JP2003251188A - メタクリル酸合成用触媒およびメタクリル酸の製造方法 - Google Patents
メタクリル酸合成用触媒およびメタクリル酸の製造方法Info
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Abstract
酸化して高収率でメタクリル酸を製造できる触媒、この
触媒の製造方法、およびこの触媒を用いたメタクリル酸
の製造方法を提供する。 【解決手段】 MoaPbXcYdOeで表される組成
物(1)と、VfZgO hで表される複合酸化物(2)
とを含むメタクリル酸合成用触媒。前記組成物(1)お
よび/またはその前駆体を含む成分Aと、前記複合酸化
物(2)を含む成分Bとを混合するメタクリル酸合成用
触媒の製造方法。このような前記メタクリル酸合成用触
媒を用いることを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
Description
分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を合成
する際に使用する触媒、この触媒の製造方法、およびこ
の触媒を用いるメタクリル酸の製造方法に関する。
ヘテロポリ酸と複合酸化物を含むメタクリル酸合成用触
媒として、例えば、特開昭59−210042号公報に
は、モリブデン、リンおよびヒ素を必須成分とするヘテ
ロポリ酸と、モリブデン酸銅および/またはモリブデン
酸銀とからなる複合酸化物とを含む触媒が、特開平7−
267635号公報には、少なくともモリブデンおよび
リンを含むヘテロポリ酸前駆体と、少なくともモリブデ
ンと鉄、コバルト、ニッケル等より選ばれた少なくとも
一種の元素とからなる多元系複合酸化物とを混合した後
に焼成して得られる触媒が、特開平9−299803号
公報には、少なくともモリブデンおよびリンを含むヘテ
ロポリ酸と、アンチモンとセリウム、ジルコニウムおよ
びビスマスより選ばれた少なくとも一種の元素とからな
る多元系複合酸化物とを含む触媒が、特開平9−313
943号公報には、少なくともモリブデンおよびリンを
含むヘテロポリ酸と、モリブデン、ニオブとからなる二
元複合酸化物とを含む触媒が記載されている。
の触媒もメタクリル酸の収率が充分ではなく、工業触媒
としては更なる改良が望まれているのが現状である。本
発明は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸
化して高収率でメタクリル酸を製造できる触媒、この触
媒の製造方法、およびこの触媒を用いたメタクリル酸の
製造方法を提供することを目的とする。
を解決するために鋭意検討を行った結果、高い収率を有
する触媒を完成するに至った。すなわち本発明は、次の
〜である。
と、下記式(2)で表される複合酸化物(2)とを含む
メタクリル酸合成用触媒。 MoaPbXcYdOe (1) (式(1)中、Mo、PおよびOはそれぞれモリブデ
ン、リンおよび酸素を表し、Xはカリウム、ルビジウ
ム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少
なくとも1種の元素を表し、Yは鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、タング
ステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウ
ム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチ
モン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、イ
ンジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセ
リウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を
表す。ただし、a、b、c、dおよびeは各元素の原子
比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01
≦c≦6、0≦d≦3であり、eは前記各成分の原子比
を満足するのに必要な酸素の原子比である。) VfZgOh (2) (式(2)中、VおよびOはそれぞれバナジウムおよび
酸素を表し、Zはマグネシウム、アンチモン、タングス
テン、モリブデン、ジルコニウム、チタン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、レニウ
ム、ランタン、セリウム、イットリウムおよびスカンジ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表
す。ただし、f、gおよびhは各元素の原子比を表し、
f=1のとき、0.1≦g≦10であり、hは前記各成
分の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比であ
る。)
前駆体を含む成分Aと、前記複合酸化物(2)を含む成
分Bとを混合する前記のメタクリル酸合成用触媒の製
造方法。
相接触酸化してメタクリル酸を製造する方法において、
