JP2003251212A - 破砕機用回転刃及び二軸破砕機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの低減を図ることができ、破砕機
の使用上有利な破砕機用回転刃及びこれを備えた二軸式
破砕機を提供する。 【解決手段】 破砕機用回転刃８において、刃物台部材
１０と、刃物台部材１０の軸方向両側に隣接するスペー
サ部材１１とを別個独立して設け、各部品の加工を容易
とするとともに、各部品を回転軸５に別個に組み付ける
ことができるようにし、さらには、各スペーサ部材１１
及び刃物台部材１０をそれぞれ別個に交換、分解等する
ことができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸に外嵌され
る破砕機用回転刃と、この破砕機用回転刃を備えた二軸
式破砕機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の二軸式破砕機として、例
えば、特開平７−２０４５３２号公報に記載されたもの
が知られている。この二軸式破砕機は、上方に被破砕物
の受容開口が形成されるとともに、下方に破砕された被
破砕物の排出口が形成された略直方体状のケース体を備
えている。このケース体は、平行に並べられた２つの回
転軸を軸支し互いに対向する一対の軸支持側壁と、各回
転軸の軸方向に延び互いに対向する一対の軸方向側壁と
を有している。各回転軸には複数の回転刃が、互いに他
方の回転軸の回転刃の間に配されるように、軸方向に間
隔をおいて設けられる。すなわち、この二軸式破砕機で
は、受容開口よりケース体内に被破砕物を受容して、各
回転軸を互いに逆回転させて被破砕物を巻き込むように
して破砕し、破砕された被破砕物を排出口より排出す
る。

【０００３】各回転刃は、所定のピッチで外周縁に並設
された刃部を有する刃物台部材と、刃物台部材に軸方向
に突設されたスペーサ部とを有している。スペーサ部
は、刃物台部材の両面に刃物台部材の一部として一体に
設けられている。これによれば、隣接する回転刃のスペ
ーサ部が互いに当接することにより、隣接する刃物台部
材の間隙が確保されるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記二
軸式破砕機では、スペーサ部が刃物台部材と一体的に設
けられ、刃物台部材の形状が複雑であるので、刃物台部
材の加工が困難であり、回転刃の製造コストが嵩むとい
う問題点があった。また、例えば、刃物台部材のスペー
サ部が破損した場合に、刃物台部材からスペーサ部を剥
離して新たなスペーサ部を溶接等により固着するか、或
いは、刃物台部材そのものを交換しなければならず、破
砕機の使用上、極めて不利であった。

【０００５】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、製造コストの低減を
図ることができ、破砕機の使用上有利な破砕機用回転刃
及びこれを備えた二軸式破砕機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明では、回転軸に外嵌されるとと
もに刃部が固定された刃物台部材と、前記刃物台部材に
隣接して前記回転軸に外嵌され、該刃物台部材と別個に
設けられたスペーサ部材とを備えたことを特徴とする。

【０００７】請求項１記載の発明によれば、刃物台部材
と、各スペーサ部材とは別個に製造され、回転軸にスペ
ーサ部材、刃物台部材、スペーサ部材の順に各部材を挿
通することにより、１つの回転刃が構成される。ここ
で、刃物台部材の軸方向両側に配される両スペーサ部材
は、互いに同一のものであってもよいし、異なるもので
あってもよい。これにより、回転軸に並んで外嵌される
刃物台部材同士の間隙は、各スペーサ部材により確保さ
れることとなる。また、例えば、各スペーサ部材または
刃物台部材が破損した場合は、各スペーサ部材または刃
物台部材を別個独立して新品に交換すれば足りる。さら
に、例えば、回転刃の清掃等を行う際に、各スペーサ部
材及び刃物台部材をそれぞれ回転軸から離脱させ、各ス
ペーサ部材と刃物台部材とを分解して清掃を行うことが
できる。

