JP2003253298A - 磁気カードの剥離洗浄法 - Google Patents

磁気カードの剥離洗浄法

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JP2003253298A JP2002052108A JP2002052108A JP2003253298A JP 2003253298 A JP2003253298 A JP 2003253298A JP 2002052108 A JP2002052108 A JP 2002052108A JP 2002052108 A JP2002052108 A JP 2002052108A JP 2003253298 A JP2003253298 A JP 2003253298A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過酷な剥離洗浄条件が不必要で、磁気記録媒体
を構成するカード形状の支持体と磁性体層とを効率的に
分離することができる磁気カードの剥離洗浄法を提供す
る。 【解決手段】無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチ
オン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜
15重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界
面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200
〜1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄するこ
とを特徴とする磁気カードの剥離洗浄法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードの剥離
洗浄法に関する。さらに詳しくは、本発明は、磁気記録
媒体で構成される使用済みカード、磁気カードの製造工
程の廃材や不良品などの洗浄法に係り、無機アルカリ剤
のみによる洗浄では除去しにくい磁性体部分を支持体か
ら効率的に剥離させ、且つ剥離した磁性体がプラスチッ
ク、紙材などの支持体に再付着することを防止すること
ができる磁気カードの剥離洗浄法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレホンカード、ポイントカー
ド、診察カード、会員カード、定期乗車券などのカード
には、磁気記録媒体が使用されている。磁気記録媒体
は、プラスチックスフィルムや紙材からなるカード形状
の支持体と、この支持体の一方の面上に形成された磁性
体層より構成されており、これらの構成部材は互いに強
固に接着されている。磁気記録媒体を構成するカード状
の支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどのプラスチッ
クフィルムすなわち有機物が用いられている。なお、支
持体の材質は、耐光性、耐熱性、加工性、塩素を含有し
ないなどの条件を満たすポリエチレンテレフタレートが
主流となっている。また、磁性体は、γ−酸化鉄(II
I)、酸化鉄(II)、コバルト含有酸化鉄(II)、バリウムフ
ェライトなどが主として用いられている。ところで、使
用済みの磁気記録媒体や、磁気記録媒体の製造工程から
発生する廃材及び不良品の再資源化のためには、磁気カ
ードから磁性体層を剥離し、支持体を洗浄する必要があ
り、そのための技術が検討されている。例えば、特開平
11−167716号公報には、過酷な剥離条件が不必
要で、量産処理の可能な磁気記録媒体を構成するカード
形状の支持体と磁性層とに分離する方法として、磁気記
録媒体に係る複数のワークを連続的に搬入し、アルカリ
系剥離剤による溶液浴を用いてこれらワークをリンス処
理する方法が提案されている。しかし、アルカリ性の剥
離溶液として無機系物質が使用されており、磁気カード
の支持体の材質は硬質の有機物であるために、強固に固
着された磁性体層内部への浸透性が悪く、カードを再資
源化可能な状態にするためには、高温、長時間の浸漬処
理が必要となり、効率的な処理が困難である。また、無
機アルカリ剤は、再汚染防止力が弱いために、清浄な支
持体を得ることが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、過酷な剥離
洗浄条件が不必要で、磁気記録媒体を構成するカード形
状の支持体と磁性体層とを効率的に分離することができ
る磁気カードの剥離洗浄法を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、無機アルカリ
剤、カチオン界面活性剤並びにアニオン界面活性剤及び
/又は両性界面活性剤を含有する洗浄溶液を用いて磁気
カードを処理することにより、温和な条件で磁性体層を
剥離し、磁性体による支持体の再汚染を防ぎ、効率的に
清浄な支持体を回収し得ることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、(1)無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチオ
ン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニオ
ン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜1
5重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界面
活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200〜
1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄すること
を特徴とする磁気カードの剥離洗浄法、(2)無機アル
カリ剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はオル
ト珪酸ナトリウムである第1項記載の磁気カードの剥離