前記のメタクリル酸合成用触媒を用いることを特徴と
するメタクリル酸の製造方法。
化物(2)とを含むメタクリル酸合成用触媒である。組
成物(1)の組成は下記式(1)で表される。 MoaPbXcYdOe (1) 式(1)において、Mo、PおよびOはそれぞれモリブ
デン、リンおよび酸素を表す。Xはカリウム、ルビジウ
ム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少
なくとも1種の元素を表し、好ましくはカリウム、セシ
ウムである。Yは鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、チタン、バナジウム、クロム、タングステン、マン
ガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、
ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマ
ス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イ
オウ、セレン、テルル、ランタンおよびセリウムからな
る群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、好まし
くは銅、バナジウム、鉄、アンチモン、ヒ素、ゲルマニ
ウムである。a、b、c、dおよびeは各元素の原子比
を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01≦
c≦6、0≦d≦3であり、eは前記各成分の原子比を
満足するのに必要な酸素の原子比である。
る組成のものが好ましい。 MoaPbXcY’d’CuiOe (1a) 式(1a)において、Mo、P、CuおよびOはそれぞ
れモリブデン、リン、銅および酸素を表し、Xはカリウ
ム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Y’は鉄、コ
バルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロ
ム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、ア
ルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ
素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコ
ニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタ
ンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を表す。ただし、a、b、c、d’、i、およ
びeは各元素の原子比を表し、a=12のとき、bは
0.1≦b≦3、好ましくは0.5≦b≦3である。同
様にcは0.01≦c≦3、好ましくは0.1≦c≦3
である。同様にd’は0≦d’≦2.99、好ましくは
0≦d’≦2.5である。同様にiは0.01≦i≦
2.99、好ましくは0.01≦i≦2であり、eは前
記各成分の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比で
ある。ただし、d’+iは0.01≦(d’+i)≦3
である。
表される。 VfZgOh (2) 式(2)において、VおよびOはそれぞれバナジウムお
よび酸素を表す。Zはマグネシウム、アンチモン、タン
グステン、モリブデン、ジルコニウム、チタン、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、レニ
ウム、ランタン、セリウム、イットリウムおよびスカン
ジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を
表し、好ましくはマグネシウム、アンチモン、ジルコニ
ウムである。f、gおよびhは各元素の原子比を表し、
f=1のとき、0.1≦g≦10(好ましくは0.1≦
g≦5)であり、hは前記各成分の原子比を満足するの
に必要な酸素の原子比である。
は、例えば、共沈法、蒸発乾固法、酸化物混合法等を用
いて製造することができる。蒸発乾固法による具体的な
製造方法としては、少なくともモリブデンおよびリンを
含む水性スラリーを乾燥する方法が例示できる。乾燥
は、例えば、箱型乾燥機、噴霧乾燥機、ドラムドライヤ
ー、スラリードライヤー等の各種の乾燥機を用いて行う
ことができる。得られる乾燥物(組成物(1)の前駆
体)は、後述する方法で焼成して組成物(1)とするこ
ともできる。
元素の硝酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロ
ゲン化物、酸素酸等が使用できる。例えば、モリブデン
の原料としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化
モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデン等が挙げら
れ、リンの原料としては、リン酸、五酸化リン、リン酸
アンモニウム等が挙げられる。
