JP2003253226A - 粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

粘着シートおよびその製造方法

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JP2003253226A JP2002052535A JP2002052535A JP2003253226A JP 2003253226 A JP2003253226 A JP 2003253226A JP 2002052535 A JP2002052535 A JP 2002052535A JP 2002052535 A JP2002052535 A JP 2002052535A JP 2003253226 A JP2003253226 A JP 2003253226A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、小凹窪を有する剥離フィルムを作成し
て、粘着剤層に凹凸を形成していたが、剥離フィルムが
かさばり、被着体への適用時に剥離フィルムを剥がす
と、粘着剤の一部が剥離フィルムに残留し、凹凸形状が
得られなかった点を解消する。 【解決手段】 シート状基材2上に、撥液性パターン部
3aおよび非撥液性パターン部3bからなる撥液性パタ
ーン層3、粘着剤層4が順に積層され、撥液性パターン
部3a上の粘着剤層4に開孔部からなる凹部5aを有す
る構造の粘着シート1とした。粘着剤層4の厚みが薄い
ことによる凹部5bであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着剤層表面に凹
凸を有することにより、被着体上に貼り付ける際に、気
泡を抱き込みにくい粘着シートに関するものである。ま
た、本発明は、そのような構造としたことにより、粘着
力の調整を可能とした粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着シートは、シート状物に予め粘着剤
が適用されたものであるので、シート状物を被着体に貼
り付ける際に、その都度、接着剤を適用する手間から解
放される利点があり、様々な用途に使用されている。
【0003】しかし、一般的な粘着シートには、厚みの
均一な粘着剤層が形成されているため、被着体に貼り付
ける際に、注意深く作業を行なわないと、気泡を抱き込
むことがあり、しかも、一旦、貼り付けてしまうと貼り
直しが効かない場合もあるので、シート状物および被着
体を含めて損失になる恐れもあった。
【0004】また、粘着シートは、用途に合わせた接着
力を有するものであることが好ましいが、接着力を変え
るためには、異なる組成の粘着剤組成物を準備する必要
があった。
【0005】特開2001−302999公報には、こ
れらの点を改善しようとして、粘着剤層の表面に一辺が
1mm〜10mm、高さが3μm〜100μmの四角錐
台状凸隆部を、0.1mm〜1mmの間隔をあけて設け
ることにより、気泡を抱き込むことを改善しようとした
壁紙が記載されている。けれども、この壁紙を製作する
には、エンボスや印刷により、独立した多数の小凹窪を
形成した剥離フィルムを用い、小凹窪を形成した面に粘
着剤を塗布したものを、壁紙の裏面にラミネートするこ
とにより行なうので、四角錐台状凸隆部の一辺の長さ、
高さ、および間隔を決める、小凹窪の底の一辺の長さ、
深さ、および間隔の寸法を一定に形成した剥離フィルム
を準備する必要があり、粘着剤の組成を一定にしておい
て接着力を変えようとすると、これらの小凹窪の各寸法
を変えた剥離フィルムを準備しなければならない問題が
あった。また、剥離フィルムは巻き取ると嵩高になる
上、粘着シートの使用の際に剥離フィルムを剥がそうと
すると、小凹窪内の粘着剤が、剥離フィルム上に残留す
ることがあり、所定の四角錐台状凸隆部が得られないこ
とがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、従来の凹凸を有した粘着剤層を備えた粘着シート
が、製造の際に、小凹窪を形成した剥離フィルムを作成
しなければならず、その剥離性フィルムが嵩高となる欠
点を解消し、また、被着体への適用時に剥離フィルムを
剥がそうとすると、粘着剤の一部が剥離フィルム上に残