洗浄法、(3)カチオン界面活性剤が、一般式[1]で
表される化合物である第1項記載の磁気カードの剥離洗
浄法、
【化3】 (ただし、式中、R1は、炭素数6〜18のアルキル
基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R
2、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
2〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、
-は、ハロゲンイオン、炭素数1〜2のモノアルキル
硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、ベ
ンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン、キシレンスルホン酸イオン、炭素数1〜8のモノ若
しくはジリン酸エステルイオン又はポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル(該アルキル基の炭素数l〜8)の
モノ若しくはジリン酸エステルイオンである。)、
(4)アニオン界面活性剤が、一般式[2]、一般式
[3]又は一般式[4]で表される化合物である第1項
記載の磁気カードの剥離洗浄法、 R5−Om−(R6O)nSO3M …[2] (ただし、式中、R5は、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18
のアラルキル基であり、R6は、炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、mは0又は1であり、nは0〜20であ
り、Mはアルカリ金属である。)
【化4】 (ただし、式中、R7、R8及びR11は、炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素
数7〜18のアラルキル基であり、R9、R10及びR12
は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、o、p及びq
は0〜20であり、Mはアルカリ金属である。)、及
び、(5)両性界面活性剤が、炭素数6〜18の長鎖ア
ルキル基を有するベタイン型界面活性剤、スルホベタイ
ン型界面活性剤又はアミンオキサイド型界面活性剤であ
る第1項記載の磁気カードの剥離洗浄法、を提供するも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の磁気カードの剥離洗浄法
においては、無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチ
オン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜
15重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界
面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200
〜1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄する。
本発明方法によれば、磁気記録媒体を構成する使用済み
カード、製造工程の廃材や不良品などから磁性体層を剥
離洗浄して、従来の無機アルカリ剤のみによる処理では
除去が困難であった磁性体層部分をカード支持体から剥
離させ、且つ再汚染を防いで、洗浄なカード支持体を回
収し、資源として再利用することができる。本発明方法
において、洗浄溶液中の無機アルカリ剤の含有量は、
0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜10重
量%である。無機アルカリ剤の含有量が0.1重量%未
満であると、洗浄効果が不足して磁性体層が十分に剥離
しないおそれがある。無機アルカリ剤の含有量が30重
量%を超えると、アルカリ剤の濃度に見合う剥離性の向
上がなく、コスト的に無駄が多くなるとともに、支持体
のプラスチックフィルムが劣化するおそれがある。本発
明方法において、洗浄溶液中のカチオン界面活性剤の含
有量は、0.005〜15重量%であり、より好ましく
は0.01〜5重量%である。カチオン界面活性剤の含
有量が0.005重量%未満であると、洗浄効果が不足
して磁性体層が十分に剥離しないおそれがある。カチオ
ン界面活性剤の含有量が15重量%を超えると、カチオ
ン界面活性剤の濃度に見合う剥離性の向上がなく、コス
ト的に無駄が多くなるおそれがある。
【0006】本発明方法において、洗浄溶液中のアニオ
ン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の含有量は0.
005〜15重量%であり、より好ましくは0.01〜
5重量%である。アニオン界面活性剤及び/又は両性界
面活性剤の含有量が0.005重量%未満であると、洗
浄効果が不足して磁性体層が十分に剥離しないおそれが
ある。アニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の
含有量が15重量%を超えると、アニオン界面活性剤及
び/又は両性界面活性剤の濃度に見合う剥離性の向上が
なく、コスト的に無駄が多くなるおそれがある。本発明
方法において、洗浄溶液中のカチオン界面活性剤とアニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率は1:
200〜1:1(重量比)であり、より好ましくは1:
100〜1:1.5(重量比)である。カチオン界面活
性剤とアニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の
比率が1:200(重量比)未満であって、カチオン界
面活性剤の量が相対的に少なすぎると、磁性体層が十分
に剥離しないおそれがある。カチオン界面活性剤とアニ
オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:
