燥(120℃×3分)を行い、その
後、表面パイルをカットし、以下の条件で仕上げ剤を付
与した。仕上げ剤のピックアップは100%であった。 120℃×2分 高松油脂社製 SR1000 3.0%omf その後、最終セットを160℃×2分の条件下、テンタ
ーにて行い、正量調整し、最終生地を得た。
【0018】比較例1 未加工のポリエステル製フリースをそのまま試料として
用いた。
【0019】以上の評価結果をまとめて表1に示す。
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明により、立毛布帛の内部まで入り
込んで付着した埃及び油汚れに対しても、洗濯する事に
より簡単に落とすことができ、更に耐洗濯再汚染性に優
れ、主にジャケット本体及びライナー等の衣料に用いる
ことのできる、防汚性に優れた立毛布帛を提供すること
が出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立毛布帛表面のカットパイル繊維のカット
    端面及び側面の表面に、親水性SR加工剤が付与されて
    なることを特徴とする防汚性立毛布帛。
  2. 【請求項2】前記SR加工が、親水性ポリエステル樹脂
    系加工剤であることを特徴とする請求項1記載の防汚性
    立毛布帛。
  3. 【請求項3】立毛布帛がポリエステル繊維製起毛品(フ
    リース)で構成されていることを特徴とする請求項1又
    は2記載の防汚性立毛布帛。
  4. 【請求項4】立毛布帛表面のカットパイル繊維のカット
    面に親水性ポリエステル樹脂系加工剤の皮膜層を有し、
    かつパイル側面に二層のSR加工剤皮膜層を有すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防汚性立
    毛布帛。
  5. 【請求項5】染色同時吸尽法を用いて立毛布帛の表面パ
    イル繊維表面にSR加工剤を付与した後、表面パイル繊
    維をカットし、更にスプレー法又はパッド法を用いて表
    面パイル繊維のカット端面にSR加工剤を付与すること
    を特徴とする防汚性立毛布帛の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336145A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Gunze Ltd 汚れ洗濯性向上機能付与ポリエステル繊維の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006336145A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Gunze Ltd 汚れ洗濯性向上機能付与ポリエステル繊維の製造方法

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