JP2003251944A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2003251944A
JP2003251944A JP2002053420A JP2002053420A JP2003251944A JP 2003251944 A JP2003251944 A JP 2003251944A JP 2002053420 A JP2002053420 A JP 2002053420A JP 2002053420 A JP2002053420 A JP 2002053420A JP 2003251944 A JP2003251944 A JP 2003251944A
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electron
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salicylic acid
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Naoto Yanagihara
直人 柳原
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱発色特性、画像部の保存性に優れる感熱記
録材料を提供する。 【解決手段】 電子供与性無色染料と電子受容性化合物
とを用いた感熱記録材料において、前記電子供与性無色
染料がマイクロカプセルに内包されており、前記電子受
容性化合物が分子量280以下のサリチル酸誘導体を構
成成分として含むサリチル酸誘導体金属塩のジオール付
加体であることを特徴とする感熱記録材料により上記課
題は解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、特に、熱発色特性、画像の保存性に優れる感熱記録
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】電子供与性無色染料と電子受容性化合物
を使用した記録材料は、感圧紙、感熱紙、感光感圧紙、
通電感熱記録紙、感熱転写紙等として既によく知られて
いる。たとえば英国特許2,140,449号、米国特
許4,480,052号、同4,436,920号、特
公昭60−23992号公報、特開昭57−17983
6号公報、同60−123556号公報、同60−12
3557号公報などに詳しい。
【0003】感熱紙として、近年、熱発色特性、画像部
の保存性、及び白地部の保存性などの特性改良に対する
研究が鋭意行われている。この中で、サリチル酸金属塩
を感熱紙に用いる例がいくつか公開されている。例え
ば、特開平7−89918号公報、同7−145135
号公報、同7−165701号公報、同8−59596
号公報、同9−328468号公報、同10−1752
8号公報には、新規構造のサリチル酸誘導体金属塩が公
開されている。また、サリチル酸亜鉛塩を水和物として
使用する例が、特開平7−70142号公報、同7−2
67965号公報に記載されている。しかしながら、こ
れらの方法では前記感熱紙の要求特性の全てを満足する
ものは得られていない。
【0004】一方、電子受容性化合物は、通常適当なバ
インダー溶液中に固体分散させた分散液の状態で支持体
上に塗布されるが、分散した材料が再凝集を起こさない
よう、分散液の安定性も要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。すなわち本発明は、サリチル酸誘導体金属塩の
ジオール付加体を電子受容性化合物として用いた、熱発
色特性、画像の保存性に優れる感熱記録材料を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 <1>電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを用い
た感熱記録材料において、前記電子受容性化合物がサリ
チル酸の金属塩又はサリチル酸誘導体の金属塩のジオー
ル付加体であることを特徴とする感熱記録材料である。 <2>前記サリチル酸誘導体の分子量が280以下であ
ることを特徴とする<1>に記載の感熱記録材料であ
る。 <3>前記電子供与性無色染料がマイクロカプセルに内
包されていることを特徴とする<1>又は<2>に記載
の感熱記録材料である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感熱記録材料につ
いて詳細に説明する。なお、以下においてサリチル酸お
よびサリチル酸誘導体を含めてサリチル酸誘導体と言
う。本発明の感熱記録材料は、支持体上に、感熱記録層
を有し、更に必要に応じてその他の層を有する構造をと
ることができる。
【0008】[感熱記録層]前記感熱記録層は、少なくと
も電子供与性無色染料と、電子受容性化合物とを含有し
てなり、更に必要に応じてその他の成分を含有すること
ができる。 (電子供与性無色染料)前記電子供与性無色染料は、前
記電子受容性化合物と併用することにより、加熱処理に
より呈色する性質を有するものであれば、いかなるもの
でも使用することができる。
【0009】前記電子供与性無色染料として、2,6−
ジアミノフルオラン誘導体(黒発色)または、インドリ
ルアザフタリド誘導体(シアン発色)が好ましい。
【0010】前記2,6−ジアミノフルオラン誘導体の
中でも、特に黒発色の2−置換アミノ−3−H、ハロゲ
ン、アルコキシ又はアルキル−6−置換アミノフルオラ
ンが有効である。具体的には、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ
フルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−
N−ドデシルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリ
ノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−フルオロ
アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン、2−m−メチルアニリノ−3−メチル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−m−トリフルオロメチ
ルアニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒ
ドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N
−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エトキシプ
ロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル
−N−プロピルアミノフルオラン、2−ジフェニルアミ
ノ−3−メトキシ−6−N−エチル−N−p−トリルア
ミノフルオランなどが挙げられる。
【0011】前記2,6−ジアミノフルオラン誘導体
は、単独で使用することもできるし、2種以上を組み合
わせて使用してもよい。さらに、黒発色の色調を調節す
るために以下の電子供与性無色染料を併用しても良い。
例えば、フルオラン系化合物として米国特許第3,62
4,107号、同3,627,787号、同3,64
1,011号、同3,462,828号、同3,68
1,390号、同3,920,510号及び同3,95
9,571号に記載の化合物を、フタリド系化合物とし
て米国再発行特許第23,024号、米国特許第3,4
91,111号、同3,491,112号、同3,49
1,116号及び同3,509,174号に記載の化合
物を、スピロジピラン系化合物として米国特許第3,9
71,808号に記載の化合物を、ピリジン系およびピ
ラジン系化合物類として米国特許第3,775,424
号、同3,853,869号及び4,246,318号
に記載の化合物を用いることができる。
【0012】本発明で用いることのできるインドリルア
ザフタリド誘導体は、下記一般式(1)で表される。
【0013】
【化1】
【0014】上記一般式(1)中、R1、R2は各々同一
でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
但し、R1とR2が同時に水素原子を表すことはない。R
3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アルキルチオ基、−NHCOR31
−NHSO232、−NHCO233または−NHCON
HR34を表す。R31〜R34は、アルキル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環残基
を、R4、R5は各々水素原子、アルキル基、アリール基
を表す。R6、R7は各々水素原子、アルキル基、アルコ
キシ基またはハロゲン原子を表す。Y1、Y2、Y3、Y4