1(重量比)を超えて、アニオン界面活性剤及び/又は
両性界面活性剤の量が相対的に少なすぎると、一旦剥離
した磁性体が支持体に付着して再汚染が生じやすくなる
おそれがある。本発明方法に用いる無機アルカリ剤に特
に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどの水酸化物、1号、2号又は3号珪酸ナトリウ
ム、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、珪酸
カリウムなどの珪酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などの炭酸塩などを挙げることができる。これらの無機
アルカリ剤は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これ
らの中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びオル
ト珪酸ナトリウムは、pHが高い洗浄溶液を調製すること
ができるので好適に用いることができる。
【0007】本発明方法において、カチオン界面活性剤
は、一般式[1]で表される化合物であることが好まし
い。
【化5】 ただし、一般式[1]において、R1は、炭素数6〜1
8のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル
基であり、R2、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジ
ル基であり、X -は、ハロゲンイオン、炭素数1〜2の
モノアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐
酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンス
ルホン酸イオン、キシレンスルホン酸イオン、炭素数1
〜8のモノ若しくはジリン酸エステルイオン又はポリオ
キシアルキレンアルキルエーテル(該アルキル基の炭素
数l〜8)のモノ若しくはジリン酸エステルイオンであ
る。一般式[1]で表される化合物としては、例えば、
トリメチルヘキシルアンモニウムクロライド、トリメチ
ルオクチルアンモニウムブロマイド、ジメチルヒドロキ
シエチルデシルアンモニウムp−トルエンスルホネー
ト、ジエチルベンジルテトラデシルアンモニウムクロラ
イド、ジヒドロキシエチルメチルラウリルアンモニウム
メチルサルフェート、ジメチルヒドロキシプロピルヘキ
シルアンモニウムキシレンスルホネート、ジヒドロキシ
エチルエチルオクチルアンモニウムエチルサルフェー
ト、ジメチルヒドロキシエチルデシルアンモニウムモノ
/ジ(1/1)ブチルホスフェート、ジメチルヒドロキ
シエチルラウリルアンモニウムモノポリオキシエチレン
(2モル)エチルヘキシルホスフェートなどを挙げること
ができる。これらの中で、一般式[1]において、R1
が炭素数8〜14のアルキル基、アルケニル基又はヒド
ロキシアルキル基であり、R2、R3又はR4のいずれか
一つがベンジル基である化合物は、プラスチックに対す
る浸透性が良好なので、特に好適に用いることができ
る。
【0008】本発明に用いるアニオン界面活性剤に特に
制限はなく、例えば、アルキルポリオキシアルキレン硫
酸エステル塩、アルキルポリオキシアルキレンモノリン
酸エステル塩又はジリン酸エステル塩、脂肪酸石鹸、ジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウム、石油スルホン酸ナ
トリウム塩、動植物油の硫酸化物ナトリウム塩などを挙
げることができる。これらの中で、一般式[2]、一般
式[3]又は一般式[4]で表されるアニオン界面活性
剤を特に好適に用いることができる。 R5−Om−(R6O)nSO3M …[2] ただし、一般式[2]において、R5は、炭素数1〜1
8のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭
素数7〜18のアラルキル基であり、R6は、炭素数2
〜4のアルキレン基であり、mは0又は1であり、nは
0〜20であり、Mはアルカリ金属である。
【化6】 ただし、一般式[3]及び一般式[4]において、
7、R8及びR11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数2〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラ
ルキル基であり、R9、R10及びR12は、炭素数2〜4
のアルキレン基であり、o、p及びqは0〜20であ
り、Mはアルカリ金属である。一般式[2]で表される
化合物としては、例えば、2−エチルヘキシル硫酸エス
テルナトリウム塩、ラウリル硫酸エステルナトリウム
塩、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸
エステルカリウム塩、ポリオキシエチレン(5モル)ラウ
リルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエ
チレン(5モル)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウ
ム塩などを挙げることができる。一般式[3]又は一般
式[4]で表される化合物としては、例えば、ブチルリ
ン酸モノエステルナトリウム塩、2−エチルヘキシルリ
ン酸エステルカリウム塩、ポリオキシエチレン(2モル)
プロピルエーテルモノ/ジ(1/1)リン酸エステルカ
リウム塩、ポリオキシエチレン(4モル)2−エチルヘキ
シルエーテルモノリン酸エステルナトリウム塩などを挙
げることができる。これらの中で、R5、R7、R8、R
11が炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のア
ルケニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基であり、
6、R9、R10、R12がエチレン基であり、n、o、
