JP2003253298A - 磁気カードの剥離洗浄法 - Google Patents
磁気カードの剥離洗浄法Info
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Abstract
を構成するカード形状の支持体と磁性体層とを効率的に
分離することができる磁気カードの剥離洗浄法を提供す
る。 【解決手段】無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチ
オン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜
15重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界
面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200
〜1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄するこ
とを特徴とする磁気カードの剥離洗浄法。
Description
洗浄法に関する。さらに詳しくは、本発明は、磁気記録
媒体で構成される使用済みカード、磁気カードの製造工
程の廃材や不良品などの洗浄法に係り、無機アルカリ剤
のみによる洗浄では除去しにくい磁性体部分を支持体か
ら効率的に剥離させ、且つ剥離した磁性体がプラスチッ
ク、紙材などの支持体に再付着することを防止すること
ができる磁気カードの剥離洗浄法に関する。
ド、診察カード、会員カード、定期乗車券などのカード
には、磁気記録媒体が使用されている。磁気記録媒体
は、プラスチックスフィルムや紙材からなるカード形状
の支持体と、この支持体の一方の面上に形成された磁性
体層より構成されており、これらの構成部材は互いに強
固に接着されている。磁気記録媒体を構成するカード状
の支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどのプラスチッ
クフィルムすなわち有機物が用いられている。なお、支
持体の材質は、耐光性、耐熱性、加工性、塩素を含有し
ないなどの条件を満たすポリエチレンテレフタレートが
主流となっている。また、磁性体は、γ−酸化鉄(II
I)、酸化鉄(II)、コバルト含有酸化鉄(II)、バリウムフ
ェライトなどが主として用いられている。ところで、使
用済みの磁気記録媒体や、磁気記録媒体の製造工程から
発生する廃材及び不良品の再資源化のためには、磁気カ
ードから磁性体層を剥離し、支持体を洗浄する必要があ
り、そのための技術が検討されている。例えば、特開平
11−167716号公報には、過酷な剥離条件が不必
要で、量産処理の可能な磁気記録媒体を構成するカード
形状の支持体と磁性層とに分離する方法として、磁気記
録媒体に係る複数のワークを連続的に搬入し、アルカリ
系剥離剤による溶液浴を用いてこれらワークをリンス処
理する方法が提案されている。しかし、アルカリ性の剥
離溶液として無機系物質が使用されており、磁気カード
の支持体の材質は硬質の有機物であるために、強固に固
着された磁性体層内部への浸透性が悪く、カードを再資
源化可能な状態にするためには、高温、長時間の浸漬処
理が必要となり、効率的な処理が困難である。また、無
機アルカリ剤は、再汚染防止力が弱いために、清浄な支
持体を得ることが困難である。
洗浄条件が不必要で、磁気記録媒体を構成するカード形
状の支持体と磁性体層とを効率的に分離することができ
る磁気カードの剥離洗浄法を提供することを目的として
なされたものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、無機アルカリ
剤、カチオン界面活性剤並びにアニオン界面活性剤及び
/又は両性界面活性剤を含有する洗浄溶液を用いて磁気
カードを処理することにより、温和な条件で磁性体層を
剥離し、磁性体による支持体の再汚染を防ぎ、効率的に
清浄な支持体を回収し得ることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、(1)無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチオ
ン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニオ
ン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜1
5重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界面
活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200〜
1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄すること
を特徴とする磁気カードの剥離洗浄法、(2)無機アル
カリ剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はオル
ト珪酸ナトリウムである第1項記載の磁気カードの剥離
洗浄法、(3)カチオン界面活性剤が、一般式[1]で
表される化合物である第1項記載の磁気カードの剥離洗
浄法、
基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R
2、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
2〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、
X-は、ハロゲンイオン、炭素数1〜2のモノアルキル
硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、ベ
ンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン、キシレンスルホン酸イオン、炭素数1〜8のモノ若
しくはジリン酸エステルイオン又はポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル(該アルキル基の炭素数l〜8)の
モノ若しくはジリン酸エステルイオンである。)、
(4)アニオン界面活性剤が、一般式[2]、一般式
[3]又は一般式[4]で表される化合物である第1項
記載の磁気カードの剥離洗浄法、 R5−Om−(R6O)nSO3M …[2] (ただし、式中、R5は、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18
のアラルキル基であり、R6は、炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、mは0又は1であり、nは0〜20であ
り、Mはアルカリ金属である。)
のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素
数7〜18のアラルキル基であり、R9、R10及びR12
は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、o、p及びq
は0〜20であり、Mはアルカリ金属である。)、及
び、(5)両性界面活性剤が、炭素数6〜18の長鎖ア
ルキル基を有するベタイン型界面活性剤、スルホベタイ
ン型界面活性剤又はアミンオキサイド型界面活性剤であ
る第1項記載の磁気カードの剥離洗浄法、を提供するも
のである。
においては、無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチ
オン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜
15重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界
面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200
〜1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄する。
本発明方法によれば、磁気記録媒体を構成する使用済み
カード、製造工程の廃材や不良品などから磁性体層を剥
離洗浄して、従来の無機アルカリ剤のみによる処理では
除去が困難であった磁性体層部分をカード支持体から剥
離させ、且つ再汚染を防いで、洗浄なカード支持体を回
収し、資源として再利用することができる。本発明方法
において、洗浄溶液中の無機アルカリ剤の含有量は、
0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜10重
量%である。無機アルカリ剤の含有量が0.1重量%未
満であると、洗浄効果が不足して磁性体層が十分に剥離
しないおそれがある。無機アルカリ剤の含有量が30重
量%を超えると、アルカリ剤の濃度に見合う剥離性の向
上がなく、コスト的に無駄が多くなるとともに、支持体
のプラスチックフィルムが劣化するおそれがある。本発
明方法において、洗浄溶液中のカチオン界面活性剤の含
有量は、0.005〜15重量%であり、より好ましく
は0.01〜5重量%である。カチオン界面活性剤の含
有量が0.005重量%未満であると、洗浄効果が不足
して磁性体層が十分に剥離しないおそれがある。カチオ
ン界面活性剤の含有量が15重量%を超えると、カチオ
ン界面活性剤の濃度に見合う剥離性の向上がなく、コス
ト的に無駄が多くなるおそれがある。
ン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の含有量は0.
005〜15重量%であり、より好ましくは0.01〜
5重量%である。アニオン界面活性剤及び/又は両性界
面活性剤の含有量が0.005重量%未満であると、洗
浄効果が不足して磁性体層が十分に剥離しないおそれが
ある。アニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の
含有量が15重量%を超えると、アニオン界面活性剤及
び/又は両性界面活性剤の濃度に見合う剥離性の向上が
なく、コスト的に無駄が多くなるおそれがある。本発明
方法において、洗浄溶液中のカチオン界面活性剤とアニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率は1:
200〜1:1(重量比)であり、より好ましくは1:
100〜1:1.5(重量比)である。カチオン界面活
性剤とアニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の
比率が1:200(重量比)未満であって、カチオン界
面活性剤の量が相対的に少なすぎると、磁性体層が十分
に剥離しないおそれがある。カチオン界面活性剤とアニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:
1(重量比)を超えて、アニオン界面活性剤及び/又は
両性界面活性剤の量が相対的に少なすぎると、一旦剥離
した磁性体が支持体に付着して再汚染が生じやすくなる