のうち1つまたは2つは=N−を表し、他は=CH−を
表す。
【0015】上記一般式(1)において、R1 、R2
うち炭素数1から18のアルキル基、炭素数4から12
のシクロアルキル基、炭素数7から18のアラルキル
基、炭素数6から20のアリール基が好ましく、特には
炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から6のシク
ロアルキル基、炭素数7から12のアラルキル基、炭素
数6から12のアリール基が好ましい。これらは更に炭
素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキ
シ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数6から1
0のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換されて
いてもよい。
【0016】R1 、R2 として具体的にはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル
基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル
基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル
基、p−トリル基、p−メトキシフエニル基、p−クロ
ロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メト
キシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2
−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基な
どが好ましい。
【0017】R1 、R2 は互いに結合して環状アミノ構
造になってもよく、環状アミノとして具体的には1−ピ
ロリジニル基、ピペリジリノ基、モルホリノ基などが好
ましい。
【0018】上記一般式(1)において、R3がハロゲ
ン原子を表す場合は、フッ素原子、塩素原子が好まし
い。アルキル基をあらわす場合、炭素数1〜4のアルキ
ル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。アリール基
を表す場合、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、
特にフェニル基が好ましい。アルコキシ基の場合、炭素
数1〜12のアルコキシ基が好ましく、特に炭素数1〜
4のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ
基、エトキシ基、n−ブトキシ基またはi−ブチルオキ
シ基が挙げられる。アルキルチオ基の場合には、炭素数
1〜8のアルキルチオ基が好ましく、特に炭素数1〜4
のアルキルチオ基が好ましい。具体的には、メチルチオ
基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基またはi−ブチル
チオ基が挙げられる。
【0019】R3134は、アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アリール基又はヘテロ環残基を表
す。R3134は、炭素数1から18のアルキル基、炭素
数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から15のア
ラルキル基、炭素数6から12のアリール基が好まし
く、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数5か
ら6のシクロアルキル基、炭素数7から12のアラルキ
ル基、炭素数6から12のアリール基又はヘテロ環残基
が好ましい。前記アルキル基、シクロアルキル基、アラ
ルキル基及びアリール基は更にアルコキシ基、ハロゲン
原子などで置換されていてもよい。また、ヘテロ環残基
としては下記式で表されるものが好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】R31、R32として具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル
基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル
基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル
基、p−トリル基、クロロメチル基、ジクロロメチル
基、トリクロロメチル基などが好ましい。
【0022】R31、R32はアルキレン基、シクロアルキ
レン基、アラルキレン基、フェニレン基のような2価の
連結基として2分子のインドリルアザフタリド化合物を
連結したビス型構造を形成する基であってもよく、この
場合の2価の連結基としてはエチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、オクチレン基、シクロヘキシレン基、
キシリレン基、メチルキシリレン基、フェニレン基が好
ましい。
【0023】R33、R34として具体的には、メチル基、
エチル基、n−ブチル基、シクロアルキル基、フェニル
基、n−オクチル基または2−エチルヘキシル基などが
好ましい。
【0024】上記一般式(1)中、R4 、R5 は各々水
素原子、アルキル基、アリール基を表す。ここで、R4
のうち水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数
6から10のアリール基が好ましく、特には水素原子、
メチル基、フェニル基が好ましい。フエニル基は置換さ
れていてもよい。また、R5 のうち水素原子、炭素数1
から18のアルキル基、炭素数6から15のアリール基
が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭
素数6から10のアリール基が好ましい。これらは更に
炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコ
キシ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数6から
10のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換され
ていてもよい。
【0025】R5 として具体的には水素原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペン
チル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチ
ル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデ
シル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジ
ル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル
基、p−トリル基、p−メトキシフエニル基、p−クロ
ロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メト
キシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2
−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基、
2−クロロエチル基などが好ましい。
【0026】上記一般式(1)中、R6 、R7 は各々水
素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子
を表す。ここで、R6 、R7 のうち水素原子、炭素数1
から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、
塩素原子が好ましく、特には水素原子、メチル基、i−
プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子が好ま
しい。
【0027】上記一般式(1)中、Y1 、Y2 、Y3
4 のうち1つまたは2つは=N−を表し、他は=CH
−を表す。Y1 、Y2 、Y3 、Y4 の2つが=N−を表
す場合、Y1 とY4 が=N−であることが好ましい。
【0028】Y1 、Y2 、Y3 、Y4 が=CH−を表す
場合、任意の=CH−の水素原子はアルキル基、アリー
ル基、ハロゲン原子で置換されていてもよく、置換基と
しては特にメチル基、エチル基、フェニル基が好まし
い。
【0029】以下に前記インドリルアザフタリド誘導体
の具体例を示すが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。
【0030】
