JP2003251328A - 汚染土壌浄化剤及び該汚染土壌浄化剤を用いた汚染土壌の浄化方法 - Google Patents
汚染土壌浄化剤及び該汚染土壌浄化剤を用いた汚染土壌の浄化方法Info
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Abstract
浄化方法において、微生物法における不安定要因、真空
抽出法における作業効率の悪さ、消石灰及び/又はカル
シウムアルミネートを土壌と混合する方法における石灰
石の大量消費という課題があった。 【解決手段】カルシウムサルホアルミネート類及び水を
含有することを特徴とする、有機ハロゲン化合物で汚染
された土壌に対する汚染土壌浄化剤及び該汚染土壌浄化
剤を地盤に注入する方法。少量のカルシウムサルホアル
ミネート類でフロン、トリクロロエチレン、四塩化炭
素、テトラクロロエチレン、及び塩化メチレン等の有機
ハロゲン化合物、特に有機塩素化合物を効果的に浄化で
きるため、ドライクリーニングの溶剤、電子部品及び金
属製品の脱脂剤、並びに冷媒等により広範囲にわたって
汚染された土壌の浄化に有効である。
Description
ゲン化合物等により汚染された土壌を効果的に浄化でき
る汚染土壌浄化剤及びその浄化方法に関する。尚、本発
明で使用する部及び%は特に規定のない限り質量基準で
ある。
ロエチレン、フロン、及び塩化メチレン等の有機ハロゲ
ン化合物は、ドライクリーニングの溶剤、電子部品や金
属製品の脱脂剤、及び冷媒等として広く利用されてい
る。
物は土壌中に留まるだけでなく、地下水、河川、及び井
戸水等を経由し、飲料水汚染の原因になると言われてい
る。これらの有機ハロゲン化合物は発ガン性が疑われて
おり、人の健康に重大な影響を及ぼすことから、有機ハ
ロゲン化合物により汚染された土壌を浄化することが望
まれていた。
合物を分解する微生物(Saccharomyces、
Hansenula、及びCandida等)を含む液
体を注入する方法(以下「微生物法」という、特開平11
-277045号公報)、汚染された土壌を真空抽出法により
浄化する方法(以下「真空抽出法」という、特開2000-2
02425号公報)、消石灰及び/又はカルシウムアルミネ
ートの粉末を汚染土壌と混合する方法(特開平10-42732
号公報)が提案されている。
に与える影響については不明な点が多く、また、温度、
湿度、及び微生物の繁殖状況等の不安定要因があり、真
空抽出法は多量の土壌を処理するには作業効率が悪く、
透水性の低い粘度土壌には効果が薄い等の課題があり、
消石灰及び/又はカルシウムアルミネートの粉末を汚染
土壌と混合する方法ではアルカリ性物質である消石灰及
び/又はカルシウムアルミネートの粉末を土壌1m3あた
り150kgと多量に使用するために土壌がアルカリ性にな
り、環境への影響が懸念される。また、消石灰及びカル
シウムアルミネートの原料は石灰石であり、有限で貴重
な資源である石灰石をセメント原料以外の用途で多量に
消費することは好ましくないという課題があった。
検討した結果、特定の汚染土壌浄化剤を用いることによ
り、微生物法における不安定要因、真空抽出法における
作業効率の悪さという課題を解決するとともに、消石灰
及び/又はカルシウムアルミネートの粉末を土壌に混合
する方法における環境への影響と石灰石の大量消費とい
う課題を解決することができることを知見し、本発明を
完成するに至った。
シウムサルホアルミネート類及び水を含有することを特
徴とする、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌に対す
る汚染土壌浄化剤であり、硫酸塩を含有する該汚染土壌
浄化剤であり、遅延剤を含有する該汚染土壌浄化剤であ
り、該汚染土壌浄化剤を地盤に注入することを特徴とす
る汚染土壌浄化方法である。
ン化合物を含有する汚染土壌を浄化するものである。本
汚染土壌浄化剤は汚染土壌物質が有機塩素化合物の場
合、汚染土壌浄化の効率が大きくなる。汚染物質である
有機ハロゲン化合物としては、トリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチ
レン、シス−1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素、
クロロエタン、メチレンクロリド、クロロホルム、塩化
ビニルモノマー、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、ジクロロブ
ロモエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、ブロモ
ジクロロメタン、クロロジブロモメタン、ダイオキシ