おそれがある。本発明方法に用いる無機アルカリ剤に特
に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどの水酸化物、1号、2号又は3号珪酸ナトリウ
ム、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、珪酸
カリウムなどの珪酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などの炭酸塩などを挙げることができる。これらの無機
アルカリ剤は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これ
らの中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びオル
ト珪酸ナトリウムは、pHが高い洗浄溶液を調製すること
ができるので好適に用いることができる。
は、一般式[1]で表される化合物であることが好まし
い。
8のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル
基であり、R2、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジ
ル基であり、X -は、ハロゲンイオン、炭素数1〜2の
モノアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐
酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンス
ルホン酸イオン、キシレンスルホン酸イオン、炭素数1
〜8のモノ若しくはジリン酸エステルイオン又はポリオ
キシアルキレンアルキルエーテル(該アルキル基の炭素
数l〜8)のモノ若しくはジリン酸エステルイオンであ
る。一般式[1]で表される化合物としては、例えば、
トリメチルヘキシルアンモニウムクロライド、トリメチ
ルオクチルアンモニウムブロマイド、ジメチルヒドロキ
シエチルデシルアンモニウムp−トルエンスルホネー
ト、ジエチルベンジルテトラデシルアンモニウムクロラ
イド、ジヒドロキシエチルメチルラウリルアンモニウム
メチルサルフェート、ジメチルヒドロキシプロピルヘキ
シルアンモニウムキシレンスルホネート、ジヒドロキシ
エチルエチルオクチルアンモニウムエチルサルフェー
ト、ジメチルヒドロキシエチルデシルアンモニウムモノ
/ジ(1/1)ブチルホスフェート、ジメチルヒドロキ
シエチルラウリルアンモニウムモノポリオキシエチレン
(2モル)エチルヘキシルホスフェートなどを挙げること
ができる。これらの中で、一般式[1]において、R1
が炭素数8〜14のアルキル基、アルケニル基又はヒド
ロキシアルキル基であり、R2、R3又はR4のいずれか
一つがベンジル基である化合物は、プラスチックに対す
る浸透性が良好なので、特に好適に用いることができ
る。
制限はなく、例えば、アルキルポリオキシアルキレン硫
酸エステル塩、アルキルポリオキシアルキレンモノリン
酸エステル塩又はジリン酸エステル塩、脂肪酸石鹸、ジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウム、石油スルホン酸ナ
トリウム塩、動植物油の硫酸化物ナトリウム塩などを挙
げることができる。これらの中で、一般式[2]、一般
式[3]又は一般式[4]で表されるアニオン界面活性
剤を特に好適に用いることができる。 R5−Om−(R6O)nSO3M …[2] ただし、一般式[2]において、R5は、炭素数1〜1
8のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭
素数7〜18のアラルキル基であり、R6は、炭素数2
〜4のアルキレン基であり、mは0又は1であり、nは
0〜20であり、Mはアルカリ金属である。
R7、R8及びR11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数2〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラ
ルキル基であり、R9、R10及びR12は、炭素数2〜4
のアルキレン基であり、o、p及びqは0〜20であ
り、Mはアルカリ金属である。一般式[2]で表される
化合物としては、例えば、2−エチルヘキシル硫酸エス
テルナトリウム塩、ラウリル硫酸エステルナトリウム
塩、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸
エステルカリウム塩、ポリオキシエチレン(5モル)ラウ
リルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエ
チレン(5モル)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウ
ム塩などを挙げることができる。一般式[3]又は一般
式[4]で表される化合物としては、例えば、ブチルリ
ン酸モノエステルナトリウム塩、2−エチルヘキシルリ
ン酸エステルカリウム塩、ポリオキシエチレン(2モル)
プロピルエーテルモノ/ジ(1/1)リン酸エステルカ
リウム塩、ポリオキシエチレン(4モル)2−エチルヘキ
シルエーテルモノリン酸エステルナトリウム塩などを挙
げることができる。これらの中で、R5、R7、R8、R
11が炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のア
ルケニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基であり、