留し、凹凸形状が得られない欠点を解消しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決する手段】発明者は、粘着シートの粘着剤
に凹凸を付与する方法を検討した結果、剥離フィルムに
加工を施すのではなく、粘着シートのシート状基材に、
塗液をはじく性質を有する撥液性パターンを、上記の従
来技術で言えば、四角錐台状凸隆部の間に相当する位置
に形成し、形成された撥液性パターン上に粘着剤の塗液
を塗布すると、撥液性パターン上で粘着剤の塗液がはじ
かれることにより、撥液性パターンに沿って、粘着剤層
表面に凹部が現われるため、被着体に貼る際に、気泡の
抱き込みが無く、しかも、形成する撥液性パターンに応
じた凹部が形成されるために、接着力の調整も可能であ
ることが判明し、本発明をするに至った。
【0008】第1の発明は、シート状基材の表面に、塗
液をはじく性質を有する撥液性パターン部および非撥液
性パターン部とからなる撥液性パターン層、ならびに粘
着剤層が順に積層されており、前記粘着剤層は、前記撥
液性パターン部上に相当する位置に凹部を有しているこ
とを特徴とする粘着シートに関するものである。第2の
発明は、第1の発明において、前記凹部は、前記撥液性
パターン部上に相当する位置の前記粘着剤層の開孔部か
らなるものを含むことを特徴とする粘着シートに関する
ものである。第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記粘着剤層上に、さらに剥離性シートが積層さ
れていることを特徴とする粘着シートに関するものであ
る。第4の発明は、シート状基材上に、塗液をはじく性
質を有する撥液性パターン部および非撥液性パターン部
とからなる撥液性パターン層を形成し、形成後、前記撥
液性パターン層上を含む全面に、液状の粘着剤組成物を
適用することにより、前記粘着剤層の前記撥液性パター
ン部上に相当する位置に凹部を生じさせることを特徴と
する粘着シートの製造方法に関するものである。第5の
発明は、第4の発明において、前記凹部の少なくとも一
部が、粘着剤層の開孔部からなることを特徴とする粘着
シートの製造方法に関するものである。第6の発明は、
第5の発明において、前記粘着剤層上に、さらに剥離性
シートを積層することを特徴とする粘着シートの製造方
法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図2(a)に示すように、本発明
の粘着シート1は、シート状基材2上に撥液性パターン
部3aおよび非撥液性パターン部3bとからなる撥液性
パターン層3が積層されており、撥液性パターン層3上
の全面に、粘着剤層4が積層されたものであって、粘着
剤層4は、撥液性パターン部3a上に相当する位置が開
孔部となることによる凹部5aを有しているものであ
り、開孔部において撥液性パターン部3aが露出してい
る。この開孔部からなる凹部5aは、図2(a)に示す
ように、撥液性パターン部3aの左右の幅にほぼ一致し
たものでなくてもよく、例えば、撥液パターン部3a上
の一部、例えば、中央部付近のみが開孔部となったもの
であってもよい。このように開孔部により凹部5aが形
成されているときは粘着シート1を被着体に貼るとき
に、強い圧力がかかって、凹部5aの底が被着体に接触
した場合にも、凹部5aと被着体が接着することがな
く、従って、気泡が逃げやすい。
【0010】本発明の粘着シート1は、図2(b)に示
すように、撥液性パターン層3の撥液性パターン部3a
上に、非撥液性パターン部3b上にくらべれば厚みが薄
い粘着剤層4が積層していて、粘着剤層4の厚みの厚薄
からなる、凹部5bを有しているものであってもよい。
この凹部3bも、図2(b)に示すように、撥液性パタ
ーン部3aの左右の幅にほぼ一致したものでなくてもよ
く、例えば、撥液性パターン部3a上の一部、例えば、
中央部付近のみが凹部となったものであってもよい。
【0011】なお、撥液性パターン部3aが露出した凹
部5aと、撥液性パターン部3a上の粘着剤層4が非撥
液性パターン部3b上にくらべて薄い凹部5bとは、一
つの粘着剤層上に混在していてもよい。要するに、本発
明の粘着シート1においては、撥液性パターン層3の撥
液性パターン部3a上において、非撥液性パターン部3