の前駆体を含むものである。成分Aに含まれる組成物
(1)および/またはその前駆体の割合は、通常、90
〜100質量%であり、成分A中の組成物(1)の含有
量が少ないと触媒活性が低下する場合があることから、
好ましくは95〜100質量%である。組成物(1)お
よび/またはその前駆体以外のものとしては、例えば、
シリカ、アルミナ、その他原料由来の不純物等が挙げら
れる。成分Aの形状は特に限定されないが、0.1〜1
00μmの範囲の平均粒子径を有する粉体であることが
好ましい。
含有化合物とZ元素含有化合物を湿式または乾式で混合
した後、焼成することによって製造することができる。
具体的には、各元素含有化合物を湿式で混合した後に蒸
発乾固またはろ過し、焼成を実施する方法、各元素の酸
化物を擂潰機等を用いて機械的に混合した後、焼成する
方法等が例示できる。なかでも、平均粒子径が小さく、
表面積の大きな複合酸化物を調製できることから各元素
含有化合物を湿式で混合する方法が好ましい。焼成の条
件は、用いる原料、組成、調製条件によって異なるので
一概には言えないが、300〜800℃、好ましくは3
50〜600℃で、0.5時間以上、好ましくは1〜4
0時間実施する方法が望ましい。
元素の複合酸化物である。複合酸化物かどうかは粉末X
線回折パターンで確認することができる。例えば、Z元
素がマグネシウムの場合の複合酸化物(2)は、MgV
2O6(JCPDS番号:34−0013)、Mg2V
2O7(JCPDS番号:31−0816)等で表され
る複合酸化物構造を有する。
ず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、アンモ
ニウム塩、酸化物、ハロゲン化物、酸素酸等が使用でき
る。例えば、バナジウムの原料としてはメタバナジン酸
アンモニウム、五酸化バナジウム、硫酸バナジル等が挙
げられる。
ある。成分Bに含まれる複合酸化物(2)の割合は、通
常、10〜100質量%であり、複合酸化物(2)の割
合が少ないと後述する酸化脱水素能が低下することか
ら、好ましくは50〜100質量%である。複合酸化物
(2)以外のものとしては、例えば、Z元素やバナジウ
ムの単独酸化物、担持により表面積の大きな複合酸化物
を調製する場合は、シリカ、アルミナ等の不活性担体が
挙げられる。また、成分Bは0.1〜100μmの平均
粒子径を有する粉体であることが望ましい。
まれる組成物(1)は前駆体であってもよい。触媒中で
複合酸化物(2)を高分散させるためには、組成物
(1)の前駆体スラリーと成分Bを混合した後に、混合
物を焼成することが好ましい。
ないが、例えば、粉体状の成分Aと成分Bをニーダー、
擂潰機等の混合機で機械的に混合する方法、粉体状の成
分Aと成分Bに少量の水、アンモニア、バインダー等を
加えて混練りする方法等が挙げられる。また、乾燥によ
り組成物(1)を含む成分Aを形成する水性スラリー
と、粉体状の成分Bを混合した後に乾燥してもよい。
モリブデン原子100質量部に対して、複合酸化物
(2)が好ましくは1〜100質量部、より好ましくは
3〜50質量部、特に好ましくは5〜30質量部であ
る。
る。成分Aに含まれる組成物(1)が焼成されていない
場合は、成形前の混合物または成形後の成形体を焼成す
ることが好ましい。成形体を固定床管型反応管に充填す
る際、成形体は崩壊しない程度の強度を有していること
が望ましいことから、未焼成の成形体を充填し、反応管
の中で焼成することが特に好ましい。
例えば、打錠成形、押出成形、造粒成形、担持成形等が
挙げられる。担持触媒の担体としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、シリカ・アルミナ、シリコンカーバイド
等の不活性担体が挙げられる。成形に際しては、成形体
の比表面積、細孔容積および細孔分布を制御したり、機
械的強度を高めたりする目的で、例えば、硫酸バリウ
ム、硝酸アンモニウム等の無機塩類、グラファイト等の
滑剤、セルロース類、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ステアリン酸等の有機物、シリカゾル、アルミナ等
の水酸化物ゾル、ウィスカー、ガラス繊維、炭素繊維等
の添加剤を適宜添加してもよい。
焼成は反応管に充填する前に行っても、反応管の中で行
ってもよい。焼成条件は、用いる触媒の原料、触媒組
成、調製条件等によって異なるので一概には言えない
が、通常、空気等の酸素含有ガス流通下および/または
不活性ガス流通下で300〜500℃、好ましくは30
0〜450℃で、0.5時間以上、好ましくは1〜40
時間行われる。
触媒に比べて優れている理由は明らかではないが、バナ
ジウム系複合酸化物である複合酸化物(2)が酸化脱水
素能を有しており、組成物(1)の従来のヘテロポリ酸
系触媒との界面で、メタクロレイン酸化反応で律速段階
といわれている水素引き抜き段階の反応速度が速められ
る結果、メタクロレイン転化率が向上し、延いては収率
が向上するものと推定される。
成方法について説明する。気相接触酸化に用いる原料ガ
スのメタクロレイン濃度は広い範囲で変えることができ
るが、好ましくは1〜20容量%、特に好ましくは3〜
10容量%である。原料のメタクロレインには、水、低