R6、R9、R10、R12がエチレン基であり、n、o、
p、qが2〜10である化合物は、剥離した磁性体が再
付着するのを防ぐので、特に好適に用いることができ
る。
は、例えば、アルキルジメチルベタイン、アルキルアミ
ノカルボン酸塩、アルキルジヒドロキシエチルベタイ
ン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルスル
ホベタイン、アルキルアミンオキサイドなどを挙げるこ
とができる。このような両性界面活性剤としては、例え
ば、2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒ
ドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸
アミドプロピルジメチルヒドロキシスルホベタイン、パ
ルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、
ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジヒド
ロキシエチルベタイン、ヤシ脂肪酸アシル−N−カルボ
キシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナ
トリウム、ラウリル−N,N−ジカルボキシエチルナト
リウム、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどを挙げ
ることができる。これらの中で、炭素数6〜18の長鎖
アルキル基を有するベタイン型界面活性剤、スルホベタ
イン型界面活性剤又はアミンオキサイド型界面活性剤を
好適に用いることができる。本発明の磁気カードの剥離
洗浄法においては、必要に応じて、過酸化水素、トリポ
リ燐酸ナトリウムやエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
などの金属イオン封鎖剤、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエ
ーテルなどのノニオン界面活性剤、防錆剤などを洗浄溶
液に添加して使用することができる。本発明方法によれ
ば、磁気記録媒体を構成する使用済みカードなどの磁性
体層部分を支持体から剥離し、一旦剥離した磁性体が支
持体のプラスチックフィルムなどを再汚染することを防
止し、洗浄なフィルムを回収して、資源として再利用す
ることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
ては、界面活性剤として、式[5]〜[13]で示され
る界面活性剤A〜Iを用いた。
状態及び再汚染の状態を目視により観察し、次に示す基
準により判定した。 (1)剥離性 ○:磁性体層が完全に除去されている。(剥離度:10
0%) △:磁性体層の一部が残っている。(剥離度:50%以
上100%未満) ×:磁性体層の多くの部分が除去されていない。(剥離
度:50%未満) (2)再汚染 ○:再汚染が全くない。 △:一部に再汚染が認められる。 ×:表面全体に強い再汚染が認められる。 実施例1 水酸化ナトリウム5.0重量%、カチオン界面活性剤A
0.3重量%及びアニオン界面活性剤C1.5重量%を含
有する水溶液を洗浄溶液として用い、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを支持体とする使用済みのテレホン
カードの剥離洗浄を行った。容量500mLのステンレス
鋼製ポットに直径0.5mmのスチールボール10個と上
記の洗浄溶液100mLを入れ、この中に使用済みのテレ
ホンカード3枚(5.7g)入れた。ラウンダ・オ・メ
ーター[(株)大栄化学精機製作所、L−20]を用い
て、80℃にて30分洗浄した。次いで、浴比1:50
の水にて、常温で3分間すすいだのち風乾した。磁性体
層は支持体から完全に除去され、再汚染は全くなかっ
た。 実施例2〜10 第1表に示す組成の洗浄溶液を用い、実施例1と同様に
して、使用済みのテレホンカードの剥離洗浄を行い、カ
ード表面の磁性体の剥離の状態及び再汚染の状態を目視
により観察した。 比較例1 10.0重量%水酸化ナトリウム水溶液を洗浄溶液とし
て用いた以外は、実施例1と同様にして、使用済みのテ
レホンカードの剥離洗浄を行い、カード表面の磁性体の
剥離の状態及び再汚染の状態を目視により観察した。磁
性体層の約60%が支持体上に残っており、一部に再汚
染が認められた。 比較例2〜7 第2表に示す組成の洗浄溶液を用い、実施例1と同様に
して、使用済みのテレホンカードの剥離洗浄を行い、カ
ード表面の磁性体の剥離の状態及び再汚染の状態を目視
により観察した。実施例1〜10の結果を第1表に、比
較例1〜7の結果を第2表に示す。
カリ剤、カチオン界面活性剤並びにアニオン界面活性剤
及び/又は両性界面活性剤を含有する洗浄溶液を用いた
実施例1〜10においては、すべて磁性体層が完全に除
去され、一旦剥離した磁性体の支持体への再汚染が認め
られない。これに対して、無機アルカリ剤を単独で使用
した比較例1では、無機アルカリ剤の濃度が10重量%
と高いにもかかわらず剥離性が劣る。無機アルカリ剤と
カチオン界面活性剤のみを使用した比較例2及び比較例
3では、剥離性又は再汚染が良好ではない。アニオン界
面活性剤又は両性界面活性剤の含有量がカチオン界面活
性剤の含有量より少ない比較例4、比較例6及び比較例
7では、剥離性は優れているが、表面全体に強い再汚染
が生じている。無機アルカリ剤の濃度が0.1重量%未