【表1】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【表2】
【0035】前記インドリルアザフタリド誘導体は、公
知のインドリルアザフタリド誘導体をも包含するもので
あり、例えば、旧西独特許第3,247,059号に記
載のインドリルアザフタリド誘導体等も本発明に適用す
ることができる。また、前記インドリルアザフタリド誘
導体は、種々のm−フェニレンジアミン化合物とピリジ
ンカルボン酸とを、無水酢酸中で反応させ、冷却して析
出するなどの公知の方法により製造することができる。
【0036】前記インドリルアザフタリド誘導体は製造
時に副生する異性体混合物でもよい。例えば、4−アザ
フタリド体(Y1 :=N−、Y2 =Y3 =Y4 :=CH
−)と7−アザフタリド体(Y1 =Y2 =Y3 :=CH
−、Y4 :=N−)の混合物や5−アザフタリド体(Y
1 =Y3 =Y4 :=CH−、Y2 :=N−)と6−アザ
フタリド体(Y1 =Y2 =Y4 :=CH−、Y3 :=N
−)の混合物であってもよい。
【0037】前記インドリルアザフタリド誘導体は単独
で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。例え
ば、2種類以上の4−アザフタリド体を併用してもよ
く、4−アザフタリド体1種類と6−アザフタリド体1
種類とを併用してもよい。さらに、前述した2,6−ジ
アミノフルオラン誘導体を併用してもよい。
【0038】前記電子供与性無色染料の塗布量は特に限
定されないが、0.1〜2.0g/m2、特には0.2
〜1.5g/m2が好ましい。
【0039】(電子受容性化合物)本発明における電子
受容性化合物は、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付
加体であることを特徴とする。該付加体を使用すること
により熱発色特性、画像保存性に優れる感熱記録材料を
得ることができる。さらに、該付加体は固体分散時の分
散安定性に優れるため、該付加体を使用することによ
り、感熱記録材料の品質安定性が大きく改良される。
【0040】前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付
加体は、サリチル酸誘導体金属塩にジオール化合物を付
加反応させることにより得られる。前記サリチル酸誘導
体金属塩は下記一般式(2)で表される。
【0041】
【化6】
【0042】ここで、前記一般式(2)中、R8〜R11
は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロア
ルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンア
ミド基またはヒドロキシル基を表す。
【0043】R8〜R11がハロゲン原子を表す場合、フ
ッ素原子、塩素原子が好ましく、特に塩素原子が好まし
い。
【0044】R8〜R11がアルキル基をあらわす場合、
炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。特に炭素数1
〜12のアルキル基が好ましく用いられ、具体的には、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、
t−アミル基およびt−オクチル基を挙げることができ
る。
【0045】R8〜R11がアリール基をあらわす場合、
炭素数6〜12のアリール基が好ましい。この中でも特
に、炭素数6〜10のアリール基が好ましく用いられ、
具体的には、フェニル基、トリル基およびナフチル基を
挙げることができる。
【0046】R8〜R11がアラルキル基をあらわす場
合、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。この中
でも特に、炭素数7〜14のアラルキル基が好ましく用
いられ、具体的にはベンジル基、α−メチルベンジル
基、α、α−ジメチルベンジル基、ジフェニルメチル基
を挙げることができる。
【0047】R8〜R11がシクロアルキル基をあらわす
場合、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましく、特
に、炭素数6のシクロアルキル基が好ましい。
【0048】R8〜R11がアルコキシ基をあらわす場
合、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。この中
でも特に、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく用
いられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基、2−フェノキシエトキシ基、2−メトキシエトキ
シ基及びオクチルオキシ基を挙げることができる。
【0049】前記アルキル基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基またはアルコキシ基は、更に置換
基を有していてもよい。前記置換基の具体例として、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、
シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、カルボニ
ルオキシ基を挙げることができる。この中でも特にアル
キル基、アルコキシ基、アリール基及びシクロアルキル
基が好ましい。
【0050】R8〜R11がアシルアミノ基をあらわす場
合、アシルアミノ基は下記一般式(3)で表される。 −NH−CO−R12 一般式(3) (ここでR12は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基または置換アミノ基を表す。R12がアルキル基の場
合、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。特に炭素
数1〜12のアルキル基が好ましく、具体的には、メチ
ル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が
挙げられる。R12がアリール基の場合、炭素数6〜15
のアリール基が好ましい。特に炭素数6〜10のアリー
ル基が好ましく、具体例として、フェニル基、トリル基
およびナフチル基が挙げられる。R12がアルコキシ基の
場合、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。特に
炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基およびオクチルオ
キシ基が挙げられる。前記アルキル基、アリール基また
はアルコキシ基は、更に置換基を有していてもよい。前
記置換基の具体例として、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基お
よびカルボニルオキシ基を挙げることができる。R12
置換アミノ基の場合、炭素数1〜20のアルキルアミノ
基および炭素数6〜15のアリールアミノ基が好まし
い。特に、炭素数1〜12のアルキルアミノ基および6
〜10のアリールアミノ基が好ましく、具体的には、ブ
チルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基およびフェニル
アミノ基(アニリノ基)が挙げられる。)
【0051】R8〜R11がスルホンアミド基をあらわす
場合、スルホンアミド基は下記一般式(4)で表され
る。 −NH−SO2−R13 一般式(4) (ここでR13は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基または置換アミノ基を表す。R13がアルキル基の場
合、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。特に炭素
数1〜12のアルキル基が好ましく、具体的には、メチ
ル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が
挙げられる。R13がアリール基の場合、炭素数6〜15
のアリール基が好ましい。特に炭素数6〜10のアリー
ル基が好ましく、具体例として、フェニル基、トリル基
およびナフチル基が挙げられる。R13がアルコキシ基の
場合、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。特に
炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基およびオクチルオ
キシ基が挙げられる。前記アルキル基、アリール基また
はアルコキシ基は、更に置換基を有していてもよい。前
記置換基の具体例として、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基お
よびカルボニルオキシ基を挙げることができる。R13