級飽和アルデヒド等の実質的に反応に影響を与えない不
純物が少量含まれている場合があるが、原料ガスにはこ
のようなメタクロレイン由来の不純物が含まれていても
よい。
要があるが、原料ガス中の分子状酸素の量はメタクロレ
インの0.4〜4倍モルが好ましく、特に0.5〜3倍
モルが好ましい。原料ガスの分子状酸素源には空気を用
いるのが工業的に有利であるが、必要に応じて純酸素で
富化した空気も使用できる。また原料ガスは、窒素、炭
酸ガス等の不活性ガス、水蒸気等で希釈されていること
が好ましい。
である。反応温度は、通常200〜450℃、好ましく
は250〜400℃である。原料ガスと触媒の接触時間
は通常1.5〜15秒、好ましくは2〜7秒である。
明する。ただし、実施例および比較例中の「部」は質量
部を意味する。反応試験分析はガスクロマトグラフィー
により行った。また、原料であるメタクロレインの転化
率、生成したメタクリル酸の選択率および収率は以下の
ように定義される。 メタクロレイン転化率(%)=(B/A)×100 メタクリル酸選択率(%)=(C/B)×100 メタクリル酸単流収率(%)=(C/A)×100 ここで、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反
応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリ
ル酸のモル数である。
モニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム4.4
部および硝酸セシウム9.2部を純水300部に加熱溶
解した。これに85質量%リン酸8.7部を純水10部
に溶解した溶液、ついで三酸化アンチモン5.5部を加
え、攪拌しながら95℃に昇温した後、硝酸銅1.1部
を純水10部に溶解した溶液を加えた。混合液を95℃
で15分間攪拌した後、スラリーを過熱攪拌しながら蒸
発乾固した。得られた固形物を130℃で16時間乾燥
した後に粉砕して、組成物(1)の前駆体を得た。この
ようにして調製した組成物(1)前駆体だけからなる成
分Aを純水に分散した後、レーザー回折式粒度分布装置
(セイシン企業社製PRO−7000S)を用いて測定
したところ平均粒子径は25.9μmであった。
酸アンモニウム100部と硝酸マグネシウム109.6
部を純水500部中で加熱混合した後、混合液を過熱攪
拌しながら蒸発乾固した。得られた固形物を粉砕した
後、500℃で3時間焼成した。このようにして得られ
た複合酸化物(2)の酸素原子を除く組成はV1Mg
0.5であった。また複合酸化物(2)は、粉末X線構
造解析よりMgV2O6で表される複合酸化物構造を有
することを確認した。成分Aと同様に測定した複合酸化
物(2)だけからなる成分Bの平均粒子径は3.8μm
であった。
(1)の前駆体だけからなる成分A全量と、上記の方法
で製造した複合酸化物(2)だけからなる成分B14.
1部を、擂潰機を用いて乾式混合した後、得られた粉体
100部に対してグラファイト3部を添加し、続いて打
錠成形機により、外形5mm、内径2mm、長さ5mm
のリング状に成形した。得られた成形物を空気流通下に
380℃で5時間焼成して触媒を得た。得られた触媒中
に含まれる組成物(1)の酸素原子を除く組成はMo
12P 1.6V0.8Cu0.1Sb0.8Cs1、複
合酸化物(2)の酸素原子を除く組成はV1Mg0.5
であった。この触媒には、組成物(1)中のモリブデン
原子100部に対して26部の複合酸化物(2)が含ま
れていた。
タクロレイン5%、酸素10%、水蒸気30%、窒素5
5%(容量%)の混合ガスを大気圧下で反応温度290
℃、接触時間3.6秒で通じた。反応結果を表1に示し
た。
量を14.1部から24.5部に変更した以外は実施例
1と同様に触媒を製造し、メタクロレインの酸化反応を
行った。得られた触媒中に含まれる組成物(1)の酸素
原子を除く組成はMo12P1.6V0. 8Cu0.1
Sb0.8Cs1、複合酸化物(2)の酸素原子を除く
組成はV1Mg0.5であった。この触媒には、組成物
(1)中のモリブデン原子100部に対して45部の複
合酸化物(2)が含まれていた。反応結果を表1に示し
た。
量を14.1部から1.6部に変更した以外は実施例1
と同様に触媒を製造し、メタクロレインの酸化反応を行
った。得られた触媒中に含まれる組成物(1)の酸素原
子を除く組成はMo12P1.6V0.8Cu0.1S
b0.8Cs1、複合酸化物(2)の酸素原子を除く組
成はV1Mg0.5であった。この触媒には、組成物
(1)中のモリブデン原子100部に対して3部の複合
酸化物(2)が含まれていた。反応結果を表1に示し
た。
を14.1部から0.27部に変更した以外は実施例1
と同様に触媒を製造し、メタクロレインの酸化反応を行
った。得られた触媒中に含まれる組成物(1)の酸素原
子を除く組成はMo12P1.6V0. 8Cu0.1S
b0.8Cs1、複合酸化物(2)の酸素原子を除く組
成はV1Mg0.5であった。この触媒には、組成物
(1)中のモリブデン原子100部に対して0.5部の
複合酸化物(2)が含まれていた。反応結果を表1に示
した。
の調製工程において、硝酸マグネシウムの量を109.