p、qが2〜10である化合物は、剥離した磁性体が再
付着するのを防ぐので、特に好適に用いることができ
る。
【0009】本発明方法に用いる両性界面活性剤として
は、例えば、アルキルジメチルベタイン、アルキルアミ
ノカルボン酸塩、アルキルジヒドロキシエチルベタイ
ン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルスル
ホベタイン、アルキルアミンオキサイドなどを挙げるこ
とができる。このような両性界面活性剤としては、例え
ば、2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒ
ドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸
アミドプロピルジメチルヒドロキシスルホベタイン、パ
ルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、
ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジヒド
ロキシエチルベタイン、ヤシ脂肪酸アシル−N−カルボ
キシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナ
トリウム、ラウリル−N,N−ジカルボキシエチルナト
リウム、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどを挙げ
ることができる。これらの中で、炭素数6〜18の長鎖
アルキル基を有するベタイン型界面活性剤、スルホベタ
イン型界面活性剤又はアミンオキサイド型界面活性剤を
好適に用いることができる。本発明の磁気カードの剥離
洗浄法においては、必要に応じて、過酸化水素、トリポ
リ燐酸ナトリウムやエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
などの金属イオン封鎖剤、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエ
ーテルなどのノニオン界面活性剤、防錆剤などを洗浄溶
液に添加して使用することができる。本発明方法によれ
ば、磁気記録媒体を構成する使用済みカードなどの磁性
体層部分を支持体から剥離し、一旦剥離した磁性体が支
持体のプラスチックフィルムなどを再汚染することを防
止し、洗浄なフィルムを回収して、資源として再利用す
ることができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
ては、界面活性剤として、式[5]〜[13]で示され
る界面活性剤A〜Iを用いた。
【化7】 また、剥離洗浄の効果は、カード表面の磁性体の剥離の
状態及び再汚染の状態を目視により観察し、次に示す基
準により判定した。 (1)剥離性 ○:磁性体層が完全に除去されている。(剥離度:10
0%) △:磁性体層の一部が残っている。(剥離度:50%以
上100%未満) ×:磁性体層の多くの部分が除去されていない。(剥離
度:50%未満) (2)再汚染 ○:再汚染が全くない。 △:一部に再汚染が認められる。 ×:表面全体に強い再汚染が認められる。 実施例1 水酸化ナトリウム5.0重量%、カチオン界面活性剤A
0.3重量%及びアニオン界面活性剤C1.5重量%を含
有する水溶液を洗浄溶液として用い、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを支持体とする使用済みのテレホン
カードの剥離洗浄を行った。容量500mLのステンレス
鋼製ポットに直径0.5mmのスチールボール10個と上
記の洗浄溶液100mLを入れ、この中に使用済みのテレ
ホンカード3枚(5.7g)入れた。ラウンダ・オ・メ
ーター[(株)大栄化学精機製作所、L−20]を用い
て、80℃にて30分洗浄した。次いで、浴比1:50
の水にて、常温で3分間すすいだのち風乾した。磁性体
層は支持体から完全に除去され、再汚染は全くなかっ
た。 実施例2〜10 第1表に示す組成の洗浄溶液を用い、実施例1と同様に
して、使用済みのテレホンカードの剥離洗浄を行い、カ
ード表面の磁性体の剥離の状態及び再汚染の状態を目視
により観察した。 比較例1 10.0重量%水酸化ナトリウム水溶液を洗浄溶液とし
て用いた以外は、実施例1と同様にして、使用済みのテ
レホンカードの剥離洗浄を行い、カード表面の磁性体の
剥離の状態及び再汚染の状態を目視により観察した。磁
性体層の約60%が支持体上に残っており、一部に再汚
染が認められた。 比較例2〜7 第2表に示す組成の洗浄溶液を用い、実施例1と同様に
して、使用済みのテレホンカードの剥離洗浄を行い、カ
ード表面の磁性体の剥離の状態及び再汚染の状態を目視
により観察した。実施例1〜10の結果を第1表に、比
較例1〜7の結果を第2表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】第1表に見られるように、適量の無機アル
カリ剤、カチオン界面活性剤並びにアニオン界面活性剤
及び/又は両性界面活性剤を含有する洗浄溶液を用いた
実施例1〜10においては、すべて磁性体層が完全に除
去され、一旦剥離した磁性体の支持体への再汚染が認め
られない。これに対して、無機アルカリ剤を単独で使用
した比較例1では、無機アルカリ剤の濃度が10重量%
と高いにもかかわらず剥離性が劣る。無機アルカリ剤と
カチオン界面活性剤のみを使用した比較例2及び比較例
3では、剥離性又は再汚染が良好ではない。アニオン界
面活性剤又は両性界面活性剤の含有量がカチオン界面活
性剤の含有量より少ない比較例4、比較例6及び比較例
7では、剥離性は優れているが、表面全体に強い再汚染
が生じている。無機アルカリ剤の濃度が0.1重量%未
満である比較例5では、アルカリ剤の不足により剥離性
が劣っている。 実施例11 洗濯脱水機[(株)稲本製作所、ラブネット35、35kg
機]に水130L及びポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを支持体とする使用済みパチンコカード13kgを入