置換アミノ基の場合、炭素数1〜20のアルキルアミノ
基および炭素数6〜15のアリールアミノ基が好まし
い。特に、炭素数1〜12のアルキルアミノ基および6
〜10のアリールアミノ基が好ましく、具体的には、ブ
チルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基およびフェニル
アミノ基(アニリノ基)が挙げられる。)
【0052】本発明において、前記サリチル酸誘導体金
属塩に係るサリチル酸誘導体の分子量は、280以下で
あることが好ましい。前記サリチル酸誘導体の具体例と
しては、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ビス−(α、α−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3−(α、α−ジメチルベンジル)−5−t−
ブチルサリチル酸、3−(α、α−ジメチルベンジル)
−5−t−オクチルサリチル酸、3−t−ブチル−5−
(α、α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ
−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−アミルサリ
チル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3−メ
チルサリチル酸、4−メチルサリチル酸、5−メチルサ
リチル酸、サリチル酸、5−t−ブチルサリチル酸、5
−フェニルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル
酸、5−メトキシサリチル酸、5−ヒドロキシサリチル
酸(レゾルシン酸)、4−アセトアミドサリチル酸、5
−アセトアミドサリチル酸、5−ベンゾイルアミノサリ
チル酸等を挙げることができる。尚、前記サリチル酸誘
導体は、対応するフェノール誘導体にコルベーシュミッ
ト反応を行うことにより容易に合成される。
【0053】前記一般式(2)中、Mtlは、2価の金
属を表し、前記サリチル酸誘導体金属塩は、前記サリチ
ル酸誘導体と、2価の遷移金属と、の金属塩が好まし
く、特に、Zn塩、Cu塩またはNi塩が好ましい。こ
の中でもZn塩が更に好ましい。
【0054】前記ジオール化合物は下記一般式(5)で
あらわすことができる。 HO−X−OH 一般式(5) ここで、Xは二価の連結基を表し、アルキレン基やフェ
ニレン基が好ましい。尚、Xがアルキレン基の場合に
は、アルキレン基は側鎖を有していてもよく、また、ア
ルキレン基の主鎖又は側鎖に酸素原子、硫黄原子又は窒
素原子などのヘテロ原子や不飽和結合を有していてもよ
い。さらに、前記アルキレン基に環状構造が含まれてい
てもよい。Xがフェニレン基の場合には、フェニレン基
が置換基を有していてもよいし、フェニレン基と水酸基
との間にアルキレン基や、酸素原子、硫黄原子又は窒素
原子などのヘテロ原子を有していてもよい。Xの具体例
としては、以下のものが挙げられる。ただし、本発明に
係る連結基Xは以下の具体例に限定されるものではな
い。
【0055】
【化7】
【0056】次に、本発明に係るサリチル酸誘導体金属
塩のジオール付加体の製造方法について述べる。前記サ
リチル酸誘導体金属塩のジオール付加体は、前記サリチ
ル酸誘導体金属塩と、前記ジオール化合物と、を溶媒中
で混合し再結晶するか、又は前記サリチル酸誘導体金属
塩と、ジオール化合物とを無溶媒で溶融混合または,溶
媒中で溶解後溶媒を除去することにより合成することが
できる。前記サリチル酸誘導体金属塩と前記ジオール化
合物とは、モル比で2:1〜1:2で反応させることが
好ましく、1.2:1〜1:1.2が更に好ましい。反
応溶媒としては、水、有機溶媒を制限なく用いることが
できるが、付加体形成の容易さの点で、水、アルコー
ル、アセトン、酢酸エステル、アセトニトリル、エーテ
ル、トルエン、クロロホルム等が好ましい。特に好まし
くは、アセトン、酢酸エステル、トルエン、クロロホル
ムおよびヘキサンを挙げることができる。
【0057】反応温度は、0℃〜150℃が好ましく、
25℃〜120℃が特に好ましい。前記付加体を製造す
る場合、前記サリチル酸誘導体金属塩の溶液と、前記ジ
オール化合物の溶液とを混合して反応させるのが好まし
いが、前記サリチル酸誘導体金属塩と、前記ジオール化
合物と、前記溶媒とを混合させ、加熱等により溶解さ
せ、反応させてもよい。また、前記サリチル酸誘導体金
属塩のジオール付加体の再結晶時に、再結晶化を促進さ
せる目的で、貧溶媒を添加してもよい。該貧溶媒の具体
例として、水、アルコール、アセトン、酢酸エステル、
アセトニトリル、エーテル、トルエン、クロロホルム、
ヘキサン等が挙げられる。貧溶媒は、反応溶媒や原材料
(サリチル酸誘導体金属塩やジオール化合物)の組み合
わせにより決まる。この組み合わせは、当業者によって
容易に決定できるものである。
【0058】下記表に、本発明に係るサリチル酸誘導体
金属塩のジオール付加体の具体例を示す。(下記具体例
は便宜上、サリチル酸誘導体部分、金属部分及びジオー
ル化合物部分に分けて例示している。よって、下記化合
物1の実際の構造式は下記式(6)による。以下同
じ。)
【0059】
【化8】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジ
オール付加体は、前記サリチル酸誘導体金属塩と前記ジ
オール化合物とが1分子ずつ結合して1分子の付加体を
形成してもよく、2分子の前記サリチル酸誘導体金属塩
と2分子の前記ジオール化合物とが結合して1分子の付
加体を形成してもよい。2分子の前記サリチル酸誘導体
金属塩と2分子の前記ジオール化合物とが結合して1分
子の付加体を形成した場合の構造式は下記一般式(7)
のように表される。
【0063】
【化9】
【0064】ここで、R8〜R11は前記一般式(2)の
場合と、Xは前記一般式(5)の場合と同様である。前
記サリチル酸誘導体金属塩と前記ジオール化合物とが3
分子以上結合して1分子の付加体を形成した場合も、該
付加体は多点で架橋した構造となり、当然に本発明に係
るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体に含まれ
る。
【0065】前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付
加体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。更に、前記サリチル酸誘導体金属塩のジオー
ル付加体以外の公知の電子受容性化合物を併用してもよ
い。公知の電子受容性化合物として、例えば、フェノー
ル誘導体、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、金属処理
ノボラック樹脂、金属錯体、サリチル酸誘導体、芳香族
カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト等が挙げ
られ、具体的には、特公昭40−9309号公報、特公
昭45−14039号公報、特開昭52−140483
号公報、特開昭48−51510号公報、特開昭57−
210886号公報、特開昭58−87089号公報、
特開昭59−11286号公報、特開昭60−1767
95号公報、特開昭61−95988号公報、特開昭6
3−65979号公報、特開平6−72984号公報、
特開平7−278098号公報に記載のものを挙げるこ
とができる。
【0066】使用される前記電子供与性無色染料と、電
子受容性化合物との比は、質量比で1:10〜1:1が
好ましく、1:5〜2:3が特に好ましい。
【0067】(その他の成分)前記感熱記録層には、前
記電子供与性無色染料及び電子受容性化合物のほかにそ
の他の成分を含有してもよい。前記その他の成分の例と
して、公知の蛍光増白剤、酸化防止剤が挙げられる。
【0068】本発明においては、耐光性を向上させるた
めに以下に示す公知の酸化防止剤を用いることができ、
例えばヨーロッパ公開特許第310551号公報、ドイ
ツ公開特許第3435443号公報、ヨーロッパ公開特
許第310552号公報、特開平3−121449号公
報、ヨーロッパ公開特許第459416号公報、特開平
2−262654号公報、特開平2−71262号公
報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第
4814262号、特開昭54−48535号公報、特
開平5−61166号公報、特開平5−119449号
公報、アメリカ特許第4980275号、特開昭63−
113536号公報、特開昭62−262047号公
報、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、ヨーロ
ッパ公開特許第309402号公報、ヨーロッパ公開特
許第309401号公報等に記載のものが挙げられる。
【0069】さらにすでに感熱記録材料、感圧記録材料