【０００８】従って、刃物台部材の形状を単純化できる
ことに加え、刃物台部材と各スペーサ部材とを別個に回
転軸に組み付けて回転刃を構成することができるので、
回転刃の製造コストを低減することができる。すなわ
ち、刃物台部材及び各スペーサ部材がともに平板状であ
ることから、これらの部材の製造が比較的容易であり、
これによっても回転刃の製造コストを低減することがで
きる。さらに、各スペーサ部材及び刃物台部材をそれぞ
れ別個に交換、分解等することができ、破砕機の使用上
極めて有利である。

【０００９】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
二軸式破砕機において、前記スペーサ部材は、外周縁
に、径方向に突出形成された突出刃部を有することを特
徴とする。

【００１０】請求項２記載の発明によれば、請求項１の
作用に加え、隣接する回転刃の刃物台部材の間隙に落下
した被破砕物は、スペーサ部材の突出刃部により破砕さ
れる。すなわち、スペーサ部材には、刃物台部材間の間
隙を確保する機能に加え、被破砕物を破砕する機能が付
与される。

【００１１】従って、刃物台部材に設けられた刃部に加
えて、スペーサ部材の突出刃部によっても破砕すること
ができ、被破砕物を効率よく破砕することができる。

【００１２】請求項３記載の発明では、上方に被破砕物
の受容開口が形成されるとともに、下方に破砕された被
破砕物の排出口が形成されるケース体と、前記ケース体
内に平行に並べられ、前記ケース体の側壁に軸支される
２つの回転軸とを備えた二軸式破砕機において、請求項
１または２記載の破砕機用回転刃を、各回転軸に、一方
の回転軸の刃物台部材と、他方の回転軸の刃物台部材と
を、互い違いにして複数外嵌したことを特徴とする。

【００１３】請求項３記載の発明によれば、各回転軸に
並んで外嵌される刃物台部材同士の間隙は、各スペーサ
部材により確保されることとなる。また、破砕機の使用
に際して、各スペーサ部材または刃物台部材が破損した
場合は、各スペーサ部材または刃物台部材を別個独立し
て新品に交換すれば足りる。さらに、例えば、回転刃の
清掃等を行う際に、各スペーサ部材及び刃物台部材をそ
れぞれ回転軸から離脱させ、各スペーサ部材と刃物台部
材とを分解して清掃を行うことができる。

【００１４】従って、刃物台部材と各スペーサ部材とを
別個に回転軸に組み付けて回転刃を構成することがで
き、破砕機の製造コストの低減を図ることができる。ま
た、回転刃の交換、分解等に有利であるし、異なる種類
の破砕機間で、刃物台部材または各スペーサ部材の共用
化を図ることができ、これによっても製造コストの低減
を図ることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１乃至図６は本発明の一実施形
態を示すもので、図１は二軸式破砕機の概略正面図、図
２はケース体の概略上面図、図３は回転刃の正面図、図
４は回転刃の側面図である。

【００１６】図１に示すように、この二軸式破砕機１
は、被破砕物が投入されるホッパ部２と、ホッパ部２の
下方に配され被破砕物を受容するケース体３とを備えて
いる。ケース体３は略直方体状であり、上方に被破砕物
の受容開口３ａが形成されるとともに、下方に破砕され
た被破砕物の排出口３ｂが形成され、破砕室３ｃを画成
する。受容開口３ａを通じてケース体３に受容された被
破砕物は、ケース体３内にて破砕され、排出口３ｂを通
じて破砕物受容室４へと排出される。

【００１７】図１及び図２に示すように、ケース体３
は、平行に並べられた２つの回転軸５を軸方向端部側に
て軸支し互いに対向する一対の軸支持側壁６と、各回転
軸５の軸方向に延び互いに対向する一対の軸方向側壁７
とを有している。各回転軸５は、図示しないモータの駆
動により回転するよう構成されベアリング等の軸受を介
して軸支持側壁６に支持される。