b上にくらべ、少なくとも厚みが薄い凹部を有していれ
ばよい。
【0012】いずれにせよ、本発明の粘着シート1は、
粘着剤層4の表面に凹部5を有しているので、被着体上
に貼る時に、万一気泡が抱き込まれたとしても、凹部5
を伝わって気泡が移動することが可能であり、気泡は移
動して、外に出るか、もしくは、粘着シート1と被着体
との間の粘着剤層4が有する幾つかの凹部に分散するこ
とができる。
【0013】凹部5の平面形状は、後に粘着シートの製
造方法の説明において説明するように、撥液性パターン
部3aの形状を反映するものであるので、上記のよう
に、気泡の移動を円滑に行なわせるためには、撥液性パ
ターン部3aが、点状等の、互いに独立したパターン要
素の集合であるよりも、連続した線が多数並べられたも
のであることが好ましく、さらに、線が交差する等によ
り複合して、二方向以上に連続したもの(例えば、格
子)であることがより好ましい。なお、ここで言う線は
幅を有するものとする。
【0014】図3は、本発明の粘着シート1の撥液性パ
ターン部3aの形状、特に上記したような連続したパタ
ーンのものを例示する平面図である。撥液性パターン3
aは図3(a)中、黒色の幅広の線で示すように、間隔
を置いて並べられた平行な直線群であり得る。あるい
は、撥液性パターン部3aは、図3(b)に示すような
平行な直線群が互いに直交した格子であり得る。撥液性
パターン部3aは、図3(c)に示すように、狭い間隔
で密に並べられた正六角形どうしの境界線であってもよ
い。さらに図3(d)に示すように、撥液性パターン部
3aは、狭い間隔で密に並べられた楕円どうしの境界部
であってもよい。なお、撥液性パターン部3aの形状
は、以上のような、あるいはそのほかの幾何学的な線や
形状に基づくものであってもよいし、基づかないもので
あってもよい。
【0015】なお、撥液性パターン部3aは、連続して
いない点状のものであっても、粘着剤層4の表面に点状
の凹部5が生じるから、凹部5が全くないものにくらべ
れば、抱き込まれた気泡を受け入れる余地が大きく、気
泡を分散させる等により、残留する気泡を極力小さくす
ることができる。
【0016】本発明の粘着シート1の各部分を構成する
素材、および粘着シート1の製造方法を、図1(a)〜
(d)を引用して、次に説明する。
【0017】最初に、図1(a)に示すように、シート
状基材2を準備する。シート状基材2としては、被着体
とは別個に準備されるものであって、接着剤や粘着剤を
適用して被着体上に貼り付ける必要のあるシート状のも
のであれば、どのようなものでも用いることができる。
シート状基材2は、工業的には、ロールの形状で供給で
き、取り扱えるものであることが好ましく、一般的なも
のであれば、紙、プラスチックシート、もしくは金属箔
等のシートである。この他にも、不織布、布、その他の
繊維質シート、もしくは木材を薄くスライスした単板等
のシートを使用することができる。上記のうちプラスチ
ックシートは、無色透明、有色透明、もしくは不透明の
いずれでもあり得る。これら各種のシートは、単独で用
いても、または、任意に組み合わせて互いに貼り合せた
複合シートとして用いてもよく、一部または全部が塗装
や樹脂含浸等による強化を施されたものであってもよ
い。シート状基材2の厚みは、素材や用途によっても異
なるが、5μm〜500μm程度であり、より好ましく
は、20〜300μm程度である。また、フレキシブル
さが要求されない場合、上限はさらに厚くすることがで
き、数mm、例えば、5mm程度以下である。
【0018】粘着シート1は、被着体の表面を被覆する
ために使用され、被着体の外観を決めるものであるの
で、被着体の用途によっては、美観を求められることも
ある。このような場合には、シート状基材2としては、
必要に応じ、色彩、模様、もしくは凹凸等を施したもの
を使用することが好ましい。
【0019】同様に、粘着シート1は、被着体の表面の
物理的もしくは化学的等の性質を決めるものであるの
で、被着体の用途に合わせた、必要な性質を備えたもの
であることが好ましい場合がある。そのような性質とし
ては、身近なところでは、耐擦傷性、汚染防止性、防曇
性、断熱性、反射防止性、帯電防止性、もしくは電磁波
遮蔽性等の諸性質、また、磁性、蛍光発光性、吸放湿
性、赤外線もしくは紫外線の反射性もしくは吸収性、抗