として公知の各種添加剤を用いることも有効である。こ
れらの酸化防止剤の一部を示すならば、特開昭60−1
25470号公報、特開昭60−125471号公報、
特開昭60−125472号公報、特開昭60−287
485号公報、特開昭60−287486号公報、特開
昭60−287487号公報、特開昭62−14668
0号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭6
2−282885号公報、特開昭63−89877号公
報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−08
8381号公報、特開平01−239282号公報、特
開平04−291685号公報、特開平04−2916
84号公報、特開平05−188687号公報、特開平
05−188686号公報、特開平05−110490
号公報、特開平05−1108437号公報、特開平0
5−170361号公報、特開昭63−203372号
公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−
267594号公報、特開昭63−182484号公
報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−1
07383号公報、特開昭61−160287号公報、
特開昭61−185483号公報、特開昭61−211
079号公報、特開昭63−251282号公報、特開
昭63−051174号公報、特公昭48−04329
4号公報、特公昭48−033212号公報、特開昭5
9−155090号公報、特開昭61−137770号
公報、特開昭61−139481号公報等に記載の化合
物が挙げられる。
【0070】感熱記録層に用いるバインダーとしては、
従来公知のものを使用することができ、ポリビニルアル
コールやゼラチンなどの水溶性高分子やポリマーラテッ
クスなどを挙げることができる。
【0071】併用できる蛍光増白剤として好ましいもの
は、クマリン系蛍光増白剤などが挙げられる。これらの
例は特公昭45−4699号公報、同54−5324号
公報などに記載されている。
【0072】前記蛍光増白剤、酸化防止剤の使用量とし
ては0.05〜1.0g/m2 、特には0.1〜0.4
g/m2 が好ましい。
【0073】本発明に係る感熱記録材料には、増感剤を
添加してもよい。増感剤の例としては、特開昭58−5
7989号公報、特開昭58−87094号公報、特開
昭63−39375号公報等に開示されている化合物が
挙げられる。芳香族エーテル(特に、ベンジルエーテル
類、ジ(置換フェノキシ)アルカン類)、芳香族エステ
ル及び又は脂肪族アミド、ウレア又は芳香族アミド又は
ウレアなどがその代表である。特に、芳香族エステルが
好ましく、さらに、シュウ酸ジベンジルエステル誘導体
が特に好ましい。増感剤の使用量は、0.1〜2.0g
/m2が好ましく、特に0.2〜1.5g/m2が好まし
い。
【0074】また、感熱記録材料の熱応答性を改良する
ために熱可融性物質を感熱記録層に含有させることがで
きる。前記熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チ
オエーテル、エステル及び又は脂肪族アミド又はウレイ
ドなどがその代表である。
【0075】これらの例は特開昭58−57989号公
報、同58−87094号公報、同61−58789号
公報、同62−109681号公報、同62−1326
74号公報、同63−151478号公報、同63−2
35961号公報、特開平2−184489号公報、同
2−215585号公報などに記載されている。
【0076】前記熱可融性物質の使用量は、前記電子受
容性化合物に対して、20%以上300%以下の質量比
で添加され、特に40%以上150%以下が好ましい。
【0077】さらに、感熱記録材料に対する種々の要求
を満たす為に、必要に応じて各種添加剤が加えられる。
添加剤の例としては記録時の記録ヘッドの汚れを防止す
るために、無機顔料、ポリウレアフィラー等の吸油性物
質が使用され、さらにヘッドに対する離型性を高めるた
めに脂肪酸、金属石鹸などが添加される。また、必要に
応じて公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、
蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤又は紫外線吸収剤
前駆体等を添加してもよい。
【0078】(感熱記録層用塗布液)前記電子供与性無
色染料、電子受容性化合物及びその他の成分をバインダ
ー中で10μm以下、好ましくは3μm以下の粒径まで
粉砕分散させることにより感熱記録層用塗布液が得られ
る。前記バインダーとして、0.5〜10%程度の濃度
の水溶性高分子化合物水溶液が用いられる。前記水溶性
高分子化合物として、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変
性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼ
ラチン等を用いることができる。
【0079】前記バインダーに耐水性を付与する目的
で、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチ
レン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマル
ジョン等を加えることもできる。これらの使用量として
は、0.4〜5g/m2 が好ましく、さらには0.8〜
1.6g/m2 が好ましい。
【0080】前記分散は、ボールミル、サンドミル、横
型サンドミル、アトライタ、コロイダルミル、ホモジナ
イザー等を用いて行われる。
【0081】前記熱可融性物質は、前記電子供与性無色
染料と同時か、または前記電子受容性物質と同時に微分
散して用いられる。
【0082】(マイクロカプセル)本発明に係る感熱記
録材料において、前記電子供与性無色染料はマイクロカ
プセルに内包して用いることができる。
【0083】カプセルの製造方法については、米国特許
2,800,457号、同2,800,458号に記載
された親水性コロイドゾルのコアセルベーションを利用
した方法、米国特許3,287,154号、英国特許8
67,797号、同950,443号、同989,26
4号、同990,443号、同1,091,076号、
特公昭38−19574号公報、同42−446号公
報、同42−771号公報などに記載された界面重合
法、米国特許3,418,250号、同3,660,3
04号に記載されたポリマーの析出による方法、米国特
許3,418,250号に記載されたイソシアネートポ
リオール壁材料を用いる方法、米国特許3,914,5
11号に記載されたイソシアネート壁材料を用いる方
法、米国特許4,001,140号、同4,087,3
76号、同4,089,802号に記載された尿素−ホ
ルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノ
ール系壁材料を用いるメラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、ヒドロキシプロピルピルセルロース等の壁形成材料
を用いる方法、特公昭36−9168号公報、特開昭5
1−9079号公報に記載されたモノマーの重合による
in−situ法、英国特許952,807号、同96
5,074号に記載された電解分散冷却法、米国特許
3,111,407号、英国特許930,422号に記
載されたスプレードライング法などがある。これらに限
定されるものではないが、芯物質を乳化した後マイクロ
カプセル壁として高分子膜を形成することが好ましい。
【0084】一般的には、電子供与性無色染料を、溶媒
(アルキル化ナフタレン、アルキル化ジフェニル、アル
キル化ジフェニルメタン、アルキル化ターフェニル、塩
素化パラフィンなどの合成油:木綿油、ヒマシ油などの
植物油:動物油:鉱物油あるいはこれらの混合物など)
に溶解させたものを芯物質として用い、これをマイクロ
カプセル化するのが好ましい。
【0085】[支持体]本発明に係る感熱記録材料で用い
ることのできる支持体として、例えば、酸性紙、中性
紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、合
成紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。この際J
IS−P8119で規定される平滑度が500秒以上、
特に800秒以上の支持体を用いるのがドット再現性の
点から好ましい。
【0086】[その他の層]本発明の記録材料には必要に
応じて記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は
必要に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる
材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共
重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱
粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴ
ム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解
物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水
分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分
解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いら
れる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋してより一層
保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤として
は公知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN
−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホ
ルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グル
タルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂
等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなど
が挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもでき
る。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2 が好ましく、
さらには0.5〜2g/m2 が好ましい。またその膜厚
は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好
ましい。
【0087】本発明に係る感熱記録材料が保護層を有す
る場合、該保護層中に前記紫外線吸収剤やその前駆体を
含有してもよい。
【0088】前記支持体に公知の下塗り層を設けてもよ
い。この下塗り層は前記保護層と同様にして設けること
ができる。
【0089】支持体のカールバランスを補正するため或
いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バック
コート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して
剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。この
バックコート層についても前記保護層と同様にして設け
ることができる。
【0090】本発明に係る感熱記録材料を、特に多色感
熱記録材料に使用することができる。この多色感熱記録
材料(感光感熱記録材料)については、特開平4−13
5787号公報、同4−144784号公報、同4−1
44785号公報、同4−194842号公報、同4−
247447号公報、同4−247448号公報、同4
−340540号公報、同4−340541号公報、同
5−34860号公報等に記載されている。具体的には
異なる色相に発色する感熱記録層を積層することにより
得ることができる。層構成としては特に限定されるもの
ではないが、特に感光波長が異なる2種のジアゾニウム
塩化合物をそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応
して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感
熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合
物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱記
録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無
色染料と電子受容性化合物を含む第1の感熱記録層、極
大吸収波長360nm±20nmであるジアゾニウム塩
化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色す
るカプラーを含有する第2の感熱記録層、極大吸収波長
400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジア
ゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含
有する第3の感熱記録層とするものである。この例にお
いて、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原
色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでお
けば、フルカラーの画像記録が可能となる。
【0091】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず
第3の感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウ
ム塩とカプラーとを発色させる。次に400±20nm
の光を照射して第3の感熱記録層中に含まれている未反
応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の感
熱記録層が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれて
いるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。
このとき第3の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、
すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が
失われているので発色しない。さらに360±20nm
の光を照射して第2の感熱記録層に含まれているジアゾ
ニウム塩化合物を分解して、最後に第1の感熱記録層が
発色する十分な熱を与えて発色させる。このとき第3、
第2の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジ
アゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われて
いるので発色しない。
【0092】本発明の感熱記録材料を多色感熱記録材料
とした場合には感熱記録層相互の混色を防ぐため、中間
層を設けることもできる。この中間層はゼラチン、フタ
ル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどの水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添
加剤を含んでいてもよい。塗布量は2〜10g/m2
好ましく、さらには4〜5g/m2 が好ましい。またそ
の膜厚は0.5〜10μmが好ましい。
【0093】本発明の感熱記録材料には、耐光性を向上
させるために光透過率調整層を設けるのが好ましい。光
透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、
定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤とし
て機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層
を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過さ
せ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の
定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体
は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。ま
た、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平
9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0094】上記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の
光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了し