【００１８】図２に示すように、各回転軸５は断面が六
角形状に形成され、軸方向に間隙をおいて複数の破砕機
用回転刃８が外嵌される。各回転刃８は、一方の回転軸
５と、他方の回転軸５とで互い違いとなるよう配され
る。

【００１９】図３及び図４に示すように、各破砕機用回
転刃８は、周縁に所定のピッチで複数の刃部９が固定さ
れた刃物台部材１０と、刃物台部材１０の軸方向両側に
隣接して設けられるスペーサ部材１１とを備えている。
刃物台部材１０と各スペーサ部材１１は、それぞれ各回
転軸５に外嵌されるとともに、それぞれ平板状に形成さ
れ、互いに略面接触するよう構成されている。また、図
４に示すように、隣接する回転刃８のスペーサ部材１１
同士も、互いに略面接触するようになっている。刃物台
部材１０及び各スペーサ部材１１には、各回転軸５を挿
通する第１孔部１０ａ及び第２孔部１１ａとがそれぞれ
形成される。ここで、各刃部９の外縁は軸方向に傾斜し
て形成されており、刃物台部材１０の第１孔部１０ａの
周方向外縁と、各刃部９の周方向外縁の距離は、軸方向
で変化するようになっている。尚、図４においては、説
明のため、各刃部９の外縁を傾斜させずに図示してい
る。また、本実施形態においては、各回転軸５が六角形
状に形成されていることから、これに対応して、各孔部
１０ａ，１１ａも六角形状に形成される。また、刃物台
部材１０と各スペーサ部材１１とは別個に設けられ、互
いに独立して各回転軸５と嵌脱するよう構成されてい
る。

【００２０】図３及び図４に示すように、各スペーサ部
材１１は、刃物台部材１０に比して小径に形成される。
すなわち、各スペーサ部材１１は、回転したときに刃部
９が描く円の軸方向内側に位置している。各スペーサ部
材１１の外周縁には、径方向外側へ向かって突出形成さ
れた突出刃部１１ｂが形成される。この突出刃部１１ｂ
もまた、所定のピッチで周方向に並設されている。尚、
本実施形態においては、刃物台部材１０の軸方向両側に
配される両スペーサ部材１１は同一ものである。

【００２１】以上のように構成された二軸式破砕機１で
は、ケース体３に被破砕物が受容されると、各回転軸５
が互いに逆方向に回転することにより、被破砕物が各回
転刃８の刃物台部材１０に巻き込まれるようにして各刃
部９により破砕され、破砕物が破砕室３ｃの下方（破砕
物受容室４）へと排出される。このとき、各スペーサ部
材１１の外周縁に突出刃部１１ｂが形成されていること
から、隣接する各回転刃８の刃物台部材１０の間隙に落
下した被破砕物は、各スペーサ部材１１の突出刃部１１
ｂにより破砕される。

【００２２】ところで、この二軸式破砕機１では、刃物
台部材１０と、各スペーサ部材１１とは別個に製造さ
れ、各回転軸５にスペーサ部材１１、刃物台部材１０、
スペーサ部材１１の順に各部材を挿通することにより、
１つの回転刃８が構成される。すなわち、図４に示すよ
うに、各回転軸５にて隣接する回転刃８の間隙は、各ス
ペーサ部材１１により確保されることとなる。

【００２３】ここで、各スペーサ部材１１または刃物台
部材１０が破損した場合は、各スペーサ部材１１または
刃物台部材１０を別個独立して新品に交換すれば足り
る。さらに、破砕機１のメンテナンス等に際して各回転
刃８の清掃等を行う場合、各スペーサ部材１１及び刃物
台部材１０をそれぞれ回転軸５から離脱させ、各スペー
サ部材１１と刃物台部材１０とを分解して清掃を行うこ
とができる。