菌性、もしくは防黴性等の諸性質であってもよい。これ
らの性質を付与するには、シート状基材2として、それ
らの性質を備える素材を選定するか、それらの性質を有
する物質を練り込んだ樹脂層をコーティング等により積
層する等の方法によって行なえばよい。
【0020】次に、図1(b)に示すように、シート状
基材2上に、撥液性パターン層3を積層し形成する。シ
ート状基材2上への撥液性パターン層3の積層は、塗液
をはじく性質を有する組成物を用いたパターン付与によ
り、撥液性パターン部3aと非撥液性パターン部3bと
を区画することにより行なう。撥液性パターン部3a
は、具体的には既に図3を引用して説明した形状を有
し、非撥液性パターン部3bの無い部分が非撥液性パタ
ーン部3bであるので、実際には、撥液性パターン部3
aを、公知のパターン付与の方法によって行なえばよ
い。
【0021】撥液性パターン部3aを構成する、塗液を
はじく性質を有する組成物は、基本的には、塗液をはじ
く性質を有する物質、およびそれらを溶解もしくは分散
させるためのマトリックス樹脂からなるものである。塗
液をはじく性質を有する物質としては、具体的には、シ
リコーンのオリゴマーもしくはポリマー(シリコーン樹
脂)、フッ素含有モノマーを出発原料とするオリゴマー
もしくはポリマー(フッ素系樹脂)、またはワックス等
を挙げることができる。これらの塗液をはじく性質を有
する物質は、単独で用いることも可能だが、通常は、こ
れらの物質を分散もしくは溶解させ得るマトリックス樹
脂と共に用いて組成物とする。撥液性パターン部3aを
形成する際には、さらに溶剤もしくは希釈剤と共に混練
してインキ組成物を調製することが多い。
【0022】インキ組成物を用いて撥液性パターン部3
aを形成するには、公知の印刷法を利用するとよい。イ
ンキジェット法も印刷法の範ちゅうに含める。また、乾
式もしくは湿式のトナーを用いた電子写真法も、印刷法
に準じたものとして利用することができる。これら以外
の方法としては、(1)上記の組成物を用いて、シート
状基材2を形成するか、もしくはシート状基材2上に組
成物の層を形成しておき、レーザーアブレーションによ
りレーザー照射部分を粗面化させることにより、非撥液
性パターン部3bを形成することにより、レーザー非照
射部分からなる撥液性パターン部3aを形成する方法、
あるいは、(2)電離放射線硬化性樹脂組成物の層でシ
ート状基材2を形成するか、もしくは別のシート状基材
2上に層を形成しておき、電離放射線照射により照射部
分を架橋硬化させることにより、撥液性パターン部3a
を形成する方法を採ることもできる。
【0023】撥液性パターン部3aは、粘着シート1の
撥液性パターン層3を形成する部分の面積の10%〜9
0%程度を占めるものであることが好ましく、10%未
満では、撥液性パターン部3a上に生じる凹部5の占め
る面積が少なすぎ、粘着シート1を被着体上に貼ったと
きに、抱き込まれた気泡が凹部5を伝わって移動しにく
く、抱き込まれた気泡が外に出るか、もしくは、凹部に
分散して、粘着シート1上から見て、目立たなくなる効
果が不十分である。また、90%を超えると、凹部の占
める割合が過剰であり、粘着シート1と被着体との十分
な接着力を得にくくなる。
【0024】なお、粘着シート1の撥液性パターン層3
を形成する部分における撥液性パターン層3の面積率を
上記のように10%〜90%程度の範囲で変えることに
より、粘着剤層を構成する粘着剤組成物の組成を変更す
ることなく、接着力を制御することができる。
【0025】シート状基材2上に撥液性パターン部3a
および非撥液性パターン部3bとからなる撥液性パター
ン層3を積層した後、図1(c)に示すように、積層し
た撥液性パターン層3上に、液状の粘着剤組成物を塗布
し、粘着剤層4を形成する。粘着剤組成物としては、ゴ
ム系、またはアクリル酸もしくはアクリル酸エステルを
出発原料とするアクリル系、またはシリコーン樹脂系の
もの等の公知のものを用い、塗布および塗布後に、撥液
性パターン部3a上での粘着剤層4の流動がおきやすい
粘度となるよう調製したものを用いるとよい。粘着剤組
成物の塗布を行なうには、公知の塗布方法である、ロー
ルコーティング、もしくはナイフコーティング等を利用
する。粘着剤層4の厚みは塗布後、乾燥を経た段階で、