た後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収
剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要
な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸
収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向
上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の
透過率は実質的に変わらない。光透過率調整層は感熱記
録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ま
しくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよ
いが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしても
よい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応
じて任意に選定することができる。
【0095】光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率
調整層用塗布液)は、上記各成分を混合して得られる。
該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エア
ナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター
等の公知の塗布方法により塗布して形成することができ
る。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布しても
よく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感
熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよ
い。光透過率調整層の乾燥塗布量としては、0.8〜
4.0g/m2が好ましい。
【0096】[感熱記録材料の製造]以下、本発明に係る
感熱記録材料の、製造方法について説明する。本発明の
感熱記録材料の製造方法は、支持体上に、感熱記録層形
成用塗布液を塗布して感熱記録層を形成し、更に必要に
応じて、保護層等その他の層を形成してなる。支持体上
に下塗り層を設ける場合には、支持体上に下塗り層を設
けた後に、前記感熱記録層を形成する。
【0097】ここで使用される支持体は、本発明の感熱
記録材料に使用される既に説明した支持体を用いること
ができる。また、前記感熱記録層形成用塗布液として
は、前述した感熱記録層用塗布液を用いることができ
る。また前記その他の層としては、前述した下塗り層、
中間層、バックコート層、光透過率調整層等のその他の
層が挙げられる。本発明の感熱記録材料はいかなる方法
で塗布されてもよい。具体的にはエクストルージョンコ
ーティング、スライドコーティング、カーテンコーティ
ング、ナイフコーティング、浸漬コーティング、フロー
コーティング、等を挙げることができる。
【0098】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。実施例において特に指定の無い限
り、%は質量%を表す。 〔実施例1〕電子供与性無色染料として、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、電子受
容性化合物として本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩
のジオール付加体の化合物14、増感剤としてシュウ酸
ジ(p−メチルベンジル)エステル、各々20gを10
0gの5%ポリビニルアルコール(クラレPVA−10
5)水溶液と共に一昼夜ボールミルで分散し、平均粒径
を1.5μm以下にし、各々の分散液を得た。また、炭
酸カルシウム80gをヘキサメタリン酸ソーダ0.5%
溶液160gと共にホモジナイザーで分散し、顔料分散
液を得た。以上のようにして作成した各分散液を電子供
与性無色染料分散液5g、電子受容性化合物分散液10
g、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル分散液
10g、炭酸カルシウム分散液を5gの割合で混合し、
さらに21%ステアリン酸亜鉛エマルジョン3gを添加
して感熱記録層用塗布液を得た。前記感熱記録層用塗布
液を坪量50g/m2の上質紙上にワイヤーバーを用い
て塗布層の乾燥質量が5g/m2になるように塗布し、
50℃で1分間乾燥して感熱記録紙を得た。
【0099】〔実施例2〕実施例1の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物15を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録紙を得た。
【0100】〔実施例3〕実施例1の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物17を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録紙を得た。
【0101】〔実施例4〕実施例1の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物29を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録紙を得た。
【0102】〔比較例1〕実施例1の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、3,5−ジ−t−ブチ
ルサリチル酸を使用して感熱記録層用塗布液を調製した
以外は同様の方法により感熱記録紙を得た。
【0103】上述の方法により得られた感熱記録紙を、
京セラ(株)製サーマルヘッド(KLT−216−8M
PD1)により、記録エネルギー5〜30mJ/mm2
で印字したところ黒色の像を得た。
【0104】[感熱紙の試験方法] (発色濃度)マクベス反射濃度計で測定した。 (画像耐光性試験)前記実施例及び比較例で得られた画
像(色象)に対し、キセノンフェードメーター(FAL
−25AX−HC型、スガ試験機製)により光照射す
る。光照射の時間は24時間とした。光照射後の画像濃
度D及び光照射前の画像濃度D0をそれぞれマクベス反
射濃度計で測定した。光堅牢性は下記式1で求められる
光照射後の画像の残存率を目安として示した。 残存率 = (D/D0)×100(%) (式1) 残存率が大きいほど光堅牢性が優れていることを示す。 (耐薬品性試験)感熱記録紙の耐薬品性試験は以下のよ
うに行った。エタノール、可塑剤(ジオクチルフタレー
ト)を各々濾紙に含浸させ前述の方法で得られた記録紙
の発色面に重ね合わせて白地部のカブリおよび発色部の
消色(変褪色)の度合いを評価した。以上の結果を表に
示す。
【0105】
【表5】
【0106】 ◎ 非常に良好 ○ 良好 (若干の変化が観察される) △ 実用可能レベル (画像の判読が一応可能) × 実用不可能レベル (画像の判読が非常に困難)
【0107】上述の結果から、実施例1〜4の熱発色性
及び画像残存率は比較例に比べて良好なことがわかる。
また、耐薬品性に関しては、実施例の結果が良好である
のに対して、比較例1では、実用可能レベルではある
が、実施例1〜4には劣ることがわかる。更に、実施例
1〜4で得られた電子受容性化合物の分散液は室温保存
1ヶ月後も殆ど粘度増加が見られなかったのに対し、比
較例1の分散液は同条件下で粘度増加が起こり塗布液と
して使用することができなかった。
【0108】〔実施例5〕 1)電子供与性無色染料カプセル液の調製 電子供与性無色染料(化合物例I−14)3.0gを酢
酸エチル20gに溶解し、さらに高沸点溶剤であるアル
キルナフタレン(KMC−210、呉羽化学工業社製)
20gを添加して均一に混合した。得られた混合液に、
カプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/ト
リメチロールプロパンの3/1付加物(75質量%酢酸
エチル溶液)(タケネートD−110N、武田薬品工業
(株)製)20gを添加し、均一に攪拌した。別途、ポ
リビニルアルコール(重合度1700、鹸化度88%)
の6%水溶液54gを用意し、前記の電子供与無色染料
を添加した後、ホモジナイザーにて乳化分散した。得ら
れた乳化液に水68gを加えて均一化した後、攪拌しな
がら50℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせて
目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.