【００２４】このように、本実施形態の破砕機用回転刃
８及びこれを備えた二軸式破砕機１によれば、刃物台部
材１０に溶接等の加工を施すことなく、刃物台部材１０
と各スペーサ部材１１とを別個に回転軸５に組み付けて
回転刃８を構成することができるばかりか、刃物台部材
１０及び各スペーサ部材１１がともに平板状であること
から、これらの部材の製造が比較的容易であり、回転刃
８、ひいては破砕機１の製造コストを格段に低減するこ
とができる。また、各スペーサ部材１１及び刃物台部材
１０をそれぞれ別個に交換、分解等することができ、実
用に際して極めて便利である。さらに、異なる種類の破
砕機間で、刃物台部材１０または各スペーサ部材１１の
共用化を図ることができ、これによっても破砕機１の製
造コストの低減を図ることができる。

【００２５】また、本実施形態の破砕機用回転刃８及び
これを備えた二軸式破砕機１によれば、各スペーサ部材
１１に、刃物台部材１０間の間隙を確保する機能に加
え、被破砕物を破砕する機能が付与される。従って、刃
物台部材１０に設けられた各刃部９に加えて、各スペー
サ部材１１の各突出刃部１１ｂによっても破砕すること
ができ、被破砕物を効率よく破砕することができる。

【００２６】尚、前記実施形態においては、各回転軸５
の断面が六角形状であるものを示したが、例えば四角形
状のような他の多角形状であってもよいし、さらには円
形状のものであってもよい。

【００２７】また、前記実施形態においては、刃物台部
材１０に隣接する両側のスペーサ部材１１が同一のもの
を示したが、破砕機１の仕様等に応じて、異なる形状の
スペーサ部材１１を配置してもよいし、その他、具体的
な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿
論である。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、刃物台部材と、各スペ
ーサ部材とが、互いに独立して回転軸と嵌脱するよう構
成したので、刃物台部材と各スペーサ部材とを別個に回
転軸に組み付けて回転刃を構成することができるし、刃
物台部材及び各スペーサ部材がともに平板状であること
から、これらの部材の製造が比較的容易となる。従っ
て、回転刃の製造コストを格段に低減することができ
る。また、各スペーサ部材及び刃物台部材をそれぞれ別
個に交換、分解等することができ、破砕機の使用上極め
て有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す二軸式破砕機の概略
正面図である。

【図２】ケース体の概略上面図である。

【図３】破砕機用回転刃の正面図である。

【図４】破砕機用回転刃の側面図である。

【符号の説明】

１ 二軸式破砕機 ３ ケース体 ３ａ 受容開口 ３ｂ 排出口 ５ 回転軸 ８ 破砕機用回転刃 ９ 刃部 １０ 刃物台部材 １１ スペーサ部材 １１ｂ 突出刃部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 寛 東京都新宿区西新宿一丁目７番２号 富士 重工業株式会社内 Ｆターム(参考） 4D065 CA12 CB02 CC01 CC08 DD08 EC09

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸に外嵌されるとともに刃部が固定さ
   れた刃物台部材と、 前記刃物台部材に隣接して前記回転軸に外嵌され、該刃
   物台部材と別個に設けられたスペーサ部材とを備えたこ
   とを特徴とする破砕機用回転刃。
2. 【請求項２】前記スペーサ部材は、外周縁に、径方向に
   突出形成された突出刃部を有することを特徴とする請求
   項１記載の破砕機用回転刃。
3. 【請求項３】上方に被破砕物の受容開口が形成されると
   ともに、下方に破砕された被破砕物の排出口が形成され
   るケース体と、 前記ケース体内に平行に並べられ、前記ケース体の側壁
   に軸支される２つの回転軸とを備えた二軸式破砕機にお
   いて、 請求項１または２記載の破砕機用回転刃を、各回転軸
   に、一方の回転軸の刃物台部材と、他方の回転軸の刃物
   台部材とを、互い違いにして複数外嵌したことを特徴と
   する二軸式破砕機。