10μm〜100μmであることが好ましく、10μm
未満では、粘着シート1を被着体に貼ったときの接着力
が不十分であり、100μmを超えると、接着力の向上
が見られない。また、撥液性パターン部3aとの兼ね合
いにもよるが、粘着剤層4が有すべき十分な深さの凹部
5が生じない。
【0026】塗布された液状の粘着剤組成物は、撥液性
パターン部3a上ではじかれ、図1(c)における粘着
剤層4中の矢印(両方向に矢が付いたもの)で示すよう
に、撥液性パターン部3aを中心に、粘着剤層4を左右
方向に移動を起こさせる力が働いて、撥液性パターン部
3a上の粘着剤層4が排除され、図1(d)に示すよう
に、撥液性パターン部3a上の粘着剤層4が無くなった
開孔部からなる凹部5aが生じる。このとき、粘着剤層
4を左右方向に移動を起こさせる力が弱いか、もしくは
粘着剤層4の厚みが厚いと、開孔部が形成されず、代り
に、粘着剤層4が薄くなった凹部5bが生じる。
【0027】凹部5の深さは、図2(a)を引用して説
明したように、粘着剤層4の開孔部からなる凹部5aの
場合には、粘着剤層4の厚みと等しい。また、図2
(b)を引用して説明したように、周囲にくらべ粘着剤
4が薄くなったことによる凹部5bの場合には、凹部5
の深さは、粘着剤層4の厚みの80%以上であることが
好ましく、ただし、粘着剤層4の厚みが小さくなった場
合には、凹部の深さは10μm以上であることが好まし
い。
【0028】上記のように、粘着剤層4の凹部5が開孔
部であるか、または粘着剤層4の厚みの薄い部分である
かは、撥液性パターン部3aによる粘着剤層の移動を起
こさせる力の大小、粘着剤層の厚み、および粘着剤組成
物の粘度もしくは流動性によって決まる。ただし、粘着
剤層4の厚みは、粘着シート1が接着力を通常に発揮す
るためには、数10μm以上必要であるので、粘着剤層
4の厚み以外の要素、特に、撥液性パターン部3aの粘
着剤層の移動をおこさせる力の大小の調節、より具体的
には、塗液をはじく性質を有する物質の適用量を増減さ
せることにより決めることが好ましい。
【0029】製造された粘着シート1は、シート状基材
2の撥液性パターン層3および粘着剤層4を積層してあ
る側とは反対側を剥離性として、粘着シート自身をロー
ル状に巻き上げることもできるが、適当なサイズで断裁
して使用したり、分離したシートを一枚ずつ保管する場
合、粘着シート1の凹部5が生じた粘着剤層4上に剥離
性シートを積層しておくことが好ましく、積層により、
粘着剤層の劣化が防止され、また、粘着剤層が不用意に
他の物に触れて接着することを防止する保護効果が生じ
る。剥離性シートとしては、例えば、プラスチックフィ
ルムもしくは紙等の適宜な基材の表面にシリコーン樹脂
等を主体とする剥離性層を積層したもの、もしくはポリ
エチレンフィルム等のポリオレフィン樹脂フィルムやポ
リエチレンテレフタレート樹脂フィルム等のフィルムを
用いることができる。
【0030】
【実施例】(実施例)厚み100μmの透明な2軸延伸
ポリエチレンテレフタレート樹脂(=PET)フィルム
の片面に、二液硬化型ウレタン樹脂をバインダ樹脂と
し、バインダ樹脂100に対し1(質量基準)の割合で
シリコーンオイルを添加したインキを用い、線幅;1m
m、縦横のピッチがいずれも10mmの格子パターンを
グラビア印刷により形成し、印刷面に、アクリル系粘着
剤(綜研化学(株)製、商品名;「SKダイン130
9」/硬化剤「E−AX」=100/0.2、比は質量
基準)を100g/m2になるよう塗布し、塗布後、1
00℃の温度で乾燥させたところ、塗布された粘着剤が
格子パターンの線の部分の上ではじかれ、9mm×9m
mの正方形状の粘着剤パターンが1mm間隔で縦横に配
列した粘着剤層が形成された。その後、粘着剤層上に、
厚み25μmのPETフィルムをセパレートフィルムと
して積層し、積層後、7日間養生した。このようにして
得られた粘着シートをセパレートフィルムを剥がしてガ
ラス板上に貼り付けたところ、気泡の抱き込みがなく貼
り付けることができた。
【0031】(比較例)格子パターンの形成を省いた以
外は、実施例と同様にして、厚みが均一な粘着剤層を有
する粘着シートを得た。この粘着シートをガラス板上に
貼り付けたところ、気泡の抱き込みが生じ、この気泡は