ン、及びPCB等が挙げられる。特に有機ハロゲン化合
物が、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、及
び四塩化炭素のうちの1種又は2種以上の場合は、本汚
染土壌浄化剤の汚染土壌浄化効率が大きくなる。
学式xCaO・yAl2O3・zCaSO4・mH2O(x、
y、zは0でない正の実数、mは0又は正の実数)で表
される水硬性物質及び含水塩の総称であり、例えばエト
リンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2
O)を代表とするAFt相、モノサルフェート(3Ca
O・Al2O3・CaSO4・12H2O)を代表とするAFm
相、及びAFt相とAFm相が共存するもの等が挙げられ
る。カルシウムサルホアルミネート類は非晶質であって
も良い。また、Al2O3の一部が微量のFe2O3又はS
iO2等に置換してもよく、CaSO4の一部がCa(O
H)2又はCaCO3等に置換してもよい。これらの中で
は、汚染土壌浄化効率の点から、AFt相、特にエトリ
ンガイト相を主成分とするものがより好ましい。
る方法としては、(1)生石灰又は消石灰等のCaO
源、水酸化アルミニウム、アルミナゲル、又はアルミ
ナゾル等のAl2O3源、並びに二水石膏、半水石膏、
又は無水石膏等のCaSO4源の3種類の原料を混合し
て焼成する方法、(2)上述のCaO源、無水硫酸ア
ルミニウム、含水硫酸アルミニウム、ミョウバン及び焼
ミョウバン等のAl2O3−SO3源の2種類の原料を混
合して焼成する方法、(3)カルシウムアルミネート又
はアルミナセメント等のCaO−Al2O3源、二水石
膏、半水石膏、無水石膏、又は含水硫酸アルミニウム等
のCaSO4源の粉末を混合して水和させる方法等が挙
げられる。
O3、CaO、及びCaSO4の配合割合は、汚染土壌浄
化の効率の点から、Al2O31モルに対して、CaO1
〜10モル、CaSO40.5〜10モルであることが
好ましく、CaO2.5〜5モル、CaSO42.5〜5
モルであることがより好ましい。
子径は、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜1
0μm以下がより好ましい。100μmを超えると汚染
土壌浄化効率が低下する場合がある。また、平均粒子径
が0.01μm未満のものは、汚染土壌浄化剤として使
用可能であるが、低湿度環境下では帯電しやすく取扱い
にくいことがある。
カルシウムサルホアルミネート類の無水物を水和させた
物、又は水和させた物の熱処理品を用いても良い。カル
シウムサルホアルミネート類の水和物の熱処理温度は1
00〜1000℃が好ましく、400〜800℃がより
好ましい。100℃未満あるいは1000℃を超える
と、汚染土壌浄化効率が低下する場合がある。また、熱
処理した粉末のBET比表面積は20m2/g以上であることが
好ましい。
混合割合は、結晶水の有無及び量、汚染物質の濃度、並
びに土壌への注入方法により変える必要があり、例えば
カルシウムサルホアルミネート類の濃度が高い汚染土壌
浄化剤を少量土壌に加圧注入する方法、及びカルシウム
サルホアルミネート濃度が低い汚染土壌浄化剤を多量に
散布する方法等の多様な使用形態があり、また土壌の種
類により最適な濃度が異なるために配合割合は一義的に
は決められないが、一般的にはカルシウムサルホアルミ
ネート類100部に対して、水100〜100,000
部が好ましく、100〜1000部がより好ましい。水
が100,000部を超えると汚染土壌浄化効果が十分
でない場合があり、100部未満では流動性が不足し、
本汚染土壌浄化剤を土壌中に注入できない場合がある。
ート類を混合すると1時間以内に硬化して土壌浄化効率
が小さくなる場合があるため、遅延剤を併用してもよ
い。
コン酸、及びリンゴ酸等のオキシカルボン酸、ホウ酸、
トリポリリン酸、並びにピロリン酸等が挙げられる。ま
た、これらの遅延剤の塩、例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類
金属塩、及びアンモニウム塩等でも良い。これらの遅延
剤を1種又は2種以上併用しても良い。これらの遅延剤
の中では、遅延効果が大きい点で、オキシカルボン酸塩
が好ましく、クエン酸及び/又はクエン酸ナトリウムが
より好ましい。
ミネート類100部に対して0.1〜10部が好まし
い。0.1部未満では顕著な遅延効果が認められず、1
0部を超えて添加すると汚染土壌浄化効率が小さくなる
恐れがある。
れないが、例えば土壌中に汚染物質が10〜100mg
/リットル程度含まれる場合には、土壌1m3に対し
て、カルシウムサルホアルミネート類の使用量が0.1