6部から219.2部に変更した以外は同様にして複合
酸化物(2’)を調製した。得られた複合酸化物
(2’)の酸素原子を除く組成はV1Mg1であった。
また複合酸化物(2’)は、粉末X線構造解析よりMg
2V2O7で表される複合酸化物構造を有することを確
認した。また、複合酸化物(2’)だけからなる成分
B’の平均粒子径は3.4μmであった。
合酸化物(2’)だけからなる成分B’13.6部に変
更した以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタ
クロレインの酸化反応を行った。得られた触媒中に含ま
れる組成物(1)の酸素原子を除く組成はMo12P
1.6V0.8Cu0.1Sb0.8Cs1、複合酸化
物(2’)の酸素原子を除く組成はV1Mg1であっ
た。この触媒には、組成物(1)中のモリブデン原子1
00部に対して25部の複合酸化物(2’)が含まれて
いた。反応結果を表1に示した。
成分B’の混合方法を、擂潰機を用いて乾式混合する方
法に代えて、純水100部中で湿式混合した後、蒸発乾
固し、得られた固形物を粉砕する方法とした以外は実施
例5と同様に触媒を製造し、メタクロレインの酸化反応
を行った。得られた触媒中に含まれる組成物(1)の酸
素原子を除く組成はMo12P1.6V0.8Cu
0.1Sb0.8Cs1、複合酸化物(2’)の酸素原
子を除く組成はV1Mg1であった。この触媒には、組
成物(1)中のモリブデン原子100部に対して25部
の複合酸化物(2’)が含まれていた。反応結果を表1
に示した。
三酸化アンチモン160.3部、三酸化タングステン1
27.5部を擂潰機を用いて乾式混合した後、500℃
で3時間焼成して成分B”を得た。成分B”の酸素原子
を除く組成はV1Sb1W0.5であった。粉末X線構
造解析より、成分B”にはSbVO4で表される複合酸
化物(2”)が67質量%含まれており、残余は主にW
O3であることを確認した。また、成分B’’の平均粒
子径は4.3μmであった。
(2”)を67質量%含む成分B”に変更した以外は実
施例6と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの酸
化反応を行った。得られた触媒中に含まれる組成物
(1)の酸素原子を除く組成はMo12P1.6V
0.8Cu0.1Sb0.8Cs1、複合酸化物
(2”)の酸素原子を除く組成はV1Sb1であった。
この触媒には、組成物(1)中のモリブデン原子100
部に対して17部の複合酸化物(2”)が含まれてい
た。反応結果を表1に示した。
用いずに成分Aだけを用いた以外は実施例1と同様にし
て触媒を製造し、メタクロレインの酸化反応を行った。
得られた触媒中に含まれる組成物(1)の酸素原子を除
く組成はMo12P1.6V0.8Cu0 .1Sb
0.8Cs1であり、前記式(2)で表される複合酸化
物(2)は含まれていなかった。反応結果を表1に示し
た。
代わりに五酸化バナジウムと酸化マグネシウムを500
℃で3時間個別に焼成した粉体状の等量混合物13.6
部を用いた以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、
メタクロレインの酸化反応を行った。得られた触媒中に
含まれる組成物(1)の酸素原子を除く組成はMo12
P1.6V 0.8Cu0.1Sb0.8Cs1であり、
前記式(2)で表される複合酸化物(2)は含まれてい
なかった。反応結果を表1に示した。
デン100部、85質量%リン酸7.3部、五酸化バナ
ジウム4.7部、酸化銅0.9部、酸化鉄0.2部を加
え、還流下で5時間攪拌した。得られた混合液を50℃
まで冷却した後、29質量%アンモニア水37.4部を
滴下し、15分間攪拌した。次いで、硝酸セシウム9.