れた。次いで、水酸化ナトリウム6.5kg、カチオン界
面活性剤H0.2kg及びアニオン界面活性剤C2kgを投
入し、80℃にて20分間洗浄した。洗浄溶液を排出し
たのち、水245Lを投入して、常温にて3分すすぎ、
排水した。同じすすぎを再度行い、カードの支持体を取
り出し、自然乾燥した。使用済みパチンコカードの磁性
体層は、完全に支持体のフィルムから剥離し、再汚染も
認められなかった。 比較例8 カチオン界面活性剤を投入することなく、水酸化ナトリ
ウム6.5kgとアニオン界面活性剤I2kgを投入した以
外は、実施例11と同様にして、使用済みパチンコカー
ドの洗浄とすすぎ、自然乾燥を行った。磁性体層はほと
んどがカードに残留した状態であったが、剥離した部分
への再汚染は認められなかった。実施例11及び比較例
8の結果を、第3表に示す。
【0015】
【表4】
【0016】第3表に見られるように、無機アルカリ
剤、カチオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を含有
する洗浄溶液を用いた実施例11においては、磁性体層
が完全に除去され、一旦剥離した磁性体の支持体への再
汚染が認められない。これに対して、無機アルカリ剤と
アニオン界面活性剤のみを含有する洗浄溶液を用いた比
較例8においては、剥離した部分への再汚染は認められ
ないが、磁性体層がほとんどがカードに残留した状態で
あって、剥離性がよくない。
【0017】
【発明の効果】本発明の磁気カードの剥離洗浄法によれ
ば、商業用の洗濯脱水機を用いて、使用済みの磁気カー
ドや磁気カードの不良品の磁性体層を、再汚染を生じる
ことなく、速やかに支持体より剥離することができる。
このために、再資源化を目的として、磁気カードの剥離
洗浄を、特別な洗浄装置を設置することなく、効率的に
大量処理することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 1/75 C11D 1/75 1/90 1/90 1/92 1/92 1/94 1/94 3/04 3/04 3/08 3/08 17/08 17/08 G11B 5/84 G11B 5/84 Z (72)発明者 新橋 勝年 石川県松任市源兵島町948番地 株式会社 稲本製作所内 Fターム(参考) 3B201 AA01 BB95 CC01 CC11 4H003 AB31 AB39 AC14 AD04 AD05 AE05 BA12 DA12 DA15 DB03 EA15 EA21 FA03 5D112 HH08 HH09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機アルカリ剤0.1〜30重量%、カチ
    オン界面活性剤0.005〜15重量%、並びに、アニ
    オン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤0.005〜
    15重量%を含有し、カチオン界面活性剤とアニオン界
    面活性剤及び/又は両性界面活性剤の比率が1:200
    〜1:1(重量比)である洗浄溶液を用いて洗浄するこ
    とを特徴とする磁気カードの剥離洗浄法。
  2. 【請求項2】無機アルカリ剤が、水酸化ナトリウム、水
    酸化カリウム又はオルト珪酸ナトリウムである請求項1
    記載の磁気カードの剥離洗浄法。
  3. 【請求項3】カチオン界面活性剤が、一般式[1]で表
    される化合物である請求項1記載の磁気カードの剥離洗
    浄法。 【化1】 (ただし、式中、R1は、炭素数6〜18のアルキル
    基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R
    2、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
    2〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、
    -は、ハロゲンイオン、炭素数1〜2のモノアルキル
    硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、ベ
    ンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
    ン、キシレンスルホン酸イオン、炭素数1〜8のモノ若
    しくはジリン酸エステルイオン又はポリオキシアルキレ
    ンアルキルエーテル(該アルキル基の炭素数l〜8)の
    モノ若しくはジリン酸エステルイオンである。)
  4. 【請求項4】アニオン界面活性剤が、一般式[2]、一
    般式[3]又は一般式[4]で表される化合物である請
    求項1記載の磁気カードの剥離洗浄法。 R5−Om−(R6O)nSO3M …[2] (ただし、式中、R5は、炭素数1〜18のアルキル
    基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18
    のアラルキル基であり、R6は、炭素数2〜4のアルキ
    レン基であり、mは0又は1であり、nは0〜20であ
    り、Mはアルカリ金属である。) 【化2】 (ただし、式中、R7、R8及びR11は、炭素数1〜18
    のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素
    数7〜18のアラルキル基であり、R9、R10及びR12
    は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、o、p及びq
    は0〜20であり、Mはアルカリ金属である。)
  5. 【請求項5】両性界面活性剤が、炭素数6〜18の長鎖
    アルキル基を有するベタイン型界面活性剤、スルホベタ
    イン型界面活性剤又はアミンオキサイド型界面活性剤で
    ある請求項1記載の磁気カードの剥離洗浄法。
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