満である比較例5では、アルカリ剤の不足により剥離性
が劣っている。 実施例11 洗濯脱水機[(株)稲本製作所、ラブネット35、35kg
機]に水130L及びポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを支持体とする使用済みパチンコカード13kgを入
れた。次いで、水酸化ナトリウム6.5kg、カチオン界
面活性剤H0.2kg及びアニオン界面活性剤C2kgを投
入し、80℃にて20分間洗浄した。洗浄溶液を排出し
たのち、水245Lを投入して、常温にて3分すすぎ、
排水した。同じすすぎを再度行い、カードの支持体を取
り出し、自然乾燥した。使用済みパチンコカードの磁性
体層は、完全に支持体のフィルムから剥離し、再汚染も
認められなかった。 比較例8 カチオン界面活性剤を投入することなく、水酸化ナトリ
ウム6.5kgとアニオン界面活性剤I2kgを投入した以
外は、実施例11と同様にして、使用済みパチンコカー
ドの洗浄とすすぎ、自然乾燥を行った。磁性体層はほと
んどがカードに残留した状態であったが、剥離した部分
への再汚染は認められなかった。実施例11及び比較例
8の結果を、第3表に示す。
剤、カチオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を含有
する洗浄溶液を用いた実施例11においては、磁性体層
が完全に除去され、一旦剥離した磁性体の支持体への再
汚染が認められない。これに対して、無機アルカリ剤と
アニオン界面活性剤のみを含有する洗浄溶液を用いた比
較例8においては、剥離した部分への再汚染は認められ
ないが、磁性体層がほとんどがカードに残留した状態で
あって、剥離性がよくない。
ば、商業用の洗濯脱水機を用いて、使用済みの磁気カー
ドや磁気カードの不良品の磁性体層を、再汚染を生じる
ことなく、速やかに支持体より剥離することができる。
このために、再資源化を目的として、磁気カードの剥離
洗浄を、特別な洗浄装置を設置することなく、効率的に
大量処理することが可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチ
オン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜
15重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界
面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200
〜1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄するこ
とを特徴とする磁気カードの剥離洗浄法。 - 【請求項2】無機アルカリ剤が、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム又はオルト珪酸ナトリウムである請求項1
記載の磁気カードの剥離洗浄法。 - 【請求項3】カチオン界面活性剤が、一般式[1]で表
される化合物である請求項1記載の磁気カードの剥離洗
浄法。 【化1】 (ただし、式中、R1は、炭素数6〜18のアルキル
基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R
2、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
2〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、
X-は、ハロゲンイオン、炭素数1〜2のモノアルキル
硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、ベ
ンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン、キシレンスルホン酸イオン、炭素数1〜8のモノ若
しくはジリン酸エステルイオン又はポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル(該アルキル基の炭素数l〜8)の
モノ若しくはジリン酸エステルイオンである。) - 【請求項4】アニオン界面活性剤が、一般式[2]、一
般式[3]又は一般式[4]で表される化合物である請
求項1記載の磁気カードの剥離洗浄法。 R5−Om−(R6O)nSO3M …[2] (ただし、式中、R5は、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18
のアラルキル基であり、R6は、炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、mは0又は1であり、nは0〜20であ
り、Mはアルカリ金属である。) 【化2】 (ただし、式中、R7、R8及びR11は、炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素
数7〜18のアラルキル基であり、R9、R10及びR12
は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、o、p及びq
は0〜20であり、Mはアルカリ金属である。) - 【請求項5】両性界面活性剤が、炭素数6〜18の長鎖
アルキル基を有するベタイン型界面活性剤、スルホベタ
イン型界面活性剤又はアミンオキサイド型界面活性剤で
ある請求項1記載の磁気カードの剥離洗浄法。
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