6μmであった。
【0109】2)電子受容性化合物分散液の調製 電子受容性化合物として、本発明に係るサリチル酸誘導
体金属塩のジオール付加体の化合物14を30g、ポリ
ビニルアルコール4%水溶液150g中に加えた後、ボ
ールミルにて24時間分散して分散液を作製した。得ら
れた分散液中の電子受容性化合物の平均粒径は1.2μ
mであった。
【0110】3)塗布紙の調製及び画像記録 上記電子供与性無色染料カプセル液、電子受容性化合物
分散液を電子供与性無色染料/電子受容性化合物のモル
比が1/15となるように混合して、目的の感熱記録層
用塗布液を調製した。
【0111】厚み75μmのポリエチレンテレフタレー
ト支持体上に、メイヤーバーで、上述の塗布液を塗布・
乾燥して目的の感熱記録材料を得た。
【0112】〔実施例6〕実施例5の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物15を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録材料を得た。
【0113】〔実施例7〕実施例5の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物17を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録材料を得た。
【0114】〔実施例8〕実施例5の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物18を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録材料を得た。
【0115】〔実施例9〕実施例5の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチル
酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物22を使用し
て感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法によ
り感熱記録材料を得た。
【0116】〔実施例10〕実施例5の調製において、
本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体
の化合物14を使用する代わりに、本発明に係るサリチ
ル酸誘導体金属塩のジオール付加体の化合物26を使用
して感熱記録層用塗布液を調製した以外は同様の方法に
より感熱記録材料を得た。
【0117】〔実施例11〕実施例5の調整において、
電子供与性無色染料I−14を使用する代わりに電子供
与性無色染料I−33を、本発明に係るサリチル酸誘導
体金属塩のジオール付加体の化合物14を使用する代わ
りに、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール
付加体の化合物15を使用して感熱記録層用塗布液を調
製した以外は同様の方法により感熱記録材料を得た。
【0118】〔実施例12〕実施例5の調整において、
電子供与性無色染料I−14を使用する代わりに電子供
与性無色染料I−35を、本発明に係るサリチル酸誘導
体金属塩のジオール付加体の化合物14を使用する代わ
りに、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール
付加体の化合物15を使用して感熱記録層用塗布液を調
製した以外は同様の方法により感熱記録材料を得た。
【0119】〔実施例13〕実施例5の調整において、
電子供与性無色染料I−14を使用する代わりに電子供
与性無色染料I−42を、本発明に係るサリチル酸誘導
体金属塩のジオール付加体の化合物14を使用する代わ
りに、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール
付加体の化合物15を使用して感熱記録層用塗布液を調
製した以外は同様の方法により感熱記録材料を得た。
【0120】〔実施例14〕実施例5の調整において、
電子供与性無色染料I−14を使用する代わりに電子供
与性無色染料I−44を、本発明に係るサリチル酸誘導
体金属塩のジオール付加体の化合物14を使用する代わ
りに、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール
付加体の化合物15を使用して感熱記録層用塗布液を調
製した以外は同様の方法により感熱記録材料を得た。
【0121】〔比較例2〕実施例5の調製において、本
発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の
化合物14を使用する代わりに、3,5−ジ−t−ブチ
ルサリチル酸を使用して感熱記録層用塗布液を調製した
以外は同様の方法により感熱記録材料を得た。
【0122】以上のようにして得られた感熱記録材料
を、京セラ(株)製サーマルヘッド(KLT−216−
8MPD1)により、記録エネルギー50〜150mJ
/mm 2で印字したところシアン色の像を得た。
【0123】前述と同様の試験を行い、発色濃度と、光
照射後の画像の残存率の結果を得た。以上の結果を表に
示す。
【0124】
【表6】
【0125】上述の結果から、実施例5〜14は比較例
2よりも熱発色性及び画像残存率について優れることが
わかる。更に、実施例5〜14で得られた電子受容性化
合物の分散液は冷蔵保存3ヶ月後も粘度増加が見られな
かったのに対し、比較例2の分散液は同条件下で粘度増
加が起こり、塗布液として使用することができなかっ
た。
【0126】
【発明の効果】本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩の
ジオール付加物を電子受容性化合物として使用すること
により、熱発色特性、画像部の保存性に優れる感熱記録
材料を提供することができる。さらに、サリチル酸誘導
体金属塩のジオール付加物の分散時の安定性が良好なた
め、品質安定性に優れる感熱記録材料を提供することが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性無色染料と電子受容性化合物
    とを用いた感熱記録材料において、前記電子受容性化合
    物がサリチル酸の金属塩又はサリチル酸誘導体の金属塩
    のジオール付加体であることを特徴とする感熱記録材
    料。
  2. 【請求項2】 前記サリチル酸誘導体の分子量が280
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録
    材料。
  3. 【請求項3】 前記電子供与性無色染料がマイクロカプ
    セルに内包されていることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の感熱記録材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006019673A (ja) * 2004-06-04 2006-01-19 Mitsui Chemicals Inc 半導体材料の改質方法,薄膜および半導体素子

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