残留したままの状態であった。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、粘着剤は凹部
を有しているので、被着体に貼る際に気泡の抱き込みを
生じることがなく、また、製造の際に、小凹窪を形成し
た剥離フィルムを使用する必要がないので、それに伴な
う欠点が回避された粘着シートを提供することができ
る。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に
加え、凹部が開孔部となっているので、貼る際に強い圧
力がかかっても、凹部の底が被着体と接着することがな
く、気泡がより確実に逃げやすい粘着シートを提供する
ことができる。請求項3の発明によれば、請求項1また
は請求項2の発明の効果に加え、剥離性シートが積層さ
れているので、粘着剤層の保護が可能な粘着シートを提
供することができる。請求項4の発明によれば、撥液性
パターン層の形成、および粘着剤層の形成を行なうこと
により、小凹窪を形成した剥離フィルムを使用すること
なく、粘着剤層に凹部を生じさせることが可能な粘着シ
ートの製造方法を提供することができる。請求項5の発
明によれば、請求項4の発明の効果に加え、貼る際に強
い圧力がかかっても、凹部の底が被着体と接着せず、気
泡の逃げやすさの確保をより確実に行なえる粘着シート
の製造方法を提供することができる。請求項6の発明に
よれば、請求項5の発明の効果に加え、剥離性シートを
積層することにより、粘着剤層の保護を可能とする粘着
シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着シートの製造過程を示す図であ
る。
【図2】本発明の粘着シートの構造を示す模式的な断面
図である。
【図3】撥液性パターン部の形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1 粘着シート 2 シート状基材 3 撥液性パターン層 3a 撥液性パターン部 3b 非撥液性パターン部 4 粘着剤層 5 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA05 AA10 CB03 CC02 CE03 DA02 DA03 4J040 CA001 DF041 DF051 EK031 JA09 JB09 PA21 PA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材の表面に、塗液をはじく性
    質を有する撥液性パターン部および非撥液性パターン部
    とからなる撥液性パターン層、ならびに粘着剤層が順に
    積層されており、前記粘着剤層は、前記撥液性パターン
    部上に相当する位置に凹部を有していることを特徴とす
    る粘着シート。
  2. 【請求項2】 前記凹部は、前記撥液性パターン部上に
    相当する位置の前記粘着剤層の開孔部からなるものを含
    むことを特徴とする請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】 前記粘着剤層上に、さらに剥離性シート
    が積層されていることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の粘着シート。
  4. 【請求項4】 シート状基材上に、塗液をはじく性質を
    有する撥液性パターン部および非撥液性パターン部とか
    らなる撥液性パターン層を形成し、形成後、前記撥液性
    パターン層上を含む全面に、液状の粘着剤組成物を適用
    することにより、前記粘着剤層の前記撥液性パターン部
    上に相当する位置に凹部を生じさせることを特徴とする
    粘着シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凹部の少なくとも一部が、粘着剤層
    の開孔部からなることを特徴とする請求項4記載の粘着
    シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粘着剤層上に、さらに剥離性シート
    を積層することを特徴とする請求項5記載の粘着シート
    の製造方法。
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