0部を純水30部に溶解した溶液を滴下し、15分間攪
拌した。このようにして得られたスラリーを攪拌しなが
ら蒸発乾固し、得られた固形物を130℃で16時間乾
燥した後に粉砕して組成物(1’)の前駆体を得た。ま
た、組成物(1’)の前駆体だけからなる成分A’の平
均粒子径は12.7μmであった。
更し、成分Bの量を14.1部から13.3部に変更し
た以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロ
レインの酸化反応を行った。得られた触媒中に含まれる
組成物(1’)の酸素原子を除く組成はMo12P
1.1V0.9Cu0.2Fe0.05Cs0.8、複
合酸化物(2)の酸素原子を除く組成はV1Mg0.5
であった。この触媒には、組成物(1)中のモリブデン
原子100部に対して20部の複合酸化物(2)が含ま
れていた。反応結果を表1に示した。
100部、オキシ硝酸ジルコニウム228.5部を純水
500部中で加熱混合した後、混合液を過熱攪拌しなが
ら蒸発乾固した。得られた固形物を粉砕した後、500
℃で3時間焼成して成分B'''を得た。成分B'''の酸素
原子を除く組成はV1Zr1であった。粉末X線構造解
析より、成分B'''にはZrV2O7で表される複合酸
化物(2''')が71質量%含まれており、残余は主に
ZrO2であることを確認した。また、成分B'''の平
均粒子径は3.7μmであった。
変更し、成分A’と成分B(成分B''')の混合方法
を、擂潰機を用いて乾式混合する方法に代えて、純水1
00部中で湿式混合した後、蒸発乾固し、得られた固形
物を粉砕する方法とした以外は実施例8と同様にして触
媒を製造し、メタクロレインの酸化反応を行った。得ら
れた触媒中に含まれる組成物(1’)の酸素原子を除く
組成はMo12P1.1V 0.9Cu0.2Fe
0.05Cs0.8、複合酸化物(2''')の酸素原子
を除く組成はZrV2O7であった。この触媒には、組
成物(1’)中のモリブデン原子100部に対して14
部の複合酸化物(2''')が含まれていた。反応結果を
表1に示した。
用いずに成分A’だけを用いた以外は実施例8と同様に
して触媒を製造し、メタクロレインの酸化反応を行っ
た。得られた触媒中に含まれる組成物(1’)の酸素原
子を除く組成はMo12P1.1V0.9Cu0.2F
e0.05Cs0.8であり、前記式(2)で表される
複合酸化物(2)は含まれていなかった。反応結果を表
1に示した。
気相接触酸化反応を行うと高い収率でメタクリル酸を製
造することができる。特に前記組成物(1)中に含まれ
るモリブデン原子100質量部に対して、1〜100質
量部の前記複合酸化物(2)が含まれている触媒では、
より高い収率でメタクリル酸を製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式(1)で表される組成物(1)
と、下記式(2)で表される複合酸化物(2)とを含む
メタクリル酸合成用触媒。 MoaPbXcYdOe (1) (式(1)中、Mo、PおよびOはそれぞれモリブデ
ン、リンおよび酸素を表し、Xはカリウム、ルビジウ
ム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少
なくとも1種の元素を表し、Yは鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、タング
ステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウ
ム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチ
モン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、イ
ンジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセ
リウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を
表す。ただし、a、b、c、dおよびeは各元素の原子
比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01
≦c≦6、0≦d≦3であり、eは前記各成分の原子比
を満足するのに必要な酸素の原子比である。) VfZgOh (2) (式(2)中、VおよびOはそれぞれバナジウムおよび
酸素を表し、Zはマグネシウム、アンチモン、タングス
テン、モリブデン、ジルコニウム、チタン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、レニウ
ム、ランタン、セリウム、イットリウムおよびスカンジ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表
す。ただし、f、gおよびhは各元素の原子比を表し、
f=1のとき、0.1≦g≦10であり、hは前記各成
分の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比であ
る。) - 【請求項2】 前記組成物(1)中に含まれるモリブデ
ン原子100質量部に対して、1〜100質量部の前記
複合酸化物(2)が含まれていることを特徴とする請求
項1記載のメタクリル酸合成用触媒。 - 【請求項3】 前記組成物(1)および/またはその前
駆体を含む成分Aと、前記複合酸化物(2)を含む成分
Bとを混合する請求項1または2記載のメタクリル酸合
成用触媒の製造方法。 - 【請求項4】 メタクロレインを分子状酸素により気相
接触酸化してメタクリル酸を製造する方法において、請
求項1または2記載のメタクリル酸合成用触媒を用いる
ことを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
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