〜100gとなるように使用するのが好ましく、1〜1
0gがより好ましい。0.1g未満では汚染土壌浄化の
効率が十分でない場合があり、100gを超えても汚染
土壌浄化効率は変わらず、経済的に好ましくない場合が
ある。
方法として、土壌及び汚染土壌浄化剤を各種ミキサー等
で混合する方法、ポンプ注入、ジェット注入、土壌表面
に単に散布する方法、及びスプリンクラーによる散布等
が挙げられるが、ポンプ注入及びジェット注入等の加圧
による注入方法が好ましい。
る。
壌中のトリクロロエチレン量が50mg/リットルにな
るように汚染土壌を作製した。
ム、及び無水硫酸アルミニウムの粉末を混合して120
0℃で焼成後、水と混合し、表1に示す加熱温度で1時
間加熱処理してカルシウムサルホアルミネート類を合成
した。水100部に対してカルシウムサルホアルミネー
ト類5部を混合し、汚染土壌浄化剤とした。
ルホアルミネート量が汚染土壌1m 3 に対して5gとな
るようにジェット注入した。1日間放置後、土壌中のト
リクロロエチレン量を測定した。結果を表1に併記す
る。
主成分とする合成品、Al2O3:CaO:CaSO4=
3:3:1(モル比)、平均粒子径8μm。 カルシウムサルホアルミネート類β:モノサルフェート
を主成分とする合成品、Al2O3:CaO:CaSO4
=1:3:1(モル比)、平均粒子径8μm。 トリクロロエチレン:和光純薬社製、試薬1級
工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定
める方法に準ずる。 比表面積:市販の測定装置を用い、窒素ガス及びヘリウ
ムガスを用いたBET1点法で評価した。
注:加熱温度の−は、熱処理せず。
素量が30mg/リットルになるように汚染土壌を作製
した。次に、カルシウムサルホアルミネート類αを予め
加熱温度600℃で1時間加熱処理し、水100部に対
してカルシウムサルホアルミネート類α5部を混合し汚
染土壌浄化剤を作製した。続いて、汚染土壌1m3 に対
し、この混合物をカルシウムサルホアルミネート類αの
量が表2に示す量となるようにジェット注入した。1日
間放置後、土壌中の四塩化炭素量を測定した。結果を表
2に併記する。
1、5.4.1又は5.5に定める方法に準ずる。
壌1m3に対するg。 (2)実験No.2-で1は、汚染土壌浄化剤としてカルシウム
サルホアルミネート類を使用せず、水道水のみを土壌に
注入した。
に対して、カルシウムサルホアルミネート類γ5部を混
合し汚染土壌浄化剤を作製した。汚染土壌浄化剤の使用
量を変え、カルシウムサルホアルミネート類γの使用量
を表3に示す量とした以外は、実験例1と同様の実験を
行った。結果を表3に記載する。
18水塩1モルと消石灰6モルの混合物を1200℃で
焼成し、水和後、600℃で1時間加熱処理した。
アルミネート類γ100部、及び遅延剤の混合物を用
い、カルシウムサルホアルミネート類の使用量が土壌1
m3に対して100gとなるように汚染土壌浄化剤を散
布した。カルシウムサルホアルミネート類100部に対
する遅延剤の使用量表4の添加量としたこと以外は、実
験例1と同様の実験を行った。結果を表4に記載する。
ネート類及び水を含有する本汚染土壌浄化剤を使用する
ことにより、トリクロロエチレン、四塩化炭素、テトラ
クロロエチレン、及び塩化メチレン等の有機ハロゲン化
合物、特に有機塩素化合物を効果的に浄化できるため、
ドライクリーニングの溶剤、電子部品及び金属製品の脱
脂剤、並びに冷媒等により汚染された土壌の浄化に有効
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 カルシウムサルホアルミネート類及び水
を含有することを特徴とする有機ハロゲン化合物で汚染
された土壌用の汚染土壌浄化剤。 - 【請求項2】 遅延剤を含有することを特徴とする請求
項1記載の有機ハロゲン化合物で汚染された土壌用の汚
染土壌浄化剤。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の汚染土壌浄
化剤を地盤に注入することを特徴とする汚染土壌の浄化
方法。
Priority Applications (1)
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JP2002061554A JP3841704B2 (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 汚染土壌浄化剤及び該汚染土壌浄化剤を用いた汚染土壌の浄化方法 |
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